JP2000076455A - 3次元形状データ処理装置 - Google Patents

3次元形状データ処理装置

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JP2000076455A
JP2000076455A JP10245648A JP24564898A JP2000076455A JP 2000076455 A JP2000076455 A JP 2000076455A JP 10245648 A JP10245648 A JP 10245648A JP 24564898 A JP24564898 A JP 24564898A JP 2000076455 A JP2000076455 A JP 2000076455A
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JP10245648A
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English (en)
Inventor
Shinichi Ban
慎一 伴
Naoyuki Hirayama
直之 平山
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔面模型を作成する際に必要とされる両眼領
域の正確な抽出処理を自動的に行うことができる機能を
有する3次元形状データ処理装置を得る。 【解決手段】形成位置、形成面積等に基づき両眼領域候
補とされたすべての穴領域ペアから、機能F72によっ
て、「顔の略上下方向の位置が近い」、「顔の中心を境
に左右に別れている」、「面積の差が小さい」及び「色
の分散が小さい」ことを判断基準とした4つの推定が行
われる。そして、機能F73は、機能F72で行われた
4つの推定による推定ポイント合計値に基づき、最も両
眼として適格と判断される穴領域ペアを両眼領域として
採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、実存する物体の
模型を作成するための3次元形状データ処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平9−145319号公報
に開示されるような可搬型の非接触式3次元計測装置
(3次元カメラ)が商品化され、CG(コンピュータグ
ラフィック)システムやCADシステムへのデータ入
力、身体計測、ロボットの視覚認識などに利用されてい
る。非接触の計測方法としては、スリット光投影法(光
切断法)が一般的であるが、他にもパターン光投影法、
ステレオ視法、干渉縞法などが知られている。
【0003】また、パーソナルコンピュータで利用可能
な3次元CGソフトウェア、及びホビー用の小型の3次
元切削マシンが市販されている。これらを用いれば、一
般家庭でも模型や創作物を手軽に製作することができ
る。
【0004】一方、利用客の顔写真シールをその場で作
成する一種の自動販売機が人気を集めている。利用客は
料金分の硬貨を投入し、モニタ画面を見ながらカメラの
前で好みのポーズをとる。そして、所定の操作を行う
と、一定数のシールが並んだシートが作成されて取出口
に排出される。大半の機種では、顔写真の形状や写し込
み模様などについて複数の選択肢が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の3次元計測装置
によれば、写真をとるのと同程度の手軽さで人体を含む
各種物体の形状をデータ化することができる。非接触式
であるので、人体を計測する場合であっても、計測対象
者が煩わしさを感じることはない。そこで、この3次元
計測装置を顔写真ならぬ顔面模型の作成に利用すること
が考えられる。つまり、3次元加工機と組み合わせれ
ば、人物の顔を計測してその場で適当な倍率の模型を作
成することが可能である。
【0006】上述した非接触の3次元計測を用いてレン
ズファインダーで人物の眼の形状を測定すると、眼の反
射率が低い、眼の構造が複雑等の理由で、眼の領域の形
状データが正確に取得できず、顔の形状モデルに穴があ
いたり、その穴の周囲にバリが出たりする。
【0007】このような状態の眼の形状モデルを有する
顔の形状データに基づき彫像等を作成するには、穴の周
囲からデータを補間して穴を埋め、さらにスムージング
で穴のバリを取り除く必要があるが、これらの処理を行
うと眼の形状特徴が失われ、彫像に眼を作成することが
困難となる。
【0008】この発明は、顔面模型を作成する際に必要
とされる眼領域の正確な抽出処理を自動的に行うことが
できる機能を有する3次元形状データ処理装置を得るこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる請求項
1記載の3次元形状データ処理装置は、人物の2次元の
カラー画像データ及び計測基準点から前記人物の計測点
までの距離情報を含む3次元の距離画像データを入力し
て、これらのデータに基づき前記人物に関する所望の3
次元形状データを出力する装置であって、前記カラー画
像データと前記距離画像データとは2次元位置の対応づ
けが可能であり、前記3次元形状データ処理装置は、前
記カラー画像データ及び前記距離画像データに基づき、
前記人物の顔と判断される領域から、背景を除去して顔
の肌の色領域を有効とした顔の肌の色領域データを生成
する背景除去機能と、前記カラー画像データ及び前記顔
の肌の色領域データに基づき、前記カラー画像データに
おける両眼領域を推定し、該両眼領域を規定した両眼領
域画像データを生成する両眼領域推定機能とを有し、前
記両眼領域推定機能は、(a) 前記顔の肌の色領域データ
に基づき、前記顔の肌の色領域で周囲を囲まれ、自身は
肌の色領域を有さない複数の穴領域を検出するステップ
と、(b) 前記複数の穴領域から組合せ可能な少なくとも
1つの穴領域ペアそれぞれについて、穴領域ペア間の顔
の上下方向の位置関係に基づく第1の指標、穴領域ペア
が顔の左右に配置されているか否かに基づく第2の指
標、穴領域ペア間の面積差に基づく第3の指標、前記カ
ラー画像データを参照して得られる穴領域ペアの領域内
の色の分散に基づく第4の指標のうち、少なくとも1つ
の指標を求めるステップと、(c) 前記少なくとも1つの
指標に基づき、前記少なくとも1つの穴領域ペアのう
ち、最も両眼として適格と判断される穴領域ペアを前記
両眼領域として推定するステップとを備えている。
【0010】また、請求項2記載の3次元形状データ処
理装置は、前記両眼領域画像データと前記距離画像デー
タとの対応関係から、前記両眼領域における2つの眼の
3次元座標に基づく基準面を設定し、該基準面が前記計
測基準点に対し正面に向くように、前記距離画像データ
で示される距離画像領域の座標を変換する座標変換機能
をさらに備えている。
【0011】また、請求項3記載の3次元形状データ処
理装置は、前記両眼領域画像データ、前記カラー画像デ
ータ及び前記距離画像データのうち少なくとも前記両眼
領域に対応する領域のデータを含む部分距離画像データ
に基づき、疑似両眼形状データを生成する疑似両眼形状
設定機能をさらに備え、前記疑似両眼形状設定機能は、
(a) 前記両眼領域画像データと前記カラー画像データと
を対応させて、前記カラー画像データで示されるカラー
画像領域のうち前記両眼領域に対応する領域における各
画素の輝度と前記カラー画像領域のうち前記両眼領域外
の所定領域に対応する領域の輝度平均値との比較結果を
画素単位に得るステップと、(b) 前記部分距離画像デー
タで示される距離画像領域のうち前記両眼領域に対応す
る領域の各画素における顔の奥行き方向の座標を前記比
較結果に基づき変更して前記疑似両眼形状データを生成
するステップとを備えている。
【0012】この発明における請求項4記載の3次元形
状データ処理装置は、人物のカラー画像を入力する手段
と、前記カラー画像から肌の色領域を抽出することによ
り前記人物の顔領域を抽出する抽出手段と、前記顔領域
内において、前記肌の色領域で周囲を囲まれ、自身は肌
の色ではない複数の穴領域を検出する検出手段と、前記
複数の穴領域から組合せ可能な少なくとも1つの穴領域
ペアそれぞれについて、穴領域ペア間の顔の上下方向の
