JP2000070647A - 人工ゼオライトによるダイオキシンを主とした環境ホルモンなど有害化学物質の吸着除去および分解の方法 - Google Patents

人工ゼオライトによるダイオキシンを主とした環境ホルモンなど有害化学物質の吸着除去および分解の方法

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JP2000070647A
JP2000070647A JP10246710A JP24671098A JP2000070647A JP 2000070647 A JP2000070647 A JP 2000070647A JP 10246710 A JP10246710 A JP 10246710A JP 24671098 A JP24671098 A JP 24671098A JP 2000070647 A JP2000070647 A JP 2000070647A
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Akio Henmi
彰男 逸見
Etsuro Sakagami
越朗 坂上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ダイオキシン類に代表される環境ホルモンの地
球規模での汚染が問題になっている。現在、焼却炉、特
にゴミ焼却炉、から排出される煙のなかのダイオキシン
類の含有量を低コストで除去し、分解する方法並びに大
気あるいは水中のダイオキシン類を低コストで除去し、
分解する方法の開発が望まれている。 【解決手段】煙の通路、大気の通路、あるいは水中に人
工ゼオライトを存在させることにより、煙中、大気中、
あるいは水中のダイオキシン類を吸着することによるダ
イオキシン類を除去する方法およびダイオキシン類を吸
着した人工ゼオライトをアルカリ溶液中で加熱処理する
ことによって、ダイオキシン類に含まれる塩素を無機態
の塩素に分解し、無毒化する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、煙の通路に人工ゼ
オライトを存在させることにより、煙中のダイオキシン
類を吸着した後、人工ゼオライトを煙道から除去するこ
と、大気中に人工ゼオライトを存在させることにより、
大気中のダイオキシン類を吸着した後、人工ゼオライト
を大気中から除去すること、および水中に人工ゼオライ
トを存在させることにより、水中のダイオキシン類を吸
着した後、人工ゼオライトを水中から除去すること、並
びにダイオキシン類を吸着した人工ゼオライトを、アル
カリ溶液中で加熱処理することによって、ダイオキシン
類を煙中、大気中および水中より吸着除去および分解す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境汚染物質として種々の化合物
が俎上にのっているが、なかでもダイオキシン類に代表
される環境ホルモンの地球規模での汚染が問題になって
いる。ダイオキシンは、ベンゼンが1,4の位置で二つ
の酸素によって繋ぎ止められた構造の化合物であって、
異なる数の塩素が結合することで、210種類にものぼ
る種々の成分がある。ダイオキシンの有毒な性質は、成
分の種類によって様々であるが、最も猛毒な成分は、4
個の塩素が2,3,7,8の位置に繋がってできた2,
3,7,8−テトラクロロベンゾダイオキシンであっ
て、通称TCDDといわれる化合物である。このTCD
Dの毒性は、猛毒として恐れられている青酸カリの1万
倍をはるかに越えており、強い発癌性や催奇形性をもっ
ているといわれている。
【0003】ダイオキシン類は、人が何かの目的に使う
ために生成したものではなく、農薬などを製造する過程
で極く僅かな副産物として生じたものであり、ベトナム
戦争の際、米軍が使用した枯れ葉剤に含まれており、後
に大きな問題を引き起こして有名になった化合物であ
る。ダイオキシン類は強い毒性を有しているばかりでは
なく、非常に安定した化合物であって、自然界にあって
は、殆ど分解せずにあらゆる箇所に蓄積されていくとい
う問題、さらに、ダイオキシン類は、ゴミを燃焼するこ
とによって、発生するという問題がある。従って、ゴミ
焼却炉から排出される煙のなかに含まれるダイオキシン
