JP2006281679A - 液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッド - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】ウエハから吐出素子チップを切り出すダイシングにおいて、ダイシングテープから粘着粒子が発生するのを防ぐ。
【解決手段】ウエハ1上に吐出口等を有する樹脂層7からなる吐出素子チップ1aを形成し、切断ライン9に沿ってウエハ1をダイシングブレード52によって切断する工程の前に、ウエハ裏面に被覆層10を設け、切断ライン9に対応するように被覆層10をパターニングして凹所11を形成しておく。ダイシングブレード52の切り込み量を、刃先がウエハ裏面の凹所11内に位置し、かつダイシングテープ51に切り込まないように制御することで、ダイシングテープ51から粘着粒子が発生するのを防ぎ、しかも吐出素子チップ裏面にバリ等が発生することのない高精度なダイシングを行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタ等液体吐出方式の記録装置に用いる液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッドに関するものである。
インクジェットヘッドなどの液体吐出ヘッドの吐出部を構成する吐出素子チップは、半導体製造プロセスと同様の製造方法で製造されている。つまり、φ3〜φ8インチ程度のウエハに、フォトリソグラフィ技術を用いた薄膜プロセスにより吐出口部や吐出圧発生素子等のパターンを、数十から数百個単位で形成した後、それぞれを切り離して個々のチップにする。このときのウエハの切断方法として、先端の鋭利なダイヤモンドでウエハにスクラッチを入れた後、ウエハに曲げ力や引張力を加えて割るという方法があるが、寸法精度が非常に悪く、チッピングの発生も多いため、制御が極めて困難である。
そのほかに、特許文献1に開示された方法では、ウエハをサンドエロージョンで切断する方法が提案されているが、この方法では、ウエハの両面に、ドライフィルムを貼り、サンドエロージョンが施されるので、ウエハに吐出口等を形成した後、切断を行うと、吐出口面の撥水性の低下等が懸念される。加えて、ウエハから切り出される吐出素子チップに関しては、高度の寸法精度が要求されるだけではなく、チッピングの発生を極力防止することが必要であるため、前述の切断工程では、ダイシングブレードを用いることが提案されている。例えば、図10に示すように、ウエハ101に一体的に作り込まれた複数の吐出素子チップ101aを切断ライン109に沿って切断し、各チップに分離する工程において、ウエハ101をダイシングテープ151の粘着面にマウントし、回転するダイシングブレード152を切断ライン109に沿って移動させる。
特開平8−281954号公報
しかしながら、ダイシングブレードによる切断作業においては、ウエハ自体が高硬度の難加工性材料であるから、ダイシングブレードは、硬度を上げるためのダイヤモンド等が含まれている。従って高価なため、1枚のブレードで、多数のウエハを切断することが望まれる。さらに、1枚のウエハから多数のチップを分離するため、かなりの回数の切断が行われる。
すなわち、図10に示すダイシングブレード152の先端は、切断の繰り返しにより磨耗し、その先端が、丸味を帯びてくる。このとき、図10の(b)に示すように、ダイシングブレード152のウエハ101への切り込み量が、ウエハ101の裏面ギリギリの深さであった場合、各チップの裏面部を所望のサイズで切断することができず、さらに、切断されなかった部分がバリとなり、ゴミ発生による不良の一因となる。そこで、図10の(c)に示すように、ダイシングブレード152のウエハ101への切り込み量を、ウエハ101の裏面より数十μm深い位置に設定する必要がある。このとき、ウエハ101を固定しているダイシングテープ151もウエハ101と同時に切断され、その時に切削されたダイシングテープ151が細かく飛散し、ウエハ101の表面に散布され、一部が、吐出素子チップ101aの吐出口近傍に付着して性能不良の一因となった。特に、ダイシングテープ151から発する微粒は粘着力を有するため、後工程でのウエハ表面の洗浄でとれにくいものであった。
