JP2000073977A - 密閉形電動圧縮機 - Google Patents

密閉形電動圧縮機

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JP2000073977A
JP2000073977A JP10249294A JP24929498A JP2000073977A JP 2000073977 A JP2000073977 A JP 2000073977A JP 10249294 A JP10249294 A JP 10249294A JP 24929498 A JP24929498 A JP 24929498A JP 2000073977 A JP2000073977 A JP 2000073977A
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compression mechanism
refrigerant
refrigerating machine
coil end
machine oil
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Kazutaka Watabe
一孝 渡部
Yoshihiro Sasaki
良裕 佐々木
Koichi Sekiguchi
浩一 関口
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷凍機、空調機に使用される従来の密閉型電動
圧縮機に於いては、吐出パイプからサイクルへ吐出され
る冷凍機油の量が多いため、冷凍サイクルの熱交換率が
低下する問題があった。 【解決手段】固定子4の圧縮機構部2側のコイルエンド
8の外周にリング9を設け、また回転子4の圧縮機構部
2側のバランスウエイト5の形状を略円形(一部分が開
口した円筒形)で端面が平坦なものにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍機、空調機器
に使用される密閉形電動圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の密閉形電動圧縮機は、密閉容器の
本体である円筒胴内上部に設けられた圧縮機構部と、こ
の圧縮機構部の下部に設けられこの圧縮機構部を駆動す
る電動機部とを備えている。冷蔵庫や空気調和機等の冷
凍サイクルから戻ってきた冷媒は、円筒胴上部に設けら
れた冷媒吸込みパイプから吸込まれ、圧縮機構部にて圧
縮された後、圧縮機構部の中央部に設けられている冷媒
吐出ポートから密閉容器内に一旦吐出される。円筒胴内
に充満したガスの一部は、電動機を構成する固定子の圧
縮機構部側に存在するコイルエンドの隙間から回転子の
上部に到達する。その他のカ゛スは固定子外郭の鉄板部に
設けられた冷媒ガス通路を通過して電動機下部に到達
し、その後、固定子と回転子間の空隙を通って回転子の
上部空間に流れ込む。回転子の上部空間に流れ込んだガ
スは、その後、円筒胴内壁より内部に突き出して設けら
れた吐出パイプから冷凍サイクルへ吐出される。
【0003】この時、固定子の圧縮機構部側のコイルエ
ンドの隙間から回転子の上部空間に流れ込んだガスは、
圧縮機構部から吐出されて間もない為に、多量の冷凍機
油を含んだミスト状のガスであり、この冷凍機油を多量
に含んだミスト状の冷媒ガスを回転子の上部によって撹
拌されながら吐出パイプを介して冷凍サイクルへ吐出さ
れる構造となっていた。
【0004】このように冷凍サイクルへ吐出される冷凍
機油を低減することが特開昭63−21385号公報に
記載されている。スクロール圧縮機の上部から吐出され
た冷媒は、圧縮機構部の上部から圧縮機構部と密閉容器
との間に設けられた冷媒通路を通って、主軸受が設けら
れ旋回スクロールのスラスト荷重を受けるブロックと電
動機固定子の間に設けられた流導板を通って、圧縮機構
部からステータの下部に冷媒ガスを導く。この過程で、
円筒胴と固定子間に油分離器が設けられているので、こ
の油分離器を通過した冷媒は、冷凍機油が分離され密閉
容器下部の貯油部に戻される。一方、冷凍機油が分離さ
れた冷媒は、円筒胴とステータの間に設けられた第2の
油分離器を通ってさらに油分離されながらブロック下部
に導かれ、円筒胴のブロックとステータとの間に設けら
