JP2000073713A - 動弁装置 - Google Patents

動弁装置

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JP2000073713A
JP2000073713A JP10244209A JP24420998A JP2000073713A JP 2000073713 A JP2000073713 A JP 2000073713A JP 10244209 A JP10244209 A JP 10244209A JP 24420998 A JP24420998 A JP 24420998A JP 2000073713 A JP2000073713 A JP 2000073713A
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adjusting shim
valve
ceramic
cam
shim
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Toshiaki Nakajima
敏昭 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン個別の実機での経験的なアジャスティ
ングシムの評価や専用の設計を行うことなく、エンジン
始動開始直後に発生し易い剥離等の異常摩耗を有効に防
止でき、かつ摩擦トルクを低減した簡便な手段で安価な
セラミック製のアジャスティングシムを用いた動弁装置
を提供する。 【解決手段】20kgfの全荷重を加えた時、少なくと
もバルブリフタ側の面に凹部5を有する窒化珪素質焼結
体から成る円板状のセラミック製アジャスティングシム
2の中央部の撓み変形量が、セラミック製アジャスティ
ングシム2の直径に対して1/15000〜1/500
0であるセラミック製アジャスティングシム2をカム3
とバルブリフタ4との間に介在させてバルブクリアラン
スを調整して成る動弁装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁装
置に関するもので、とりわけカムとバルブリフタとの間
に組み込まれ、バルブリフタのクリアランスを調整する
ために使用されるセラミック製アジャスティングシムを
有する動弁装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護の観点から、内燃機
関を搭載した各種車両について、その車体の小型化・軽
量化の促進、及びガソリンエンジンやディーゼルエンジ
ン等の内燃機関の燃焼効率の向上、あるいはエンジン摺
動抵抗等の機械損失の低減等による燃費の改善というこ
とが大きな課題となっている。
【0003】前記燃費の改善という課題に対する改善策
のひとつとして、内燃機関の動弁装置における機械損失
を低減することが広範に試みられており、具体的には、
主に慣性重量の低減を目的として構成部品の軽量化の促
進や、摺動部の抵抗による摩擦トルクの低減等が取り組
まれている。
【0004】一般に、かかる内燃機関の動弁装置は、図
7の縦断面図に示すように、シリンダヘッド21に組み
込まれた吸排気弁22と、この吸排気弁22をバルブシ
ート23に押し付けて封止するための弁ばね24と、吸
排気弁22を開閉するためにバルブリフタ25を駆動さ
せるカム26と、この時のバルブクリアランスを調整す
るためにカム26とバルブリフタ25との間に介在させ
るアジャスティングシム27とから構成されている。
【0005】従来、かかるアジャスティングシム27
は、図7に示すような表裏が平行な面を成す金属製円板
が主体であったが、最近では軽量化と耐摩耗性の向上を
目的として、セラミック製や金属にセラミックスを溶射
したもの等、種々提案されている。
【0006】しかしながら、前記アジャスティングシム
27の少なくとも外周面をセラミック製とする場合、セ
ラミックスが一般に硬度の高い脆性材料で加工が困難で
あることと、前記セラミックスは一般に使用されている
カム26との硬度差が大であるために、アジャスティン
グシム27自体の耐摩耗性は向上するものの、摺動する
相手材であるカム26の摩耗が極めて激しいことから、
製造コストが大であり、しかも所期の効果が期待する程
には得られない恐れがあった。
【0007】その上、アジャスティングシム27をセラ
ミック化することにより軽量化したとしても、該アジャ
スティングシム27が動弁系の慣性重量に占める比率は
極めて小さく、軽量化による内燃機関としての動力損失
の低減効果については期待できず、摺動部の摩擦トルク
低減の効果は微々たるものであった。
【0008】従って、カム26の摩耗防止と内燃機関と
