JP2000073470A - 延焼防止装置及び管接続部材 - Google Patents

延焼防止装置及び管接続部材

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JP2000073470A
JP2000073470A JP10245003A JP24500398A JP2000073470A JP 2000073470 A JP2000073470 A JP 2000073470A JP 10245003 A JP10245003 A JP 10245003A JP 24500398 A JP24500398 A JP 24500398A JP 2000073470 A JP2000073470 A JP 2000073470A
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pipe
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Hitoshi Morimoto
仁志 森本
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Minnesota Mining and Manufacturing Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災発生時に防火区画の間仕切り表面の管貫
通部開口端を閉塞して、管貫通部を通した延焼を未然に
防止できる延焼防止装置を提供する。 【解決手段】 延焼防止装置10は、壁12に埋設され
る鞘管16と、鞘管16の両端部16aにそれぞれ取付
けられ、少なくとも一部が熱膨張性材料から形成される
一対の管接続部材18とを備える。各管接続部材18
は、壁12で隔離された各防火区画における壁12表面
の管貫通部14の開口端に配置される。各管接続部材1
8は、その軸方向両端にそれぞれ、鞘管16の端部16
aを固定的に受容する第1筒状連結部18aと、他の鞘
管22の端部22aを固定的に受容する第2筒状連結部
18bとを備える。一方の防火区画での火災発生時に、
鞘管16や配管20の焼失により管貫通部14に生じる
隙間は、管接続部材18の熱膨張性材料の膨張により確
実に閉塞され、他区画への延焼が未然に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の防耐火設
備に関し、特に、耐火構造体からなる壁、床、天井等の
間仕切りに設けた管貫通部における延焼を防止するため
の延焼防止装置に関する。さらに本発明は、そのような
延焼防止装置で使用される管接続部材に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の防火区画を画成する壁、床、天
井等のコンクリート製の間仕切りに、給排水、電気、ガ
ス、空調等の配管のための管路すなわち管貫通部を形成
する場合、当該防火区画での火災発生時に管貫通部を通
して他区画への延焼が生じることを防止する延焼防止構
造を装備することが要求されている。この種の延焼防止
構造として、防火区画における間仕切り表面の管貫通部
開口端を熱膨張性材料で閉塞するものが種々提案されて
いる。
【0003】例えば特開平10−2041号公報は、管
本体の全外周面に熱膨張性材料を被着し、さらに熱膨張
性材料の外周面に断熱材を被着して形成される延焼防止
断熱被覆管を開示する。この断熱被覆管は、壁等の耐火
構造体(間仕切り)に形成した管貫通部に挿通して配置
され、その後、断熱被覆管と管貫通部との間の隙間にモ
ルタルが充填される。この構成によれば、間仕切りによ
って隔離された一方の区画で火災が発生したときに、断
熱材の焼失やモルタルの収縮により断熱被覆管の管本体
とモルタルとの間に生じ得る隙間が、熱膨張性材料の膨
張により閉塞されるので、他区画への延焼が未然に防止
される。
【0004】また、特許第2583388号公報は、筒
状の固定具の内側に熱膨張性材料を保持してなる延焼防
止部材を開示する。この延焼防止部材は、壁等の耐火構
造体(間仕切り)の管貫通部に挿通される管の外周面に
熱膨張性材料を当接して取付けられ、その状態で管貫通
