JP2958312B2 - 包装食品又は輸液等の品温モニターシステム及びこれを組み込んだレトルト試験機 - Google Patents

包装食品又は輸液等の品温モニターシステム及びこれを組み込んだレトルト試験機

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JP2958312B2 JP10245983A JP24598398A JP2958312B2 JP 2958312 B2 JP2958312 B2 JP 2958312B2 JP 10245983 A JP10245983 A JP 10245983A JP 24598398 A JP24598398 A JP 24598398A JP 2958312 B2 JP2958312 B2 JP 2958312B2
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は包装食品や輸液等の
製造における品温モニターシステムとこれを組み込んだ
レトルト試験機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、包装食品の殺菌条件の算出法
として、熱伝達試験から得られた熱伝達曲線を用いる方
法が、缶詰業界等で活用されている。この方法は基本的
には、品温が殺菌温度に漸近する状態をあらわすもの
で、特殊な作図法で解析がなされている。
【0003】即ち、熱伝達試験は蒸気注入直前に内容初
温を読み、蒸気注入後、レトルト内温度と缶詰内温度を
記録する。この時、「なるべくカムアップ時間を短く押
え、すべての熱伝達試験に対して常にこの時間を一定に
する必要がある」という制限がついている。この制限項
目は、缶詰に比べて殺菌時間の短いレトルト食品におい
ては、誤差が大きくなるため、使用が困難である。
【0004】熱伝達曲線法は熱伝達試験のデータから単
純対数的加熱曲線を描き、作図法で処理するのである
が、対数目盛りを逆さまにして使う特殊な面と、性格の
異なる二つの特性値を使用するので、大変複雑かつ煩雑
である(新・食品殺菌工学89頁以下 2−4−3 熱
伝達の項 参照)。そのため、コンピューターを使った
合理的な解析及び整理がいまだにできていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような熱伝達曲
線法では、与えられた殺菌条件で、どのくらいの殺菌時
間が必要であるかが、求められる効用があるが、品温の
挙動を殺菌工程中、連続的にモニターできるほどのもの
ではない。そして、その作図法で求められる特性値fと
jにおいて、伝熱工学的な解析はほとんど行われていな
い。
【0006】また、槽温の殺菌温度への到達時間が大変
短いことを前提条件としていて、理論的な無理が含まれ
ている。従って、上記のような従来法は取扱いが複雑で
面倒な割には、精度がもうひとつよくなく効率が悪い。
伝熱工学的な解析が困難なために、その後ほとんど進歩
しておらず、古典的技術になってしまっている。従って
パソコンなどの文明の利器が本当は向いているにもかか
わらず、役立てることができない状態である。
【0007】スプレー(シャワー)式レトルト、さらに
は含気処理などになると、蒸気式レトルトと違ってカム
アップ時間が長くなるので、熱伝達曲線による方法の成
立する前提条件が崩れてくる。さらに、熱伝達曲線方式
は蒸気式レトルトによる缶詰の処理を主体に考えている
ため、最近のレトルト食品などへ適用するには、殺菌処
理時間が短いために誤差が増幅して使いづらいものにな
っている。
【0008】本発明の目的は従来の作図法による解析を
やめ、コンピューターを活用して、食品内部の温度挙動
を槽温から瞬時且つ正確にシュミレートすることがで
き、取扱いが容易ですべてのレトルト機種及びすべての
包装食品、さらにはすべての処理方式に適用のできる可
能性を持つ品温モニターシステムを提供しようとするも
のである(この場合、槽温変化は任意で条件はつけな
い)。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明では、包装食品又は輸液等を装填したレト
ルト試験機からの信号により、実測槽温(tw)(包装食品
