JP2000075525A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置

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JP2000075525A
JP2000075525A JP10257632A JP25763298A JP2000075525A JP 2000075525 A JP2000075525 A JP 2000075525A JP 10257632 A JP10257632 A JP 10257632A JP 25763298 A JP25763298 A JP 25763298A JP 2000075525 A JP2000075525 A JP 2000075525A
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Koichi Nakada
浩一 中田
Masato Tanaka
正人 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長波長領域において十分な高感度を有する、繰
り返し使用時の電位が安定に維持され、かつ温度や湿度
の使用環境によらず安定した特性を示す電子写真感光体
を提供することである。 【解決手段】導電性支持体上に感光層を設けてなる電子
写真感光体において、該感光層が電荷発生物質としてヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有し、かつ電
荷輸送物質として下記構造式の化合物を含有することを
特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体並び
に該電子写真感光体を備えたプロセスカ−トリッジ及び
電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は米国特許第2297691
号明細書に示されるように画像露光の間に受けた照射量
に応じて電気抵抗が変化しかつ暗所では絶縁性の物質を
コ−ティングした支持体よりなる光導電材料を用いる。
この光導電材料を用いた電子写真感光体に要求される基
本的な特性としては(1)暗所で適当な電位に帯電でき
ること、(2)暗所において電荷の逸散が少ないこと、
(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめうるこ
と等が挙げられる。
【0003】従来より、電子写真感光体としてはセレ
ン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性化合物
を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く用いら
れてきた。しかし、これ等は前記(1)〜(3)の条件
は満足するが熱安定性、耐湿性、耐久性、生産性等にお
いて必ずしも満足しうるものではない。例えば、セレン
は結晶化すると感光体としての特性が劣化してしまう。
また硫化カドミウムは耐湿性や耐久性、酸化亜鉛では平
滑性、硬度や耐摩耗性に問題がある。更に無機感光体の
多くは感光波長が限定されている。れている。例えば、
セレンでの感光波長領域は青色領域であり、赤色領域に
は殆ど感度を有しない。
【0004】そこで、感光性を長波長領域に広げるため
に種々の方法が考案されているが、感光波長領域の選択
には制約が多い。酸化亜鉛あるいは硫化カドミウムを感
光体として用いる場合にもそれ自体の感光波長領域は狭
く、種々の増感剤の添加が必要である。これ等の無機感
光体の持つ欠点を克服する目的で、近年、様々な有機光
導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の開発が盛
んに行われている。例えば、米国特許第3837851
号明細書にはトリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送
層を有する感光体、米国特許第3871882号明細書
にはペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プ
ロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送
層とからなる感光体等が既に公知である。
【0005】有機化合物を用いた電子写真感光体は電荷
を発生する電荷発生物質とそれを輸送する電荷輸送物質
とに分類した機能分離型電子写真感光体が可能である
が、このような機能分離型感光体は、電荷発生物質と電
荷輸送物質の各々の材料選択範囲が広く、任意の特性を
有する電子写真感光体を比較的容易に作成できるという
利点を有している。電荷発生物質としてビスアゾ顔料ま
たはトリスアゾ顔料を用いた感光体として特開昭59−
33445号公報、特開昭56−46237号公報及び
特開昭60−111249号公報等が既に公知である。
【0006】更に、有機光導電性化合物を用いた感光体
は、その化合物によって電子写真感光体の感光波長を自
由に選択することが可能である。例えば、アゾ系の有機
顔料に関して言えば特開昭61−272754号公報及
び特開昭56−167759号公報に示された物質は可
視光領域で高感度を示すものが開示されており、また特
開昭57−195767号公報及び特開昭61−228
453号公報に示された物質は赤外領域にまで感度を有
しているものもある。
【0007】これ等の材料のうち赤外領域に感度を有す
る材料は近年進歩の著しいレ−ザ−ビ−ムプリンタ−
(以下LBPと略す)等に使用されてその需要頻度は高
くなっている。
【0008】アゾ顔料とは別に、従来より赤外領域に感
度を有するものとして特開昭50−38543号公報に
示されるような銅フタロシアニン等のフタロシアニン化
合物が注目されていたが、特に近年赤外領域に高感度を
有する材料として特開昭61−21705号公報、特開
昭61−239248号公報、特開昭64−17066
号公報及び特開平3−128973号公報等に示される
オキシチタニウムフタロシアニンや特開平5−2360
07号公報、特開平5−279591号公報及び特開平
6−93203号公報に示されるヒドロキシガリウムフ
タロシアニン等が注目されている。
【0009】また、機能分離型感光体のもう一方の構成
要素である電荷輸送物質に関しては、例えば特公昭52
−4188号公報のピラゾリン化合物、特公昭55−4
2380号公報、特開昭54−150128号公報及び
特開昭57−101844号公報のヒドラゾン化合物、
特公昭58−32372号公報及び特開昭61−123
955号公報のトリフェニルアミン化合物、特開昭54
−151955号公報及び特開昭58−198043号
公報のスチルベン化合物等が知られている。
【0010】これ等電荷発生物質と電荷輸送物質の組み
合わせの例として、特開平5−55860号公報に示さ
れるオキシチタニウムフタロシアニンと特定の構造を有
するヒドラゾン系化合物の組み合わせ、特開平6−32
4502号公報に示されるヒドロキシガリウムフタロシ
アニンと特定の構造を有するトリアリ−ルアミン系化合
