JP2000070665A - 中空筒型脱臭・保温装置 - Google Patents

中空筒型脱臭・保温装置

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JP2000070665A
JP2000070665A JP10246082A JP24608298A JP2000070665A JP 2000070665 A JP2000070665 A JP 2000070665A JP 10246082 A JP10246082 A JP 10246082A JP 24608298 A JP24608298 A JP 24608298A JP 2000070665 A JP2000070665 A JP 2000070665A
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deodorizing
liquid
port
aerating
tank
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JP10246082A
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Haruji Ajita
春次 味田
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NISSO PLANT KENSETSU KK
SHINTO ECO TECHNO KK
ZEORA CHEMICAL KK
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NISSO PLANT KENSETSU KK
SHINTO ECO TECHNO KK
ZEORA CHEMICAL KK
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 敷地面積を必要とせず、建設費も安く、そし
て、寒冷気や雨水による外気温度低下の影響を受けるこ
となく生物学的脱臭法による優れた脱臭効果が得られる
中空筒型脱臭・保温装置を提供する。 【解決手段】 畜産動物の液体糞尿を曝気して光合成細
菌により発酵処理する筒状竪型処理槽の周囲を包囲して
一体的に周設された中空筒型脱臭・保温装置であって、
当該脱臭・保温装置の内部には保温効果を有する有機資
材からなる脱臭材層が形成され、上部には前記筒状竪型
処理槽で得られた発酵処理液をさらに曝気処理してなる
液肥を前記脱臭材層に供給する供給口と前記内部の空気
を吸引して排出する排出口とが設けられていると共に、
下部には臭気を取り込む取込口が設けられ、前記排出口
から吸引することにより前記取込口から取り込まれた臭
気を前記液肥を散布した前記脱臭材層に通過させて脱臭
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、畜産動物の液体糞
尿を曝気して光合成細菌により発酵処理して発酵処理液
を得る筒状竪型処理槽の周囲を包囲して一体的に周設さ
れた中空筒型脱臭・保温装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、畜舎や糞尿処理施設等で発
生した臭気ガスは、水洗法、燃焼法、薬液処理法、空気
希釈法、マスキング法、吸着法、腐植質資材による脱臭
法及び生物学的脱臭法等により処理されている。
【0003】前記生物学的脱臭法は、土壌、ロックウー
ル、堆肥、活性汚泥及びピートモス等の資材に含まれる
水分に臭気ガスを溶解させることにより、また、資材に
臭気ガスを吸着させることにより臭気ガスを一旦資材内
へ取り込み、資材内の微生物の働きにより臭気ガスを無
臭な成分に変える脱臭方法であり、用いる資材に応じて
土壌脱臭法、ロックウール脱臭法、堆肥脱臭法、活性汚
泥脱臭法及びピートモス脱臭法等と呼ばれて古くから実
