JP2000071465A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法、該製造方法によって製造された液体噴射記録ヘッド、および液体噴射記録ヘッド用素子基板の製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法、該製造方法によって製造された液体噴射記録ヘッド、および液体噴射記録ヘッド用素子基板の製造方法

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JP2000071465A JP16617299A JP16617299A JP2000071465A JP 2000071465 A JP2000071465 A JP 2000071465A JP 16617299 A JP16617299 A JP 16617299A JP 16617299 A JP16617299 A JP 16617299A JP 2000071465 A JP2000071465 A JP 2000071465A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコンウエハを切断して個々の単位素子を
作製する際に、高い精度の切断を必要とすることなくし
かも切断部におけるチップ表面の損傷も防止することが
でき、単位素子の配列精度を向上させる単位素子の切断
端面を得ることができる液体噴射記録ヘッドの製造方法
を提供する。 【解決手段】 複数の単位素子2が形成されたシリコン
ウエハ1の裏面にテープ3をマウントして、切断ブレー
ドで表面側から切断して個々の単位素子2に分割する。
その後に、単位素子2の表面にテープ5をマウントして
ウエハ1を反転させ、上向きにされた裏面側から切断ブ
レード7を切断溝11をなぞるように走らせて、最初に
マウントしたテープ3を切断しながら単位素子2の底面
付近の切断残部や凹凸12を切除する。テープ5をエキ
スパンドして単位素子2を分離し、ラフな切断精度で配
列精度の良い端面を有する単位素子2を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な吐出口から
インク等の記録液を液滴として吐出させて記録紙等の被
記録媒体に記録を行なう液体噴射記録方式に用いられる
液体噴射記録ヘッドの製造方法、該製造方法によって製
造された液体噴射記録ヘッド、および液体噴射記録ヘッ
ド用素子基板の製造方法に関するものである。
【0002】本発明によって製造される液体噴射記録ヘ
ッドは、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチッ
ク、ガラス、木材、セラミックス等の被記録媒体に対し
記録を行なうところのプリンタ、複写機、通信システム
を有するファクシミリ、プリンタ部を有するワードプロ
セッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合的に組み
合わせた産業用記録装置に適用できる。ここで、本発明
における「記録」とは、被記録媒体に対して、文字や図
形等の意味をもつ画像を付与するだけでなく、パターン
等の意味をもたない画像を付与することをも意味するも
のである。
【0003】
【従来の技術】液体噴射記録方式(インクジェット記録
方式)に使用される液体噴射記録ヘッドの代表的な一形
態は、複数の吐出エネルギー発生素子を所定の間隔をお
いて基板上に形成した単位素子と、インク等の記録液を
吐出する複数の吐出口と各吐出口にそれぞれ連通する複
数の流路となる溝とが形成された天板とを備え、吐出エ
ネルギー発生素子と流路となる溝とを正確に位置合わせ
した状態で単位素子と天板とを接合することによって得
られる。この液体噴射記録ヘッドは、吐出エネルギー発
生素子により流路内の記録液に吐出エネルギーを付与す
ることによって吐出口から記録液を液滴として噴射させ
て記録紙等の被記録媒体に印字記録を行なうように構成
されている。
【0004】ところで、液体噴射記録ヘッドにおいて
は、近時、印字速度のアップと画質品位の向上との両立
が求められている。これに対応しうる液体噴射記録ヘッ
ドとして、例えば、図5に図示するような長尺の液体噴
