JP2000074512A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JP2000074512A
JP2000074512A JP24129398A JP24129398A JP2000074512A JP 2000074512 A JP2000074512 A JP 2000074512A JP 24129398 A JP24129398 A JP 24129398A JP 24129398 A JP24129398 A JP 24129398A JP 2000074512 A JP2000074512 A JP 2000074512A
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Japan
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oil
refrigerant
refrigerating machine
machine oil
refrigeration
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JP24129398A
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Hironao Numamoto
浩直 沼本
Narihiro Sato
成広 佐藤
Yukio Watanabe
幸男 渡邊
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷媒との相互溶解性の小さい冷凍機油を用い
ることによって、冷凍装置に用いる冷媒量を少なくし、
また堆積物の発生が少なく、摺動面のシール性や潤滑性
に優れた冷凍機油を用いることによって、長期信頼性が
得られる冷凍装置を提供する。 【解決手段】 圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器をそ
れぞれ配管を介して環状に接続して冷凍サイクルを構成
し、冷媒としてプロパン、イソブタン、又はエタンの単
体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を主成分と
した冷媒を用い、冷凍機油として前記冷媒と相互溶解性
の小さなハロゲン含有オイルを用いた冷凍装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロパン(R29
0)、イソブタン(R600a)、又はエタン(R17
0)の単体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を
主成分とした可燃性冷媒を使用した冷凍装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在、冷蔵庫や空気調和機等の冷凍装置
に用いられる冷媒には、物性が安定し、取扱の容易なフ
ロン系冷媒が用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フロン
系冷媒は、物性が安定し、取扱が容易な半面、オゾン層
を破壊すると言われ、地球環境に悪影響を与えるところ
から、準備期間を設けて将来的には全面使用禁止とな
る。フロン系冷媒でも、ハイドロフルオロカーボン(H
FC)冷媒はオゾン層の破壊は認められないが、地球の
温暖化を促進する性質があり、特に環境問題に関心の高
い欧州ではこの冷媒も使用を禁止しようとする動きがあ
る。すなわち、人工的に製造されたフロン系冷媒を使用
禁止にし、従来からある炭化水素のような自然冷媒を用
いることになる。しかしながら、この自然冷媒は可燃性
であることおよび限られた資源を有効活用する点から、
その使用量を抑制する等が課題となっている。
【0004】従って、プロパンやイソブタンのような冷
媒を冷凍装置に用いる場合に、これらの冷媒の使用量を
少なくするには、これらの冷媒と相互溶解性の小さい冷
凍機油を用いることが有効である。
【0005】しかし、冷媒と冷凍機油との相互溶解性を
小さくするには、これらの冷媒は無極性に近いため、極
性の大きな冷凍機油を用いることが有効になるが、極性
の大きな冷凍機油は水分を吸収しやすく、水分を吸収し
