JP2000070344A - F値制御付きレトルト殺菌方法及びレトルト殺菌装置 - Google Patents

F値制御付きレトルト殺菌方法及びレトルト殺菌装置

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JP2000070344A JP10246005A JP24600598A JP2000070344A JP 2000070344 A JP2000070344 A JP 2000070344A JP 10246005 A JP10246005 A JP 10246005A JP 24600598 A JP24600598 A JP 24600598A JP 2000070344 A JP2000070344 A JP 2000070344A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レトルト試験機で決定された計画殺菌条件を
ほぼ、そのまま生産現場で使えるようにして、過加熱を
防止し、包装食品や輸液等の品質劣化を防止すること。 【解決手段】 品温モニターシステムを制御部に組み込
んだレトルト殺菌装置を設け、予めレトルト試験機で決
定去れた包装食品又は輸液等の加熱側個別伝熱係数(α
H) と冷却側個別伝熱係数(αC) とを用いて、前記レ
トルト殺菌装置からの実測槽温(tw)に対してリアルタイ
ムにシュミレート品温(tpc) を求めてF値(Fc)を演算す
る手段を設け、殺菌工程で制御F値(Fs)に達した時、殺
菌工程を終了し冷却工程へ移行するようにしたF値制御
付きレトルト殺菌装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装食品や輸液等の
製造におけるF値制御システムとこれを組み込んだレト
ルト殺菌機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の殺菌方法は、殺菌の対象となる品
物に直接温度センサーを差し込んで、品温を実測し、F
値を演算して所定のF値内に納まるよう殺菌工程を制御
していた。通常、計画殺菌条件はレトルト試験機で決定
されている。しかし、これを生産機へ適用するに当たっ
ては試験機のように毎回品温を直接検出してF値を合わ
せるようなことはできないので、ほとんどの場合が殺菌
温度到達後、何分保持という単純な殺菌条件の決め方
で、殺菌作業を行っている。
【0003】このような単純な殺菌条件の場合は、直接
F値を計らないだけに絶対安全な条件を選定しがちで、
いつの場合も殺菌過剰になり、品質劣化が避けられなか
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように直接品温
を測定する方法では、毎バッチごと温度センサーを差し
込む作業が必要であり面倒である。センサーの差し込み
位置も最遅速温度が計れるように所定位置に精度良くセ
ットされなければならず、熟練者でも骨の折れる大変神
経を使う作業である。そして所定の位置にセットされな
かった場合、再現性に乏しいF値制御になることで、安
全性がおろそかになり、信頼性に欠ける難点があった。
【0005】また単純な殺菌条件を用いる場合、実際の
運転においては、季節の変化に伴う室温の変化だけで
も、釜の放熱の影響を受けて殺菌温度調節計の制御が、
設定よりもわずかであるが、±0.5 ℃位ずれることがし
ばしば発生する。そして、殺菌温度が高温域であればあ
るほど、実質F値の受ける影響は大きく、ひどい場合は
計画殺菌条件を満たさないことも生じる。
【0006】さらに、停電などのユーティリティー上の
不調が生じた場合、何℃×何分の殺菌条件から逸脱する
ために、安全の評価ができなくなって、ほとんどが再
度、はじめから殺菌をやり直すといったことになってし
まう。この場合は品質面からみると最悪の状態になる。
前記のように殺菌温度付近での誤差は、たとえ±0.5 ℃
以内であってもF値において無視できない大きさになる
ので、生産現場では試験機の計画殺菌条件に一定の安全
率を掛けた修正計画殺菌条件で操業している。例えば、
F値4を目標とした120 ℃の殺菌では、F値6〜7(50
〜75%増し)位にもっていっているのが現実である。
【0007】本発明の目的は非接触で品温の経時変化を
リアルタイムに且つ正確に知り、F値制御を行って計画
殺菌条件以上の加熱殺菌を避けるようにし、殺菌時間の
短縮を図り、作業の負担を軽減し、精度アップにより食
品の安全性を高めることのできるF値制御付きレトルト
殺菌方法及び殺菌装置を提供する。さらに、釜、包材、
内容物、及びユーティリティーについて、限界温度近く