しての動力損失の低減を実現するためには、カム26と
の接触面の摺動抵抗を低減することにより、摩擦トルク
を低減することの方がその効果が期待できることから、
該摩擦トルクの低減が注目され、例えば、セラミック製
のアジャスティングシム27の表面を一定範囲のサブミ
クロンの表面粗さに研磨加工したものや、カム26との
接触面に母材より低硬度のセラミックコーティング層を
設けてなじみ性を促進させたセラミック製のアジャステ
ィングシム27等が提案されている(特開平8−226
311号公報、特開平5−340212号公報参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案では、カム26とアジャスティングシム27の部品加
工精度はもとより、動弁装置の組上がり時点における組
立て精度に起因する累積誤差、及びカム26に回転を伝
動するカムシャフト28の端部近傍に位置するカム26
においては、とりわけカムシャフト28の撓み角が大で
あること等から、アジャスティングシム27との接触面
にカム26が片当たりして偏摩耗し易く、特にエンジン
の始動開始直後はカム26とアジャスティングシム27
との接触面は潤滑油が十分に供給された状態ではないた
め、カム26の接触面が剥離等の異常摩耗を生じ易いと
いう課題があった。
【0010】その上、セラミック製のアジャスティング
シム27を所定の表面粗さに研磨加工すること、あるい
は母材表面に均一なセラミックコーティング層を被着形
成することは、製造コストの大幅な増加を余儀なくされ
るという課題もあった。
【0011】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑み成されたもの
で、その目的は、エンジン個別の実機での経験的なアジ
ャスティングシムの評価や専用の設計を行うことなく、
エンジン始動開始直後に発生し易い剥離等の異常摩耗を
有効に防止でき、かつ摩擦トルクを低減した簡便な手段
で安価なセラミック製のアジャスティングシムを用いた
動弁装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題につ
いて種々検討した結果、セラミック製のアジャスティン
グシムに可撓性を持たせることにより、セラミック製の
アジャスティングシムとカムとの接触面の片当たりを低
減できて前記課題が解消できることを知見し、エンジン
耐久試験及び摩擦トルク試験により、かかるセラミック
製のアジャスティングシムが有効であることを確認し、
本発明に至った。
【0013】即ち、本発明の動弁装置は、少なくともバ
ルブリフタ側の面に凹部を有する窒化珪素質焼結体から
成る円板状のセラミック製アジャスティングシムの中央
部に20kgfの全荷重を加えた時、該セラミック製ア
ジャスティングシムの中央部の撓み変形量が、その直径
に対して1/15000〜1/5000であるセラミッ
ク製アジャスティングシムを、カムとバルブリフタとの
間に介在させてバルブクリアランスを調整したことを特
徴とするものである。
【0014】とりわけ、前記セラミック製アジャスティ
ングシムは、バルブリフタ側の面に設けた凹部の深さ
が、セラミック製アジャスティングシムの厚さの1〜3
%の範囲であり、かつ凹部断面形状が円弧状であるか、
あるいは矩形状であるものがより望ましく、いずれの場
合も、カム側の面に潤滑油の油溜まりを有するものが最
も効果的であり最適であることは言うまでもないもので
ある。
【0015】
【作用】本発明の動弁装置は、該動弁装置を構成する円
板状のセラミック製アジャスティングシムが少なくとも
バルブリフタ側の面に凹部を有し、該円板の中央部に全
荷重20kgfを加えた時に示す撓み変形量が、セラミ
ック製アジャスティングシムの直径に対して1/150
00〜1/5000であるセラミック製アジャスティン
グシムをカムとバルブリフタとの間に介在させることか
ら、セラミック製アジャスティングシムの撓みによりカ
ムとの接触面の片当たりは低減され、エンジン始動開始
直後のカムとアジャスティングシムとの接触面に潤滑油
が十分に供給されなくとも、剥離等の異常摩耗は発生し
ないようになる。
【0016】又、少なくともバルブリフタ側の面に設け
たセラミック製アジャスティングシムの凹部は、カムに
押圧されて凹部により発生する撓みがカムの回転と共に
少しづつ変化することになり、カムとの接触面はカムの
圧力が大きくなると共にセラミック製アジャスティング
シムのバルブリフタ側への撓み、即ち下反り量が増加し
てカムとの接触面に潤滑油が自然に供給されることにな
る。
【0017】更に、セラミック製アジャスティングシム
