JP2000075861A - 電子弦楽器 - Google Patents

電子弦楽器

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JP2000075861A
JP2000075861A JP10248795A JP24879598A JP2000075861A JP 2000075861 A JP2000075861 A JP 2000075861A JP 10248795 A JP10248795 A JP 10248795A JP 24879598 A JP24879598 A JP 24879598A JP 2000075861 A JP2000075861 A JP 2000075861A
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chord
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fingerboard
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JP10248795A
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Takeshi Imai
毅 今井
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コード指定をより容易に行える電子弦楽器を
提供する。 【解決手段】 弦システム305は、電子弦楽器に張設
された6本の弦の振動を検出し、指板システム304
は、各弦毎に押弦されたフレット(指板)、及びその押
弦の速さを検出する。CPU301は、指板システム3
04が予め定めた速さよりも速く行われた押弦を検出す
ると、そのとき検出されている押弦の数からユーザが指
定したコード種を判別し、そのコード種のコードの発音
を音源システム307に指示する。この制御をCPU3
01は、ROM302に格納されたプログラムを実行す
ることで、ROM303を作業用に用いながら行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指板(フレット)
への操作に基づいて、コードを変更する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ギター等の電子弦楽器は、楽音の音
高を決定する方法に着目した場合、ピッチ抽出型とトリ
ガー型とに大別することができる。
【0003】前者では、弦の振動を検出し、その検出し
た振動に応じた音高で楽音を発音させるようになってい
る。他方の後者では、弦に対応させてユーザが操作(押
弦)したフレットを検出することにより、弦への操作
(弾弦)に応じて発音させる楽音の音高をそれぞれ各弦
毎に設定し、その設定した音高の楽音を、弦が操作(弾
弦)されると発音させるようになっている。弦の弾弦を
トリガーとして、フレットへの押弦により指定された音
高の楽音を発音させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電子弦楽器では、楽音
を個々に発音させるのではなく、伴奏としてコードを鳴
らすことも行われる。しかし、従来のトリガー型の電子
弦楽器は、弦の弾弦をトリガーとして、押弦されたフレ
ットからコード種を判別していたため、コードを指定す
る場合、ユーザはコードを指定するためのフレットの押
弦と弦の弾弦という2種類の操作を同時に行わなければ
ならず、そのために高度な演奏技術が必要であるという
問題点があった。
【0005】本発明の課題は、コード指定をより容易に
行える電子弦楽器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様の電
子弦楽器は、張設された複数の弦と、弦の弾弦に応じて
発音される楽音の音高を指定するための複数の指板と、
を備えていることを前提とし、複数の指板に対するユー
ザの操作を検出する操作検出手段と、操作検出手段が操
作を検出した指板に基づいて、ユーザが指定したコード
種を判別するコード種判別手段と、コード種判別手段が
判別したコード種でコードを直ちに発音させる発音指示
手段と、を具備している。
【0007】本発明の第2の態様の電子弦楽器は、張設
された複数の弦と、弦の弾弦に応じて発音される楽音の
音高を指定するための複数の指板と、を備えていること
を前提とし、複数の指板に対するユーザの操作、及び該
操作の速さを検出する操作検出手段と、操作検出手段が
操作を検出した指板、及び該操作の速さに基づいて、ユ
ーザが指定したコード種を判別するコード種判別手段
と、コード種判別手段が判別したコード種でコードを発
音させる発音指示手段と、を具備する。
【0008】なお、上記第1の態様の構成において、発
音指示手段は、コード種判別手段が新たにコード種を判
別した場合に、該コード種のコードの発音を直ちに開始
させる、ことが望ましい。或いは、弦毎に弾弦を検出す
る弾弦検出手段が弦の弾弦を検出したとき、コード種判
別手段が判別したコード種のコードの発音を開始させ
る、ことが望ましい。
【0009】また、発音指示手段は、コード種判別手段
が判別したコード種の根音を、弾弦検出手段が弾弦を検
出した弦、及び操作検出手段が操作を検出した指板に基
づいて設定する、ことが望ましい。更には、コード判別
手段は、コード種を、操作検出手段が操作を検出した指
板により楽音の音高が設定される弦の数に基づいて判別
し、発音指示手段は、コード種の根音を、操作検出手段
が操作を検出した指板のなかで弾弦検出手段が弾弦を検
出した弦に対応している指板に基づいて設定する、こと
が望ましい。
【0010】本発明では、指板(フレット)への操作
(押弦)をトリガーとしてコード種を判別し、その判別
したコード種でコードを直ちに発音させる。ユーザに弦
を弾弦させることなく、押弦された指板に応じてコード
を変更(発音開始を含む)させる。それにより、ユーザ
は容易、且つ簡単な操作でコードの変更が行えるだけで
なく、望まない楽音の発音を回避させられるようにな
る。
【0011】本発明では、予め定められた速さで行われ
た指板への操作をトリガーとしてコード種を判別し、そ
