JP2000073235A - 捲縮性複合繊維 - Google Patents

捲縮性複合繊維

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JP2000073235A JP10236728A JP23672898A JP2000073235A JP 2000073235 A JP2000073235 A JP 2000073235A JP 10236728 A JP10236728 A JP 10236728A JP 23672898 A JP23672898 A JP 23672898A JP 2000073235 A JP2000073235 A JP 2000073235A
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和彦 田中
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Hidetsuna Kawachi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ソフトな風合いを有し、反発力に優れた良好
な捲縮特性を持った捲縮性複合繊維を提供する。 【解決手段】 トリシクロデカン-2,2-ジメタノールを
0.5〜10モル%共重合してなるポリエステル(A)
と融点150℃以上の繊維形成性ポリマー(B)とから
なるサイドバイサイド型複合繊維であり、かつ下記(1)
式及び(2)式を満足することを特徴とする捲縮性複合繊
維。 30≧y≧0.0014x4−0.0219x3+0.1409x2+0.0211x+3.6 (1) 2≦x≦13 (2) x:沸水収縮率(%)y:捲縮伸長率(%)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフトな風合いを
有し、捲縮伸長性に優れたサイドバイサイド型の複合繊
維に関するものである。また、織編物にした際に嵩高で
ふくらみ、張り、腰、伸縮性を兼ね備えた高品位の布帛
とすることができる複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、織物に優れた伸縮性を付与す
るためには、伸縮性に優れたポリウレタン弾性繊維糸条
が用いられているが、しかし、このポリウレタン弾性繊
維糸条は、ポリウレタン固有の性質として風合いが硬
く、したがって織物の風合いが低下する、あるいは織物
のドレープ性が低下するという欠点があった。この欠点
を回避するために、ポリウレタン弾性繊維糸条とポリエ
ステル系糸条とを併用して織物を製織することも行われ
ているが、両糸条は染色性に差があり、織物を染色する
際に染色加工が複雑になったり、あるいは所望の色彩
(多くの場合濃色)に染色することが困難になるという
欠点があった。また、織物を構成する糸条として仮撚加
工糸を用いて、織物に伸縮性を付与することも行われて
いる。仮撚加工糸には、加撚及び解撚によるトルクが内
在しており、このトルクによって糸条に伸縮性が与えら
れている。しかし、このトルクは、織物の伸縮性に寄与
するだけでなく、織物表面のシボに転移しやすいという
傾向がある。従って、仮撚加工糸条で構成された織物
は、伸縮性が良好な反面、表面にシボが生じやすいもの
であった。織物にシボを出さないようにするために、織
物に熱処理を施し、仮撚加工糸のトルクを減少させるこ
とが行われているが、この場合には、シボの発生は少な
くなるものの、伸縮性が低下するという欠点があった。
また、伸長回復性も不十分であった。
【0003】また、一方、ポリウレタン弾性繊維糸条や
仮撚加工糸でなく、収縮特性の異なる2種類の重合体あ
るいは固有粘度差、即ち重合度差を有する2種類の重合
体、さらに金属スルホネート基を含有するポリエステル
を一成分とするサイドバイサイド型に接合された捲縮性
複合繊維が広く知られており(例えば、特開昭64−8
5317号公報)、糸や織物とした状態で捲縮発現処理
を行い嵩高糸や嵩高織物として利用されている。しかし
ながらこれらの捲縮性複合繊維を織物の経糸及び/又は
緯糸に使用すると織組織によって糸条が拘束されている
為、複合繊維が有している捲縮性能を十分に発揮でき
ず、十分な伸縮性を持つ織物を得ることができなかっ
た。そこで織物においても捲縮性能が十分に発現するよ
うな高度な捲縮性能を有するサイドバイサイド複合繊維
も提案されている(WO95/04846)。しかし十
分な捲縮性能を持つ複合繊維であっても熱形態変形すな