用されており、最近では、資材として籾殻等を使用し、
該籾殻等に微生物を固定して水分調整等の管理を行って
脱臭する生物学的脱臭法を採用した脱臭装置が畜舎や糞
尿処理施設に並設されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】畜舎、糞尿処理施設及
び堆肥化施設での脱臭対策には、施設費、運転経費及び
維持管理技術面等からみて生物学的脱臭法を採用した脱
臭装置を用いるほうが他の方法を採用した装置によるよ
り適している。しかし、当該脱臭装置であっても別途施
設を設けなければならないため、敷地面積を必要とする
上に建設もコスト高になるという問題点があった。
【0005】また、寒冷気や雨水等による温度低下の影
響を受けて脱臭性能が落ちるという問題点や脱臭に用い
た資材が産業廃棄物になるという問題点があった。
【0006】そこで、本発明者等は、前記問題点を解決
できる新規技術を提供することを技術的課題として、そ
の具現化をはかるべく研究、実験を重ねる中で、畜産動
物の液体糞尿を曝気して光合成細菌により発酵処理する
処理槽内では光合成細菌や好気性微生物等が溶存酸素を
利用して液体糞尿中の有機物を栄養源として増殖するた
め、該有機物は高速に酸化されると共に、液温は60℃以
上まで上昇して急激な発酵が促進され、その結果、当該
液体糞尿は発酵処理された液となること、前記処理槽で
得られた発酵処理液を別途処理槽で更に悪臭のない黒褐
色の粘性が低下した液体になるまで曝気処理すれば、ス
カムがほとんどない取り扱いやすい完熟した液肥になる
こと、そして、当該完熟液肥はこれらの物性の他に生物
活性を合わせ持っているため、畜舎の床洗浄用やスプレ
ー散布用に用いて畜舎内の脱臭、殺菌に利用できること
に着目し、当該完熟液肥を利用すれば、微生物活性に富
んだ脱臭が可能となり、安定した高悪臭除去効率の脱臭
処理が実現できるという着想を得た。
【0007】しかし、生物学的脱臭法では、温度管理が
重要で、特に、冬期の寒冷気を受けると生物の活性が鈍
化或いは停止し、脱臭性能が落ちるという問題点は解決
できないままであった。そこで、更なる研究、実験を重
ねた結果、おが屑や籾殻等の有機資材は保温性と環境順
応性を有しており、当該有機資材に前記完熟液肥を散布
すると共に、当該有機資材を前記処理槽の外装保温材と
しても使用できれば、処理槽内の温度低下を抑えること
ができると共に、有機資材が逆に処理槽で発生した発酵
熱を吸収して適温となり、冬期でも脱臭可能な生物活性
が保たれて脱臭性能を維持できるという刮目すべき知見
を得、前記技術的課題を達成したものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって解決できる。
【0009】即ち、本発明に係る中空筒型脱臭・保温装
置は、畜産動物の液体糞尿を曝気して光合成細菌により
発酵処理する筒状竪型処理槽の周囲を包囲して一体的に
周設された中空筒型脱臭・保温装置であって、当該脱臭
・保温装置の内部には保温効果を有する有機資材からな
る脱臭材層が形成され、上部には前記筒状竪型処理槽で
得られた発酵処理液をさらに曝気処理した液肥を前記脱
臭材層に供給する供給口と前記内部の空気を吸引して排
出する排出口とが設けられていると共に、下部には臭気
を取り込む取込口が設けられ、前記排出口から吸引する
ことにより前記取込口から取り込まれた臭気を前記液肥
を散布した前記脱臭材層に通過させて脱臭するものであ
る。
【0010】また、本発明は、前記中空筒型脱臭・保温
装置において、液肥を、1m3の液体糞尿に対して光合成
細菌を20〜30g加えて50〜75時間曝気した発酵処理液を
さらに50〜75時間曝気して悪臭のない黒褐色低粘性液体
の完熟液肥としたものである。
【0011】さらに、本発明は、前記いずれかの中空筒
型脱臭・保温装置において、有機資材が、おが屑、籾
殻、麦殻、豆殻、落花生殻、細断した稲藁及び細断した