物の組み合わせ等がある。
【0011】このように特定の構造を有する電荷発生物
質と特定の構造を有する電荷輸送物質を組み合わせるこ
とにより改善された特性を有する感光体も供給されてい
るが、必ずしも赤外領域に高い感度を有するとは言え
ず、繰り返し使用時の電位安定性が悪かったり、帯電能
が悪かったり、使用環境の変化による画像劣化が見られ
る等実際の使用上の問題となる点がいくつかあり、未だ
これ等の特性を高い次元で達成した感光体が供給されて
いるとは言い難い。
【0012】一般的に電子写真感光体においてはある特
定の電荷発生物質に対して非常に有効な電荷輸送物質
が、他の電荷発生物質に対して同程度に有効であるとは
限らず、また逆に、ある特定の電荷輸送物質に非常に有
効な電荷発生物質が他の電荷輸送物質に対して同程度有
効であるとは限らない。すなわち、電荷の受け渡しをす
るこれ等の電荷発生物質と電荷輸送物質の間には必ずよ
り好ましい組み合わせがある。
【0013】より好ましい組み合わせの電荷発生物質及
び電荷輸送物質を用いると、残留電位や繰り返し使用時
の電位安定性等の点でより優れた特性を有する電子写真
感光体を得ることができる。
【0014】しかしながら、電荷発生物質と電荷輸送物
質の相性についての一般的な法則は見出されておらず、
ある特定の電荷発生物質に最適な電荷輸送物質を予め予
想することは現状では非常に困難である。
【0015】本発明者等は、種々の電荷発生物質と電荷
輸送物質の組み合わせについて実験的検討を数多く重ね
た結果、電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロ
シアニンを用い、電荷輸送物質としてN−ナフチルヒド
ラゾン系化合物を組み合わせた場合に、赤外領域に高い
感度と耐久性を有し、様々な環境においても安定した画
像を供給する感光体ができることを見出し、本発明に到
達したのである。
【0016】本発明のヒドロキシガリウムフタロシアニ
ンと本発明のN−ナフチルヒドラゾン化合物の組み合わ
せが好ましい理由は定かではないが、イオン化ポテンシ
ャルの適合または電荷発生物質であるヒドロキシガリウ
ムフタロシアニンと電荷輸送物質であるN−ナフチルヒ
ドラゾン化合物とが混在する際の立体的重なりがよい等
の理由で、電荷発生物質から電荷輸送物質への電荷の注
入が良好に行われるため感度が良好で残留電位も小さ
く、繰り返し使用時の電位安定性にも優れる特性を発現
すると推定される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長波
長領域において十分な高感度を有する、繰り返し使用時
の電位が安定に維持され、かつ温度や湿度の使用環境に
よらず安定した特性を示す電子写真感光体を提供するこ
とである。また該電子写真感光体を用いたプロセスカ−
トリッジ並びに電子写真装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に感光層を設けてなる電子写真感光体において、該感
光層が電荷発生物質としてヒドロキシガリウムフタロシ
アニンを含有し、かつ電荷輸送物質として下記一般式
(1)で示される化合物の少なくとも一つを含有するこ
とを特徴とする電子写真感光体から構成される。 一般式(1)
【化2】 式中、R1 は置換基を有してもよいナフチル基を示し、
2 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
てもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル
基を示す。R3 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有
してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル
基、置換基を有してもよいアルコキシ基を示し、nは1
〜4の整数である。R4 及びR5 は置換基を有してもよ
いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置
換基を有してもよいアリ−ル基を示す。
【0019】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体、及び帯電手段、現像手段及びクリ−ニング手段から
なる群より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持
し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とす
るプロセスカ−トリッジから構成される。
【0020】また、本発明は、前記本発明の電子写真感
光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を
有することを特徴とする電子写真装置から構成される。
【0021】
【発明の実施の形態】上記一般式(1)において、ハロ
ゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子が挙げられ、アルキル基としてはメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等の基が挙げられ、アラルキル基
としてはベンジル、フェネチル等の基が挙げられ、アリ
−ル基としてはフェニル、ジフェニル、ナフチル、アン
スリル、ピレニル等の基が挙げられ、アルコキシ基とし
てはメトキシ、エトキシ、プロポキシ等の基が挙げられ
る。
【0022】また、有してもよい置換基としては、メチ
ル、エチル、プロピル等のアルキル基、メトキシ、エト
キシ、プロポキシ等のアルコキシ基、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子、ヨウ素原子のハロゲン原子、ニトロ
基、水酸基、シアノ基等が挙げられる。
【0023】本発明において、電荷発生物質として感光
層に含有されるヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料
としては、下記の結晶形を持つものが挙げられる。Cu
KαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が
6.8°及び26.2°に強いピ−クを有する結晶形を
持つヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶。CuKα
のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が7.4
°及び28.2°に強いピ−クを有する結晶形を持つヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン結晶。CuKαのX線
回折におけるブラッグ角2θ±0.2°が7.5°、1
6.3°、24.9°及び26.4°に強いピ−クを有
する結晶形を持つヒドロキシガリウムフタロシアニン結
晶。CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±0.