わち沸水収縮率が大きいため織編物の風合いが硬くなり
良好なものが得られないという課題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、上記したような従来の捲縮性複合繊維の欠点を解消
し、ソフトな風合いを有し、反発力に優れた良好な捲縮
特性を持った捲縮性複合繊維を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討の結果、高収縮応力を有する
重合体として共重合ポリエステルを使用し、さらに製造
方法を工夫することによって特定の沸水収縮率−捲縮伸
長率の関係を満足する複合繊維とすることより上記目的
が達成されることを見出し本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、下記構造式(I)で示さ
れる化合物を0.5モル%以上10モル%以下共重合し
てなるポリエステル(A)と融点150℃以上の繊維形成
性ポリマー(B)とからなるサイドバイサイド型複合繊維
であり、かつ下記(1)式及び(2)式を満足することを特徴
とする捲縮性複合繊維である。
【化2】 式中、R1〜R10はエステル形成性官能基、水素原子、
アルキル基から選択される基であって、かつR1〜R10
のうち1つまたは2つはエステル形成性官能基である。
また、xは0または1であり、yは1≦x+y≦3を満
足する整数である。 30≧y≧0.0014x4−0.0219x3+0.1409x2+0.0211x+3.6 (1) 2≦x≦13 (2) x:沸水収縮率(%) y:捲縮伸長率(%)
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において目的とする捲縮特
性、ソフトな風合いの織編物を得るためには上記の構造
式(I)で示される化合物がポリエステル(A)に特定量
共重合されていることが必要である。構造式(1)で示
される化合物において、エステル形成性官能基として
は、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシ
ル基、そのエステル形成性誘導体が挙げられる。ヒドロ
キシアルキル基を構成するアルキルに限定はないが、ヒ
ドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプ
ロピル基、ヒドロキシブチル基等の炭素数が1〜4のア
ルキルが好ましく、分岐したアルキルでもよい。
【0008】また、カルボキシル基のエステル形成性誘
導体とはカルボン酸のメチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、ブチルエステル等、炭素数1〜
4のアルキルエステルが好ましい。
【0009】構造式(I)で示される化合物は、1つま
たは2つのエステル形成性官能基を有していることが必
要であり、ポリエステル分子鎖中に共重合されることが
ポリエステル繊維として高い収縮特性の発現、重合性等
の点で好ましく、かかる点からエステル形成性官能基の
数は2つであることが好ましい。その場合、エステル形
成性官能基は同じ種類の基であっても異なった種類の基
であってもよい。
【0010】さらに、該化合物においてエステル形成性
官能基が結合していない炭素には水素原子、アルキル基
が結合しているが、重合性を阻害しない点でエステル形
成性官能基が結合していない炭素には水素原子が結合し
ていることが好ましい。なお、アルキル基としてはメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等
の炭素数1〜5のアルキル基が挙げられ、該基は分岐し
ていてもよい。
【0011】このような化合物の例として、ノルボルナ
ン2,3−ジメタノール、ノルボルナン2,3−ジエタ
ノール、ノルボルナン2,3−ジカルボン酸、ノルボル
ナン2,3−ジカルボン酸ジメチルエステル、ノルボル
ナン2,3−ジカルボン酸ジエチルエステル、パーヒド
ロジメタノナフタレンジメタノール、パーヒドロジメタ
ノナフタレンジエタノール、パーヒドロジメタノナフタ
レンジカルボン酸、パーヒドロジメタノナフタレンジカ
ルボン酸ジメチルエステル、トリシクロデカンジメタノ
ール、トリシクロデカンジエタノール、トリシクロデカ
ンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン酸ジメチ
ルエステル、トリシクロデカンジカルボン酸ジエチルエ