部内に配置される。その後、固定具と管貫通部との間の
隙間にモルタルが充填される。この構成によれば、間仕
切りによって隔離された一方の区画で火災が発生したと
きに、管の焼失により管貫通部に生じる空間が熱膨張性
材料の膨張により閉塞されるので、やはり他区画への延
焼が未然に防止される。
【0005】ところで、防火区画の間仕切りに配管を設
置する工法として、所要寸法の鞘管を間仕切りに内設す
ることにより管貫通部を形成し、各種配管を間仕切りの
成形後に鞘管に挿入して設置する工法が知られている。
この工法では、例えば複数の鞘管を種々の管接続部材に
より互いに接続した状態で間仕切りに埋設しておくこと
により、間仕切りの内部に多様な配管系を設置すること
もできる。この場合、鞘管は、間仕切りを成形する際に
予め型枠内の所望位置に配置され、その状態でコンクリ
ートを打込むことにより間仕切りに埋設される。
【0006】なお、本明細書における『鞘管』という用
語は、給排水、電気、ガス、空調等の各種配管を挿入、
設置できる管貫通部を形成するあらゆる管構造(例えば
電線管等)を意味する。また『内設』という用語は、コ
ンクリート打込みと同時の埋設、コンクリート打込み後
のモルタル等による埋め込み、耐火ボードの内部空間へ
の架設等、耐火構造体に覆い隠されるあらゆる設置形態
を意味する。
【0007】防火区画における間仕切り表面の管貫通部
開口端では、鞘管と配管との間に耐火性のシール材を充
填することにより、延焼防止措置を施すことができる。
しかし鞘管を、取扱いが容易なプラスチック材料から形
成した場合、火災発生時に、鞘管自体が焼失することに
より管貫通部に隙間を生じ、この隙間に起因して延焼を
引き起こす危惧がある。また、鞘管内に配置される配管
がプラスチック等の可燃性材料を含む場合も、配管の一
部又は全焼失により、延焼の原因となる隙間が管貫通部
に形成される。
【0008】特開平10−137353号公報は、この
ような鞘管を使用した配管設置工法に有効な延焼防止構
造を開示する。この延焼防止構造は、筒状部材の内周面
に熱膨張性材料を被着してなる防火部品から構成され
る。防火部品は、壁等の耐火構造体(間仕切り)に内設
される鞘管の端部に取付けられ、その状態で、防火区画
における間仕切り表面の管貫通部開口端に配置される。
この構成によれば、当該防火区画で火災が発生したとき
に、鞘管や配管の焼失により管貫通部に生じる隙間が熱
膨張性材料の膨張により閉塞され、他区画への延焼が未
然に防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の延焼防止構造に
おいて、例えば特開平10−2041号公報に記載され
る延焼防止断熱被覆管は、予め管壁に熱膨張性材料を内
蔵したものであるから、比較的高価な熱膨張性材料を管
本体の全体(全長)に渡って無用に配置することにな
り、材料コストの不要な高騰を招く課題を有する。ま
た、十分な膨張率を発揮できる量の熱膨張性材料を管壁
に内蔵すると、管の可撓性が低下し、取扱いが困難とな
るので、この構成を鞘管に適用することは不適当であ
る。
【0010】また、特許第2583388号公報に記載
される延焼防止部材は、筒状の固定具によって熱膨張性
材料を管の外周面上に保持する構成を有するので、間仕
切り表面の管貫通部開口端を確実に閉塞するためには、
管の外径寸法及び管貫通部の全長(又は間仕切りの厚
み)に対応した寸法の固定具を用意する必要がある。そ
の結果、固定具の種類が膨大になり、管理が煩雑にな
る。また固定具は、熱膨張性材料の膨張方向を内方へ拘
束するので、外部のモルタルの収縮には対処できない。
しかも、管貫通部に管を挿入配置した後に、管の所要箇
所に延焼防止部材を位置決めしつつ取付けて施工するの
で、作業性が悪く熟練を要する課題がある。
【0011】また、特開平10−137353号公報に
記載される防火部品は、鞘管の端部に取付けられるの
で、管接続部材を用いて鞘管同士を接続したり、間仕切
り表面の管貫通部開口端に設置されるエンドカバーや配
管の通線、結線用のボックス等の箱体に鞘管端部を接続
する際に、接続作業に影響を及ぼす危惧がある。また、
それら配管用の諸部品に追加して防火部品を使用するの
で、部品の管理が煩雑になる傾向がある。