の判別したコード種でコードを直ちに発音させる。コー
ド変更のトリガーを予め定められた速さで行われた指板
への操作と限定したことで、ユーザは指板を操作する際
の速さを調節(加減)するだけでコード変更を行わせる
か否かを選択することが可能となる。このことから、ユ
ーザは容易、且つ簡単な操作でコードを変更させるだけ
でなく、コードの変更を回避させられるようになる。そ
れにより、より高い利便性が得られることになる。
【0012】本発明では、予め定められた速さで行われ
た指板への操作をトリガーとしてコード種を判別し、弦
への操作をトリガーとして根音の設定、及びコード変更
を行う。コード判別のトリガーを予め定められた速さで
行われた指板への操作と限定したことで、ユーザはコー
ド指定のための指板への操作と、根音を指定するための
指板への操作とを分けて行うこともできる。このことか
ら、ユーザは自分の力量に応じてコード変更を行えるこ
とになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。 <第1の実施の形態>図1は、第1の実施の形態による
電子弦楽器の外観図である。
【0014】その電子弦楽器100は、トリガー型の電
子ギターに本発明を適用させたものであり、図1に示す
ように、胴部101と、ネック102とからなるギター
の形状をしている。
【0015】そのネック102には、多数のフレット
(指板)103が設けられている。他方の胴部101に
は、複数の弦105が、ネック102の端部104とテ
ールピース106の間に張設されている。更には、各種
のスイッチやつまみ等(ここでは、便宜的に、それらを
全てスイッチと呼ぶことにする)が配置されたスイッチ
パネル107、楽音を放音するスピーカ108等が配設
されている。
【0016】胴部101に張設されている弦105は6
本である。ここでは、便宜的に、そのうちの1本という
ような意味のときには、第i(iは1〜6までの整数)
弦と表現することにする。そのiの値と弦105との関
係は、例えばiの値が小さくなるほど、低音側の弦10
5が対応する関係となっている。
【0017】各弦105のテールピース106側の端部
は、それぞれ、特には図示していない弦トリガースイッ
チに接続されている。その弦トリガースイッチは、それ
に接続された弦105の弾弦を検出するためのスイッチ
である。楽音は、弦トリガースイッチにより振動が検出
されている期間、発音される。
【0018】周知のように、フレット103は、弦10
5に対応させて操作(押弦)される。このことから、ネ
ック102に設けられた各フレット103には、各弦1
05毎に押弦を検出するために、各弦105が張設され
ている位置に対応させて6つのスイッチを設けている。
そのスイッチにより、それが対応する弦105に対して
ユーザが指定した楽音の音高を検出する。そのスイッチ
については音高スイッチと呼ぶことにする。
【0019】上記スイッチパネル107には、特に図示
しないが、電源のオン/オフの切り換えを行うための電
源スイッチや、音色を選択するための複数のパネルスイ
ッチ、音量を調節するためのメインボリューム、モード
切替スイッチ等が設けられている。そのモード切替スイ
ッチは、例えば通常のギター演奏が可能なノーマルモー
ド、通常のギターと同様な押弦によってコード指定が行
えるフィンガーモード、及びフィンガーモードと比較し
て容易にコード指定が行える簡易型コード指定モードの
なかの何れかのモードを選択するためのスイッチであ
る。
【0020】図2は、各フレット103に設けられた音
高スイッチの構成を説明する図である。図2に示すよう
に、音高スイッチ201は、接点A及びBの2つを備え
ている。接点Aを構成する電導部材203、及び接点B
を構成する電導部材205はフレット103の表面部材
202の裏側に配設され、各接点A、及びBの他方の電
導部材204、及び206は、ネック102の本体側の
対向する位置に配設されている。
【0021】接点Aの間隔、即ち電導部材203と電導
部材204の間隔H1は、接点Bにおける電導部材20
5と電導部材206の間隔H2よりも小さくさせてい
る。それにより、接点Aが導通状態、即ち電導部材20
3と電導部材204が接触してから接点Bが導通状態と
なるまでの時間差を生じさせて、その時間差から音高ス
イッチが配設されている位置を押弦した際の速度(ヴェ
ロシティ)を検出できるようにさせている。
【0022】図3は、上記電子弦楽器100の回路構成
図である。図3に示すように、電子弦楽器100は、楽
器100全体の制御を行うCPU301と、プログラム
や各種データ等を格納したROM302と、CPU30
1がワーク用に用いるRAM303と、フレット(指
板)103へのユーザの操作(押弦)を検出する指板シ
ステム304と、弦105へのユーザの操作(弾弦)を
検出する弦システム305と、スイッチパネル107、
或いは他の場所に配設された各種スイッチの操作状態を
検出するスイッチ操作検出部306と、CPU301か
ら送られた制御コマンドに従ってデジタルのオーディオ
信号を生成して出力する音源システム307と、音源シ
ステム307から出力されたオーディオ信号を入力して
楽音を放音するサウンドシステム308と、を備えて構
成されている。
【0023】なお、上記音源システム307は、例えば
音源LSIである。サウンドシステム308は、例えば
D/Aコンバータやアンプ、スピーカ108等から構成
されたものである。
【0024】以上の構成において、その動作を説明す
る。上記電源スイッチへの操作によって電源がオンされ
ると、CPU301は、ROM302に格納されたプロ
グラムを読み出して実行することにより、弦楽器100
全体の制御を開始する。その制御は、RAM303をワ
ーク用に使用しながら、ユーザのフレット103、弦1
05、或いは各種スイッチへの操作に応じて、以下のよ
うに行う。
【0025】CPU301は、各種スイッチへの操作に
応じた制御を行う場合、スイッチ操作検出部306に各
スイッチを走査(スキャン)させて、その走査結果(各
スイッチの操作状態を示す操作情報)を受け取る。その
走査結果(操作情報)を解析することにより、状態が変
化したスイッチ、及びその変化内容を判別し、そのスイ
ッチに割り当てた機能、及び変化内容に応じて制御を行
