JP2000074866A - Coセンサおよびその製造方法 - Google Patents

Coセンサおよびその製造方法

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JP2000074866A
JP2000074866A JP15769599A JP15769599A JP2000074866A JP 2000074866 A JP2000074866 A JP 2000074866A JP 15769599 A JP15769599 A JP 15769599A JP 15769599 A JP15769599 A JP 15769599A JP 2000074866 A JP2000074866 A JP 2000074866A
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Yasutaka Ozaki
康隆 尾崎
Sachiyo Suzuki
祥代 鈴木
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Figaro Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 SnO系金属酸化物半導体を用いたCO
センサの焼結後に、各5〜500μg/gSnOのI
rとPtとを、重量比で5〜1/5の割合で添加する。
添加は、Ir塩とPt塩との混合物水溶液をSnO
結体に含浸させ、熱分解して行う。次いでチオ尿素の水
溶液をSnO焼結体に含浸させ、S換算で0.01〜
10mg/gSnOのチオ尿素を添加する。 【効果】 COセンサの温湿度依存性を抑制し、出力
のCO濃度依存性を増加し、センサ抵抗を扱いやすい範
囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、SnO2金属酸化物半導
体を用いたCOセンサとその製造方法とに関する。
【0002】
【従来技術】SnO2系のCOセンサを高温域と低温域と
に交互に温度変化させ、低温域での出力からCOを検出
することが知られている。例えば出願人のSnO2系ガス
センサTGS203(TGS203は商品名)の場合、
SnO2焼結体中に一対のヒータ兼用電極を埋設し、15
0秒周期で動作させ、前半の60秒を高温域(最高温度
約300℃)に、後半の90秒を低温域(最低温度約8
0℃)に加熱し、低温域終了直前のセンサ信号からCO
を検出する。SnO2にはその1g当たり金属換算で約2
mgのPdが添加されている。
【0003】しかしながらSnO2系のCOセンサは、使
用開始の初期数ヶ月程度の間に抵抗値が2倍程度に高抵
抗化する傾向がある。
【0004】
【発明の課題】この発明の基本的課題は、COセンサの
経時的高抵抗化の防止にある(請求項1〜9)。この発
明の副次的課題は、COセンサの抵抗値のCO濃度依存
性を向上させることにある(請求項1〜9)。この発明
の他の課題は、COセンサの温湿度依存性を抑制するこ
とにある(請求項5,9)。
【0005】
【発明の構成】この発明のCOセンサは、ガス感応材料
のSnO2を周期的に温度変化させながらCOを検出する
センサにおいて、前記SnO2にS単体換算で0.01〜
10mg/gSnO2の電子供与性のS化合物を添加した
ことを特徴とする。好ましくは、前記S化合物の添加量
を、S単体換算で0.1〜5mg/gSnO2とする。さ
らに好ましくは、前記電子供与性のS化合物を、チオ尿
素,チオ硫酸およびその誘導体,チオシアン酸およびそ
の誘導体,チオシアンおよびその誘導体,チオール類,
チオフェノール類,チオエーテル類,チオ糖およびその
誘導体,チオフェンおよびその誘導体,チオナフテンお
よびその誘導体,チオトレンおよびその誘導体,チオピ
ランおよびその誘導体,チオフテンおよびその誘導体,
チオアセタゾンおよびその誘導体,チオキセンおよびそ
の誘導体,チオアセタールおよびその誘導体,チオイン
ジゴおよびその誘導体,チオオキシンおよびその誘導
体,チオカルバジドおよびその誘導体,チオキナーゼ,
チオグルコシダーゼおよびCS2からなる群の少なくと
も一員の化合物とする。最も好ましくはチオ尿素,チオ