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、ウエハ切断時に発生するバリによる形状劣化や、ダイシングテープから発生する粘着粒子付着による吐出性能の不良等を防ぐことができる液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッドを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、吐出圧発生素子を有する吐出素子チップを備えた液体吐出ヘッドの製造方法において、ウエハ上に複数の吐出素子チップを形成する工程と、複数の吐出素子チップの間の切断ラインに対応するように、ウエハの裏面に凹所を形成する工程と、ウエハの裏面側をダイシングテープにマウントする工程と、ダイシングテープにマウントしたウエハを、切断ラインに沿ってダイシングブレードによって切断する切断工程と、を有し、前記切断工程において、ダイシングブレードがウエハの裏面側の凹所に突出するまで切り込むとともに、刃先がダイシングテープに到達しないように切り込み量を制御することを特徴とする。
ダイシングブレードによってウエハを切断する工程で、ダイシングブレードの刃先がウエハの裏面側の凹所内にとどまり、裏面に接着されたダイシングテープには達しないように切り込み量を制御することで、ウエハを切り残すことなく、チップ間を完全にダイシングによって分割するとともに、粘着性を有するダイシングテープにダイシングブレードが切り込むのを防ぐことができる。これによって、吐出素子チップを高精度で切り出すとともに、ダイシングテープから発生する粘着粒子による吐出不良を低減することができる。
図1に示すように、ウエハ1に一体的に作り込まれた複数の吐出素子チップ1aを切断ライン9に沿って切断し、各チップに分離する工程において、ウエハ1をダイシングテープ51の粘着面にマウントし、回転するダイシングブレード52を切断ライン9に沿って移動させる。
ウエハ1の裏面には被覆層10が被着されており、この被覆層10を、切断ライン9およびインク供給口5に対応するようにパターニングすることで、凹所11および開口12が形成される。ダイシングブレード52による切断時には、ダイシングブレード52の刃先が、ウエハ1の凹所11の底面とウエハ裏面の間に位置するように切り込み量を制御する。すなわち、ウエハ1を切り残すことなく各チップを完全に分離するとともに、ダイシングテープ51の粘着面にダイシングブレード52の刃先が到達することのないように切り込み量を制御する。
凹所11の深さTは、ダイシングブレードのブレード厚をTbとしたとき、T > Tb/2 となるように凹所11を形成するとよい。
ウエハ裏面の被覆層10は、感光性のドライフィルム、ポリエーテルアミド樹脂、酸化シリコンまたは窒化シリコンによって形成されることが望ましい。
図2および図3は、実施例1による液体吐出ヘッドの製造方法を示す工程図であって、図2の(a)に示すように、結晶面方位が<100>もしくは<110>のウエハ1上(表面)に酸化シリコンもしくは窒化シリコンによって形成された表層2を介して電気熱変換素子あるいは圧電素子等の吐出圧発生素子3が所望の個数配置される。酸化シリコンもしくは窒化シリコンからなる表層2は、後述の異方性エッチングのストップ層として機能する。吐出圧発生素子3によって液体であるインクの小滴を吐出させるための吐出エネルギーがインクに与えられ、記録が行われる。
例えば、吐出圧発生素子3として電気熱変換素子が用いられるときには、この素子近傍のインクを加熱することにより、吐出エネルギーを発生する(この場合は、酸化シリコンあるいは窒化シリコンの表層2は蓄熱層を兼ねてもよい。)。