た冷凍機油は激しい摺動によって分解してしまうという
課題を有している。
【0006】そこで本発明は、冷凍機油の吸水による分
解を抑制し、冷媒と相互溶解性の小さいハロゲン含有オ
イルを用いることによって、冷凍装置に用いる冷媒量を
少なくすることを目的とする。
【0007】また本発明は、堆積物の発生が少なく、摺
動面のシール性や潤滑性に優れた冷凍機油を用いること
によって、長期信頼性が得られる冷凍装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
冷凍装置は、圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器をそれ
ぞれ配管を介して環状に接続して冷凍サイクルを構成
し、冷媒としてプロパン、イソブタン、又はエタンの単
体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を主成分と
した冷媒を用い、冷凍機油として前記冷媒と相互溶解性
の小さなハロゲン含有オイルを用いたことを特徴とす
る。請求項2記載の本発明は、請求項1記載の冷凍装置
において前記冷凍機油は、含フッ素オレフィン系合成油
であることを特徴とする。請求項3記載の本発明は、請
求項1記載の冷凍装置において前記冷凍機油は、ハロゲ
ン結合を構成する炭素数が全炭素数の30原子%以上を
占めるハロゲン含有オイルであることを特徴とする。請
求項4記載の本発明は、請求項1記載の冷凍装置におい
て前記冷凍機油は、立体規則性重合部を有するハロゲン
含有オイルであることを特徴とする。請求項5記載の本
発明は、請求項1記載のの冷凍装置において、前記冷凍
機油と前記冷媒との相互溶解性は、25℃にて5wt%
以下であることを特徴とする。
【0009】請求項6記載の本発明は、請求項1記載の
冷凍装置において、前記冷凍機油は、カーボネート化合
物に対して鉱油またはハードアルキルベンゼンを2wt
%以下含有していることを特徴とする。請求項7記載の
本発明は、請求項1記載の冷凍装置において、前記冷凍
機油の40℃における動粘度は、5〜20cStである
ことを特徴とする。請求項8記載の本発明は、請求項1
記載の冷凍装置において、前記冷凍機油の100℃にお
ける動粘度は、2〜5cStであることを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1記載の冷凍装置にお
いて、前記冷凍機油の誘電率は、30以上であることを
特徴とする。請求項10記載の本発明は、請求項1記載
の冷凍装置において、前記冷凍機油の体積抵抗率は、1
12Ωcm以上であることを特徴とする。請求項11記
載の本発明は、請求項1記載の冷凍装置において、前記
冷凍サイクル内の水分を、50ppm以下とすることを
特徴とする。請求項12記載の本発明は、請求項11記
載の冷凍装置において、前記冷凍サイクル内にドライヤ
ーを配置とすることを特徴とする。請求項13記載の本
発明は、請求項1記載の冷凍装置において、前記冷凍サ
イクル内の酸素を、800ppm以下とすることを特徴
とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、圧縮機、凝縮器、絞り
装置、蒸発器をそれぞれ配管を介して環状に接続した冷
凍サイクルにおいて、冷媒としてプロパン、イソブタ
ン、又はエタンの単体又はこれらの内の2種以上からな
る混合物を主成分とした冷媒を用い、圧縮機内の冷凍機
油として、これらの冷媒と相互溶解性が小さいハロゲン
含有オイルを用いたものである。
【0011】従って本発明は、このような冷媒と潤滑油
を選択することによって、炭化水素系冷媒の冷凍機油へ
の溶け込み量を少なくし、冷凍装置に封入する冷媒量を
削減することができる。本発明の第1の実施の形態は、
冷凍機油としてハロゲン含有オイルを用いたことを特徴
とする。プロパンやイソブタンは、無極性に近い冷媒で
あるため、相互溶解性の小さな冷凍機油としては、極性
の大きな冷凍機油が好ましいが、極性の大きな冷凍機油
は大気中の水分を吸水し易く、吸水した冷凍機油をこの
まま用いると、圧縮機メカ部の激しい摺動によって冷凍
機油が分解し、摺動損失が大きくなり充分な信頼性は得
られない。そこで、本発明ではハロゲン含有オイルを使
用することによって極性の大きな冷凍機油を使用した冷