硫酸およびその誘導体,例えばチオ硫酸アンモニウム,
チオシアン酸およびその誘導体,例えばチオシアン酸ア
ンモニウム,チオシアンおよびその誘導体からなる群の
少なくとも一員の化合物とする。好ましくは、前記Sn
2にさらに、金属換算で5〜500μg/gSnO2
Irを添加する。さらに好ましくは、前記IrをIr−Pt
複合触媒として添加し、IrとPtの添加量を金属換算で
各5〜500μg/gSnO2、Ir/Ptの重量比を1/
5〜5とする。
【0006】この発明のCOセンサの製造方法では、ガ
ス感応材料のSnO2粉体を焼結した後に、S単体換算で
0.01〜10mg/gSnO2の電子供与性のS化合物
を添加する。電子供与性のS化合物は、例えばチオ尿
素,チオ硫酸およびその誘導体,チオシアン酸およびそ
の誘導体,チオシアンおよびその誘導体,チオール類,
チオフェノール類,チオエーテル類,チオ糖およびその
誘導体,チオフェンおよびその誘導体,チオナフテンお
よびその誘導体,チオトレンおよびその誘導体,チオピ
ランおよびその誘導体,チオフテンおよびその誘導体,
チオアセタゾンおよびその誘導体,チオキセンおよびそ
の誘導体,チオアセタールおよびその誘導体,チオイン
ジゴおよびその誘導体,チオオキシンおよびその誘導
体,チオカルバジドおよびその誘導体,チオキナーゼ,
チオグルコシダーゼおよびCS2とする。好ましくは、
チオ尿素,チオ硫酸およびその誘導体,例えばチオ硫酸
アンモニウム,チオシアン酸およびその誘導体,例えば
チオシアン酸アンモニウム,チオシアンおよびその誘導
体からなる群の少なくとも一員の化合物とする。好まし
くは、前記電子供与性のS化合物の溶液をSnO2の焼結
体に含浸させ、この後焼結体を乾燥しかつ熱処理する。
最も好ましくは、SnOの焼結体に、Ir化合物とPt
化合物との混合溶液を含浸させ、この後含浸させたIr
化合物とPt化合物とを分解することにより、金属換算
で各5〜500μg/gSnO2のIrとPtとを添加し、
かつIr/Ptの重量比を1/5〜5とする。
【0007】COセンサの種類は、例えば、高温域も低
温域もともに室温よりも高い温度とし、低温域でも高温
域でもCOセンサのヒータに電力を加えるものとする。
あるいはCOセンサを、例えば高温域を300℃程度と
し、高温域への加熱時間を例えば10m秒〜10秒、低
温域への保持時間を例えば1〜100秒として、低温域
ではヒータ電力を0として、室温付近まで放冷するもの
でも良い。すなわち、COセンサの種類自体は、SnO2
系のCOセンサで、周期的な温度変化を用いるものであ
ればよい。
【0008】
【発明の作用と効果】この発明では、ガス感応材料のS
nO2にS単体換算で0.01〜10mg/gSnO2の電
子供与性のS化合物を添加する。するとCOセンサの経
時的高抵抗化を抑制でき、0.1mg/gSnO以上
の添加で経時的高抵抗化をほぼ完全に解消できる。この
ため極めて信頼性の高いCOセンサが得られる。また前
記の添加量での電子供与性のS化合物の添加は、COセ
ンサの抵抗値のCO濃度依存性αを増加させ、定量性を
向上させる。なおCO濃度依存性αは、センサ抵抗をR
sとして、 Rs=k・∝[CO]−α (kは比例定数) (1) により定義する。
【0009】添加するS化合物は、例えばチオ尿素,チ
オ硫酸およびその誘導体,例えばチオ硫酸アンモニウ
ム,チオシアン酸およびその誘導体,例えばチオシアン
酸アンモニウムやイソチオシアン酸,チオシアン酸メチ
ルやチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸アリル、チ
オシアンおよびその誘導体,例えば各種ロダン化合物や
ジクロルイミノジチアゾリジン、チオール類,チオフェ
ノール類,チオエーテル類,チオ糖、例えばDグルコチ
オース,メチルチオアデノシンやその誘導体,チオフェ
ンおよびその誘導体,チオナフテンおよびその誘導体,
チオトレンおよびその誘導体,チオピランおよびその誘
導体,チオフテンおよびその誘導体,チオアセタゾンお
よびその誘導体,チオキセンおよびその誘導体,チオア
セタールおよびその誘導体,チオインジゴおよびその誘
導体,チオオキシンおよびその誘導体,チオカルバジド