の量には基準が設けられていて、その基準値を守ること
が義務づけられている。
【0004】これらの環境中に存在するダイオキシン類
を除去するためには、超臨界水酸化装置による方法が提
案されている。この方法は閉鎖系で反応が行われるた
め、外部にダイオキシンが漏れることはない。しかし、
水の超臨界点は、374℃以上、圧力220気圧である
ので、必ずしも経済的に有利な方法とはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在、焼却炉、特にゴ
ミ焼却炉、から排出される煙のなかのダイオキシン類の
含有量を、基準値の範囲に治めるために、苦労してい
る。すなわち、焼却炉の煙の中のダイオキシン類を低コ
ストで除去し、分解する方法の開発が望まれている。さ
らには、大気中のダイオキシン類あるいは水中のダイオ
キシン類を低コストで除去し、分解する方法の開発が望
まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、種々の検討を行った結果、人工ゼオ
ライトを利用することによって、煙中、大気中および水
中のダイオキシン類を吸着、除去する方法を提案するに
至った。すなわち、煙の通路に人工ゼオライトを存在さ
せることにより、煙中のダイオキシン類を吸着すること
を特徴とする煙中のダイオキシン類を除去する方法およ
び煙の通路に人工ゼオライトを存在させることにより、
煙中のダイオキシン類を吸着した後、該人工ゼオライト
を煙の通路から撤去することを特徴とする煙中のダイオ
キシン類を除去する方法であって、煙の通路に人工ゼオ
ライトを存在させる方法が、人工ゼオライトを煙道に散
布すること、および人工ゼオライトを充填したフィルタ
ーを煙道に設置することによって、本発明を実施するこ
とができる。
【0007】本発明の第二は、大気の通路に人工ゼオラ
イトを存在させることにより、大気中のダイオキシン類
を吸着することを特徴とする大気中のダイオキシン類を
除去する方法および大気の通路に人工ゼオライトを存在
させることにより、大気中のダイオキシン類を吸着した
後、該人工ゼオライトを大気の通路から撤去することを
特徴とする大気中のダイオキシン類を除去する方法であ
って、大気の通路に人工ゼオライトを存在させる方法
が、人工ゼオライトを充填したフィルターを大気の通路
に設置することによって、本発明を実施することができ
る。
【0008】本発明の第三は、水中に人工ゼオライトを
存在させることにより、水中のダイオキシン類を吸着す
ることを特徴とする水中のダイオキシン類を除去する方
法および水中に人工ゼオライトを存在させることによ
り、水中のダイオキシン類を吸着した後、該人工ゼオラ
イトを水から撤去することを特徴とする水中のダイオキ
シン類を除去する方法であって、水中に人工ゼオライト
を存在させる方法が、人工ゼオライトを水中に散布する
こと、および人工ゼオライトを充填したフィルターを水
の通路に設置することによって、本発明を実施すること
ができる。
【0009】本発明の第四は、ダイオキシン類を吸着し
た人工ゼオライトを、アルカリ溶液中で加熱処理するこ
とを特徴とするダイオキシン類を分解する方法であっ
て、アルカリ溶液が水酸化ナトリウムまたは水酸化カリ
ウムの溶液であることが好ましく、加熱処理が100乃
至200℃であることが好ましい、ダイオキシン類を分
解する方法である。
【0010】本発明の第五は、焼却炉の煙道中に人工ゼ
オライトを存在させることにより、煙中のダイオキシン
類を吸着した後、人工ゼオライトを煙道から撤去し、ダ
イオキシン類を吸着した人工ゼオライトを、アルカリ溶
液中で加熱処理することを特徴とする煙中のダイオキシ
ン類を吸着除去および分解する方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明にいう煙の通路とは、物体
を焼却した際に発生する煙の通路を意味し、簡易焼却炉
およびゴミ焼却炉に設置されている煙道および煙突が、
これに相当する。従って、煙道または煙突を通過する煙
中に含有されているダイオキシン類を吸着除去の対象と
するものである。
【0012】本発明にいう大気とは、地球を取り巻いて
いる大気すべてを含むが、特にある目的をもって大気の
一部を特定の領域に取り入れるものをいう。従って、建