また、圧電素子が用いられるときは、この素子の機械的振動によって、吐出エネルギーが発生される。なお、これらの素子には、素子を動作させるための制御信号入力用電極(図示せず)が接続されている。また、一般にはこれら吐出圧発生素子の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層が設けられる。ここで、前記保護層に異方性エッチングのストップ層である酸化シリコンもしくは窒化シリコンの表層2を用いることもできる。
次に図2の(b)に示すように、インク供給口5を形成するためのマスク材4をウエハ1の吐出圧発生素子3が形成されていない裏面に設ける。マスク材4は、シリコンの異方性エッチングのマスクとなるもので酸化シリコン膜、窒化シリコン膜などが好適に用いられる。ここで、マスク材4は必要に応じてウエハ1の表面にも設置することが可能で、前述の保護層などを兼用しても構わない。
図2の(c)に示すように、マスク材4のインク供給口5となる部分を通常のフォトレジストをマスクとして用い、CF4 ガスを用いたドライエッチングにより除去し、マスク開口4aを形成する。ここで両面マスクアライナー等の手段を用いることでインク供給口5の位置は表面の吐出圧発生素子3に対して正確に決定される。
次に、図2の(d)に示すように、ウエハ1を強アルカリ溶液に代表されるシリコン異方性エッチング液に浸漬し、インク供給口5を形成する。ここで、ウエハ表面は必要に応じて保護される。また、シリコンの異方性エッチングは、アルカリ性エッチング液に対する結晶方位の溶解度の差を利用したもので、ほとんど溶解度を示さない<111>面でエッチングは停止する。したがって、ウエハ1の面方位によってインク供給口5の形状が異なる。面方位<100>を用いた場合にはウエハ表面に対する傾斜角θ=54.7°となり、面方位<110>を用いた場合はθ=90°となる。
次に、ウエハ1上にノズル部を形成する。ここでウエハ1はインク供給口5上も酸化シリコンあるいは窒化シリコンの表層2で被われていており、スピンコートあるいはロールコートで溶解可能な層をウエハ1上に成膜し、パターニングして、図2の(e)に示すインク流路パターン6を形成する。
次に、図2の(f)に示すように樹脂層7を形成する。この樹脂は液体吐出ヘッドの構造材料となるため、高い機械的強度、耐熱性、ウエハ1に対する密着性およびインクに対する耐性やインクを変質せしめない等の特性が要求される。また、樹脂層7は光または熱エネルギーの付与により重合、硬化しウエハ1に対して強く密着するものが好適に用いられる。
樹脂層7が硬化された後、ウエハ1の裏面よりCF4 などでプラズマドライエッチングすることで、図3の(a)に示すように、インク供給口5上の酸化シリコンあるいは窒化シリコンの表層2を除去し、インク供給口5を貫通させる。ここで、インク供給口5上の酸化シリコンあるいは窒化シリコン膜の表層2の除去は次工程の吐出口形成後に行っても構わないが、インク流路パターン6を除去する前に行うことが好ましい。
ついで図3の(b)に示すように、樹脂層7上に吐出口8および切断ライン9を形成する。吐出口8および切断ライン9の形成方法としては、樹脂層7が感光性の場合は、フォトリソ技術によってパターニングしても構わない。
ついで図3の(c)に示すように、溶解可能なインク流路パターン6を溶出し、吐出圧発生素子3、吐出口8を含むノズル部等を有する吐出素子チップ1aを製作する。
なお、上記の作成手順では異方性エッチング→ノズル部形成工程→異方性エッチングストップ層の除去工程の場合で説明したが、ノズル部形成工程→異方性エッチング工程→異方性エッチングストップ層除去工程の順番で行ってももちろん構わない。すなわち、ウエハ1の裏面にマスク材4を形成し、次いでノズル部を形成した後で、異方性エッチング工程を行う手順である。ただしこの場合には、多くのノズル形成部材が異方性エッチング液に対して耐性を持たないため、吐出口が形成されたウエハ表面に異方性エッチング液が回り込まないように適宜保護する必要がある。
次に、図3の(d)に示すように、ウエハ裏面の被覆層10として、膜厚100μm程度の感光性を有するドライフィルムを、ラミネーターにより、ウエハ1の裏面にラミネートする。さらに、インク供給口5および切断ライン9に対応する部位を、フォトリソグラフィ手法により、図3の(e)に示すようにパターニングし、凹所11および開口12を形成する。切断ライン9は、吐出素子チップ1aを作り込んだウエハ1を各チップに切断・分離する際に、図1に示すダイシングブレード52が切り込む部分である。