射記録ヘッドがある。この種の長尺の液体噴射記録ヘッ
ドは、複数の吐出エネルギー発生素子(例えば、発熱素
子)101を備えた複数個の単位素子100(第1基
板)を金属やセラミックス等の材質で作られたベースプ
レート102上に精度良く位置付け配列することで長尺
ラインヘッドの記録素子を作り、この上に記録液を吐出
する複数の吐出口106および各吐出口106に連通す
る複数の液流路(不図示)と各液流路に記録液を供給す
るための共通液室(不図示)とを構成するための凹部を
有する天板105(第2基板)を接合することによって
作製されている(なお、液流路と共通液室とを「通路」
と総称する)。そして、吐出エネルギー発生素子101
としての複数の発熱素子を備えた単位素子100は、複
数の単位素子を成膜工程等によりパターニングしたシリ
コン基板を切断して個々の単位素子を切り離して作製し
ている。このような長尺の液体噴射記録ヘッドは、吐出
エネルギー発生素子(発熱素子)の配置密度や天板の溝
加工密度を高めることで、高精細画像を実現できる高機
能記録ヘッドである。
【0005】この長尺液体噴射記録ヘッドの製造過程に
おいて、単位素子を精度良くかつ互いに限りなく近付け
て配列することが、高記録密度でのつなぎすじによる画
質品位の低下を防ぐための重要技術となっており、この
ような高い配列精度を得るためには、シリコン基板の高
い精度での切断が要求される。
【0006】このような切断精度の要求、およびこれに
関連する配列精度の向上に関しては、特開平2−212
162号公報(米国特許第4851371号明細書)に
効果的な技術が開示されている。すなわち、シリコンウ
エハの切断時に発生するチップ表面に生じる顕微鏡的な
損傷(かけ、割れ等の微細な損傷)による回路網の寸断
を問題視し、分断すべき単位素子間の切断ストリートに
沿って切断ブレードを精度良く傾斜させて切断し、切断
部の表面では線接触するが、底面では離れているという
配列構造を実現させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
特開平2−212162号公報に開示された技術におい
ては、反対向きに傾斜した切り口を有する面を形成する
ための2回の切断と、不要部除去の処理(切断あるいは
エッチング)を行なうことを要し、このため、シリコン
ウエハ中に集積された単位素子の並び幅(単位素子同志
の縦横方向の距離)をある程度とっておくことが要求さ
れる。また、たとえ狭い幅でこの距離をとることができ
たとしても、使用する切断ブレードとして厚さの薄いも
のを使用しないと、チップ表面の損傷が回路パターンに
届くのを防ぐことは極めて困難である。厚さの薄い切断
ブレードによる切断は、前記公報にも記載されているよ
うに、切断幅のばらつき公差が大きく、これを除くため
には樹脂接着刃を相当回数平滑化(プリカットやドレッ
シング等)する必要がある。そのため、大量の単位素子
を切断により生産する際には、一製品を加工するのに要
する時間がかなり増大することが予想される。また、反
対向きに傾斜した一対の切り口を作るために、発熱素子
ウエハを180度回転させる必要があるが、この回転に
ついてもかなりの高精度が要求される。
【0008】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決な課題に鑑みてなされたものであって、シリコン
ウエハを切断して個々の単位素子を作製する際に、必要
以上に高い精度の切断を必要とすることなくしかも切断
部におけるチップ表面の損傷も防止することができ、そ
して単位素子の配列精度を向上させる単位素子の切断端
面を得ることができる液体噴射記録ヘッドの製造方法お
よび液体噴射記録ヘッド用素子基板の製造方法を提供す
ることを目的の一つとするものである。
【0009】さらに、本発明の他の目的は、前記製造方
法によって製造される素子基板が高精度に形成された端
面同士を接合するように複数並設されている液体噴射記
録ヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、厳しい精度
の要求と通常の切断ブレードの管理で前記課題を達成す
べく、前記公報等に開示されている“刃の曲り”を決め