う。それにより、パネルスイッチをユーザが操作した場
合には、その操作内容に応じて発音させる楽音の音色の
変更を行い、モード切替スイッチをユーザが操作した場
合には、その操作内容に応じてモードの切り替えを行
う。
【0026】なお、音色の変更は、CPU301が音源
システム307に、新たに発音させる楽音の音色を指定
する制御コマンドを送出することで行われる。モードの
切り替えは、例えばRAM303に格納した設定中のモ
ードを表す変数の値を、新たに設定するモードに割り当
てた値に変更することで行われる。
【0027】弦105へのユーザの操作(弾弦)に応じ
た制御を行う場合には、弦システム305に各弦10
5、即ち弦トリガースイッチを走査(スキャン)させ
て、その走査結果を受け取る。
【0028】その弦トリガースイッチは、例えばそれに
接続されている弦105の振動に応じて交互にオン/オ
フを繰り返すスイッチである。このため、弦システム3
05は、例えば各弦トリガースイッチ毎に、所定の期間
内にオンオフを繰り返すか否か監視し、それを繰り返し
たか否かを表す振動情報を走査結果としてCPU301
に出力する。
【0029】その振動情報を受け取ったCPU301
は、それを解析して、各弦105毎に、振動の開始(弾
弦)及び振動の終了を判別する。それにより、ユーザが
弦105を弾弦すると、それが振動していると判別する
間、楽音を発音させる。
【0030】サウンドシステム308は、音源システム
307から入力したオーディオ信号に従ってスピーカ1
08に楽音を発音させる。このことから、楽音は、CP
U301が音源システム307に、楽音の発音を指示す
る制御コマンドを送出することで発音を開始する。その
ようにして発音している楽音は、それを指示する制御コ
マンドを音源システム307に送出することで消音す
る。
【0031】フレット103へのユーザの操作(押弦)
に応じた制御を行う場合には、指板システム304に各
フレット103を走査(スキャン)させて、その走査結
果を受け取る。
【0032】上記したように、各フレット103は6つ
の音高スイッチ201から構成されている。その音高ス
イッチ201は、図2に示すように、2つの接点A、及
びBを備えている。それら接点A、及びBは、押弦した
際の速さを含めて検出するためのものである。その速さ
を検出するために、CPU301は、音高スイッチ20
1を指定して指板システム304に走査させる。その走
査の結果、接点Aのみが導通状態となった音高スイッチ
201が検出されると、接点Bが導通状態となるまで走
査を繰り返し行わせて、接点Aが導通状態となってから
接点Bがそうなるまでの時間を計時する。押弦時の速さ
は、そのようにして計時した時間を表す値から求めてい
る。なお、本実施の形態では、音高スイッチ201の走
査を、弦105単位で行うようにしている。
【0033】CPU301は、走査させる音高スイッチ
201の指定を順次変更していくことで、弦105毎
に、フレット103の押弦によってユーザが指定してい
る楽音の音高を特定する。それ以外には、設定されてい
るモードに応じて、ユーザが指定したコードを以下のよ
うにして判別する。
【0034】なお、音高を示すデータは、楽音の発音を
指示する制御コマンドや楽音の消音を指示する制御コマ
ンドに格納されて、音源システム307に送出される。
それら制御コマンドは、コードを発音、或いはそれを消
音させる場合には、コードの構成音毎に生成されて音源
システム307に送出される。
【0035】モード切替スイッチへの操作により、ノー
マルモード、フィンガーモード、或いは簡易型コード指
定モードが設定されるようになっている。それらのモー
ドのうち、フィンガーモード、及び簡易型コード指定モ
ードが設定されている場合に、コード判別を行う。フィ
ンガーモードでは、通常の自然楽器と同様にしてコード
指定を行うようになっていることから、ここでは、簡易
型コード指定モードの設定時におけるコード判別方法に
ついてのみ説明することにする。
【0036】簡易型コード指定モードは、初心者等の演
奏技術が比較的に未熟なユーザのために用意したモード
である。コード指定を容易にするために、押弦数(操作
された音高スイッチ201数)からコード種を判別して
いる。そのコード種の判別は、そのために用意したテー
ブルを参照して行うようにしている。以降、そのテーブ
ルについては、コード変更情報テーブルと呼ぶことにす
る。
【0037】図4は、そのコード変更情報テーブル例を
説明する図である。このテーブルは、例えばROM30
2に制御データとして格納されたものであり、図4に示
すように、押弦数に応じて判別すべきコード種が定義さ
れている。CPU301は、押弦数をアドレスとしてそ
のテーブルを参照することで、押弦数が1のときにはメ
ジャー(maj)、押弦数が2のときにはマイナー(m
in)、押弦数が3のときにはセブンス(7th)、押
弦数が4のときにはメジャーセブンス(maj7th)
をユーザが指定したコード種として判別する。
【0038】なお、押弦数から判別するコード種は、当
然のことながら、これに限定されるものではない。ま
た、そのようなテーブルをコード種の判別に必ず用いる
必要はない。
【0039】上記のように、押弦数からコード判別を行
うようにした場合、ユーザは押弦すべきフレット103
や弦105を意識しなくてもコード指定を行えるように
なる。単に、所望するコード種に応じた数の押弦をする
だけでそのコード種を指定することができるようにな
る。このため、コード指定は容易、且つ迅速に行えるよ
うになる。
【0040】ところで、本実施の形態では、押弦時の速
さ(ヴェロシティ)を検出できる音高スイッチ201を
フレット103に配設している。簡易型コード指定モー
ドでは、上述したコード判別を、押弦時に検出された速
さに応じて行うようにしている。
【0041】上述したように、本実施の形態では、押弦
時の速さを検出するために、音高スイッチ201の二つ
の接点A及びBが導通状態となる時間差を計時してい
る。その時間差の計時は、例えばCPU301が内蔵し
たタイマを用いて行っている。そのタイマの値から速さ
を求めるために、タイマの値と速さを表す値(ヴェロシ
ティ値)との対応関係を定義したテーブル(以降、ヴェ