まで槽温をコントロールし、加熱殺菌時間の大幅な短縮
を図り品質の向上が図れるF値制御付きレトルト殺菌方
法及び殺菌装置を提供する。
【0008】まず、品温モニターシステムで決定した個
別伝熱係数(α)を用いて、槽温から品温をシュミレー
トすることにより、非接触で品温の経時変化をリアルタ
イムに且つ、正確に知り同時的にF値を演算して、殺菌
時間の延長や短縮を瞬時に判断できるようにしてF値制
御を行い、計画殺菌条件以上の加熱殺菌を避けるように
する。その結果、作業の負担を軽減し、殺菌時間の短縮
がはかれるF値制御付きレトルト殺菌方法及び殺菌装置
を提供しようとするものである。
【0009】さらに、制御すべき槽温レサイプを品温モ
ニターシステムの逐次計算式を逆展開した式へ目的とす
る品温レサイプを入力して予め求めておき、殺菌工程を
プログラム温度制御して殺菌時間の大幅な短縮を行うF
値制御付きレトルト殺菌方法及び殺菌装置を提供しよう
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明では、品温モニターシステムを制御部に組
み込んだレトルト殺菌装置を設け、予めレトルト試験機
で決定された包装食品又は輸液等の加熱側個別伝熱係数
(αH) と冷却側個別伝熱係数(αC) とを用いて、前
記レトルト殺菌装置からの実測槽温(tw)に対してリアル
タイムにシュミレート品温(tpc) を求めてF値(Fc)を演
算する手段を設け、殺菌工程で制御F値(Fs)に達した
時、殺菌工程を終了し冷却工程へ移行するようにしたF
値制御付きレトルト殺菌方法である。
【0011】第2発明では、第1発明に記載の品温モニ
ターシステムが、包装食品又は輸液等を装填したレトル
ト試験機からの信号に基づき、実測槽温(tw)(包装食品
等の伝熱媒体温度)と実測品温(tp)(包装食品等の内部
温度)の各データを蓄積する手段と、殺菌工程終了後、
前記蓄積データから包装食品又は輸液等の加熱側熱交換
器 (αH) と冷却側個別伝熱係数 (αC) とを演算する
手段と、前記個別伝熱係数 (αH) と (αC) とを用い
てシュミレート品温(tpc) を計算し、シュミレート品温
曲線を描き、前記実測槽温(tw)と実測品温(tp)のデータ
曲線上に載せて表示する手段と、からなる。
【0012】第3発明では、品温モニターシステムの逐
次計算式(MAA 式) を用いて、逆展開を行い、目的とす
る品温レサイプから予め制御すべき槽温レサイプを求め
る手段と、この槽温レサイプに従って殺菌工程をプログ
ラム温度制御するようにした。第4発明では、第1発
明、第2発明又は第3発明に記載のF値制御付きレトル
ト殺菌方法を組み込んだ熱水式、蒸気式、スプレー式そ
の他のレトルト殺菌装置とした。
【0013】(作用)第1発明及び第2発明では、試験
機の品温モニターシステムで得られた遅れ時間(δ)、
個別伝熱係数(α)(加熱側個別伝熱係数 (αH) 及び
冷却側個別伝熱係数 (αC) )を利用して、槽温データ
から品温(tpc) をリアルタイムにシュミレートしF値
(Fc )も演算してゆく。殺菌工程で制御F値(Fs )
に達した時、殺菌工程を終了し冷却工程へ移行させるこ
とにより、非破壊的操作によって、過剰な殺菌処理がな
いように制御できるようになった。
【0014】第3発明では、品温モニターシステムで得
られた遅れ時間(δ)、加熱側個別伝熱係数 (αH) 及
び冷却側個別伝熱係数 (αC) を利用して、任意の品温
データに対応する所定の槽温データを、予めシュミレー
ションにより決めておき槽温を制御してゆくことによ
り、殺菌工程時間を最小にすることができるようになっ
た。
【0015】第4発明では、熱水式、蒸気式、スプレー
式その他の加熱方式に関係なく、上記のF値制御を組み
込んだF値制御付きのレトルト殺菌装置が提供できた。
【0016】
【発明の実施の形態】品温モニターシステムの要点は次
の通りである。 (1) 基本式の構成 はじめに、殺菌工程における包装食品又は輸液等の内部
温度としての実測品温(tp)の経時変化特性を表す式を求
める。
【0017】レトルトでは一般的に、図1の品温シュミ
レーションモデル図に見られるように、任意の槽温(tw)
に対して、異なる6つの食品の品温(tpA, tpB, tpC, tp
D, tpE, tpF)のように経時変化の特性はすべて加熱側で
S字カーブを描き、冷却側では反対に逆S字カーブを描
く。ここで、加熱側は昇温及び殺菌の区間をいう。要す
るに、伝熱開始時に昇温の遅れを示し、伝熱終了時に殺
菌温度の槽温(tw)に漸近することを示すカーブ(曲線)
である。この曲線はヒステリシス曲線に類似している
