JP5295014B2 - バイオマス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主として畜産施設、食品産業又は集落排水処理施設等から発生する畜産糞、食品廃棄物その他の有機性廃棄物を嫌気条件下でかつ特別の動力を用いることなく効率的に処理して、その堆肥化を進行させ、かつメタンガスを生成させるバイオマス(再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの)処理装置に関するものである。
これまで、畜産施設から発生する畜産糞、食品産業、集落廃水処理施設等から発生する生ごみ等の有機性廃棄物は、好気的な環境の下で醗酵処理をして、不快な悪臭を削減しながら堆肥化しようとする方法が提案されたり、実行されたりしている。このような好気性醗酵を用いた案では多くの場合、それのみでは悪臭の発生を避けられないので、排気の出口側に以上のように悪臭の削減手段が追加設置される場合が多い。他方、このような有機性廃棄物を嫌気性醗酵を利用し、水を相当量添加して処理する湿式メタン醗酵技術や、これと異なり、水を添加せずに嫌気性醗酵処理を行う乾式メタン醗酵技術も提案され、或いは実行されつつある。
このような畜産糞堆肥を処理する技術の内、好気性醗酵技術を用いる例の一つとして特許文献1がある。
これは、回転ドラム式の発酵槽で攪拌している堆肥用原料中に熱風貫通チャンバーを通じて熱風を均等に接触させるように送り込み、これによって堆肥原料の乾燥と発酵促進とを目論見、かつ発酵槽から排出される悪臭ガスを該熱風貫通チャンバー内に充填した脱臭剤層を通過させて脱臭後に大気中へ放出することとする堆肥用原料の乾燥・発酵促進装置である。
この特許文献1の装置によれば、初期の段階から好気的条件の下で加熱しながら発酵を促進させようとするものであるが、この処理では、加熱のためにかなり大きなエネルギーが必要である上に、悪臭の発生を伴うため、更に脱臭手段の併用も必要となり、装置全体が大がかりで高価なのもとなる。
特許文献2は、連続式バイオマス・ガス化プラントに関するものであり、これは、原料バイオマスを粉砕混合して嫌気発酵槽へ連続投入する投入装置と、胴部を両端の支持チャンバーに回転自在に支持されて機械的に外気から密封されかつ攪拌手段を備えた横置円筒形回転胴体よりなる嫌気発酵槽と、基本部分が嫌気発酵槽と同一構造でありかつ強制通気手段を備えた横置円筒形回転胴体よりなる好気発酵槽と、嫌気・好気両発酵槽を縦列に結合し嫌気発酵残渣を好気発酵槽へ移送する中間移送装置と、好気発酵槽から醗酵残渣を連続的に排出する排出装置とを備え、嫌気発酵槽内で原料バイオマスを分解してメタン等可燃性ガスを発生させ、発生ガスを外部及び所内へ供給し、嫌気発酵残渣を更に好気発酵槽内で熟成させて堆肥化し、堆肥を外部へ供給する連続式バイオマス・ガス化プラントであって、
好気性発酵槽内部に嫌気性醗酵を持続する部分塊を形成させないため、前記中間移送装置が嫌気性醗酵残渣を好気発酵槽内へ一定の時間的割合で連続的に移送するガス化プラントである。
この特許文献2のプラントによれば、原料バイオマスは嫌気発酵槽に投入されると、機械的に密封された横置円筒形回転胴体中で酸素を遮断された嫌気状態で長期間その中に留まってメタンガスを発生しつつ分解され、更に好気性発酵槽に移送された後は強制通気と攪拌の下で好気性醗酵されて堆肥となるとされる。
以上の嫌気処理は約20日間、以上の好気処理は約13日間実行されるとされる。従って、これで、たとえ、効率的にメタンガスを生成させ得、更に良好な堆肥を作成できるとしても、約33日分の原料バイオマスが、このプラントの嫌気発酵槽及び好気発酵槽内に留まり、回転攪拌され、かつ移送されるものであるため、装置全体が相当大がかりとなり、その動作に大量のエネルギーを必要とするものである。そのため、バイオマスの処理コストが非常に高価になると思われる。
特許文献3は、乾式攪拌連続型メタンガス醗酵方法及びその装置に関するものであり、前者は、有機性廃棄物を複数の部屋に仕切ったメタン醗酵前処理ヤードに搬入する有機性廃棄物搬入工程と、前記メタン醗酵前処理ヤード内を異動させながら好気性及び通性嫌気性微生物群の働きにより有機性廃棄物の水分及び有機性基質の分解を調整する好気性発酵工程と、前記有機性廃棄物を空気遮断式投入機で空気を遮断しながらメタン本発酵槽に移送する有機性廃棄物移送工程と、前記メタン本発酵槽内に敷いたレール上を走行する攪拌搬送機により有機性廃棄物を上下に攪拌しながら移動させ、発生したメタンガスをメタン本発酵槽内に張った気密性の高いガスフード内に収容しメタン本発酵槽の上部又は横側に設けたメタンガス吸引取出口からメタンガスを吸引して回収すると共に、メタン本発酵槽に残った有機性廃棄物を空気遮断式搬出機を利用して堆肥熟成ヤードに搬出する嫌気性醗酵工程とからなる乾式攪拌連続型メタンガス醗酵方法である。
上記方法を実施するための装置は、有機性廃棄物を好気性・通性嫌気性微生物群で処理するメタン醗酵前処理ヤードと、その被処理物の貯留槽と、貯留槽から被処理物を空気の遮断状態でメタン本発酵槽に投入する空気遮断式投入機と、メタン発酵生成菌溶液の散布手段、メタンの回収手段及び攪拌搬送手段等を備えたメタン本発酵槽と、該メタン本発酵槽から被処理物を取り出す空気遮断式搬出機と、被処理物を堆肥として保管する堆肥熟成ヤードとで構成したものである。
従って前記方法をこの装置で実施するとすれば、生成するメタンの量や堆肥の量から見て、機械的設備が大規模であり、従前の湿式のメタン醗酵装置の効率と極端な差異は認め難いように思われる。
更に、この装置では、メタン本醗酵槽の密閉空間で、機械的な装置により攪拌、移動を行うものであり、それ故、硫化水素の発生を伴うメタン本醗酵槽内部での装置の耐久性を考慮すると、それらの機械装置は高価な材質で構成する必要があり、多大な初期投資が必要になり、かつメンテナンスのためにも多額の費用がかかることになると思われる。
非特許文献1には、メタン醗酵処理として古くから行われている固形物濃度が低くなりかつ粘度の低い流動性を持つように、水などを相当量添加した湿式のメタン醗酵システムが示されている。
この技術は、古くから行われている中国の豚舎や、欧州のガス塔、近年ではドイツなどの環境先進国で、湿式のメタン醗酵装置として一般化しており、有機性廃棄物に大量の水を添加させることにより流動性をもたらし、電気動力などの回転翼で攪拌し、メタンを発生させ有機物分解及びバイオマスのカスケード的利用を図る環境に好影響を与える方法であり、ドイツなどの欧州では、多くの商業プラントが稼動しており、未来の主流になると思われる。
しかしこの技術は、投入する有機性廃棄物に大量の水を添加しなければならず、全体の装置が高価で大掛かりとなる上に、醗酵処理後の廃液の処理が必要となる。日本の1/3程度の年間降水量と、平坦な土地での麦作主体の国土においては、廃液利用は、肥料循環に預かり、優れた技術であるといえるが、年間降水量が1500mmを越える急峻な土地での水田稲作主体の国土においては、発生する廃液を河川に流す必要が発生し、その為の廃液浄化装置に多大な費用とランニングコストを必要とする。それ故、このような欧州式のバイオガスプラントは、高温多雨の我が国のほか、アジア圏にはなじまないと考える。
特許第2673641号 特開2007−54764 特許第4114169号
Heinz Schulz、Barbara Eder、浮田良則、バイオガス実用技術、第1版、株式会社オーム社、2002年3月1日、P.5
本発明は、動力を用いることなく、主として畜産施設、食品産業又は集落排水処理施設等から発生する畜産糞、食品廃棄物、糞尿その他の有機性廃棄物(バイオマス)の処理に関して、それらの重量を利用して移動及び攪拌処理を行い、それらの有機性廃棄物の構成要素である炭水化物、脂質、たんぱく質から発生する悪臭ガスを資源として利用し得る資化性ガス(メタン)に変換し、バイオマスのカスケード的利用を目的として分解後の残渣物を高濃度の無機物(窒素、リン、カリ、カルシウム、苦土、微量要素等)と灰分(ケイ酸、酸化鉄、アルミナ)とを含む堆肥として取り出し得るようにするバイオマス処理装置を提供することを解決の課題とする。
本発明の1は、一端にバイオマスの投入口を備え、該投入口より低所である他端に被処理物の取出口を備える密閉可能な原料攪拌用空間であって、該投入口から投入された粘度範囲が10〜200Pa・sの流動可能なバイオマスを重力による位置エネルギーを利用して該取出口側に移動させながら嫌気発酵により処理を進行させる原料攪拌用空間と、
前記原料攪拌用空間の該投入口と該取出口との間の複数箇所に配した、移動するバイオマスを複数に切り裂きながら該切り裂かれたバイオマスにカルマン渦を発生させる切り裂き手段であって、山形鋼の複数の長尺部材の長手方向の一方の末端を高所側、他方の末端を低所側として定間隔かつ平行に並べた構成とし、前記原料撹拌用空間の投入口と取出口との間の複数箇所に、該切り裂き手段を、その長尺部材の閉じた側をバイオマスの進行方向と逆向きに、開いた側を進行方向に向けた状態で配し、該切り裂きによってバイオマスから放出させたバイオガスを、長尺部材の開いた側を通じて高所側の末端まで上昇させるように構成した長尺部材の切り裂き手段と、
前記切り裂き手段の高所側の末端に付設した、上昇してくるバイオガスを捕集するガス捕集手段と、
で構成した無動力バイオマス処理装置である。