ロシティテーブルと呼ぶ)を用意している。
【0042】図5は、そのヴェロシティテーブル例を説
明する図である。このヴェロシティテーブルも上記コー
ド変更情報テーブルと同様に、例えばROM302に制
御データとして格納されたものであり、図5に示すよう
に、タイマ値が小さく、即ち速く押弦する程、大きなヴ
ェロシティ値が定義されている。CPU301は、タイ
マ値をアドレスとしてヴェロシティテーブルを参照する
ことで、押弦時のヴェロシティ値を求めている。
【0043】なお、本実施の形態では、テーブルを参照
してヴェロシティ値を求めるようにしているが、テーブ
ルではなく、予め定めた計算を行うことでヴェロシティ
値を求めるようにしても良い。その一方では、速さと相
関関係にある物理量、例えば時間や単位時間当たりの移
動量を採用し、その物理量を用いて速さを表現するよう
にしても良い。
【0044】簡易型コード指定モードの設定時には、上
記のようにしてヴェロシティ値を求め、その値が予め定
めた閾値より大きい場合に、コード判別を行い、その判
別結果に従ってコードを変更させている。
【0045】このように、押弦をトリガーとしてコード
指定を有効にしコード変更を行うようにすると、ユーザ
は押弦のみによって所望のコード種で楽音を発音させる
ことができる。それにより、コード指定のための弾弦を
行う必要がなくなるため、ユーザはコード指定をより簡
単な操作で行うことができる。また、コード指定のため
の弾弦が必要でないことから、不要な楽音を発音させて
それが演奏に悪影響を及ぼすようなことを回避させるこ
ともできる。
【0046】なお、コード判別(変更)上の閾値は、予
め固定的に定めた値でも良いが、その閾値をユーザが任
意に変更できるようにしても良い。次に、上述したCP
U301の動作について、図6〜図8を参照してより詳
細に説明する。
【0047】図6は、全体処理の動作フローチャートで
ある。図6を参照して、始めに全体処理について詳細に
説明する。なお、その全体処理は、電源スイッチへの操
作によって電源がオンされている間、CPU301がR
OM302に格納されたプログラムを実行することによ
り行われる処理の全体的な流れを表したものである。
【0048】先ず、ステップ601では、スイッチ操作
検出部306に各スイッチを走査させ、その走査結果に
応じて各種設定等を行うスイッチ走査処理を実行する。
それが終了すると、ステップ602に移行する。
【0049】ステップ602では、上記スイッチ走査処
理で電源スイッチの操作を検出したか否か判定する。現
在は電源がオンとなっていることから、ユーザが電源ス
イッチを操作して電源のオフを指示した場合、その判定
はYESとなり、電源をオフさせて一連の処理を終了す
る。そうでない場合には、その判定はNOとなってステ
ップ603に移行する。
【0050】ステップ603では、指板システム304
にフレット103を走査させ、その走査結果に応じて、
弾弦により発音させる楽音の音高の設定やコード判別等
を行う指板走査処理を実行する。続くステップ604で
は、弦システム305に各弦105、即ち弦トリガース
イッチを走査させ、その走査結果に応じて発音させるべ
き楽音、或いは消音させるべき楽音を特定するといった
ことを行う弦走査処理を実行する。その後は、ステップ
605に移行し、制御コマンドを生成して音源システム
307に送出することにより、弦走査処理で特定された
楽音の発音を開始させたり、或いは楽音を消音させると
いったことを行う発音処理を実行する。それが終了する
と、上記ステップ601に戻る。
【0051】上記ステップ601〜605は処理スープ
を形成しており、ステップ602の判定がYESとなる
まで繰り返し実行される。それにより、弦楽器100
は、ユーザが行った操作に応じて動作するようになって
いる。
【0052】図7は、上記ステップ603として実行さ
れる指板走査処理の動作フローチャートである。次に、
図7を参照して、指板走査処理について詳細に説明す
る。コード判別は、フィンガーモード、或いは簡易型コ
ード指定モードが設定されている場合に行う。しかし、
押弦時の速さに基づいてコード判別を行うのは簡易型コ
ード指定モードである。このことから、混乱を避けて理
解を容易にするために、図7では簡易型コード指定モー
ドの設定時に実行される処理を抜粋してその流れを示し
ている。
【0053】先ず、ステップ701では、フレット10
3の走査に関わる処理を行っていた時間を計時するため
に、タイマをスタートさせる。そのタイマは、例えばC
PU301が備えたハードタイマであり、その値を0に
してスタートさせる。
【0054】ステップ701に続くステップ702で
は、指板システム304にフレット103を走査させ、
その走査結果から、押弦されたフレット103、その押
弦時の速さ等を検出する押弦ヴェロシティ検出処理を実
行する。それが終了すると、ステップ703に移行す
る。
【0055】ステップ703では、タイマが計時した値
が予め定めた閾値より大きいか否か判定する。予め定め
た期間を越えてフレット103の走査に関わる処理を行
った場合、その判定はYESとなってステップ704に
移行する。そうでない場合には、その判定はNOとなっ
てステップ702に戻る。
【0056】ステップ704では、タイマの計時を終了
させる。続くステップ705では、変数vに、上記押弦
ヴェロシティ検出処理で検出した押弦時のヴェロシティ
値のなかで最大となっているヴェロシティ値を代入す
る。それが終了すると、ステップ706に移行する。
【0057】ステップ706では、その変数vの値が、
コード指定用に定めた閾値より大きいか否か判定する。
コード指定が有効となる速さよりも速くユーザが押弦し
ていた場合、その判定はYESとなってステップ707
に移行する。そうでない場合には、その判定はNOとな
ってステップ710に移行する。
【0058】ステップ707では、押弦数に応じてコー
ド変更情報テーブル(図4参照)を参照して、ユーザが
指定したコード種を判別する。その判別が終了すると、
次に、ステップ708に移行して、ステップ707のコ
ード判別が有効か否か判定する。コード種が定義されて
いない数の押弦をユーザが行ったり、或いは判別したコ
ード種が設定中のコード種と同一であったような場合、