物の内部、室内、特定のチャンバー内、に導入される大
気を意味し、その中に含有されているダイオキシン類を
吸着除去の対象とするものである。
【0013】本発明にいう水とは、特に限定されるもの
ではなく、地下水および地表水を含むものである。しか
し、本発明を実施するためには、ある目的をもって水の
一部を特定の領域に取り入れるものをいう。すなわち、
プールなど大型の水槽、各種の水槽、あるいは特定の容
器、などに入れられた水を意味し、その中に含有されて
いるダイオキシン類を吸着除去の対象とするものであ
る。
【0014】本発明にいう人工ゼオライトとは、焼却灰
などの非結晶性の珪酸アルミニウム塩を含む組成物を、
アルカリ処理により人工的に転換して得られるゼオライ
トのことであって、その主成分はフィリップサイト、ホ
ージャサイト、ゼオライトA、ヒドロキシソーダライト
などであり、他の成分を少量含むこともある。また、ゼ
オライト以外の部分、すなわち非ゼオライト成分とし
て、有機物、鉄分、その他の不純物およびゼオライトに
至るまでの中間生成物なども共存する。本発明を実施す
るためには、陽イオンとしてナトリウム型、カルシウム
型、銀型および鉛型の人工ゼオライトがその目的のため
には好ましい。
【0015】本発明にいうダイオキシン類とは、ダイオ
キシンといわれるベンゼンが1,4の位置で二つの酸素
によって繋ぎ止められた式(1)に示した構造の化合物
であって、式(2)に示した構造をもつ2,3,7,8
−テトラクロロベンゾダイオキシン(TCDD)のみな
らず、異なる数の塩素が結合した、210種類にものぼ
る種々の化合物を始めとし、その他式(3)に示した構
造のコプラナーポリ塩化ビフェニール(コプラナーPC
B)および式(4)に示した構造をもつポリ塩化ジベン
ゾフランなど、ダイオキシンと類似の性質をもった残留
性有機ハロゲン化合物を含めたものをいう。
【0016】
【化1】
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】さらには、環境ホルモンといわれる内分泌
攪乱作用が疑われている化学物質としては、農薬として
使用された、2,4,5-トリクロロフェノキシ酢酸、2,4-ジ
クロロフェノキシ酢酸、アラクロール、アルディカー
ブ、アミトロール、アトラジン、ベノミル、ヘキサクロ
ロシクロヘキサン(β−体)、カルバリル、クロルデ
ン、シペルメトリン、ジプロモクロロプロパン、DD
T、ジコホル、ディルドリン、エンドスルファン、エス
ファンバレレート、エチルパラチオン、フェンバレレー
ト、リンデン、ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキサイ
ド、ケルセン、キーポン、マラチオン、マンコゼブ、マ
ンネブ、メソミル、メトキシクロル、メチラム、メトリ
ブジン、マイレックス、ニトロフェン、オキシクロルデ
ン、ペルメトリン、合成ピレスロイド、トキサフェン、
トランスノナクロル、トリブチルスズオキシド、トリフ
ルラリン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラブ、などを例
示することができる。
【0021】本発明にいうアルカリ溶液とは、水酸化物
であって水またはアルコール類に溶解する物質をいい、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、などを例示することができる。本
発明を実施するためには、上記の物質を水溶液として用
いてもよいし、アルコールなどの非水溶液として用いて
もよい。さらには、水またはアルコール類などの存在下
に固形の状態で直接添加してもよい。
【0022】本発明を実施するための加熱処理とは、飽
和蒸気を使用する場合には、耐圧反応容器内で反応を行
うことができる。また、大気圧下では反応容器を所定温
度まで加熱し、そこへ過熱蒸気を供給することにより、
反応条件をみたすことができる。従って、ダイオキシン
類を分解する反応を行うための装置は、特に限定される
ものではなく、飽和蒸気を使用する場合には、攪拌機付
耐圧反応容器(オートクレーブ)または製紙工場で使用
しているダイジェスターといわれる機械を利用すること
ができる。また、外部から加熱する場合には、加熱装置
を外部に設けたスクリュ−コンベアーまたはニーダー
