JP2000070166A - シャワ―装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作子の操作力を軽くし得、コストの上昇を
来すこと無く、上流側の圧力上昇を確実に逃がして可撓
性管等の破損を防止することができるシャワー装置を提
供すること。 【解決手段】 先部に散水口を具備すると共に操作子の
操作によって散水を開始・停止するための開閉弁をシャ
ワーヘッド本体に具備したシャワーヘッドと、このシャ
ワーヘッドの基部に接続されるホースを介して連絡する
湯水混合栓と、この湯水混合栓と上記ホースとの間に取
付けられると共にホース内に生じる圧力変動により開閉
制御され、止水、流量調整及び圧力調整する止水栓とを
備えたシャワー装置において、上記シャワーヘッド本体
に上記開閉弁とは別体に設けられこの開閉弁の上流側水
路の圧力上昇を下流側水路に逃がす逃がし弁を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、操作子の操作によ
って弁を開閉すると共に、弁孔上流側の圧力上昇を弁孔
下流側に逃がす機能も有する吐水装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、先に、国際特許出願ＪＰ９
６／３１８９号において、図３に示す形態のシャワー装
置Ｂを提示した。図示するように、シャワー装置Ｂは、
可撓性管の一例である長尺のビニール等のホース１００
の上流側に第１の吐水装置である止水栓１０１を取付け
ると共に、ホース１００の下流側にシャワーヘッド１０
２を取付けており、シャワーヘッド１０２の先部に散水
板１０３が取付けられると共に、その途中には第２の吐
水装置である開閉弁１０４が取付けられている。また、
止水栓１０１の上流側には湯水混合栓１０５が連通連結
されている。

【０００３】上記した構成において、開閉弁１０４は、
押しボタン操作によってシャワーヘッド１０２からの流
体を噴出したり停止したりすると共に、開閉弁１０４の
上流側で所定圧力以上の圧力上昇が発生した場合は、速
やかに開閉弁１０４を開けて圧力を下流側に伝達して逃
がす構成としている。即ち、図４に示すように、開閉弁
１０４は、シャワーヘッド本体１０６の内部に形成した
隔壁１０７に設けた弁座１０８に囲まれた弁孔１０９
と、その下流側に形成され散水板１０３側に連通する連
絡孔１１０との間の流路を開閉可能としたものでありシ
ャワーヘッド本体１０６に固定されているブッシュ１１
１によって保持されている。

【０００４】ブッシュ１１１には操作用のボタン１１２
を水密状として弁座１０８方向に移動可能に組み込むと
共に、隔壁１０７との間に介装したスプリング１１４に
よってこのボタン１１２をシャワーヘッド本体１０６か
ら離れる向きに付勢している。ボタン１１２の中には、
弁座１０８に着座可能な弁体１１５を従来周知のハート
形カム１１６によってブッシュ１１１に連接すると共
に、スプリング１１７によって弁体１１５を弁座１０８
方向に向けて付勢している。ハート形カム１１６とスプ
リング１１７との組み合わせによって、弁体１１５は、
ノック式ボールペン等に採用されている従来周知のスラ
ストロック機構によってブッシュ１１１に連接すること
ができる。

【０００５】このスラストロック機構によって、図４
（ａ）の状態からボタン１１２を押すと、ボタン１１２
は図４（ｂ）の位置まで移動し、押圧を解除すると、図
４（ｃ）の状態に維持される。そして、図４（ｃ）の状
態からボタン１１２を再び押すと、図４（ｂ）の状態を
経由して図４（ａ）に示すように弁体１１５が弁座１０
８に着座した閉弁状態と、図４（ｃ）に示すように弁体
１１５から離れた開弁状態とに切り替えることができ
る。また、弁体１１５を弁座１０８側に付勢しているス
プリング１１７のバネ定数は、開閉弁１０４を閉じた後
の上流側での圧力上昇によって収縮するように設定され
ている。従って、開閉弁１０４を閉じた後に上流側で圧
力上昇したときには、図４（ｃ）に示すように、弁体１
１５が弁座１０８から離れて散水板１０３側への流路に
連通させることができ、給水をリークさせて圧力の上昇
分を大気に逃がすことができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の開閉弁１０４は、未だ、以下の解決すべき課題を有し
ていた。即ち、弁体１１５を閉方向に付勢するスプリン
グと、ボタン１１２の移動に抗するスプリングとは同一
のスプリング１１７によって構成されているが、このス
プリング１１７は開閉弁１０４を閉じた後に上流側で発
生する圧力上昇は逃すが、通常の圧力では開かない様に
する必要が有って、スプリング１１７のばね定数は大き
く設定する必要が有る。即ち、スプリング１１７のばね
力が大きくなり、ボタン１１２の操作力が大きくなる。
このように、ボタン１１２の操作力が大きくなると、開
閉弁１０４を具備するシャワー装置Ｂを使用する使用者
の使い勝手を悪いものとしていた。又、開閉弁１０４や
これを開閉するボタン１１２などの操作子の構造が複雑
になりコストの上昇をきたしていた。