位置関係に基づく第1の指標、穴領域ペアが顔の左右に
配置されているか否かに基づく第2の指標、穴領域ペア
間の面積差に基づく第3の指標、前記カラー画像データ
を参照して得られる穴領域ペアの領域内の色の分散に基
づく第4の指標のうち、少なくとも1つの指標を求め、
該少なくとも1つの指標に基づき、前記少なくとも1つ
の穴領域ペアのうち、最も両眼として適格と判断される
穴領域ペアを両眼領域として推定する推定手段とを備え
ている。
【0013】
【発明の実施の形態】<立体模型作成装置>図1はこの
発明に係る立体模型作成装置1の外観図である。
【0014】立体模型作成装置1は、物体形状を計測
し、その計測データに基づいて素材をその場で加工する
機能を有しており、利用客の顔をかたどった小物品の自
動販売機として使用される。作成される物品は、所定形
状(例えば四角形)の板面から顔面の模型が突き出た立
体である。板面(背景部分)に特定の起伏模様を付加す
ることも可能である。このような物品に適当な金具を取
り付ければ、ペンダント、ブローチ、キーホルダなどの
アクセサリーとなる。予め素材に金具を取り付けておい
てもよい。
【0015】ほぼ等身大の筐体10の上半部の前面に、
利用客がポーズを確認するためのディスプレイ16とと
もに、光学式3次元計測のための投光窓12及び受光窓
14が設けられている。受光窓14は2次元のカラー撮
影にも用いられる。筐体10の下半部は上半部よりも前
方側に張り出しており、その上面が操作パネル18とな
っている。商品の取出口20は下半部の前面に設けられ
ている。
【0016】図2は操作パネル18の平面図である。
【0017】操作パネル18には、スタートボタン18
1、確認ボタン182、キャンセルボタン183、ジョ
イスティック184、及び硬貨の投入口185が設けら
れている。スタートボタン181はスタート操作手段で
あり、確認ボタン182は確認操作手段である。ジョイ
スティック184は模型の構図の変更指示に用いられ
る。左右に傾けるパーン操作、上下に傾けるチルト操
作、及びノブを回転させるロール操作に呼応して3次元
形状モデルの回転処理が行われ、処理結果が逐次表示さ
れる。また、キャンセルボタン183は、利用客が表示
された3次元形状モデルが気に入らないときなどに再計
測を指示するための操作手段である。ただし、キャンセ
ルボタン183には有効回数が設定されており、無制限
に再計測を指示することはできない。
【0018】図3は立体模型作成装置1の機能ブロック
図である。
【0019】立体模型作成装置1は、模型サイズの3次
元形状モデルを生成するモデリングシステム1Aと、3
次元形状モデルを顕在化する加工システム1Bとから構
成されている。
【0020】モデリングシステム1Aは、オリジナル物
体である利用客の外観情報をディジタルデータに変換
(データ化)する撮影システム30を含んでいる。撮影
システム30は、スリット光投影法で形状情報をデータ
化して、3次元の距離画像データ(3次元画像データ)
DSを出力する3次元計測装置34、色情報をデータ化
して2次元のカラー画像データDCを出力するする2次
元撮影装置36、及びコントローラ38より構成されて
いる。
【0021】ここで、距離画像データDSはXYZの直
交座標系における座標値として与えられるデータであ
り、3次元計測装置34内の計測基準点から対象物の当
該計測点までの距離情報を与えるものである。距離画像
データDSには、対象物からの反射光の計測データが得
られたか否かを示す有効フラグの情報も含まれる。
【0022】他方、カラー画像データDCは、各画素の
3原色データ、即ち、R(レッド)、G(グリーン)、
B(ブルー)より成るデータである。例えば、撮影シス
テム30を特開平9−145319号公報に開示されて
いる3次元カメラを用いて構成するときには、3次元計
測と2次元撮影とを同一視点から行うことができるた
め、距離画像データDSとカラー画像データDCとの対
応付けを極めて容易に行うことができる。なお、カラー
画像データDCは400×400画素データから構成さ
れ、距離画像データDSは200×200の画素データ
から構成される。
【0023】勿論、3次元計測と2次元撮影とをそれぞ
れ異なる視点で行った場合でも、距離画像データDS,
カラー画像データDCにはそれぞれ視点情報が付加され
ており、且つ3次元計測結果と2次元撮影結果との座標
の相対関係は既知であるため、距離画像データDS,カ
ラー画像データDCとの対応付けを支障なく行うことが
できる。このような距離画像データDS及びカラー画像
データDCは、後述する3次元形状データ処理装置40
に入力される。
【0024】なお、3次元計測法として、スリット光投
影法に代えて他の手法を用いてもよい。
【0025】3次元形状データ処理装置40は図示しな
い画像処理回路を備えており、本発明に特有のデータ修
正を含む各種のデータ処理を行い、本発明の中核部分で
ある。3次元形状データ処理装置40のコントローラ4
2は、立体模型作成装置1の全体的な制御をも担い、撮
影システム30のコントローラ38及び加工システム1
Bのコントローラ176に適切な指示を与える。このコ
ントローラ42には、ディスプレイ16及び操作入力シ
ステム44が接続されている。操作入力システム44
は、上述の操作パネル18と料金受領機構とからなる。
【0026】一方、加工システム1Bは、樹脂ブロック
などの材料を切削する加工装置172、材料の加工位置
への供給と加工品の取出口20への搬送を行う材料供給
装置174、コントローラ176、及び取出口センサ1
78を備えている。取出口センサ178の検出信号はコ
ントローラ42に入力される。
【0027】なお、撮影システム30及び加工システム
1Bの制御をコントローラ42に受け持たせ、コントロ
ーラ38及びコントローラ176を省略した回路構成を
採用してもよい。
【0028】<立体模型作成装置の概略動作>図4は立
体模型作成装置1の概略の動作を示すフローチャートで
ある。以下、同図を参照してその概略動作の処理手順を
説明する。
【0029】電源が投入された後、利用客による操作を
待つ待機期間において、2次元撮影と撮影結果の表示と
を繰り返す(ST10、ST12、ST14)。また、
定期的に案内メッセージを表示する。料金が投入されて
スタートボタン181が押されると、改めて2次元撮影
を行うとともに3次元計測を行う(ST16、ST1
8)。所定のデータ処理を行い(ST20)、得られた
3次元形状モデルを表示する(ST22)。このとき、
影を付すといった公知のグラフィック手法を適用して見
栄えを高める。そして、指示操作を待つ。ただし、待ち
時間は有限であり、時限を過ぎれば確認操作が行われた
ものとみなす。
【0030】ジョイスティック184が操作されると、
上述のように3次元形状モデルを操作に応じて回転させ
て表示する(ST24、ST38)。キャンセルボタン
183が押されると、待機期間の動作に戻る(ST4
0、ST10)。ただし、この場合、利用客が料金を改
めて投入する必要はなく、スタートボタン181を押せ
ば、再計測が行われる。
【0031】確認ボタン182が押されると(ST2
6)、3次元形状モデルに基づいて加工条件データベー
スを参照して加工制御用のデータを生成し(ST2
8)。材料の加工を行う(ST30)。加工が終わる
と、商品を排出し(ST32)、取出口センサ178に
よって商品が取り出されたのを確認して待機動作に戻る
(ST34、ST10)。
【0032】<顔面形状処理機能>図5は、図4のステ
ップST20のデータ処理をデータの流れを示すデータ
フロー図である。図5において、ハッチング付の太矢印
線はカラー画像データDCに基づくデータの流れを示し
ており、実線矢印は距離画像データDSに基づくデータ
の流れを示しており、破線矢印は2値画像データの流れ
を示している。
【0033】また、各機能F1〜F9,SF1及びSF
2は3次元形状データを生成するために、図3で示した
3次元形状装置データ処理装置40で行われるデータ処
理機能を示している。特に、機能SF1及びSF2は、
3次元形状データ中、顔面の両眼形状モデルのデータを
生成するための機能に該当している。以下、各機能F1
〜F3,SF1、SF2、F4〜F9をこの順で説明す