およびその誘導体,チオキナーゼ,チオグルコシダーゼ
およびCS2からなる群の少なくとも一員の物質とす
る。好ましくはチオ尿素,チオ硫酸およびその誘導体,
例えばチオ硫酸アンモニウム,チオシアン酸およびその
誘導体,例えばチオシアン酸アンモニウム,チオシアン
およびその誘導体からなる群の少なくとも一員の物質と
する。これらの硫黄化合物は電子供与性であり、例えば
チオ硫酸の場合中心の硫黄原子の周囲の4面体の1頂点
を占めるS原子が電子供与性である。またこれらの硫黄
化合物は、硫黄の酸化数が2以下、特に−2の硫黄原子
を含んでいる。これらの内で、チオ尿素,チオ硫酸およ
びその誘導体,チオシアン酸およびその誘導体,チオシ
アンおよびその誘導体は硫黄の酸化数が−2で、かつ硫
黄原子は2重結合をしている。
【0010】これらのS化合物の添加は、硫酸イオン等
の添加とは異なる。硫酸イオンの添加では、COセンサ
の経時的高抵抗化の抑制は小さいが、電子供与性S化合
物を添加すると、ほぼ完全に経時的高抵抗化を防止し得
る。また電子供与性S化合物の添加ではCO濃度依存性
αを向上し得るが、硫酸イオンの添加ではαは減少する
場合が多い。S化合物の添加は例えばSnO2系のガス感
応体の焼結後に行う。
【0011】電子供与性のS化合物とともにIrを添加
する。IrはCOセンサのαを著しく増加させ、また抵
抗値を増加させるとともに、経時的高抵抗化をより大き
くする。電子供与性のS化合物は、経時的高抵抗化を抑
制し、かつ抵抗値の増加を抑制する。Ir−Ptを添加す
ると、αの増加の他に温湿度依存性も小さくなる。Ir
−Ptと電子供与性のS化合物とを添加すると、温湿度
依存性の抑制、αの増加、経時的高抵抗化の防止、およ
び使いやすい抵抗値の範囲との効果が得られる。
【0012】電子供与性のS化合物のSnO中での存
在形態は未知で、αの増加や経時的高抵抗化の防止が、
電子供与性のS化合物がSnO中に存在し続けること
によるものか、あるいは添加時にSnO粒子の粒子形
態に作用すること、特に焼結後のガス感応体のセラミッ
ク構造に作用することによるものかは不明である。電子
供与性のS化合部と、IrやIr−Ptは同時に添加して
もよく、別途に添加しても良い。
【0013】これ以外に、SnOにはCOの水素への
相対感度を改善するため、リン酸イオンを添加しても良
い。
【0014】
【実施例】図1に実施例のガスセンサの構造を示し、図
2に変形例のガスセンサの構造を示し、図3〜図18に
実施例および比較例のガスセンサの特性を示す。図1に
おいて、2はガスセンサで、4はSnO2をガス感応材料
として焼結した金属酸化物半導体で、6,8は一対のヒ
ータ兼用のコイル電極である。金属酸化物半導体4は例
えばSnO2とアルミナとの重量比で約1:1の混合物と
する。金属酸化物半導体4の焼結後に、電子供与性のS
化合物として、チオ尿素の水溶液あるいはチオ硫酸アン
モニウムの水溶液等を滴下し、乾燥後に例えば600℃
で10分間空気中にて加熱する。次いで、硝酸Ir水溶
液や、硝酸Irと塩化白金酸との混合物水溶液を含浸さ
せて、例えば空気中600℃で熱分解して、IrやIr−
Ptを添加する。
【0015】図1のガスセンサは、高温域を60秒間と
し、最高温度(高温域の終了時)を300℃、低温域を
90秒間とし、最低温度(低温域の終了時)を80℃と
し、1周期150秒で動作し、例えば低温域終了直前の
センサ信号(センサ抵抗Rs)からCOを検出する。
【0016】SnO2をガス感応材料とし、周期的に温度
変化させるものであれば、ガスセンサの構造自体は任意
で、例えば図2の変形例のガスセンサ12では、アルミ
ナ等の絶縁基板16に断熱用のガラス膜18を積層し、
RuO等の厚膜ヒータ20を設けて、ガラス膜等の絶
縁膜22で被覆し、この上にSnO2系の金属酸化物半導
体14を例えば20μ厚の厚膜に成膜する。ヒータ20
と金属酸化物半導体14とにそれぞれ電極パッドを介し
てリード24,26等を接続する。図2のガスセンサ
は、例えばヒータ20に10m秒〜1秒間電力を加え
て、約300℃まで加熱し、その後例えば1秒〜100
秒間ヒータ20をオフして、室温付近まで放冷する。こ