(捏和機)など、さらには熱風を利用して加熱する回転
乾燥装置などを利用することができる。
【0023】
【実施例】本発明による煙中のダイオキシン類の人工ゼ
オライトへの吸着および除去は、物体を焼却した際に発
生する煙の通路に人工ゼオライトを散布し、ダイオキシ
ン類を吸着した人工ゼオライトをバッグフィルターなど
により、捕集し、除去する方法あるいは人工ゼオライト
を充填したフィルターを煙の通路に設置し、一定量の煙
が通過した後、人工ゼオライトを充填したフィルターを
取り替えるという方法により煙中のダイオキシン類を吸
着除去することができる。
【0024】また、大気中のダイオキシン類の人工ゼオ
ライトへの吸着および除去は、ある目的をもって大気の
一部を、建物の内部、室内、特定のチャンバー内、など
に導入する際に、ダクトなどの大気を導入する通路に人
工ゼオライトを散布し、ダイオキシン類を吸着した人工
ゼオライトをバッグフィルターなどにより、捕集し、除
去する方法あるいは人工ゼオライトを充填したフィルタ
ーをダクト内の大気の通路に設置し、一定量の大気が通
過した後、人工ゼオライトを充填したフィルターを取り
替えるという方法により大気中のダイオキシン類を吸着
除去することができる。
【0025】さらには、水中のダイオキシン類の人工ゼ
オライトへの吸着および除去は、地下水および地表水を
問わず、ある目的をもって水の一部を、プールなど大型
の水槽、大小各種の水槽、あるいは特定の容器、などに
入れられた水に人工ゼオライトを散布し、ダイオキシン
類を吸着した人工ゼオライトをフィルターなどにより、
捕集し、除去する方法あるいは人工ゼオライトを充填し
たフィルターを水の導入通路に設置し、一定量の水が通
過した後、人工ゼオライトを充填したフィルターを取り
替えるという方法により水中のダイオキシン類を吸着除
去することができる。
【0026】ダイオキシン類を吸着した人工ゼオライト
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化バリウム、などのアルカリ溶液と共に、耐
圧反応容器に入れ、ダイオキシン類を吸着した人工ゼオ
ライトとアルカリ溶液との懸濁液を攪拌しながら、飽和
蒸気を供給することにより所定の温度に保ち、加熱処理
を行う。この操作によりダイオキシン類の塩素はアルカ
リと反応し、水に不溶性のアルカリのハロゲン化物、例
えば塩化物として沈殿することにより、ダイオキシン類
を分解することができる。
【0027】本発明において、ダイオキシン類は、その
化学構造内に塩素を有するので、この塩素の存在してい
る箇所には電子が存在している。電子の存在の仕方は、
化合物により異なるが、塩素の数が多い程、また塩素が
ある箇所に局在する程、電子はその箇所に局在する。一
方、人工ゼオライトは、交換性の陽イオンを有してお
り、この陽イオンはルイス酸の機能を有する。従って、
ダイオキシン類の塩素と人工ゼオライトの陽イオンと
は、共有結合により、人工ゼオライトにダイオキシン類
を吸着することができる。すなわち、このような関係に
ある有機塩素系化合物は、人工ゼオライトにより吸着除
去することができるのである。このとき、人工ゼオライ
トの陽イオンは、ナトリウム型およびカリウム型より、
銀型および鉛型の方が吸着力は強く、本発明の実施には
適している。
【0028】次に本発明の詳細を実施例に基づいて説明
するが、本発明の趣旨はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 (実施例1)自作した小型の燃焼装置により、ポリ塩化
ビニールのフィルムを含む紙類1kgを燃焼し、煙を1
0リットル容のポリエチレン製袋により、5回にわたり
捕集した。この中の1個の10リットル容袋を人工ゼオ
ライト処理前の試料とした。他の10リットル容袋を人
工ゼオライト処理用の試料とした。煙が入っている袋に
平均粒径10〜20μmのナトリウム型人工ゼオライト
をそれぞれの袋に150gずつ散布し、煙とよく接触し
た後、残存した煙を処理後の試料として採取した。同様
にして、カルシウム型、鉛型、銀型の各種人工ゼオライ
トをそれぞれの袋に150gずつ散布し、煙とよく接触
した後、残存した煙を処理後の試料として採取した。そ
れぞれダイオキシン類を吸着した後の人工ゼオライト
