JPH05340212A - セラミックス製アジャスティングシム - Google Patents

セラミックス製アジャスティングシム

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JPH05340212A
JPH05340212A JP14532492A JP14532492A JPH05340212A JP H05340212 A JPH05340212 A JP H05340212A JP 14532492 A JP14532492 A JP 14532492A JP 14532492 A JP14532492 A JP 14532492A JP H05340212 A JPH05340212 A JP H05340212A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
surface layer
ceramics
shim
valve
Prior art date
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Pending
Application number
JP14532492A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Matsunuma
健二 松沼
Takao Nishioka
隆夫 西岡
Takehisa Yamamoto
剛久 山本
Akira Yamakawa
晃 山川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動力損失の低減とカムの保護に効果を奏する
動弁機構のバルブクリアランス調整用セラミックス製ア
ジャスティングシムを提供する。 【構成】 カムとの接触面に母材11とは組成の異なる
母材よりも低硬度のセラミックスの表面層を設ける。こ
の表面層が摺動の初期に適度に摩耗してカムとの馴染性
が良くなり、このことによって動力損失が低減し、カム
の摩耗も抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の動弁機構に
用いるアジャスティングシムに関する。
【0002】
【従来の技術】図2に、エンジンの動弁機構を縦断面に
して示す。図の1はシリンダヘッド、2はカム、3はバ
ルブリフタ、4はアジャスティングシム、5は吸排気
弁、6はバルブシート、7は弁バネである。この動弁機
構は、カム2によってバルブリフタ3を駆動し、吸排気
弁5を開閉する。アジャスティングシム4は、このとき
のバルブクリアランスを調整するために用いられるもの
であって、通常は金属で作られるが、軽量化と耐摩耗性
の向上を目的としてセラミックスで作ったものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】アジャスティングシム
のセラミックスを用いての軽量化は、動力損失を低減す
る目的で行われているが、このアジャスティングシムが
動弁系の慣性重量に占める割合は非常に小さく、従っ
て、その軽量化による動力損失の改善効果が殆ど認めら
れない。その一方で、一般に利用されているセラミック
スはカムとの硬度差が大き過ぎるため、カムへの攻撃性
が高まってカムの摩耗が激しく、かえって逆効果と言え
なくもない面があった。
【0004】そこで、本発明は、カムの摩耗防止と動力
損失の低減の双方に効果を奏するセラミックス製シムを
実現して提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、セラミックス製アジャスティングシムの
カムとの接触面に、母材よりも低硬度の異組成セラミッ
クスの表面層を設ける。
【0006】なお、その表面層を形成するセラミックス
は、珪素(Si)と酸素(O)を含むものが好ましい。
窒素も含めてよいし、Si、Oのみで表面層を形成して
も効果がある。
【0007】また、母材の表面層形成面の表面層形成前
の面粗度を十点平均粗さで0.2μm以下にしておくこ
と、更には、表面層の厚みを50μm以下にしておくこ
とも好ましいことである。
【0008】
【作用】動弁機構内での動力損失は、シムの重量による
ところも全くないわけではないが、むしろ、シムとカム
の相互接触面(摺動面)の面粗さや両部品の加工並びに
組立精度に起因する摺動部の局部的片当り、さらには片
当りによって生じる偏摩耗等の方が大きな影響を及ぼし
ている。
【0009】これに対し、本発明のシムは、カムとの接
触面に設けた表面層が摺動の初期に適度に摩耗し、その
ためにカムとの馴染性が良くなって片当り及び偏摩耗が
改善され、結果として動力損失が小さくなる。
【0010】また、同様の理由によりカムに対する攻撃
性も薄れてカムの摩耗が減少する。
【0011】なお、カムを接触させる表面層は、母材よ
りも低硬度であるだけでなく、ヤング率も低く、かつ、
カムとの摩擦係数が母材と同等又はそれ以下であるもの
が望ましい。この表面層について、SiとOを含むもの
が好ましいとしたのは、これ等の諸特性を満たし得るか
らであり、この種のものが損失トルクの低減に有効なこ
とは実験でも確認済である。
【0012】また、表面層形成前の母材表面の平均十点
粗さによる面粗度について、0.2μm以下が好ましい
としたのは、この面粗度が摺動初期のカムとの馴染性に
影響を及ぼし、0.2μm異常では面粗度の増加に従い
カムへの攻撃性が高まってカムの摺動面の摩耗、荒れが
著しくなり、損失トルクの増大、カムの耐久性低下を招
き易くなることを見い出したからである。
【0013】さらに、表面層の厚みを50μm以下が好
ましいとしたのは、動力損失の低減、カムへの攻撃性の
緩和については表面層の厚みによる効果の変化は認めら
れないが、異常運転等で過大応力が加わるなどして表面
層が欠落した場合、その破片が他の部品を傷つける恐れ
があり、この際のダメージを小さくするには表面層を薄
くして破片サイズが小さくなるようにしておくのが望ま
しいことと、厚い層は生産性の面でも不利になることに
よる。
【0014】
【実施例】図1に、本発明の一実施例を示す。図示のセ
ラミックス製アジャスティングシム10は、セラミック
スから成る母材11の全表面に、母材とは組成が異なる
母材よりも低硬度のセラミックスの表面層12を設けて
ある。この表面層12は、少なくともカムとの接触面に
あればよいが、図のように反対側の面にもその層12が