のバルブリフタ側の面に設けた凹部によって発生するセ
ラミック製アジャスティングシムの撓みは、多気筒のエ
ンジンのバルブシステムに内在する誤差に起因した各気
筒毎の個別差を少なくして平均化できることから、エン
ジン性能、特にエンジンの摺動抵抗による機械損失の低
減から燃費の改善、及び内燃機関としての吸排気効率の
向上から燃焼効率の改善が実現できることになる。
【0018】更に、前記セラミック製アジャスティング
シムのカム側の面にいかなる形状形態でも良いが、潤滑
油の油溜まりを設けた場合には、該潤滑油の油溜まりと
相まって、カムとの接触面はバルブリフタ側の面に設け
た凹部と共に、撓みが微増することとカムの回転による
潤滑油の巻き込み効果により接触面の潤滑油の供給がよ
り一層容易となり、カムとの接触面での剥離等の異常摩
耗は軽減され、摩擦トルクも少ないものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の動弁装置につい
て、図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明の動弁装置の一例の要部を
示す断面図である。図において、2は本発明の動弁装置
1の要部を構成するセラミック製アジャスティングシム
であり、セラミック製アジャスティングシム2の上下に
はカム3とバルブリフタ4が配設されており、セラミッ
ク製アジャスティングシム2のバルブリフタ4側の面に
は断面形状が円弧状を成す凹部5を有している。
【0021】図2は、本発明の動弁装置の要部を構成す
るセラミック製アジャスティングシム2の例を示し、バ
ルブリフタ側の面に平板状あるいは円板状を成し、断面
形状が矩形である凹部5を設けたものであり、図3は、
本発明の動弁装置の要部を構成する他のセラミック製ア
ジャスティングシム2を示し、図2の構成に更にカム側
の面に断面形状が円弧状を成す油溜まり6を設けたもの
であり、図4は、本発明の動弁装置の要部を構成する他
のセラミック製アジャスティングシム2を示し、バルブ
リフタ側の面に断面形状が円弧状を成す凹部5と、カム
側の面にも断面形状が円弧状を成す油溜まり6を設けた
ものである。
【0022】又、図5は、本発明の動弁装置の要部を構
成する他のセラミック製アジャスティングシム2の例を
示すもので、バルブリフタ側の面に断面形状が矩形状の
溝を凹部5として設けたもので、図6は、バルブリフタ
側の面に十字の溝を凹部5として設けたものであり、図
5及び図6ではいずれもカム側の面に断面形状が円弧状
を成す油溜まり6を設けたものである。
【0023】本発明の動弁装置において、セラミック製
アジャスティングシムの中央部の撓み変形量とは、
【0024】
【数1】
【0025】に基づき算出されるもので、セラミック製
アジャスティングシムの中央部に20kgfの全荷重を
加えた時に、該セラミック製アジャスティングシムが示
す撓み変形量がセラミック製アジャスティングシムの直
径に対する比で1/15000未満では、セラミック製
アジャスティングシムとしての撓みの効果が現れず、前
記比が1/5000を越えると、セラミック製アジャス
ティングシム自体の曲げ強度が弱く動弁装置の構成部品
として使用に耐えず、不適当となる。
【0026】従って、本発明では、セラミック製アジャ
スティングシムの直径に対する中央部の撓み変形量の比
は、20kgfの全荷重に対して1/15000〜1/
5000の範囲に限定される。
【0027】又、本発明では、動弁装置を構成するセラ
ミック製アジャスティングシムは、該セラミック製アジ
ャスティングシムに可撓性を持たせるために、セラミッ
ク製アジャスティングシムの中央部と周縁部とで、ある
いはカム側とバルブリフタ側とでそれぞれ密度を変えた
り、無機繊維を混合したり、その混合状態を中央部と周
縁部とで、あるいはカム側とバルブリフタ側とで変えた
りすることも、あるいは前記中央部の厚さを薄く形成す
ることによっても可能である。
【0028】前記セラミック製アジャスティングシム
は、可撓性を持たせるために少なくともバルブリフタ側
の面に凹部を形成すれば良く、該凹部はカムから伝達さ
れる力によってセラミック製アジャスティングシムを撓
ませることが可能となり、カムとの接触面の片当たりを
低減するとともに、カムの回転に伴って撓みは少しづつ
変化することになるので、カムとの接触面の下反り変形
量も変化することにより潤滑油が自然に供給されて油膜
が形成され、エンジン始動開始直後のカムとセラミック
製アジャスティングシムとの接触面の潤滑油切れは無
く、その結果、剥離等の異常摩耗が解消できることにな
る。
【0029】尚、かかるバルブリフタ側の面に設けた凹