凍装置でも充分な潤滑性が得られ、長期信頼性保証がで
きる。
【0012】本発明の第2の実施の形態は、冷凍機油が
含フッ素オレフィン系合成油であることを特徴とする。
このようなリニア型分子構造とすることによって充分な
潤滑性とシステム信頼性が保証できる。
【0013】本発明の第3の実施の形態は、第1の実施
の形態において、冷凍機油としてハロゲン結合を構成す
る炭素数が全炭素数の30原子%以上を占めることを特
徴とする。このような冷凍機油は、分子中に塩素あるい
はフッ素と炭素との結合を有する液状物を基油とする。
ハロゲン元素は電気陰性度が大きく、これらを分子中に
有する化合物は極性が大きくなり、ハロゲン結合を効果
的に配置することによって無極性のプロパン、イソブタ
ンまたはエタンとの相互溶解性を小さく抑えることがで
き、冷凍装置における少冷媒化を図れる。
【0014】本発明の第4の実施の形態は、第1の実施
の形態において、構造的に立体規則性重合部を有するも
のである。このような構成のハロゲン含有オイルは分子
設計時の重合反応で分子構造内の極性を、さらに大きく
することができ、プロパン、イソブタン、またはエタン
との相互溶解性をより小さく抑えることができ、冷凍サ
イクルにおけるさらなる少冷媒化が図れる。立体規則性
とはアイソタクチックまたはシンジオタクチックと総称
される結合部分を有するものである。
【0015】本発明の第5の実施の形態は、第1の実施
の形態において、冷凍機油と冷媒との相互溶解性が5w
t%以下としたことを特徴とする。冷媒の充填量を低減
するためには、相互溶解性は5wt%以下であることが
好ましい。圧縮機からの冷凍機油吐出を完全に抑制する
ことは難しく、一旦圧縮機から吐出された冷凍機油を再
度圧縮機に回収するためには、ある程度の相互溶解性を
持たせることによって循環する冷媒で冷凍機油を搬送し
やすくすることができ、充分な長期信頼性が得られる。
【0016】本発明の第6の実施の形態は、第1の実施
の形態において、ハロゲン含有オイルに対して鉱油また
はハードアルキルベンゼンを2wt%以下含有している
冷凍機油を用いることを特徴とする。圧縮機のメカ部を
組み立てる時にはある程度の組立油を必要とする。この
時に使用する組立油として鉱油またはハードアルキルベ
ンゼンを使用することで大気中からの水分混入を少量に
抑制できるが、これら組立油は冷媒とある程度相溶する
ので使用量を2wt%以下に規制し、この規制値内であ
ればこれら組立油が冷媒と相互溶解性の小さな冷凍機油
とともに使用されても冷凍装置の長期信頼性が保証でき
る。
【0017】本発明の第7の実施の形態は、第1の実施
の形態において、冷凍機油の40℃における動粘度を5
〜20cStとしたことを特徴とする。これによって冷
媒と相互溶解性の小さな冷凍機油を使用しても、圧縮機
の摺動箇所における潤滑性能やシール性能に不具合は発
生せず、長期信頼性が得られる。
【0018】本発明の第8の実施の形態は、第1の実施
の形態において、冷凍機油の100℃における動粘度を
2〜5cStとしたことを特徴とする。これによって冷
媒と相互溶解性の小さな冷凍機油を使用しても、圧縮機
の摺動箇所における潤滑性能やシール性能に不具合は発
生せず、長期信頼性が得られる。
【0019】本発明の第9の実施の形態は、第1の実施
の形態において、冷凍機油の誘電率を30以上としたこ
とを特徴とする。この物理物性を規定することによって
冷媒と冷凍機油の相互溶解性を小さく抑制でき、長期信
頼性が得られる。
【0020】本発明の第10の実施の形態は、第1の実
施の形態において、冷凍機油の体積抵抗率を1012Ωc
m以上としたことを特徴とする。これによって冷凍機油
による漏れ電流が抑制でき、長期信頼性が得られる。
【0021】本発明の第11の実施の形態は、第1の実
施の形態において、冷凍サイクル内の水分を50ppm
以下とすることを特徴とする。すなわち、冷凍サイクル
内に存在する水分をドライヤーで安定に保持させて自由
な水分は50ppm以下に維持される。このことによっ
て冷凍サイクル内の水分を低濃度に規制でき、冷凍機油
の分解による劣化を防止でき、冷凍装置の長期信頼性が
充分保証できる。
【0022】本発明の第12の実施の形態は、第11の
実施の形態において、冷凍サイクル内にドライヤーを配