【0012】したがって本発明の目的は、防火区画での
火災発生時に、当該防火区画における間仕切り表面の管
貫通部開口端を確実に閉塞して、管貫通部を通した他区
画への延焼を未然に防止できる延焼防止装置であって、
鞘管を用いた配管工法に効果的に適用できるとともに、
材料コストの不要な高騰を抑制でき、また施工作業性に
優れるとともに、鞘管の端部接続作業に影響を及ぼさ
ず、しかも部品の管理を煩雑にすることのない延焼防止
装置を提供することにある。本発明の他の目的は、この
ような延焼防止装置において使用できる管接続部材を提
供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、耐火構造体の管貫通部に
おける延焼防止装置において、耐火構造体に内設される
鞘管と、鞘管の少なくとも一方の端部に取付けられ、少
なくとも一部が熱膨張性材料からなる管接続部材とを具
備することを特徴とする延焼防止装置を提供する。
【0014】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の延焼防止装置において、管接続部材が、鞘管の
端部を固定的に受容する第1筒状連結部と、他の鞘管の
端部を固定的に受容する第2筒状連結部とを備える延焼
防止装置を提供する。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、請求項1
に記載の延焼防止装置において、管接続部材が、鞘管の
端部を固定的に受容する第1筒状連結部と、箱体に連結
される第2連結部とを備える延焼防止装置を提供する。
【0016】また、請求項4に記載の発明は、鞘管の端
部に取付けられる管接続部材であって、少なくとも一部
が熱膨張性材料からなることを特徴とする管接続部材を
提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面にお
いて、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付
す。図1は、本発明の一実施形態による延焼防止装置1
0を断面図で示す。延焼防止装置10は、耐火構造体か
らなる防火区画の間仕切り、例えばコンクリート製の壁
12に埋設した状態で示されており、それにより壁12
に管貫通部14が形成されている。延焼防止装置10
は、壁12に埋設される鞘管16と、鞘管16の軸方向
両端部16aにそれぞれ取付けられ、少なくとも一部が
熱膨張性材料から形成される一対の管接続部材18とか
ら構成される。
【0018】鞘管16は、壁12の厚みよりも幾分短い
全長を有する。鞘管16の両端部16aに取付けられた
一対の管接続部材18は、鞘管16から離れた側の端面
が壁12の表面12aに対し実質的に段差を有しない位
置に配置される。それにより各管接続部材18は、壁1
2で隔離された各防火区画における壁12表面の管貫通
部14の開口端に配置される。
【0019】このような構成は、鞘管16及びその両端
部16aに取付けた一対の管接続部材18を、壁12を
成形する際に予め型枠(図示せず)内の所望位置に配置
し、その状態でコンクリートを打込むことにより形成さ
れる。この場合、壁12に鞘管16及び一対の管接続部
材18を埋設することによって、壁12に管貫通部14
が形成される。そして壁12の成形後、所望の建築施工
段階で、鞘管16及び一対の管接続部材18に、給排
水、電気、ガス、空調等の各種配管20が挿入して設置
される。
【0020】鞘管16は、例えば架橋ポリエチレンやポ
リプロピレン等の、取扱いの容易なプラスチック材料か
ら形成されることが好ましい。しかし本発明では、金属
製の鞘管16を使用することもできる。また鞘管16
は、図示実施形態では直管であるが、延焼防止装置10
の設置場所に対応して、他の様々な異形管、撓み管等の
形態を有することもできる。
【0021】管接続部材18の各々は、その軸方向両端
にそれぞれ、鞘管16の端部16aを固定的に受容する
第1筒状連結部18aと、他の鞘管22の端部22aを
固定的に受容する第2筒状連結部18bとを備える。他
の鞘管22は、配管20を設置するための管路を壁12
の外部空間に予め略固定的に形成するために使用され