の間、例えばヒータ20のオフから1秒後あるいは10
秒後等のセンサ抵抗を用いて、COを検出する。
【0017】図2のガスセンサ12では、例えば600
℃でSnO2系の金属酸化物半導体14を焼結し、その後
に電子供与性のS化合物の溶液を添加し、乾燥後に例え
ば空気中600℃に加熱する。次いで、Ir化合物の溶
液やIr化合物とPt化合物の混合溶液等を含浸させて、
例えば空気中600℃で熱分解して、IrやIr−Ptを
添加する。電子供与性のS化合物の効果や、Ir,Ir−
Ptの効果は、図1のガスセンサ2でも図2のガスセン
サ12でも同等である。以下に、図1のガスセンサにつ
いて、製造例と特性とを示す。
【0018】SnCl4の水溶液をアンモニアで中和し、
沈殿を乾燥後に700℃で1時間空気中で熱分解してS
nO2とした。このSnO2に、金属換算で添加量が2mg
/gSnO2となるようにPdの王水溶液を加え、乾燥後
に600℃で焼成してPdを担持させた。Pdに変えてP
tやRh、Au等の適宜の貴金属触媒を添加してもよく、
またVや硫酸イオンを添加しても良い。触媒担持後のS
nO2を粉砕し、等重量のアルミナ粉末と混合し、図1の
ガスセンサの形状に成型し、例えば700℃で10分間
空気中で焼結する。次いでチオ尿素やチオ硫酸アンモニ
ウム等の水溶液、あるいはチオシアン等のエーテル溶液
を滴下し、乾燥後に具体的には600℃、一般的には4
00〜850℃で10分間空気中で加熱した。
【0019】次いでIrやIr−Pt等の化合物水溶液を
一定量ずつセンサ2に滴下し、例えば空気中600℃、
一般的には500〜850℃で10分間加熱して、金属
のIrやIr−Ptへと熱分解した。同様に比較例とし
て、希硫酸や尿素の水溶液等を滴下し、600℃で熱処
理して比較例のガスセンサを製造した。Irは硝酸塩水
溶液で、Ptは塩化白金酸水溶液で、Rhは塩化物の水溶
液で滴下した。ただし添加時の形態は任意で、熱分解温
度は例えば500〜850℃とし、熱分解に変えて水素
還元等で金属Irや金属Ir−Pt等に変えても良い。S
やIr等の含有量は、添加液の量とその濃度とから、Sn
2 1g当たりの添加量に換算した。
【0020】得られたガスセンサ2を各3日間、前記の
使用条件で使用した後に、1ヶ月間のCO100ppm
中での抵抗値を測定した。結果は各5個のセンサの平均
で、図3はチオ尿素をS単体換算で1mg/gSnO
添加した際の結果である。なお以下では、S化合物の添
加量はS単体換算で示し、mg/gSnOを単にmg
/gとし、また各測定でのサンプル数は5または10
で、表示値は平均値である。図4は比較例として、硫酸
イオンを0.4mg/g添加した際の特性を示し、図5
はS化合物無添加の従来例の結果である。チオ尿素の添
加により、経時的高抵抗化を完全に解消でき、その効果
は硫酸イオンよりもはるかに高い。
【0021】Irの添加はαを増加させ、Ir−Ptの添
加はαの増加と温湿度依存性の抑制とをもたらす。これ
らに伴う副作用は、経時的高抵抗化と初期からのセンサ
抵抗の増加である。電子供与性のS化合物の添加はこの
場合の経時的高抵抗化を防止し、またセンサ抵抗の増加
を防止する。図6〜図8に、経時的高抵抗化の防止への
S化合物の効果を示す。図6は、Irを60μg/gと
S化合物を(チオ尿素,以下特に断らない限り同じ)1
mg/g添加した際の特性である。図7は、Ir,Ptを
各60μg/gとS化合物を1mg/g添加した際の特
性である。図8は、Ir,Ptを各60μg/g添加し、
S化合物無添加での特性である。Ir−Ptの添加は経時
的な高抵抗化を引き起こし、図示はしないがIr単味で
も経時的な高抵抗化を引き起こす。これに対してS化合
物の添加は、図6,図7のように、経時的高抵抗化を防
止する。
【0022】図9〜図11に、製造直後から4ヶ月間の
CO100ppm中での抵抗値の挙動を示す。図9はチ
オ尿素を1mg/g添加した例で、図10は比較のため
に尿素を尿素換算で5mg/g添加した例で、図11は
尿素、チオ尿素とも無添加の従来例である。チオ尿素は
製造直後に急激な低抵抗化をもたらし、以降の抵抗値は
安定である。そして製造直後の低抵抗化の分だけ、全体
として抵抗値が低下する。この抵抗値の低下がIrやIr