部はセラミック製アジャスティングシムの組み付け時や
取り外し時に、ミニドライバ等の工具を容易に差し入れ
ることができることから、着脱が容易であるという効果
もある。
【0030】更に、前記バルブリフタ側の面に設けた凹
部の深さは、セラミック製アジャスティングシムの可撓
性を考慮し、接触点の安定及び曲げ強度を十分確保して
耐久性を保持するためにはセラミック製アジャスティン
グシムの厚さの1〜3%の範囲が望ましく、凹部の断面
形状は円弧状を成すものが最適である。
【0031】又、前記バルブリフタ側の面に設けた凹部
は、前記深さを有するものであればその形状形態は特に
問わないが、その断面形状が矩形状を成していても良
く、該矩形状の凹部を十字状に形成すればより一層効果
的である。
【0032】他方、本発明におけるセラミック製アジャ
スティングシムのカム側の面には、潤滑油の油溜まりを
形成しておくことが、摺動時の初期から潤滑油が供給さ
れた状態を形成することになり、バルブリフタ側の凹部
と相まって撓みが微増することとカムの回転により潤滑
油が効果的に巻き込まれ、接触面の油膜形成が尚一層容
易となり、摺動抵抗が少なくなりカムの接触面の剥離等
の異常摩耗は軽減し、より一層摩擦トルクが少ないもの
となり、動力損失が小さくなる点でより望ましい。
【0033】
【実施例】次に、本発明の動弁装置を以下に詳述するよ
うにして評価した。
【0034】先ず、窒化珪素(Si3 4 )原料粉末に
焼結助剤として希土類元素(RE)の酸化物とアルミナ
(Al2 3 )の各原料粉末を添加し、水を媒体として
回転ミルにて24時間粉砕混合した。
【0035】次に、前記混合粉末にPVAをはじめとす
る既知のバインダーを加えて泥漿を調製し、該泥漿を急
速噴霧乾燥法により顆粒状に造粒し、該造粒体を使用し
て約6トンの成形圧力でセラミック製アジャスティング
シム成形体を成形した。
【0036】その後、真空炉にて約500℃の温度に1
時間程度加熱して脱バインダ処理し、次いで窒素ガス雰
囲気中、1800℃以上の温度で約2時間焼成して窒化
珪素質焼結体を得、該窒化珪素質焼結体の外表面を1時
間程度バレル研磨して、表面の異物付着を除去し、表1
に示すような形状形態を成す凹部及び油溜まりを有する
直径34mm、厚さ4mmの窒化珪素質焼結体から成る
評価用のセラミック製アジャスティングシムを作製し
た。
【0037】尚、後述する評価試験に先立ち、前記評価
用のセラミック製アジャスティングシムと同一ロットの
原料粉末を用いて同一条件で作製した棒状の試験片を用
いて抗折強度及び、硬度、嵩比重、気孔率、破壊靭性値
(K1C)をそれぞれ測定したところ、抗折強度は4点曲
げで平均80kg/mm2 、硬度はビッカース硬度で平
均1800kg/mm2 、嵩比重は平均3.2、気孔率
は平均0.1%、及び破壊靭性値(K1C)は平均6MP
a√mであった。
【0038】又、前記評価用のセラミック製アジャステ
ィングシムに20kgfの全荷重を加えた時の撓み変形
量の測定方法は、先ず、定盤の上にダイヤルゲージを付
設した測定治具を載置し、該測定治具の試料台に評価用
のセラミック製アジャスティングシムを収容する。
【0039】次いで、前記セラミック製アジャスティン
グシムのカム側の面中央部を、先端に歪みゲージを内蔵
したロードセルを設けた油圧式のシリンダで加圧し、荷
重を該ロードセルで検出しながら20kgfの全荷重を
加え、その時の撓み変形量を測定し、セラミック製アジ
ャスティングシムの直径に対する撓み変形量の比を算出
した。
【0040】かくして得られた評価用のセラミック製ア
ジャスティングシムを市販の総排気量993cc、直打
式3気筒、頭上カム軸、ベルト駆動式ディーゼルエンジ
ンの動弁装置に組み込み、実機による100時間の耐久
試験を行った後、評価用のセラミック製アジャスティン
グシムを取り出し、その外観を検査した後、摩擦トルク
試験によって摩擦トルクを測定し、試料番号15の摩擦
トルクを100として比較値で表した。
【0041】
【表1】
【0042】表より明らかなように、本発明の請求範囲
外であるセラミック製アジャスティングシムの直径に対
する中央部の撓み変形量の比が1/15000未満であ
る試料番号1乃至6の内、試料番号1では外観に異常は
認められないものの、摩擦トルクが高く、試料番号2乃
至6ではカムに異常摩耗が発生しており、又、前記比が
1/5000を越える試料番号25乃至30の内、試料
番号25乃至29ではアジャスティングシムにクラック
が認められ、同じく試料番号30ではかかるクラックは
認められないものの、摩擦トルクが高く、実用性に欠け
る。
【0043】それに対して、本発明ではいずれもアジャ