2°が6.9°、13.3°、16.5°及び26.7
°に強いピ−クを有する結晶形を持つヒドロキシガリウ
ムフタロシアニン結晶。
【0024】次に一般式(1)で示される化合物の具体
例を表1〜4に挙げる。ただし、これ等の具体例に限定
されるものではない。
【0025】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0026】本発明において用いられるヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンの構造を下記一般式(2)として示
す。
【化3】 式中、X1 、X2 、X3 及びX4 はClまたはBrを表
わし、n、m、j及びkは1〜4の整数である。
【0027】次に、本発明において用いられる電荷発生
物質と電荷輸送物質の製造例を示す。ただしこれ等の例
に限定されるものではない。
【0028】ヒドロキシガリウムフタロシアニンの製造 製造例1 o−フタロニトリル72.6g、三塩化ガリウム25
g、α−クロロナフタレン375mlを窒素雰囲気下2
00℃で4時間反応させた。反応後、析出した生成物を
130℃まで冷却してろ過した。得られた生成物をN,
N−ジメチルホルムアミドを用いて130℃で1時間分
散洗浄し、ろ過する。メタノ−ルでろ過器上洗浄した
後、減圧下で乾燥してクロロガリウムフタロシアニン3
9.8gを得た。収率45%。得られたクロロガリウム
フタロシアニンの元素分析の結果を示す。
【0029】得られたクロロガリウムフタロシアニン3
5gを0℃の濃硫酸1050gに溶解させ、氷水525
0g中に撹拌しながら滴下し再沈させた。再沈後ろ過
し、得られた粉末をイオン交換水2500g中で分散洗
浄し、再び過する。更に、得られた粉末を2%アンモニ
ア水2500g中で分散洗浄して、更にイオン交換水で
十分洗浄して得られた個体を減圧下で乾燥する。低結晶
性のヒドロキシガリウムフタロシアニンを33.9g得
た。収率97%。得られたヒドロキシガリウムフタロシ
アニンの元素分析値を示す。この結晶の赤外吸収スペク
トル(KBr錠剤法)を図1に、粉末X線回折図を図3
に示す。
【0030】製造例2 次に、製造例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシ
アニン7gとN,N−ジメチルホルムアミド210gを
1mmφのガラスビ−ズ300gと共にサンドミルでミ
リング処理を室温(22℃)下で5時間行った。この分
散液より顔料をろ別し、メタノ−ルで洗浄して減圧下で
乾燥することにより、CuKαのX線回折におけるブラ
ッグ角2θ±0.2°が7.4°及び28.2°に強い
ピ−クを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシア
ニン6.4gを得た。この結晶の粉末X線回折図を図4
に示す。
【0031】製造例3 次に、製造例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシ
アニン7gとメタノ−ル210gを1mmφのガラスビ
−ズ300gと共にサンドミルでミリング処理を室温
(22℃)下で5時間行った。この分散液より顔料をろ
別し、減圧下で乾燥することにより、CuKαのX線回
折におけるブラッグ角2θ±0.2°が7.5°、1
6.3°、24.9°及び26.4°に強いピ−クを有
する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン6.1
gを得た。この結晶の粉末X線回折図を図5に示す。
【0032】製造例4 次に、製造例1で得られたヒドロキシガリウムフタロシ
アニン7gとクロロホルム210gを1mmφのガラス
ビ−ズ300gと共にサンドミルでミリング処理を室温
(22℃)下で5時間行った。この分散液より顔料をろ
別し減圧下で乾燥することにより、CuKαのX線回折
におけるブラッグ角2θ±0.2°が6.9°、13.