が、ヒステリシス曲線のように上下、左右において対称
性がないので一つの関数式として表すのは困難である。
【0018】試行錯誤の上、下記の逐次計算式が、現在
求めようとしている品温曲線を一番よく表現できること
が判った。 基本式(MAAの式): tpn =tpn-1 +Δtpn ・・・ (1) Δtpn =α×Δtwn +(1−α)×Δtpn-1 ・・・ (2) 運用方法: 図2の逐次計算グラフのモデル図で、逐次
計算の方法を示す。
【0019】 tp0 :殺菌開始時の品温(℃) ・・・ 実測する tw0 :殺菌開始時の槽温(℃) ここで、tw0 =tp0 とする。 ・・・ (3) θ1,θ2,θ3,・・・θn-2,θn-1,θn:所定の一定時間
間隔(サンプリングサイクル(θn =n×θ)) tw1,tw2,tw3,・・・twn-2,twn-1,twn:サ
ンプリングサイクル毎に採取された槽温実測値(℃) tp1,tp2,tp3,・・・tpn-2,tpn-1,tpn:サ
ンプリングサイクル毎に採取された品温実測値(℃) ここで、Δtwn =twn − twn-1 を示す。
【0020】また、Δtpn-1 =tpn-1 −tpn-2
示す。 α:個別伝熱係数(所定の一定時間間隔当たりの無次元
数) なお、ここで、θは1〜30sec が実用的である。 個別伝熱係数αの伝熱特性:図1の如く、α値が大きい
程、伝熱性が高く、α値が小さい程、伝熱性が低い。
【0021】図3の微少時間における温度分布の変化図
から、方程式を展開すると、その伝熱特性がより明確に
なる。 αを求めるための方程式の展開:微少時間(θ)におけ
る微少熱量(qn )の流れは下記の二方法で表すことが
できる。熱伝導の式より、 qn =−(k/ Te ) ×A ×(tp n-1−twn )×θ ・・・ (4) 又、熱収支より、 qn =V ×ρ×cp×(tp n−tp n-1) ・・・ (5) (4)式と (5)式の熱量qn は近似的に等しいとみなせ
る。次に、その等式を展開してゆくと以下のようにな
る。
【0022】 V ×ρ×cp×(tp n−tp n-1)=−(k/Te ) ×A ×(tp n-1−twn )×θ (tp n−tpn-1 )=(((k/Te ) ×A ×θ)/(V×ρ×cp))×(twn −tp n-1) tpn =(((k/Te ) ×A ×θ)/(V×ρ×cp))×(twn −tp n-1)+tp n-1 ((k/ Te ) ×A ×θ)/(V×ρ×cp))=αとおいて整理すると、・・・ (6) tp n =α×twn +(1−α) ×tp n-1 図1からも判るように品温tpn は非線形の特性を示すの
で、このまま運用することはできない。そこで逐次計算
を可能にするような線形性を得るために、これを微分処
理する。その結果、前記の基本式 (2)が求まる。
【0023】 Δtpn =α×Δtwn +(1−α)×Δtpn-1 ・・・ (2) 上式により、品温変化は槽温変化のみから逐次計算でき
るようになる。従って、前記の基本式 (1)を運用するこ
とで図1の如く精度の高い品温カーブがシュミレーショ
ン可能になる。 tpn =tpn-1 +Δtpn ・・・ (1) (6) 式の形状特性をさらに整理する。
【0024】 T e =V/A とおけるので、 ・・・ (7) α=(k×θ)/(Te2×ρ×cp) ・・・ (8) ここで、k:包装食品の熱伝導率 (kcal/ mh℃) ρ:包装食品の密度 (kg/ m3) cp :包装食品の比熱 (kcal/ kg℃) A :包装食品の伝熱表面積 (m2) V :包装食品の体積 (m3) twn :現在の槽温 (℃) Δtwn :現在の槽温へ到達するに寄与した槽温変化 (℃) tpn :現在の品温(最遅速温度で規定される) (℃) Δtpn :現在の品温へ到達するに寄与した品温変化 (℃) tp n-1:逐次計算における前回の品温 (℃) Δtp n-1:逐次計算における前回の品温到達に寄与した品温変化 (℃) Te :包装食品の相当厚み (m) θ:サンプリングサイクル (h) α:所定時間間隔当たりの個別伝熱係数 (無次元数) (2) 品温モニター(α値モニター)の構成 対象の包装食品の殺菌工程中の実測槽温(tw)と実測品温
(tp)データを取る。
【0025】実測のtpデータからF値演算をさせてお
く。(F値) 次に、各初期値を決める。 包装食品のTeを (7)式より求める。 ・・・ (手動で入力する) 食品の各物性は、とりあえず、25℃の水物性で代用する。 (K)/ (ρ×cp) =(0.522)/(997.1×0.9989) =5.241 ×10-4 ・・・ (各物性値を手動で入力する) 以上により個別伝熱係数の初期値α0 が決まる。