等の伝熱媒体温度)と実測品温(tp)(包装食品等の内部
温度)の各データを蓄積する手段と、殺菌工程終了後、
前記蓄積データから包装食品又は輸液等の個別伝熱係数
(α) を演算する手段と、演算結果を表示する手段と、
前記個別伝熱係数 (α) を用いてシュミレート品温(tp
c) を計算し、シュミレート品温曲線を描く手段と、こ
のシュミレート品温曲線を前記実測槽温(tw)と実測品温
(tp)の曲線に載せて表示する手段と、からなる包装食品
又は輸液等の品温モニターシステムとした。
【0010】第2発明では、包装食品又は輸液等の個別
伝熱係数 (α) として、加熱側個別伝熱係数 (αH)と冷
却側個別伝熱係数 (αC)とを演算するようにした包装食
品又は輸液等の品温モニターシステムとした。第3発明
では、レトルト試験機の運用時、次バッチで個別伝熱係
数 (α) を予め入力しておき、実測槽温(tw)と実測品温
(tp)及びシュミレート品温(tpc) を同時に運転中にカー
ブとして描き出すようにした包装食品又は輸液等の品温
モニターシステムとした。
【0011】第4発明では、任意の実測槽温(tw)と任意
の個別伝熱係数 (α) を入力して、シュミレート品温(t
pc) を演算して表示できるようにした包装食品又は輸液
等の品温モニターシステムとした。第5発明では、包装
食品を装填したレトルト試験機からの信号により、実測
槽温(tw)(包装食品又は輸液等の伝熱媒体温度)と実測
品温(tp)(包装食品又は輸液等の内部温度)の各データ
を蓄積する手段と、殺菌工程終了後、蓄積データから包
装食品又は輸液等の個別伝熱係数 (α) を演算する手段
と、演算結果を表示する手段と、前記個別伝熱係数
(α) を用いてシュミレート品温(tpc) を計算し、シュ
ミレート品温曲線を描く手段と、このシュミレート品温
曲線を前記実測槽温(tw)と実測品温(tp)の曲線に載せて
表示する手段と、からなる包装食品又は輸液等の品温モ
ニターシステムを、レトルト試験機と結合した品温モニ
ターシステムを組み込んだレトルト試験機とした。
【0012】第6発明では、殺菌工程中に下記の温度デ
ータを包装食品又は輸液等の品温モニターシステムへ所
定の一定の時間間隔で送信するようにした品温モニター
システムを組み込んだレトルト試験機とした。 (1)(槽温tw) :包装食品又は輸液等の外面雰囲気温
度をサンプリングした伝熱媒体温度(加熱または冷却媒
体温度) (2)(品温tp):包装食品又は輸液等の内側の最遅速
温度を槽温と同時的に一つ又は複数のサンプリングした
被伝熱媒体温度 (作用)第1発明では、先ずレトルト試験機からの実測
槽温(tw)と実測品温(tp)の各データを蓄積する手段と、
これらのデータから包装食品又は輸液等の個別伝熱係数
(α) を演算する手段と、演算結果を表示する手段と、
前記個別伝熱係数 (α)からシュミレート品温(tpc) を
計算し、シュミレート品温曲線を描き、前記実測槽温(t
w)と実測品温(tp)の曲線に載せて表示する手段と、によ
り品温のモニターができるようになった。
【0013】第2発明では、包装食品又は輸液等に特有
の伝熱特性に着目して、加熱側と冷却側での個別伝熱係
数をそれぞれ演算することにより、より正確なモニター
ができるようになった。第3発明では、レトルト試験機
の運用時に事前のバッチで演算した個別伝熱係数 (α)
を用い、次バッチでこれを予め入力しておき、実測槽温
(tw)と実測品温(tp)及びシュミレート品温(tpc) を同時
に運転中にカーブとして描き出すことができるようにし
た。
【0014】第4発明では、任意の実測槽温(tw)と任意
の個別伝熱係数 (α) を入力して、シュミレート品温(t
pc) を演算して、表示できるようになった。第5発明で
は、包装食品又は輸液等の品温モニターシステムを備え
たレトルト試験機を提供できる。第6発明では、レトル
ト試験機に対して、所定の一定間隔で伝熱媒体温度と被
伝熱媒体温度とを送信できるようにして、的確なデータ
が常時得られると共にモニターによる管理が容易になっ
た。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、将来的に非接触で最適