−Pt等を添加した際の高抵抗化を補うことになる。尿
素添加時の挙動は、尿素、チオ尿素ともに無添加(図
1)の挙動と等しく、尿素にはチオ尿素のような効果は
ない。
【0023】図12〜図14に、図9〜図11と同じ期
間でのαの挙動を示す。図12はチオ尿素を1mg/g
添加した際の挙動で、図13は硫酸イオンを0.4mg
/g添加した際の挙動、図14はチオ尿素、尿素、硫酸
イオンとも無添加の従来例での挙動である。硫酸イオン
の添加はαの絶対値を減少させ、チオ尿素の添加はαの
絶対値を増加させる。
【0024】図15〜図18に、温湿度特性を示す。測
定した特性は、20℃相対湿度65%から、雰囲気を−
10℃(露点−12℃程度)と0℃(露点−5℃程度)
に雰囲気を変化させた際の、CO100,300,10
00ppm中での抵抗値である。ガスセンサの温湿度依
存性は大部分絶対湿度の変化によるもので、温湿度依存
性は常温常湿付近と低温との間で特に大きいため、20
℃から−10℃の温湿度依存性を測定した。
【0025】図15は、60μg/gのIrと1mg/
gのチオ尿素とを添加した際の特性で、αの増加により
温湿度の変化による誤差は減少するが、20℃から−1
0℃への変化でCO100ppm中の抵抗値は約3倍に
増加し、これは図18の従来例とさして変わらない。図
16は各60μg/gのIrとPt(硝酸Irと塩化白金
酸の混合水溶液として添加)と、1mg/gのチオ尿素
を添加した際の特性で、αも大きく、かつ温湿度依存性
が極めて小さい。図17はチオ尿素を1mg/g添加
し、IrやPtは無添加とした実施例の結果で、αの増加
は生じているが、温湿度依存性自体は大きい。図18
は、チオ尿素もIrやPtも無添加の従来例の結果で、−
10℃でのCO300ppmでの出力は20℃で約14
0ppmに相当する。
【0026】チオ尿素等の効果を表1に一般的に示す。
結果はCO100〜1000ppmの範囲で求めたα
と、製造直後から3日エージングした後1ヶ月でのCO
100ppm中での高抵抗化の度合い(初期抵抗値を1
とする1ヶ月後の抵抗値)、20℃相対湿度65%での
CO100ppm中の抵抗値の値(製造後3日使用時,
KΩ単位)を示す。
【0027】
【表1】 表1 S化合物の効果 サンプル番号およびS α 高抵抗化度 センサ抵抗化合物の添加量(mg/g) (Rs/Rstd) (KΩ) 1 無添加 1.0 1.4 12 2 チオ尿素 0.02 1 .0 1.2 10 3 チオ尿素 0.1 1.05 1.1 8 4 チオ尿素 0.4 1.1 1.0 7 5 チオ尿素 1 1.1 1.0 6 6 チオ尿素 2 1.1 1.0 5 7 チオ尿素 4 1.1 1.0 3 8 チオ尿素 8 1.1 1.0 2 9 チオシアン 1 1.1 1.0 7 10チオシアン酸 アンモニウム 1 1.1 1.0 6 11チオ硫酸 アンモニウム 2 1.1 1.0 5 12エチル メルカプタン 2 1.1 1.2 5 13チオフェノール 2 1.1 1.1 5 14 硫酸イオン 0.4 0.9 1.2 8 15 硫酸イオン 1 0.8 1.1 5 * S化合物を硫酸イオンとして添加したサンプル14,15は比較例
【0028】S化合物をチオ尿素として、IrやIr−P
t等の添加による温湿度依存性の抑制、αのさらなる増
加、Ir等の添加による高抵抗化の防止等を表2に示
す。チオ尿素は1m/gSnO添加し、製造条件は上
記の通りで、−10℃でCO300ppmのセンサ抵抗
が20℃65%で相当するCO濃度から温湿度依存性を
示し、20℃65%でのCO100〜1000ppmの
範囲でのαと、1ヶ月間の使用での初期値に対する高抵
抗化の割合(Rs/Rstd)、使用3日目のCO10
0ppm中での抵抗値(KΩ単位)を示す。結果は各5
個のセンサの平均である。
【0029】