【0026】 ・・・ (自動演算される。) (3)式に従いtw0(=tp0 ) が決まる。・・・ (自動で入力される。) 経過時間(θn ) のカウントは、槽内温度が均一条件に
なったところから開始する。例えば、熱水式の場合であ
れば、熱水注入後(又は冷却水注入後)、循環ポンプが
ONになった時点からカウントを開始することになる。
【0027】なお、実測槽温(twn )が昇温を開始した
後、最遅速の実測品温(tpn )が昇温し始めるまでに
は、所定の温度勾配を形成するための遅れ時間(δ)が
存在するので、これも自動で読み出す。前述の基本式
(1) 、(2) に、初期値α0 、tw0 及び実測槽温( twn )
データを入れて対応する品温データ(tpc) をシュミレー
ト計算する。この場合、遅れ時間(δ)分ほど実測槽温
(twn )データをずらせて品温データ(tpc) のシュミレ
ート計算するものとする。また、品温シュミレートと共
にF値も演算しておく。(Fc値) 前記の実測されたF値と演算されたFc値を比較し、一
定の精度まで収斂させてα値は基本的に決定される。こ
の場合、一般的な収斂法を用いて自動で行う。
【0028】まず、加熱側個別伝熱係数 (αH) は、加
熱終了時点でのF値とFc値の比較を行い、通常、Fc
値がF値に比較して−0.1%以内の精度に収斂するよう
にし、決定する。−0.1%以内と負側の範囲設定にした
のは、安全サイドの考慮によるものである。
【0029】次に、冷却側個別伝熱係数(αC)の初期
値には、直前に決定したαHを用いる。そして、冷却開
始から終了までのシュミレート計算を行う。この場合、
冷却工程時の正味のF値増加分で、収斂計算を行わせ
る。この場合も通常、−0.1%以内の精度に収斂させ
る。
【0030】なお、αCが収斂しない場合は最初の遅れ
時間(δ)に戻って修正し、やり直す。加熱側個別伝熱
係数 (αH) と冷却側個別伝熱係数(αC)が共にF値
偏差において−0.1%以内の精度で求まると、殺菌工程
終了時の最終F値に対しても−0.1%以内の精度が得ら
れる。 (3) レトルト試験機の構成 殺菌工程中の温度データは、一つの槽温twと一つまた
は複数の品温tpデータを品温モニターへ、所定の一定
間隔で送信する。
【0031】この場合、twは包装食品の外面の雰囲気
温度を正確に表示するものが必要である。しかも、槽内
において温度の均一性が保証されなければならない。温
度検出センサーも精度の高いサーミスタや測温抵抗体が
用いられる。なお、複数の品温データの内、最低のF値
を示すものをデータとして採用することで、安全性を高
めている。
【0032】さらに、品温モニターは試験機の制御盤に
組み込まれている場合もある。 (4) 本発明の構成 上記品温モニターシステムに示すように、個々のレトル
ト殺菌対象品は個々に特定の遅れ時間(δ)と個別伝熱
係数 (α)(厳密には加熱側のαHと冷却側のαC)を
求めることができる。これらδやα値のデータ蓄積か
ら、レトルト殺菌の温度領域(20℃〜 135℃)において
は槽温(tw)を少々変化させてもδやα値はほとんど変
わらず、一定値であることが判明している。 さらにδ
やα値は品物の形状と包材を含めた内容物の物性のみに
依存していて、殺菌方式が熱水式でも、蒸気式でもまた
その他であっても構わないことが確認された。本発明
は、この一定値で扱えるδやα値を利用したレトルト殺
菌システムである。
【0033】計画F値(最終的に必要とされるF値:F
t )は制御F値(殺菌工程を停止し、冷却工程へ移行す
るために制御するF値:Fs )と冷却F値(冷却時発生
分のF値:Fr )の合計で表される。Ft 値は普通、開
発や品質管理の担当者により、レトルト試験機とF値モ
ニター(又は品温モニター)を使用して決定される。F
s 値の初期値は、前もって空回転で出しておいたFr の
初期値をFt 値から引き算して求めておく。空運転の場
合、品物の熱容量が無い分、冷却スピードが速く、Fr
値が少なく出るので、殺菌の点からは安全サイドであ
る。通常の場合、Fr 値の絶対値はもともと小さく、F
t 値に占める割合が少ないので誤差は気にならない程度
である。従って、1バッチ目は多少安全サイドの殺菌処
理になるが問題はない。なお、2バッチ目からは、1バ
ッチのデータをフィードバックして精度を上げるように
する。
【0034】所定の設定された槽温(tw)で殺菌を行い、
それでシュミレートされた品温(tpc) から演算されたF
値(Fc )が、制御F値(Fs )に達したところで、殺
菌工程を終了して、冷却工程へ移行する。大幅な殺菌時