る。しかし鞘管22は必須ではなく、例えばケーブル等
を、鞘管16及び管接続部材18からなる延焼防止装置
10のみに挿通させて設置することもできる。
【0022】管接続部材18は、様々な形状の管同士を
接続できる周知の管接続部材と同様の構成を有する。一
例として図2(a)、(b)に示すように、管接続部材
18は、スリーブ本体24と、スリーブ本体24の軸方
向両端にそれぞれ固定される一対の係止リング26とか
ら構成できる。これら係止リング26はそれぞれ、第1
筒状連結部18a及び第2筒状連結部18bを構成し、
各係止リング26の内周面に、波形管(図示せず)に係
合可能な複数の弾性爪28が設けられる。波形管を係止
リング26の開口端から管接続部材18に挿入すると、
弾性爪28が弾性変形して波形管の外周面の溝に係合
し、所望の挿入深さで波形管が係止リング26に固定的
に連結される。なお、第1筒状連結部18a及び第2筒
状連結部18bには、弾性爪28の代わりに、雌ねじ等
の周知の係止構造を設けることもできる。
【0023】管接続部材18は、少なくとも一部が熱膨
張性材料から形成される。管接続部材18に使用される
熱膨張性材料は、壁12によって画成された一方の防火
区画で火災が発生したときに、鞘管16や配管20の焼
失により管貫通部14に生じ得る隙間を確実に閉塞でき
るように、その使用量及び使用位置が選定される。例え
ば図2において、少なくとも一方の係止リング26及び
スリーブ本体24の係止リング固定部位(図示A部分)
を、熱膨張性材料から形成できる。この場合、スリーブ
本体24及び係止リング26の肉厚は、延焼防止機能を
損なわない範囲で、好ましくは2mm〜10mmに設定さ
れ、またJIS−C8412の規定に従えば2mm〜4mm
に設定される。
【0024】本発明における熱膨張性材料としては、例
えばポリ塩化ビニルの難燃性に優れたポリマー中に、例
えば膨張黒鉛、含水ケイ酸ナトリウム、バーミキュライ
ト等の熱膨張性基材を分散させたものを好適に使用でき
る。またポリ塩化ビニルの代わりに、変性シリコーン
系、クロロプレンゴム系等の、難燃性に優れたポリマー
を使用しても良い。このような素材から構成される熱膨
張性材料は、火災時の熱による膨張開始時の温度が例え
ば120℃の場合、180℃まで温度が上昇した時点で
少なくとも2倍の体積膨張率を呈することが好ましい。
【0025】延焼防止装置10を図示のように壁12内
に設置する場合には、延焼防止機能をさらに向上させる
ために、鞘管16と配管20との間に、耐火性のシール
材(図示せず)を充填することができる。このようなシ
ール材は、管接続部材18が膨張し始めるまでの火災初
期段階において、管貫通部14を通して煙や火の粉が他
の区画へ流れることを効果的に防止できる。この種のシ
ール材は、例えばパテからなり、周知のコーキングガン
やこて等を用いて所望箇所に塗布することができる。こ
の場合のシール材の塗布厚は、1mm以上であることが好
ましい。
【0026】上記構成を有する延焼防止装置10によれ
ば、壁12によって画成された一方の防火区画で火災が
発生したときに、鞘管16や配管20の焼失により管貫
通部14に生じる隙間が、管接続部材18の熱膨張性材
料の膨張により確実に閉塞され、他区画への延焼が未然
に防止される。また、管貫通部14の全長或いは壁12
等の間仕切りの厚みに関わらず、管貫通部14の開口端
に設置される管接続部材18にのみ熱膨張性材料を使用
するので、材料コストの不要な高騰を抑制できるととも
に、収容する配管20の寸法に対応可能な種類の管接続
部材18を用意しておけばよく、部品点数の不要な増加
を防止できる。管貫通部14の多様な全長に対応するた
めには、作業現場で鞘管の連続体を適宜長さに切断して
鞘管16を形成すればよい。
【0027】さらに上記構成によれば、コンクリート打
込みによって壁12等の間仕切りに管貫通部14を形成
すると同時に、延焼防止装置10を間仕切りの所望位置
に設置できるので、施工作業性に極めて優れる。管接続
部材18はそれ自体、鞘管16の端部接続機能を有する
ものであるから、鞘管16の端部接続作業に影響を及ぼ
さず、鞘管16を他の鞘管22に容易に接続することが
