JP2000073271A - 抗菌性網状構造体及びその製法 - Google Patents

抗菌性網状構造体及びその製法

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JP2000073271A
JP2000073271A JP10237510A JP23751098A JP2000073271A JP 2000073271 A JP2000073271 A JP 2000073271A JP 10237510 A JP10237510 A JP 10237510A JP 23751098 A JP23751098 A JP 23751098A JP 2000073271 A JP2000073271 A JP 2000073271A
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antibacterial
elastic resin
thermoplastic elastic
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melt
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Hideo Isoda
英夫 磯田
Kenji Yoshino
賢二 吉野
Tomoyuki Aranaga
知幸 荒永
Mikiya Hayashibara
幹也 林原
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐久性を有する抗菌性と耐熱耐久性、
形態保持性、クッション性に優れ、蒸れ難さを併せ持つ
網状構造体を安価に提供する。 【解決手段】 下記化合物(A)で示される化合物を主
体とする亜りん酸エステル系化合物の1種以上を0.0
05〜10重量%含有する熱可塑性弾性樹脂からなる線
条を曲がりくねらせ互いに接触させて該接触部の大部分
が接合して形成した見掛密度が0.005g/ccから
0.2g/ccである3次元立体構造を有することを特
徴とする抗菌性網状構造体及びその製造法。 【化7】 (R1 〜R6 は炭素数1〜12のアルキル基又は芳香族
基であり、それぞれ、同じであっても異なっていてもよ
い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性の良好な抗
菌機能を有する抗菌性網状構造体に関する。更には、ク
ッション性と耐熱耐久性及び振動吸収性とを有し、清潔
で快適なリサイクルが可能な抗菌性網状構造体及びそれ
らを用いた布団、家具、ベッド、車両用クッション材、
生活資材等の製品を安価に提供する提案に関する。
【0002】
【従来の技術】寝具、家具、ベッド、介護用品、電車、
自動車等のクッション材に適したクッション性、耐熱耐
久性、通気性及びリサイクル性に優れた熱可塑性弾性樹
脂からなる網状構造体は特開平7−68061号公報、
特開平7−173752号公報、特開平7−17375
3号公報等で公知である。しかし、近年要求が高まって
いる抗菌性は付与されていなかった。繊維製品や射出成
形品では抗菌剤を付与することで雑菌の増殖を抑制し、
不快な異臭の発生を防止する目的で、衣料用、幼児、老
人向け製品等に近年広く使用されている。また、最近で
は健康と快適性を強く求める消費者ニーズを受け、一般
消費者向け製品として流通してきた。
【0003】このような抗菌性製品には、各種の抗菌剤
が用いられており、製品への抗菌剤の複合処理も様々で
ある。例えば、抗菌性を示す金属又は金属化合物微粒子
を分散液として有機高分子材料と接触させ、有機高分子
表面に被覆付着する方法(特開平7−97769号公
報)、繊維表面にコロイド粒子サイズの抗菌性金属と他
の金属酸化物で被覆する方法(特開平7−109674
号公報)、等が知られている。しかしながら、これらの
抗菌性付与方法では、表面に抗菌性金属が付着している
だけなので、洗濯耐久性が劣り好ましくない。又、抗菌
剤をメラミン樹脂で架橋構造化して表面を被覆させる方
法(特開平7−310284号公報、特開平10−11
0388号公報等)が知られている。この方法は加工は
容易だが、洗濯耐久性に劣るので好ましくない。
【0004】銀−ゼオライト系を代表とする無機金属系
物質を練り込む方法(特開平5−272008号公報、
特公昭63−54013号公報等)、銅や亜鉛などの金
属微粉末を添加する方法(特開昭55−130371号
公報等)が提案されている。しかしながら、無機系の
銀、銅、亜鉛イオンをもつゼオライトや金属粉末は、坦
持量が制限され、多量に配合すると組成物の物性を低下
させるとともに、紡糸時の背圧上昇が著しく生産性が低
下して好ましくない。凝集による背圧上昇を防止するた
めに表面コーティングすると抗菌性が低下するなどの問
題があり好ましくない。又、金属イオンの溶出により着
色するなどの問題がある。他方、有機系抗菌剤を練り込
む方法として第4級アンモニウム塩系化合物(特開昭6
2−69883号公報等)、天然化合物としての生薬系
抗菌剤(特開平7−216731号公報等)などが提案
されているが熱安定性が劣り汎用性に劣る問題がある。
その他の方法としてハロゲン系フェノール化合物を混入
する方法(特開昭60−252713号公報等)が提案
されているが、ハロゲン化フェノール類をパラフィンに
含有させるため汎用の熱可塑性樹脂に使用できない。脂
肪族エステル系化合物を用いる方法(特開昭63−61
73号公報等)などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点を解決し、
優れた耐久性の抗菌性と耐熱耐久性、形態保持性、クッ
ション性に優れ、蒸れ難さを併せ持つ熱可塑性弾性樹脂
製の網状構造体を安価に提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を行った結果、単体では抗菌
性を示さない化合物が、熱可塑性弾性樹脂に溶融混練り
して熱可塑性樹脂に相溶することにより優れた耐久性を
有する抗菌性付与と耐熱耐久性、形態保持性、クッショ
ン性の優れた蒸れ難さを併せ持つ熱可塑性弾性樹脂から
なる網状構造体を得ることを見出し本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、第1の発明は、下記一般
式(I)で示される亜りん酸エステル化合物の1種以上
を0.005〜10重量%含有する熱可塑性弾性樹脂か
らなる線条を曲がりくねらせ互いに接触させて該接触部
の大部分が接合して形成した見掛密度が0.005g/
ccから0.2g/ccである3次元立体網状構造を有
することを特徴とする抗菌性網状構造体[化4]であ
る。
【0008】第2の発明は、上記一般式(I)の亜りん
酸エステル化合物が下記化合物(A)である第1の発明
に記載の抗菌性網状構造体[化5]であり、第3の発明
は、上記一般式(I)の亜りん酸エステル化合物が下記
化合物(B)である第1の発明に記載の抗菌性網状構造
体[化6]であり、第4の発明は熱可塑性弾性樹脂から
なる成分を示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温
以上融点以下の温度に吸熱ピークを持つことを特徴とす
る第1の発明〜第3の発明に記載の抗菌性網状構造体で
あり、第5の発明は、一般式(I)の亜りん酸エステル
化合物と熱可塑性弾性樹脂を溶融混合して得た抗菌性熱
可塑性弾性樹脂を、複数のオリフィスより、融点より1
0〜80℃高い温度で溶融状態で下方に向けて吐出さ