間の短縮を目的として殺菌工程をプログラム温度制御す
る場合は、まず、基本式(MAAの式)を逆展開して、
理想的な任意の品温レサイプを描きそれに対応する槽温
レサイプをシュミレーションする。次にシュミレーショ
ンされた槽温レサイプデータをシーケンサーに予め入力
しておき、殺菌の全工程をそのプログラム通りに制御す
る。
【0035】 基本式(MAAの式): tpn =tpn-1 +Δtpn ・・・ (1) Δtpn =α×Δtwn +(1−α)×Δtpn-1 ・・・ (2) 逆展開式: twn = twn-1 +Δtwn ・・・ (9) Δtwn =(1/α)×Δtpn −((1−α)/α)×Δtpn-1 ・・・ (10) ここで、tpn :現在の品温 (℃) tpn-1 :逐次計算における前回の品温 (℃) Δtpn :現在の品温へ到達するに寄与した品温変化 (℃) α :所定時間当たりの個別伝熱係数 (無次元数) twn :現在の槽温 (℃) Δtwn-1 :逐次計算における前回の槽温 (℃) Δtwn :現在の槽温へ到達するに寄与した槽温変化 (℃) ここでもtw0 =tp0 とおく。 ・・・ (11) 決定済のδとαを入れて (9) (10) (11)式を運用すれ
ば、任意の品温レサイプに対する槽温レサイプがシュミ
レーションできる。
【0036】基本的にはどんな品温レサイプに対しても
槽温レサイプをシュミレーションして描くことは可能で
あるが、殺菌釜の設計条件やユーティリティー条件さら
には包材の耐熱性、食品の耐熱性などの制限条件がある
ので、それらをすべて勘案して最適な槽温レサイプを選
定する必要がある。
【0037】
【実施例】 食品の種類 :70ccアルミ容器入りプリン(Te=7mm) 殺菌方式 :熱水式(静置)、含気処理方式 サンプリングサイクル :15 sec F値の計算式 :Σ(15/60×1E((1.8×tpn +32−250)/18)) F値誤差 (%) の計算式 :((MAA のF値−実測F値)/ 実測F値)×100 (試験機の設定データ) 殺菌温度 120 ℃ 殺菌温度維持時間 20 min (試験機における品温モニターの結果データ) 初期品温 tp0 =43.7〜46.1℃ (平均44.9℃) 遅れ時間 δ =45〜15 sec (平均30 sec) 加熱側個別伝熱係数 αH=0.0486〜0.0525 (平均0.0506) 冷却側個別伝熱係数 αC=0.0759〜0.0763 (平均0.0761) 演算最終F値 Fc =9.2 〜10.3 (平均9.75) 実測最終F値 F =9.2 〜10.3 (平均9.75) (生産機における計画殺菌条件の決定) 計画殺菌温度 120 ℃ 計画殺菌条件 Ft =7 (生産機に用いる品温モニターの設定データ) 初期品温 tp0 =45℃以上に適用 遅れ時間 δ =30 sec 加熱側個別伝熱係数 αH=0.0506 冷却側個別伝熱係数 αC=0.0761 (F値制御付きレトルト生産機の結果データ)(図4参照) 初期品温 tp0 =45.2℃ 演算冷却F値 Fr =0.62 演算制御F値 Fs = 7−0.62=6.38以上 殺菌温度維持時間 17.5 min 演算最終F値 Fc =7.10 実測最終F値 F =7.59 (上記レトルト生産機でスチーム圧低下が発生した場合の結果データ) (図5参照) スチーム圧低下時点 :カムアップ後、2分目 スチーム圧復帰時点 :低下時点から3分後 殺菌温度まで復帰時点 :スチーム圧復帰時点から2分後 初期品温 tp0 =45.2℃ 演算冷却F値 Fr =0.62 演算制御F値 Fs = 7−0.62=6.38以上 殺菌温度維持時間 19.5 min 演算最終F値 Fc =7.24 実測最終F値 F =7.67 (殺菌工程をプログラム温度制御したレトルト生産機の結果データ) (図6参照) 品温の昇温度カーブと冷却カーブを任意に設定し、予め、制御すべき槽温カー ブを決定しておく。
【0038】 初期品温 tp0 =45.2℃ 演算冷却F値 Fr =0.62 演算制御F値 Fs = 7−0.62=6.38以上 殺菌温度維持時間 13.5 min 演算最終F値 Fc =7.25 実測最終F値 F =7.47 3例のF値制御の結果はいずれも計画殺菌条件に対して
+10%以内に入っており、F値制御が効果的に作動して
いる。しかも実測最終F値が演算F値よりも大きくなっ
ていて、安全性についても問題はなく初期の目的を充分
満足している。
【0039】今回のサンプルは従来 120℃×20min の殺
菌条件で処理されていたものであるが、本発明のF値制
御を使用することによって 120℃×17.5 min付近にて処