できる。しかも、本来使用される管接続部材18に熱膨
張機能を付加したので、新たな部品を追加使用する必要
がなく、部品管理等は従来と変わりない。
【0028】図3は、上記した延焼防止装置10の変形
形態を断面図で示す。図3の延焼防止装置10は、それ
自体の構成は図1の延焼防止装置10と実質的同一であ
り、各構成部分の説明を省略する。ただしこの変形形態
では、延焼防止装置10は、コンクリート打込み時に例
えば周知の紙管(図示せず)等を形枠内に配置すること
により、壁12に形成された管貫通部14に、後工程で
挿入配置されている。その後、鞘管16及び一対の管接
続部材18と管貫通部14との間の隙間に、モルタル等
の不燃性の充填材30が充填される。この場合、鞘管1
6の両端部16aに取付けられた一対の管接続部材18
は、鞘管16から離れた側の端面が壁12の表面12a
に対し図示のように段差を有していてもよい。いずれに
しても各管接続部材18は、壁12で隔離された各防火
区画における壁12表面の管貫通部14の開口端に配置
される。
【0029】このような構成によっても、図1に示す延
焼防止装置10と同様の効果が奏されることは理解され
よう。図3の形態は、壁12に予め形成した管貫通部1
4に延焼防止装置10を配置する構成であるが、延焼防
止装置10のみを管貫通部14の所定位置に位置決めす
ることは容易であるから、施工作業性を低下させること
はない。しかも、熱膨張性材料の膨張方向を規制しない
ので、火災時の熱によりモルタル等の充填材30が収縮
しても、確実に隙間を塞ぐことができる。
【0030】図4は、本発明の他の実施形態による延焼
防止装置32を示す。延焼防止装置32は、耐火構造体
からなる防火区画の間仕切りすなわちコンクリート製の
壁34及び天井36に埋設した状態で示されており、そ
れにより壁34及び天井36に管貫通部38が形成され
ている。延焼防止装置32は、壁34及び天井36に埋
設される鞘管40と、鞘管40の軸方向両端部40aに
それぞれ取付けられる一対の管接続部材42とから構成
される。
【0031】このような構成は、鞘管40及びその両端
部40aに取付けた一対の管接続部材42を、壁34及
び天井36を成形する際に予め型枠(図示せず)内の所
望位置に配置し、その状態でコンクリートを打込むこと
により形成される。この場合、壁34及び天井36に鞘
管40及び一対の管接続部材42を埋設することによっ
て、壁34及び天井36に管貫通部38が形成される。
そして壁34及び天井36の成形後、所望の建築施工段
階で、鞘管40及び一対の管接続部材42に、給排水、
電気、ガス、空調等の各種配管(図示せず)が挿入して
設置される。
【0032】鞘管40は、図1の鞘管16と同様に、プ
ラスチックや金属から形成でき、また様々な形態を有す
ることができる。管接続部材42の各々は、その軸方向
両端にそれぞれ、鞘管40の端部40aを固定的に受容
する第1筒状連結部42aと、箱体44に連結される第
2連結部42bとを備える。それら箱体44は、一方の
防火区画の壁34の表面及び他方の防火区画の天井36
の表面にそれぞれ開口するエンドカバーからなり、壁3
4及び天井36にそれぞれ埋設される。この種の箱体4
4は、防火区画の室内空間から間仕切り内部の管貫通部
38への接近を容易にするために使用される。箱体44
は、図示以外の様々な形状を有することができる。
【0033】一例として図5(a)、(b)に示すよう
に、管接続部材42は、スリーブ本体46と、スリーブ
本体46の軸方向一端に固定される係止リング48と、
スリーブ本体46の軸方向他端に例えばねじにより着脱
自在に取付けられるキャップ50とから構成できる。係
止リング48は、管接続部材42の第1筒状連結部42
aを構成し、図2の管接続部材18の係止リング26と
同様に、波形管に係合可能な複数の弾性爪52が内周面
に設けられる。キャップ50は、スリーブ本体46と協
働して、管接続部材42の第2連結部42bを構成す
る。管接続部材42を箱体44に連結する際には、キャ
ップ50を外したスリーブ本体46の端部46aを、箱
体44に設けた開口部(図示せず)に挿入した後、箱体
44の内側からキャップ50をスリーブ本体46の端部
46aに取付ける。