る主なパラメータに加えて“刃の表面粗さ”に着目し鋭
意検討した。切断ブレードに関して、刃の厚さ、露出
量、切り口の深さ、ダイシングスピード等をいかに調整
しても、切断切り口表面でのかけや割れの発生を完全に
はなくすことができないのが現状であるが、刃の表面を
形成している粒子の粗さが細かければ細かいほど、切断
時の状態が良く、直線性にも優れているという結果を見
出だした。しかし、刃の表面粗さが細かすぎると、刃が
脆くその摩耗が速い等の問題も発生するため、適当な表
面粗さの範囲を特定する必要がある。定性的には、刃が
適度に厚く、表面粗さの細かいブレードでゆっくり切断
するのが良い切断状態を得る条件である。本発明者はこ
のような知見を踏まえて、前述した課題を解決するため
の手法として本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の液体噴射記録ヘッドの
製造方法は、吐出口から液体を吐出するために利用され
るエネルギーを発生するエネルギー発生素子が設けられ
る液体噴射記録ヘッド用素子基板と、前記吐出口に連通
する液体の通路となる凹部が設けられる天板が、前記エ
ネルギー発生素子と前記凹部を対応するように接合され
ることにより前記通路が形成されている液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法において、前記素子基板は、素子基板が
複数切り出される基板を切断ブレードにより一方の面側
から切断して前記基板に切断溝を形成する工程と、前記
基板の他方の面側から前記切断溝をなぞるように切断ブ
レードを走らせる工程を含む作製方法によって作製され
ることを特徴とする。
【0012】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法は、複数の並列した発熱素子を有する第1基板を
複数個配列した長尺基板列と、前記発熱素子が発生する
熱を利用して液体を吐出する複数の吐出口と該複数の吐
出口に連通する通路となる凹部を有する第2基板とを接
合することによって得られる液体噴射記録ヘッドの製造
方法において、前記第1基板は、シリコン基板の裏面に
第1のダイシングテープをマウントする第1工程と、切
断ブレードで前記シリコン基板を表面側から切断して前
記第1基板を切り分ける第2工程と、前記第1基板の表
面に第2のダイシングテープをマウントする第3工程
と、前記第1基板の裏面側から前記切断によって掘り込
まれた切断溝を前記第1のダイシングテープを介してな
ぞるように切断ブレードを走らせる第4工程とを含む作
製方法によって作製されることを特徴とする。
【0013】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、前記第4工程の後に、あるいは前記
第2工程と前記第3工程との間に、前記第1基板同士の
間隔を拡張する工程をさらに含むことが好ましい。
【0014】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、前記第4工程における前記切断ブレードの侵
入量は、前記第2工程における前記切断ブレードの侵入
量以下であることが望ましく、また、前記第4工程にお
ける前記切断ブレードの切断速度は、前記第2工程にお
ける前記切断ブレードの切断速度以上であることが望ま
しく、さらに、前記第4工程における前記切断ブレード
の表面粗さは、前記第2工程における前記切断ブレード
の表面粗さと同等であることが望ましい。
【0015】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッド用素
子基板の製造方法は、液体を吐出するために利用される
エネルギーを発生するエネルギー発生素子が設けられる
液体噴射記録ヘッド用素子基板の製造方法であって、素
子基板が複数切り出される基板を切断ブレードにより一
方の面側から切断して前記基板に切断溝を形成する工程
と、前記基板の他方の面側から前記切断溝をなぞるよう
に切断ブレードを走らせる工程とを含むことを特徴とす
る。
【0016】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドは、
前述した液体噴射記録ヘッドの製造方法によって製造さ