理することが可能になった。約12.5%の殺菌時間の短縮
である。スチーム圧低下時も品温シュミレーションが連
続的になされていてF値制御が行われるので、ほとんど
の場合問題なく処理が可能である。今回のF値制御では
カムアップ後、3分間のスチーム圧低下に対して、殺菌
時間は2分間の延長で済んだ。
【0040】槽温のプログラム温度制御を取り入れたも
のでは、32.5%の殺菌温度時間の短縮ができており、大
幅な時間短縮の目的を充分満足させている。この場合、
槽温(tw)が昇温中に一瞬、 130℃の温度域を通過する
が、釜、包材及び食品には問題はなかった。なお、これ
は計画的なオーバーシュート制御と言える。
【0041】
【発明の効果】本発明のF値制御システムによると、殺
菌における過加熱を防止できる。さらに、プログラム温
度制御システムを取り入れることによって、殺菌時間の
大幅な短縮が可能である。レトルト殺菌機として、蒸気
式、熱水式さらにはスプレー(シャワー)式等の型式に
ついても使用できる。
【0042】品温モニターシステムをレトルト殺菌機に
組み込むことにより、非接触で実測槽温(tw)から精度の
高いシュミレート品温(tpc) がリアルタイムに求めら
れ、F値(Fc )の演算も行われるので、作業負担が少
なく、ユーティリティー不調時も含めて確実で安全なF
値制御が可能である。品温モニターシステムの逐次計算
式(MAAの式)を用いて逆展開を行い、時間短縮など
を目的とする品温レサイプに対応した制御すべき槽温レ
サイプを予め作って、レトルト殺菌装置に入力してプロ
グラム温度制御することで、大幅な殺菌時間の短縮がは
かれる。
【0043】上記のように計画殺菌条件に近づくこと
や、大幅な殺菌時間の短縮をはかることで、包装食品等
の不必要な品質劣化を防止することができるF値制御付
きレトルト殺菌方法及び殺菌装置を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 品温シュミレーションモデル図
【図2】 逐次計算グラフのモデル図
【図3】 微小時間における温度分布変化図
【図4】 F値制御付きレトルト生産機の結果を示すグ
ラフ
【図5】 スチーム圧低下が発生した場合の結果を示す
グラフ
【図6】 プログラム温度制御を行った場合のレトルト
生産機の結果を示すグラフ
【符号の説明】
tw 槽温 tp 品温 tpc シュミレート品温 α 個別伝熱係数 αH 加熱側個別伝熱係数 αC 冷却側個別伝熱係数 MAA 基本式(逐次計算式) tpA 輸液袋 100cc tpB チキンスープ 200g パウチ tpC ガラエキス 2号缶 tpD 中華風スープ1kg パウチ tpE カレーソース1kg パウチ tpF ごま豆腐インジェクション
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月28日(1999.7.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明では、品温モニターシステムを制御部に組
み込んだレトルト殺菌装置を設けた。ここにいう品温モ
ニターシステムは、包装食品又は輸液等を装填したレト
ルト試験機からの信号に基づき、実測槽温(tw)(包装食
品等の伝熱媒体温度)と実測品温(tp)(包装食品等の内
部温度)の各データを蓄積する手段と、殺菌工程終了
後、前記蓄積データから包装食品又は輸液等の加熱側熱
交換器 (αH) と冷却側個別伝熱係数 (αC) とを演算
する手段と、前記個別伝熱係数 (αH) と (αC) とを
用いてシュミレート品温(tpc) を計算し、シュミレート
品温曲線を描き、前記実測槽温(tw)と実測品温(tp)のデ
ータ曲線上に載せて表示する手段と、からなる。このレ
トルト殺菌装置において、予めレトルト試験機で決定さ
れた包装食品又は輸液等の加熱側個別伝熱係数(αH)
と冷却側個別伝熱係数(αC) とを用いて、前記レトル
ト殺菌装置からの実測槽温(tw)に対してリアルタイムに
シュミレート品温(tpc) を求めてF値(Fc)を演算する手
段を設け、殺菌工程で制御F値(Fs)に達した時、殺菌工
程を終了し冷却工程へ移行するようにしたF値制御付き
レトルト殺菌方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】第2発明では、品温モニターシステムの逐
次計算式(MAA の式) を用いて、逆展開を行い、目的と
する品温レサイプから予め制御すべき槽温レサイプを求
める手段と、この槽温レサイプに従って殺菌工程をプロ