コード判別は有効でないとして判定はNOとなり、コー
ド変更を行うことなくステップ710に移行する。そう
でない場合には、その判定はYESとなってステップ7
09に移行し、ステップ707で判別したコード種にコ
ードを変更した後、ステップ710に移行する。
【0059】ステップ710では、ステップ702で検
出しRAM303に格納した押弦時のヴェロシティ値を
不要になったとしてクリアする。そのクリアを行った
後、一連の処理を終了する。
【0060】このように、本実施の形態では、押弦時の
ヴェロシティ値のなかの最大値が閾値を越えていた場合
に、コード変更を行うようにしている。なお、コード変
更を行うか否かを判定する対象は、最大値に限定される
ものではなく、例えば平均値であっても良い。
【0061】図8は、上記ステップ702として実行さ
れる押弦ヴェロシティ検出処理の動作フローチャートで
ある。次に、図8を参照して、押弦ヴェロシティ検出処
理について詳細に説明する。
【0062】この押弦ヴェロシティ検出処理では、弦シ
ステム304にフレット103(音高スイッチ201)
を順次走査させることにより、ユーザが押弦したフレッ
ト103(音高スイッチ201)、その押弦時の速さを
検出するための処理が行われる。なお、上記したよう
に、フレット103(音高スイッチ201)の走査は、
弦105毎に行うようになっている。
【0063】先ず、ステップ801では、走査対象とす
る弦105を管理するための変数sに1、押弦数をカウ
ントするための変数cに0をそれぞれ代入する。続くス
テップ802では、各フレット103で変数sの値で指
定される弦(以降、第s弦と呼ぶ)105に対応する音
高スイッチ201を指板システム304に走査させる。
その走査の指示を指板システム304に対して行った
後、ステップ803に移行する。
【0064】ステップ803では、第s弦105に対応
させたフレット103(音高スイッチ201)の走査結
果を受け取り、走査させた音高スイッチ201のなかで
接点AとBの導通状態が異なっているものがあるか否か
判定する。
【0065】音高スイッチ201が備えた接点A、B
は、走査によって、例えば導通(オン)状態のときには
論理値1、そうでないときには論理値0で検出し、その
論理値を、音高スイッチ201の操作状態を表す走査結
果(操作情報)として指板システム304からCPU3
01に送るようになっている。
【0066】そのような操作情報(走査結果)の排他的
論理和を演算すると、その演算結果は、接点AとBの導
通状態が異なっている場合に1となる。このことから、
ステップ803では、走査させた音高スイッチ201毎
に、接点AとBの操作情報の排他的論理和を演算し、そ
の演算結果が0か1かで接点AとBの導通状態が異なっ
ているか否か判定している。演算結果が1となっている
音高スイッチ201が存在していると判定した場合、ス
テップ804に移行し、演算結果が全て0となっている
と判定した場合には、ステップ810に移行する。
【0067】なお、1本の弦105に対してユーザが複
数のフレット103を押弦してしまう場合も有り得る。
そのような場合には、弦105に距離的に最も近いフレ
ット103の押弦のみを有効としている。
【0068】ステップ804では、接点AとBが導通
(オン)状態となる時間差を計時するためにタイマをス
タートさせる。その後は、ステップ805に移行して、
導通状態が異なっているフレット103の音高スイッチ
201を指板システム304に走査させる。
【0069】ステップ805に続くステップ806で
は、指板システム304から走査結果、即ち接点AとB
の操作情報を受け取り、その排他的論理和を演算し、そ
の演算結果が0か否か判定する。
【0070】上記したように、接点Aの間隔H1は、接
点Bの間隔H2よりも小さい。そのために、ユーザが押
弦(押圧)すると、接点Aが導通状態となった後、接点
Bも導通状態となる。このことから、接点Bが導通状態
となった場合、即ち接点AとBが共に導通状態となった
場合、演算結果は0と判定することになってステップ8
07に移行する。そうでない場合には、演算結果は1と
判定することになってステップ805に戻る。
【0071】このように、押弦によって接点Aが導通
(オン)状態になると、ステップ806の判定が0、即
ち接点Bも導通(オン)状態となるまでの間、ステップ
805と806で形成される処理ループを繰り返し実行
する。それにより、接点Aが導通状態となってから接点
Bが導通状態となるまでの時間差が計時されることにな
る。
【0072】ステップ807では、導通状態となる時間
差を計時するためのタイマをストップさせる。それが終
了すると、ステップ808に移行する。なお、上記タイ
マは、ハードタイマ(例えばCPU301が備えたハー
ドタイマ)、或いはソフト的に時間を計時するタイマで
あるが、図7に示す指板走査処理で既にタイマを動作さ
せていることから、導通状態となる時間差を計時するた
めにタイマを別に動作させなくても良い。即ち既に動作
させているタイマを用いて導通状態となる時間差を計時
するようにしても良い。そのようにする場合には、ステ
ップ804ではタイマをスタートさせる換わりに動作中
のタイマの値を保持させ、ステップ807ではタイマを
ストップさせる換わりに、動作中のタイマの値から保持
した値を減算すれば良い。
【0073】ステップ808では、押弦を検出したこと
から、変数cの値をインクリメントする。続くステップ
809では、タイマの値をアドレスとして用いてヴェロ
シティテーブル(図5参照)を参照し、押弦時のヴェロ
シティ値を設定してRAM303に格納する。その後、
ステップ810に移行する。
【0074】ステップ810では、弦105単位で、接
点Aの導通状態に応じて押弦状態を示す押弦情報を設定
する。このとき、接点Aが導通状態、即ちその走査結果
が1となっている音高スイッチ201が存在していれ
ば、その音高スイッチ201を特定する情報も押弦情報
として設定する。そのような押弦情報は、それが対応す
る弦105の弾弦時に発音させる楽音の音高を設定する
際に参照される。
【0075】上記押弦情報は、RAM303に予め確保
された領域に格納されるようになっている。このため、
押弦情報の設定は、その領域に、新たに設定すべき押弦