ることにするが、本発明の中核をなす機能は機能F2で
ある。
【0034】(距離平滑化機能F1)距離平滑化機能F
1は、図3の3次元計測装置34が出力する未加工の3
次元形状データである距離画像データDSに対してノイ
ズ除去してノイズ除去済みの距離画像データDS1を得
る。
【0035】(背景除去機能F2)距離平滑化機能F1
によってノイズ除去された距離画像データDS1とカラ
ー画像データDCとに基づき、背景(髪の毛、首、耳を
含む)が除去された模型用顔領域を2次元で規定した顔
の肌領域2値画像データDB1を得、さらに、顔の肌領
域2値画像データDB1に対応する距離画像データDS
1のみを有効にした距離画像データDS2を生成する。
なお、背景除去機能F2については後に詳述する。
【0036】(欠陥データ補間機能F3)背景除去機能
F2によって背景除去された距離画像データDS2に対
して、データ欠落画素部分を周囲の画素を用いて補間す
る。補間の方法としては線形補間等がある。データ欠落
画素部分が生じる理由は主として次の2つが考えられ
る。
【0037】3次元計測装置34からの計測用のレーザ
光を対象物に照射してその反射光を計測する際、対象
物の黒色部分ではレーザ光の反射率が著しく低下するた
め、模型用顔領域中の黒色部分(黒目部分、眉等)のデ
ータが欠落する、上記計測方式では、対象物中、透光
側及び受光側の両方から見える部分だけのデータが得ら
れるにすぎないため、そうでない部分のデータが欠落し
てしまう。
【0038】(カラー平滑化機能SF1)図3の3次元
計測装置34が出力する未加工のカラー画像データDC
に対してノイズ除去してノイズ除去済みのカラー画像デ
ータDC1を得る。
【0039】(両眼領域推定機能SF2)カラー平滑化
機能SF1によってノイズ除去されたカラー画像データ
DC1から、背景除去機能F2で得られた顔の肌領域2
値画像データDB1に基づき、カラー画像データDC1
における両眼領域を規定した両眼領域2値画像データD
B2を生成する。また、カラー画像データDC1がその
ままカラー画像データDC2して出力される。なお、両
眼領域推定機能SF2については後に詳述する。
【0040】(CF(Camera Face)CF座標変換機
能F4)欠陥データ補間機能F3によって欠落データが
補間された距離画像データDS3及び両眼領域推定機能
SF2によって推定された両眼領域2値画像データDB
2とに基づき、眼の領域を基準として決定される顔形状
の向きが、丁度カメラに対して真正面に位置する状態に
なるように、距離画像データDS3に対する座標変換を
行って距離画像データDS4を生成する。
【0041】すなわち、カメラ中心の座標系で表現され
ていた距離画像データDS3が顔中心の座標系で表現さ
れる距離画像データDS4に変換される。なお、カラー
画像データDC2はそのままカラー画像データDC4と
して出力される。また、CF座標変換機能F4について
は後に詳述する。
【0042】(再標本化機能F5)CF座標変換機能F
4でCF座標変換された距離画像データDS4に対して
再標本化あるいは均等化というデータの座標変換処理を
行う。3次元計測装置34が透視投影変換により得た距
離画像データDSを元データとする距離画像データDS
4は不規則に画素が並んだデータとなっている。そこ
で、距離画像データDS4を新たな視点から見たときに
均等に画素が並んでいる距離画像データに投影変換する
の再標本化処理である。
【0043】再標本化機能F5の再標本化処理によって
距離画像データDS4は3つの部分距離画像データに変
換される。すなわち、人の顔形状モデルを与えるための
第1の形状データDS51、疑似両眼形状モデルを生成
するための第2の形状データDS52、及び顔輪郭近傍
形状モデルを生成するための第3の形状データDS53
に変換される。
【0044】(疑似両眼形状設定機能F6)CF座標変
換機能F4をスルーしたカラー画像データDC4及び両
眼領域推定機能SF2で生成された両眼領域2値画像デ
ータDB2と、再標本化機能F5で再標本化された疑似
両眼形状モデルの第2の形状データDS52とに基づ
き、第2の形状データDS52における両眼対応領域の
奥行き(切削深さ)を与えるように、第2の形状データ
DS52を加工して疑似両眼形状データDS6を生成す
る。なお、疑似両眼形状設定機能F6については後に詳
述する。
【0045】(顔輪郭形状設定機能F7)再標本化機能
F5で再標本化された人の顔形状モデルを与えるための
第1の形状データDS51及び顔輪郭近傍形状モデルを
生成するための第3の形状データDS53に基づき、第
3の形状データDS53が与える形状モデルから、第1
の形状データDS51が与える形状モデルと重複した部
分のデータ削除を行い(差分処理)、顔輪郭形状データ
DS7を生成する。
【0046】(外周平滑化機能F8)顔輪郭形状設定機
能F7で生成された顔輪郭形状データDS7及び再標本
化機能F5で再標本化された第1の形状データDS51
に対して外周平滑化を行う。すなわち、顔面中、傾斜の
ある部分では距離画像データの変化が大きいため、かか
る傾斜面を顔面模型に顕出させる際に切削位置がバラツ
キやすいという問題が生じる。そこで、横方向から顔面
模型を眺めても傾斜面の切削位置が平滑化するように、
両データDS51及びDS7をそれぞれ修正して第1の
形状データDS81及び顔輪郭形状データDS83す
る。
【0047】(FW(Face Work)FW座標変換機能
F9)外周平滑化機能F8で外周平滑化処理された第1
の形状データDS81及び顔輪郭形状データDS83並
びに疑似両眼形状設定機能F6で生成された疑似両眼形
状データDS6に対して、これらのデータが顔面を加工
するワークの大きさに応じた形状データとなるように座
標変換を施す。
【0048】これにより、顔形状モデルを与える顔形
状データDS91,疑似両眼形状モデルを与える疑似
両眼形状データDS92、及び顔輪郭近傍形状モデル
を与える顔輪郭近傍形状データDS93が最終的に得ら
れる。これらの形状データDS91,DS92及びDS
93を「3次元形状データ」とも総称する。
【0049】<背景除去機能F2の詳細> (概略のフロー)図6は図5の背景除去機能F2の処理
の手順の概略を示すフローチャートである。
【0050】同図を参照して、まず、ステップS1で、
カラー画像データD11(図5のカラー画像データDC
1に相当)、マスク画像データD12及び距離画像デー
タD13(図5の距離画像データDS1に相当)に基づ
き、模型用顔領域の候補となるカラー画像を指示する有
効領域設定済みカラー画像データD14を出力する有効
領域設定処理を行う。
【0051】そして、ステップS2で、距離画像データ
D13、有効領域設定済みカラー画像データD14及び
暫定サンプリング領域データD15に基づき、有効領域
設定済みカラー画像データD14で示されるカラー画像
のうち、肌の色に近い色を有する領域のみを指示する暫
定肌の色領域2値画像データD17を出力するカラー画
像領域分割処理を行う。
【0052】続いて、ステップS3で、距離画像データ
D13、暫定肌の色領域2値画像データD17及び顔の
肌の色のサンプリング領域データD18に基づき、暫定
肌の色領域2値画像データD17で指示された画像領域
から、耳、首の等の領域を取り除いて、さらに穴埋め処
理が施された模型用顔領域を指示する穴埋め済み顔の肌
領域2値画像データD20(図5の顔の肌領域2値画像
データDB1に相当)を出力する。
【0053】最後に、ステップS4で、穴埋め済み顔の
肌領域2値画像データD20で指示された模型用顔領域
に対応する距離画像領域を有効にするように、距離画像
データDS1を加工して距離画像データDS2を出力す
る。
【0054】(有効領域設定処理(S1)の詳細)図7
は図6の有効領域設定処理(S1)を実行する各機能を
データフローとともに示した図である。
【0055】同図を参照して、機能F21において、カ
ラー画像データD11(DC1)の全画像領域から、カ
ラー画像データD11中の大まかな有効領域を示すマス
ク画像データD12で指示されるマスク画像領域を取り
除いてマスク処理済みカラー画像データを得る。したが
って、図8の(a)に示すように、マスク画像領域51の
中にあるカラー画像領域がマスク処理済みカラー画像領