グラム温度制御するようにした。 逐次計算式(MAAの式): tpn =tpn-1 +Δtpn ・・・ (1) Δtpn =α×Δtwn +(1−α)×Δtpn-1 ・・・ (2) 逆展開式: twn = twn-1 +Δtwn ・・・ (9) Δtwn =(1/α)×Δtpn −((1−α)/α)×Δtpn-1 ・・・ (10) 符号説明: tpn :現在の品温 (℃) tpn-1 :逐次計算における前回の品温 (℃) Δtpn :現在の品温へ到達するに寄与した品温変化 (℃) Δtpn-1 :前回の品温へ到達するに寄与した品温変化 (℃) α :所定時間当たりの個別伝熱係数 (無次元数) twn :現在の槽温 (℃) twn-1 :逐次計算における前回の槽温 (℃) Δtwn :現在の槽温へ到達するに寄与した槽温変化 (℃) 第3発明では、品温モニターシステムを制御部に組み込
んだレトルト殺菌装置を設けた。ここにいう品温モニタ
ーシステムは、包装食品又は輸液等を装填したレトルト
試験機からの信号に基づき、実測槽温(tw)(包装食品等
の伝熱媒体温度)と実測品温(tp)(包装食品等の内部温
度)の各データを蓄積する手段と、殺菌工程終了後、前
記蓄積データから包装食品又は輸液等の加熱側熱交換器
(αH)と冷却側個別伝熱係数 (αC) とを演算する手
段と、前記個別伝熱係数 (αH)と (αC) とを用いて
シュミレート品温(tpc) を計算し、シュミレート品温曲
線を描き、前記実測槽温(tw)と実測品温(tp)のデータ曲
線上に載せて表示する手段と、からなる。このレトルト
殺菌装置において、予めレトルト試験機で決定された包
装食品又は輸液等の加熱側個別伝熱係数(αH) と冷却
側個別伝熱係数(αC) とを用いて、前記レトルト殺菌
装置からの実測槽温(tw)に対してリアルタイムにシュミ
レート品温(tpc) を求めてF値(Fc)を演算する手段と、
殺菌工程で制御F値(Fs)に達した時、殺菌工程を終了し
冷却工程へ移行するようにしたF値制御付きレトルト殺
菌とを制御部に組み込んだことを特徴とする熱水式、蒸
気式、スプレー式その他のレトルト殺菌装置。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】(作用)第1発明では、試験機の品温モニ
ターシステムで得られた遅れ時間(δ)、個別伝熱係数
(α)(加熱側個別伝熱係数 (αH) 及び冷却側個別伝
熱係数 (αC) )を利用して、槽温データから品温(tp
c) をリアルタイムにシュミレートしF値(Fc )も演
算してゆく。殺菌工程で制御F値(Fs ) に達した時、
殺菌工程を終了し冷却工程へ移行させることにより、非
破壊的操作によって、過剰な殺菌処理がないように制御
できるようになった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】第2発明では、品温モニターシステムで得
られた遅れ時間(δ)、加熱側個別伝熱係数 (αH) 及
び冷却側個別伝熱係数 (αC) を利用して、任意の品温
データに対応する所定の槽温データを、予めシュミレー
ションにより決めておき槽温を制御してゆくことによ
り、殺菌工程時間を最小にすることができるようになっ
た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】第3発明では、熱水式、蒸気式、スプレー
式その他の加熱方式に関係なく、上記のF値制御を組み
込んだF値制御付きのレトルト殺菌装置が提供できた。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 基本式(MAAの式): tpn =tpn-1 +Δtpn ・・・ (1) Δtpn =α×Δtwn +(1−α)×Δtpn-1 ・・・ (2) 逆展開式: twn = twn-1 +Δtwn ・・・ (9) Δtwn =(1/α)×Δtpn −((1−α)/α)×Δtpn-1 ・・・ (10) ここで、 tpn :現在の品温 (℃) tpn-1 :逐次計算における前回の品温 (℃) Δtpn :現在の品温へ到達するに寄与した品温変化 (℃) Δtpn-1 :前回の品温へ到達するに寄与した品温変化 (℃) α :所定時間当たりの個別伝熱係数 (無次元数) twn :現在の槽温 (℃) twn-1 :逐次計算における前回の槽温 (℃) Δtwn :現在の槽温へ到達するに寄与した槽温変化 (℃)ここでも、 tw0 = tp0 とおく。 ・・・ (11) 決定
【0014】のδとαを入れて (9)(10)(11)式を運用す
れば、任意の品温レサイプに対する槽温レサイプがシュ
ミレーションできる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】