れることにより、前記素子基板が高精度に形成された端
面同士を接合するように複数並設されていることを特徴
とする。
【0017】
【作用】本発明によれば、ダイシングテープが裏面にマ
ウントされたウエハを切断ブレードにより切断した後、
単位素子の表面にさらにダイシングテープをマウント
し、切断ブレードを、裏面側からダイシングテープを介
して精度的にラフに適宜の侵入量をもって表面からの切
断によって掘り込まれた切断溝に沿ってなぞるように走
らせることで、単位素子にかけや割れを生じさせること
なく、位置的にもさほど高い精度を必要とせず、配列時
の単位素子の精度の高い寄せ(配列精度)の実現に必要
な切断端面を得ることができる。
【0018】このように、複雑で高精度の要求される工
程を踏まなくても、簡易的にラフな工程(ダイシングテ
ープをさらにマウントしてなぞり切断する工程)の追加
のみで、少なくとも必要最低限の切断精度が得られるた
め、一製品の加工に要する時間を量産時であってもあま
り上げずに歩留まりを向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0020】図1および図2は、本発明の第1の実施例
に係る液体噴射記録ヘッドの製造方法を工程順に図示す
る工程図であり、図3は、本発明の第1の実施例に係る
液体噴射記録ヘッドの製造方法の主要工程をブロックと
して示す流れ図である。以下、本発明の第1の実施例に
係る液体噴射記録ヘッドの製造方法を、図1ないし図3
を用いて説明する。
【0021】シリコンウエハ(シリコン基板)1には、
図1の(a)および(b)に示すように、複数の発熱素
子2a、2a…や電極等の機能素子を備えた単位素子
(第1基板)2が所望のレイアウトに基づいて所定数配
置形成されている。先ず、このシリコンウエハ1の裏面
にダイシングテープ3をマウントしてウエハリング4に
取り付け(図1の(b)および(c)、図3のS2)、
このウエハリング4を通常のようにダイサー(不図示)
に固定して、図示しない切断ブレードによりシリコンウ
エハ1を複数の切断ストリート10に沿って切断して、
個々の単位素子(チップ)2に分割する(図1の
(d)、図3のS4)。なお、この切断に際して、図1
の(d)に図示するように、シリコンウエハ1を切断す
ると同時に、シリコンウエハ1の裏面にマウントされた
ダイシングテープ3を僅かに切り込むように切断ブレー
ドを侵入させて切断し、切断溝11を形成するのが好ま
しい。具体的には、切断ブレードとしては、ブレード表
面粗さ表示が4000(メッシュサイズ)、ブレード幅
0.1mm±0.002mmのものを使用し、そして、
ブレードの侵入量は、チップ(厚さ0.625mm)に
貼られたダイシングテープ3(厚さ0.08mm)に対
し、切断時にダイシングテープ3を0.030mm切り
込むハイト(フランジ端面からテープ底面までの距離)
で切断し、切断速度は3mm/secとした。
【0022】その後、図2の(a)および(b)に図示
するように、単位素子(チップ)2の表面にダイシング
テープ5をさらにマウントし(図3のS6)、そして、
シリコンウエハ1を反転させてダイサー(不図示)に通
常のようにウエハリング4を固定する。そして、図2の
(c)に図示するように、上向きにされた裏面側から前
の切断工程で切断され掘りこまれている切断溝11をな
ぞるように前記の切断ブレードと同じあるいは同種の切
断ブレード7を走らせて、最初にマウントしたダイシン
グテープ3を切断しながらチップ2底面付近における最
初の切断による切断溝11の切断残部や凹凸12(図2
の(c)において斜線を施した部分)を切除する(図3
のS8)。図2の(d)に、全ての切断溝11をなぞる
ように切断した状態を図示する。この切断に際しては、
切断ブレード7は、ダイシングテープ3を切断するとと
もにさらにウエハの厚さの約1/3〜1/2程度まで切
り込むように侵入させて切断するのが好ましい。具体的
には、この裏面からの切断時のブレードの侵入量は、ダ
イシングテープを切る量+αを想定し、ダイシングテー
プ端面から0.2mm切り込むハイトで、切断速度は同
じ3mm/secで切断した。
【0023】このように、シリコンウエハ1の裏面から