置する。このことによって冷凍サイクル内の水分を安定
にトラップすることで自由な水分を低濃度に規制でき、
冷凍機油の分解による劣化を防止でき、冷凍装置の長期
信頼性が充分保証できる。
【0023】本発明の第13の実施の形態は、第1の実
施の形態において、冷凍サイクル内の酸素を800pp
m以下とすることを特徴とする。このことによって可燃
性である冷媒の安全保証ができるとともに冷凍機油の酸
化による劣化を防止することができ、冷凍装置の長期信
頼性がより保証できる。
【0024】
【実施例】まず、本発明の実施例に用いる冷凍サイクル
の構成及び圧縮機について図面を用いて説明する。
【0025】図1は空気調和装置における冷凍サイクル
図、図2は同装置に用いる圧縮機の断面図である。
【0026】図1に示すように、圧縮機1、四方弁2、
室内熱交換器3、絞り装置4、室外熱交換器5は、それ
ぞれ配管を介して環状に接続されている。ここで室内熱
交換器3は、暖房運転時に凝縮器として機能し、冷房運
転時に蒸発器として機能する。また室外熱交換器5は、
暖房運転時に蒸発器として機能し、冷房運転時に凝縮器
として機能する。同図に示すように、室内熱交換器3と
室外熱交換器5との間の液側配管には、水分を吸収する
ドライヤー6を設けている。ドライヤーは冷凍サイクル
内に存在する自由な水分を安定にトラップすることがで
き、冷凍機油の劣化を防止することができる。したがっ
て、長期的な信頼性を考慮した場合にはゼオライトを内
包したドライヤーを配置することが好ましい。上記のよ
うな冷凍サイクルに用いる冷媒としては、プロパン又は
イソブタンを用いる。また、圧縮機1内の冷凍機油とし
ては、この冷媒と相互溶解性が小さいハロゲン含有オイ
ルからなるものを使用する。さらに構造的には含フッ素
オレフィン系合成油で、ハロゲン結合を構成する炭素数
が全炭素数の30原子%以上占めるものがよい。また、
冷媒と冷凍機油との相互溶解性は、25℃のもとで5w
t%以下の溶解性であることが好ましい。
【0027】このような冷凍サイクルは、暖房運転時に
は、圧縮機1で圧縮された冷媒は、室内熱交換器3にて
放熱された後、絞り装置4にて減圧され、室外熱交換器
5にて吸熱し圧縮機1に吸入される。
【0028】また、冷房運転時には、圧縮機1で圧縮さ
れた冷媒は、室外熱交換器5、絞り装置4、室内熱交換
器3の順に流れ、圧縮機1に吸入される。
【0029】一方、冷凍サイクル中に含まれている水分
は、冷媒とともに冷凍サイクル中を循環するが、ドライ
ヤー6を通過するときに吸収される。なお、ドライヤー
6を同図に示すように液側配管に設けることによって、
絞り装置4での絞り量をドライヤー6で生じる圧力損失
を考慮した絞り量とすることができ、冷凍サイクルの能
力を適正に保つことができる。
【0030】図2は同実施例に用いる圧縮機1の断面図
である。同図に示す圧縮機は、円筒形からなるシェル3
0内に、圧縮機構部40、モーター機構部50、及びポ
ンプ部65を横方向に順に併設した横型の高圧タイプの
スクロール圧縮機である。ここで圧縮機構部40は、2
枚のスクロールラップ47、48、オルダムリング49
等によって構成されている。圧縮機構部40には、圧縮
機構部40の吐出口46側の空間Aとモーター機構部5
0側の空間Bを連通する冷媒連通孔91を形成してい
る。
【0031】またモーター機構部50は、ステーター5
1及びロータ52等からなる。モーター機構部50のス
テーター51とシェル30との間には、冷媒ガスが通過
する隙間92を形成している。このロータ52とスクロ
ールラップ47とはクランクシャフト53によって連結
されている。
【0032】油溜部60は、圧縮機構部40よりもモー
ター機構部50側のシェル30の下部に設けられてい
る。モーター機構部50とポンプ部65との間には、オ
イル仕切部66が設けられている。またクランクシャフ
ト53やオルダムリング49には、ポンプ部65で油溜
部60から汲み上げた冷凍機油をスクロールラップ4
7、48に供給するための給油溝が形成されている。ま
た、なお、冷媒吐出管31は、オイル仕切部66よりも
ポンプ部65側に設けている。
【0033】上記圧縮機の冷媒ガス及び冷凍機油の流れ
について以下に説明する。まず、アキュムレータ(図示
せず)から吸入ポート45を経てスクロールラップ4