は、吸着したダイオキシン類の分解試験に供した。各種
人工ゼオライトによる処理前の煙および処理後の煙を、
ガスクロマトグラフ法および質量分析法を組み合わせた
GC−MAS法により分析した。分析した結果をダイオ
キシン類の除去率により表1に示した。このように煙中
のダイオキシン類は人工ゼオライトにより98%以上が
除去されたことが確認された。なお、本実施例により発
生した煙はすべて回収し、煙中のダイオキシンはすべて
人工ゼオライトに吸着し、実施例3の方法により分解処
理した。
【0029】(実施例2)ダイオキシンのアナログより
合成したTCDD1μgを精製水10リットルに溶解
し、平均粒径10〜20μmのナトリウム型人工ゼオラ
イト500mgを投入し、水とよく接触した後、人工ゼ
オライトを分離した。残存した水を処理後の試料として
分析に供した。同様にして、カルシウム型、鉛型、銀型
の各種人工ゼオライトをそれぞれ500mg投入し、水
とよく接触して分離した後、残存した水を処理後の試料
として分析に供した。各種人工ゼオライトによる処理前
の水および処理後の水を、ガスクロマトグラフ法および
質量分析法の組み合わせたGC−MAS法により分析し
た。分析した結果をダイオキシン類の除去率により表2
に示した。このように水中のダイオキシン類は人工ゼオ
ライトにより98%以上が除去されたことが確認され
た。なお、本実施例のダイオキシンを含有した試料水は
すべて回収し、水中のダイオキシンはすべて人工ゼオラ
イトに吸着し、実施例4の方法により分解処理した。
【0030】(実施例3)実施例1で得られたダイオキ
シン類を吸着した各種人工ゼオライト100gを水酸化
カリウムの4Nメタノール溶液250mlに懸濁し、オ
ートクレーブに入れ、飽和蒸気で加熱し、150℃とし
て、2時間保持した。遊離の無機塩素を質量分析器によ
り、分析した結果を表1に示した。このように、人工ゼ
オライトに吸着されたダイオキシン類の塩素と水酸化カ
リウムとが反応して、塩化カリウムとなり塩素は無機態
となり97%以上が分解されたことが確認された。この
ことによりダイオキシン類より有機態の塩素が除去さ
れ、無毒化されたことが判る。
【0031】(実施例4)実施例2で得られたダイオキ
シン類を吸着した各種人工ゼオライト100gを実施例
3と同様の方法により、処理した。遊離の無機塩素を質
量分析器により、分析した結果を表2に示した。このよ
うに、人工ゼオライトに吸着されたダイオキシン類の塩
素は無機態となり98%以上が分解されたことが確認さ
れた。このことによりダイオキシン類より有機態の塩素
が除去され、無毒化されたことが判る。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】本発明による、ダイオキシン類を人工ゼ
オライトに吸着させる方法は、煙の通路に人工ゼオライ
トを存在させることにより、容易に煙中のダイオキシン
類を吸着することができるので、焼却炉などにおいて、
ダイオキシン類の濃度が高い場合でも、特別な設備をす
ることなく、人工ゼオライトを散布することにより、ダ
イオキシン類を除去させることができる。また、人工ゼ
オライトを充填したフィルターを、煙道、大気を取り入
れる導入口、水の導入口、などに設置することにより、
煙中、大気中、水中のダイオキシン類を容易に除去する
ことができる方法であって、しかもダイオキシン類の除
去率は高く、非常に有用な方法を提供するものである。
【0035】また、本発明では、ダイオキシン類を吸着
した人工ゼオライトを、アルカリ溶液中で加熱処理する
ことにより、有機態の塩素を無機態の塩素に転換するこ
とができるので、ダイオキシン類を超臨界状態という高
温、高圧下で処理することなく、無毒化することができ
る方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/28 ZAB B01D 53/34 134E Fターム(参考) 4D002 AA21 AA40 AC04 BA04 CA07 DA45 EA07 4D012 BA02 CA10 CA12 CB01 CB08 CB09 CD10 4D024 AA01 AA05 AA06 AB11 BA07 BB01 BC01 BC04 CA04 DA10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】煙の通路に人工ゼオライトを存在させるこ