れた吐出パイプより冷凍サイクルに吐出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の密閉形電動
圧縮機における冷媒流路の構造では次に説明するような
問題がある。一般に密閉形電動圧縮機内には、圧縮機構
部及び軸受け部における部品間の摩擦力を低減すること
により、摺動効率を上げ、部品の摩耗を防ぐために潤滑
油(冷凍機油)が封入されている。
【0006】この冷凍機油は、そのほとんどが密閉容器
内の底部、特に貯油部に貯留されており、貯油部に下部
が浸かったシャフト内に設けてある給油通路通って主軸
受け部及び圧縮機構部内の旋回スクロールと固定スクロ
ールとの間やスクロールラップ先端と境板との間を潤滑
している。このシャフト内の給油通路通って軸受け部に
供給された冷凍機油は、軸受けクリアランス部を通って
再び容器底部へ貯留される。
【0007】一方、圧縮機構部に供給された冷凍機油
は、冷媒と同様に吐出ポートから容器内へ吐出され、再
び容器底部に貯留される。しかし、吐出ポートから吐出
した冷凍機油の内、一部はミスト状となって吐出される
ため、このミスト状となった冷凍機油のほとんどは、前
述した冷媒流路と同様の経路を通り、冷媒と共に吐出パ
イプから冷凍サイクル内へ放出され、そして再び吸込み
パイプを通って密閉容器内の圧縮機構部へ戻ってくる。
【0008】このようにして冷凍機油のサイクルへの持
ち出し量が多くなると、熱交換器における熱交換率の低
下、圧縮機内の冷凍機油の減少による軸受け部や圧縮機
構部等への給油不十分等の問題が生じる。
【0009】また、先に示した特開昭63−21385
号公報に記載された構造では、吐出ポートから吐出され
た冷媒は、圧縮機構部に設けられた唯一の貫通孔、流導
板及び油分離器を通って密閉容器下部に設けられた貯油
部に至り、ここから第2の油分離器を通ってブロックと
ステータの間の空間に至る。そして、この空間から吐出
パイプを介して冷凍サイクル中に流出する構造となって
いる。
【0010】このように、本従来技術では、密閉容器内
において冷媒が通過する通路が限られているため、圧力
損失が増大し冷凍サイクル用の圧縮機として用いた場
合、冷凍サイクルの効率が低下するという問題がある。
【0011】本発明の目的は、圧力損失を抑制しつつ吐
出パイプからの冷凍機油の流出を低減した圧縮機を提供
することにある。
【0012】本発明の他の目的は、密閉容器内の流体の
攪拌を低減したバランスウエイト備えた圧縮機を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、密閉容器内
に圧縮機構部及びこの圧縮機構部を駆動する電動機部が
収納され、この圧縮機構部からの冷媒をこの密閉容器内
に吐出させ、この密閉容器内に挿入され前記圧縮機構部
と前記電動機構部の間に設けられた吐出パイプから密閉
容器外部に吐出させる密閉形電動圧縮機において、前記
電動機部の前記圧縮機構部側の固定子のコイルエンドの
間隙を低減させる部材を備え、前記吐出パイプを前記コ
イルエンド外周よりも深く挿入することによって達成さ
れる。
【0014】また、上記他の目的は、密閉容器内に収納
された圧縮機構部及びこの圧縮機構部を駆動する電動機
部とを備えた密閉形電動圧縮機において、前記電動機部
の回転子の前記圧縮機構部側端部に設けられ、外周に一
部切欠が設けられ、内部に空間を有するバランスウエイ
トを備えることにより達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の密閉形電動圧縮機の
構成を図1に、その各部構成を図2及び図3に示す。ま
た、本実施形態による油吐出量の低減効果を図4に示
す。
【0016】図1において、密閉容器の本体である円筒
胴1の上部内に圧縮機構部2が設けられ、その圧縮機構
部の下部には圧縮機構部2を駆動する電動機部12が設
けられている。圧縮機構部2は、鏡板にスクロールラッ
プが立設された固定スクロールと旋回スクロールとが旋
回位置で噛み合って、旋回スクロールが旋回運動するこ
とにより周囲から吸込んだ冷媒を作動室容積を縮小する
ことによって圧縮して、中央部に設けられた吐出ポート
より吐出するタイプのスクロール形圧縮機により構成さ
れている。密閉容器上部に挿入され圧縮機構部2に接合