前述のように、ウエハ1を切断して、複数のチップに分離する工程では、まず、切断時にウエハ1がバラバラにならないように、ウエハ1の裏面側をダイシングテープ51に貼り付ける。ダイシングテープ51は、ポリプロピレンの基材の上に、粘着性を有するアクリル系の材質の接着層が形成されたものが一般的であり、上記アクリル系の接着層でウエハ1が保持固定される。
次に、ダイシングテープ51に固定されたウエハ1を、ダイサー装置の50μm〜100μm程度のブレード厚のダイシングブレード52を回転させ、切断ライン9に沿って移動させることで、所望のサイズのチップに切断する。
ダイシングブレードは、硬度を上げるため、ダイヤモンド等が含まれており、高価なため、1枚のブレードで、多数のウエハを切断することが望まれ、さらに、1枚のウエハから多数のチップを分離するため、かなりの回数の切断が行われる。従って、ブレード先端は、切断の繰り返しにより磨耗し、その先端が、丸味を帯びてくる。このとき、ブレードのウエハへの切り込み量が、ウエハの裏面ギリギリの深さであった場合、チップの裏面部を所望のサイズで切断することができず、さらに、切断されなかった部分がバリとなり、ゴミ不良の一因となる。そこで、ダイシングブレードのウエハへの切り込み量を、ウエハの厚みより深い位置に設定する必要がある。
すなわち、ダイシングブレードの切り込み量は、ブレード先端が丸みを帯びたとき、最悪の状態で、その断面が半円状になるため、ブレード厚をTbとしたとき、Tbの1/2以上深い位置に進入させる必要がある。従って、ウエハ裏面に凹所11が形成されていないと、ダイシングテープ51もウエハ1と同時に切断され、その時に切削されたダイシングテープ51の粘着層が細かく飛散し、ウエハ1の表面の吐出口8の近傍に付着して、吐出不良の一因となる。
本実施例は、ダイシングブレード52の切り込み量より深い凹所11をウエハ裏面に設けることにより、ダイシングテープ51を切断することなく、所望のサイズのチップを高精度で切り出すことが可能とする。すなわち、基板裏面の被覆層10の厚さをT、ブレード厚をTbとしたとき、T > Tb/2 にする必要がある。
切断後の吐出素子チップ1aは、図4に示すように、支持板13に接着剤14で接着固定され、液体吐出ヘッドの主要部であるチップユニットを形成する。接着剤14は、低粘度で硬化温度が低く、耐インク性を有するエポキシ樹脂を主成分とした熱硬化接着剤を使用することが望ましい。
次に、このようにして形成したチップユニットに対して、インク供給部材および吐出圧発生素子を駆動するための電気的接合を行って液体吐出ヘッドが完成する。
本実施例では、ウエハ裏面に被覆層を形成して、切断ラインに対応する凹所を開口する手法を用いたが、ウエハをダイシングテープに固定する前に、ダイシングブレード等によって切削してもよい。
しかしながら、ダイシングブレードでウエハの裏面を切削する場合は、切断ラインの表裏の切断面の位置合わせが難しい。さらに、ウエハの裏面を切削する手法では、ウエハの強度が弱くなってしまうという問題がある。従って本実施例のように、ウエハ裏面に被覆層を設け、フォトリソグラフィによって凹所をパターニングすることが望ましい。
また、ウエハ裏面に被覆層を設ける構成においては、ウエハの表裏が樹脂等で覆われるため、従来のように、表面だけ樹脂で覆われる構成よりも、ウエハの反り防止に対して効果的である。
このようにして、従来より歩留りおよび信頼性が高い液体吐出ヘッドを製造することができる。
図5および図6は、実施例2による液体吐出ヘッドの製造方法を示す工程図である。図5の(a)に示すように、実施例1と同様に表面に酸化シリコンもしくは窒化シリコンの表層2と吐出圧発生素子3が形成されたウエハ1の裏面に、(b)に示すように、インク供給口5を形成するためのシリコンの異方性エッチングのマスク材を兼ねた膜厚数十μmの被覆層20を被着させる。この被覆層20として、例えば、ポリエーテルアミドからなる樹脂を用いることにより、図4に示す支持板13に吐出素子チップ1aを接着する際の接着力を向上させることが可能となる。