7、48内の空間に吸入された冷媒は、可動側スクロー
ルラップ47の旋回運動に伴って圧縮され、この圧縮さ
れた高圧冷媒ガスは、吐出口46から空間Aに吐出され
る。そして、この空間Aに吐出された冷媒は、冷媒連通
孔91を通って圧縮機構部40とモーター機構部50と
の間の空間Bに導かれ、ステーター51とシェル30と
の隙間92を通り、オイル仕切部66を通過してオイル
分離室70に至り、冷媒吐出管31からシェル30外に
吐出される。
【0034】一方、油溜部60に溜められている冷凍機
油は、ポンプ部65によって汲み上げられ、クランクシ
ャフト53やオルダムリング49等に形成された給油溝
によって、スクロールラップ47、48やオルダムリン
グ49の摺動面に供給される。そして圧縮室内に供給さ
れた冷凍機油は、冷媒とともに吐出口46から空間Aに
吐出され、冷媒ガスの流れと同様に移動する。ただし、
冷媒とともに吐出された冷凍機油は、モーター機構部5
0を通過する時に冷媒から分離する。又、モーター機構
部50を冷媒ガスとともに通過した冷凍機油は、オイル
分離室70にて冷媒から分離する。そしてこのようにし
て冷媒から分離した冷凍機油は、油溜部60まで落下す
る。なお、多くの冷凍機油は、冷媒の流れによってポン
プ部65側に導かれるが、オイル仕切部66を設けてい
るので、オイル分離室70内の油溜部60に多くの冷凍
機油が溜められることになる。 (実施例1)図1に示す冷凍サイクル中に、冷媒として
プロパン250gを使用し、冷凍機油として(化1)で
表され、ハロゲン結合を構成する炭素の比率50%の含
フッ素オレフィン系合成油(平均分子量700)250
gを使用した。なおドライヤー6にはK交換A型ゼオラ
イトを主体としたものを内包物とした。
【0035】
【化1】
【0036】上記冷凍装置に対して下記のような一連の
信頼性評価を行った結果、特に異常は現れなかった。な
お、落差条件は、室外機を室内機より5m高いところに
設置した。
【0037】
【表1】
【0038】(比較例1)本比較例では鉱物油250g
を封入して、上記実施例1と同様な構成で冷凍サイクル
を構成して同等の暖房能力が得られるプロパン充填量を
測定した結果、400gであった。
【0039】従って、実施例1のように、プロパンとの
相互溶解性の小さなハロゲン含有オイルを冷凍機油とし
て使用することによりプロパン充填量を約150g低減
できることがわかった。
【0040】上記実施例においては、圧縮機として横型
の高圧タイプのスクロール圧縮機を用いて説明したが、
本発明に適用できる圧縮機はこれに限定されるものでは
なく、ロータリー、ヘリカル、リニアー等方式の圧縮機
も使用できる。また、本実施例で使用したスクロール圧
縮機はメカ構造が複雑なこともあり、組立油としてハー
ドアルキルベンゼンを約4g(冷凍機油に対して1.6
wt%)使用したが信頼性の結果でこれに起因した異常
は特に検出されなかった。この組立油を使用しないでメ
カ組立を行うと、材料にキズ等の損傷を与える場合が多
く歩留まりの大きな低下となった。さらに冬場の寒い季
節には組立油を使用しない場合のほうが結露による水分
付着を誘発することがあった。したがって、大気中の水
分を吸湿し難い組立油をある程度量効果的に活用するこ
とが好ましいと考えられた。メカ構造のシンプルなリニ
アー、シングルロータリーでは必要な組立油もスクロー
ルに比べると少なくてよく、約1〜2gであった。様々
な圧縮機の構造を鑑みても組立油を冷凍機油に対して2
wt%以下に規制することで生産性良く製造できると考
えられる。
【0041】また上記実施例では、冷凍機油として(化
1)で示される含フッ素オレフィン系合成油(ハロゲン
結合を構成する炭素の比率50%)を使用したが、プロ
パン、イソブタン、またはエタンと相互溶解性を小さく
抑えるためには直鎖または部分直鎖構造のフッ素オレフ
ィン合成油であり、ハロゲン結合を構成する炭素数の比
率を全体に対して30原子%以上にすることが好ましい
ことがわかった。しかし、90原子%を超えると誘電率
が低下し、冷媒と冷凍機油との相互溶解性が増加して
き、本発明の目的と反するため、最適な範囲は40〜8
0原子%と考えられる。ハロゲン含有オイルが冷媒と完
全に非溶解性であると、圧縮機から吐出したオイルの戻
りが非常に悪くなるため、25℃にて5wt以下の溶解