された冷媒吸込みパイプ13から吸込まれた冷媒は、圧
縮機構部2にて圧縮された後、圧縮機構部2の中央部に
設けられている冷媒吐出ポート3から円筒胴1上部内に
一旦吐出される。円筒胴1上部内に充満したガス冷媒
は、圧縮機構部2の周囲に複数箇所開けられた貫通孔か
ら電動機部12側に流れる。圧縮機構部2と電動機構部
13の間に吐出パイプ10が設けられ、この吐出パイプ
10の密閉容器内側の開口部は、できるだけ圧縮機駆動
軸の回転中心近傍に設置(密閉容器内壁面より離して設
置)されている。このような吐出パイプ構造とすること
により、吐出パイプ10の開口部からは、極力流速の遅
い冷媒ガスが吸い込まれる。
【0017】さて、圧縮機構部2の圧縮室で圧縮され、
この圧縮機構部2に設けられた冷媒吐出ポート3から吐
出されたガスの中には、冷媒の他にミスト状の冷凍機油
が多く含まれている。例えば、前記した従来技術の前者
では、冷媒吐出ポートから吐出された冷凍機油を多く含
むミスト状のガスが電動機構部側を通過する際、本来的
には、固定子に設けられた冷媒通路を通過させることに
よって十分冷凍機油を冷媒ガスから分離させて、冷凍機
油を密閉容器下部の貯油部に貯油し、冷媒ガスのみ固定
子6と回転子4間の空隙を通過させて、圧縮機構部2と
電動機構部12の間に設けられた吐出パイプ10から冷
凍サイクルに吐出されるようにしたいのであるが、実際
には、固定子6の圧縮機構部側のコイルエンド8に多く
存在する隙間のために、冷凍機油を多く含むミスト状の
ガスは、このコイル隙間から回転子4の方向に漏れ込
み、冷凍サイクルに吐出されてしまう。
【0018】また、冷凍サイクルへの吐出パイプ10の
近傍に位置する圧縮機構部の回転アンバランスを補正す
るために設けられた回転子4のバランスウエイト5の形
状が馬蹄形をしており、回転子4上部空間で冷媒が掻き
回されることで、前述のコイル隙間からの漏れ込みを増
加させ、冷凍サイクルへの吐出ガスには多くの冷凍機油
が含まれていた。
【0019】また、前述した従来技術の後者は、吐出パ
イプ10の開口部が円筒胴1の内壁にある為に、圧縮機
内の冷媒ガスは回転子4による渦流れにのため、流速が
最も大きな状態で吐出され、円筒胴1内壁に付着した冷
凍器油が冷凍サイクル内に吐出されていた。
【0020】この冷凍サイクル内へ吐出された冷凍機油
の量が増加すると、冷凍サイクルを循環するガスに対す
る冷媒の割合が低下するため、その結果冷凍サイクルを
構成する熱交換器の熱交換率の低下を招くことになる。
また、圧縮機内の冷凍機油が減少することにより、希釈
率が高くなるなどして軸受け部、圧縮室等への十分な給
油が行えなくなり信頼性の低下を招くといった問題があ
った。
【0021】この問題を解決するために、本実施の形態
では、圧縮機構部2と電動機構部12の間に吐出パイプ
10を設け、且つ吐出パイプ10の開口部をできるだけ
圧縮機の軸の回転中心近傍に設置(吐出パイプ10の密
閉容器側開口部を、この吐出パイプ10が挿入された密
閉容器内壁面位置よりも密閉容器内奥部に位置させるよ
うに、吐出パイプ10を密閉容器に深く挿入)し、固定
子6の電動機側のコイルエンド8の外周に絶縁物で出来
た円筒形のリング9を設けた。図2にて説明する。コイ
ルエンド8と固定子6は模式的に示してある。コイルエ
ンド8に被せる円筒形のリング9は、材質は固定子コイ
ルの相間に挿入する相間絶縁紙と同じ素材で薄く絶縁性
と加工性に優れたプラスチック類であり、コイルエンド
8の外周囲よりも少し長い1枚の長方形の材料を直径が
コイルエンド8の外周に被せられるように円筒状にし
て、コイルエンド8の上部にも被せられるように、上部
に切り込みを入れて回転子4が全部若しくは一部が露出
するように、切り込みを内側に折り込んで重なった部分
を切り取って重なりをなくすようにする(図2において
リング9の上部に半径方向に複数本引かれた線)。尚、
プレスによって加工を施してもよい。また、コイルエン
ド8を介して回転子4上部に流れ込む冷媒の殆どはコイ
ルエンド8の根本付近であるので、コイルエンド8の端
部(コイル線が折り曲げられている曲率の小さい部分)
を必ずしも被わなくともよい。また、外周にリング9を
設けるようにしたが、接触して回転子4の回転に影響を
及ぼさない範囲でコイルエンド8の内周に設けても同様