ついで図5の(c)に示すように、被覆層20のインク供給口5および切断ライン9に対応する部分をフォトリソグラフィ手法によりパターニングして、開口22および凹所21を形成する。
次に、実施例1と同様に、ウエハ1を強アルカリ溶液に代表されるシリコン異方性エッチング液に浸漬し、図5の(d)に示すようにインク供給口5を形成し、続いて、図5の(e)、(f)、図6の(a)〜(c)に示す工程で、実施例1と同様にウエハ1上に吐出口8等を有する吐出素子チップ1aと切断ライン9を形成する。このようにして吐出素子チップ1aを形成したウエハ1を実施例1と同様にダイシングによって切断して、複数のチップに分離する。
ダイシングブレードのウエハへの切り込み量より厚い膜厚の被覆層を被着させて凹所を形成しておくことで、ダイシングテープにダイシングブレードが切り込むことによる吐出不良を防ぎ、しかもチップを所望のサイズに切断することが可能となった。
本実施例は、実施例1と同様に、ウエハ切断時のダイシングテープへの切り込みを防ぐことができるうえに、インク供給部材と一体化される支持板と吐出素子チップの接着力を強化することができるという利点が付加される。
図7および図8は、実施例3を示す。実施例1と同様に、図7の(a)に示すように表面に酸化シリコンもしくは窒化シリコンの表層2と吐出圧発生素子3が形成されたウエハ1に対して、(b)に示すように裏面側に、シリコンの異方性エッチングのマスク材を兼ねた被覆層30を、CVD等の膜形成用装置で、膜厚数十μmの厚さで形成する。被覆層30は、シリコンの異方性エッチングのマスク材として実施例1に用いられた酸化シリコンもしくは窒化シリコンが用いられる。
ついで被覆層30の、インク供給口5および切断ライン9に対応する部分を、通常のフォトレジストをマスクとして用い、CF4 ガスを用いたドライエッチングにより除去し、図7の(c)に示すように、凹所31および開口32を形成する。このときのドライエッチングのマスク材をウエハ1の切断工程にまで残しておき、凹所31内にブレード刃先が納まるようにダイシングブレード52の切り込み量を制御するものである。
なお、図9に示すように、被覆層30の切断ライン9に対応する凹所31の開口幅Wはダイシングブレード52のブレード厚Tbより狭く開口させることが望ましい。これは、上述の構成で、後述するようにウエハ1を異方性エッチングしてインク供給口5を開口するときに、ウエハ裏面の切断ライン9に対応する部位もエッチングされることになるが、このとき、ウエハ1裏面の開口が大きいと、ウエハ1自身の強度が弱くなるという問題が生じるためである。さらに、ウエハ1の切断時に、その切断の条件によっては、ウエハ1の裏面側のエッジ部が欠けるチッピングと呼ばれる現象が発生することがある。そこで、被覆層30の凹所31の開口幅Wをダイシングブレード52のブレード厚Tbより狭くすることにより、被覆層30を、切断ライン9の裏面側のエッジ部を保護する部材としても機能させることができる。
次に、実施例1と同様に、ウエハ1を強アルカリ溶液に代表されるシリコン異方性エッチング液に浸漬し、図7の(d)に示すインク供給口5を形成する。このとき、前述のように、ウエハ裏面の切断ライン部も開口されるが、凹所31の幅が狭いためにウエハ1の強度は問題ない。その後、図7の(e)、(f)および図8の(a)、(b)、(c)に示す工程により、ウエハ1上に吐出口8等を有する樹脂層7からなる吐出素子チップ1aを形成する。
次に、図9に示すように、このようにして形成した吐出素子チップ1aを有するウエハ1をダイシングブレード52によって切断して、複数のチップに分離する。このとき、ダイシングブレード52の切り込み量より厚い膜厚の被覆層30が設けられているため、ダイシングブレード52がダイシングテープ51に切り込んで吐出不良の原因となる粘着粒子を発生させることなく、所望のチップサイズに高精度で切断することが可能となる。さらに、前述のように、被覆層30の凹所31の開口幅Wをダイシングブレード52のブレード厚Tbより狭くすることによって、被覆層30が、ウエハ裏面のエッジ部を保護し、チッピングを抑制することも可能となる。このとき、ダイシングブレード52が、被覆層30の一部も切断することとなるが、酸化シリコンもしくは窒化シリコンで形成される被覆層30から発生する粒子は、吐出素子チップ1aの吐出口8や撥水面に付着しても、通常の切断時の洗浄やブローで簡単に除去できるので、問題とはならない。