ステル等が挙げられ、これらの化合物においてエステル
形成性官能基が結合していない炭素にアルキル基が結合
した化合物も挙げられる。また、アルキル基以外にスル
ホニル基等の他の置換基が結合している化合物も本発明
には包含される。
【0012】上述の化合物の中でも重合性、製糸性、繊
維強度、収縮性能の点で、ノルボルナン2,3−ジメタ
ノール、ノルボルナン2,3−ジカルボン酸、ノルボル
ナン2,3−ジカルボン酸ジメチルエステル、パーヒド
ロジメタノナフタレンジメタノール、パーヒドロジメタ
ノナフタレンジカルボン酸、パーヒドロジメタノナフタ
レンジカルボン酸ジメチルエステル、トリシクロデカン
ジメタノール、トリシクロデカンジエタノール、トリシ
クロデカンジカルボン酸、トリシクロデカンジカルボン
酸ジメチルエステルが好ましい。
【0013】さらに重合性の観点から見ると、ノルボル
ナン2,3−ジメタノール、ノルボルナン2,3−ジカ
ルボン酸、ノルボルナン2,3−ジカルボン酸ジメチル
エステル、パーヒドロジメタノナフタレンジメタノー
ル、パーヒドロジメタノナフタレンジカルボン酸、パー
ヒドロジメタノナフタレンジカルボン酸ジメチルエステ
ルは2つのエステル形成性官能基がトランス位に位置す
ることが好ましい。
【0014】本発明におけるポリエステルとは、主とし
て、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分として、エ
チレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコールから選択された少なくとも1種のアル
キレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエ
ステルである。また本発明の目的を損なわない範囲内で
構造式(I)で示される化合物以外に第3成分を共重合
させても差支えない。
【0015】かかる第3成分としては、イソフタル酸、
フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカル
ボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、
4,4′−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4′−
ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′−ジフェニ
ルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ジフェノキ
シエタン−4′,4″ジカルボン酸、アントラセンジカ
ルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、ジフェノキ
シケトンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸、ジメチル5−ナトリウムスルホイソフタレート、
5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸;マロン酸、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン
酸;デカリンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸;β−ヒドロキシエトキシ安
息香酸、p−オキシ安息香酸、ヒドロキシプロピオン
酸、ヒドロキシアクリル酸等のヒドロキシカルボン酸;
これらのエステル形成性誘導体から誘導されたカルボン
酸、ε−カプロラクトン等の脂肪族ラクトン;ヘキサメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪
族ジオール;ヒドロキノン、カテコール、ナフタレンジ
オール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールS、
ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香
族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジ
オールなどを挙げることができる。これらの第3成分は
1種のみまたは2種以上が共重合されていてもよい。
【0016】また、本発明のポリエステル(A)には、
ポリエステルが実質的に線状である範囲内でトリメリッ