情報を上書きすることで終了する。
【0076】ステップ810に続くステップ811で
は、1本分の弦105に対応するフレット103の走査
に関わる処理が完了したとして、変数sの値をインクリ
メントする。その後、ステップ812に移行して、変数
sの値が弦105の本数N(N=6)よりも大きいか否
か判定する。全ての弦105に対応するフレット103
の走査に関わる処理が完了した場合、その判定はYES
となって一連の処理を終了する。そうでない場合には、
その判定はNOとなって上記ステップ802に戻る。
【0077】このように、押弦ヴェロシティ検出処理で
は、弦105毎に、フレット103への押弦の検出やそ
の速さを検出し、それらの検出結果をRAM303に保
存させている。上述した図7の指板走査処理は、そのよ
うにしてRAM303に格納されたヴェロシティ値を参
照することにより、押弦時の速さに基づくコード判別を
行っている。
【0078】なお、第1の実施の形態では、予め定めた
速さよりも速く行われた押弦をトリガーとしてコード変
更を行うようにしているが、例えば伴奏(自動伴奏を含
む)専用に動作させるような場合には、単に押弦をトリ
ガーとしてコード変更を行うようにさせても良い。速く
行われた押弦のみをトリガーとしてコード変更が行われ
るモードの他に、単に押弦をトリガーとしてコード変更
が行えるモードを設け、ユーザにモードを選択させるよ
うにしても良い。 <第2の実施の形態>上記第1の実施の形態では、予め
定めた速さよりも速く行われた押弦をコード変更(コー
ド指定を含む)のトリガーとしている。速く行われた押
弦のみをコード変更のトリガーとした場合、ユーザは速
さを調整(加減)することにより、コード変更させるか
否かを選択することができる。押弦時の速さにより、2
種類の異なる動作を行わせることができる。第2の実施
の形態は、このことに注目したものである。
【0079】第2の実施の形態の構成は、第1の実施の
形態のそれと基本的に同じである。また、動作も、第1
の実施の形態のそれと基本的な流れは同じである。この
ため、第1の実施の形態で付した符号を用いて、第1の
実施の形態から異なる部分のみ説明する。
【0080】第2の実施の形態では、コード変更を行う
前段階であるコード判別までは第1の実施の形態と同様
に行うようにしている。即ち速く行われた押弦をトリガ
ーとして、押弦数からユーザが指定したコード種を判別
するようにしている。しかし、コード判別後のコード変
更は、弦105の弾弦をトリガーとして行い、その弾弦
時にコードの根音(ルート音)を合わせて設定するよう
にしている。言い換えれば、コード指定のための押弦と
根音指定のための押弦とを区別して行えるようにしてい
る。
【0081】上記のようにしてコードを変更することか
ら、ユーザは、速く(強く)押弦してコードを予め指定
した後、そのコードの根音を指定するための押弦をして
弾弦するといったように、実際にコードを変更させるま
での過程のなかで押弦を2回に分けて行うことができ
る。このため、演奏技術が未熟なユーザもコード変更を
容易に行うことができる。
【0082】ところで、コード変更に何段階かの操作を
必ず行わなければならないとすると、そのような必要が
ないユーザにとっては、操作が煩わしいものとなる。し
かし、第2の実施の形態では、コード種、及び根音を一
度に指定する押弦をし弾弦することで、所望するコード
に直ちに変更させることもできる。煩わしいと感じる操
作を行わなくても済むようになっている。このことか
ら、演奏技術が未熟なユーザだけでなく、高い演奏技術
を持つユーザにも対応できるようになっている。第1の
実施の形態と比較して、幅広いユーザに対応できるよう
になっている。根音だけの変更は、所望する根音を指定
する押弦と弾弦のみによって行えることから、非常に容
易となる。
【0083】CPU301は、上述したコード変更を実
現するために、図9に示すようなコード設定情報テーブ
ルを格納する領域をRAM303に確保している。その
テーブルは、コード変更に関わる情報をまとめたもので
あり、コード変更フラグ、ルート音(根音)、及びコー
ド種の各項目のデータから構成されている。
【0084】上記コード変更フラグは、異なるコード種
が新たに指定されたか否かを示すフラグであり、新たに
コード種が指定されたときに1が格納され、そうでない
ときには0が格納される。ルート音(根音)には、その
音高を示すデータ(音高データ)が格納される。最後の
コード種には、現在設定中、或いは新たに指定されたコ
ード種を示すデータ(コード種データ)が格納される。
【0085】CPU301は、押弦時の速さや弾弦に応
じて、コード設定情報テーブルの項目のデータを書き換
える一方、それを必要に応じて参照することにより、コ
ードや根音の変更を行う。それにより、上述したコード
変更を実現させる。
【0086】次に、上述したCPU301の動作につい
て、図10、及び図11に示す動作フローチャートを参
照してより詳細に説明する。図10は、図6に示す全体
処理内でステップ603として実行される指板走査処理
の動作フローチャートである。始めに、図10を参照し
て、第2の実施の形態における指板走査処理について詳
細に説明する。
【0087】なお、図10は、上記第1の実施の形態と
同様に、指板走査処理内で簡易型コード指定モードの設
定時に実行される処理を抜粋してその流れを示したもの
である。
【0088】先ず、ステップ1001では、フレット1
03の走査に関わる処理を行っていた時間を計時するた
めに、タイマをスタートさせる。そのタイマは、例えば
CPU301が備えたハードタイマであり、その値を0
にしてスタートさせる。
【0089】ステップ1001に続くステップ1002
では、指板システム304にフレット103を走査さ
せ、その走査結果から、押弦されたフレット103、そ
の押弦時の速さ等を検出する押弦ヴェロシティ検出処理
(図8参照)を実行する。それが終了すると、ステップ
1003に移行する。
【0090】ステップ1003では、タイマが計時した
値が予め定めた閾値より大きいか否か判定する。予め定
めた期間を越えてフレット103の走査に関わる処理を
行った場合、その判定はYESとなってステップ100
4に移行する。そうでない場合には、その判定はNOと