本発明の2は、本発明の1の無動力バイオマス処理装置に於いて、前記原料攪拌用空間を、前記投入口から前記取出口の方向に長い筒型の密閉可能な空間に構成したものである。
本発明の3は、本発明の1の無動力バイオマス処理装置に於いて、前記原料攪拌用空間を、前記投入口から前記取出口に向かって下降傾斜する、該投入口から該取出口の方向に長い筒型の密閉可能な空間に構成したものである。
本発明の4は、本発明の1の無動力バイオマス処理装置に於いて、
前記原料攪拌用空間を、
縦型の大径円筒体と、
該大径円筒体の中にこれと軸心を一致させて配した小径円筒体と、
該大径円筒体と該小径円筒体との間に、内側部を該小径円筒体の外周に、外側部を該大径円筒体の内周に、それぞれ結合して配した板状螺旋部材と、
により該大径円筒体及び該小径円筒体の上端から下端に向かって螺旋状に延長した螺旋空間として構成したものである。
本発明のは、本発明の1、2、3又は4の無動力バイオマス処理装置において、
前記切り裂き手段を構成する長尺部材の高所側の末端に付設したガス捕集手段に前記原料攪拌用空間外のガス収容タンクに繋がる配管を接続したものである。
本発明の1の無動力バイオマス処理装置によれば、流動可能なバイオマスである有機性廃棄物を投入口から投入すると、その重量により低所の取出口に向かって流動し、取出口に到達して取り出されるに至るまでに、適切に攪拌され、嫌気性醗酵が良好かつ十分に進行し、取り出された被処理物は、若干の熟成処理を加えることで有効な堆肥となし得るものとなる。またこれが、外部から特別なエネルギーを加えることなく経済的に行われる。更に被処理物中に充満するバイオガスを容易に取り出すことができる。
若干詳しく述べる。投入口から投入された流動可能な有機性廃棄物は、前記のように、この処理装置内部の原料攪拌用空間を低所に位置する取出口に向かって徐々に流動する。該原料攪拌用空間は、前記のように、密閉可能な構成であり、その構成に従って密閉される。投入口は開閉自在な蓋体を設置しておくか、投入する有機性廃棄物により閉じられた状態になっている必要がある。こうして原料攪拌用空間は、新たな酸素が供給されない空間となっているため、投入された有機性廃棄物はその内部に残存する酸素が同様に存在する好気性微生物によって消費され、嫌気状態になると、嫌気性微生物の活動が開始し、嫌気性発酵が進行することになる。
嫌気性醗酵が開始した被処理物は、外部の動力を用いることなく、その重量により継続的に低所に向かって流動し、その移動に伴い、前記取出口までの間の複数箇所に配設してある切り裂き手段の複数の山形鋼によって該当する数に適切に切り裂かれ、切り裂かれた被処理物は、その切り裂き時に生じる圧力勾配によりカルマン渦や後方乱流が生じ、これも同様に、動力を用いることなく十分な攪拌が行われ、嫌気性醗酵により生成され、被処理物中に充満していたメタン等のバイオガスが放出され、被処理物中のバイオガス濃度が低下することになる。個々の切り裂き手段は山形鋼で構成したため、その被処理物の進行方向側の開いた側を通じて、以上のように放出されたバイオガスをその高い方の端部側に移動させることができる。それ故、このバイオガスは、該山形鋼の高い方の端部に連通するガス捕集手段を通じて取り出すことが容易にできることになる。こうして嫌気性微生物は、自ら生成した、充満するバイオガスから解放され、また活動を活発化させ得るようになる。被処理物は、これを、切り裂き手段の設置数分だけ繰り返しながら取出口まで移動し、取出口では、十分に醗酵処理が完了した状態で取り出されることとなる。
なお、この処理装置の投入口に投入するバイオマスは、前記のように、流動可能なものである必要があるが、水のように低粘度に過ぎるものは不適当であり、流動するとは云っても適度な粘度が必要である。この処理装置に投入するのに適当な流動性、或いは粘度は、元来動物の肛門から排泄された直後の糞便の粘度と同程度が適切である。少し詳しく述べると、この処理装置に投入するバイオマスの粘度は、動物胃腸内、湖沼の底面などに存在するヘドロ等の粘度程度であるのが最良である。ここで扱う有機性廃棄物は、元来、動物や昆虫が動植物遺体を摂食し、排泄した物体であり、排泄する直前では、動物はもとより昆虫の体内においても生体内活動と重力を利用して嫌気環境の胃腸内で、圧縮、膨張、移動が行われているもので、放出されるゲップやガス等は、胃腸内等で発生する資化性ガスのメタン、硫化水素、炭酸ガスを中心としたガスであり、移動しながらそれらを発生させる最適粘度が糞便の粘度である。
この粘度は、前記の食物残渣や畜産糞尿、その他の有機性廃棄物が腐敗する過程で、必ずと言って良いほどそのようになる粘度であり、それ故、容易に得ることができる粘度でもある。そしてこのような粘度は、前記のように流動させるために必要な粘度であるが、その進行速度は、非常に緩慢で、例えば、1〜10cm/h程度で良いため、それを高く堆積させても自重で横方向に広がって低くなることができる程度の粘度、言い換えれば、10〜200Pa・sの粘度範囲である。マヨネーズ程度の粘度(8Pa・s)では低すぎる。
粘度は、これを更に詳しく述べておくと、投入口から投入するバイオマスである有機性廃棄物は、過乾燥で粘度が高すぎる状態では、不都合であるが、若干過剰に水分が含まれていて、やや粘度が許容範囲より低い程度の状態は許容できる。過剰の水分は、自ずと処理装置の原料攪拌用空間の底部を流れて取出口側に移動してしまうことになるからである。前記のように、こうして有機性廃棄物は自ずと適度な粘度に移行することになる。前記のように過乾燥である場合は、不都合であるが、これは、投入口から投入する際、或いは投入直後に必要な水分を添加することで調整することができる。
なおまた、この処理装置の処理の原理は、動物及び昆虫の体内で行われている、消化作用を応用したもので、動物の消化作用は、栄養摂取のためであり、必要な炭水化物、糖分、アミノ酸を吸収できれば、いつまでもその残渣物を体内に残す必要はない。それ故、該残渣物は嫌気性腐敗分解が不完全な状態で排泄されてしまうが、そのような分解の不完全な残渣物である有機性廃棄物を、前記動物及び昆虫の体内と同じ環境に置くことにより、植物が利用できる、炭酸ガス、メタンガス(燃焼で炭酸ガス)、無機物(肥料)、灰分(土壌)等の最終段階の産物まで変換しようとするものである。また生ごみなどは、たまねぎの皮や、たけのこの皮(リグニン含量が高い)など特殊な場合を除き、動物の消化管内のような環境中に放置しておくと、それだけで、悪臭を発生しながら、数日で腐敗して前述の粘度になっていくものであり、米飯等の腐敗は特に解り易い。
また本発明の1の原料攪拌用空間は、そのサイズは自由であるから、家庭用の小型装置から外食産業の個々の店舗、集落、公共施設、その他の巨大装置までを自由に作成することが可能である。しかも単純な構成であるから、その作成の費用も比較的低額となる。
本発明の2の無動力バイオマス処理装置によれば、極めて簡単な構成であるから、容易に作成でき、その原料攪拌用空間の一端に投入口を、他端に該投入口より低所になる取出口を構成することにより、投入するバイオマスを、その重量により、緩やかな速さで取出口側に移動させ得るものとなる。これは地下又は半地下に作成することも可能である。
本発明の3の無動力バイオマス処理装置によれば、これも極めて簡単な構成であるから、容易に作成可能であり、その原料攪拌用空間の高所側端部に投入口を、低所側端部に取出口を構成することにより、投入するバイオマスを、その重量により、緩やかな速さで取出口側に移動させ得るものとなる。これは、斜面を利用して作成することもできる。またこれも地下又は半地下に作成することも可能である。
本発明の4の無動力バイオマス処理装置によれば、原料攪拌用空間を、同軸状に配した大小の円筒の間の空間に板状螺旋部材を配して構成したものであるため、比較的狭いスペースに大容量の原料攪拌用空間を構成することが可能になったものである。これも、地下に又は半地下に構成することも可能である。
本発明のの無動力バイオマス処理装置によれば、切り裂き手段を構成する山形鋼の長尺部材の長さ方向の上部に集まってきてガス捕集手段に集められたバイオガスをガス収容タンクに収容保管することができる。こうしてバイオガスを有効に利用可能にすることができる。
実施の形態1の無動力バイオマス処理装置の概要を示す模式図。 実施の形態1の処理槽の取出口付近を示す模式図。 実施の形態1の切り裂き手段の断面図。 (a)は、実施の形態1の切り裂き手段の上部とガス捕集部との係合部付近の側面断面図、(b)は正面断面図。 実施の形態2の無動力バイオマス処理装置の概要を示す模式図。 実施の形態3の無動力バイオマス処理装置の概要を示す模式図。 実施の形態3の処理槽の上部のガス捕集部付近を示す模式図。 実施の形態3の切り裂き手段の平面図。 実施の形態3の切り裂き手段の上部とガス捕集部との係合部付近の側面断面図(切り裂き手段は断面していない)。 実施の形態4の無動力バイオマス処理装置の概要を示す模式図。 実施の形態4の無動力バイオマス処理装置の概要を示す一部を切り欠いた模式図。 実施の形態4の無動力バイオマス処理装置の上部の投入口付近を示す拡大斜視図(ガス捕集部省略)。 実施の形態4の無動力バイオマス処理装置の下部の取出口付近を示す拡大斜視図。 実施の形態4の無動力バイオマス処理装置のガス捕集部付近を示す斜視説明図。
以下に四種の発明を実施する形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施の形態1>