域50となり、この領域50のみを有効としたマスク処
理済みカラー画像データが得られることになる。
【0056】続いて、機能F22において、機能F21
で得られたマスク処理済みカラー画像領域と距離画像デ
ータD13(DS1)とを対応させ、対応する距離画像
データの画素が無効を指示する距離画像無効領域を、上
記マスク処理済みカラー画像領域から取り除いたカラー
画像領域である有効カラー画像領域を指示する有効領域
設定済みカラー画像データD14を生成する。
【0057】したがって、図8の(b)に示すように、マ
スク処理済みカラー画像領域50から距離画像無効領域
52を除いた領域が有効カラー画像領域62となり、こ
の領域62のみを有効とした有効領域設定済みカラー画
像データD14が得られることになる。
【0058】(カラー画像領域分割処理(S2)の詳
細)図9は図6のカラー画像領域分割処理(S2)を実
行する各機能をデータフローとともに示した図である。
また、図10及び図11はカラー画像領域分割処理の理
解を容易にするための説明図であり、図13は暫定肌の
色領域2値画像データD17で示される2値画像の一例
を示した図である。
【0059】これらの図を参照として、機能F31は、
距離画像データD13の有効な距離画像領域を暫定サン
プリング領域データD15で指示された暫定サンプリン
グ領域でマスク処理してサンプリング領域探索領域を指
示するマスク処理済み距離画像データを生成する。すな
わち、図10に示すように、有効な距離画像領域53
(便宜上、矩形で示した)と、暫定サンプリング領域5
4との重複領域がサンプリング領域探索領域54とな
る。
【0060】そして、機能F32は、マスク処理済み距
離画像データで指示されるサンプリング領域探索領域の
距離画像及びステップS1の有効領域設定処理で得た有
効領域設定済みカラー画像データD14で指示される有
効カラー画像領域に基づき、有効カラー画像領域から、
鼻の頂点の上方に予め定められた大きさの矩形のサンプ
リング領域に対応するサンプリングカラー画像領域を抽
出して、当該サンプリングカラー画像領域を示すサンプ
リングカラー画像領域データD18を出力する。
【0061】機能F32は部分機能F32A,F32B
からなり、部分機能F32Aは、サンプリング領域探索
領域にある距離画像のうち、Z軸方向(図10参照)の
最大値を採る2次元座標を検出することにより、鼻の頂
点の2次元座標を認識する。
【0062】そして、部分機能F33Bは、部分機能F
33Aで認識した鼻の頂点の2次元座標の上方にサンプ
リング領域を設定する。すなわち、図10に示すよう
に、鼻の頂点57が部分機能F31で認識されると、そ
の上方に矩形のサンプリング領域56が設定される。さ
らに、部分機能F33Bは、有効領域設定済みカラー画
像データD14で指示される有効カラー画像領域から上
記サンプリング領域に対応する領域のみを有効とするマ
スク処理を行って、サンプリングカラー画像領域を示す
サンプリングカラー画像領域データD18を得る。
【0063】なお、部分機能F32Aがサンプリング領
域探索領域中のZ軸方向の最大値を採る座標位置を鼻の
頂点位置と認識するため、カメラに対して顔が傾いてい
る場合は、サンプリング領域探索領域の周辺部を鼻の頂
点位置として誤認する危険性がある。
【0064】例えば、図11に示すように、部分機能F
31がサンプリング領域探索領域55の左上端部を鼻の
頂点位置61と誤認した場合、部分機能F32で設定し
たサンプリング領域61(60は鼻の頂点位置)が、サ
ンプリング領域探索領域55をはみ出す。このように、
部分機能F31が鼻の頂点位置を誤認した場合はサンプ
リング領域がサンプリング領域探索領域からはみ出す確
率が高い。
【0065】そこで、部分機能F32Bは、鼻の頂点位
置座標に基づき設定したサンプリング領域がサンプリン
グ領域探索領域からはみ出す時、そのサンプリング領域
を採用することなく、部分機能F32Aで認識された鼻
の頂点位置を無視して、サンプリング領域探索領域の中
央にサンプリング領域を設けるようにする。これによ
り、部分機能F32Aが鼻の頂点位置を誤認しても、か
なり高い確率で部分機能F32Bで訂正することができ
る。
【0066】機能F33は、機能F32によって得られ
たサンプリングカラー画像領域データD18で示される
サンプリングカラー画像領域を統計対象として肌の色
(RGB)のサンプリングを行ってサンプリング正規分
布データD16を得る。
【0067】まず、部分機能F33Aで、サンプリング
カラー画像領域内の色の平均値を求める。
【0068】次に、部分機能F33Bで、部分機能F3
3Aで求めた平均値からの色距離をサンプリングカラー
画像領域における各画素ごとに算出する。
【0069】続いて、部分機能F33Cで、各画素のR
GBそれぞれの色距離の分布を3次元正規分布に当ては
め、平均値を中心として15σ(σ:標準偏差)に入ら
ない色距離を有する画素を除去し、残った画素からなる
サンプリングカラー画像領域を新たなサンプリングカラ
ー画像領域として再設定する。
【0070】最後に、部分機能F33Dで、部分機能F
33Cで再設定されたサンプリングカラー画像領域を統
計対象として、各画素の色の平均値からの色距離の分布
を3次元正規分布に当てはめてサンプリング正規分布デ
ータD16を得る。このサンプリング正規分布データD
16得ることは色の共分散行列の逆行列と色の平均値と
を得たことと等価になる。
【0071】機能F34において、サンプリング正規分
布データD16を参照して、有効領域設定済みカラー画
像データD14で示される有効カラー画像領域から、平
均値を中心として15σに入らない色を有する画素を除
去し、有効カラー画像領域において除去されずに残った
画素に対応する画素を有効(白色)にした、図13の2
値画像71のような暫定肌の色領域2値画像を示す暫定
肌の色領域2値画像データD17を生成する。
【0072】(顔の肌領域設定処理(S3)の詳細)図
12は顔の肌領域設定処理(S3)を実行する各機能を
データフローとともに示した図である。また、図14〜
図16は肌領域設定処理の理解を容易にするための画像
の例を示した図である。
【0073】これらの図を参照して、機能F41は、サ
ンプリングカラー画像領域データD18で示されるサン
プリングカラー画像領域を参照して、距離画像データD
13で示される距離画像領域のうち、サンプリングカラ
ー画像領域に対応する領域を統計対象として、ピクセル
間距離のσ、平均値を求める。なお、ピクセル間距離と
は隣接する画素間の3次元座標系における距離である。
【0074】そして、機能F42において、機能F41
の統計対象となった距離画像領域のうち、平均値から3
σの範囲入るピクセル間距離を有する画素のみを、新た
な統計対象とし、再び、ピクセル間距離のσ、平均値を
求める。
【0075】次に、機能F43で、距離画像データD1
3で示される全体の距離画像領域において、機能F42
の統計処理で得られた平均値から3σの範囲に入らない
ピクセル間距離を有する画素ペアを検出している。すな
わち,画素がXY平面上に等間隔に並んでいるためピク
セル間距離が長く、平均値から3σの範囲に入らない場
合は傾斜が急となっていると判断し、傾斜が急な部分と
認識される画素ペアを検出している。
【0076】そして、機能F44で、機能F43で検出
された画素ペアのうち、顔の奥方向にある(Z方向の値
が小さい)方の画素のみを白とする2値画像を得る。
【0077】その後、機能F45において、白の画素の
モルフォロジー処理(膨張処理)を行い、図14に示す
ように、顔面の輪郭線を白で示したピクセル間距離評価
結果2値画像72を得る。
【0078】一方、機能F46は、ステップS2のカラ
ー画像領域分割処理で得た暫定肌の色領域2値画像デー
タD17で示される肌の色領域2値画像(図13参照,
400×400画素)をX,Y方向にそれぞれ1/2に縮小し
て、ピクセル間距離評価結果2値画像72と同じ大きさ
(200×200画素)の縮小肌の色領域2値画像を得る。
【0079】そして、機能F47で、白を“1”,黒を
“0”として、縮小肌の色領域2値画像からピクセル間
距離評価結果2値画像を引き算処理して、図15に示す