温度制御、F値制御、含気制御等を行うために、包装食
品の殺菌工程における内部温度の挙動を、実測槽温(tw)
から精度よくモニターすることにある。この場合、実測
槽温(tw)データのみから、一定の演算式によって内部温
度としての品温(tp)データを計算することを前提にして
いる。
【0016】また、昇温スピードを含めた任意な殺菌温
度の変化にも対応できるようにするために、個別伝熱係
数のような単一の伝熱特性値が求められるようにする。
この単一の伝熱特性値は包装食品の物性や構造寸法など
を使って、今後、理論的な解析及び整理が進められるよ
うなものにする。 (1) 基本式の構成 はじめに、殺菌工程における包装食品又は輸液等の内部
温度としての実測品温(tp)の経時変化特性を表す式を求
める。
【0017】レトルトでは一般的に、図1の品温シュミ
レーションモデル図に見られるように、任意の槽温(tw)
に対して、異なる6つの食品の品温(tpA, tpB, tpC, tp
D, tpE, tpF)のように経時変化の特性はすべて加熱側で
S字カーブを描き、冷却側では反対に逆S字カーブを描
く。ここで、加熱側は昇温及び殺菌の区間をいう。要す
るに、伝熱開始時に昇温の遅れを示し、伝熱終了時に殺
菌温度の槽温(tw)に漸近することを示すカーブ(曲線)
である。この曲線はヒステリシス曲線に類似している
が、ヒステリシス曲線のように上下、左右において対称
性がないので一つの関数式として表すのは困難である。
【0018】試行錯誤の上、下記の逐次計算式が、現在
求めようとしている品温曲線を一番よく表現できること
が判った。 基本式(MAAの式): tpn =tpn-1 +Δtpn ・・・ (1) Δtpn =α×Δtwn +(1−α)×Δtpn-1 ・・・ (2) 運用方法: 図2の逐次計算グラフのモデル図で、逐次
計算の方法を示す。
【0019】 tp0 :殺菌開始時の品温(℃) ・・・ 実測する tw0 :殺菌開始時の槽温(℃) ここで、tw0 =tp0 とする。 ・・・ (3) θ1,θ2,θ3,・・・θn-2,θn-1,θn :所定の一定時間間隔(サンプリングサイクル(θn =n×θ)) tw1,tw2,tw3,・・・twn-2,twn-1,twn :サンプリングサイクル毎に採取された槽温実測値(℃) tp1,tp2,tp3,・・・tpn-2,tpn-1,tpn :サンプリングサイクル毎に採取された品温実測値(℃) ここで、Δtwn =twn − twn-1 を示す。
【0020】また、Δtpn-1 =tpn-1 −tpn-2
示す。 α:個別伝熱係数(所定の一定時間間隔当たりの無次元
数) なお、ここで、θは1〜30sec が実用的である。 個別伝熱係数αの伝熱特性:図1の如く、α値が大きい
程、伝熱性が高く、α値が小さい程、伝熱性が低い。
【0021】図3の微少時間における温度分布の変化図
から、方程式を展開すると、その伝熱特性がより明確に
なる。 αを求めるための方程式の展開:微少時間(θ)におけ
る微少熱量(qn )の流れは下記の二方法で表すことが
できる。 熱伝導の式より、 qn =−(k/ Te ) ×A ×(tp n-1−twn )×θ ・・・ (4) 又、熱収支より、 qn =V ×ρ×cp×(tp n−tp n-1) ・・・ (5) (4)式と (5)式の熱量qn は近似的に等しいとみなせ
る。 次に、その等式を展開してゆくと以下のようになる。
【0022】 V ×ρ×cp×(tp n−tp n-1)=−(k/Te ) ×A ×(tp n-1−twn )×θ (tp n−tpn-1 )=(((k/Te ) ×A ×θ)/(V×ρ×cp))×(twn −tp n-1) tpn =(((k/Te ) ×A ×θ)/(V×ρ×cp))×(twn −tp n-1)+tp n-1 ((k/ Te ) ×A ×θ)/(V×ρ×cp))=αとおいて整理すると、・・・ (6) tp n =α×twn +(1−α) ×tp n-1 図1からも判るように品温tpn は非線形の特性を示すの
で、このまま運用することはできない。そこで逐次計算
を可能にするような線形性を得るために、これを微分処
理する。その結果、前記の基本式 (2)が求まる。