ト酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、トリカルバリル
酸等の多価カルボン酸;グリセリン、トリメチロールエ
タン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール
等の多価アルコールが共重合されていてもよい。
【0017】上記化合物のポリエステル(A)における含
有量は、ポリエステルを構成するジカルボン酸成分に対
して0.5モル%以上10モル%以下、さらに好ましく
は3モル%以上8モル%以下の範囲である。該化合物の
含有量が0.5モル%未満の場合、十分な捲縮性能及び
良好な風合いが得られないため好ましくない。一方、該
化合物の含有量が10モル%を越える場合、結晶性ポリ
エステルが得られにくくなり熱変形、つまり沸水収縮率
が大きくなり織編物での風合いが硬くなるため好ましく
ない。
【0018】本発明のポリエステル(A)は、通常の方法
で重合することができる。たとえば、テレフタル酸とア
ルキレングリコールとを直接エステル化させるか、テレ
フタル酸ジメチル等のテレフタル酸の低級アルキルエス
テルとアルキレングリコールとをエステル交換反応させ
るか、またはテレフタル酸とアルキレンオキシドとを反
応させるかしてテレフタル酸のアルキレングリコールエ
ステルおよび/またはその低重合体を生成させる第一段
階の反応、そして第一段階で得られた反応生成物を減圧
下で加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる
第二段階の反応によって製造される。その際、上述の化
合物を重縮合反応が終了するまでの任意の段階、例えば
ポリエステルの出発原料に添加したり、エステル交換反
応後で重縮合反応前に添加したりすることができる。ま
た、重合度を高めるために、液相で重合を行った後、固
相重合することもできる。
【0019】ポリエステル(A)は、固有粘度〔フェノー
ル/テトラクロロエタン(重量比50/50)の混合溶
媒を用い、30℃で測定〕が0.5〜1.5の範囲であ
ることが望ましい。
【0020】本発明に用いられる繊維形成性ポリマー
(B)は、融点150℃以上であれば、特に限定されない
が、例えば、ポリエステル又はナイロン6、ナイロン1
2、ナイロン66のポリアミドが挙げられ、これらは共
重合成分を含有するものであってもよい。融点が150
℃未満では複合糸に風合いを付与するための熱セットや
高温染色等がしにくくなり実用的でない。また、融点が
高すぎると曳糸性などが低下する場合があるので、好ま
しくは融点が270℃以下であるポリマーが望ましい。
【0021】本発明の複合繊維は、繊維断面においてポ
リエステル(A)と繊維形成性ポリマー(B)とがサイドバイ
サイド型に接合された形態を有しているが、本発明の目
的を達成するためには、ポリエステル(A)とポリマー
(B)の複合比率は、(A):(B)=30:70〜70:30、
特には40:60〜60:40にすることが好ましい。最
も好ましいのは、両成分が45:55〜55:45とい
う複合比で複合紡糸された場合である。この比率がどち
らに偏っても、紡糸性が不良となりやすい。
【0022】また、本発明の複合繊維の断面形状は特に
限定されず、丸断面、楕円断面、偏平断面、三角、四
角、五角、六角などの多角形断面、T字形断面、U字形断
面、W字形断面、多枝形断面、多葉断面、中空断面など
を挙げることができる。
【0023】本発明においては、かかる複合繊維の捲縮
伸長率と沸水収縮率とが次式(1)および(2)を満足す
ること、すなわち、図1に見られるような捲縮伸長率と
沸水収縮率との関係を示すグラフにおいて両者が特定の
領域内に存在することが重要である。 30≧y≧0.0014x4−0.0219x3+0.1409x2+0.0211x+3.6 (1) 2≦x≦13 (2) x:沸水収縮率% y:捲縮伸長率%
【0024】捲縮伸長率yが0.0014x4-0.0219x3+0.1409
x2+0.0211x+36未満では織編物での十分な風合いが得ら
れない。一方、捲縮伸長率が30%より大きい場合、風
合いとしてふかつくものとなるため好ましくない。より
好ましくは25≦y≦0.0025x3+0.0639x2+0.1732x+11.5
である。
【0025】沸水収縮率は2%より小さい場合、捲縮性
能が不十分でさらに延伸工程性が悪くなり適当でない。
沸水収縮率が13%より大きい場合、織編物での風合い