【0034】管接続部材42は、少なくとも一部が熱膨
張性材料から形成される。管接続部材42に使用される
熱膨張性材料は、壁34及び天井36によって画成され
た一方の防火区画で火災が発生したときに、鞘管40や
配管(図示せず)の焼失により管貫通部38に生じ得る
隙間を確実に閉塞できるように、その使用量及び使用位
置が選定される。例えば図5において、係止リング48
及びキャップ50のいずれか一方並びにスリーブ本体4
6の係止リング又はキャップ固定部位(図示B部分)
を、熱膨張性材料から形成できる。この場合、スリーブ
本体46、係止リング48及びキャップ50の肉厚は、
延焼防止機能を損なわない範囲で、好ましくは2mm〜1
0mmに設定され、またJIS−C8412の規定に従え
ば2mm〜4mmに設定される。
【0035】上記構成を有する延焼防止装置32によれ
ば、壁34及び天井36によって画成された一方の防火
区画で火災が発生したときに、鞘管40や配管(図示せ
ず)の焼失により管貫通部38に生じる隙間が、管接続
部材42の熱膨張性材料の膨張により確実に閉塞され、
他区画への延焼が未然に防止される。その他、図1に示
す延焼防止装置10と同様の効果が奏されることは理解
されよう。
【0036】図6は、上記した延焼防止装置32の変形
形態を断面図で示す。図6の延焼防止装置32は、それ
自体の構成は図4の延焼防止装置32と実質的同一であ
り、各構成部分の説明を省略する。ただしこの変形形態
では、延焼防止装置32は、壁34によって隔離された
両防火区画にまたがって天井36に埋設され、それによ
り天井36に管貫通部38が形成されている。鞘管40
の両端部40aに取付けた一対の管接続部材42は、そ
れぞれの第2連結部42bで、各防火区画の天井36の
表面にそれぞれ開口するエンドカバーからなる箱体44
に連結される。このような構成によっても、図4に示す
延焼防止装置32と同様の効果が奏されることは理解さ
れよう。
【0037】図7(a)、(b)は、本発明に係る延焼
防止装置を適用可能な配管システムの一例を示す。図示
の例では、床や天井等の耐火構造体54に多数の鞘管5
6が埋設され、それら鞘管56が、種々の管接続部材5
8、60及び箱体62、64に連結されて、多様な配管
システムに対応できる管貫通部が形成されている。この
ような管貫通部において、異なる防火区画の間に延設さ
れる管貫通部内の所望の管接続部材58、60に、前述
したように熱膨張性材料を使用することにより、それら
防火区画間の延焼を未然に防止することができる。
【0038】図示のように、前述したエンドカバーを構
成する箱体62、及び配管の通線、結線用のボックスを
構成する箱体64はいずれも、別体の管接続部材58を
連結して使用するものと、箱体本体に一体形成された管
接続部材60を有するものとを使用できる。後者の場
合、箱体62、64の全体を熱膨張性材料から形成する
こともできるが、コスト的には、箱体本体に一体成形さ
れた管接続部材60の一部分のみを熱膨張性材料から形
成することが有利である。
【0039】図8(a)、(b)は、エンドカバーを構
成する箱体62の一例を示す。箱体62は、皿状の本体
66の一壁面に、別体の管接続部材58を取付けて使用
するものである。図9(a)、(b)は、ボックスを構
成する箱体64の一例を示す。箱体64は、箱状の本体
68の一壁面に、別体の管接続部材(図示せず)を取付
けて使用するものである。図10(a)、(b)は、ボ
ックスを構成する箱体64の他の例を示す。箱体64
は、箱状の本体70の一壁面に一体成形された管接続部
材60を有するものである。この場合、管接続部材60
は、鞘管56の端部を固定的に受容する第1筒状連結部
60aと、本体70に一体的に連結される第2連結部6
0bとを備える。これら種々の箱体62、64におい
て、本体に一体成形された管接続部材60を備える場
合、箱体62、64の特に熱膨張性材料を使用する部分
の肉厚は、延焼防止機能を損なわない範囲で、好ましく
は2mm〜10mmに設定され、またJIS−C8412の
規定に従えば2mm〜4mmに設定される。
【0040】上記した種々の延焼防止装置に関し、
(財)日本建築センターの定める試験方法に則した2時
間耐火性能確認試験を実施した。例えば図4及び図6に