麦藁から少なくとも一つ選ばれるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0013】図1は筒状竪型処理槽に一体的に設けられ
た本発明に係る中空筒型脱臭・保温装置を模型的に示す
一部縦断面側面図、図2は図1に示す中空筒型脱臭・保
温装置の平面図である。なお、図2において、中空筒型
脱臭・保温装置への配管以外の配管は省略している。
【0014】これらの図において、1は畜産動物から排
泄された糞尿や該糞尿が付着した藁及びおが屑等の敷料
等から固形分を分離して得た液体糞尿2を曝気すると共
に、光合成細菌により発酵処理して発酵処理液3を得る
筒状竪型処理槽、4は処理槽1の周囲を包囲して一体的
に周設された中空筒型脱臭・保温装置(以下、単に「脱
臭装置」ともいう。)であり、該脱臭装置4の内部には
おが屑、籾殻、麦殻、豆殻、落花生殻、細断した稲藁及
び細断した麦藁から少なくとも一つ選ばれる有機資材か
らなる保温効果を有する脱臭材層5と砂利等からなる台
層6が形成されている。また、7は前記処理槽1で得ら
れた発酵処理液3を更に悪臭のない粘性が低下した黒褐
色の液体になるまで曝気処理してスカムがほとんどない
取り扱いやすい完熟液肥8にする二次発酵槽である。
【0015】処理槽1において、当該処理槽1の形状は
円筒形竪型で下部9はホッパー状に形成されており、処
理槽1内の下部9近傍には、中央まで伸ばして位置付け
たL字形上向き噴射器10と処理槽1の底近傍まで伸びた
液体糞尿吸込口11とを設けた曝気ポンプ12が設置され、
曝気ポンプ12には外気を取り入れる吸気管13が接続さ
れ、吸気管13の吸気口14は処理槽1の上部15から突出し
て設けられている。そして、曝気ポンプ12の噴射器10に
は他端を処理槽1の近傍に設置された曝気ブロア16に接
続した曝気用エア管17が連結されている。
【0016】処理槽1内中央には、下端部18a にて曝気
ポンプ12の噴射器10の口を外包した煙突状エアーリフト
管18が鉛直に立設され、上端部18b は処理槽1に満たさ
れる液体糞尿2の水面から突き出す位置にあり、該上端
部18b には隙間を有して泡発生用の陣笠状覆い19が取り
付けられている。また、処理槽1の上部15中央は開口し
ており、該開口部15a から泡ガイド用の円筒状センター
ウエル20がエアーリフト管18を囲んで深さエアーリフト
管18の途中まで延出して設けられており、開口部15a に
はプロペラを備えた消泡機21が取り付けられており、該
消泡機21には消泡機21で叩き潰されたスラリー状処理物
22を二次発酵槽7へ送る排水シュート管23が傾斜を設け
て接続されている。さらに、上部15には、光合成細菌体
を処理槽1に投入するための投入口24が設けられている
と共に、液体糞尿2を処理槽1に送り込む流入管25が処
理槽1内に貫通させて連結されている。
【0017】処理槽1の下部9には、他端を液体糞尿2
を一次溜めておく分離液貯留槽(図示せず。)に接続し
たオーバーフロー管26と処理槽1で生成された発酵処理
液3である上澄み液を二次発酵槽7へ取り出す流出管27
とがそれぞれ当該処理槽1を貫通して連結され、処理槽
1内で上方に伸び、オーバーフロー管26においては先端
のフロー口26a を前記エアーリフト管18の上端部18b に
届かない高さに位置付けられ、流出管27においては先端
の流出口27a を前記フロー口26a が位置付けられた高さ
に対して2/3の高さに位置付けられている。さらに、
下部9には、処理槽1の底に溜まった砂や砂利等の沈殿
物を取り出す取出口28が設けられている。
【0018】脱臭装置4において、脱臭装置4の形状は
円筒形中空筒型の横断面リング状に形成されており、脱
臭装置4の上面には、脱臭装置4内に前記有機資材を投
入する投入口29と完熟液肥8を脱臭材層5に供給する供
給口30(図2参照)とが設けられており、該供給口30に
は一端を二次発酵槽7内に設置されたスラリー供給ポン