性、好ましくは2〜5wt%の溶解性であるほうが好ま
しい。
【0042】また上記実施例では、ドライヤー内包物と
してK交換A型ゼオライトを使用したが、本発明に使用
できるゼオライトはこれに限定されるものではない。N
a交換、Ca交換のタイプでも問題なく使用できた。N
a交換、Ca交換のタイプでは構造内にプロパン冷媒も
侵入するが、ゼオライトの水分吸着力のほうが強いため
次第にプロパン冷媒と水とは置換して吸着固定された。
しかし、ゼオライト構造の細孔径を鑑み、水分子(分子
径 0.28nm)だけを積極的に構造内に吸着固定するため
にはK交換タイプを選択することが最も好ましいと考え
られる。
【0043】本発明ではプロパン、イソブタン、又はエ
タンの単体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を
主成分とした冷媒と相互溶解性の小さな冷凍機油を使用
するために相互溶解性の冷凍機油に比べるとかなり粘度
の小さなものが適用される。また、相互溶解性を有する
ものの場合には低温では冷媒が冷凍機油中に溶け込み粘
度を低下させ、高温では冷媒が冷凍機油から放出されて
冷凍機油自体の粘度に近い状態で作動媒体として活用さ
れていた。しかし、相互溶解性の小さな冷凍機油では冷
凍機油自体の粘度と温度との相関傾向が直接圧縮機の性
能に影響するため、できるだけ温度に対して粘度依存の
低いものが好ましい。圧縮機のオイルシールと効率を考
慮すると100℃における動粘度は2〜5cStにする
ことが好ましく、40℃における動粘度は5〜20cS
tにすることが好ましかった。
【0044】本発明ではプロパン、イソブタン、又はエ
タンの単体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を
主成分とした冷媒と相互溶解性の小さな冷凍機油を使用
することを意図しており、そのために鋭意研究した結
果、冷凍機油の誘電率を大きくすることによって相互溶
解性を小さくすることが可能であることがわかった。具
体的には、誘電率を30以上にすればプロパン、イソブ
タン、又はエタンの単体又はこれらの内の2種以上から
なる混合物を主成分とした冷媒と相互溶解性の小さな冷
凍機油を包含できるものと考えられる。
【0045】本発明ではプロパン、イソブタン、又はエ
タンの単体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を
主成分とした冷媒と相互溶解性の小さな冷凍機油を使用
することを意図しているため、体積抵抗率は従来の鉱油
のように1013Ωcm以上は期待できない。しかし、冷
凍装置としての漏洩電流対策を考慮すると極性の大きな
冷凍機油であっても1012Ωcm以上の特性は要求され
た。
【0046】本発明ではプロパン、イソブタン、又はエ
タンの単体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を
主成分とした冷媒と相互溶解性の小さな冷凍機油を使用
することを意図しているため、吸湿性の大きな冷凍機油
を使用することになる。この時、冷凍機油中での水分を
自由なままにしておくと圧縮機摺動部の高温条件下で容
易に冷凍機油が分解し、それがトリガーとなって冷凍機
油の過大な分解へと発展する。さらに分解物は冷凍サイ
クルの絞り装置部で流速が低下し、管壁への堆積となっ
て詰まりを生じさせることもあった。したがって、冷凍
装置として長期信頼性を得るためには冷凍サイクル内の
水分を50ppm以下、好ましくは30ppm以下に抑
制する必要があった。
【0047】本発明ではプロパン、イソブタン、又はエ
タンの単体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を
主成分とした冷媒と相互溶解性の小さな冷凍機油を使用
することを意図しているため、吸湿性の大きな冷凍機油
を使用することになる。このような冷凍機油は熱的にも
従来の鉱油等と比較すると劣るため、冷凍サイクル内に
残留酸素が多く存在すると圧縮機摺動部の高温条件で冷
媒が燃焼反応したり、容易に冷凍機油中に取り込まれた
り、また逆に冷凍機油分解物と化合物化したりした。し
たがって、冷凍装置として長期信頼性を得るためには冷
凍サイクル内の酸素を内容積の800ppm以下、好ま