スティングシム及びカムに異常は認められず、摩擦トル
クも低く安定しており、かかるセラミック製アジャステ
ィングシムを組み込んだ場合、内燃機関の動弁装置とし
て極めて実用的であることが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明の動弁装置は、20kgfの全荷
重を加えた時、少なくともバルブリフタ側の面に凹部を
有する窒化珪素質焼結体から成る円板状のセラミック製
アジャスティングシム中央部の撓み変形量が、セラミッ
ク製アジャスティングシムの直径に対して1/1500
0〜1/5000であるセラミック製アジャスティング
シムをカムとバルブリフタとの間に介在させてバルブク
リアランスを調整したことから、セラミック製アジャス
ティングシムが呈する可撓性によりカムとの接触面の片
当たりを低減し、エンジン始動開始直後のカムとセラミ
ック製アジャスティングシムとの接触面に発生し易い剥
離等の異常摩耗が解消できる上、セラミック製アジャス
ティングシムの撓みはカムの回転と共に少しづつ変化
し、カムとの接触面はカムの圧力に応じて下反り量を変
化させることができ、潤滑油が自然に供給されて油膜が
自然に形成され、カムの回転により潤滑油が効果的に巻
き込まれて接触面の油膜形成が尚一層容易となり、カム
との接触面の剥離等の異常摩耗は確実に軽減され、摩擦
トルクは少なくなる。
【0045】更に、多気筒の内燃機関では、バルブシス
テムに内在する誤差に起因した各気筒毎の個別差を少な
くして平均化でき、エンジンの摺動抵抗による機械損失
の低減による燃費の改善、及び内燃機関としての吸排気
効率の向上による燃焼効率の改善等、エンジン性能を大
きく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動弁装置の一例の要部を示す断面図で
ある。
【図2】本発明の動弁装置の要部を構成するセラミック
製アジャスティングシムの断面図である。
【図3】本発明の動弁装置の要部を構成する他のセラミ
ック製アジャスティングシムの断面図である。
【図4】本発明の動弁装置の要部を構成する他のセラミ
ック製アジャスティングシムの断面図である。
【図5】本発明の動弁装置の要部を構成する他のセラミ
ック製アジャスティングシムの断面図である。
【図6】本発明の動弁装置の要部を構成する他のセラミ
ック製アジャスティングシムの断面図である。
【図7】従来の動弁装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 動弁装置 2 セラミック製アジャスティングシム 3 カム 4 バルブリフタ 5 凹部 6 油溜まり

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カムとバルブリフタとの間に、バルブクリ
    アランスを調整するためのセラミック製アジャスティン
    グシムを介在させて成る動弁装置であって、前記セラミ
    ック製アジャスティングシムは、円板状の窒化珪素質焼
    結体から成り、少なくともバルブリフタ側の面に凹部を
    有し、該円板の中央部に20kgfの全荷重を加えた
    時、該セラミック製アジャスティングシムの直径に対す
    る中央部の撓み変形量の比が1/15000〜1/50
    00であることを特徴とする動弁装置。
  2. 【請求項2】前記セラミック製アジャスティングシム
    は、バルブリフタ側の面に設けた凹部の深さが、セラミ
    ック製アジャスティングシムの厚さの1〜3%の範囲で
    あり、かつ凹部断面形状が円弧状を成すことを特徴とす
    る請求項1に記載の動弁装置。
  3. 【請求項3】前記セラミック製アジャスティングシム
    は、バルブリフタ側の面に設けた凹部の深さが、セラミ
    ック製アジャスティングシムの厚さの1〜3%の範囲で
    あり、かつ凹部断面形状が矩形状を成すことを特徴とす
    る請求項1に記載の動弁装置。
  4. 【請求項4】前記セラミック製アジャスティングシム
    は、カム側の面に油溜まりを有することを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の動弁装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006300053A (ja) * 2005-03-24 2006-11-02 Honda Motor Co Ltd バルブリフタ及びその製造方法

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