この実施の形態1の無動力バイオマス処理装置は、図1に示すように、基本的に、長尺の直方体状の処理槽(原料攪拌用空間)1と、その一端に構成したバイオマスの投入口2と、他端に構成した被処理物の取出口3と、該処理槽1の長さ方向の途中に定間隔で配した切り裂き手段4、4…と、該切り裂き手段4、4…の上部に各々配したガス捕集部5、5…であって、処理槽1の外部のバルーン(バイオガスの保管手段)に繋がる配管に接続するガス捕集部5、5…とで構成したものである。なお、この実施例1は、既存の動力による攪拌手段を備えたバイオマス処理槽から攪拌手段等の既存の手段を取り除いて本装置に転用する場合の例である。
前記処理槽1は、同図に示すように、この実施の形態1では、幅4m、深さ2.7m、長さ24mのコンクリート製の長尺直方体状の槽であり、その上端が地表面と一致するように地下に埋設状態に作成したものである。またこの処理槽1は基本的に水平に配してある。その一端の前記投入口2に接続する部分は、その底面11を端部から内側に向かって下降傾斜する傾斜面12に構成し、その端部には、脚板13を垂下させ、底面下に構成したコンクリートのベース6上に支持させるようにしてある。なお、図1では、該処理槽1の内部を視認可能にする趣旨で、天板14を除去して示してある。
前記投入口2は、図1に示すように、この実施の形態1では、該処理槽1の傾斜面12の構成してある端部上に二つの断面ほぼ正方形の角筒体21、22を直立状態に配して構成したものである。この角筒体21、22は、該処理槽1の幅方向に並べて同一幅になるように構成したものである。該角筒体21、22の該処理槽1の後端に対応する側辺は、後端と一致させて接合し、該処理槽1の両側壁板17、18に対応する該角筒体21、22の側辺は部分的に他端側に延長した上で、該両側壁板17、18と各々一致させて接合したものである。また両角筒体21、22の相互に接合する側辺は下方に延長し、その下端を前記傾斜面12に当接接合したものである。
またこの投入口2の高さは、ここに投入する有機質原料の重量によって、前記のように、処理槽1中に満たされた状態の後記所定の粘度の有機質原料を、処理槽1中の切り裂き手段4、4…等による抵抗を受けながらも、前記取出口3側に押圧して進行させ得る高さに設定する。必要な重量を確保しうる量の有機質原料を投入できるように設定する。この実施の形態1では該投入口2の上端の高さを、2.4mとした。
なお、この投入口2を構成する角筒体21、22も処理槽1と同様にコンクリートによって構成する。
なおまた、この実施の形態1では、該投入口2には、蓋は構成しない。投入口2に50cm以上の厚さで有機質原料が充填状態になっていれば、処理槽1の内部の空間と外気の間でほとんど通気を生じないので、処理槽1の内部の嫌気状態に悪影響を与えるおそれはないからである。勿論、投入される有機質原料が、前記したように、動物の肛門から排泄された直後の糞便の粘度と同程度(10〜200Pa・s)であることが前提である。
前記取出口3は、この実施の形態1では、図2に示すように、処理槽1の前記投入口2を構成した端部と反対側の端部上面を開口してそれにしたものである。この端部上面の天板には、以上のように開口部を構成し、これを取出口3とするものであるが、これには、この実施の形態1では、蓋を構成していない。蓋を配しても良いが、もし必要があれば、ビニールシート等を配しておく程度で不都合はない。
この取出口3では、投入口2から投入される有機性原料の重量(位置エネルギー)により後から押されて流動してきた被処理物が押し上げられ、徐々に流出することになる。適切な単位時間当たりの投入量で有機性原料の投入を継続すると、投入物は、処理槽1内の適切な滞留時間を経過して十分な嫌気性処理を受けて該取出口3に押し上げられて流出することになる。被処理物の取り出しは、このように、取出口3から流出する被処理物を掻き出すことによって行うことができる。
取出口3は、この実施の形態1では、このように構成したので、通常、その開口部の縁まで被処理物が満たされた状態になって閉じているので、云うまでもなく、処理槽1の内部と外気との間の通気が生じることは殆どない。
前記切り裂き手段4、4…は、この実施の形態1では、図3に示すように、その各々は等辺山形鋼で構成したものであり、その長尺部材の複数本を、図1に示すように、定間隔かつ平行に並べた構成としたものである。このようにして構成した複数本の切り裂き手段4、4…からなる組を、同図に示すように、該処理槽1の投入口2と取出口3との間の複数箇所に、該切り裂き手段4、4…の閉じた側を被処理物の進行方向と逆向きに(上流側に)、開いた側を進行方向に(下流側に)向けた状態にして配したものである。
各組の切り裂き手段4、4…の間隔は、ここを通過する被処理物を満遍なく切り裂き、その中に充満している殆どのバイオガスを解放することができるように設定する。概ね各切り裂き手段4、4…の組の間隔は、被処理物の移動長さ、即ち、処理槽1の長さの1/10〜1/50程度が適当であり、各組の個々の切り裂き手段4、4…の間隔は、被処理物の移動する領域の幅、即ち、処理槽1の幅の1/2〜1/20程度が適当である。この実施の形態では、切り裂き手段4、4…の各組間の間隔を2mに、各組の隣接する切り裂き手段4、4間の間隔を0.8mに設定した。
前記被処理物は、前記投入口2から順次投入され後行する有機質原料の重量により押圧されて、これらの切り裂き手段4、4…の周囲を通過することになる。このとき、該被処理物は、該切り裂き手段4、4…の設置位置では、該切り裂き手段4、4…の数に切り裂かれ、切り裂かれた被処理物は、その切り裂き時に、被処理物それ自体の進行に伴う切り裂き幅の拡大によって生じる圧力勾配により、カルマン渦や後方乱流が生じ、動力を用いることなく十分に攪拌されることになる。こうして嫌気性醗酵により生成され、被処理物中に充満していたメタンガス等のバイオガスが放出され、被処理物中のバイオガス濃度が低下することになる。これにより嫌気性微生物は、自ら生成した、充満するバイオガスから解放され、また活動を活発化させ得るようになる。
該処理槽1の投入口2側と取出口3側との間に配する複数の切り裂き手段4、4…の組は、該処理槽1の上流から下流に移動する被処理物中に嫌気性微生物の活動で生じたバイオガスが所定量以上に充満し、該嫌気性微生物の活動が停止するより前に、該バイオガスを解放し得るように、隣接する相互の組の間隔を設定すべきものである。この実施の形態1では、前記のように、2m毎に設置することにしたが、これも以上の条件に当て嵌まる適切な範囲に入っているものである。各組の隣接する切り裂き手段4、4相互の間隔は、前記のように、0.8mに設定したが、これも同様に、以上の条件に当て嵌まる適切な範囲に入っているものである。
前記ガス捕集部5、5…は、図1及び図4(a)、(b)に示すように、前記各組の切り裂き手段4、4…の上端に接続した状態に配した断面ロ字形の長尺部材で構成したものであり、その両端を処理槽1の両側壁板17、18に当接状態で固設したものである。該ガス捕集部5、5…は、図4(a)、(b)に示すように、その底板部に接続孔を開口し、これに切り裂き手段4の上端を挿入して固定する。該ガス捕集部5の天板部と切り裂き手段4の上端とは基本的に一部しか接しないようにし、該切り裂き手段4をバイオガスが該ガス捕集部5の内部をその長さ方向に自由に移動可能な状態に接続する。また該ガス捕集部5、5…は、水平に配しても良いが、その一端側から他端側へ若干高くなるように僅かな傾斜を付けて配するのが適当である。この実施の形態1では、該ガス捕集部5、5…をその一端側から他端側(図1中手前側)に向かって若干の上向き傾斜を付けたものとした。
該ガス捕集部5、5…の他端側(図1中手前側)を固設した処理槽1の側壁板18には、各端部に連通する連通孔16、16…を開け、該側壁板18の外面側に角状管(配管)7をその長さ方向に沿って配し、該角状管7の側壁に開口した該連通孔と同数の導入口を相互に一致させ、該ガス捕集部5、5…で捕集したバイオガスを該角状管7に導入できるようにしたものである。なお、該角状管7の処理槽1の取出口3側の端部は閉じたものとしてあり、これと反対側は、図示していないが、途中から円筒状のパイプ(配管)に接続し、同様に図示していないバルーン(ガス収容タンク)に接続している。なお、バイオガスは該バルーンに代えて、一般のガスタンクに保管することとしても不都合ではない。
この実施の形態1の無動力バイオマス処理装置によれば、流動可能な有機性原料(廃棄物)を投入口2から投入すると、その重量により順次処理槽1の投入口2側に流下し、更に投入口2からの投入を繰り返すと、その重量により取出口3側に向かって流動し、取出口3に到達して取り出されるに至るまでに、適切に攪拌されて嫌気性醗酵が良好かつ十分に進行し、取り出された被処理物は、若干の熟成処理を加えることで有効な堆肥となし得るものとなる。また途中では、バイオガスを発生し、これを取り出すことができる。そして、これが外部から特別なエネルギーを加えることなく経済的に行われる。
以上を若干詳しく述べる。