せ、溶融状態で連続線状体ル−プを形成させ、各々のル
−プを互いに接触させて融着させ三次元ランダムル−プ
構造を形成しつつ引取り装置で挟み込み、引き続き冷却
することを特徴とする抗菌性網状構造体の製法であり、
第6の発明は、一旦冷却後、融点より少なくとも10℃
以上低い温度でアニ−リングを行う第5の発明に記載の
抗菌性網状構造体の製法である。
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】
【発明の実施形態】以下に本発明を詳述する。本発明に
おける上記一般式(I)に示す亜リン酸エステル化合物
は一般には酸化防止剤として知られている化合物である
が、本発明者等は鋭意研究を行った結果、驚くべきこと
に、該化合物が抗菌性を示すことを見い出した。しかも
その抗菌性は、該化合物が熱溶融され、均一に熱可塑性
樹脂に混合されることによって、より優れた性能を示す
傾向にあることを見出したのである。該化合物が抗菌性
を示す理由については良く分かっていないが、該化合物
が過酸化物を分解する効果を示すことから、これが細菌
の代謝等において何らかの阻害を起こすものと考えられ
る。
【0013】本発明における亜リン酸エステル化合物と
は、上記一般式(I)に示す化合物であって、例えば、
2,4,6−トリ第3ブチルフェノールと2−ヒドロキ
シメチル−2−エチルヘキサノールのホスファイト、ビ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペン
タエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジク
ミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
ビス[2,6−ジ第三ブチル−4−(2−ブチルオキシ
カルボニルエチル)フェニル]ペンタエリスリトールジ
ホスファイトなどが挙げられ、好ましくは化合物(A)
で示されるビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフ
ェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトが熱可塑
性弾性樹脂との相溶性に優れ、熱安定性にも優れている
等の点で好ましい。
【0014】本発明品に含有される亜リン酸エステル化
合物の融点に関しては特に限定はないが、下記熱可塑性
弾性樹脂との相溶性が良好となる130〜240℃であ
ることが好ましい。
【0015】本発明品における亜リン酸エステル化合物
は、適宜溶媒で希釈したり、または分散剤を含む溶液で
希釈した後、ポリエステル樹脂、ポリウレタン系樹脂、
ポリアクリル系樹脂等のコーティング用樹脂と併用して
熱可塑性弾性樹脂からなる網状構造体にコーティングし
て用いることも可能であるが、本発明品の効果をより発
揮するには熱可塑性弾性樹脂に練り込むことが好まし
い。
【0016】本発明品における亜リン酸エステル化合物
を熱可塑性弾性樹脂に含有せしめる場合、その含有量は
熱可塑性弾性樹脂に対して0.01〜10重量%である
が、好ましくは0.05〜5.0重量%、より好ましく
は0.1〜2.0重量%である。含有量が0.01重量
%未満であると抗菌性能が充分に発揮できなくなり、ま
た10重量%を越えると亜りん酸エステル化合物の可塑
化効果が出てクッション性及びへたりの耐久性も低下
し、また、ブリ−ドアウトが著しくなりコスト高にもな
るので好ましくない。
【0017】本発明における熱可塑性弾性樹脂とは、ソ
フトセグメントとして分子量300〜5000のポリエ
−テル系グリコ−ル、ポリエステル系グリコ−ル、ポリ
カ−ボネ−ト系グリコ−ルまたは長鎖の炭化水素末端を
カルボン酸または水酸基にしたオレフィン系化合物等を
ブロック共重合したポリエステル系エラストマ−、ポリ
アミド系エラストマ−、ポリウレタン系エラストマ−、
ポリオレフィン系エラストマ−などが挙げられる。熱可
塑性弾性樹脂とすることで、再溶融により再生が可能と
なるため、リサイクルが容易となる。例えば、ポリエス
テル系エラストマ−としては、熱可塑性ポリエステルを
ハ−ドセグメントとし、ポリアルキレンジオ−ルをソフ
トセグメントとするポリエステルエ−テルブロック共重
合体、または、脂肪族ポリエステルをソフトセグメント
とするポリエステルエステルブロック共重合体が例示で
きる。
【0018】ポリエステルエ−テルブロック共重合体の
より具体的な事例としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−
2,7−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4’−ジカル
ボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、琥珀酸、アジ
ピン酸、セバチン酸ダイマ−酸等の脂肪族ジカルボン酸
または、これらのエステル形成性誘導体などから選ばれ
たジカルボン酸の少なくとも1種と、1,4−ブタンジ
オ−ル、エチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−
ル、テトレメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ
−ル、ヘキサメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル、
1,1−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノ−ル等の脂環族ジオ−ル、またはこれ
らのエステル形成性誘導体などから選ばれたジオ−ル成
分の少なくとも1種、および平均分子量が約300〜5
000のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリ
コ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、エチレンオキ
シド−プロピレンオキシド共重合体からなるグリコ−ル
等のポリアルキレンジオ−ルのうち少なくとも1種から
構成される三元ブロック共重合体である。
【0019】ポリエステルエステルブロック共重合体と
しては、上記ジカルボン酸とジオ−ル及び平均分子量が
約300〜5000のポリラクトン等のポリエステルジ
オ−ルのうち少なくとも各1種から構成される三元ブロ
ック共重合体である。熱接着性、耐加水分解性、伸縮
性、耐熱性等を考慮すると、ジカルボン酸としてはテレ
フタル酸、または、及びナフタレン−2,6−ジカルボ
ン酸、ジオ−ル成分としては1,4−ブタンジオ−ル、
ポリアルキレンジオ−ルとしてはポリテトラメチレング
リコ−ルの3元ブロック共重合体または、ポリエステル
ジオ−ルとしてポリラクトンの3元ブロック共重合体が
特に好ましい。特殊な例では、ポリシロキサン系のソフ
トセグメントを導入したものも使うこたができる。ま
た、上記エラストマ−に非エラストマ−成分をブレンド
されたもの、共重合したもの、ポリオレフィン系成分を
ソフトセグメントにしたもの等も本発明の熱可塑性弾性
樹脂に包含される。
【0020】ポリアミド系エラストマ−としては、ハ−
ドセグメントにナイロン6、ナイロン66、ナイロン6
10、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12等
及びそれらの共重合ナイロンを骨格とし、ソフトセグメ
ントには、平均分子量が約300〜5000のポリエチ
レングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテト
ラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレン
オキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキレ
ンジオ−ルのうち少なくとも1種から構成されるブロッ
ク共重合体を単独または2種類以上混合して用いてもよ
い。更には、非エラストマ−成分をブレンドされたも
の、共重合したもの等も本発明に使用できる。
【0021】ポリウレタン系エラストマ−としては、通
常の溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド等)の存在または不存在下に、(A)数平均分子量1
000〜6000の末端に水酸基を有するポリエ−テル
及び又はポリエステルと(B)有機ジイソシアネ−トを
主成分とするポリイソシアネ−トを反応させた両末端が
イソシアネ−ト基であるプレポリマ−に、(C)ジアミ
ンを主成分とするポリアミンにより鎖延長したポリウレ
タンエラストマ−を代表例として例示できる。(A)の
ポリエステル、ポリエ−テル類としては、平均分子量が
約1000〜6000、好ましくは1300〜5000
のポリブチレンアジペ−ト共重合ポリエステルやポリエ
チレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテ
トラメチレングリコ−ル、エチレンオキシド−プロピレ
ンオキシド共重合体からなるグリコ−ル等のポリアルキ
レンジオ−ルが好ましく、(B)のポリイソシアネ−ト
としては、従来公知のポリイソシアネ−トを用いること
ができるが、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシア
ネ−トを主体としたイソシアネ−トを用い、必要に応じ
従来公知のトリイソシアネ−ト等を微量添加使用しても
よい。(C)のポリアミンとしては、エチレンジアミ
ン、1,2−プロピレンジアミン等公知のジアミンを主
体とし、必要に応じて微量のトリアミン、テトラアミン
を併用してもよい。これらのポリウレタン系エラストマ
−は単独又は2種類以上混合して用いてもよい。
【0022】なお、本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は
耐熱耐久性が保持できる140℃以上が好ましく、16
0℃以上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでよ
り好ましい。なお、必要に応じ、抗酸化剤や耐光剤等を
添加して耐久性を向上させることができる。本発明の目
的である振動や応力の吸収機能をもたせる成分を構成す
る熱可塑性弾性樹脂のソフトセグメント含有量は好まし
くは15重量%以上、より好ましくは30重量%以上で
あり、耐熱耐へたり性からは80重量%以下が好まし
く、より好ましくは70重量%以下である。即ち、本発
明の多層積層網状体の振動や応力の吸収機能をもたせる
成分のソフトセグメント含有量は好ましくは15重量%
以上80重量%以下であり、より好ましくは30重量%
以上70重量%以下である。
【0023】本発明の網状体を構成する熱可塑性弾性樹
脂からなる成分は、示差走査型熱量計にて測定した融解
曲線において、融点以下に吸熱ピ−クを有するのが好ま
しい。融点以下に吸熱ピ−クを有するものは、耐熱耐へ
たり性が吸熱ピ−クを有しないものより著しく向上す
る。例えば、本発明の好ましいポリエステル系熱可塑性
樹脂として、ハ−ドセグメントの酸成分に剛直性のある
テレフタル酸やナフタレン−2,6−ジカルボン酸など
を90モル%以上含有するもの、より好ましくはテレフ
タル酸やナフタレン−2,6−ジカルボン酸の含有量は
95モル%以上、特に好ましくは100モル%とグリコ
−ル成分をエステル交換後、必要な重合度まで重合し、
次いで、ポリアルキレンジオ−ルとして、好ましくは平
均分子量が500以上5000以下、特に好ましくは1
000以上3000以下のポリテトラメチレングリコ−
ルを15重量%以上70重量%以下、より好ましくは3
0重量%以上60重量%以下共重合量させた場合、ハ−
ドセグメントの酸成分に剛直性のあるテレフタル酸やナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸の含有量が多いとハ−
ドセグメントの結晶性が向上し、塑性変形しにくく、か
つ、耐熱耐へたり性が向上するが、溶融熱接着後更に融
点より少なくとも10℃以上低い温度でアニ−リング処
理するとより耐熱耐へたり性が向上する。圧縮歪みを付
与してからアニ−リングすると更に耐熱耐へたり性が向
上する。
【0024】このような処理をした抗菌性網状構造体を
示差走査型熱量計で測定した融解曲線に室温以上融点以
下の温度で吸熱ピークをより明確に発現する。なおアニ
−リングしない場合は融解曲線に室温以上融点以下に吸
熱ピ−クを発現しない。このことから類推すると、アニ
−リングにより、ハ−ドセグメントが再配列され、疑似
結晶化様の架橋点が形成され、耐熱耐へたり性が向上し
ているのではないかと考えられる。本発明では、この処
理を疑似結晶化処理と定義するが、この疑似結晶化処理
効果は、ポリアミド系弾性樹脂やポリウレタン系弾性樹
脂にも有効である。
【0025】本発明の熱可塑性弾性樹脂の融点は耐熱耐
久性が保持できる140℃以上が好ましく、160℃以
上のものを用いると耐熱耐久性が向上するのでより好ま
しい。なお、本発明では必要に応じ、抗酸化剤や耐光剤
等を添加して耐久性を向上させることができる。本発明
の実施形態からは少なくとも0.5重量%以上の抗酸化
剤を添加して耐熱性を向上させるのが好ましい。
【0026】本発明の抗菌性網状構造体は、熱可塑性弾
性樹脂からなる300デニ−ル以上の連続線状体を曲が
りくねらせて多数のル−プを形成し、各々のル−プを互
いに溶融状態で接触させ、接触部の大部分が互いに融着
して3次元ランダムル−プからなる網状構造を形成して
いる。このことで、非常に大きい応力で、大変形を与え
ても、融着一体化した3次元ランダムル−プからなる網
状構造全体が変形して応力を吸収し、応力が解除される
と弾性樹脂のゴム弾性が発現して、構造体は元の形態に
回復することができる。公知の非弾性樹脂からなる連続
線状体で構成された網状構造体をクッション材に用いた
場合、塑性変形を生じ、このような回復が起こらないの
で耐熱耐久性が劣る。融着していない場合は、形態保持
が出来ず、構造体が一体で変形しないため、応力集中に
よる疲労現象が起こり耐久性が劣ると同時に、形態が変
形してしまうので好ましくない。
【0027】本発明のより好ましい融着の程度は、接触
部分が全て融着した状態である。なお本発明の連続線状
体の繊度は300デニール以下では強度が低くなり反発
力が低下するので好ましくない。本発明の連続線状体の
好ましい繊度は反発力の得られる400デニ−ル以上1
00000デニ−ル以下であり、100000デニ−ル
以上では線状体の構成本数が少なくなり圧縮特性が悪く
なるので使用部分が限定される場合がある。より好まし
くは500〜50000デニ−ルである。断面形状は特
に限定されないが、細い繊度の連続線状体とする場合、
異形断面や中空断面は反発力が向上するので好ましい。
【0028】本発明の熱可塑性弾性樹脂の連続線状体が
形成する3次元ランダムル−プが接触部で大部分が互い
に融着した網状構造体の見掛け密度は0.005g/c
c以上0.20g/cc以下である。見掛け密度が0.