あるとシムの表裏の区別が無くなり、バルブリフタに対
する組付けミスが生じない。
【0015】以下に、より詳細な実施例について述べ
る。
【0016】(実験例1)各種のセラミックス焼結体を
用いて、表1に示すNo1〜13のアジャスティングシ
ムを作製した。No1〜11のシムには、カムを接触さ
せる側の母材表面をダイヤモンド砥石を用いて十点平均
粗さ0.2μmに仕上加工した後、この部分に母材とは
組成を異ならせた0.5〜50μmの範囲の厚さのセラ
ミックスの表面層を形成してある。これ等のシムについ
てμ−ESCにて測定した表面層成分の重量百分率を表
1に示す。
【0017】次に、試作したアジャスティングシムの各
々を、直打式OHC動弁機構を再現した図3のモータリ
ング装置にセッティングし、油による潤滑下で1000
rpm、2時間の慣らし運転の後、2000rpmで本
運転を行い、動力損失の評価のためにこのときのモータ
消費電力を測定した。
【0018】また、カムへの攻撃性を評価するため、2
000rpmで100時間の連続運転を行い、その前後
のカム高さ(図3のH)の変化からカムの摺動面の摩耗
量を求め、さらに、その摺動面の運転後の最大面粗さも
測定した。その結果を表1に併せて示す。
【0019】なお、P−CVD(プラズマCVD)法
は、表中の原料ガス組成で、ガス圧0.5torr、基
材温度600℃の条件で実施した。また、IP(イオン
プレーティング)法は、表中の雰囲気ガス中、蒸発源S
i、基材温度400℃の条件で、MS(マグネトロンス
パッタ)法は、表中の雰囲気ガス中、ターゲットAl、
基材温度600℃の条件で、大気中加熱処理は、大気中
900℃×5時間の条件で、塗薬処理は、シランカップ
リング剤塗布後、大気中800℃×2時間加熱の条件で
各々実施した。
【0020】表中の各試料の表面層組成の残部は、母材
の焼結助剤として用いている元素である。また、試料
の表面層組成中には、表に示すO以外にAlが54.5
wt%含まれている。
【0021】表中*を付したものは、比較例、それ以外
のものは本発明品である。
【0022】
【表1】
【0023】(実験例2)窒化珪素セラミックス焼結体
を用いてカム接触面に母材とは異組成セラミックスの表
面層を設けアジャスティングシムを作製した。このシム
の表面層は、母材の表面層形成面をダイヤモンド砥石で
表2の面粗さに仕上げ加工して実験例1の試料と同様
大気中加熱処理を行うことにより形成した。この表面層
の組成は、重量比でSi44.1%、O48.6%、N
6.2%、残部は(母材の焼結助剤として用いられる)
Y、Alになっている。
【0024】これ等の各シムについて実験例と同じ方法
で動力損失とカムへの攻撃性を評価し、その結果を表2
にまとめた。
【0025】
【表2】
【0026】なお、実施例のシムの表面層は、イオンプ
レーティング法、マグネトロンスパッタ法、大気中加熱
及び塗薬処理によって形成したが、表面層の組成やその
形成方法はあくまでも一例であって、実施例に述べたも
のに限定されない。要は、母材よりも低硬度のセラミッ
ク表面層がカム接触面に存在すれば本発明の効果が生じ
る。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のアジャステ
ィングシムは、セラミックス母材上に母材よりもカムと
の馴染性に優れる異組成セラミックスの表面層を設けて
動力損失の低減効果とカムへの攻撃性の緩和効果を生じ
させたので、内燃機関の燃費削減と、性能及び耐久性の
向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシムの一例を示す断面図
【図2】エンジンの動弁機構を示す縦断面図
【図3】評価試験に用いたモータリング装置の概略図
【符号の説明】
1 シリンダヘッド 2 カム 3 バルブリフタ 4 アジャスティングシム 5 吸排気弁 6 バルブシート 7 弁バネ 10 セラミックス製アジャスティングシム 11 母材 12 表面層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 晃 伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友電気工 業株式会社伊丹製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カムとバルブリフタ間に介在する動弁機
    構のバルブクリアランス調整用のシムであって、カムと
    の接触面に、母材よりも低硬度の異組成セラミックスの
    表面層を設けたことを特徴とするセラミックス製アジャ
    スティングシム。
  2. 【請求項2】 前記表面層のセラミックスは、珪素と酸
    素を含むものである請求項1記載のセラミックス製アジ
    ャスティングシム。
  3. 【請求項3】 シムの材料として、主成分が窒化珪素の
    セラミックスを用いた請求項1又は2記載のセラミック
    ス製アジャスティングシム。
  4. 【請求項4】 前記母材の表面層を形成する前の面粗度
    を、平均十点粗さで0.2μm以下にしてある請求項1
    乃至3のいずれかに記載のセラミックス製アジャスティ
    ングシム。
  5. 【請求項5】 前記表面層の厚さが50μm以下である
    請求項1乃至4のいずれかに記載のセラミックス製アジ
    ャスティングシム。
JP14532492A 1992-06-05 1992-06-05 セラミックス製アジャスティングシム Pending JPH05340212A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016027950A (ja) * 2015-11-24 2016-02-25 三協オイルレス工業株式会社 カム装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6071581A (ja) * 1983-09-29 1985-04-23 工業技術院長 耐熱耐摺動損傷無機系構造材料
JPH0354177A (ja) * 1989-07-20 1991-03-08 Koken Kaihatsu Kk コンクリート構造物表面保護層の施工法

Patent Citations (2)

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