実施例1によるウエハの切断工程を示すもので、(a)は切断されるウエハの一部分を示す模式斜視図、(b)はその断面図である。 実施例1による液体吐出ヘッドの製造方法の前半の工程を示す工程図である。 実施例1による液体吐出ヘッドの製造方法の後半の工程を示す工程図である。 実施例1の吐出素子チップを支持板に接着した状態を示す模式断面図である。 実施例2による液体吐出ヘッドの製造方法の前半の工程を示す工程図である。 実施例2による液体吐出ヘッドの製造方法の後半の工程を示す工程図である。 実施例3による液体吐出ヘッドの製造方法の前半の工程を示す工程図である。 実施例3による液体吐出ヘッドの製造方法の後半の工程を示す工程図である。 実施例3によるウエハの切断工程を示す図である。 従来例によるウエハの切断工程を説明する図である。
符号の説明
1 ウエハ
3 吐出圧発生素子
4 マスク材
5 インク供給口
6 インク流路パターン
7 樹脂層
8 吐出口
9 切断ライン
10、20、30 被覆層
11、21、31 凹所
12、22、32 開口
13 支持板
14 接着剤
51 ダイシングテープ
52 ダイシングブレード

Claims (7)

  1. 吐出圧発生素子を有する吐出素子チップを備えた液体吐出ヘッドの製造方法において、
    ウエハ上に複数の吐出素子チップを形成する工程と、
    複数の吐出素子チップの間の切断ラインに対応するように、ウエハの裏面に凹所を形成する工程と、
    ウエハの裏面側をダイシングテープにマウントする工程と、
    ダイシングテープにマウントしたウエハを、切断ラインに沿ってダイシングブレードによって切断する切断工程と、を有し、
    前記切断工程において、ダイシングブレードがウエハの裏面側の凹所に突出するまで切り込むとともに、刃先がダイシングテープに到達しないように切り込み量を制御することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. ウエハの裏面に被覆層を形成し、該被覆層をパターニングすることで凹所を形成することを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. ウエハの裏面の凹所の深さが、ダイシングブレードのブレード厚の1/2以上であることを特徴とする請求項1または2記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 請求項1ないし3いずれか1項記載の液体吐出ヘッドの製造方法によって製造されたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  5. 請求項2または3記載の液体吐出ヘッドの製造方法によって製造された液体吐出ヘッドであって、ウエハ裏面の被覆層が、感光性のドライフィルムで形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項2または3記載の液体吐出ヘッドの製造方法によって製造された液体吐出ヘッドであって、ウエハ裏面の被覆層が、ポリエーテルアミド樹脂で形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 請求項2または3記載の液体吐出ヘッドの製造方法によって製造された液体吐出ヘッドであって、ウエハ裏面の被覆層が、酸化シリコンまたは窒化シリコンで形成されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
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