有機性原料は、前記のように種々の廃棄物を利用する。例えば、畜産施設から発生する畜産糞、食品産業から発生する食品屑や残飯、集落廃水処理施設等から発生する汚泥等であり、これらを、選択して、例えば、有機質炭素源材料と有機質窒素源材料とを炭素率10〜20になるように加え合わせる等の調整をした上で投入することが好ましい。より具体的には、前記有機質炭素源材料として、牛糞、馬糞、羊糞を含む草食動物の糞又はこれらの二種以上のものの混合物、若しくはこれらのいずれか一種又は二種以上のものとおが屑、わら、籾殻、バーク又は間伐材のチップとの混合物等を採用することができる。また前記有機質窒素源材料として、鶏糞、豚糞を含む雑食動物の糞又は魚介類のあら、或いはこれらの二種以上のものの混合物を採用することができる。
これら以外の材料でも不都合であると云うわけではないが、バイオガスの生成及び被処理物の堆肥化を前提とすると、以上のように成分の調整を行っておくことが好ましい。この実施の形態1では、前記の炭素率10〜20になる有機質炭素原材料と有機質窒素原材料との加え合わせを、牛糞と鶏糞又は豚糞とを体積比で1:1前後で加え合わせることにより実行することとした。
またこれらの有機性原料は、その粘度が、前記のように、動物の肛門から排泄された直後の糞便の粘度と同程度(10〜200Pa・s)であれば、その調整は必要ではないが、それより粘度が高い場合は、水分を加える等により粘度を調整してから投入する。或いは投入直後に水分を加えて調整する。
投入口2の個々の角筒体21、22に投入された有機性原料は、自重により降下し、処理槽1中に流下し、更に該処理槽1の最上流部の傾斜面12を流下する。処理槽1の傾斜のない底面11上に移動した有機性原料は引き続いて高所の投入口2から投入される有機性原料の位置エネルギー(重量)により押圧されて下流側である取出口3に向かって移動する。
投入口2から投入された有機性原料には、この装置の内部、即ち、投入口の有機性原料の外面から概ね50cmを越える内側付近から取出口3内の被処理物の外面から概ね50cmを越える内側までは殆ど外気との間の通気が生じない。それ故、この装置の内部は新たな酸素が供給されない空間となっている。従って、投入直後の有機性原料内部では、その内部に存する酸素を用いた好気性微生物の活動が若干行われるが、新たな酸素の供給がないので、その酸素が好気性微生物の活動で消費されると、忽ち嫌気状態になる。こうして嫌気状態になると、嫌気性微生物が活動を開始し、嫌気性発酵が進行することになる。
嫌気性醗酵が開始した有機性原料は、先に述べたように、引き続いて投入口2に投入される有機性原料の重量により、外部の動力を用いることなく、継続的に下流側に向かって流動し、その移動に伴い、前記取出口3までの間の複数箇所に配設してある切り裂き手段4、4…で、それぞれ複数に切り裂かれ、切り裂かれた被処理物は、その切り裂き時に生じる圧力勾配によりカルマン渦や後方乱流が生じ、これも同様に、動力を用いることなく十分な攪拌が行われ、嫌気性醗酵により生成され、被処理物中に充満していたメタン等のバイオガスが放出され、被処理物中のバイオガス濃度が低下することになる。こうして嫌気性微生物は、自ら生成した、充満するバイオガスから解放され、また活動を活発化させ得るようになる。被処理物は、これを、切り裂き手段4、4…の組の設置数分だけ繰り返しながら取出口3まで移動し、取出口3では、十分に醗酵処理が完了した状態で取り出されることとなる。
被処理物の移動速度は、十分な醗酵処理の完了までに必要とする概ね20〜60日程度の処理期間を前提に調整する。この装置の処理槽1は、前記のように、この実施の形態1では、その長さを24mに設定したものであるから、この処理槽1の投入口2の端部から取出口3の端部までをその処理槽1の長さに応じて30日程度で移動する速度に調整するのが適当である。従って被処理物の速度は0.8m/日程度に調整するのが適当であることになる。この速度の調整は、投入口2からの単位時間当たりの有機性原料の投入量及び取出口3からの被処理物の単位時間当たりの取り出し量を調整することで行う。
前記嫌気性醗酵で生成したバイオガスは、前記のように、被処理物が切り裂き手段4、4…の間を通過する際に切り裂かれ、被処理物からその切り裂き空間に放出されるが、そのバイオガスは、切り裂き手段4、4…を構成する、この実施の形態1では、等辺山形鋼の開いた側を通じて上昇し、その最上部に配したガス捕集部5、5…中に導入され、該ガス捕集部5、5…中を移動して処理槽1の一方の側壁板18側に移動し、これに開口した連通孔16、16…及び角状管7の導入口を通じて、該角状管7中に導入され、更にこれ及び図示しないパイプを介して同様に図示しないバルーンに移送されることになる。
前記取出口3では、前記したように、被処理物の移動速度を概ね0.8m/日程度に調整しうるように、被処理物の取り出しを行う。この取り出しは、先に述べたように、取出口3に押し上げられ、流出しようとする被処理物を種々の手段、例えば、人力によりスコップ等を用いて掻き出し、或いは油圧ショベル等を用いて掻き出すことにより所要量を取り出す。
取り出した被処理物は、更に好気状態で若干の熟成処理を行って堆肥化することができる。
以上のように、この実施の形態1の無動力バイオマス処理装置によれば、被処理物の移動は、投入口2に投入される有機性原料の重量によって行われ、かつその攪拌動作も、被処理物の移動を利用して移動途中に配された切り裂き手段4、4…によっておこなわれるため、何らかの動力を必要とするのは、有機性原料の投入口2からの投入及び取出口3からの被処理物の取り出しに限られる。また処理槽1内部は高度の嫌気状態を維持できるため、嫌気性醗酵が良好に行われ、その過程で発生するバイオガスは、切り裂き手段4、4…による切り裂き動作に伴って取り出され、それが利用可能となる。これによって更に嫌気性微生物の活動を良好に維持することができる。またこのような良好な嫌気性処理の後に取出口から取り出される被処理物は、前記のように、若干の熟成処理を施すことで優良な堆肥として用いることができることにもなる。
<実施の形態2>
この実施の形態2の無動力バイオマス処理装置は、図5に示すように、基本的に、長尺の直方体状の処理槽(原料攪拌用空間)1aと、その一端に構成したバイオマスの投入口2aと、他端に構成した被処理物の取出口3aと、該処理槽1aの長さ方向の途中に定間隔で配した切り裂き手段4a、4a…と、該切り裂き手段4a、4a…の上部に各々配したガス捕集部5a、5a…であって、処理槽1aの外部のバルーンに繋がる配管に接続するガス捕集部5a、5a…とで構成したものである。
前記処理槽1aは、同図に示すように、この実施の形態2では、実施の形態1のそれと同様に、幅4m、深さ2.7m、長さ24mのコンクリート製の長尺直方体状の槽に構成したものであるが、実施の形態1のそれとは異なり、投入口2a側、即ち、図中、右端側を高く左端側を低くなるように傾斜状に配したものである。この実施の形態2では、設置位置が傾斜状態であったので、それに対応する傾斜状態で、上端が地表面と一致するように地下に埋設状態に配したものである。この傾斜は、1/100〜1/10(垂辺/底辺)が適当であるが、この実施の形態2では、その設置エリアの関係で、1/40を採用した。
前記投入口2aは、図5に示すように、この実施の形態2では、該処理槽1aの入口側端部、即ち、図5中、右端の天板に構成した開口部とする。この投入口2aには蓋体は特に配しない。有機性原料をなるべく投入口2aの口部縁に接する程度に投入しておき、必要があれば、その有機性原料の上面にビニールシート等を被覆して閉じれば良い。こうして処理槽1内に外気が導入されることがないようにすることができる。
前記取出口3aは、この実施の形態2では、実施の形態1の取出口3と全く同様に構成した。
前記切り裂き手段4a、4a…も、実施の形態1の切り裂き手段4、4…と全く同様の構成であり、更にガス捕集部5a、5a…並びに該ガス捕集部5a、5a…からバルーンに繋がる配管である連通孔1a6、1a6…及び角状管7a等も実施の形態1の連通孔16、16…及び角状管7と全く同様の構成である。従ってそれらの詳細な説明は省略する。若干異なる部分もあるのでその部分のみ説明する。異なっているのは、切り裂き手段4a、4a…の組の設置間隔及び隣接する切り裂き手段4a、4aの間隔である。前者の間隔は、この実施の形態2では、1.6mに、後者の間隔は、0.5mに、それぞれ設置した。
従ってこの実施の形態2の無動力バイオマス処理装置によれば、流動可能な有機性原料を投入口2aから投入すると、処理槽1aの最上流部に流入し、その重量により下流側(取出口3a側)に向かって流動し、取出口3aに到達して取り出されるに至るまでに、適切に攪拌されつつ嫌気性醗酵が良好かつ十分に進行し、取り出された被処理物は、若干の熟成処理を加えることで有効な堆肥となし得るものとなる。また途中では、バイオガスを発生し、これを取り出すことができる。そして、これが外部から特別なエネルギーを加えることなく経済的に行われる。
有機性原料は、実施の形態1で説明したものと同様のものを投入する。また有機性原料の粘度も実施の形態1で説明したものと同様である。
投入口2aから順次有機性原料が投入されると、処理槽1aの内部は有機性原料で満たされることになるが、前記実施の形態1の場合と同様に、投入された有機性原料の外面から概ね50cmを越える内側付近から取出口3a内の被処理物の外面から概ね50cmを越える内側までは殆ど外気との間の通気が生じない。それ故、投入直後の有機性原料内部では、その内部に残存する酸素を用いた好気性微生物の活動が若干行われるが、新たな酸素の供給はないので、残存酸素が好気性微生物の活動で消費されると、忽ち嫌気状態になる。こうして嫌気状態になると、云うまでもなく、嫌気性微生物が活動を開始し、嫌気性発酵が進行することになる。