の効果を奏する(この場合は、コイルエンド8の外周と
円筒胴内壁との間の空間よりも吐出パイプ10を深く挿
入する)。
【0022】図2に示すように、このコイルエンド8の
外周に円筒形のリング9を設けることによって冷媒の流
れは次のように変化する。吐出ポート3から吐出された
冷凍機油を多く含んだガス冷媒は、圧縮機構部2の周囲
に開けられた貫通孔を通って電動機構部12側に至る。
従来技術の場合、ここでガス冷媒は固定子6のコイルエ
ンド8の隙間から大量に回転子4の上部中央付近に流れ
込むので、吐出パイプ10を中心付近まで挿入したとし
ても、冷凍機油を多く含んだ冷媒が冷凍サイクルに流出
してしまう。本実施の形態では、電動機部12側に流れ
込んだ冷凍機油を多く含んだガスは、コイルエンド8の
周囲を覆うように設けられたリング9の外壁面と密閉容
器の円筒胴1の内壁面との間を通過して、固定子6に設
けられた冷媒通路7を通過することで冷媒ガスと冷凍機
油とが十分分離される。その後、渦流れの流速の遅い冷
凍機油の含有量が低下した冷媒ガスが固定子6と回転子
4との空隙を通過し、回転子4の上部空間に流れる。そ
して、その空間付近まで深く挿入された(リング9と円
筒胴1の内壁との間に形成された空間を跨ぐように挿
入)吐出パイプ10を通って冷凍サイクルに吐出され
る。
【0023】これにより、図4に示すように、吐出ポー
ト3から吐出したミスト状の冷凍機油の多くは、密閉容
器1内を浮遊し冷凍サイクルへの放出量を低減すること
ができ、冷凍機油を密閉容器底部に貯留することができ
る。
【0024】ところで、上記した従来技術のうち後者
は、本実施の形態の如く、冷媒が、コイルエンド8の周
囲全周及び固定子6と円筒胴1の内壁との間全周を通っ
て密閉容器底部に設けられた貯油部上部を介して、回転
子4と固定子6との間の間隙を通ってスラスト軸受と回
転子4との間に存在する空間に至る経路を流れずに、コ
イルエンドと円筒胴との間に設けられた一つの流導板及
び油分離器を介してのみ容器底部の貯油部に至り、貯油
部からもう一つの油分離器及び回転子及び固定子との間
の間隙を介してブロックと回転子との間の空間に至る経
路となっているため、圧力損失が大きく、冷凍サイクル
に組み込んだ場合、入力が大きくなるために冷凍サイク
ルの能率(成績係数(COP))が悪くなってしまうと
いう問題がある。本実施の形態では、コイルエンド8の
周囲全周から密閉容器底部に冷媒が導かれる経路となっ
ており、唯一の流導板を通過させるよりも圧力損失が少
なくてすむ。
【0025】また、上記従来技術では、寝込み運転時
(停止から起動までの期間が長い、例えば、一晩)な
ど、大量の液冷媒を吸込みパイプから吸い込んだ時、冷
媒が流れる経路が狭いので、高圧の液冷媒が吐出ポート
から圧縮機下部に向かって吐出されるため、噴射された
冷媒により圧縮機下部に貯留されている冷凍器油11が
発泡し、固定子の上部空間まで、冷凍機油を多く含んだ
ホーミング冷媒が存在してしまう。この時、吐出パイプ
の密閉容器内に開口された開口部が円筒胴の内壁とほぼ
同一面にあるため、圧縮機内の冷媒ガスは回転子によっ
て渦流れが発生し、流速が最も大きな円筒胴内壁付近か
ら吐出される。このため、上記ホーミング冷媒や円筒胴
内壁に付着した冷凍器油が削り取られて冷媒に混ざった
冷凍機油が冷凍サイクルに吐出されてしまい熱交換率が
低下してしまう。
【0026】本実施の形態では、上記したように圧力損
失が小さくなるため密閉容器下部に吐出される冷媒流速
が低下するので、ホーミングが発生し難く、さらに、吐
出パイプを深く挿入したので、円筒同内壁から削られた
冷凍機油が吐出パイプから出て行き難い。
【0027】さらに、上記従来技術では、冷凍機油が冷
凍サイクル内に流出しやすいため、圧縮機内の冷凍機油
が減少し、軸受け部や圧縮機構部等への給油が十分行え
なくなる等の問題が生じるが、本実施の形態では、冷凍
サイクルへの冷凍機油の流出を抑えることができるの
で、このような問題はない。
【0028】以上述べてきたリング9は、吐出されて間
もない、冷凍機油を多く含んだ冷媒ガスが、固定子6の
圧縮機構部側のコイル8の隙間から漏れ込み冷凍サイク
ルに吐出される事を防ぎ、冷凍サイクルへ放出される冷
凍機油の量を低減していた。しかし、更に効果を得るた