なってステップ1002に戻る。
【0091】ステップ1004では、タイマの計時を終
了させる。続くステップ1005では、変数vに、上記
押弦ヴェロシティ検出処理で検出した押弦時のヴェロシ
ティ値のなかで最大となっているヴェロシティ値を代入
する。それが終了すると、ステップ1006に移行す
る。
【0092】ステップ1006では、その変数vの値
が、コード指定用に定めた閾値より大きいか否か判定す
る。コード指定が有効となる速さよりも速くユーザが押
弦していた場合、その判定はYESとなってステップ1
007に移行する。そうでない場合には、その判定はN
Oとなってステップ1010に移行する。
【0093】ステップ1007では、押弦数に応じてコ
ード変更情報テーブル(図4参照)を参照して、ユーザ
が指定したコード種を判別する。その判別が終了する
と、次に、ステップ1008に移行して、ステップ10
07のコード判別が有効か否か判定する。コード種が定
義されていない数の押弦をユーザが行ったり、或いは判
別したコード種が設定中のコード種と同一であったよう
な場合、コード判別は有効でないとして判定はNOとな
ってステップ1010に移行する。そうでない場合に
は、その判定はYESとなってステップ1009に移行
し、コード設定情報テーブル(図9参照)の内容を更新
した後、ステップ1010に移行する。
【0094】なお、上記コード設定情報テーブルの内容
の更新は、コード種の項目にステップ1007で判別し
たコード種を示すコード種データを書き込み、更にコー
ド変更フラグに1を書き込むことで行われる。
【0095】ステップ1010では、ステップ1002
で検出しRAM303に格納した押弦時のヴェロシティ
値を不要になったとしてクリアする。そのクリアを行っ
た後、一連の処理を終了する。
【0096】このように、指板走査処理では、押弦時の
速さに応じて、コード設定情報テーブルの内容を更新す
る。そのようにして内容が更新されるコード設定情報テ
ーブルは、後述する弦走査処理の実行時に参照される。
【0097】図11は、図6に示す全体処理内でステッ
プ604として実行される弦走査処理の動作フローチャ
ートである。次に、図11を参照して、第2の実施の形
態における弦走査処理について詳細に説明する。
【0098】弦走査処理でも、混乱を避けて理解を容易
にするために、簡易型コード指定モードの設定時に実行
される処理に注目して説明することにする。そのために
図11には、弦走査処理内で実行される処理を抜粋して
示している。ここでは、弾弦をトリガーとしてコードを
変更するようにしていることから、弾弦に関わる処理、
及び簡易型コード指定モードに関わる処理を抜粋してい
る。
【0099】先ず、ステップ1101では、走査対象と
する弦105を管理するための変数sに1を代入する。
続くステップ1102では、弦システム305に、変数
sの値で指定される弦(以降、第s弦と呼ぶ)105に
接続された弦トリガースイッチを走査させる。その走査
の指示を弦システム305に対して行った後、ステップ
1103に移行する。
【0100】ステップ1103では、第s弦105に接
続された弦トリガースイッチの走査結果として振動情報
を受け取り、それを解析して、その第s弦105が弾弦
されたか否か判定する。解析の結果、それまで振動して
いない状態から振動している状態に変化したことが判明
した場合、その判定はYESとなってステップ1104
に移行する。そうでない場合には、その判定はNOとな
ってステップ1108に移行する。
【0101】ステップ1104では、図10に示す指板
走査処理で設定された押弦情報を参照して、第s弦10
5の弾弦に応じて発音させる楽音の音高を設定する。続
くステップ1105では、その楽音を発音させる際のヴ
ェロシティを設定する。それら音源システム307に送
出すべき制御コマンドを生成するための情報を設定した
後、ステップ1106に移行する。
【0102】ステップ1106では、コード変更を行う
べきか否か判定する。コード設定情報テーブル中のコー
ド変更フラグの値が1、或いは第s弦105の押弦で指
定された根音の音高がコード設定情報テーブル中で設定
されている根音(ルート音)の音高と異なる場合、その
判定はYESとなってステップ1107に移行する。そ
うでない場合には、その判定はNOとなってステップ1
108に移行する。
【0103】ステップ1107では、コード設定情報テ
ーブル、及び第s弦105の押弦情報を参照して、コー
ド種、或いは根音を変更してコードを発音させるための
コード変更処理を実行する。具体的には、このコード変
更処理では、コードの各構成音の発音を指示する制御コ
マンドを生成するための情報(音高やヴェロシティ)を
設定したり、根音の音高をそれまでの音高から変更させ
る場合には、変更後の根音の音高を示す音高データをコ
ード設定情報テーブルに書き込むといったことが行われ
る。それが終了すると、ステップ1108に移行する。
【0104】ところで、コードを変更させる場合には、
ユーザが複数の弦105を弾弦することが有り得る。し
かし、設定すべき根音は一つだけである。このことか
ら、第2の実施の形態では、各弦105に根音の設定に
おける優先順位を設定し、その優先順位に従って根音を
設定するようにしている。そのために、予め定めた順序
で弦105を走査していき、最初に弾弦を検出した弦1
05の押弦情報、即ち押弦した弦105のなかで最も低
音側の弦105の押弦情報から根音を設定している。
【0105】その根音の設定は、上記したように、ステ
ップ1107のコード変更処理で行うようになってい
る。このため、一度ステップ1107のコード変更処理
を実行した後は、ステップ1106の判定は常にNOと
なるようにさせている。
【0106】ステップ1108では、変数sの値をイン
クリメントする。続くステップ1109では、変数sの
値が弦105の本数N(=6)より大きいか否か判定す
る。6本の弦105を全て走査し、弾弦に応じた処理を
終了した場合、その判定はYESとなって一連の処理を
終了する。そうでない場合には、その判定はNOとなっ
て上記ステップ1102に戻る。
【0107】このように、弦走査処理では、弾弦に応じ
て発音させるべき楽音に関する情報、更には発音させる