が硬くなり適当でない。好ましくは沸水収縮率が3%以
上12%以下である。
【0026】また、本発明の複合繊維は捲縮堅牢度が1
0%以下であり、従来のものより優れている。長期の使
用においてはへたりが小さく風合い及び特性を維持する
ことができる。さらに、本発明の複合繊維は、熱収縮時
の応力が高く、0.15g/dr以上、特に0.2g/dr以上の高
応力を有するため、織物の組織で拘束されていても充分
な嵩高性を発現させることができ、優れたふくらみと、
張り腰を持たせることが可能となる。
【0027】本発明の複合繊維は、必要に応じ本発明を
損なわない範囲内で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光
増白剤、艶消し剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃補助剤、
潤滑剤、着色剤、可塑剤、無機充填剤等の添加剤を含有
していてもよい。
【0028】本発明の複合繊維は、公知の溶融複合紡糸
装置を用いて繊維化することができるが、上記のような
捲縮伸長率と沸水収縮率との特定された関係を満たす複
合繊維とするためには、繊維化工程で下記〜の紡糸
延伸条件を採用することが重要である。 2000m/分≦紡糸捲取速度≦3500m/分 紡糸原糸の破断延伸倍率×0.68≦延伸倍率≦紡糸原糸
の破断倍率×0.80 150℃≦延伸熱板温度
【0029】また、ポリエステル(A)と繊維形成性ポ
リマー(B)の粘度設定は、捲縮伸長性能、紡糸延伸工
程通過性の点から次式を満足することが好ましい。 1000<ηo(A)−ηo(B)<8800 ηo:290℃ Shear rateが0の時の溶融粘度
【0030】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお実施例における特性値等の測定方法は次の通り
である。
【0031】固有粘度:フェノール/テトラクロロエタ
ン(重量比50/50)の混合溶媒を用い30℃で測定
した。
【0032】溶融粘度:キャピログラフ(東洋製機製)
を用い、290℃でshear rate 0時の溶媒粘度ηo
測定した。
【0033】沸水収縮率:初荷重1mg/デニール下で
試料に50cm間隔の印をつけ次いで試料を98℃の熱
水中に5mg/デニールの荷重下30分間放置し、その
後取り出して1mg/デニール荷重下で印の間隔L′c
mを測定し次式により算出した。 沸水収縮率(%)=〔(50−L′)/50〕×100
【0034】捲縮伸長率:試料に1mg/d荷重を付け
たまま90℃の沸水で30分処理後荷重除去し乾燥す
る。その後1mg/dの荷重をかけて5分後の長さl1
を測定し、次に0.1g/d荷重をかけ30秒後の長さ
2を測定し次式により算出した。 捲縮伸長率=〔(l2−l1)/l2〕×100
【0035】捲縮堅牢度:捲縮伸長率測定時のl2とさ
らに荷重0.7g/dを30秒間加えた後除去し1mg
/d下で5分放置後の長さl3を測定し次式により算出
した。 捲縮堅牢度=〔(l2−l3)/l2〕×100
【0036】風合い:初期風合い伸長性、膨らみ、ソフ
ト感、張り、こしについて官能評価により、 ◎:非常に優れている ○:優れている △:やや不良 ×:不良 として判定した。また、初期の風合を評価したサンプル
について、中性洗剤40g、水20l入った電気洗濯機
にサンプル100gを入れ、洗濯時間6分、脱水時間1
分、すすぎ時間8分、脱水時間2分の条件で丸洗いした
後、自然乾燥する方法で洗濯を行い、その後50gの荷
重をサンプルに1分間負荷させる。洗濯と荷重負荷を3
0回繰り返して行った後初期風合いと同様にして風合い
を評価した。
【0037】ポリエステル(A)の製造例1 トリシクロデカン−2,2−ジメタノール(TC2-2DMと略
称)4.2モル%、エチレングリコール95.8モル%
からなるジオール原料とテレフタル酸とから、ジオール
原料:テレフタル酸のモル比が1.2:1となるように
調整してスラリーを形成し、このスラリーを加圧下(絶
対圧2.5kg/cm2)、温度250℃でエステル化
率が95%になるまでエステル化反応を行い、低重合体
を製造した。次に触媒として350ppmの三酸化アン
チモンを添加し、絶対圧1torrの減圧下に280℃
で1.5時間低重合体を重縮合し、固有粘度[η]が
0.72dl/gのポリエステルを製造した。このポリ
エステルをノズルからストランド状に押出して切断し、
直径2.8mm、長さ3.2mmの円柱状チップを製造