ような引き算済み2値画像73を得る。このとき、図1
5に示すように、引き算済み2値画像は、頭に置かれた
手の領域、耳領域、首領域が、それぞれ顔領域と黒の画
素領域(顔面の輪郭線で引き算された領域)を境界とし
て完全に分離される。
【0080】そして、機能F48で、引き算済み2値画
像のうち、黒の画素で分離された白の画素の固まりを構
成する画素群であるクラスターをそれぞれラベリングす
る。
【0081】次に、機能F49で、ラベリングされた各
クラスターのうち、サンプリングカラー画像領域データ
D18で示されるサンプリングカラー画像領域の中心部
近傍にあるクラスターのみを顔領域クラスターとして採
用する。
【0082】そして、機能F50で、顔領域クラスター
に対して白のモルフォロジー処理,クロシング(Closin
g)処理を行うことにより、顔領域クラスターの整形処
理を施して、図16に示すような、穴埋めなし顔の肌領
域2値画像74を示す穴埋めなし顔の肌領域2値画像デ
ータD19を生成する。
【0083】さらに、機能F51は、穴埋めなし顔の肌
領域2値画像データD19で示される穴埋めなし顔の肌
領域2値画像における黒の穴領域を白にする穴埋め処理
及び黒の入り江を埋める処理を行って穴埋め済み顔の肌
領域2値画像(模型用顔領域)を示す穴埋め済み顔の肌
領域2値画像データD20を生成する。
【0084】(背景除去機能F2による効果)ステップ
S2の有効領域設定処理は、距離画像データD13に基
づき確実に顔と認識される領域でサンプリングされた肌
の色を判断基準として、肌の色の領域か否かを認識する
ため、純粋な肌の領域(顔の領域から、眼、口、鼻の
穴、まゆげ等が除かれた領域)を有効とした領域を示す
暫定肌の色領域2値画像データD17を出力することが
できる。
【0085】加えて、肌の色のサンプリング領域を鼻の
近傍領域に設定することにより、傾いた面における肌の
色も鼻の傾斜面から確実にサンプリングすることができ
るため、顔の輪郭近傍領域の色も確実に肌の色と認識す
ることができる。
【0086】また、ステップS3の顔の肌領域設定処理
で、距離画像データD13に基づき、顔領域において斜
面となる部分(ピクセル間距離が大きい画素ペア)を抽
出して顔面の輪郭線を得、暫定肌の色領域2値画像デー
タD17で有効とされてい領域から、顔面の輪郭線で分
断される顔面外の領域を無効にして、依然有効とされて
いる領域を示す顔の肌領域2値画像データD19,D2
0を生成するため、模型用顔領域では必要としないが、
ステップS2の有効領域設定処理では肌の色領域として
認識されてしまう、首、耳等の領域を確実に分離した顔
の肌領域2値画像データD19,D20を得ることがで
きる。すなわち、顔面模型を作成する際に必要とされる
模型用顔領域を正確に示した顔の肌の色領域2値画像デ
ータD19,D20を得ることができる。
【0087】<両眼領域推定機能SF2の詳細>図17
及び図18は両眼領域推定機能SF2を実現するための
各機能をデータフローとともに示した図である。また、
図19は両眼領域推定機能SF2の理解を容易にするた
めの説明図である。図20は両眼領域を推定するための
判断材料となる両眼領域推定表を示す説明図である。
【0088】これらの図を参照して、機能F61で、穴
埋め済み顔の肌領域2値画像データD20で示される穴
埋め済み顔の肌領域2値画像から、顔の肌領域を囲む矩
形を得る。例えば、図19に示すように、顔の肌領域8
0が存在すれば、顔の肌領域08を矩形で囲む矩形領域
81が設定される。
【0089】次に、機能F62で、サンプリングカラー
画像領域データD18より得られるサンプリング領域に
基づき、鼻(の頂点)より上の顔の肌領域を示す上部部
分矩形領域を得る。例えば、図19に示すように、矩形
領域81の上部領域に太線で示す上部部分矩形領域82
を得る。
【0090】そして、機能F63で、ユーザ設定両眼領
域矩形データD21より得られるユーザ指定矩形領域と
機能F61で得た上部部分矩形領域との重複領域となる
矩形の両眼探索領域を得る。例えば、図19に示すよう
に、上部部分矩形領域82とユーザ指定矩形領域83と
の重複領域となる斜線でハッチングした領域が両眼探索
領域84となる。
【0091】一方、機能F64は、穴埋め済み顔の肌領
域2値画像データD20で示される穴埋め済み顔の肌領
域2値画像から、穴埋めなし顔の肌領域2値画像データ
D19で示される穴埋めなし顔の肌領域2値画像を引き
算し、顔の肌領域における穴画像を得る。上記引き算処
理は白を“1”,黒を“0”として行われる。
【0092】そして、機能F65は、機能F63で得ら
れた両眼探索領域と機能F64で得られた穴画像とに基
づき、両眼探索領域に存在する穴画像のみを有効とす
る。
【0093】次に、機能F66において、機能F65で
有効とされた穴画像における各穴領域をラベリングして
識別可能にする。
【0094】続いて、機能F67で、各穴領域の面積の
顔の肌領域との面積比を評価して、基準より小さい面積
の穴領域を棄却し、棄却されずに残った穴領域を両眼候
補穴領域とする。
【0095】その後、機能F68で、両眼候補穴領域と
カラー画像データDC1とを比較して、両眼候補穴領域
に対応するカラー画像中の画素の色の共分散行列の逆行
列と平均値を求める。
【0096】そして、機能F69で、各穴領域に対して
色の共分散行列の逆行列のトレース値を求める。なお、
色の共分散行列の逆行列のトレース値は、各穴領域の色
の分散を示す指標となる。
【0097】一方、機能F70で、機能F67で両眼候
補穴領域とされた各穴領域を囲む矩形を得て、機能F7
1でその矩形の中心2次元座標を求める。
【0098】そして、機能F72では、機能F67で得
られた両眼候補穴領域に関する情報、機能F68,F6
9で求められた各穴領域における色の共分散行列の逆行
列のトレース値、機能F70,F71で求められた各穴
領域を囲む矩形及びその中心座標に関する情報に基づ
き、全穴領域おいて組合せ可能な穴領域のペアすべてに
ついて、部分機能F72A〜F72Dにより4つの推定
を行う。なお、部分機能F72A〜F72Dはそれぞれ
推定ポイントが少ない穴領域ペアを両眼領域候補として
有力であることを示している。
【0099】部分機能F72A,72Bは穴を囲む矩形
領域の中心座標に基づく推定である。中心座標はX軸,
Y軸で決定される2次元上の座標であり、顔の略左右
(幅)方向の座標軸がX軸となり、顔の略上下(高さ)
方向の座標がY軸となる。
【0100】部分機能F72Aは、各穴領域ペアの穴を
囲む矩形の中心座標について、推定指標E1=「穴領域
ペア間のY座標値の差/穴領域ペアのY座標の平均値」
を各穴領域ペアについて求め、その後、各穴領域ペアを
推定指標E1の降順にならべ、順位の高い方から順に高
得点となる推定ポイントA1を各穴領域ペアに与える。
すなわち、顔の略上下方向の位置が近い穴領域ペアを有
力な両眼領域候補と推定している。
【0101】部分機能F72Bは、穴埋めなし顔の肌領
域2値画像データD19あるいは穴埋め済み顔の肌領域
2値画像データD20等から、顔の肌領域を囲む矩形の
中心X座標(顔中心X座標)を求めた後、各穴領域ペア
の穴を囲む矩形の中心座標について、一方のX座標から
他方のX座標にいたる間に顔中心X座標が位置するか/
否かに基づき良/不良の推定指標E2を決定する。すな
わち、穴領域ペアが顔の左右に分かれているか否かに基
づき推定指標E2の良/不良を決定している。
【0102】ここで、推定指標E2が不良となった穴領
域ペアそれぞれに、推定ポイントA2=「他の機能(F
72A,F72C及びF72D)の推定で与える総得点
/不良の推定指標E2の数」を与え、推定指標E2が良
となった穴領域ペアそれぞれに、推定ポイントA2=
“0”を与える。したがって、顔の中心を境に左右に別
れている穴領域ペアを有力な両眼領域候補として推定し
ている。
【0103】部分機能F72Cは、穴領域ペアそれぞれ
について、推定指標E3=「穴領域ペアの面積の差/穴
領域ペアの面積の平均値」を求め、各穴領域ペアを推定
指標E3の降順にならべ、順位の高い方から順に高得点
となる推定ポイントA3を各穴領域ペアに与える。すな
わち、面積の差がより小さい穴領域ペアを有力な両眼領
域候補と推定している。