3°、16.5°及び26.7°に強いピ−クを有する
結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン6.6gを
得た。この結晶の粉末X線回折図を図6に示す。
【0033】本発明において用いるヒドロキシガリウム
フタロシアニンは上記のようにして製造することができ
るが、これ等の製造例に限定されるものではない。
【0034】例示ヒドラゾン系化合物1の製造 製造例5 一般式(1)で示されるヒドラゾン系化合物は、下記一
般式(3)で示されるヒドラジン誘導体 式中、R1 及びR2 は前記と同義と一般式(4)で示さ
れるベンズアルデヒド誘導体
【化4】 式中、R3 、R4 、R5 及びnは前記と同義を用いて合
成することができる。
【0035】200ml三ッ口フラスコにエタノ−ル4
0ml、酢酸40ml、1−(1−ナフチル)−1−フ
ェニルヒドラジン(一般式(3)でR1 がα−ナフチル
基、R2 がフェニル基で示される化合物)2.81g
(0.012mol)、p−ジエチルアミノベンズアル
デヒド2.13g(0.012mol)を加え室温で1
時間反応し、水に注加した。次に得られた固形分をろ過
し、水洗を繰り返し固形分をろ別乾燥した。次にメチル
エチルケトン、エタノ−ルの混合溶媒により再結晶し融
点120.5〜121.5℃の黄色い結晶を1.35g
得た。収率29%。得られた結晶の赤外吸収スペクトル
(KBr錠剤法)を図2に示す。
【0036】本発明において用いる他のヒドラゾン系化
合物も同様にして製造することができる。ただし、これ
等の製造例に限定されるものではない。
【0037】本発明の電子写真感光体の代表的な層構成
としては、電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の層に含
有する形態、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷
輸送物質を含有する電荷輸送層を積層する形態がある。
更に、導電性支持体、電荷発生層及び電荷輸送層をこの
順に積層する形態と導電性支持体、電荷輸送層及び電荷
発生層をこの順に積層する形態がある。
【0038】本発明の電子写真感光体において、電荷発
生層は、十分な吸光度を得るためにできる限り多くのヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン顔料を含有し、かつ、
発生した電荷キャリヤ−の飛程を短くするために薄膜
層、5μm以下、好ましくは0.01〜1μmの薄膜層
とすることが望ましい。
【0039】電荷発生層はヒドロキシガリウムフタロシ
アニン顔料を適当なバインダ−に分散させ、これを導電
性支持体上に塗工することにより形成できる。
【0040】塗工によって形成する際に用いるバインダ
−としては、広範な絶縁性樹脂から選択でき、また、ポ
リ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセン
やポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマ−から選択
できる。好ましくは、ポリビニルブチラ−ル、ポリアリ
レ−ト(ビスフェノ−ルと芳香族ジカルボン酸の重縮合
体)、ポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、フェノキシ樹
脂、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミ
ド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロ−ス系樹
脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニ
ルアルコ−ル、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
電荷発生層中に含有される樹脂は80重量%以下、好ま
しくは40重量%以下が適している。
【0041】これ等の樹脂を溶解する溶剤は、樹脂の種
類によって異なり、また電荷輸送層や下引き層を溶解し
ない種類から選択することが好ましい。具体的には、メ
タノ−ル、エタノ−ル、イソプロパノ−ル等のアルコ−
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン
等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホ
キシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル等のエ
−テル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、ク
ロロホルム、塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化
炭素、トリクロロエチレン等の脂肪族ハロゲン化炭化水
素あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、リグロイ
ン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族化合
物等が用いられる。
【0042】塗布方法としては、浸漬コ−ティング法、
スプレ−コ−ティング法、スピンナ−コ−ティング法、
ビ−ドコ−ティング法、マイヤ−バ−コ−ティング法、
ブレ−ドコ−ティング法、ロ−ラ−コ−ティング法、カ
−テンコ−ティング法等の方法が採用できる。乾燥は、