プ31に接続した供給管32が接続されている。そして、供
給口30は脱臭装置4内の上部を一周するリング管33(図
2参照)に繋がっており、リング管33の下面には等間隔
にスプレー口34(図2参照)が開口している。また、脱
臭装置4の上端部には、脱臭装置4内の空気を吸引して
排出する排出口35(図2参照)が設けられ、該排出口35
には他端を処理槽1の近傍に設置された脱臭ファン36に
接続した吸引管37が接続されている。
【0019】脱臭装置4の下端部には、畜舎、糞尿処理
施設(図示せず。)で発生した悪臭を取り込む取込口38
が設けられていると共に、脱臭装置4内の有機資材を取
り出す取出口39が前記下端部を一周して設けられてお
り、取込口38には畜舎,糞尿処理施設に配管されたダク
ト40が接続されている。また、脱臭装置4の下面には、
脱臭装置4の底に溜まった完熟液肥8を二次発酵槽7へ
戻す排出管41が接続されている。
【0020】二次発酵槽7において、前記排水シュート
管23、流出管27及び排出管41の出口が臨む位置には流れ
込んだ発酵処理液3及びスラリー状処理物22を網目を通
して二次発酵槽7内に流すスクリーン槽43が設けられ、
二次発酵槽7内には、他端を二次発酵槽7の外に設置さ
れた曝気ブロア44に接続したエア管45と二次発酵槽7で
生成される完熟液肥8を取り出す流出管46とが配設され
ており、エア管45の先端近傍には上向きに気泡が噴出す
る噴射ノズル47が取り付けられている。なお、48は一端
を二次発酵槽7に接続されたダクトであり、他端はダク
ト40に連結される。
【0021】次に、液体糞尿2の流れについて説明す
る。
【0022】先ず、糞尿や該糞尿が付着した藁及びおが
屑等の敷料等から固形分を分離する固液分離機(図示せ
ず。)で分離された液体糞尿2は流入管25を通って処理
槽1に注ぎ込まれる。オーバーフロー管26のフロー口26
a を越えて液体糞尿2が注ぎ込まれると、溢れた液体糞
尿2はフロー口26a からオーバーフロー管26を通って液
体糞尿2を一次溜めておく分離液貯留槽に送り込まれ
る。このとき流出管27は閉じられている。液体糞尿2が
フロー口26a まで満たされた後、流入管25は閉じられ、
投入口24から凍結光合成細菌体が投入される。
【0023】続いて、曝気ポンプ12が駆動され、処理槽
1内の液体糞尿2が吸込口11から吸い上げられ、夏場に
おいては吸気口14から取り入れられた外気と混合されて
噴射器10からエアーリフト管18内に噴射される。また、
冬場においては吸気口14は閉じられ、曝気ブロア16から
圧縮熱風がエア管17を通って噴射器10に送られ、液体糞
尿2は熱風と混ざり合って温められた状態でエアーリフ
ト管18内に噴射される。曝気ポンプ12の曝気により空気
と共に攪拌された液体糞尿2は好気発酵されながら気泡
混合状態でエアーリフト管18内を上昇し、エアーリフト
管18の上端部18b から吹き上げられて陣笠状覆い19に衝
突してさらに発泡する。
【0024】覆い19に衝突して発生した泡は消泡機21の
プロペラの回転により吸引されると共に、叩き潰されて
スラリー状処理物22となって洗浄液で洗われながら傾斜
した排水シュート管23内を流れ落ち、二次発酵槽7のス
クリーン槽43に入る。そして、スクリーン槽43でスラリ
ー状処理物22に含まれている脱毛等の不溶解物が濾過さ
れて二次発酵槽7に流れ落ちる。
【0025】一方、好気発酵されながら気泡混合状態で
エアーリフト管18内を上昇した大半の液体糞尿2は円筒
状センターウエル20内を下降し、再び、曝気ポンプ12の
吸込口11から吸い上げられてエアーリフト管18内に噴射
される。
【0026】所望時間(例えば、75時間/ 9m3液体糞尿
量)繰り返された後、流出管27が開けられ、フロー口26
a の水位から流出口27a までの水位にある上澄み液であ
る発酵処理液3が流出管27を通って二次発酵槽7のスク
リーン槽43に入り、発酵処理液3に含まれている脱毛等