【0023】 Δtpn =α×Δtwn +(1−α)×Δtpn-1 ・・・ (2) 上式により、品温変化は槽温変化のみから逐次計算でき
るようになる。従って、前記の基本式 (1)を運用するこ
とで図1の如く精度の高い品温カーブがシュミレーショ
ン可能になる。 tpn =tpn-1 +Δtpn ・・・ (1) (6) 式の形状特性をさらに整理する。
【0024】 T e =V/A とおけるので、 ・・・ (7) α=(k×θ)/(Te2×ρ×cp) ・・・ (8) ここで、k:包装食品の熱伝導率 (kcal/ mh℃) ρ:包装食品の密度 (kg/ m3) cp :包装食品の比熱 (kcal/ kg℃) A :包装食品の伝熱表面積 (m2) V :包装食品の体積 (m3) twn :現在の槽温 (℃) Δtwn :現在の槽温へ到達するに寄与した槽温変化 (℃) tpn :現在の品温(最遅速温度で規定される) (℃) Δtpn :現在の品温へ到達するに寄与した品温変化 (℃) tp n-1:逐次計算における前回の品温 (℃) Δtp n-1:逐次計算における前回の品温到達に寄与した品温変化 (℃) Te :包装食品の相当厚み (m) θ:サンプリングサイクル (h) α:所定時間間隔当たりの個別伝熱係数 (無次元数) (2) 品温モニター(α値モニター)の構成 対象の包装食品の殺菌工程中の実測槽温(tw)と実測品温
(tp)データを取る。
【0025】 実測のtpデータからF値演算をさせておく。(F値) 次に、各初期値を決める。 包装食品のTeを (7)式より求める。 ・・・ (手動で入力する) 食品の各物性は、とりあえず、25℃の水物性で代用す
る。 (K)/ (ρ×cp) =(0.522)/(997.1×0.9989) =5.241 ×10-4 ・・・ (各物性値を手動で入力する) 以上により個別伝熱係数の初期値α0 が決まる。
【0026】 ・・・ (自動演算される。) (3)式に従いtw0(=tp0 ) が決まる。・・・ (自動で入力される。) 経過時間(θn ) のカウントは、槽内温度が均一条件に
なったところから開始する。例えば、熱水式の場合であ
れば、熱水注入後(又は冷却水注入後)、循環ポンプが
ONになった時点からカウントを開始することになる。
【0027】なお、実測槽温(twn )が昇温を開始した
後、最遅速の実測品温(tpn )が昇温し始めるまでに
は、所定の温度勾配を形成するための遅れ時間(δ)が
存在するので、これも自動で読み出す。前述の基本式
(1) 、(2) に、初期値α0 、tw0 及び実測槽温( twn )
データを入れて対応する品温データ(tpc) をシュミレー
ト計算する。この場合、遅れ時間(δ)分ほど実測槽温
(twn )データをずらせて品温データ(tpc) のシュミレ
ート計算するものとする。また、品温シュミレートと共
にF値も演算しておく。(Fc値) 前記の実測されたF値と演算されたFc値を比較し、一
定の精度まで収斂させてα値は基本的に決定される。こ
の場合、一般的な収斂法を用いて自動で行う。
【0028】まず、加熱側個別伝熱係数 (αH) は、加
熱終了時点でのF値とFc値の比較を行い、通常、Fc
値がF値に比較して−0.1%以内の精度に収斂するよう
にし、決定する。−0.1%以内と負側の範囲設定にした
のは、安全サイドの考慮によるものである。
【0029】次に、冷却側個別伝熱係数(αC)の初期
値には、直前に決定したαHを用いる。そして、冷却開
始から終了までのシュミレート計算を行う。この場合、
冷却工程時の正味のF値増加分で、収斂計算を行わせ
る。この場合も通常、−0.1%以内の精度に収斂させ
る。
【0030】なお、αCが収斂しない場合は最初の遅れ
時間(δ)に戻って修正し、やり直す。加熱側個別伝熱
係数 (αH) と冷却側個別伝熱係数(αC)が共にF値
偏差において−0.1%以内の精度で求まると、殺菌工程
終了時の最終F値に対しても−0.1%以内の精度が得ら
れる。 (3) レトルト試験機の構成 殺菌工程中の温度データは、一つの槽温twと一つまた
は複数の品温tpデータを品温モニターへ、所定の一定
間隔で送信する。
【0031】この場合、twは包装食品の外面の雰囲気