【0104】部分機能F72Dは、穴領域ペアそれぞれ
について、推定指標E4=「穴領域ペアの共分散行列の
逆行列のトレース値の和」を求め、各穴領域ペアを推定
指標E4の降順にならべ、順位の高い方から順に高得点
となる推定ポイントA4を各穴領域ペアに与える。すな
わち、色の分散がより小さい穴領域ペアを有力な両眼領
域候補としている。
【0105】機能F72(F72A〜F72D)による
4つの推定が終了すると、機能F73で、各穴領域ペア
について、機能F72(F72A〜F72D)で求めた
推定ポイントA1〜A4を加算して得られる推定ポイン
ト合計値を求め、推定ポイント合計値が最も少ない穴領
域ペアを両眼領域として採用する。
【0106】例えば、図20に示すように、1〜4の穴
番号を有する穴領域における穴領域ペアは6通り(1−
2,1−3,1−4,2−3,2−4,3−4)であ
り、各穴領域ペアについて推定ポイント合計値を求めら
れる。
【0107】図20の例では、推定ポイントA1〜A4
それぞれに与えられる総得点は15点であり、推定ポイ
ントA1,A3及びA4それぞれは順位の高い穴領域ペ
アから“5”,“4”,“3”,“2”,“1”,
“0”の順で得点が与えられる。また、推定指標E2が
不良となった穴領域ペアは(1−2,1−3,2−4)
の3組存在したため、これらの穴領域ペアには推定ポイ
ントA2=総得点/存在組数=15/3=5点が与えら
れ、上記以外の穴領域ペアには推定ポイントA2=
“0”点が与えられる。
【0108】したがって、図20の両眼領域推定表から
は、推定ポイント合計値=4と最小値を採る穴番号2−
3の穴領域ペアが両眼領域として採用される。
【0109】最後に、機能F74は、採用した両眼領域
を示す2値画像を示す両眼領域2値画像データD31
と、その両眼領域の各眼領域を囲む矩形を示す眼領域矩
形領域データD32を求めて出力する。これら両眼領域
2値画像データD31及び眼領域矩形領域データD32
が両眼領域2値画像データDB2に相当する。
【0110】このように、両眼領域推定機能SF2は、
背景除去機能F2より得られた模型用顔領域を2次元で
規定した顔の肌領域2値画像データDB1(穴埋めなし
顔の肌領域2値画像データD19及び穴埋め済み顔の肌
領域2値画像データD20)に基づき、両眼領域候補と
して顔領域に存在する肌領域以外で周囲を肌領域で囲ま
れた穴領域を採用することにより、眼の形状特徴が損な
われない領域を両眼領域候補とすることができる。
【0111】また、両眼領域候補となるすべての穴領域
ペアから、「顔の略上下方向の位置が近い」、「顔の中
心を境に左右に別れている」、「面積の差が小さい」及
び「色の分散が小さい」ことを判断基準として、最も両
眼として適格と判断される穴領域ペアを両眼領域として
採用することにより、予め設けられた両眼モデル(テン
プレート)を用いた比較による不安定な推定に比べ、ロ
バスト性が高い両眼領域の推定を行うことができる。そ
の結果、両眼領域推定機能SF2によって、両眼領域の
正確な抽出処理を自動的に行うことができる。
【0112】なお、上記4つの判断基準は必ずしもすべ
て必要ではなく、少なくとも1つを用いることができれ
ば、比較的高精度に両眼領域を推定することができる。
特に、「色の分散が小さい」ことを判断基準とする部分
機能F72Dによる推定は単独で用いてもかなりの高精
度な推定が期待できる。
【0113】(その他)なお、3次元形状データ処理装
置40における背景除去機能F2及び両眼領域推定機能
SF2を機能表現要素からなる装置としてみた場合、カ
ラー画像から肌の色領域を抽出することにより人物の顔
領域を抽出する抽出手段(背景除去機能F2に相当)
と、顔領域内において、肌の色領域で周囲を囲まれ、自
身は肌の色ではない複数の穴領域を検出する検出手段
(機能F61〜F67に相当)と、複数の穴領域から組
合せ可能な少なくとも1つの穴領域ペアそれぞれについ
て、穴領域ペア間の顔の上下方向の位置関係に基づく第
1の指標、穴領域ペアが顔の左右に配置されているか否
かに基づく第2の指標、穴領域ペア間の面積差に基づく
第3の指標、前記カラー画像データを参照して得られる
穴領域ペアの領域内の色の分散に基づく第4の指標のう
ち、少なくとも1つの指標を求め、該少なくとも1つの
指標に基づき、上記少なくとも1つの穴領域ペアのう
ち、最も両眼として適格と判断される穴領域ペアを両眼
領域として推定する推定手段(機能F68〜F74に相
当)とから構成されていると解釈することができる。
【0114】<CF座標変換(顔正対処理)機能F4の
詳細>図21はCF座標変換機能F4の処理の流れを示
すフローチャートである。また、図22及び図23はC
F座標変換機能F4の理解を容易にするための説明図で
ある。
【0115】これらの図を参照して、まず、ステップS
11で、両眼領域推定機能SF2より得られる両眼領域
2値画像データDB2により、両眼領域を取得する。
【0116】そして、ステップS12で、ステップS1
1で取得した両眼領域の2次元座標と距離画像データD
S3で示される距離画像とを対応づけることにより、両
眼領域における各画素の3次元座標(3D座標)を求
め、両眼領域を構成する各眼領域の3D平均座標を算出
する。なお、3D平均座標を求める際、メディアンフィ
ルタを用いてノイズを成分を除去する。また、3D平均
座標を算出するのは、1画素の3D座標を求める場合よ
りも信頼性を上げるためである。
【0117】続いて、ステップS13で、顔の最大矩形
と両眼領域の2つの3D平均座標から、顔のあごの下端
と両眼領域との間に所定の比率で設けられた2つの補助
基準点を仮想的に設けて、補助基準点を含む所定の領域
からなる補助基準領域の3D平均座標を算出する。
【0118】以下、ステップS13の処理内容について
図22を例に挙げて詳述する。なお、図22において、
右方向がX軸の正方向、上側がY軸の正方向となる。
【0119】両眼領域を構成する穴領域ペアの3D平均
座標をP1(xe1,ye1),P2(xe2,ye
2)とすると、図22に示すように、座標P1,P2か
らそれぞれ負のX方向にx2,負のY方向にy1移動し
た座標P03(xe1−x2,ye1−y1),P04
(xe2−x2,ye2−y1)を求め、これらの座標
P03,P04を補助基準点の3D座標とする。
【0120】ただし、距離画像データDS3の最大矩形
のY座標の最小値に基づき、あごラインL1が得られ、
パラメータm,nは事前に指定されているとする。
【0121】また、y1は座標P1,P2の中点p10
のY座標とあごの下端のY座標ALをm:nに分割した
mの比率を有する距離に設定されるため、次の(I)式で
表される。
【0122】y1=((ye1+ye2)/2-AL)・m/(m+n)…(I) そして、座標P1,P2の中点p10からあごラインL
1に降ろした垂線との交点p11と、座標P1,P2を
結ぶ直線に対する角度が直角になるようにして中点p1
0から伸びる直線があごラインL1と交わる交点p12
とを設定する。このとき、交点p11,p12間のX座
標の変位を(x1+x2)として、x1:x2=n:m
となるように設定する。したがって、中点p10、交点
p11及びp12を3頂点とした三角形84と座標P
1、P2及び座標p20(xe1,ye2)を3頂点と
した三角形85との相似関係から、x2は次の(II)
式で求められる。
【0123】 x2=((ye1+ye2)/2-AL)・(ye1-ye2)・m/((xe2-xe1)・(m+n))…(II) このようにして、両眼領域の座標P1,P2に基づき、
2つの補助基準点P03,P04を得ることができる。
【0124】そして、補助基準点P03,P04を含む
所定の領域からなる補助基準領域を仮想設定し、この領
域と距離画像データDS3で示される距離画像とを対応
づけることにより、補助基準領域における各画素の3D
座標を求め、補助基準領域を構成する2つの領域それぞ
れの3D平均座標P3,P4(図22では図示せず)を
算出する。なお、3D平均座標を算出するのは、1画素
の3D座標を求める場合よりも信頼性を上げるためであ
る。
【0125】図21に戻って、ステップS14で、4点
の3D平均座標P1〜P4から、顔を正対させるための
回転角を求める。以下、この処理について図23を例に