005g/cc未満では、反発力が失われるのでクッシ
ョン材に不適当であり、0.20g/ccを越えると弾
発性が強くなり、座り心地が悪くなるので、クッション
材には不適当なものとなる。本発明の好ましい見掛け密
度は0.005〜0.10g/cc、より好ましくは
0.01〜0.05g/ccである。なお、本発明の抗
菌性網状構造体はクッション材に使用するため、座席に
座った場合の嵩保持性と弾発性を保持でき、通気性を保
持して快適な座り心地を満たす圧縮時の見掛け密度とし
て、100g/ccの荷重下での0.03g/cc〜
0.25g/ccの嵩高性を有するものが好ましく、
0.05g/cc〜0.20g/ccの嵩高性を有する
ものが特に好ましい。
【0029】本発明の抗菌性網状構造体を形成する3次
元ランダムル−プの好ましい平均直径は50mm以下であ
る。50mm以上になると厚み方向にル−プが広がり空隙
率に斑が出来やすくなりクッション性の斑になるなる場
合がある。空隙斑の発生が起こりにくいより好ましい平
均直径は2〜25mmである。なお、抗菌性網状構造体の
厚みは、特に限定されないが、クッション体としての機
能が発現されやすい3mm以上とするのが好ましく、5mm
以上とするのが特に好ましい。
【0030】本発明の抗菌性網状構造体の線条の断面形
状は特には限定されないが、本発明の抗菌性網状構造体
は亜りん酸エステル化合物の添加量が2重量%以上含有
すると可塑化効果で柔らかくなるため、中空断面や異形
断面にすることで好ましい抗圧縮性(反発力)やタッチ
を付与することができるので特に好ましい。抗圧縮性は
繊度や用いる素材のモジュラスにより調整してすること
ができ、柔らかい素材では中空率や異形度を高くし初期
圧縮応力の勾配を調整でき、ややモジュラスの高い素材
では中空率や異形度を低くして座り心地が良好な抗圧縮
性を発現させることができる。中空断面や異形断面の他
の効果として中空率や異形度を高くすることで、同一の
抗圧縮性を付与した場合、より軽量化が可能となり、自
動車等の座席に用いると省エネルギ−化ができ、布団な
どの場合は、上げ下ろし時の取扱性が向上する。
【0031】好ましい抗圧縮性(反発力)やタッチを付
与することができる他の好ましい方法として、本発明の
網状体の線条を複合構造とする方法がある。複合構造と
しては、シ−スコア構造またはサイドバイサイド構造及
びそれらの組合せ構造などが挙げられる。特に熱可塑性
弾性樹脂層が大変形してもエネルギ−変換できない振動
や変形応力をエネルギ−変換して回復できる立体3次元
構造とするために線状の表面の50%以上を柔らかい熱
可塑性弾性樹脂が占めるシ−ス・コア構造またはサイド
バイサイド構造及びそれらの組合せ構造などが挙げられ
る。すなわち、シ−スコア構造ではシ−ス成分は振動や
変形応力をエネルギ−変換が容易なソフトセグメント含
有量が多い熱可塑性弾性樹脂とし、コア成分はソフトセ
グメント含有量の少ない熱可塑性弾性樹脂とし、抗圧縮
性を付与することで適度の沈み込みによる臀部への快適
なタッチを与えることができる。
【0032】サイドバイサイド構造では振動や変形応力
をエネルギ−変換が容易なソフトセグメント含有量が多
い熱可塑性弾性樹脂の溶融粘度を抗圧縮性を示すソフト
セグメント含有量の少ない熱可塑性弾性樹脂の溶融粘度
より低くして、線状の表面を占めるソフトセグメント含
有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を多くした構造(比
喩的には偏芯シ−ス・コア構造のシ−スに熱可塑性弾性
樹脂を配した様な構造)として線状の表面を占めるソフ
トセグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の割合を5
0%以上としたものが特に好ましく、最も好ましくは線
状の表面を占めるソフトセグメント含有量が多い熱可塑
性弾性樹脂の割合を100%としたシ−ス・コア構造で
ある。シース・コア構造の場合は、本発明の抗菌性付与
のため添加される亜りん酸エステル化合物はシース成分
にさえ含有されていれば抗菌性を示すのでコア成分には
亜りん酸エステル化合物を添加しなくてもよい。ソフト
セグメント含有量が多い熱可塑性弾性樹脂の線状の表面
を占める割合が多くなると、溶融して融着するときの流
動性が高いので接着が強固になる効果があり、構造が一
体で変形する場合、接着点の応力集中に対する耐疲労性
が向上し、耐熱性や耐久性がより向上する。
【0033】次に本発明の製法を述べる。本発明におい
ては、(イ)所定量の亜りん酸エステル化合物を熱可塑
性弾性樹脂と混合後に溶融混練りして再ペレット化した
レジンを用いて再溶融して網状構造を形成する方法と
(ロ)高濃度の亜りん酸エステル化合物を熱可塑性弾性
樹脂と混合後に溶融混練りして再ペレット化したレジン
をマスターペレットにして、ついで熱可塑性弾性樹脂と
混合溶融させて混練りさせつつ網状構造を形成する方法
及び(ハ)所定量の亜りん酸エステル化合物を熱可塑性
弾性樹脂と混合後に溶融混練りしつつ直接網状構造を形
成する方法がある。
【0034】(イ)の方法では、タンブラー型混合機等
公知のブレンダーを用いて熱可塑性弾性樹脂と所定量
(0.01重量%以上10重量%)の亜りん酸エステル
化合物を添加して混合する。この時、ポリエステル系、
ポリアミド系、ポリウレタン系の熱可塑性弾性樹脂を用
いるときは先に加温して真空乾燥して水分を除去すると
加水分解や粘度変化を抑制できるので好ましい。亜りん
酸エステル化合物は常温で真空乾燥し、水分を0.02
重量%以下にするのが好ましい。熱可塑性樹脂は種類に
より異なるが、ポリエステル系及びポリウレタンでは4
0℃から50℃、ポリアミド系では20から30℃で真
空乾燥し、水分を0.01重量%以下にしておき、窒素
パージ下で添加混合するのが好ましい。混合時間は5分
以上30分程度混合するとほぼ均一にブレンドされる。
次いでコンテナに取り出し、該コンテナより押出機に供
給して溶融混練りする。押出機は単軸スクリュー又は二
軸スクリューを用いて熱可塑性弾性樹脂の融点より5℃
以上50℃以下の温度で溶融混練りする。5℃未満では
溶融が不十分になり均一混練りができず、50℃以上で
は熱可塑性弾性樹脂の熱劣化が進み抗菌性網状構造体と
したときのクッション性やへたり耐久性が低下するので
好ましくない。
【0035】好ましい亜りん酸エステル化合物は、溶融
混練り温度ですでに溶融している融点のものを選択する
ことでよりミクロな分散状態が得られる。溶融していな
い場合は分散状態が荒くなるので混練り効果が半減す
る。好ましい溶融混練り温度は熱可塑性樹脂の融点より
10℃以上30℃未満である。
【0036】押出機のスクリュー形状は公知の混練り用
スクリューが好ましく、より好ましくは二軸スクリュー