めに、回転子4の圧縮機構部側のバランスウエイト5の
形状を、外周の形状が略円形(一部分が開口した円筒形)
で端面が平坦なものにした。
【0029】図1に示すように、回転子4の圧縮機構部
側(回転子4の上部)は、吐出パイプ10の近傍に位置
しており、図3に示すように、バランスウエイト5の形
状が略円形(一部分が開口した円筒形)で圧縮機構部側端
面が平坦なものにする(半分を肉圧にして、半分を薄肉
化した外周形状が略円筒)ことで、回転子4の上部の吐
出パイプ10近傍の空間での掻き回しを低減することに
より、冷凍サイクルへの吐出ガス中の冷凍機油を減少さ
せることができる。
【0030】また、前述バランスウエイトの一部に開口
部5a(薄肉部分に設けられた切欠部であって半円弧よ
りも小さい切欠部)を設けたので、軸受部のクリアラン
ス14から回転子4上部に流れ込む冷凍機油を圧縮機下
部に放出することで、回転子4の掻き回しによる吐出ガ
ス中の冷凍機油を減少させることができる。すなわち、
内部に溜まった冷凍機油は、遠心力により肉圧の薄い方
へと流れていくので、開口部5aはこの肉圧の薄い個所
に設けられているため、遠心力によって冷凍機油を排出
することができる。
【0031】このようにして、冷凍サイクルに放出され
る冷凍機油の量を低減することができ、その結果、熱交
換率の低下を防ぐことができ、さらに軸受け部、圧縮室
等へ十分な給油が可能である信頼性の高い密閉形電動圧
縮機を提供することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、圧縮機の圧力損失を抑
制しつつ吐出パイプからの冷凍機油の流出を低減するこ
とができる。また、圧縮機密閉容器内の流体のバランス
ウエイトによる攪拌を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉型電動圧縮機の構造図である。
【図2】本発明の一実施形態である固定子の圧縮機構部
側のコイルに取り付けるリングの斜視図である。
【図3】従来と本発明の一実施形態である回転子の圧縮
機構部側のバランスウエイトの斜視図を示す。
【図4】本発明による油吐出量低減効果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1・・・円筒胴、2・・・圧縮機構部、3・・・吐出ポート、4・
・・回転子、5・・・圧縮機構部側バランスウエイト、5a・
・・バランスウエイト開口部、6・・・固定子7・・・固定子の
冷媒通路、8・・・圧縮機構部側コイル、9・・・リング、1
0・・・吐出パイプ、11・・・冷凍機油、12・・・電動機
部、13・・・冷媒吸込パイプ、14・・・軸受け部クリアラ
ンス、15・・・流導板、16・・・油分離器。
フロントページの続き (72)発明者 関口 浩一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA14 AA21 AB03 BB04 BB42 CC03 CC06 CC07 CC25 CC36 3H039 AA03 AA04 AA08 AA12 BB11 BB28 CC03 CC20 CC29 CC43

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内に圧縮機構部及びこの圧縮機構
    部を駆動する電動機部が収納され、この圧縮機構部から
    の冷媒をこの密閉容器内に吐出させ、この密閉容器内に
    挿入され前記圧縮機構部と前記電動機構部の間に設けら
    れた吐出パイプから密閉容器外部に吐出させる密閉形電
    動圧縮機において、前記電動機部の前記圧縮機構部側の
    固定子のコイルエンドの間隙を低減させる部材を備え、
    前記吐出パイプを前記コイルエンド外周よりも深く挿入
    した密閉形電動圧縮機。
  2. 【請求項2】密閉容器内に収納された圧縮機構部及びこ
    の圧縮機構部を駆動する電動機部とを備えた密閉形電動
    圧縮機において、前記電動機部の回転子の前記圧縮機構
    部側端部に設けられ、外周に一部切欠が設けられ、内部
    に空間を有するバランスウエイトを備えた密閉形電動圧
    縮機。
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