示す延焼防止装置32においては、外径34mmの鞘管4
0と、D1=51mm、D2=44mm、L1=63mm、L
2=15mmの寸法を有する管接続部材42とを使用し、
両箱体44の間の距離すなわち管貫通部38の長さを3
00mmとして、上記試験を実施した。鞘管40内にはケ
ーブルを設置するとともに、各管接続部材42とケーブ
ルとの間にはシール材を充填した。この状態で、一方の
防火区画を火災温度に加熱したときの、他方の防火区画
側すなわち非加熱側の所定箇所の温度を測定した。その
結果、非加熱側ではケーブル表面温度が268℃(合否
判定基準温度340℃)、シール材表面温度が140℃
(合否判定基準温度260℃)であるとともに、管貫通
部38を通した火炎、煙等の流通は認められず、十分な
耐火性能を発揮できることが確認された。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、防火区画での火災発生時に、当該防火区画に
おける間仕切り表面の管貫通部開口端を確実に閉塞し
て、管貫通部を通した他区画への延焼を未然に防止でき
る延焼防止装置であって、鞘管を用いた配管工法に効果
的に適用できるとともに、材料コストの不要な高騰を抑
制でき、また施工作業性に優れるとともに、鞘管の端部
接続作業に影響を及ぼさず、しかも部品の管理を煩雑に
することのない延焼防止装置が提供される。さらに本発
明によれば、このような延焼防止装置において使用でき
る管接続部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による延焼防止装置を壁に
埋設した状態で示す断面図である。
【図2】図1の延焼防止装置で使用される管接続部材の
図で、(a)部分断面正面図、及び(b)矢印IIから見
た端面図である。
【図3】図1の延焼防止装置の変形実施形態を示す断面
図である。
【図4】本発明の他の実施形態による延焼防止装置を壁
及び天井に埋設した状態で示す断面図である。
【図5】図4の延焼防止装置で使用される管接続部材の
図で、(a)部分断面正面図、及び(b)矢印Vから見
た端面図である。
【図6】図4の延焼防止装置の変形実施形態を示す断面
図である。
【図7】(a)及び(b)は、本発明に係る延焼防止装
置を適用可能な配管システムを示す部分切欠斜視図であ
る。
【図8】本発明に係る延焼防止装置の管接続部材を連結
した箱体の図で、(a)平面図、及び(b)部分断面正
面図である。
【図9】本発明に係る延焼防止装置の管接続部材を連結
可能な他の箱体の図で、(a)正面図、及び(b)側面
図である。
【図10】本発明に係る延焼防止装置の管接続部材を一
体に備えたさらに他の箱体の図で、(a)部分切欠正面
図、及び(b)側面図である。
【符号の説明】
10、32…延焼防止装置 12、34…壁 14、38…管貫通部 16、40、56…鞘管 18、42、58、60…管接続部材 18a、42a…第1筒状連結部 18b…第2筒状連結部 20…配管 22…他の鞘管 42b…第2連結部 44、62、64…箱体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火構造体の管貫通部における延焼防止
    装置において、 前記耐火構造体に内設される鞘管と、 前記鞘管の少なくとも一方の端部に取付けられ、少なく
    とも一部が熱膨張性材料からなる管接続部材、とを具備
    することを特徴とする延焼防止装置。
  2. 【請求項2】 前記管接続部材が、前記鞘管の端部を固
    定的に受容する第1筒状連結部と、他の鞘管の端部を固
    定的に受容する第2筒状連結部とを備える請求項1に記
    載の延焼防止装置。
  3. 【請求項3】 前記管接続部材が、前記鞘管の端部を固
    定的に受容する第1筒状連結部と、箱体に連結される第
    2連結部とを備える請求項1に記載の延焼防止装置。
  4. 【請求項4】 鞘管の端部に取付けられる管接続部材で
    あって、少なくとも一部が熱膨張性材料からなることを
    特徴とする管接続部材。
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