でベント付き押出機にて混練りする。異物を除去するた
め好ましくはフィルターを用いる。フィルターのメッシ
ュは目的の製品により異なるが20メッシュから120
0メッシュを積層して用いる。
【0037】押出しダイスの孔径は吐出量で決めるが通
常1ミリから3ミリを用いる。通常の混練り押出機は定
量送りポンプを常備していないので吐出圧力とスクリュ
ー回転数及びカッターの引取り速度から所望の太さのペ
レットを得る条件に吐出量を設定してダイスから混練り
樹脂を吐出させ、次いで水中で冷却し、引取りローラー
を介して切断し所望のペレットを得る。得られたペレッ
トは乾燥して水分を0.01%以下にして網状構造化す
るために供給される。ついで一般的な溶融押出機を用い
て溶融した熱可塑性弾性樹脂を融点より10〜80℃高
い温度に加熱して溶融状態とし、複数のオリフィスを持
つノズルより下向きに吐出させ、自然降下させル−プを
形成させる。このときノズル面と樹脂を固化させる冷却
媒体上に設置した引取りコンベアとの距離、樹脂の溶融
粘度、オリフィスの孔径と吐出量などによりループ径と
線状体の繊度が決まる。冷却媒体上に設置した間隔が調
整可能な一対の引取りコンベアで溶融状態の吐出線状体
を挟み込み停留させることでループが発生し、オリフィ
スの孔間隔を発生ル−プが接触できる孔間隔にしておく
ことで発生したル−プを互いに接触させ、接触すること
でル−プがランダムな3次元形態を形成しつつ接触部は
融着接合する。次いでランダムな3次元形態を形成しつ
つ接触部が融着接合した連続線状体を連続して冷却媒体
中に引込み固化させ網状構造体を形成する。次いで所望
の長さや形状に切断して必要に応じ成形加工してクッシ
ョン材に用いる。本発明は熱可塑性弾性樹脂を融点より
10〜80℃高い温度に加熱して溶融状態として複数の
オリフィスを持つノズルより下向きに吐出させる。熱可
塑性弾性樹脂を融点より10℃未満高い温度では吐出さ
れた線状体が冷えて流動しにくくなり、線状体同士の接
触部の融着が不充分になり好ましくない。他方、融点よ
り80℃を越える温度で溶融させると熱可塑性弾性樹脂
の分解が著しくなりソフトセグメントの切断によるゴム
弾性の低下が著しくなるので好ましくない。吐出時の溶
融温度を熱可塑性弾性樹脂の融点より30〜50℃高い
温度とすることで溶融粘度を比較的高く維持できるた
め、ル−プ形成が良好なためランダムな3次元形態を形
成し易く、かつ接触部は融着しやすい状態を保持できる
ので好ましい。
【0038】オリフィスの孔間ピッチは線条が形成する
ル−プが充分接触できるピッチとする必要がある。緻密
な構造にするには孔間ピッチを短くし、粗密な構造にす
るには孔間ピッチを長くする。本発明の孔間ピッチは好
ましくは3mm〜20mm、より好ましくは5mm〜15mmで
ある。尚、ノズル面と樹脂を固化させる冷却媒体上に設
置した引取りコンベアとの距離、樹脂の溶融粘度、オリ
フィスの孔径と吐出量などにより所望のループ径や線径
をきめられる。冷却媒体上に設置した間隔が調整可能な
一対の引取りコンベアで溶融状態の吐出線条を挟み込み
停留させることで互いに接触した部分を融着させつつ、
連続して冷却媒体中に引込み固化させ網状体を形成する
時、上記コンベアの間隔を調整することで、融着した網
状体が溶融状態でいる間で厚み調節が可能となり、所望
の厚みのものが得られる。コンベア速度も速すぎると、
接触点の形成が不充分になったり、融着点が充分に形成
されるまでに冷却され、接触部の融着が不充分になる場
合がある。また、速度が遅過ぎると溶融物が滞留し過
ぎ、密度が高くなるので、所望の見掛け密度に適したコ
ンベア速度を設定する必要がある。
【0039】本発明の好ましい実施形態として、抗菌性
網状構造体を形成する線条が中空断面又は及び異形断面
を選択することができる。中空断面化するにはオリフィ
スの孔形状を円形スリットを1ブリッジ又は3ブリッジ
でつないだ形状のオリフィスを用いる。3ブリッジのオ
リフィス形状にすると三角中空形状に近くなるので座屈
しにくくなり特に好ましい。オリフィスの中空率は20
%以上70%以下が選択できる。中空率が20%未満で
は、線条の中空率が5%以下となり中空化効果が得られ
難く、70%を超えると中空が破裂する場合があり好ま
しくない。好ましい中空率は30%以上65%、より好
ましくは50%以上60%である。中空オリフィスの外
径は単孔吐出量により選択する。単孔吐出量が少ない場
合は外径を小さくし、単孔吐出量が多い場合は外径を大
きくするのが望ましい。適切な外径の範囲は2ミリから
8ミリであり、より好ましくは3ミリから6ミリであ
る。
【0040】線条を異形断面にするには、オリフィスを
異形化することで得られる。しかして、本発明の抗菌性
網状構造体を形成する線条は溶融状態で吐出させた後は
自由落下させるため形状が緩和しやすい。そのため、オ
リフィスの異形度は5以上とするのが好ましく、更には
8以上20以下がより好ましい。異形断面としては、Y
型、星型、+型等所望に応じて選択できる。
【0041】本発明の方法に於ける好ましい実施形態と
して、前述したごとく疑似結晶化処理により耐熱耐へた
り性が著しく向上する。疑似結晶化処理は、ランダムな
3次元形態を形成しつつ接触部が融着した連続線状体を
連続して冷却媒体中に引込み固化させ網状構造体を形成
するとき冷却媒体の温度をアニ−リング温度とすること
で冷却と同時に疑似結晶化処理を行うことができる。ま
た、一旦冷却後、乾燥工程を経する場合、乾燥温度をア
ニ−リング温度とすることで同時に疑似結晶化処理を行
うができる。また、別途疑似結晶化処理を行うができ
る。疑似結晶化処理温度は、少なくとも融点(Tm)よ
り10℃以上低く、Tanδのα分散立ち上がり温度
(Tαcr)以上で行う。この処理で、融点以下に吸熱
ピ−クを持ち、疑似結晶化処理しないもの(吸熱ピ−ク
を有しないもの)より耐熱耐へたり性が著しく向上す
る。本発明の好ましい疑似結晶化処理温度は(Tαcr
+10℃)から(Tm−20℃)である。なお、吸熱ピ
−ク温度は種々の条件により異なるが疑似結晶化処理温
度以上から疑似結晶化処理温度+20℃の範囲に発現す
る。
【0042】(ロ)の方法では、亜りん酸エステル化合
物の添加量を網状構造形成時の熱可塑性弾性樹脂混合比
に適合する濃度比に混合するに必要な所望濃度に整合す
る量を熱可塑性弾性樹脂に添加する以外(ロ)の方法と
同一の手法で添加混合して溶融混練りを行いマスターペ
レットを作成する。マスターペレット中の亜りん酸エス
テル化合物の濃度は次の紡糸工程での混合比率で決め
る。通常5重量%から50重量%のマスターペレットと
希釈用の熱可塑性弾性樹脂とを混合して紡糸する。紡糸
機への供給方法は、マスターペレットと希釈用の熱可塑
性弾性樹脂とを予め混合したものを紡糸機に供給して溶
融混練りしつつ紡糸する方法と、マスターペレットと希