嫌気性醗酵が開始した有機性原料は、それ自体の重量により、外部の動力を用いることなく、継続的に下流側に向かって流動し、その移動に伴い、前記取出口3aまでの間の複数箇所に配設してある切り裂き手段4a、4a…で、それぞれ複数に切り裂かれ、切り裂かれた被処理物は、その切り裂き時に生じる圧力勾配によりカルマン渦や後方乱流が生じ、これも同様に、動力を用いることなく十分な攪拌が行われ、嫌気性醗酵により生成され、被処理物中に充満していたメタン等のバイオガスが放出され、被処理物中のバイオガス濃度が低下することになる。こうして嫌気性微生物は、自ら生成した、充満するバイオガスから解放され、また活動を活発化させ得るようになる。被処理物は、これを、切り裂き手段4a、4a…の組の設置数分だけこれを繰り返しながら取出口3aまで移動し、取出口3aでは、十分に醗酵処理が完了した状態で取り出されることとなる。
被処理物の移動速度は、十分な醗酵処理の完了までに必要とする概ね20〜60日程度の処理期間を前提に調整する。この実施の形態2では、やはり処理槽1aの長さに応じて実施の形態1と同様に、処理期間を30日に設定した。それ故、この点に関しては全て実施の形態1と同様である。
前記嫌気性醗酵で生成したバイオガスは、前記のように、切り裂き手段4a、4a…の間を通過する際に切り裂かれ、被処理物からその切り裂き空間に放出されるが、このバイオガスは、実施の形態1で説明したのと全く同様の過程を経て、ガス捕集部5a、5a…、連通孔1a6、1a6…、角状管7aの導入口、該角状管7a及び図示しないパイプを介して同様に図示しないバルーンに移送されることになる。
前記取出口3aでも、実施の形態1の場合と同様に、被処理物の移動速度を概ね0.8m/日程度に調整しうるように、被処理物の取り出しを行う。この取り出しも、実施の形態1で説明したのと全く同様に行う。取り出した被処理物は、更に好気状態で若干の熟成処理を行って堆肥化することができる。
以上のように、この実施の形態2の無動力バイオマス処理装置も被処理物の移動は、その自重によって行われ、かつその攪拌動作も、自重による被処理物の移動を利用してその移動途中に配された切り裂き手段4a、4a…によっておこなわれるため、何らかの動力を必要とするのは、有機性原料の投入口2aからの投入及び取出口3aからの被処理物の取り出しに限られる。また処理槽1a内部は高度の嫌気状態を維持できるため、実施の形態1と同様に、嫌気性醗酵が良好に行われ、その過程で発生するバイオガスは、切り裂き手段4a、4a…による切り裂き動作に伴って取り出されそれが利用可能となる。これによって更に嫌気性微生物の活動を良好に維持することができる。またこのような良好な嫌気性処理の後に取出口3aから取り出される被処理物は、前記のように、若干の熟成処理を施すことで優良な堆肥として用いることができることにもなる。
<実施の形態3>
この実施の形態3の無動力バイオマス処理装置は、図6に示すように、基本的に、縦型の大径円筒体1b1と、該大径円筒体1b1の中にこれと軸心を一致させて配した小径円筒体1b2と、該大径円筒体1b1と該小径円筒体1b2との間に、内側部を該小径円筒体1b2の外周に、外側部を該大径円筒体1b1の内周に、それぞれ結合して配した板状螺旋部材1b3とにより該大径円筒体1b1及び該小径円筒体1b2の上端から下端に向かって螺旋状に下降する螺旋空間を構成した円筒状の処理槽1bと、該円筒状の処理槽1bの螺旋空間の上端に構成したバイオマスの投入口2bと、該円筒状の処理槽1bの螺旋空間の下端に構成した被処理物の取出口3bと、該処理槽1bの旋回下降路の途中に定間隔で配した切り裂き手段4b、4b…と、該切り裂き手段4b、4b…の上部に各々配したガス捕集部5b、5b…であって、処理槽1bの外部のバルーンに繋がる配管に接続するガス捕集部5b、5b…とで構成したものである。
前記処理槽1bの大径円筒体1b1は、この実施の形態3では、直径2m、高さ2mの金属製の円筒体であり、前記小径円筒体1b2は、直径0.4m、高さ2mの金属製の円筒体である。前記板状螺旋部材1b3は、金属板材で構成した部材であり、この実施の形態3では、該大径円筒体1b1と小径円筒体1b2との間をそれらの上端から下端まで 4ターンで下降するように構成したものである。またこの処理槽1bは、地中に埋設し、その上端を地表面とほぼ一致させるように構成したものである。
前記投入口2bは、図6に示すように、この実施の形態3では、該処理槽1bの上端の図示しない天板に開口してある開口部である。なお、該天板は、円板状の部材であり、前記大径円筒体1b1及び小径円筒体1b2の双方の上端に下面が密接する状態で固定してあるものである。該投入口2bは、前記板状螺旋部材1b3の上端が該天板の下面に接する部位から下降しながら約45度ほど旋回する部位の上部までの範囲で天板を切り欠いて構成したものである。なお、この投入口2bには、該板状螺旋部材1b3と接する側の端部にヒンジを介して図示しない蓋体を開閉自在に取り付けてある。
前記取出口3bは、この実施の形態3では、図6に示すように、処理槽1bの最下部で、前記大径円筒体1b1の周側部に開口状態に構成したものである。より詳しくは、該取出口3bは、前記板状螺旋部材1b3の下端が該処理槽1bの底板に接する部位の直前で、該大径円筒体1b1の周側部に開口状態に構成する。この取出口3bには、図6に示すように、該大径円筒体1b1の周側部に昇降自在に配した蓋体3b1が付設してあり、これによって開閉可能に構成してある。
前記切り裂き手段4b、4b…は、この実施の形態3では、図7〜図9に示すように、その各々は等辺山形鋼の山形部の頂稜部を板状にして延長した形状とした長尺の鋼材で構成したものであり、その長尺鋼材の複数本を直列に並べた各組のそれを、図6及び図7に示すように、定角度間隔(約90度の角度間隔)で前記板状螺旋部材1b3の上に直立状態に並べて配した構成としたものである。なお、この切り裂き手段4b、4b…は、この実施の形態3では、特に図8及び図9に示すように、等辺山形鋼の頂稜部に、前記の延長状態になるように、平鋼(フラットバー)4b1を溶接して構成した。平鋼4b1で構成される頂稜部は切り裂き手段4b、4b…を補強する意味もある。
またこの切り裂き手段4b、4b…を配設するのは、投入口2bと取出口3bとの間であり、その間に、以上のように、90度の角度間隔で取り付ける訳である。なお、前記投入口1bから360度下方に旋回した部位以下でも、以上の切り裂き手段4b、4b…は、板状螺旋部材1b3の上に設置することには変わりないが、該切り裂き手段4b、4b…の上端は、上方に位置する該板状螺旋部材1b3の底面下に位置することとなる。これらの切り裂き手段4b、4b…は、その閉じた側を被処理物の進行方向と逆向きに(上流側に)、開いた側を進行方向に(下流側に)向けた状態にして配する。
該処理槽1bの投入口2b側と取出口3b側との間に配する複数の切り裂き手段4b、4b…の組は、該処理槽1bの上流から下流に移動する被処理物中に嫌気性微生物の活動で生じたバイオガスが所定量以上に充満し、該嫌気性微生物の活動が停止するより前に、該バイオガスを解放し得るように、隣接する相互の組の間隔を設定する必要がある。この実施の形態3では、先に述べたように、上記の趣旨で、旋回下降する板状螺旋部材1b3上に90度の角度間隔で設置することとしたが、これで概ね以上の趣旨に対応できる。
また各組の切り裂き手段4b、4b…の隣接する相互の間隔は、ここを通過する被処理物を満遍なく切り裂き、その中に充満している殆どのバイオガスを解放することができるように設定する。この実施の形態3では、隣接する各切り裂き手段4b、4bの中心間の間隔を0.2mに設定した。
前記投入口2bから投入された有機性原料は、その上面から50cm程下方以下では、外気に曝されることはないので、その内部に残存する酸素は存在している好気性微生物により消費され、忽ち嫌気状態となる。そして、大径円筒体1b1と小径円筒体1b2の間で板状螺旋部材1b3上の螺旋斜面を、動力を用いることなく、その自重により徐々に下降して行くことになるが、この下降過程で、前記切り裂き手段4b、4b…の周囲を通過することになる。このとき、該被処理物は、該切り裂き手段4b、4b…の設置位置では、該切り裂き手段4b、4b…の数に切り裂かれ、実施の形態1、2と同様に、切り裂かれた被処理物は、その切り裂き時に生じる圧力勾配によりカルマン渦や後方乱流が生じ、動力を用いることなく十分に攪拌されることになる。こうして嫌気性醗酵により生成され、被処理物中に充満していたメタンガス等のバイオガスが放出され、被処理物中のバイオガス濃度が低下することになる。これにより嫌気性微生物は、自ら生成した、充満するバイオガスから解放され、また活動を活発化させ得るようになる。
前記ガス捕集部5b、5b…は、図9に示すように、前記各組の切り裂き手段4b、4b…の上端に配した断面逆U字形の長尺部材と、その上流側に位置する垂下側片に垂下長さを延長するために接合した同一長さ寸法の平鋼5b1とで構成したものであり、図6及び図7に示すように、その外端は処理槽1bの外周側を構成する大径円筒1b1の周側内面に当接固定し、その内端は処理槽1bの中心円筒空間を構成する小径円筒体1b2の周側に当接固設したものである。