温度を正確に表示するものが必要である。しかも、槽内
において温度の均一性が保証されなければならない。温
度検出センサーも精度の高いサーミスタや測温抵抗体が
用いられる。なお、複数の品温データの内、最低のF値
を示すものをデータとして採用することで、安全性を高
めている。
【0032】さらに、品温モニターは試験機の制御盤に
組み込まれている場合もある。
【0033】
【実施例】以下、図面に示した実施例につき説明する。 (1) モニタリングテストにおける実施品目と殺菌方法 RUN No. 品 名 相当厚み Te 殺菌方式 図面No. 1 カレー A(1kg パウチ)120 ℃殺菌 9.98mm 蒸気式 図4 2 ホワイトソース(1kg パウチ) 115 ℃殺菌 7.46mm 熱水式 図5 3 輸液バッグ(2000mml 袋)120 ℃殺菌 13.59 mm スプレー式 図6 4 カレー B(300gパウチ)120 ℃殺菌 5.61mm スプレー式 図7 5 サケフレーク(100ccトレー) 90℃殺菌 7.69mm スプレー式 (含気) 図8 6 ハム(φ50mm×L200)110℃殺菌 11.11mm スプレー式 図9 (2) モニタリングの精度 RUN No. 品名 実測F値 演算Fc値 F値誤差 (−) (−) (%) 1 カレー A(1kg パウチ)120 ℃殺菌 6.55 6.54 −0.1 2 ホワイトソース(1kg パウチ) 115 ℃殺菌 2.84 2.84 −0.1 3 輸液バッグ(2000mml 袋)120 ℃殺菌 16.66 16.64 −0.1 4 カレー B(300gパウチ)120 ℃殺菌 11.86 11.84 −0.1 5 サケフレーク(100ccトレー) 90℃殺菌 0.04 0.04 −0.1 6 ハム(φ50mm×L200)110℃殺菌 0.64 0.64 −0.1 上記においてF値誤差: ((Fc −F)/F) ×100 とする。 (3) モニタリングの結果(α0 、δ、αH、αC) ・・・(α値はサンプリングサイクル3sec に統一して示す。) RUN No. 品名 α0 δ αH αC (−) (sec) (−) (−) 1 カレー A(1kg パウチ) 0.00439 45 0.00425 0.00322 2 ホワイトソース(1kg パウチ) 0.00785 45 0.00545 0.00545 3 輸液バッグ(2000mml 袋) 0.00236 27 0.00408 0.00413 4 カレー B(300gパウチ) 0.01388 39 0.00922 0.00756 5 サケフレーク(100ccトレー) 0.00739 9 0.01064 0.01058 6 ハム(φ50mm) 0.00354 207 0.00427 0.00405 モニタリングの結果において、αの最終決定値が初期値
から大きくずれているものがあるが、収斂計算において
は支障ないものであった。これらは、主に内容物の粘度
特性に影響を受けていると考えられる。さらに、一般的
に冷却側個別伝熱係数のほうが、加熱側のそれに比べて
小さくなっている。
【0034】これら粘度の取り扱い及び冷却時の性能低
下などは、本発明の品温モニターを運用することで今
後、整理・解析されて、予め机上計算できるところまで
実用化されるものと推察する。モニタリング精度はいず
れの場合も−0.1%以内に入っているので、これら数
値を本装置における品温シュミレーションに適用しても
問題はないと判断する。
【0035】また、モニタリング結果は蒸気式、熱水式
及びスプレー式のいずれに対して満足のゆく結果を出し
ており、本発明の品温モニターがレトルト殺菌のすべて
の機種に有効であることを示している。
【0036】
【発明の効果】本発明の品温モニターシステムによる
と、大部分のレトルト殺菌データが、個別伝熱係数を使
用してシュミレーション可能である。レトルト殺菌機と
して、蒸気式、熱水式さらにはスプレー(シャワー)式
等の型式についても添付のシュミレーションに示すよう
に使用できる。
【0037】適切なαを選択すると、実測twデータから
演算したtpc は実測tpにほぼ一致する。添付データか
ら、すべてのデータにおいて、最終F値の精度が−0.