釈用の熱可塑性弾性樹脂とを所定量を定量供給しつつ紡
糸機で混合溶融混練りして紡糸する方法ができる。かく
して溶融混練りされた熱可塑性弾性樹脂は、(イ)の方
法と同様にして網状構造体に形成され、必要に応じて、
連続または別途に疑似結晶化処理を行う。(ロ)の方法
では紡糸機のスクリューは混練りタイプのものが好まし
い。特には二軸スクリューが最も好ましい。
【0043】(ハ)の方法は、所定量の亜りん酸エステ
ル化合物と熱可塑性弾性樹脂を一旦混合した後に紡糸機
に供給して溶融混練りしつつ紡糸する方法と、所定量の
亜りん酸エステル化合物と熱可塑性弾性樹脂を別々に紡
糸機に定量供給して紡糸機で直接混合溶融混練りしつつ
紡糸する方法ができる。以下、(イ)の方法と同様にし
て網状構造体を形成し、必要に応じて、連続または別途
に疑似結晶化処理を行う。(ハ)の方法では紡糸機のス
クリューは混練りタイプのものが好ましい。特には二軸
スクリューが最も好ましい。更には線条を紡出するまで
の紡糸機内でスクリュー以外にも混練り機構(例えばス
タティックミキサー等)を組み込まれた紡糸機が好まし
い。
【0044】本発明の抗菌性網状構造体の好ましい実施
形態として、複合紡糸機を用いて線条がサイドバイサイ
ド構造又はシース・コア構造に複合紡糸された形態を選
択できる。上述した方法で得られる抗菌性機能を付与す
るために亜りん酸エステル化合物を混合又は混練りされ
た複数の熱可塑性弾性樹脂を、複数の押出機を持つ複合
紡糸機に各単独成分毎に別々に供給して溶融し、ほぼ同
一紡糸温度の複数の成分をオリフィス直前で合流させる
ことで、複数の熱可塑性弾性樹脂からなるサイドバイサ
イド構造又はシース・コア構造に複合化した線条を吐出
させて網状構造体を形成できる。シ−ス・コア構造で
は、コア成分を中心から供給し、その回りからシ−ス成
分を合流させ吐出する。
【0045】サイドバイサイド構造では左右又は前後か
ら各成分を合流させ吐出する。本発明の好ましい実施形
態では、好ましくは、各成分の融点より10℃以上、8
0℃以下の同一の溶融温度で、各成分が所望の組成比な
る吐出量を各ギヤポンプで定量供給する。低融点成分の
融点より80℃を越える高い溶融温度にすると熱分解が
著しくなり熱可塑性弾性樹脂の特性が低下するので好ま
しくない。他方、高融点成分の融点より10℃以上高く
しないとメルトフラクチャ−を発生し正常な線条形成が
出来なくなり、また、吐出後ル−プ形成しつつ接触させ
融着させる際、線条の温度が低下して線条同士が融着接
合しなくなり接着が不充分な網状体となる場合があり好
ましくない。好ましい溶融温度は低融点成分の融点より
20℃から70℃高い温度、より好ましくは融点より3
0℃から60℃高い温度であり、高融点成分の融点より
15℃から40℃高い温度、より好ましくは融点より2
0℃から30℃高い温度となる同一の溶融温度で吐出す
る。複合紡糸の場合は合流直前の溶融温度差は5℃以下
にしないと異常流動を発生し複合形態の形成が損なわれ
る場合がある。
【0046】オリフィスの形状は特に限定されないが、
中空断面(例えば三角中空、丸型中空、突起つきの中空
等となるよう形状)及び、又は異形断面(例えば三角
形、Y型、星型等の断面二次モ−メントが高くなる形
状)とすることで前記効果以外に溶融状態の吐出線条が
形成する3次元構造が流動緩和し難くし、逆に接触点で
の流動時間を長く保持して接着点を強固にできるので特
に好ましい。
【0047】本発明の抗菌性網状構造体をクッション用
いる場合、その使用目的、使用部位により使用する樹
脂、繊度、ル−プ径、嵩密度を選択する必要がある。例
えば、ソフトなタッチと適度の沈み込みと張りのある膨
らみを付与するためには、やや高密度で細い繊度の緻密
な構造が好ましく、中層のクッション機能を発現させる
には、共振振動数を低くし、適度の硬さと圧縮時のヒス
テリシスを直線的に変化させて体型保持性を良くし、耐
久性を保持させるために、中密度で太い繊度、やや大き
いル−プ径の層と低密度で細い繊度、細かいル−プ径の
層を積層一体化した構造にするのが好ましい。
【0048】本発明の抗菌性網状構造体は抗菌性を有し
洗濯耐久性に優れている上に水切り性が良好なため洗濯
乾燥が簡単にできるので、常に清潔を保て蒸れにくく臭
気の発生し難い快適な使用環境を提供できる。その上
に、耐熱耐久性、形態保持性、クッション性の優れた特
徴を同時に有するので、3次元構造を損なわない程度に
成形型等を用いて使用目的にあった形状に成形して側地
を被せるのみで車両用座席、船舶用座席、ベット、椅
子、家具等に用いることができる。勿論、用途との関係
で要求性能に合うべき他の素材、例えば、異なる網状
体、短繊維集合体からなる硬綿クッション材、不織布等
と組合せて用いることも可能である。また、樹脂製造過
程以外でも性能を低下させない範囲で製造過程から成形
体に加工し、製品化する任意の段階で難燃化、防虫防黴
化、耐熱化、撥水撥油化、着色、芳香等の機能付与を薬
剤添加等の処理加工ができる。
【0049】
【実施例】以下に実施例で本発明を詳述する。なお、実
施例中の評価は以下の方法で行った。 (1)抗菌組成物の抗菌性 繊維製品新機能評価協議会が制定した、繊維製品の定量
的抗菌性試験方法マニュアルに準拠した。すなわち、滅
菌した1/20濃度のニュートリエントブロスに下記試
験菌を1±0.3×105 個/ml含有する試験菌懸濁液
0.2mlを0.4gの試料に均一に接種し、37℃で1
8時間培養する。培養終了後、試験菌を洗い出し、その
液で混釈平板寒天培地を作製し、37℃で24〜48時
間培養し生菌数を測定する。なお、未加工品に関しては
接種直後にも試験菌を洗い出し、その液で混釈平板寒天
培地を作製し、37℃で24〜48時間培養することに
よって、接種した生菌数を測定する。抗菌性は下記式に
よる静菌活性値で評価する。静菌活性値の高いものほど
抗菌性に優れている。なお、試験菌として、黄色ブドウ
球菌(STAPHYLOCOCCUS AUREUS
ATCC 6538P)を使用した。 静菌活性値=LogB−LogC ただし、試験成立条件 (LogB−LogA)>1.5
を満たす。 A;未加工品の接種直後に回収した菌数の平均値 B;未加工品の18時間培養後回収した菌数の平均値 C;加工品の18時間培養後回収した菌数の平均値
【0050】(2)洗濯方法 繊維製品新機能評価協議会が制定している、洗濯方法マ
ニュアルに準拠した。すなわち、JIS L0217の
洗い方103に規定する家庭電気洗濯機を使用し、40
℃の水30lに対しJAFET標準洗剤(繊維製品新機
能評価協議会製)40lを溶解し洗濯液とし、この洗濯
液に1kgの試料を入れる。5分間洗濯、脱水、2分間
濯ぎ洗い、脱水、2分間濯ぎ洗い、脱水の工程を1回分