室温における指触乾燥後、加熱乾燥する方法が好まし
い。加熱乾燥は30〜200℃の範囲で5分間〜2時間
の範囲で静止または送風下で行う。
【0043】電荷輸送層は、電荷発生層と電気的に接続
されており、電界の存在下で電荷発生層から注入された
電荷キャリヤ−を受け取ると共に、これ等の電荷キャリ
ヤ−を表面まで輸送する機能を有している。電荷輸送層
は一般式(1)で示される特定の構造を有するヒドラゾ
ン系化合物を適当なバインダ−と共に溶解し、これを塗
布して形成できる。
【0044】バインダ−としては、例えば、アクリル樹
脂、ポリアリレ−ト、ポリエステル、ポリカ−ボネ−
ト、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリ
マ−、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマ−、ポリ
ビニルブチラ−ル、ポリビニルホルマ−ル、ポリサルホ
ン、ポリアクリルアミド、ポリアミド、塩素化ゴム等の
絶縁性樹脂あるいはポリ−N−ビニルカルバゾ−ル、ポ
リビニルアントラセン、ポリビニルピレン等の有機光導
電性ポリマ−等が挙げられる。電荷輸送層は電荷キャリ
ヤ−を輸送できる限界があるので必要以上に膜厚を厚く
することはできないが、3〜50μm、好ましくは8〜
30μmである。塗工によって電荷輸送層を形成する際
には、前記電荷発生層の形成に用いたと同様の適当な塗
布方法を採用できる。
【0045】電荷発生層と電荷輸送層の積層構造からな
る感光層は導電性支持体上に設けられる。導電性支持体
としては支持体自体が導電性を有するもの、例えばアル
ミニウム、アルミニウム合金等の金属や合金が用いら
れ、その他にアルミニウム、アルミニウム合金、酸化イ
ンジウム、酸化スズ、酸化インジウム−酸化スズ合金等
を真空蒸着法によって塗膜形成された層を有するプラス
チック、導電性粒子(例えばカ−ボンブラック、銀粒子
等)を適当なバインダ−と共にプラスチックや前記金属
支持体の上に被覆した導電性支持体、導電性粒子をプラ
スチックや紙に含浸した導電性支持体や導電性ポリマ−
を有するプラスチック等が用いられる。
【0046】導電性支持体と感光層の中間に、バリヤ−
機能と接着機能を有する下引き層を設けることができ
る。下引き層はカゼイン、ポリビニルアルコ−ル、ニト
ロセルロ−ス、エチレン−アクリル酸コポリマ−、ポリ
アミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、
共重合ナイロン、アルコキシメチル化ナイロン等)、ポ
リウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウム等によって形
成できる。下引き層の膜厚は0.1〜5μm、好ましく
は0.5〜3μmである。
【0047】また、本発明の電子写真感光体は必要に応
じて表面保護層を設けてもよい。
【0048】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レ−ザ−ビ−ムプリンタ−、C
RTプリンタ−、LEDプリンタ−、液晶プリンタ−、
レ−ザ−製版、ファクシミリ等の電子写真応用分野にも
広く利用することができる。
【0049】次に、本発明のプロセスカ−トリッジ並び
に電子写真装置について説明する。図8に本発明の電子
写真感光体を有するプロセスカ−トリッジを有する電子
写真装置の概略構成を示す。図において、1はドラム状
の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方
向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は回転過
程において、一次帯電手段3によりその周面に正または
負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光
やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光手段(不図示)か
らの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に
静電潜像が順次形成されていく。
【0050】形成された静電潜像は、次いで現像手段5
によりトナ−現像され、現像されたトナ−現像像は、不
図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体
1の回転と同期取りされて給送された転写材7に、転写
手段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写
材7は感光体面から分離されて像定着手段8へ導入され
て像定着を受けることにより複写物(コピ−)として装
置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体1の表
面は、クリ−ニング手段9によって転写残りトナ−の除
去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)か
らの前露光光10により除電処理がされた後、繰り返し
画像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ロ
−ラ−等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は
必ずしも必要ではない。
【0051】本発明においては、上述の感光体1、一次
帯電手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9等の構