の不溶解物が濾過されて二次発酵槽7に流れ落ちる。こ
の時、二次発酵槽7の流出管46は閉じられている。
【0027】流出口27a の位置の水位となった処理槽1
では、流入管25が開けられてフロー口26a の位置まで液
体糞尿2が補充されて発酵処理が繰り返される。
【0028】二次発酵槽7に溜まったスラリー状処理物
22と発酵処理液3とは、曝気ブロア44からエア管45を通
って噴射ノズル47から噴射される圧縮熱風によって曝気
攪拌されることにより、さらに、好気発酵される。
【0029】二次発酵槽7において、所望時間(例え
ば、75時間/ 9m3発酵処理液量)曝気処理して悪臭のな
い粘性の低下した黒褐色の液体となれば、完熟液肥8と
して供給ポンプ31によって供給管32を通って脱臭装置4
の供給口30に送られる。また、一部の完熟液肥8は流出
管46より排出して畜舎内、移送コンベア及び各糞尿処理
施設周辺に散布して臭気発生の抑制とウィルス病の予防
等に利用され、また、前記スラリー状処理物22の洗浄液
としても利用される。
【0030】次に、脱臭方法について説明する。
【0031】供給ポンプ31によって脱臭装置4の供給口
30に送られた完熟液肥8は、リング管33のスプレー口34
から脱臭材層5へ散布される。
【0032】完熟液肥8を所要量(例えば、有機資材37
0kg に対して900 リットル)散布した後、脱臭ファン36
を駆動して吸引すれば、脱臭装置4内が減圧状態とな
り、畜舎、糞尿処理施設に配管されたダクト40から悪臭
が脱臭装置4内へ圧送される。脱臭装置4内へ圧送され
た悪臭は脱臭材層5を通過する過程で悪臭物質を好んで
利用する光合成細菌を含む有機資材と接触して生物学的
脱臭が行われ、無臭状態となって脱臭装置4の排出口35
から吸引管37へ排出されて大気へ放散される。
【0033】初回の完熟液肥8の散布の後、の間欠散布
(例えば、1時間毎に15リットル)を実施すると共に、
脱臭する。
【0034】本発明においては、畜産動物の液体糞尿2
を曝気して光合成細菌により発酵処理する筒状竪型処理
槽1の周囲を包囲するように中空筒型脱臭・保温装置4
を一体的に設けたので、別途脱臭装置を設置する敷地面
積を必要とせず、建設費によるコスト高が解消される。
【0035】また、脱臭装置4内には、おが屑、籾殻、
麦殻、豆殻、落花生殻、細断した稲藁又は細断した麦藁
等の保温効果を有する有機資材からなる脱臭材層5を形
成すると共に、脱臭材層5に処理槽1で得た発酵処理液
3を更に曝気処理してなる完熟液肥8を散布するように
したので、60℃以上になる処理槽1内の発酵処理液3
は、冬期においても脱臭装置4の脱臭材層5により保温
状態となり、処理槽1内の温度低下が抑えられて10〜40
℃が適温とされる生物活性に影響を与えることがない。
また、脱臭材層5の温度は冬期においては処理槽1内の
温度により保持されるので、脱臭効果が損なわれること
はない。さらに、長時間脱臭に使用された有機資材は、
完熟液肥8を含んでいるので、好気発酵後、堆肥肥料と
して圃場利用できるため、産業廃棄物とはならないとい
う利点がある。
【0036】なお、処理槽1及び脱臭装置4は横断面多
角形の筒型であってもよい。また、悪臭の圧送効率を上
げるために、砂利等からなる台層6を設けたが、当該台
層6を省略してもよい。
【0037】有機資材は、おが屑、籾殻、麦殻、豆殻、
落花生殻、細断した稲藁及び細断した麦藁等を単独或い
は複数混合したものを用いればよい。
【0038】また、光合成細菌は市販の凍結菌体を用い
ればよく、光合成細菌の投入量は液体糞尿1m3に対して
5〜50g であればよく、環境条件にもよるが5g 未満で
は不活性又は不安定となりやすく、50g を越える量を投
入しても増量に比例した効果は得られず、経費上好まし
くない。もっとも好ましいのは20〜30g である。
【0039】平均外気温度30℃の夏期においては、2日
間(50時間)〜3日間(75時間)の50時間に近い時間曝