【０００７】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、操作子の操作力を軽くし得、コストの上昇
を来すこと無く、上流側の圧力上昇を確実に逃がして可
撓性管等の破損を防止することができるシャワー装置を
提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この目的に沿うシャワー
装置は、先部に散水口を具備すると共に操作子の操作に
よって散水を開始・停止するための開閉弁をシャワーヘ
ッド本体に具備したシャワーヘッドと、このシャワーヘ
ッドの基部に接続されるホースを介して連絡する湯水混
合栓と、この湯水混合栓と上記ホースとの間に取付けら
れると共にホース内に生じる圧力変動により開閉制御さ
れ、止水、流量調整及び圧力調整する止水栓とを備えた
シャワー装置において、上記シャワーヘッド本体に上記
開閉弁とは別体に設けられこの開閉弁の上流側水路の圧
力上昇を下流側水路に逃がす逃がし弁を具備しているこ
とを特徴としている。

【０００９】この様に開閉弁とは別に逃し弁を設けるこ
とで、開閉弁や操作子の構造が単純になり、しかも操作
子に圧力上昇時のみに開くような強いスプリングを設け
る必要が無くなって、操作子の操作力が軽くなる。

【００１０】

【発明の実施の形態】この逃がし弁は、シャワーヘッド
本体の内壁に設けられ上流側水路と下流側水路とを連通
する連絡筒に形成された逃がし孔と、上記上流側水路に
連通する開口に設けた逃し弁座と、上記逃がし孔内に配
設された弁球と、この弁球を逃し弁座側に付勢するスプ
リングとを具備せしめることが好ましく、このようにす
ることで逃し弁の構造が簡単でコストを安く出来、しか
も通常圧力状態での止水性も良い。

【００１１】上記逃がし弁のスプリングのバネ定数を、
上記開閉弁を閉じた直後に発生するウォーターハンマー
による圧力上昇によって収縮する程度に設定すること
で、通常の使用圧力では逃し弁を通して水漏れすること
が無い。

【００１２】

【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施の形態につき説明する。

【００１３】図１は本実施の形態に係るシャワー装置Ａ
を示し、図示するように、先部に散水口１１を具備する
シャワーヘッド１２の基部は、シャワー水を供給する可
撓性管の一例であるビニール製のホース１４を介して湯
水混合栓１３の吐出口に接続されている。また、ホース
１４の上流側と湯水混合栓１３の接続部には止水栓１５
が取付けられ、シャワーヘッド１２内には開閉弁１６が
取付けられている。

【００１４】ここに、開閉弁１６は、使用者による押し
ボタン操作で作動されシャワーヘッド１２からの散水を
開始・停止するために用いられるものであり、止水栓１
５は、開閉弁１６の開閉動作によってホース１４内に生
じる圧力変動に開閉動作が制御され、止水、流量調整及
び圧力調整するために用いられるものである。

【００１５】本発明は上記した構成を有する吐水装置Ａ
において、開閉弁１６の操作に要する力を低減して吐水
装置Ａの使い勝手を向上すると共に、開閉弁１６の開閉
操作によって生じる上流側の圧力上昇を確実に逃がして
ホース１４の破損も防止するものである。

【００１６】図２に示すように、シャワーヘッド１２の
シャワーヘッド本体１７内には、シャワーヘッド本体１
７の軸線上に位置する隔壁１８が配設されている。隔壁
１８の中央部には弁孔１９を具備する連絡筒２０が取付
けられており、連絡筒２０の一端面には弁座２１が形成
されている。そして弁座２１には、ダイアフラムからな
る弁体２２の中央部が接離自在に当接されている。な
お、弁体２２の背部には補強板２３が貼着されている。
この弁体２２を弁座２１に向けて進退させることにより
弁孔１９を開閉することができ、開状態で、シャワーヘ
ッド本体１７内において弁孔１９の上流側と下流側にそ
れぞれ形成される上流側水路２４と下流側水路２５とを
弁孔１９を通して連通連結することができる。