挙げて説明する。
【0126】図23において、R1,R2が両眼領域で
あり、R3,R4が補助基準領域である。また、PLは
3D平均座標P1〜P4からなる多面体の基準面であ
り、V1は基準面PLの法線ベクトルである。なお、基
準面PL及び法線ベクトルV1は3次元図形に関する既
存のアルゴリズムを用いて決定される。
【0127】そして、基準面PLの法線ベクトルV1が
Z軸に重なるための第1の回転角KT1を求める。その
後、第1の回転角KT1による回転後に両眼領域の両眼
形成方向EDのXY平面における傾きを解消するための
第2の回転角KT2を求める。
【0128】最後に、ステップS15で、ステップS1
4で求めた第1及び第2の回転角KT1及びKT2か
ら、3D座標変換行列を求めて、距離画像データDS3
に対する座標変換を行って顔中心の座標系で表現される
距離画像データDS4を生成する。同様にして、カラー
画像データDC2を顔中心の座標系で表現されるカラー
画像データDC4にCF座標変換する。
【0129】このように、CF座標変換機能F4は、両
眼領域とあごの下端とから決定される基準面がZ軸方向
に正面に向くように行う第1の回転と、両眼領域の両眼
形成方向EDのXY平面における傾きを解消するための
第2の回転とによって、基準面で判断される顔形状の向
きが、カメラに対して真正面に位置するように座標変換
して顔正対処理を行っている。
【0130】上述した基準面は両眼領域の3D平均座標
P1,P2とあごの下端位置及び両眼領域の形成位置か
ら設定された補助基準領域の3D平均座標P3,P4と
による多面体から設定され、両眼形成方向EDは3D平
均座標P1,P2に基づき設定されており、顔の特徴部
である眼の向きを反映した面及び方向となるため、CF
座標変換機能F4によって人物の顔がカメラに対して精
度良く正面を向いた距離画像の距離画像データDS4に
変換することができる。
【0131】また、基準面を決定する重要な要因となる
両眼領域は、両眼領域推定機能SF2によって精度良く
求められているため、より位置精度の高い距離画像デー
タDS4を得ることができる。
【0132】<疑似両眼形状設定機能F6の詳細>図2
4及び図26は疑似両眼形状設定機能F6を実現するた
めの各機能をデータフローとともに示した図である。ま
た、図25及び図27は疑似両眼形状設定機能F6の理
解を容易にするための説明図である。
【0133】これらの図を参照して、機能F81で、両
眼領域2値画像データD31及び眼領域矩形領域データ
D32(図5の眼領域2値画像データDB2に相当)並
びにカラー画像データDC4に基づき、両眼領域を囲む
矩形領域内で、眼を示す領域外に対応する眼領域外カラ
ー画像を示す眼領域外カラー画像データを求める。図2
5では、眼領域を囲む矩形86内で眼領域87を除いた
領域88が眼領域外となり、領域88のカラー画像デー
タが求められることになる。
【0134】そして、機能F82で、眼領域外カラー画
像データで示されるカラー画像の画素における輝度平均
値である眼領域外輝度平均値を求める。
【0135】一方、機能F83で、両眼領域2値画像デ
ータD31、眼領域矩形領域データD32及びカラー画
像データDC4に基づき、両眼領域を囲む矩形領域内
で、眼を示す領域に対応する眼領域カラー画像を示す眼
領域カラー画像データを求める。図25では、眼領域を
囲む矩形86内の眼領域87のカラー画像データが求め
られることになる。
【0136】そして、機能F84で、眼領域カラー画像
データで示されカラー画像における各画素の輝度を求
め、眼領域外輝度平均値との偏差を、両眼領域の各画素
毎に求める。
【0137】さらに、機能F85で、眼領域外輝度平均
値からの各画素(眼領域内の画素)の輝度の偏差を正規
化して、眼の彫り込み量を輝度で表す画像を示すグレー
画像データD33を生成する。なお、正規化とは各画素
の輝度の偏差の最大値と輝度100%の状態と一致させ
る等により、機能F84で求めたすべての画素の輝度の
偏差が、グレー画像の輝度で表示可能にすることを意味
する。
【0138】グレー画像データD33が生成されると、
図26で示す機能F91で、再標本化後の距離画像デー
タである第2の形状データDS52と対応するように、
グレー画像データD33で示されるグレー画像の各座標
に対し、CF座標変換機能F4及び再標本化機能F5で
行ったのと同じ座標変換及び投影変換を行って、変換グ
レー画像を示す変換グレー画像データD34を得る。
【0139】そして、機能F92で、第2の形状データ
DS52と変換グレー画像データD34とを比較するこ
とにより、第2の形状データDS52で示される距離画
像のうち両眼領域内のZ座標(CF座標変換機能F4に
より顔正対処理が施されているため顔の奥行き方向を示
す座標となる)を、変換グレー画像データD34に基づ
き変形量ΔZで変形させて、疑似両眼形状データDS6
を得る。
【0140】なお、予め設定される彫り込み最大量をM
Z、変換グレー画像データD34より示されるグレー画
像の各画素の輝度値をGL、全画素のうちの最大輝度値
をMGLとすると、変形量ΔZは次の(III)式で表現さ
れる。
【0141】ΔZ=MZ・GD/MGL…(III) したがって、図27に示すように、第2の形状データD
S52で示される表面形状92が疑似両眼形状データD
S6で示される表面形状93のように変形される。ま
た、実際の加工時には、表面形状92がエンドミル91
等を用いて変形量ΔZで彫り込まれ表面形状93に加工
されることになる。
【0142】このように、眼の領域に対応するカラー画
像の輝度と、眼の領域外領域に対応するカラー画像の輝
度平均値である眼領域外輝度平均値との差に基づき、両
眼領域の彫り込み量を決定して疑似両眼形状を設定する
ため、疑似両眼形状データDS6によって視覚的に実際
の眼に近い形で眼の領域以外との接続関係に違和感なく
眼の形状を表現することができる。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように、この発明における
請求項1記載の3次元形状データ処理装置における両眼
領域推定機能は、顔の肌の色領域データに基づき、顔の
肌の色領域で周囲を囲まれ、自身は肌の色を有さない複
数の穴領域から組合せ可能な少なくとも1つの穴領域ペ
アを両眼領域候補とするため、眼の形状特徴が損なわれ
ない領域を両眼領域候補とすることができる。
【0144】加えて、穴領域ペア間の顔の上下方向の位
置関係に基づく第1の指標、穴領域ペアが顔の左右に配
置されているか否かに基づく第2の指標、穴領域ペア間
の面積差に基づく第3の指標、カラー画像データを参照
して得られる穴領域ペアの領域内の色の分散に基づく第
4の指標のうち、少なくとも1つの指標に基づき、少な
くとも1つの穴領域ペアのうち、最も両眼として適格と
判断される穴領域ペアを両眼領域と推定して、該両眼領
域を規定した両眼領域画像データを生成するため、両眼
領域の正確な抽出処理を自動的に行うことができる。
【0145】請求項2記載の3次元形状データ処理装置
における座標変換機能は、両眼領域画像データと距離画
像データとの対応関係から、両眼領域における2つの眼
の3次元座標に基づく基準面を設定し、該基準面が計測
基準点に対し正面に向くように、距離画像データで示さ
れる距離画像領域の座標を変換している。
【0146】上述した基準面は、両眼領域における2つ
の眼の3次元座標に基づき設定されており、顔の特徴部
である眼の向きを反映した面となるため、人物の顔が計
測基準点に対して精度良く正面を向いた距離画像に変換
することができる。
【0147】また、基準面を決定する重要な要因となる
両眼領域は、両眼領域推定機能によって精度良く求めら
れているため、より位置精度の高い距離画像に変換する
ことができる。
【0148】請求項3記載の3次元形状データ処理装置
における疑似両眼形状設定機能は、両眼領域に対応する
領域における各画素の輝度と両眼領域以外の所定領域に
対応する領域の輝度平均値との比較結果に基づき、部分
距離画像データで示される距離画像領域のうち両眼領域
に対応する領域の各画素における顔の奥行き方向の座標
を変更して疑似両眼形状データを生成することにより、
疑似両眼形状データによって視覚的に実際の眼に近い形