しくは500ppm以下に抑制する必要があった。
【0048】
【発明の効果】上記実施例の説明から明らかなように、
発明によれば、冷凍機油の劣化、分解を防止でき、可燃
性冷媒と相互溶解性の小さな冷凍機油を使用することで
冷媒封入量を少なくし、安全性の高い、長期システム信
頼性を保証できる冷凍装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による冷凍サイクル図
【図2】本発明の実施例による圧縮機の断面図
【符号の説明】
1 圧縮機 2 四方弁 3 室内熱交換器 4 絞り装置 5 室外熱交換器 6 ドライヤー 60 油溜部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 幸男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BA02A BA03C BD02A CD02A DA02C EA02A EA12A EA30A LA04 PA20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器をそ
    れぞれ配管を介して環状に接続して冷凍サイクルを構成
    し、冷媒としてプロパン、イソブタン、又はエタンの単
    体又はこれらの内の2種以上からなる混合物を主成分と
    した冷媒を用い、冷凍機油として前記冷媒と相互溶解性
    の小さなハロゲン含有オイルを用いたことを特徴とする
    冷凍装置。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン含有オイルは、含フッ素オ
    レフィン系合成油であることを特徴とする請求項1記載
    の冷凍装置。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン含有オイルは、ハロゲン結
    合を構成する炭素数が全炭素数の30原子%以上を占め
    ることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  4. 【請求項4】 前記ハロゲン含有オイルは、立体規則性
    重合部を有することを特徴とする請求項1記載の冷凍装
    置。
  5. 【請求項5】 前記冷凍機油と前記冷媒との相互溶解性
    は、25℃にて5wt%以下であることを特徴とする請
    求項1記載の冷凍装置。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン含有オイルは、鉱油または
    ハードアルキルベンゼンを2wt%以下含有しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  7. 【請求項7】 前記冷凍機油の40℃における動粘度
    は、5〜20cStであることを特徴とする請求項1記
    載の冷凍装置。
  8. 【請求項8】 前記冷凍機油の100℃における動粘度
    は、2〜5cStであることを特徴とする請求項1記載
    の冷凍装置。
  9. 【請求項9】 前記冷凍機油の誘電率は、30以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
  10. 【請求項10】 前記冷凍機油の体積抵抗率は、1012
    Ωcm以上であることを特徴とする請求項1記載の冷凍
    装置。
  11. 【請求項11】 前記冷凍サイクル内の水分を、50p
    pm以下とすることを特徴とする請求項1記載の冷凍装
    置。
  12. 【請求項12】 ドライヤーを冷凍サイクル内に配置と
    することを特徴とする請求項11記載の冷凍装置。
  13. 【請求項13】 前記冷凍サイクル内の酸素を、800
    ppm以下とすることを特徴とする請求項1記載の冷凍
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005283110A (ja) * 2005-03-16 2005-10-13 Sanyo Electric Co Ltd 冷凍装置

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