成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとし
て一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを
複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−等の電子写真装置本
体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば一次帯電
手段3、現像手段5及びクリ−ニング手段9の少なくと
も1つを感光体1と共に一体に支持してカ−トリッジ化
し、装置本体のレ−ル12等の案内手段を用いて装置本
体に着脱可能なプロセスカ−トリッジ11とすることが
できる。また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機
やプリンタ−である場合には、原稿からの反射光や透過
光を用いる、あるいは、センサ−で原稿を読み取り、信
号化し、この信号に従って行われるレ−ザ−ビ−ムの走
査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッタ−アレイの駆
動等により照射される光である。
【0052】次に、実施例と比較例で用いた電荷発生物
質について示す。
【0053】
【表5】
【表6】
【0054】実施例1 アルミ支持体上に0.45μmの塩化ビニル−無水マレ
イン酸−酢酸ビニル共重合体よりなる下引き層を形成し
た。次に、表5に示される顔料番号P−2の結晶形を持
つヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料4部とポリビ
ニルブチラ−ル(ブチラ−ル化度65モル%、数平均分
子量35000)2部をシクロヘキサノン80部に添加
し、ガラスビ−ズと共にサンドミルで4時間分散し、こ
れに80部の酢酸エチルを加え希釈した分散液を下引き
層上に乾燥後の膜厚が0.25μmとなるようにマイヤ
バ−で塗布し、電荷発生層を形成した。
【0055】次に、電荷輸送物質として例示化合物1を
5部とビスフェノ−ルZ型ポリカ−ボネ−ト(粘度平均
分子量20000)5部をモノクロロベンゼン38部に
溶解し、この液を電荷発生層上に乾燥後の膜厚が20μ
mとなるようにマイヤ−バ−で塗布し、乾燥して電荷輸
送層を形成し、電子写真感光体を作成(感光体1)し
た。
【0055】比較例1 電荷発生物質として実施例1における顔料番号P−2の
顔料に代えて、表6に示される比較顔料番号Q−1の顔
料を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作成(比較感光体1)した。
【0056】比較例2 電荷発生物質として実施例1における顔料番号P−2の
顔料に代えて、表6に示される比較顔料番号Q−2の顔
料を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作成(比較感光体2)した。
【0057】比較例3 電荷発生物質として実施例1における顔料番号P−2の
顔料に代えて、表6に示される比較顔料Q−3を用いた
他は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作成(比
較感光体3)した。
【0058】比較例4 電荷発生物質として実施例1における顔料番号P−2の
顔料に代えて、表6に示される比較顔料番号Q−4の顔
料を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光体
を作成(比較感光体4)した。
【0059】感光体1、比較感光体1〜4の電子写真感
光体をそれぞれレ−ザ−ビ−ムプリンタ−(商品名LB
P−SX、キヤノン(株)製)の改造機のシリンダ−に
貼り付けて暗部電位が−700Vになるように帯電設定
をし、これに波長802nmのレ−ザ−光を照射して、
−700Vの電位を−200Vまで下げるのに必要な光
量を測定し感度とした。さらに20μJ/cm2 の光量
を照射した場合の電位を残留電位Vrとして測定した。
結果を表7に示す。
【0060】
【表7】
【0061】次に、これ等5種類の電子写真感光体を湿
度10%/気温5℃、湿度50%/気温18℃、湿度8
0%/気温35℃の3環境において、それぞれ暗部電位
−700V、明部電位−200Vに設定した状態で連続
3000枚の通紙耐久を行って耐久後の暗部電位、明部
電位の測定及び画像の評価を行った。
【0062】感光体1は、いずれの環境においても耐久
後でも初期と同様の良好な画像が得られたが、比較感光
体1、2、3及び4では、いずれの環境においても白地
に地カブリを起こしており特に湿度80%/気温35℃
において著しく、更に比較感光体4は特に良好ではない
画像が得られた。また、比較感光体1、2、3及び4に
ついては、地カブリを除くために濃度調節レバ−により
調節したところ、黒字部分の濃度が不十分となった。
【0063】なお、図7に感光体1の波長800nmに
おける感度を100として縦軸に相対感度、横軸に分光
波長をプロットした分光感度分布を示す。
【0064】このように、感光体1は640〜810n
m付近の長波長領域において非常に幅広く、安定した高
感度特性を発現するものである。
【0065】実施例2〜16 表5に示した各種結晶形のヒドロキシガリウムフタロシ
アニンと一般式(1)で示される前記例示の電荷輸送物
質を用いて、実施例1と同様にして感光体2〜16を作
成した。
【0066】これ等の感光体を実施例1と同様にしてレ