【実施例】 食品の種類 :70ccアルミ容器入りプリン(Te=7mm) 殺菌方式 :熱水式(静置)、含気処理方式 サンプリングサイクル :15 sec F値の計算式 :Σ((15/60) x1E + ((1.8 x tpn +32−250)/18)) F値誤差 (%) の計算式 :((MAA のF値−実測F値)/ 実測F値)×100 (試験機の設定データ) 殺菌温度 120 ℃ 殺菌温度維持時間 20 min (試験機における品温モニターの結果データ) 初期品温 tp0 =43.7〜46.1℃ (平均44.9℃) 遅れ時間 δ =45〜15 sec (平均30 sec) 加熱側個別伝熱係数 αH=0.0486〜0.0525 (平均0.0506) 冷却側個別伝熱係数 αC=0.0759〜0.0763 (平均0.0761) 演算最終F値 Fc =9.2 〜10.3 (平均9.75) 実測最終F値 F =9.2 〜10.3 (平均9.75) (生産機における計画殺菌条件の決定) 計画殺菌温度 120 ℃ 計画殺菌条件 Ft =7 (生産機に用いる品温モニターの設定データ) 初期品温 tp0 =45℃以上に適用 遅れ時間 δ =30 sec 加熱側個別伝熱係数 αH=0.0506 冷却側個別伝熱係数 αC=0.0761 (F値制御付きレトルト生産機の結果データ)(図4参照) 初期品温 tp0 =45.2℃ 演算冷却F値 Fr =0.62 演算制御F値 Fs = 7−0.62=6.38以上 殺菌温度維持時間 17.5 min 演算最終F値 Fc =7.10 実測最終F値 F =7.59 (上記レトルト生産機でスチーム圧低下が発生した場合の結果データ) (図5参照) スチーム圧低下時点 :カムアップ後、2分目 スチーム圧復帰時点 :低下時点から3分後 殺菌温度まで復帰時点 :スチーム圧復帰時点から2分後 初期品温 tp0 =45.2℃ 演算冷却F値 Fr =0.62 演算制御F値 Fs = 7−0.62=6.38以上 殺菌温度維持時間 19.5 min 演算最終F値 Fc =7.24 実測最終F値 F =7.67 (殺菌工程をプログラム温度制御したレトルト生産機の結果データ) (図6参照) 品温の昇温度カーブと冷却カーブを任意に設定し、予め、制御すべき槽温カー ブを決定しておく。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 品温モニターシステムを制御部に組み込
    んだレトルト殺菌装置を設け、予めレトルト試験機で決
    定された包装食品又は輸液等の加熱側個別伝熱係数(α
    H) と冷却側個別伝熱係数(αC) とを用いて、前記レ
    トルト殺菌装置からの実測槽温(tw)に対してリアルタイ
    ムにシュミレート品温(tpc) を求めてF値(Fc)を演算す
    る手段を設け、殺菌工程で制御F値(Fs)に達した時、殺
    菌工程を終了し冷却工程へ移行するようにしたことを特
    徴とするF値制御付きレトルト殺菌方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の品温モニターシステム
    が、包装食品又は輸液等を装填したレトルト試験機から
    の信号に基づき、実測槽温(tw)(包装食品等の伝熱媒体
    温度)と実測品温(tp)(包装食品等の内部温度)の各デ
    ータを蓄積する手段と、殺菌工程終了後、前記蓄積デー
    タから包装食品又は輸液等の加熱側熱交換器 (αH) と
    冷却側個別伝熱係数 (αC) とを演算する手段と、前記
    個別伝熱係数 (αH) と (αC) とを用いてシュミレー
    ト品温(tpc) を計算し、シュミレート品温曲線を描き、
    前記実測槽温(tw)と実測品温(tp)のデータ曲線上に載せ
    て表示する手段と、からなることを特徴とするF値制御
    付きレトルト殺菌方法。
  3. 【請求項3】 品温モニターシステムの逐次計算式(MA
    A 式) を用いて、逆展開を行い、目的とする品温レサイ
    プから予め制御すべき槽温レサイプを求める手段と、こ
    の槽温レサイプに従って殺菌工程をプログラム温度制御
    するようにしたF値制御付きレトルト殺菌方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のF値制御付き
    レトルト殺菌方法を組み込んだ熱水式、蒸気式、スプレ
    ー式その他のレトルト殺菌装置。
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