ダイシングテープ3を介し精度的にラフに適宜の侵入量
をもって、切断ブレード7を切断溝11に沿ってなぞる
ように走らせることで、最初の切断による切断溝11の
切断残部および凹凸12を切除することができ、配列時
の単位素子の精度の高い寄せ(配列精度)の実現に必要
な切断端面を得ることができる。
【0024】そして、全ての切断溝11をなぞるように
切断した後、図2の(e)および(f)に図示するよう
に、チップ表面にマウントしたダイシングテープ5をエ
キスパンド(拡張)してウエハ1を拡張させる。その後
に、各単位素子(チップ)をダイシングテープから取り
外すことで、切断精度の良い単位素子を得ることができ
る。なお、切断精度の良さとは、切断時の直角度、チッ
プ表面にかけ(チッピング)や割れのない状態、さらに
はチップ底面に切残しによるばりがない状態をいう。
【0025】このように作製された単位素子(第1基
板)2は、図5に図示する液体噴射記録ヘッドと同様
に、ベースプレート上に良好な配列精度をもって配列さ
れて長尺基板列を構成し、この長尺基板列上に吐出口や
液流路等を構成する凹部を有する長尺の天板(第2基
板)を接合することにより、高精細画像を得ることがで
きる長尺の液体噴射記録ヘッドを形成することができ
る。
【0026】本実施例において使用した切断ブレード
は、ブレード表面粗さ表示が4000(メッシュサイ
ズ)、ブレード幅0.1mm±0.002mmであり、
これによる切断幅ばらつきはレンジで0.004mm程
度、切断ストリートよれ(切断によるスクライブ(線
幅)の這う経路)も切断ブレードがある程度の厚みを持
っているためほとんどなかった。裏面からの切断時のブ
レードの表面粗さは、表面からの本切断でのブレードの
表面粗さと同等であることが望ましい。裏面からの切断
時のブレードの侵入量は、表面からの本切断でのブレー
ドの侵入量以下であることが望ましく、具体的には、
0.1〜0.3mmの範囲内であることが望ましい。ま
た、裏面からの切断時のブレードの切断速度は、表面か
らの本切断でのブレードの切断速度以上であることが望
ましく、具体的には3mm/sec以下、特に、1.5
〜3mm/secの範囲内であることが望ましい。
【0027】以上のように、本実施例においては、テー
プマウントされたシリコンウエハを切断後、単位素子
(チップ)の表面にさらにダイシングテープをマウント
し、これを反転させてダイサーに再度固定し、裏面側か
ら精度的にはラフに適宜の侵入量をもって切断ブレード
を表面での切断ストリートに沿ってなぞるように走らせ
ることで、配列時の単位素子の精度の高い寄せ(配列精
度)の実現に必要な切断端面が単位素子の側面への傾斜
付けなしに得ることができる。前述した従来技術では1
80度のウエハ回転後にチップ表面からの第2の切断を
行なうため、回路パターンを損傷しないようにかなりの
精度でのウエハ回転が必要となるけれども、本実施例で
は、裏面からの、しかもマウントテープを介しての「な
ぞり」であるため、かけや割れが生じることがなく、位
置的にも高い精度を必要とせず、後工程の配列精度が要
求するレベルの切断端面状態を得ることができる。
【0028】次に、本発明の第2の実施例に係る液体噴
射記録ヘッドの製造方法について図4を参照して説明す
る。
【0029】本実施例においても、シリコンウエハの表
面側からの切断までは、前述した第1の実施例と同様に
行なう。すなわち、図1の(a)ないし(d)に図示す
るように、複数の発熱素子2a、2a…や電極等の機能
素子を備えた単位素子2を所望のレイアウトに基づいて
所定数配置形成したシリコンウエハ(シリコン基板)1
の裏面にダイシングテープ3をマウントして、ウエハリ
ング4に取り付け、そのウエハリング4をダイサー(不
図示)に固定して、切断ブレードによりシリコンウエハ
1を切断ストリート10に沿って切断して、個々の単位
素子(チップ)2に分割する。この切断に際して、図1
の(d)に図示するように、シリコンウエハ1を切断す
ると同時に、シリコンウエハ1の裏面に貼られたダイシ
ングテープ3を僅かに切り込むように切断ブレードを侵
入させて切断し、切断溝11を形成する。なお、ここで
使用した切断ブレードは、具体的には、ブレード表面粗
さ表示が4000(メッシュサイズ)、ブレード幅0.