の洗濯回数とし、50回の洗濯を行った。 (3)融点(Tm)および融点以下の吸熱ピ−ク 島津製作所製TA50,DSC50型示差熱分析計を使
用し、昇温速度20℃/分で測定した吸発熱曲線から吸
熱ピ−ク(融解ピ−ク)温度を求めた。
【0051】(4)Tαcr ポリマ−を融点+10℃に加熱して、厚み約300μm
のフイルムを作成して、オリエンテック社製バイブロン
DDV型を用い、110Hz、昇温速度1℃/分で測定
したTanδ(虚数弾性率M”と弾性率の実数部分M’
との比M”/M’)のゴム弾性領域から融解領域への転
移点温度に相当するα分散の立ち上がり温度を求めた。 (5)見掛け密度 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、4か所の高さ
を測定し、体積を求め試料の重さを体積で徐した値で示
した(n=4の平均値)。
【0052】(6)線条の線径 試料を10箇所から各線条部分の線径をノギスでn=1
0ずつ測定し(単位はmmで下2桁目までを測定し)下
記式で平均値を求めた(単位はmmで下2桁目は四捨五
入する)。 線径=(1/n)Σd (7)融着 試料を目視判断で融着しているか否かを接着している繊
維同士を手で引っ張って外れないか否かで外れないもの
を融着していると判断した。
【0053】(8)耐熱耐久性(70℃残留歪) 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、50%圧縮し
て70℃乾熱中22時間放置後冷却して圧縮歪みを除き
1日放置後の厚みと処理前の厚みの差と処理前の厚みと
の比を%で示す(n=3の平均値)。 (9)繰返し圧縮歪 試料を15cm×15cmの大きさに切断し、島津製作所製
サ−ボパルサ−にて、25℃65%RH室内にて50%
の厚みまで1Hzのサイクルで圧縮回復を繰り返し2万
回後の試料を1日放置後の厚みと処理前の厚みの差と処
理前の厚みとの比を%で示した(n=3の平均値)。
【0054】(10)座り心地 バケットシ−トの形状に切断成形した抗菌性網状構造体
の表層側に東洋紡績(株)製ハイムからなるポリエステ
ルモケットの側地を被って、座席用フレ−ムにセットし
て座部は4か所、背部は6か所の側地止めを入れた座席
を作成し、30℃RH75%室内で作成した座席にパネ
ラ−を座らせ以下の評価をおこなった(n=5)。 1)床つき感:座ったときの「どすん」と床に当たった
感じの程度を感覚的に定性評価した。感じない;◎、殆
ど感じない;○、やや感じる;△、感じる;× 2)蒸れ感:2時間座っていて、臀部やふと股の内側の
座席と接する部分が蒸れた感じを感覚的に定性評価し
た。殆ど感じない:◎、僅かに蒸れを感じる;○、やや
蒸れを感じる;△、蒸れを著しく感じる;× 3)8時間以内でどの程度我慢して座席に座っていられ
るか:1時間以内;×、2時間以内;△、4時間以内;
○、4時間以上;◎ 4)4時間座席に座らせたときの腰の疲れ程度を感覚的
に定性評価した。無し;◎、殆ど疲れない;○、やや疲
れる;△、非常に疲れる;× 5)総合評価:・から・までの評価の◎を4点、○を3
点、△を2点、×を1点として12点以上で△を含まな
いもの;非常に良い(◎)、12点以上で△を含むも
の;良い(○)、10点以上で×を含まないもの;やや
悪い(△)、×を含むもの;悪い(×)として評価し
た。
【0055】実施例1〜実施例9、比較例1〜比較例2 ポリエステル系エラストマ−として、ジメチルテレフタ
レ−ト(DMT)又は、ジメチルナフタレ−ト(DM
N)と1,4−ブタンジオ−ル(1・4BD)を少量の
触媒と仕込み、常法によりエステル交換反応後、ポリテ
トラメチレングリコ−ル(PTMG)を添加して昇温減
圧しつつ重縮合せしめてポリエ−テルエステルブロック
共重合エラストマ−を得た。該ポリマーのペレットを、
50℃で48時間真空乾燥して得られた熱可塑性弾性樹
脂の処方を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】上記熱可塑性弾性樹脂ペレットに予め30
℃で48時間真空乾燥した亜りん酸エステル化合物とし
てビス(2,6−ジ第3ブチル−4−メチルフェニル)
ペンタエリスリトールジフォスファイト(以下BMPP
と略す)またはビス(2,6−ジ第3ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールジフォスファイト(以下BHPP
と略す)を0.002〜15.0重量%添加して回転式
ブレンダーでドライブレンドし、二軸押出機にて230
℃〜245℃で溶融混練りを行い、φ1ミリのダイス孔
より吐出し、冷却、切断してペレット化し、次いで50
℃で48時間真空乾燥して網状構造体成形用の樹脂ペレ
ットを得た。この熱可塑性弾性樹脂原料の処方を表2に
示す。なお、ダイス直前のフィルターはステンレス製の
50メッシュ/150メッシュ/20メッシュの積層品
を用いた。フィルターの詰まり及び乾燥後のポリマー表
面のブリードアウトの状態も表2に併記する。
【0058】
【表2】
【0059】上記の得られた熱可塑性弾性樹脂ペレット
を幅100cm、長さ6.2cmのノズル有効面に孔径
1mmのオリフィスを孔間ピッチ6mm間隔で千鳥配列
したノズル(2178孔)より、各熱可塑性弾性樹脂の
融点より40〜50℃高い温度で溶融して、単孔吐出量
を1.85g/分で吐出させ、ノズル面30cm下に冷
却水を配し、幅150cmのステンレス製エンドレスネ
ットを平行に5cm間隔で一対の引取りコンベアを水面
上に一部出るように配した上に引取り、接触部分を融着
させつつ、両面を挟み込みつつ毎分2mの速度で20℃
の冷却水中へ引込み固化させて所定の大きさに切断し、
次いで、熱風循環する熱処理槽にて105℃の熱風で3
0分疑似結晶化処理して得られた面がフラット化された
網状構造体の特性を表3及び表4に示す。なお、作成し
た網状構造体の見掛け密度は0.040g/cc、厚み
は5cmに統一して作成した。
【0060】
【表3】
【0061】実施例1〜実施例9は抗菌性及び耐久性と
もに優れたクッション材であることが表3、表4から判
る。比較例1は抗菌性が劣るので好ましくない。比較例
2は抗菌性は良好だが、亜りん酸エステル化合物の添加
量が多すぎ可塑化効果で耐久性に劣り、且つブリードア
ウトが著しくなり好ましくない。
【0062】
【表4】
【0063】比較例3 比較のためポリエチレンテレフタレート(以下PETと
略す)を混練り温度285℃、吐出温度285℃とした
以外実施例3と同一の方法で作成した見掛け密度0.0
4g/cc、厚み5cmの網状構造体の特性を表5及び
表6に示す。抗菌性は優れるが、耐久性とクッション性
が著しく劣るので好ましくない。
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】比較例4 酸化亜鉛粉末/BMPP:50/50重量比の抗菌剤を