なお、該ガス捕集部5b、5b…は、実施の形態1のそれと同様の構成で接続するものである。また該ガス捕集部5b、5b…は、この実施の形態3では、その外端側から内端側へ若干高くなるように僅かな傾斜を付けて配したものとした。
該ガス捕集部5b、5b…の内端側を固設した小径円筒体1b2の周側には、その内部に連通する連通孔1b2h、1b2h…を開け、該ガス捕集部5b、5b…で捕集したバイオガスは該小径円筒体1b2内に導かれるようになっている。またこの処理槽1bの図示しない天板の中央部には吐出孔を開口し、この吐出孔に円筒状のガス管(配管)を接続し、これを介して、該小径円筒体1b2を図示しないバルーンに接続し、バイオガスを該バルーンに送給して保管できるようにしている。なお、バイオガスは、該バルーンに代えて、一般のガスタンクに保管することとしても不都合ではない。
従ってこの実施の形態3の無動力バイオマス処理装置によれば、流動可能な有機性原料(廃棄物)を投入口2bから投入すると、その重量により板状螺旋部材1b3上を緩やかに流動下降し、最終的に取出口3bに到達して取り出されるに至るまで、適切に攪拌されて嫌気性醗酵が良好かつ十分に進行し、該取出口3bで取り出された被処理物は、若干の熟成処理を加えることで有効な堆肥となし得るものとなる。また途中では、バイオガスを発生し、これを取り出すことができる。そして、これらの処理が外部から特別なエネルギーを加えることなく経済的に行われる。
以上を若干詳しく述べる。
有機性原料は、前記のように種々の廃棄物を利用する。これは、実施の形態1で説明したものと、材料の種別の面及び粘度の面等のいずれの面でも全く同様である。
有機性原料は、最上部に位置する投入口2bからその蓋体を開けて投入する。投入された有機性原料は板状螺旋部材1b3上を自重により旋回しながら降下し、前記のように、取出口3bに向かって移動する。
この実施の形態3でも、前記投入口2bから投入された有機性原料には、この装置の内部、即ち、投入口2b付近の有機性原料の外面から概ね50cmを越える内側付近から取出口3b内の被処理物の外面から概ね50cmを越える内側までの間では殆ど外気との間の通気が生じない。それ故、この実施の形態3の装置の内部は、先に説明した実施の形態1、2のそれと同様に、新たな酸素が供給されない空間となっている。従って、投入直後の有機性原料内部では、その内部に存する酸素を用いた好気性微生物の活動が若干行われるが、新たな酸素の供給はないので、その酸素が好気性微生物の活動で消費されると、忽ち嫌気状態になる。こうして嫌気状態になると、嫌気性微生物が活動を開始し、嫌気性発酵が進行することになる。
嫌気性醗酵が開始した有機性原料は、先に述べたように、有機性原料のそれ自体の重量により、外部の動力を用いることなく、継続的に下流側に向かって流動し、その移動に伴い、前記取出口3bまでの間の複数箇所に配設してある切り裂き手段4b、4b…で、それぞれ複数に切り裂かれ、切り裂かれた被処理物は、その切り裂き時に生じる圧力勾配によりカルマン渦や後方乱流が生じ、これも同様に、動力を用いることなく十分な攪拌が行われ、嫌気性醗酵により生成され、被処理物中に充満していたメタン等のバイオガスが放出され、被処理物中のバイオガス濃度が低下することになる。こうして嫌気性微生物は、自ら生成した、充満するバイオガスから解放され、また更に活動を活発化させ得るようになる。被処理物は、これを、切り裂き手段4b、4b…の組の設置数分だけ繰り返しながら取出口3bまで旋回移動し、取出口3bでは、十分に醗酵処理が完了した状態で取り出されることとなる。
被処理物の移動速度は、この実施の形態3でも、十分な醗酵処理の完了までに必要とする概ね20〜60日程度の処理期間を前提に調整する。この実施の形態3では、処理槽1bを構成する大径円筒体1b1の高さを2mに、直径を2mに構成し、小径円筒体1b2の高さを2mに、直径を0.4mに構成したので、やはりそのサイズの面から、処理期間を30日に設定した。それ故、板状螺旋部材1b3を旋回下降する被処理物の速さは、処理槽1b内の外周付近では0.84m/日程度であり、内周付近では0.18m/日程度となる。この速度の調整は、取出口3bからの被処理物の取り出し量を調整することで行う。
前記嫌気性醗酵で生成したバイオガスは、実施の形態1で説明したように、切り裂き手段4b、4b…の間を通過する際に切り裂かれ、被処理物からその切り裂き空間に放出されるが、そのバイオガスは、切り裂き手段4b、4b…を構成する、この実施の形態3では、等辺山形鋼の山形部の頂稜部を板状にして延長した形状の長尺の鋼材の開いた側を通じて上昇し、その最上部に配したガス捕集部5b、5b…中に導入される。該ガス捕集部5b、5b…ではこの中を移動して処理槽1bの小径円筒体1b2側に移動し、その内部に連通する連通孔1b2h、1b2h…を通じて該小径円筒体1b2中に導かれる。その後、該バイオガスは、この小径円筒体1b2中を上昇し、この処理槽1bの最上部に配された天板中央の吐出孔から吐出され、これに接続した円筒状のガス管を通じてバルーンに移送され保管されることになる。
前記取出口3bでは、前記したように、被処理物の移動速度を、大径円筒体1b1の内周付近で概ね0.84m/日程度に調整しうるように、被処理物の取り出しを行う。この取り出しは、昇降自在に配した蓋体3b1を必要なだけ引き上げて行う。蓋体3b1を引き上げると、その引き上げ量に応じて被処理物が該取出口3bから緩やかに流出してくることになる。これを種々の手段、例えば、人力によりスコップ等を用いて掻き出し、或いは油圧ショベル等を用いて掻き出すことにより所要量を取り出す訳である。
取り出し後は、当然、蓋体3b1を押し下げて閉止する。
取り出した被処理物は、更に好気状態で若干の熟成処理を行って堆肥化することができる。
以上のように、この実施の形態3の無動力バイオマス処理装置によれば、実施の形態1、2の場合と同様に、被処理物の移動は、処理槽1bに投入される有機性原料の重量によって行われ、かつその攪拌動作も、被処理物の移動を利用して移動途中に配された切り裂き手段4b、4b…によっておこなわれるため、何らかの動力を必要とするのは、有機性原料の投入口2bからの投入及び取出口3bからの被処理物の取り出しに限られる。また処理槽1b内部は高度の嫌気状態を維持できるため、嫌気性醗酵が良好に行われ、その過程で発生するバイオガスは、切り裂き手段4b、4b…による切り裂き動作に伴って取り出されそれが利用可能となる。これによって更に嫌気性微生物の活動を良好に維持することができる。またこのような良好な嫌気性処理の後に取出口3bから取り出される被処理物は、前記のように、若干の熟成処理を施すことで優良な堆肥として用いることができることにもなる。
<実施の形態4>
この実施の形態4の無動力バイオマス処理装置は、図10及び図11に示すように、基本的に、平面から見て正方形の縦型の角筒体で構成した処理槽1cと、該角筒体による処理槽1cの内部の角筒状鉛直空間の上端に構成したバイオマスの投入口2cと、該処理槽1cの角筒状鉛直空間の下端に構成した被処理物の取出口3cと、該取出口3cに下端で接続し、上端が、該処理槽1cより若干低い位置に開口する誘導筒体6cであって、該処理槽1cの側部に沿って配した取出口3cからの被処理物の上方への誘導用の誘導筒体6cと、該処理槽1cの角筒状鉛直空間の途中に定間隔で配した切り裂き手段4c、4c…と、該切り裂き手段4c、4c…の一端に各々配したガス捕集部5c、5c…であって、処理槽1cの外部のバルーンに繋がる配管に接続するガス捕集部5c、5c…とで構成したものである。
前記処理槽1cを構成する角筒体は、一辺の長さ2mの平面から見て正方形で、高さが10mの部材であり、内部が角筒状鉛直空間となっているものである。またこの処理槽1cは、地中に埋設し、前記誘導筒体6cの上端の開口部6c1を地表面とほぼ一致させるように構成したものである。
前記投入口2cは、図10、図11及び図12に示すように、この実施の形態4では、該処理槽1cの上端開口部それ自体をそれとして用いている。特にこの投入口2cには蓋体を配してはいない。投入した有機性原料それ自体の上表面から最大で50cm程度の深さまでの部分がいわば蓋体として機能し、内部の嫌気状態を保持してくれることになる。
前記取出口3cは、この実施の形態4では、図10、図11及び図13に示すように、処理槽1cの最下部で、該処理槽1cを構成する角筒体の一側部に開口状態に構成したものである。より詳しくは、該取出口3cは、該処理槽1を構成する角筒体の一側部の開口部3c1と、該開口部3c1に向かって角筒体の反対側の側部から下降傾斜する斜面3c2とで構成したものである。
また該取出口3cには、前記し、図10、図11及び図13に示すように、誘導筒体6cの下端が接続してある。この誘導筒体6cは、処理槽1を構成する角筒体の1/4程度の断面積を有する断面長方形の小角筒体である。図10及び図11に示すように、該誘導筒体6cは、該処理槽1の角筒体に接する側部及びこれに平行な側部の幅は該角筒体と同幅であり、他の二側部が該角筒体の約1/4(約0.5m)の幅となっている。また該誘導筒体6cは、前記し、かつ図10及び図11に示すように、その上端の高さを処理槽1cを構成する角筒体の上端より約4mほど低く構成する。