−ザ−ビ−ムプリンタ−(前出)の改造機のシリンダ−
に貼り付けて暗部電位が−700Vになるように帯電設
定をし、これに波長802nmのレ−ザ−光を照射し
て、−700Vの電位を−200Vまで下げるのに必要
な光量E△500を測定し、感度とした。更に20μJ
/cm2 の光量を照射した場合の電位を残留電位Vrと
して測定した。また、これ等の感光体を暗部電位−70
0V、明部電位−200Vになるように設定し、連続3
000枚の通紙耐久を行って、初期と3000枚後の暗
部電位と明部電位の絶対値の変動量△Vdと△Vlを測
定した。結果を表8に示す。
【0067】
【表8】
【0068】比較例5〜20 実施例1で用いた電荷発生物質に代えて表6に示した各
種フタロシアニンと前記例示の電荷輸送物質を組み合わ
せて用いた他は、実施例1と同様にして比較感光体5〜
20を作成し、評価した。結果を表9に示す。
【0069】
【表9】
【0070】比較例21〜26 実施例5において、電荷輸送物質を下記構造式の化合物
H−1〜H−6に代えて用いた他は、実施例5と同様に
して比較感光体21〜26を作成し、同様に評価した。
結果を表10に示す。
【0071】H−1
【化5】 H−2
【化6】 H−3
【化7】 H−4
【化8】 H−5
【化9】 H−6
【化10】
【0072】
【表10】
【0073】表7〜10の結果より明らかなように、本
発明における電荷発生物質としてのヒドロキシガリウム
フタロシアニン顔料と電荷輸送物質としてのN−ナフチ
ルヒドラゾン化合物を組み合わせた本発明の感光体は、
高感度、低残留電位であり、繰り返し使用時における帯
電能の低下や感度低下が極めて小さく、安定した特性を
有していることが解る。
【0074】実施例17 厚さ50μmのアルミニウムシ−ト支持体上に実施例1
と同様に下引き層をバ−コ−トにより形成し、更にこの
上に実施例1と同様の電荷輸送層を20μmの膜厚で形
成した。
【0075】次に、ビスフェノ−ルZ型ポリカ−ボネ−
ト6部をシクロヘキサン66部に溶解し、この溶液に表
5に示す電荷発生物質P−2のヒドロキシガリウムフタ
ロシアニン3.4部を混合し、サンドミルで1時間分散
後、ビスフェノ−ルZ型ポリカ−ボネ−ト5部と実施例
1で用いた電荷輸送物質10部を溶解し、更にテトラヒ
ドロフラン40部、ジクロロメタン40部を加えて希釈
して分散塗料を得た。この塗料をスプレ−塗布により、
電荷輸送層上に塗布し乾燥して10μmの膜厚の電荷発
生層を形成し、感光体17を作成した。
【0076】比較例27 電荷発生物質として実施例17における顔料番号P−2
の顔料に代えて、表6に示される比較顔料番号Q−1の
顔料を用いた他は、実施例17と同様にして電子写真感
光体を作成(比較感光体27)した。
【0077】比較例28 電荷発生物質として実施例17における顔料番号P−2
の顔料に代えて、表6に示される比較顔料番号Q−2の
顔料を用いた他は、実施例17と同様にして電子写真感
光体を作成(比較感光体28)した。
【0078】比較例29 電荷発生物質として実施例17における顔料番号P−2
の顔料に代えて、表6に示される比較顔料番号Q−3の
顔料を用いた他は、実施例17と同様にして電子写真感
光体を作成(比較感光体29)した。
【0079】比較例30 電荷発生物質として実施例17における顔料番号P−2
の顔料に代えて、表6に示される比較顔料番号Q−4の
顔料を用いた他は、実施例17と同様にして電子写真感
光体を作成(比較感光体30)した。
【0080】感光体17及び比較感光体27、28、2
9及び30の電子写真感光体を静電試験装置(商品名E
PA−8100、川口電機(株)製)を用いて評価し
た。評価は初めに正のコロナ帯電により表面電位が+7
00Vとなるように設定し、次にモノクロメ−タ−によ
り分光した800nmの単色光により露光して、表面電
位が+200Vまで下がるときの光量を測定して感度と
した。結果を表11に示す。
【0081】
【表11】
【0082】実施例18 アルミ支持体上に、N−メトキシメチル化6ナイロン樹
脂(重量平均分子量45000)4.2部とアルコ−ル
可溶性共重合ナイロン樹脂(重量平均分子量5000
0)8.8部をメタノ−ル90部に溶解した液をマイヤ
−バ−で塗布し乾燥後の膜厚が0.6μmの下引き層を
形成した。
【0083】次に、電荷発生物質として表5に示す顔料
番号P−2の顔料12部、ポリビニルブチラ−ル(ブチ
ラ−ル化率65%、重量平均分子量45000)8部と
シクロヘキサノン200部をボ−ルミルで24時間分散
を行った。分散液を下引き層上にブレ−ドコ−ティング
により塗布し、乾燥後の膜厚が0.22μmの電荷発生
層を形成した。
【0084】次に、電荷輸送物質として例示化合物1を
5.5部と例示化合物18を2.5部とをビスフェノ−
ルZ型ポリカ−ボネ−ト(重量平均分子量40000)
10部をモノクロロベンゼン70部に溶解し、この液を
電荷発生層上にブレ−ドコ−ティングにより塗布し、乾
燥後の膜厚が18μmの電荷輸送層を形成し、電子写真
感光体を作成(感光体18)した。
【0085】感光体18に−5KVのコロナ放電を行っ
た。このときの表面電位(初期電位V0 )を測定した。
更にこの感光体を1秒間暗所に放置したときの表面電位
を測定した。感度は暗減衰した後の電位V1 を1/6に
減衰するのに要する露光量(E1/6:μJ/cm2
を測定することによって評価した。この際光源としてイ
ンジウム/ガリウム/アルミニウム/リンの四元系半導
体レ−ザ−(出力:5mW、発振波長680nm)を用
いた。結果を示す。 V0 :−700V、V1 :−695V、E1/6:0.