気して発酵処理した発酵処理液3を更に2日間(50時
間)〜3日間(75時間)の50時間に近い時間曝気処理す
れば、また、平均外気温度−10℃の冬期においては、2
日間(50時間)〜3日間(75時間)の75時間に近い時間
曝気して発酵処理した発酵処理液3を更に2日間(50時
間)〜3日間(75時間)の75時間に近い時間曝気処理す
れば、悪臭のない粘性が低下した黒褐色の液体のスカム
がほとんどない取り扱いやすい完熟液肥8となる。当該
完熟液肥8は生物の棲息に必要な水分、栄養分及び活性
に富んだ微生物をバランスよく含んだ脱臭液である。
【0040】完熟液肥8の脱臭材層5への散布量は、初
回は有機資材370kg に対して800 〜1,000 リットルと
し、この後の補充散布は、稼働中、10〜20リットル/1
時間であればよく、夏期では最小値に近い散布量とし、
冬期では最大値に近い散布量とすればよい。
【0041】脱臭ファン36による吸引は1,100 〜1,300m
3 /時とすれば、効率よく脱臭できる。
【0042】リング管33は脱臭装置4の上面上方に設け
られていてもよい。この場合、供給管32はリング管33に
連結され、完熟液肥8の供給口30は脱臭装置4の上面に
等間隔に複数設けられてリング管33と連結され、スプレ
ー口34は脱臭装置4内において供給口30と接続すればよ
い。
【0043】
【実施例】北海道野付郡別海町において実施した。経産
牛100 頭の排泄物5トン/日を固液分離機(スクリュー
プレス:動力3.7kw )に通して固形分を分離し、液体糞
尿2を得た。該液体糞尿2を下部がホッパー状のステン
レス製円筒形竪型処理槽1(内容量:9m3,円筒部の直
径:2m ,円筒部の高さ:約3.15m )に9m3注ぎ込ん
で、投入口24より凍結光合成細菌体(1012生菌体/g)
を225g投入した。
【0044】また、ステンレス製中空円筒形脱臭・保温
装置4(内容量:2.3m3 ,外円の直径:2.45m ,高さ:
3.15m )の内部に砂利からなる深さ25cmの台層6とおが
屑からなる深さ2.5mの脱臭材層5を形成した。
【0045】外気温度27℃の夏期に、曝気ポンプ12(エ
ゼクター付循環水中ポンプ:空気量供給能力:20m3/時
×1.5kw )と泡消機21(気密型300rpm×0.2kw )とを駆
動した。約70時間程度循環曝気したところ、液体糞尿2
は64℃に昇温した。この時点で発酵処理を終了し、フロ
ー口26a の水位から流出口27a までの水位にある3m3
発酵処理液3を二次発酵槽7(内容量:9m3)に入れ、
処理槽1には液体糞尿2を3m3補充して凍結光合成細菌
体を75g 投入すると共に、二次発酵槽7では、曝気ブロ
ア44(0.1kg/m2×0.35m3/分×0.4kw ×25A )を駆動
し、再度、約70時間程度曝気した。二次発酵槽7内の発
酵処理液3は悪臭のない粘性が低下した黒褐色の液体
(完熟液肥8)となった。このときの完熟液肥8の温度
は41℃であった。
【0046】続いて、供給ポンプ31(0.05m3/分×7m
×0.25kw×40A )を駆動して50リットル/分の完熟液肥
8を脱臭装置4内の脱臭材層5に20分散布した。このと
きの脱臭装置4内の温度は43℃であった。
【0047】この後、脱臭ファン36(750m3/時×150mmA
q ×1.5kw )を駆動して畜舎、糞尿処理施設に配管され
たダクト40から悪臭を脱臭装置4内に吸引した。悪臭吸
引中、1時間毎に15リットルの完熟液肥8を間欠散布し
た。
【0048】悪臭にはアンモニアが0.8ppm、トリメチル
アミンが0.004ppm含まれていたが、吸引管37から出てき
た気体中にはいずれも含まれていなかった。
【0049】外気温度−10℃の冬期において実施したと
ころ、液体糞尿2は59℃に昇温し、完熟液肥8の温度は
35℃であった。また、脱臭装置4内の温度は37℃であっ
た。
【0050】悪臭にはアンモニアが7.6ppm、トリメチル