した。
【0038】実施例1 製造例1で得られたチップとη=0.60のポリエチレ
ンテレフタレート(融点:265℃)を用いて、通常の溶
融紡糸装置を用いて紡糸温度290℃、紡糸捲取速度を
3000m/minで紡糸し、複合重量比50:50の
サイドバイサイド型複合未延伸糸を得た。この未延伸糸
を85℃で予熱し1.7倍(紡糸原糸の破断延伸倍率×
0.7)に延伸後熱板を用いて170℃で熱処理し10
0d/24fの延伸糸を得た。得られた延伸糸を筒編地
にして160℃で10分間熱処理した。得られた筒編地
は初期風合い及び洗濯・荷重負荷後の風合いとも非常に
優れたものであった。ポリエステル(A)及びポリマー
(B)の詳細、繊維物性、及び風合評価の結果を表1に
示した。
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 延伸条件を延伸倍率1.75倍(紡糸原糸の破断延伸倍
率×0.72)、延伸熱板155℃に変えた以外は実施
例1と同様に実施した。初期風合い及び洗濯・荷重負荷
後の風合いは非常に優れていた(表1参照)。
【0041】実施例3 延伸条件を延伸倍率1.8倍(紡糸原糸の破断延伸倍率
×0.74)、延伸熱板150℃に変えた以外は実施例
1と同様に実施した。初期風合い及び洗濯・荷重負荷後
の風合いは優れていた(表1参照)。
【0042】実施例4〜5 共重合ポリエステルの共重合成分のモル量を表1に従っ
て変えた以外は実施例1と同様に実施した。初期風合い
及び洗濯・荷重負荷後の風合いは優れていた(表1参
照)。
【0043】実施例6 ポリマー(B)をナイロン6に変えた以外は実施例1と同
様に実施した。初期風合い及び洗濯・荷重負荷後の風合
いは優れていた(表1参照)。
【0044】比較例1 紡糸条件を紡糸捲取速度1000m/分、延伸条件を延
伸倍率3.2倍(紡糸原糸の破断延伸倍率×0.76)、
延伸熱板温度160℃に変えた以外は実施例1と同様に
実施した。初期風合い及び洗濯・荷重負荷後の風合いは
やや不良であった(表1参照)。
【0045】比較例2〜3 ポリエステル(A)の共重合成分のモル量を表1に従って
変えた以外は実施例1と同様に実施した。初期風合い及
び洗濯・荷重負荷後の風合いは不良であった(表1参
照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合繊維の捲縮伸長率と沸水収縮率
との関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河内 秀綱 愛媛県西条市朔日市892番地 株式会社ク ラレ内 Fターム(参考) 4L035 BB33 BB77 BB89 BB91 EE01 EE02 EE20 FF08 FF10 GG01 HH10 4L041 AA08 AA20 BA02 BA05 BA09 BA59 BC04 BC05 BC20 BD13 BD14 CA06 CA10 CA21 DD01 DD10 DD14 DD15 4L045 AA05 BA03 BA21 BA36 BA51 BA60 CA25 DA42 DC03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式(I)で示される化合物を
    0.5モル%以上10モル%以下共重合してなるポリエ
    ステル(A)と融点150℃以上の繊維形成性ポリマー
    (B)とからなるサイドバイサイド型複合繊維であり、
    かつ下記(1)式及び(2)式を満足することを特徴とする捲
    縮性複合繊維。 【化1】 式中、R1〜R10はエステル形成性官能基、水素原子、
    アルキル基から選択される基であって、かつR1〜R10
    のうち1つまたは2つはエステル形成性官能基である。
    また、xは0または1であり、yは1≦x+y≦3を満
    足する整数である。 30≧y≧0.0014x4−0.0219x3+0.1409x2+0.0211x+3.6 (1) 2≦x≦13 (2) x:沸水収縮率(%) y:捲縮伸長率(%)
  2. 【請求項2】 融点150℃以上の繊維形成性ポリマー
    (B)がポリエステルである請求項1記載の捲縮性複合
    繊維。
  3. 【請求項3】 融点150℃以上の繊維形成性ポリマー
    (B)がポリアミドである請求項1記載の捲縮性複合繊
    維。
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