2重量%添加した以外実験┗5と同様にして得た抗菌性
付与熱可塑性弾性樹脂を実施例4と同様にして網状構造
体を作成しようとしたが、著しい圧力上昇を生じて網状
構造体を作成できなかった。溶融練り込み時のフィルタ
ーにはかなりの酸化亜鉛が堆積しており、且つ、紡糸時
のフィルターにも凝集物が著しく堆積していた。無機系
抗菌剤は溶融せず、凝集等を発生させ紡糸が不可能にな
る例である。なお、溶融練り込み時のフィルターは15
0メッシュ、紡糸時のフィルターは400メッシュを用
いた。
【0067】実施例10 熱可塑性樹脂として相対粘度(2.2)のポリエーテル
系ウレタン(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ
ートと分子量2000のポリテトラメチレングリコール
及び鎖延長剤として1,4−ブタンジオールを重合、ポ
リテトラメチレングリコール単位を40重量%含有、以
下PUEと略す)を用い混練り温度180℃とした以
外、実施例4と同様にして得られた抗菌性網状構造体の
特性を表7、表8に示す。本発明では、抗菌性及び耐久
性とクッション性が共に優れていることが解る。
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】比較例6、実施例11 吐出量400g/分及び800g/分(引取り速度を2
00cm/分)とした以外、実施例4と同一の条件で作
成した網状構造体の特性を表9及び表10に示す。比較
例6は見掛け密度が0.004g/ccと低いためクッ
ション性が著しく劣り好ましくない。実施例11は見掛
け密度が0.008g/ccで低いがクッション性は問
題ない範囲に入る。
【0071】
【表9】
【0072】
【表10】
【0073】比較例7、実施例12 吐出量5500g/分及び吐出量4500g/分で引取
り速度を50cm/分とした以外、実施例4と同一の条
件で作成した網状構造体の特性を表11及び表12に示
す。比較例7は見掛け密度が0.22g/ccと高いた
めクッション性が劣り好ましくない。実施例12は見掛
け密度が0.18g/ccと高いがクッション性は実用
に耐えるものである。
【0074】
【表11】
【0075】
【表12】
【0076】比較例8 吐出量3000g/分でノズル面60cm下で引取り速
度を200cm/分、とした以外、実施例4と同一の条
件で作成した網状構造体の特性を表13及び表14に示
す。比較例8は見掛け密度が0.03g/ccとなるよ
うに設定したが線条の接合(融着状態)が不良なため網
状構造を形成できずクッションの耐久性評価は実施でき
なかった。座り心地を評価するため側地に0.03g/
ccとなる様に線条を詰め込み評価した結果、クッショ
ン性が著しく劣り好ましくない。
【0077】
【表13】
【0078】
【表14】
【0079】実施例13 吐出量3000g/分とし、ノズルオリフィスの形状を
外径5mm、内径4.5mmのトリプルブリッジとした
ものを、孔間ピッチ8mmの千鳥配列とした(1139
孔)ノズルを用いた以外は実施例4と同一の条件で作成
した見掛け密度0.03g/ccの網状構造体特性を表
15及び表16に示す。中空断面とすることでクッショ
ン性が著しく良好になり、抗菌性と耐久性及びクッショ
ン性を兼備する優れたクッション材であることがわか
る。
【0080】
【表15】
【0081】
【表16】
【0082】
【発明の効果】単体では抗菌性を示さず、熱可塑性弾性
樹脂との相溶性に優れ、熱劣化や着色も防止させて樹脂
の物性を低下させず、かつ安価な化合物である特定の亜
りん酸エステル化合物を有効成分として熱可塑性弾性樹
脂に溶融混練りすることにより、優れた耐久性を有する
抗菌性と耐熱耐久性、形態保持性、クッション性に優
れ、かつ蒸れ難さを併せ持つ網状構造体を安価に提供す
ることができる。側地を被せて又は、他の素材と併用し
て、上記の好ましい特性を発現する車両用座席、船舶用
座席、車両用、船舶用、病院やホテル等の業務用ベッ
ト、家具用クッション、寝装用品等の製品を提供でき
る。更には、車両用や建築資材としての内装材や断熱材
等にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林原 幹也 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4L035 AA08 BB40 BB57 DD01 DD14 EE11 FF01 JJ25 4L047 AA21 AA29 AB03 BA08 BD01 CA15 CB01 CB08 CB10 CC06 CC09 CC16 DA00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される亜りん酸エ
    ステル化合物の1種以上を0.005〜10重量%含有
    する熱可塑性弾性樹脂からなる線条を曲がりくねらせ互
    いに接触させて該接触部の大部分が接合して形成した見
    掛密度が0.005g/ccから0.2g/ccである
    3次元立体構造を有することを特徴とする抗菌性網状構
    造体。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)の亜りん酸エステル化
    合物が下記化合物(A)である請求項1記載の抗菌性網
    状構造体。 【化2】
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)の亜りん酸エステル化
    合物が下記化合物(B)である請求項1記載の抗菌性網
    状構造体。 【化3】
  4. 【請求項4】 熱可塑性弾性樹脂からなる成分を示差走
    査型熱量計で測定した融解曲線が室温以上融点以下の温
    度に吸熱ピークを持つことを特徴とする請求項1〜請求
    項3のいづれかに記載の抗菌性網状構造体。
  5. 【請求項5】 一般式(I)の亜りん酸エステル化合物
    と熱可塑性弾性樹脂を溶融混合して得た抗菌性熱可塑性
    弾性樹脂を、複数のオリフィスより、融点より10〜8
    0℃高い温度で溶融状態で下方に向けて吐出させ、溶融
    状態で連続線状体ル−プを形成させ、各々のル−プを互
    いに接触させて融着させ三次元ランダムル−プ構造を形
    成しつつ引取り装置で挟み込み、引き続き冷却すること
    を特徴とする抗菌性網状構造体の製法。
  6. 【請求項6】 一旦冷却後、融点より少なくとも10℃
    以上低い温度でアニ−リングを行う請求項5記載の抗菌
    性網状構造体の製法。
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