アミンが0.035ppm含まれていたが、吸引管37から出てき
た気体中にはいずれも含まれていなかった。
【0051】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、敷
地面積を必要とせず、建設費も安く、そして、寒冷気や
雨水による外気温度低下の影響を受けることなく生物学
的脱臭法による優れた脱臭効果が得られる中空筒型脱臭
・保温装置を提供することができる。
【0052】従って、本発明の産業上利用性は非常に高
いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】筒状竪型処理槽に一体的に設けられた本発明に
係る中空筒型脱臭・保温装置を模型的に示す一部縦断面
側面図である。
【図2】図1に示す中空筒型脱臭・保温装置の平面図で
ある。
【符号の説明】
1 筒状竪型処理槽 2 液体糞尿 3 発酵処理液 4 中空筒型脱臭・保温装置 5 脱臭材層 7 二次発酵槽 8 完熟液肥 30 供給口 35 排出口 38 取込口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 味田 春次 福島県岩瀬郡岩瀬村大字畑田字みどりが丘 2番地 Fターム(参考) 4C080 AA03 BB02 BB04 CC13 HH03 HH04 JJ01 KK06 LL20 MM33 QQ11 QQ17 QQ20 4D002 AA13 AA14 AB02 AC10 BA04 BA17 CA07 DA59 DA66 GA01 GB20 HA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 畜産動物の液体糞尿を曝気して光合成細
    菌により発酵処理する筒状竪型処理槽の周囲を包囲して
    一体的に周設された中空筒型脱臭・保温装置であって、
    当該脱臭・保温装置の内部には保温効果を有する有機資
    材からなる脱臭材層が形成され、上部には前記筒状竪型
    処理槽で得られた発酵処理液をさらに曝気処理した液肥
    を前記脱臭材層に供給する供給口と前記内部の空気を吸
    引して排出する排出口とが設けられていると共に、下部
    には臭気を取り込む取込口が設けられ、前記排出口から
    吸引することにより前記取込口から取り込まれた臭気を
    前記液肥を散布した前記脱臭材層に通過させて脱臭する
    ことを特徴とする中空筒型脱臭・保温装置。
  2. 【請求項2】 液肥が、1m3の液体糞尿に対して光合成
    細菌を20〜30g加えて50〜75時間曝気した発酵処理液を
    さらに50〜75時間曝気して悪臭のない黒褐色の低粘性液
    体とした完熟液肥である請求項1記載の中空筒型脱臭・
    保温装置。
  3. 【請求項3】 有機資材が、おが屑、籾殻、麦殻、豆
    殻、落花生殻、細断した稲藁及び細断した麦藁から少な
    くとも一つ選ばれるものである請求項1又は2記載の中
    空筒型脱臭・保温装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106039982A (zh) * 2016-07-11 2016-10-26 湖南屎壳郎环境科技有限公司 一种发酵臭气和燃烧烟气的洗涤治理系统及方法
CN115318091A (zh) * 2022-08-10 2022-11-11 河南卡卓生物科技有限公司 一种用于生物有机肥的生物技术高效除臭装置

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CN115318091B (zh) * 2022-08-10 2023-11-03 山西绿福园农业开发有限责任公司 一种用于生物有机肥的生物技术高效除臭装置

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