1mm±0.002mmのものであり、そして、ブレー
ドの侵入量は、チップ(厚さ0.625mm)に貼られ
たテープ(厚さ0.08mm)に対し、切断時にテープ
を0.040mm切り込むハイトで切断し、切断速度は
2.5mm/secで切断した。
【0030】その後、図4の(a)に図示するように、
チップ2裏面にマウントしたダイシングテープ3をエキ
スパンド(拡張)してシリコンウエハ1を拡張させた。
切断溝11はエキスパンドされ拡張した切断溝13とな
る。その後に、単位素子(チップ)2の表面にダイシン
グテープ5aをマウントする(図4の(b))。そし
て、図4の(c)に図示するように、シリコンウエハ1
を反転させて、ウエハリング4をダイサー(不図示)に
固定し、エキスパンドされた切断溝13の幅に対応する
幅を有する切断ブレード7aを、シリコンウエハ1の上
向きにされた裏面側から切断溝13をなぞるように走ら
せて、最初にマウントしたダイシングテープ3を切断し
ながらチップ底面付近における最初の切断による切断残
部および凹凸14(図4の(c)において斜線を施した
部分)を切除する。この切断に際しては、切断ブレード
7aはダイシングテープ3を切断するとともに、さらに
ウエハの厚さの約1/3ないし1/2程度まで切り込む
ように侵入させて切断する。具体的には、切断ブレード
7aとしてブレード表面粗さ表示が4000(メッシュ
サイズ)、ブレード幅1mm±0.002mmのものを
使用し、裏面からの切断時のブレードの侵入量は、テー
プを切る量+αを想定し、本実施例では、テープ端面か
ら0.3mm切り込むハイトで、切断速度は3mm/s
ecで切断した。
【0031】そして、全ての切断溝13をなぞるように
切断した後、各単位素子2、2……をダイシングテープ
5aから剥がし取り外すことで、切断精度の良い単位素
子2を得ることができる。このように作製された単位素
子(第1基板)2は、図5に図示する液体噴射記録ヘッ
ドと同様に、ベースプレート上に良好な配列精度をもっ
て配列されて長尺基板列を構成し、この長尺基板列上に
吐出口や液流路等を構成する凹部を有する長尺の天板
(第2基板)を接合することにより、高精細画像を得る
ことができる長尺の液体噴射記録ヘッドを形成すること
ができる。
【0032】本実施例における裏面からの切断時に使用
した切断ブレードは、ブレード表面粗さ表示が4000
(メッシュサイズ)、ブレード幅1mm±0.002m
mであり、これによる切断幅ばらつきはレンジで0.0
04mm程度、切断ストリートよれもブレードがかなり
の厚みを持っているためほとんどなかった。本実施例に
おいても、裏面からの切断時のブレードの表面粗さは、
表面からの本切断でのブレードの表面粗さと同等である
ことが望ましい。裏面からの切断時のブレードの侵入量
は、表面からの本切断でのブレードの侵入量以下である
ことが望ましく、具体的には、0.1〜0.3mmの範
囲内であることが望ましい。また、裏面からの切断時の
ブレードの切断速度は、表面からの本切断でのブレード
の切断速度以上であることが望ましく、具体的には3m
m/sec以下、特に、1.5〜3mm/secの範囲
内であることが望ましい。
【0033】以上のように、本実施例においては、テー
プマウントされたシリコンウエハを切断してテープを拡
張(エキスパンド)した後、単位素子表面にダイシング
テープをマウントし、エキスパンドさせた幅に対応する
切断ブレードで裏面から表面での切断ストリートに沿っ
てなぞるように精度的にはラフにある侵入量をもって走
らせる。切断ブレードを交換する手間があるものの、エ
キスパンド時に発生する単位素子(チップ)底面でのエ
キスパンド方向への応力を裏面からのなぞりによる切断
によって解放した後でチップをダイシングテープから剥
がせるので、剥がし時のチップ同士のぶつかりや少なか
らず発生するバリを防ぐことができるという効果があ
る。そして、配列時の単位素子の精度の高い寄せ(配列
精度)の実現に必要な切断端面を有する切断精度の良い
単位素子を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
長尺液体噴射記録ヘッドの製造工程におけるシリコンウ
エハの切断時に発生しがちであった切断部のチップ表面
の損傷の防止はもとより、複雑でかつ高精度の要求され
る工程を踏まなくても、簡易的にラフな工程(ダイシン
グテープをさらにマウントしてなぞり切断する工程)の
追加のみで、少なくとも必要最低限の切断精度が得られ
るため、量産時のタクトをあまり上げずに、歩留まりを
向上させることができる。
【0035】また、特に高記録密度の配列が要求される
長尺配列の液体噴射記録ヘッドの製造工程において、チ
ップの切断切り口のかけや割れのないクリアな切断面を
得たい時に必要とされるある程度厚みのある切断ブレー
ドを使用しようとすると、被切断物から反発応力が働
き、切断ブレードの摩耗速度を早め、チップ底面付近で
の切断残りの発生頻度が上がるけれども、本発明によれ
ば、このようなチップ底面付近での切断残りを完全に切
除することができ、配列精度を向上させることが可能と
なり、配列チップ(単位基板)間の隙間を極力狭めたい
ときに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係る液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法において、その工程の前段を工程順に図示
する工程図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係る液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法において、その工程の後段を工程順に図示