1%に入り、品温カーブによって視覚的にも確認でき
る。食品の場合、加熱するとデンプンがアルファー化す
るなどの物性変化のあるものが多く、実質的には一つの
食品において、αHとαCの二つの個別伝熱係数を運用
することになる。
【0038】αは(8) 式からも判るように内容物の伝熱
特性値や寸法関係のみの関数になっていて、今後の伝熱
工学的な解析を容易ならしめるものである。粘度や固形
物の取り扱い及び冷却時の性能低下の解析が進めば、初
期値からのズレがなくせる。つまり、それは前もって試
算できるということである。要するにtpの実測がなくて
も、物性や寸法などから、α値が推算可能になる等の特
徴を有しているのである。
【0039】個別伝熱係数は個々の包装食品に特有の値
であり、殺菌条件を少々変更しても変わらない。従っ
て、現段階においても、一つの食品において一条件のα
が求まれば、それを使って、いろいろな殺菌条件(tw)に
よる品温カーブをシュミレーションで描かせて最適な殺
菌条件を決定することが可能になった。このように本発
明によりレトルト殺菌における包装食品の内部温度の挙
動が、非接触でモニターできるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 品温シュミレーションモデル図
【図2】 逐次計算グラフのモデル図
【図3】 微小時間における温度分布変化図
【図4】 カレー A(1kg パウチ)120 ℃殺菌のシュミレー
ション図
【図5】 ホワイトソース(1kg パウチ) 115 ℃殺菌のシュミレ
ーション図
【図6】 輸液バッグ(2000mml 袋)120 ℃殺菌のシュ
ミレーション図
【図7】 カレー B(300gパウチ)120 ℃殺菌のシュミレー
ション図
【図8】 サケフレーク(100ccトレー) 90℃殺菌のシュミレーシ
ョン図
【図9】 ハム(φ50mm×L200)110℃殺菌のシュミレーシ
ョン図
【符号の説明】
tw 槽温 tp 品温 tpc シュミレート品温 α 個別伝熱係数 αH 加熱側個別伝熱係数 αC 冷却側個別伝熱係数 tpA 輸液袋 100cc tpB チキンスープ 200g パウチ tpC ガラエキス 2号缶 tpD 中華風スープ1kg パウチ tpE カレーソース1kg パウチ tpF ごま豆腐インジェクション

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 包装食品又は輸液等を装填したレトルト
    試験機からの信号により、実測槽温(tw)(包装食品等の
    伝熱媒体温度)と実測品温(tp)(包装食品等の内部温
    度)の各データを蓄積する手段と、殺菌工程終了後、前
    記蓄積データから包装食品又は輸液等の個別伝熱係数
    (α)を演算する手段と、演算結果を表示する手段と、前
    記個別伝熱係数 (α) を用いてシュミレート品温(tpc)
    を計算し、シュミレート品温曲線を描く手段と、このシ
    ュミレート品温曲線を前記実測槽温(tw)と実測品温(tp)
    の曲線に載せて表示する手段と、からなる包装食品又は
    輸液等の品温モニターシステム。
  2. 【請求項2】 包装食品又は輸液等の個別伝熱係数
    (α) として、加熱側個別伝熱係数 (αH)と冷却側個別
    伝熱係数 (αC)とを演算するようにした請求項1記載の
    包装食品又は輸液等の品温モニターシステム。
  3. 【請求項3】 レトルト試験機の運用時、次バッチで個
    別伝熱係数 (α) を予め入力しておき、実測槽温(tw)と
    実測品温(tp)及びシュミレート品温(tpc) を同時に運転
    中にカーブとして描き出すようにした請求項1又は請求
    項2記載の包装食品又は輸液等の品温モニターシステ
    ム。
  4. 【請求項4】 任意の実測槽温(tw)と任意の個別伝熱係
    数 (α) を入力して、シュミレート品温(tpc) を演算し
    て表示できるようにした請求項1又は請求項2記載の包
    装食品又は輸液等の品温モニターシステム。
  5. 【請求項5】 包装食品を装填したレトルト試験機から
    の信号により、実測槽温(tw)(包装食品又は輸液等の伝
    熱媒体温度)と実測品温(tp)(包装食品又は輸液等の内
    部温度)の各データを蓄積する手段と、殺菌工程終了
    後、蓄積データから包装食品又は輸液等の個別伝熱係数
    (α) を演算する手段と、演算結果を表示する手段と、
    前記個別伝熱係数 (α) を用いてシュミレート品温(tp
    c) を計算し、シュミレート品温曲線を描く手段と、こ
    のシュミレート品温曲線を前記実測槽温(tw)と実測品温
    (tp)の曲線に載せて表示する手段と、からなる包装食品
    又は輸液等の品温モニターシステムを、レトルト試験機
    と結合したことを特徴とする品温モニターシステムを組
    み込んだレトルト試験機。
  6. 【請求項6】 殺菌工程中に下記の温度データを包装食
    品又は輸液等の品温モニターシステムへ所定の一定の時
    間間隔で送信するようにした請求項5記載の品温モニタ
    ーシステムを組み込んだレトルト試験機。 (1)(槽温tw) :包装食品又は輸液等の外面雰囲気温
    度をサンプリングした伝熱媒体温度(加熱または冷却媒
    体温度) (2)(品温tp):包装食品又は輸液等の内側の最遅速
    温度を槽温と同時的に一つ又は複数のサンプリングした
    被伝熱媒体温度
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