べきコードに関する情報の設定が行われる。その設定さ
れた情報に従って発音処理(図6参照)が実行されるこ
とにより、ユーザの所望する楽音やコードが弾弦に応じ
て発音される。
【0108】なお、第2の実施の形態では、根音のみを
変更させる際にも弦105を弾弦しなければならなくな
っているが、例えば遅くフレット103が押弦される
と、そのフレット103から根音を直ちに変更させるこ
とで、弦105の弾弦を不要にさせても良い。
【0109】また、本実施の形態(第1及び第2の実施
の形態)では、フレット103の押弦によって変更する
対象をコードとしているが、それ以外のパラメータ、例
えば音色や音響効果に関わるパラメータを対象に、その
内容を変更するようにしても良い。
【0110】本実施の形態は、音源装置(音源システム
307)を搭載した電子弦楽器100に本発明を適用さ
せたものであるが、当然のことながら、本発明は音源装
置を搭載していない電子弦楽器にも広く適用できるもの
である。押弦時の速さを検出する機能を既に備えた電子
弦楽器には、基本的に、上述したような動作を実現させ
るプログラムを搭載させるだけで本発明を適用させるこ
とができる。
【0111】
【発明の効果】以上、説明したように本発明は、指板
(フレット)への操作(押弦)をトリガーとしてコード
種を判別し、その判別したコード種でコードを直ちに発
音させる。このため、ユーザは、容易、且つ簡単な操作
でコードの変更を行うことができ、また、望まない楽音
の発音を回避させることができる。
【0112】本発明は、予め定められた速さで行われた
指板への操作をトリガーとしてコード種を判別し、その
判別したコード種でコードを直ちに発音させる。このた
め、ユーザは、指板を操作する際の速さを調節(加減)
するだけでコード変更を行わせるか否かを選択すること
ができる。それにより、上記発明と比較して、より高い
利便性を得ることができる。
【0113】本発明は、予め定められた速さで行われた
指板への操作をトリガーとしてコード種を判別し、弦へ
の操作をトリガーとして根音の設定、及びコード変更を
行う。このため、コード指定のための指板への操作と、
根音を指定するための指板への操作とを分けるといった
ように、ユーザは自分の力量に応じてコード変更を行う
ことができる。言い換えれば、演奏技術のレベル等に関
わらず、幅広いユーザに自分に合ったスタイルで演奏を
行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態による電子弦楽器の外観図であ
る。
【図2】指板に設けられた音高スイッチの構成を説明す
る図である。
【図3】電子弦楽器の回路構成図である。
【図4】コード変更情報テーブル例を説明する図であ
る。
【図5】ヴェロシティテーブル例を説明する図である。
【図6】全体処理の動作フローチャートである。
【図7】指板走査処理の動作フローチャートである。
【図8】押弦ヴェロシティ検出処理の動作フローチャー
トである。
【図9】コード設定情報テーブル例を説明する図であ
る。
【図10】指板走査処理の動作フローチャートである
(第2の実施の形態)。
【図11】弦走査処理の動作フローチャートである(第
2の実施の形態)。
【符号の説明】
100 電子弦楽器 101 胴部 102 ネック 103 フレット 105 弦 107 スイッチパネル 201 音高スイッチ 203〜206 電導部材 301 CPU 302 ROM 303 RAM 304 指板システム 305 弦システム 306 スイッチ操作検出部 307 音源システム 308 サウンドシステム A、B 接点

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 張設された複数の弦と、前記弦の弾弦に
    応じて発音される楽音の音高を指定するための複数の指
    板と、を備えた電子弦楽器において、 前記複数の指板に対するユーザの操作を検出する操作検
    出手段と、 前記操作検出手段が操作を検出した指板に基づいて、ユ
    ーザが指定したコード種を判別するコード種判別手段
    と、 前記コード種判別手段が判別したコード種でコードを直
    ちに発音させる発音指示手段と、 を具備したことを特徴とする電子弦楽器。
  2. 【請求項2】 張設された複数の弦と、前記弦の弾弦に
    応じて発音される楽音の音高を指定するための複数の指
    板と、を備えた電子弦楽器において、 前記複数の指板に対するユーザの操作、及び該操作の速
    さを検出する操作検出手段と、 前記操作検出手段が操作を検出した指板、及び該操作の
    速さに基づいて、ユーザが指定したコード種を判別する
    コード種判別手段と、 前記コード種判別手段が判別したコード種でコードを発
    音させる発音指示手段と、 を具備したことを特徴とする電子弦楽器。
  3. 【請求項3】 前記発音指示手段は、前記コード種判別
    手段が新たにコード種を判別した場合に、該コード種の
    コードの発音を直ちに開始させる、 ことを特徴とする請求項2記載の電子弦楽器。
  4. 【請求項4】 前記発音指示手段は、前記弦毎に弾弦を
    検出する弾弦検出手段が弦の弾弦を検出したとき、前記
    コード種判別手段が判別したコード種のコードの発音を
    開始させる、 ことを特徴とする請求項2記載の電子弦楽器。
  5. 【請求項5】 前記発音指示手段は、前記コード種判別
    手段が判別したコード種の根音を、前記弾弦検出手段が
    弾弦を検出した弦、及び前記操作検出手段が操作を検出
    した指板に基づいて設定する、 ことを特徴とする請求項4記載の電子弦楽器。
  6. 【請求項6】 前記コード判別手段は、前記コード種
    を、前記操作検出手段が操作を検出した指板により楽音
    の音高が設定される弦の数に基づいて判別し、 前記発音指示手段は、前記コード種の根音を、前記操作
    検出手段が操作を検出した指板のなかで前記弾弦検出手
    段が弾弦を検出した弦に対応している指板に基づいて設
    定する、 ことを特徴とする請求項5記載の電子弦楽器。
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