する工程図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係る液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法の主要工程をブロックとして示す流れ図で
ある。
【図4】本発明の第2の実施例に係る液体噴射記録ヘッ
ドの製造方法において、その工程の後段を工程順に図示
する工程図である。
【図5】長尺の液体噴射記録ヘッドの構成を図示する分
解斜視図である。
【符号の説明】
1 シリコンウエハ(シリコン基板) 2 単位素子(第1基板) 2a 発熱素子 3 (第1の)ダイシングテープ 4 ウエハリング 5、5a (第2の)ダイシングテープ 7、7a 切断ブレード 10 切断ストリート 11、13 切断溝 12、14 切断残部および凹凸

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口から液体を吐出するために利用さ
    れるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が設けら
    れる液体噴射記録ヘッド用素子基板と、前記吐出口に連
    通する液体の通路となる凹部が設けられる天板が、前記
    エネルギー発生素子と前記凹部を対応するように接合さ
    れることにより前記通路が形成されている液体噴射記録
    ヘッドの製造方法において、前記素子基板は、素子基板
    が複数切り出される基板を切断ブレードにより一方の面
    側から切断して前記基板に切断溝を形成する工程と、前
    記基板の他方の面側から前記切断溝をなぞるように切断
    ブレードを走らせる工程を含む作製方法によって作製さ
    れることを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記エネルギー発生素子は、前記エネル
    ギーとして熱エネルギーを発生する発熱素子であること
    を特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法によって製造されることにより、前記素
    子基板が高精度に形成された端面同士を接合するように
    複数並設されていることを特徴とする液体噴射記録ヘッ
    ド。
  4. 【請求項4】 複数の並列した発熱素子を有する第1基
    板を複数個配列した長尺基板列と、前記発熱素子が発生
    する熱を利用して液体を吐出する複数の吐出口と該複数
    の吐出口に連通する通路となる凹部を有する第2基板と
    を接合することによって得られる液体噴射記録ヘッドの
    製造方法において、 前記第1基板は、 シリコン基板の裏面に第1のダイシングテープをマウン
    トする第1工程と、 切断ブレードで前記シリコン基板を表面側から切断して
    前記第1基板を切り分ける第2工程と、 前記第1基板の表面に第2のダイシングテープをマウン
    トする第3工程と、 前記第1基板の裏面側から前記切断によって掘り込まれ
    た切断溝を前記第1のダイシングテープを介してなぞる
    ように切断ブレードを走らせる第4工程とを含む作製方
    法によって作製されることを特徴とする液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第4工程の後に、前記第1基板同士
    の間隔を拡張する工程をさらに含むことを特徴とする請
    求項4記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2工程と前記第3工程との間に、
    前記第1基板同士の間隔を拡張する工程をさらに含むこ
    とを特徴とする請求項4記載の液体噴射記録ヘッドの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記第4工程における前記切断ブレード
    の侵入量は、前記第2工程における前記切断ブレードの
    侵入量以下であることを特徴とする請求項4ないし6の
    いずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第4工程における前記切断ブレード
    の切断速度は、前記第2工程における前記切断ブレード
    の切断速度以上であることを特徴とする請求項4ないし
    6のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記第4工程における前記切断ブレード
    の表面粗さは、前記第2工程における前記切断ブレード
    の表面粗さと同等であることを特徴とする請求項4ない
    し6のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッドの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 液体を吐出するために利用されるエネ
    ルギーを発生するエネルギー発生素子が設けられる液体
    噴射記録ヘッド用素子基板の製造方法であって、素子基
    板が複数切り出される基板を切断ブレードにより一方の
    面側から切断して前記基板に切断溝を形成する工程と、
    前記基板の他方の面側から前記切断溝をなぞるように切
    断ブレードを走らせる工程とを含むことを特徴とする液
    体噴射記録ヘッド用素子基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記エネルギー発生素子は、前記エネ
    ルギーとして熱エネルギーを発生する発熱素子であるこ
    とを特徴とする請求項10記載の液体噴射記録ヘッド用
    素子基板の製造方法。
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