38μJ/cm2
【0086】次に、同上の半導体レ−ザ−を備えた反転
現像方式のレ−ザ−ビ−ムプリンタ−(商品名LBP−
SX、キヤノン(株)製)に感光体18を取り付けて、
画像形成テストを行った。条件は下記の通りとした。一
次帯電の表面電位:−700V、像露光の表面電位:−
150V(露光量2.0μJ/cm2 )転写電位+70
0V、現像極性:負極性、プロセススピ−ド:50mm
/sec、現像条件(現像バイアス):−450V、像
露光スキャン方式:イメ−ジスキャン、一次帯電前露
光:50lux/secの赤色全面露光、画像形成はレ
−ザ−ビ−ムを文字信号及び画像信号に従ってラインス
キャンして行ったが、文字、画像共に良好なプリントが
得られた。更に連続5000枚の画出しを行ったが、初
期から5000枚まで安定したプリントが得られた。
【0087】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、レ−ザ−ダ
イオ−ドの発振波長のような長波長領域で高い感度と低
残留電位を示し、繰り返し使用や環境の変動によらず、
安定して優れた電位特性を示し、かぶり等の画像欠陥の
ない良好な画質を与えるという顕著な効果を奏する。ま
た、プロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置において
も同様に顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1で得られたヒドロキシガリウムフタロ
シアニンの赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)であ
る。
【図2】製造例5で得られた例示ヒドラゾン系化合物1
の赤外吸収スペクトル図(KBr錠剤法)である。
【図3】製造例1で得られたCuKαのX線回折におけ
るブラッグ角2θ±0.2°が6.8°及び26.2°
に強いピ−クを有する結晶形を持つヒドロキシガリウム
フタロシアニンのX線回折図である。
【図4】製造例2で得られたCuKαのX線回折におけ
るブラッグ角2θ±0.2°が7.4°及び28.2°
に強いピ−クを有する結晶形を持つヒドロキシガリウム
フタロシアニンのX線回折図である。
【図5】製造例3で得られたCuKαのX線回折におけ
るブラッグ角2θ±0.2°が7.5°、16.3°、
24.9°及び26.4°に強いピ−クを有する結晶形
を持つヒドロキシガリウムフタロシアニンのX線回折図
である。
【図6】製造例4で得られたCuKαのX線回折におけ
るブラッグ角2θ±0.2°が6.9°、13.3°、
16.5°及び26.7°に強いピ−クを有する結晶形
を持つヒドロキシガリウムフタロシアニンのX線回折図
である。
【図7】感光体1の分光感度を示した図である。
【図8】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカ−
トリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す図。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体 2 軸 3 一次帯電手段 4 画像露光光 5 現像手段 6 転写手段 7 転写材 8 像定着手段 9 クリ−ニング手段 10 前露光光 11 プロセスカ−トリッジ 12 レ−ル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に感光層を設けてなる電
    子写真感光体において、該感光層が電荷発生物質として
    ヒドロキシガリウムフタロシアニンを含有し、かつ電荷
    輸送物質として下記一般式(1)で示される化合物の少
    なくとも一つを含有することを特徴とする電子写真感光
    体。 一般式(1) 【化1】 式中、R1 は置換基を有してもよいナフチル基を示し、
    2 は置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有し
    てもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル
    基を示す。R3 は水素原子、ハロゲン原子、置換基を有
    してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリ−ル
    基、置換基を有してもよいアルコキシ基を示し、nは1
    〜4の整数である。R4 及びR5 は置換基を有してもよ
    いアルキル基、置換基を有してもよいアラルキル基、置
    換基を有してもよいアリ−ル基を示す。
  2. 【請求項2】 前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン
    結晶が、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±
    0.2°が6.8°及び26.2°に強いピ−クを有す
    る結晶形を持つ請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン
    結晶が、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±
    0.2°が7.4°及び28.2°に強いピ−クを有す
    る結晶形を持つ請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン
    結晶が、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±
    0.2°が7.5°、16.3°、24.9°及び2
    6.4°に強いピ−クを有する結晶形を持つ請求項1記
    載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記ヒドロキシガリウムフタロシアニン
    結晶が、CuKαのX線回折におけるブラッグ角2θ±
    0.2°が6.9°、13.3°、16.5°及び2
    6.7°に強いピ−クを有する結晶形を持つ請求項1記
    載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電子写真感光体、及び帯
    電手段、現像手段及びクリ−ニング手段からなる群より
    選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、電子写
    真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセス
    カ−トリッジ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の電子写真感光体、帯電手
    段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを
    特徴とする電子写真装置。
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