該誘導筒体6cでは、前記取出口3cからあふれ出た被処理物が、前記投入口2cから該取出口3cまでに充填されている有機性原料乃至被処理物の重量により押し上げられ、誘導されてくる。そのため該誘導筒体6cの最上部の開口部6c1で、被処理物を取り出すことが可能になる。前記のように、該誘導筒体6cの上端の開口部6c1を地表面と一致させておくことにより、被処理物の取り出し作業を容易にすることができる。またこのように、誘導筒体6cを構成することにより、処理槽1の投入口2cと実際に被処理物の取り出しを行う実質的な取出口の高さの差を少なくし、被処理物の取り出しの作業ばかりでなく、有機性原料の投入作業をも軽減することができることになる。
前記切り裂き手段4c、4c…は、この実施の形態4では、図14に示すように、実施の形態3のそれと同様に、その各々は等辺山形鋼の山形部の頂稜部を板状にして延長した形状とした長尺の鋼材で構成したものであり、その長尺鋼材の複数本を直列に並べた各組のそれを、図10〜図13に示すように、前記処理槽1cの角筒状鉛直空間に上下に定間隔(約1mの間隔)で僅かに一端側を高くした水平近似状態に並べて配した構成としたものである。
またこの切り裂き手段4b、4b…は、図10〜図14に示すように、その閉じた側を被処理物の進行方向と逆向きに(上向きに)、開いた側を進行方向に(下向きに)向けた状態にして配する。
前記処理槽1cの投入口2cと取出口3cとの間に配する複数の切り裂き手段4c、4c…の組は、該処理槽1cの上流(上方)から下流(下方)に移動する被処理物中に嫌気性微生物の活動で生じたバイオガスが所定量以上に充満し、該嫌気性微生物の活動が停止するより前に、該バイオガスを解放し得るように、上下隣接する相互の組の間隔を設定する必要がある。この実施の形態4では、先に述べたように、上記の趣旨で、上下約1mの間隔で設置することとしたが、これで概ね以上の趣旨に対応できる。
また各組の切り裂き手段4c、4c…の隣接する相互の間隔は、ここを通過する被処理物を満遍なく切り裂き、その中に充満している殆どのバイオガスを解放することができるように設定する。この実施の形態4では、実施例3のそれと同様に、隣接する各切り裂き手段4c、4cの中心間の間隔を0.2mに設定した。
なお、図10に示すように、該各組の切り裂き手段4c、4c…は、その両端部を、処理槽1cを構成する角筒体の対面する側面にリブ材1c1、1c1を介して固定する。このとき一方のリブ材1c1を他方のリブ材1c1より僅かに高い位置に配し、切り裂き手段4c、4c…を僅かに傾斜させる。また上下隣接する切り裂き手段4c、4c…の各組は、同図に示すように、相互にそれらの向きを交差させて配する。
前記投入口2cから投入された有機性原料は、先に説明した他の実施の形態と同様に、その上面から50cm程下方以下では、外気に曝されることはないので、その内部に残存する酸素は存在している好気性微生物により消費され、忽ち嫌気状態となる。そして、処理槽1c内の角筒状鉛直空間内の被処理物は、その内部を、動力を用いることなく、その自重により徐々に下降して行くことになるが、この下降過程で、前記切り裂き手段4c、4c…の周囲を通過することになる。このとき、該被処理物は、該切り裂き手段4c、4c…の設置位置では、該切り裂き手段4c、4c…の数に切り裂かれ、先に述べた実施の形態1、2、3と同様に、切り裂かれた被処理物は、その切り裂き時に生じる圧力勾配によりカルマン渦や後方乱流が生じ、動力を用いることなく十分に攪拌されることになる。こうして嫌気性醗酵により生成され、被処理物中に充満していたメタンガス等のバイオガスが放出され、被処理物中のバイオガス濃度が低下することになる。これにより嫌気性微生物は、自ら生成した、充満するバイオガスから解放され、また活動を活発化させ得るようになる。
前記ガス捕集部5c、5c…は、特に図14に示すように、前記各組の切り裂き手段4c、4c…の傾斜上端側に配した断面口字形の長尺角筒部材5c1、5c1…と、該長尺角筒部材5c1、5c1…の各一端に接続する二つの縦型角筒部材5c2、5c2とで構成したものである。
前記し、かつ図10に示すように、上下隣接する切り裂き手段4c、4c…は、相互に交差する方向を向けて設置してある。そこで、前記長尺角筒部材5c1、5c1…は、同方向を向いている切り裂き手段4c、4c…毎に用意し、各々の切り裂き手段4c、4c…の上端側に、該長尺角筒部材5c1、5c1…の内、対応する長尺角筒部材5c1、5c1…を接続する。従って、当然、相互に直交する方向を向く二組の長尺角筒部材5c1、5c1…が生じ、それぞれ向きの同じ長尺角筒部材5c1、5c1…毎に、二つの縦型角筒部材5c2、5c2の内の対応する縦型角筒部材5c2に接続する。二つの縦型角筒部材5c2、5c2は、図10に示すように、前記処理槽1cを構成する角筒体の相互に隣接する側面に直立状態に配したものであり、相互は、上部の一部で連通させてある。
また前記長尺角筒部材5c1、5c1…は、それぞれ前記リブ材1c1、1c1…中に埋設状態に構成してあり、該リブ材1c1、1c1…で支持される切り裂き手段4c、4c…の各端部と接続させてある。該長尺角筒部材5c1、5c1…の各一端部は、該リブ材1c1、1c1…の端部から突出し、かつ処理槽1cを構成する角筒体の側壁を貫通してそれぞれ縦型角筒部材5c2に接続するようになっている。
更に、該縦型角筒部材5c2、5c2は、図10に示し、かつ先に述べたように、その上部の一部で相互を接続し、相互を連通状態にしてある。またその一方の縦型角筒部材5c2の上端には、図示しないガス管(配管)を接続し、これを介して、該縦型角筒部材5c2を図示しないバルーンに接続し、バイオガスを該バルーンに送給して保管できるようにしてある。なお、バイオガスは、該バルーンに代えて、一般のガスタンクに保管することとしても不都合ではないのは、他の実施の形態1、2、3と同様である。
従ってこの実施の形態4の無動力バイオマス処理装置によれば、運転開始時は、流動可能な有機性原料(廃棄物)を投入口2cから投入すると、該有機性原料は、その重量により比較的スピーディに流動下降し、取出口3cに到達することになるが、そのまま投入を継続すると、順次堆積し最後に投入した有機性原料が該投入口2cの直下程度に位置することとなり、他方、最初に投入した有機性原料及びこれに引き続いて投入した若干の有機性原料は、該取出口3cからあふれ出て前記誘導筒体6cの最上部の開口部6c1にまで上昇してくるようになる。
この後は、以上に於いて、最後に投入した有機性原料が、この実施の形態4でも、約一ヶ月の処理過程を経て該誘導筒体6cの最上部の開口部6c1に上昇してくることとなるように、該誘導筒体6cの最上部の開口部6c1から順次適量の被処理物を取り出し、更に投入口2cに有機性原料を投入する。もっとも運転開始時から約一ヶ月間ほどは、該誘導筒体6cの最上部の開口部6c1から取り出される被処理物は未熟である可能性があるので、そのまま又はその熟成の程度に応じて新たな有機性原料と混合して再度前記投入口2cから投入して処理を繰り返すこととする。
投入口2cから投入される有機性原料は、処理槽1c中を徐々に下降し、取出口3cからあふれ出て誘導筒体6cを上昇し、その最上部の開口部6c1で取り出されることになるが、その間に、適切に攪拌されて嫌気性醗酵が良好かつ十分に進行し、該誘導筒体6cの最上部で取り出された被処理物は、実施の形態1、2、3のそれと同様に、若干の熟成処理を加えることで有効な堆肥となし得るものとなり、また途中では、バイオガスを発生し、これを取り出すことができる。そして、これらの処理が外部から特別なエネルギーを加えることなく経済的に行われるものである。
以上を若干詳しく述べる。
有機性原料は、前記のように種々の廃棄物を利用する。これは、実施の形態1〜3で説明したものと、材料の種別の面及び粘度の面等のいずれの面でも全く同様である。
有機性原料は、最上部に位置する投入口2cから投入する。投入された有機性原料は先に投入された有機性原料の上に載った状態となり、下方のそれらと同様に、自重により降下し、前記のように、取出口3cに向かって移動する。
この実施の形態4でも、前記投入口2cから投入された有機性原料には、この装置の内部、即ち、投入口2c付近の有機性原料の外面から概ね50cmを越える内側付近から前記誘導筒体6cの最上部の開口部6c1に露出する被処理物の外面から概ね50cmを越える内側までの間では殆ど外気との間の通気が生じない。それ故、この実施の形態4の装置の内部は、先に説明した実施の形態1、2、3のそれと同様に、新たな酸素が供給されない空間となっている。従って、投入直後の有機性原料内部では、実施の形態1、2、3と同様に、その内部に存する酸素を用いた好気性微生物の活動が若干行われるが、新たな酸素の供給はないので、その酸素が好気性微生物の活動で消費されると、忽ち嫌気状態になり、嫌気性微生物が活動を開始することになり、嫌気性発酵が進行することになる。
嫌気性醗酵が開始した有機性原料は、先に述べたように、有機性原料のそれ自体の重量により、外部の動力を用いることなく、継続的に下流側に向かって流動し、その移動に伴い、前記取出口3cまでの間の複数箇所に配設してある切り裂き手段4c、4c…で、それぞれ複数に切り裂かれ、切り裂かれた被処理物は、その切り裂き時に生じる圧力勾配によりカルマン渦や後方乱流が生じ、これも同様に、動力を用いることなく十分な攪拌が行われ、嫌気性醗酵により生成され、被処理物中に充満していたメタン等のバイオガスが放出され、被処理物中のバイオガス濃度が低下することになる。こうして嫌気性微生物は、自ら生成した、充満するバイオガスから解放され、また更に活動を活発化させ得るようになる。被処理物は、これを、切り裂き手段4c、4c…の組の設置数分だけ繰り返しながら取出口3cまで下降し、取出口3cから溢れ、前記誘導筒体6cを上昇しながら更に醗酵が進み、該誘導筒体6cの最上部の開口部6c1では十分に醗酵処理が完了した状態で取り出されることとなる。