で眼の形状を表現することができる。
【0149】この発明における請求項4記載の3次元形
状データ処理装置における推定手段は、検出手段で検出
された複数の穴領域から組合せ可能な少なくとも1つの
穴領域ペアそれぞれについて、穴領域ペア間の顔の上下
方向の位置関係に基づく第1の指標、穴領域ペアが顔の
左右に配置されているか否かに基づく第2の指標、穴領
域ペア間の面積差に基づく第3の指標、カラー画像デー
タを参照して得られる穴領域ペアの領域内の色の分散に
基づく第4の指標のうちの少なくとも1つの指標に基づ
き、少なくとも1つの穴領域ペアのうち、最も両眼とし
て適格と判断される穴領域ペアを両眼領域と推定するた
め、両眼領域の正確な抽出処理を自動的に行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る実施の形態である立体模型作
成装置の外観図である。
【図2】 操作パネルの平面図である。
【図3】 立体模型作成装置の機能ブロック図である。
【図4】 立体模型作成装の概略の動作を示すフローチ
ャートである。
【図5】 3次元顔面形状処理機能のデータフローを示
す図である。
【図6】 背景除去機能の処理の手順の概略を示すフロ
ーチャートである。
【図7】 図6の有効領域設定処理(S1)を実行する
機能をデータフローとともに示した図である。
【図8】 図7の動作説明用の説明図である。
【図9】 図6のカラー画像領域分割処理(S2)を実
行する機能をデータフローとともに示した図である。
【図10】 カラー画像領域分割処理の理解を容易にす
るための説明図である。
【図11】 カラー画像領域分割処理の理解を容易にす
るための説明図である。
【図12】 顔の肌領域設定処理(S3)を実行する機
能をデータフローとともに示した図である。
【図13】 暫定肌の色領域2値画像データで示される
2値画像例を示す図である。
【図14】 肌領域設定処理の理解を容易にするための
画像を示した図である。
【図15】 肌領域設定処理の理解を容易にするための
画像を示した図である。
【図16】 肌領域設定処理の理解を容易にするための
画像を示した図である。
【図17】 両眼領域推定機能を実現するための各機能
をデータフローとともに示した図である。
【図18】 両眼領域推定機能を実現するための各機能
をデータフローとともに示した図である。
【図19】 両眼領域推定機能の理解を容易にするため
の説明図である。
【図20】 両眼領域推定機能の推定内容の理解を容易
にするための説明図である。
【図21】 CF座標変換機能の処理の手順の概略を示
すフローチャートである。
【図22】 CF座標変換機能の理解を容易にするため
の説明図である。
【図23】 CF座標変換機能の理解を容易にするため
の説明図である。
【図24】 疑似両眼形状設定機能を実現するための各
機能をデータフローとともに示した図である。
【図25】 疑似両眼形状設定機能の理解を容易にする
ための説明図である。
【図26】 疑似両眼形状設定機能を実現するための各
機能をデータフローとともに示した図である。
【図27】 疑似両眼形状設定機能の理解を容易にする
ための説明図である。
【符号の説明】
1A モデリングシステム、34 3次元計測装置、3
6 2次元撮影装置、40 3次元形状データ処理装
置、DC カラー画像データ、DS 距離画像データ、
F2 背景除去機能
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 1/38 G06F 15/64 M 15/70 330Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人物の2次元のカラー画像データ及び計
    測基準点から前記人物の計測点までの距離情報を含む3
    次元の距離画像データを入力して、これらのデータに基
    づき前記人物に関する所望の3次元形状データを出力す
    る3次元形状データ処理装置であって、前記カラー画像
    データと前記距離画像データとは2次元位置の対応づけ
    が可能であり、 前記3次元形状データ処理装置は、 前記カラー画像データ及び前記距離画像データに基づ
    き、前記人物の顔と判断される領域から、背景を除去し
    て顔の肌の色領域を有効とした顔の肌の色領域データを
    生成する背景除去機能と、 前記カラー画像データ及び前記顔の肌の色領域データに
    基づき、前記カラー画像データにおける両眼領域を推定
    し、該両眼領域を規定した両眼領域画像データを生成す
    る両眼領域推定機能とを有し、 前記両眼領域推定機能は、 (a) 前記顔の肌の色領域データに基づき、前記顔の肌の
    色領域で周囲を囲まれ、自身は肌の色領域を有さない複
    数の穴領域を検出するステップと、 (b) 前記複数の穴領域から組合せ可能な少なくとも1つ
    の穴領域ペアそれぞれについて、穴領域ペア間の顔の上
    下方向の位置関係に基づく第1の指標、穴領域ペアが顔
    の左右に配置されているか否かに基づく第2の指標、穴
    領域ペア間の面積差に基づく第3の指標、前記カラー画
    像データを参照して得られる穴領域ペアの領域内の色の
    分散に基づく第4の指標のうち、少なくとも1つの指標
    を求めるステップと、 (c) 前記少なくとも1つの指標に基づき、前記少なくと
    も1つの穴領域ペアのうち、最も両眼として適格と判断
    される穴領域ペアを前記両眼領域として推定するステッ
    プと、を備える、 3次元形状データ処理装置。
  2. 【請求項2】 前記両眼領域画像データと前記距離画像
    データとの対応関係から、前記両眼領域における2つの
    眼の3次元座標に基づく基準面を設定し、該基準面が前
    記計測基準点に対し正面に向くように、前記距離画像デ
    ータで示される距離画像領域の座標を変換する座標変換
    機能をさらに備える、請求項1記載の3次元形状データ
    処理装置。
  3. 【請求項3】 前記両眼領域画像データ、前記カラー画
    像データ及び前記距離画像データのうち少なくとも前記
    両眼領域に対応する領域のデータを含む部分距離画像デ
    ータに基づき、疑似両眼形状データを生成する疑似両眼
    形状設定機能をさらに備え、 前記疑似両眼形状設定機能は、 (a) 前記両眼領域画像データと前記カラー画像データと
    を対応させて、前記カラー画像データで示されるカラー
    画像領域のうち前記両眼領域に対応する領域における各
    画素の輝度と前記カラー画像領域のうち前記両眼領域外
    の所定領域に対応する領域の輝度平均値との比較結果を
    画素単位に得るステップと、 (b) 前記部分距離画像データで示される距離画像領域の
    うち前記両眼領域に対応する領域の各画素における顔の
    奥行き方向の座標を前記比較結果に基づき変更して前記
    疑似両眼形状データを生成するステップと、を備える、 請求項1あるいは請求項2記載の3次元形状データ処理
    装置。
  4. 【請求項4】 人物のカラー画像を入力する手段と、 前記カラー画像から肌の色領域を抽出することにより前
    記人物の顔領域を抽出する抽出手段と、 前記顔領域内において、前記肌の色領域で周囲を囲ま
    れ、自身は肌の色ではない複数の穴領域を検出する検出
    手段と、 前記複数の穴領域から組合せ可能な少なくとも1つの穴
    領域ペアそれぞれについて、穴領域ペア間の顔の上下方
    向の位置関係に基づく第1の指標、穴領域ペアが顔の左
    右に配置されているか否かに基づく第2の指標、穴領域
    ペア間の面積差に基づく第3の指標、前記カラー画像デ
    ータを参照して得られる穴領域ペアの領域内の色の分散
    に基づく第4の指標のうち、少なくとも1つの指標を求
    め、該少なくとも1つの指標に基づき、前記少なくとも
    1つの穴領域ペアのうち、最も両眼として適格と判断さ
    れる穴領域ペアを両眼領域として推定する推定手段と、
    を備える3次元形状データ処理装置。
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