    とにより、煙中のダイオキシン類を吸着することを特徴
    とする煙中のダイオキシン類を除去する方法。
  2. 【請求項2】煙の通路に人工ゼオライトを存在させるこ
    とにより、煙中のダイオキシン類を吸着した後、該人工
    ゼオライトを煙の通路から撤去することを特徴とする煙
    中のダイオキシン類を除去する方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の煙の通路に人工
    ゼオライトを存在させる方法が、人工ゼオライトを煙道
    に散布することである、煙中のダイオキシン類を除去す
    る方法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載の煙の通路に人工
    ゼオライトを存在させる方法が、人工ゼオライトを充填
    したフィルターを煙道に設置することである、煙中のダ
    イオキシン類を除去する方法。
  5. 【請求項5】大気の通路に人工ゼオライトを存在させる
    ことにより、大気中のダイオキシン類を吸着することを
    特徴とする大気中のダイオキシン類を除去する方法。
  6. 【請求項6】大気の通路に人工ゼオライトを存在させる
    ことにより、大気中のダイオキシン類を吸着した後、該
    人工ゼオライトを大気の通路から撤去することを特徴と
    する大気中のダイオキシン類を除去する方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の大気の通路に人工ゼオラ
    イトを存在させる方法が、人工ゼオライトを充填したフ
    ィルターを大気の通路に設置することである、大気中の
    ダイオキシン類を除去する方法。
  8. 【請求項8】水中に人工ゼオライトを存在させることに
    より、水中のダイオキシン類を吸着することを特徴とす
    る水中のダイオキシン類を除去する方法。
  9. 【請求項9】水中に人工ゼオライトを存在させることに
    より、水中のダイオキシン類を吸着した後、該人工ゼオ
    ライトを水から撤去することを特徴とする水中のダイオ
    キシン類を除去する方法。
  10. 【請求項10】請求項8または9に記載の水中に人工ゼ
    オライトを存在させる方法が、人工ゼオライトを水中に
    散布することである、水中のダイオキシン類を除去する
    方法。
  11. 【請求項11】請求項8または9に記載の水中に人工ゼ
    オライトを存在させる方法が、人工ゼオライトを充填し
    たフィルターを水の通路に設置することである、水中の
    ダイオキシン類を除去する方法。
  12. 【請求項12】ダイオキシン類を吸着した人工ゼオライ
    トを、アルカリ溶液中で加熱処理することを特徴とする
    ダイオキシン類を分解する方法。
  13. 【請求項13】請求項12に記載のアルカリ溶液が水酸
    化ナトリウムまたは水酸化カリウムの溶液である、ダイ
    オキシン類を分解する方法。
  14. 【請求項14】請求項12に記載の加熱処理が100乃
    至200℃である、ダイオキシン類を分解する方法。
  15. 【請求項15】焼却炉の煙道中に人工ゼオライトを存在
    させることにより、煙中のダイオキシン類を吸着した
    後、人工ゼオライトを煙道から撤去し、ダイオキシン類
    を吸着した人工ゼオライトを、アルカリ溶液中で加熱処
    理することを特徴とする煙中のダイオキシン類を吸着除
    去および分解する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006263587A (ja) * 2005-03-24 2006-10-05 Mizusawa Shoji Kk 燃焼排ガス処理方法
JP2008229610A (ja) * 2007-02-21 2008-10-02 Tosoh Corp ハロゲン系ガスの除害剤及びそれを使用するハロゲン系ガスの除害方法

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