被処理物の移動速度は、この実施の形態4でも、十分な醗酵処理の完了までに必要とする概ね20〜60日程度の処理期間を前提に調整する。この実施の形態4では、処理槽1cを構成する角筒体の高さを10m、各辺がほぼ2mの平面正方形に構成し、取出口3cに接続する誘導筒体6cを構成する小角筒体の高さを6m、平行な二辺が処理槽1の角筒体と同様の2m、他の二辺が約0.5mの平面長方形に構成したものであり、やはりそのサイズの面から、処理期間(投入口2cから取出口3cまでの移動期間)を30日に設定した。それ故、処理槽1c中では、有機性原料は嫌気性醗酵を継続しながら、約30日で投入口2cから取出口3cまで下降し、該取出口3cからあふれ出た被処理物は約7.5日(後記のように被処理物が減容するため期間が長くなる)で誘導筒体6cの最上部の開口部6c1まで上昇することになるように調整する。より具体的には、処理槽1c中では、約0.334m/日の速度での下降であり、誘導筒体6c中では、約0.8m/日の速度での上昇である。被処理物の体積が減容により減少するため、上昇期間が長くなる訳である。この速度の調整は、主として誘導筒体6cの最上部の開口部6c1からの被処理物の取り出し量を調整することで行う。
前記嫌気性醗酵で生成したバイオガスは、実施の形態1で説明したように、切り裂き手段4c、4c…の間を通過する際に切り裂かれ、被処理物からその切り裂き空間に放出されるが、そのバイオガスは、切り裂き手段4c、4c…を構成する、この実施の形態4では、等辺山形鋼の山形部の頂稜部を板状にして延長した形状の長尺の鋼材の開いた側(下側)を通じてやや上昇しながら移動し、その最上部に配したガス捕集部5cの長尺角筒部材5c1、5c1…中に導入される。該長尺角筒部材5c1、5c1…に導入されたバイオガスはそれらの一端側に移動し、処理槽1cの側壁を通過し、その外側に配した、同様に、ガス捕集部5cを構成する縦型角筒部材5c2、5c2に移動し、それらの内部を上昇する。二つの縦型角筒部材5c2、5c2は上部で連通しているので、その内、更に上部に延びている方にバイオガスは移動して上昇を続け、その後は、図示しないガス管を通じてバルーンに移送され保管されることになる。
前記取出口3cに接続した誘導筒体6cの最上部の開口部6c1では、前記したように、被処理物の移動速度を、処理槽1c中で概ね0.334m/日程度に、誘導筒体6c中で0.8m/日程度に調整しうるように、被処理物の取り出しを行う。この取り出しは、種々の手段、例えば、人力によりスコップ等を用いて掻き出し、或いは油圧ショベル等を用いて掻き出すことにより所要量を取り出すことによって行う。
取り出した被処理物は、更に好気状態で若干の熟成処理を行って堆肥化することができる。
以上のように、この実施の形態4の無動力バイオマス処理装置によれば、実施の形態1、2、3の場合と同様に、被処理物の移動は、処理槽1cに投入される有機性原料の重量によって行われ、かつその攪拌動作も、被処理物の移動を利用して移動途中に配された切り裂き手段4c、4c…によっておこなわれるため、何らかの動力を必要とするのは、有機性原料の投入口2cからの投入及び誘導筒体6cの上部の開口部6c1からの被処理物の取り出しに限られる。また処理槽1c内部は高度の嫌気状態を維持できるため、嫌気性醗酵が良好に行われ、その過程で発生するバイオガスも、切り裂き手段4c、4c…による切り裂き動作に伴って取り出され、それが利用可能となる。これによって更に嫌気性微生物の活動を良好に維持することができる。またこのような良好な嫌気性処理の後に誘導筒体6cから取り出される被処理物は、前記のように、若干の熟成処理を施すことで優良な堆肥として用いることができることにもなる。
なお、以上の実施の形態4に於いて、金属材料を用いる場合は、具体的には、全てステンレススチールを採用した。実施の形態1、2、3についても同様である。
なお、以上の実施の形態4の処理槽1cは、これを1/10程度のサイズに構成し、これを家庭用の生ゴミ処理機として使用することも可能である。この場合は、処理槽1c及び誘導筒体6cの周囲に面ヒーターを配し、更にその外側に断熱材による保温層を構成する。更に、投入口2cには、開閉自在な蓋体を配し、加えて誘導筒体6cの上端の開口部6c1にも蓋体を配するものとする。
この運転は、該面ヒーターにより、30〜40℃に加温しながら行う。上部の投入口2cには、ディスポーザー等で粉砕した生ごみを投入する。前記したのと同様の過程を経て生ごみの処理を行う。処理速度は、投入口2cから誘導筒体6cの最上部の開口部6c1まで20〜60日程度で移動できるように調整するのが適当である。
このような装置でも、同様にバイオガス及び堆肥を得ることができる。堆肥は、誘導筒体6cから取り出した被処理物を若干好気状態で熟成処理することによって優良なそれにすることができる。
なお、生ごみは、これ自体の中にメタン菌を殆ど保持していないので、必要に応じて投入口2cから生ごみを投入する際にメタン菌を添加するのが好ましい。メタン菌の添加は、これを保持している牛糞等の反芻動物の糞等、或いは沼地の堆積物等を添加することでも行うことができる。
本発明は、主として畜産施設、食品産業又は集落排水処理施設等から発生する畜産糞、食品廃棄物、糞尿その他の有機性廃棄物(バイオマス)を処理して資化性ガス(メタン)及び無機物(窒素、リン、カリ、カルシウム、苦土、微量要素等)と灰分(ケイ酸、酸化鉄、アルミナ)とを含む堆肥を取り出し得るバイオマス処理の分野で有効に使用することができる。
1 処理槽(原料攪拌用空間)
11 処理槽の底面
12 処理槽の傾斜面
13 処理槽の脚板
14 天板
16 側壁板の連通孔
17 処理槽の側壁板
18 処理槽の側壁板
2 投入口
21、22 角筒体
3 取出口
4 切り裂き手段
5 ガス捕集部
6 ベース
7 角状管(配管)
1a 処理槽(原料攪拌用空間)
1a6 連通孔
2a 投入口
3a 取出口
4a 切り裂き手段
5a ガス捕集部
7a 角状管
1b 処理槽
1b1 大径円筒体
1b2 小径円筒体
1b2h 連通孔
1b3 板状螺旋部材
2b 投入口
3b 取出口
3b1 蓋体
4b 切り裂き手段
4b1 平鋼(フラットバー)
5b ガス捕集部
5b1 平鋼
1c 処理槽
1c1 リブ材
2c 投入口
3c 取出口
3c1 取出口の開口部
3c2 取出口の斜面
4c 切り裂き手段
5c ガス捕集部
5c1 ガス捕集部の長尺角筒部材
5c2 ガス捕集部の縦型角筒部材
6c 誘導筒体
6c1 誘導筒体の開口部

Claims (5)

  1. 一端にバイオマスの投入口を備え、該投入口より低所である他端に被処理物の取出口を備える密閉可能な原料攪拌用空間であって、該投入口から投入された粘度範囲が10〜200Pa・sの流動可能なバイオマスを重力による位置エネルギーを利用して該取出口側に移動させながら嫌気発酵により処理を進行させる原料攪拌用空間と、
    前記原料攪拌用空間の該投入口と該取出口との間の複数箇所に配した、移動するバイオマスを複数に切り裂きながら該切り裂かれたバイオマスにカルマン渦を発生させる切り裂き手段であって、山形鋼の複数の長尺部材の長手方向の一方の末端を高所側、他方の末端を低所側として定間隔かつ平行に並べた構成とし、前記原料撹拌用空間の投入口と取出口との間の複数箇所に、該切り裂き手段を、その長尺部材の閉じた側をバイオマスの進行方向と逆向きに、開いた側を進行方向に向けた状態で配し、該切り裂きによってバイオマスから放出させたバイオガスを、長尺部材の開いた側を通じて高所側の末端まで上昇させるように構成した長尺部材の切り裂き手段と、
    前記切り裂き手段の高所側の末端に付設した、上昇してくるバイオガスを捕集するガス捕集手段と、
    で構成した無動力バイオマス処理装置。
  2. 前記原料攪拌用空間を、前記投入口から前記取出口の方向に長い筒型の密閉可能な空間に構成した請求項1の無動力バイオマス処理装置。
  3. 前記原料攪拌用空間を、前記投入口から前記取出口に向かって下降傾斜する、該投入口から該取出口の方向に長い筒型の密閉可能な空間に構成した請求項1の無動力バイオマス処理装置。
  4. 前記原料攪拌用空間を、
    縦型の大径円筒体と、
    該大径円筒体の中にこれと軸心を一致させて配した小径円筒体と、
    該大径円筒体と該小径円筒体との間に、内側部を該小径円筒体の外周に、外側部を該大径円筒体の内周に、それぞれ結合して配した板状螺旋部材と、
    により該大径円筒体及び該小径円筒体の上端から下端に向かって螺旋状に延長した螺旋空間として構成した請求項1の無動力バイオマス処理装置。
  5. 前記切り裂き手段を構成する長尺部材の高所側の末端に付設したガス捕集手段に前記原料攪拌用空間外のガス収容タンクに繋がる配管を接続した請求項1、2、3又は4の無動力バイオマス処理装置。
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