【表2】 表2 センサ特性 サンプル番号 センサ抵抗 α 温湿度 高抵抗化触媒量(μg/g) Rs(KΩ) 依存性 (Rs/Rstd) 21 Ir,チオ尿素共無 8 1.0 140 1.4 22 Ir60 チオ尿素無 22 1.5 200 2.2 23 Ir無チオ尿素 1mg/g 4 1.1 150 1.0 24 Ir 10 6 1.3 180 1.2 25 Ir 60 8 1.5 200 1.0 26 Ir120 12 1.5 210 0.95 27 Ir400 60 1.5 210 0.9 28 Ir60−Pt60 18 1.4 280 0.95 29 Ir60−Pt15 10 1.4 250 1.0 30 Ir240−Pt50 80 1.5 250 1.1 31 Ir100−Pt450 70 1.4 230 1.2 32 Pt60 5 1.3 170 1.0 * 特に指摘しない限り、チオ尿素を1mg/g添加
【0030】発明者は、上記の試料以外に、Ir−Pd,
Ir−Ru,Ir−Os,Ir−Re,Pt−Re,Pt−Pd,
Ru,Os等を同様にしてガスセンサ2に添加した(添加
量は各元素に付き60μg/g)。しかし温湿度依存性
が抑制された試料はなかった。また表2には、チオ尿素
を添加した例を示したが、チオ硫酸アンモニウムやチオ
シアン酸アンモニウム,チオシアン(いずれもS換算で
1mg/g添加)でも、表2と同様の結果が得られた。
なお電子供与性のS化合物の添加は金属酸化物半導体の
焼結後に行い、これは粉体段階で添加すると効果が小さ
いためである。特にSnOの原材料(各種錫化合物)
段階での添加は意味がない。
【0031】リン酸イオンの添加 図1のガスセンサを用い、チオ尿素添加量をS単体換算
で1mg/gSnOとし、IrやIr−Pt無添加の
センサの製造後に、リン酸の水溶液(0.01M)、ま
たはリン酸アンチモンの水溶液(0.01M)にセンサ
を浸し、乾燥後に600℃で10分間熱処理して、リン
酸イオンをSnOに添加した。このようなセンサは、
COと水素への相対感度を改善し、センサの長期特性に
悪影響を及ぼさないことが確認された。COと水素との
相対感度を、低温域の終了直前での水素1000ppm
中での抵抗値とCO100ppm中での抵抗値の比で定
義する。この比が1以上であることが、一般に要求さ
れ、比の値が高いほど好ましい。製造後約120日間の
CO100ppmと水素1000ppmへの相対感度の
挙動を、図19に示す。リン酸イオンの導入はCOの水
素への相対感度を改善する。
【0032】実験の結果、リン酸イオンの添加には、セ
ンサの製造後0.001M〜0.2Mのリン酸イオンを含
む溶液、特に水溶液に、センサを浸し、その後500〜
800℃程度で熱処理することが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガスセンサの断面図
【図2】 変形例のガスセンサの断面図
【図3】 チオ尿素をS単体換算で1mg/g添加し
たガスセンサの1ヶ月の経時特性を示す特性図
【図4】 硫酸イオンをS単体換算で0.4mg/g
添加した従来例のガスセンサの、1ヶ月の経時特性を示
す特性図
【図5】 チオ尿素、硫酸イオンとも無添加の従来例
のガスセンサの、1ヶ月の経時特性を示す特性図
【図6】 チオ尿素をS単体換算で1mg/gとIr
を60μg/g添加したガスセンサの、1ヶ月の経時特
性を示す特性図
【図7】 チオ尿素をS単体換算で1mg/gと、I
r−Pt複合触媒をIr,Ptとも各60μg/g添加した
ガスセンサの、1ヶ月の経時特性を示す特性図
【図8】 チオ尿素を無添加で、Ir−Pt複合触媒を
Ir,Ptとも各60μg/g添加した従来例のガスセン
サの、1ヶ月の経時特性を示す特性図
【図9】 チオ尿素をS単体換算で1mg/g添加し
たガスセンサの、4ヶ月の経時特性を示す特性図
【図10】 尿素を5mg/g添加した従来例のガスセ
ンサの、4ヶ月の経時特性を示す特性図
【図11】 チオ尿素,尿素とも無添加の従来例のガス
センサの、4ヶ月の経時特性を示す特性図
【図12】 チオ尿素をS単体換算で1mg/g添加し
たガスセンサの、CO濃度依存性αの経時特性を示す特
性図
【図13】 硫酸イオンをS単体換算で0.4mg/g
添加した従来例のガスセンサの、CO濃度依存性αの経
時特性を示す特性図
【図14】 チオ尿素,硫酸イオンとも無添加の従来例
のガスセンサの、CO濃度依存性αの経時特性を示す特
性図
【図15】 チオ尿素を1mg/g,Irを60μg
/g添加したガスセンサでの、−10℃から20℃でC
O100ppm〜1000ppmでの温湿度依存性を示
す特性図
【図16】 チオ尿素を0.5mg/g,Ir−Pt複
合触媒を、Ir,Ptともに60μg/g添加したガスセ
ンサでの、−10℃から20℃でCO100ppm〜1
000ppmでの温湿度依存性を示す特性図
【図17】 チオ尿素を1mg/g添加したガスセン
サでの、−10℃から20℃でCO100ppm〜10
00ppmでの温湿度依存性を示す特性図
【図18】 チオ尿素,Ir,Ptとも無添加の従来例
のガスセンサでの、−10℃から20℃でCO100p
pm〜1000ppmでの温湿度依存性を示す特性図
【図19】 チオ尿素をS単体換算で1mg/g添加
したガスセンサにさらに、各0.01M(mol/l)のリ
ン酸とリン酸アンモニウムとを添加した際に、COと水
素との相対感度の変化を示す特性図
【符号の説明】
2,12 ガスセンサ 4,14 金属酸化物半導体 6,8 ヒータ兼用電極 16 絶縁基板 18 ガラス膜 20 ヒータ 22 絶縁膜 24,26 リード

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス感応材料のSnO2を周期的に温度変
    化させながらCOを検出するCOセンサにおいて、 前記SnO2にS単体換算で0.01〜10mg/gSnO
    2の電子供与性のS化合物を添加したCOセンサ。
  2. 【請求項2】 前記S化合物の添加量を、S単体換算で
    0.1〜5mg/gSnO2としたことを特徴とする請求
    項1のCOセンサ。
  3. 【請求項3】 前記電子供与性のS化合物を、チオ尿
    素,チオ硫酸およびその誘導体,チオシアン酸およびそ
    の誘導体,チオシアンおよびその誘導体,チオール類,
    チオフェノール類,チオエーテル類,チオ糖およびその
    誘導体,チオフェンおよびその誘導体,チオナフテンお
    よびその誘導体,チオトレンおよびその誘導体,チオピ
    ランおよびその誘導体,チオフテンおよびその誘導体,
    チオアセタゾンおよびその誘導体,チオキセンおよびそ
    の誘導体,チオアセタールおよびその誘導体,チオイン
    ジゴおよびその誘導体,チオオキシンおよびその誘導
    体,チオカルバジドおよびその誘導体,チオキナーゼ,
    チオグルコシダーゼおよびCS2からなる群の少なくと
    も一員の化合物としたことを特徴とする、請求項1のC
    Oセンサ。
  4. 【請求項4】 前記SnO2にさらに、金属換算で5〜5
    00μg/gSnO2のIrを添加したことを特徴とす
    る、請求項1のCOセンサ。
  5. 【請求項5】 前記IrをIr−Pt複合触媒として添加
    し、IrとPtの添加量を金属換算で各5〜500μg/
    gSnO2、Ir/Ptの重量比を1/5〜5としたことを
    特徴とする、請求項4のCOセンサ。
  6. 【請求項6】 前記SnO2にさらにリン酸イオンを添加
    したことを特徴とする、請求項1のCOセンサ。
  7. 【請求項7】 ガス感応材料のSnO2粉体を焼結した後
    に、S単体換算で0.01〜10mg/gSnO2の電子
    供与性のS化合物を添加するCOセンサの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電子供与性のS化合物の溶液をSn
    2の焼結体に含浸させ、この後焼結体を乾燥しかつ熱
    処理することを特徴とする、請求項7のCOセンサの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記SnO2の焼結体に、Ir化合物とPt
    化合物との混合溶液を含浸させ、この後含浸させたIr
    化合物とPt化合物とを分解することにより、金属換算
    で各5〜500μg/gSnO2のIrとPtとを添加し、
    かつIr/Ptの重量比を1/5〜5としたことを特徴と
    する、請求項8のCOセンサの製造方法。
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