【００１７】図２に示すように、ダイアフラムからなる
弁体２２の背部には、弁体２２と、弁体支持筒２６と、
操作子支持板２７とによって、圧力室２８が区画形成さ
れている。圧力室２８はパイロット弁孔２９によって下
流側水路２５に連通連結されると共に、ブリード孔３０
によって上流側水路２４に連通連結されている。操作子
支持板２７の中央部には弁軸ガイド孔３１が設けられて
おり、弁軸ガイド孔３１内には、先部が圧力室２８を貫
通してパイロット弁孔２９の一端開口に向けて進退する
弁軸３２が進退自在に取付けられている。弁軸３２の後
部は操作子支持板２７の外面より外部に突出しており、
突出端には押しボタンからなる操作子３３が取付けられ
ている。また、操作子支持板２７の中央部と操作子３３
との間にはスプリング３４が配設されており、このスプ
リング３４は弁軸３２を後退させる方向（開弁方向）に
付勢している。

【００１８】また、開閉弁１６は、操作子支持板２７と
操作子３３との係合面にスラストロック機構３５を具備
している。このスラストロック機構３５は、スプリング
３４と協働して、操作子３３の押し動作のみによって、
弁軸３２を進退してパイロット弁孔２９を開閉すること
ができる。

【００１９】また、図２に示すように、開閉弁１６の上
流側水路２４の圧力上昇を確実に逃がしてホース１４の
破損も防止することができる逃がし弁３６を具備する。
この逃がし弁３６は、開閉弁１６と別体に構成されてい
る。

【００２０】図示するように、シャワーヘッド本体１７
の内壁には小径の連絡筒３７が連設されており、連絡筒
３７内には逃がし孔３８が形成されている。逃がし孔３
８の一端には逃がし弁座３９を具備する開口４０が設け
られており、この開口４０は上流側水路２４に連通して
いる。一方、逃がし孔３８の他端には開口４１が設けら
れており、この開口４１は下流側水路２５に連通してい
る。逃がし孔３８には弁球４２が配設されており、この
弁球４２はスプリング４３によって逃がし弁座３９に付
勢されている。ここで、スプリング４３のバネ定数は、
開閉弁１６を閉じた直後の上流側でのウオーターハンマ
ーの発生による圧力上昇によって収縮する程度に設定す
る。

【００２１】次に、上記した構成を有する実施の形態に
係るシャワー装置Ａによる吐水作業について説明する。
シャワー装置Ａを使用していない状態では、開閉弁１６
は図２に示す閉状態にある。また、パイロット弁孔２９
は閉状態にある。

【００２２】図１に示す湯水混合栓１３を作動してホー
ス１４を通してシャワーヘッド１２に混合湯水を供給す
ると、図２に示すように開閉弁１６は閉状態にある場合
は、シャワーヘッド１２の散水口１１よりシャワー水が
噴出されることはない。

【００２３】次に、操作子３３を手で押した後に手を操
作子３３から離すと、スラストロック機構３５とスプリ
ング３４の協働によって、弁軸３２はパイロット弁孔２
９の一端開口から離隔した状態に保持される。従って、
圧力室２８内の流体がパイロット弁孔２９を通して下流
側水路２５に流れ、圧力室２８が減圧される。従って、
上流側の圧力を受けているダイアフラムからなる弁体２
２が弁座２１から離れ、開閉弁１６は開状態となる。従
って、上流側水路２４、弁孔１９、下流側水路２５を通
って流体が流れ、散水口１１より噴出されることにな
る。

【００２４】このように弁軸３２によってパイロット弁
孔２９を開閉して弁孔１９を開閉するようにしているの
で、弁孔１９の直径を大きくしても、弁軸３２を進退す
る力、即ち、操作子３３の操作力を大きくする必要がな
い。従って、単に弁孔１９の直径を大きくするだけで、
大流量を吐水することができ、かつわずかな操作力で容
易に開閉弁１６の開閉操作を行うことができる。

【００２５】また、本実施の形態では、開閉弁１６は逃
がし弁３６を具備する。従って、開閉弁１６を閉じた直
後に上流側でウオーターハンマーが発生し、開閉弁１６
の上流側水路２４の圧力が上昇した場合、弁球４２が上
昇圧力で押されてスプリング４３が収縮し、弁球４２が
逃がし弁座３９から離れ、上流側水路２４の水は逃がし
孔３８を通って下流側水路２５に逃げるので圧力上昇を
容易に吸収することができ、耐圧性が低いホース１４等
の破損事故を確実に防止することができる。

【００２６】圧力上昇で上流側水路２４の水が下流側水
路２５に逃げて圧力が低下すると、弁球４２がスプリン
グ４３で付勢されて逃がし弁座３９に着座し逃がし弁３
６が閉じるが、例えスプリング４３が捩れたとしても弁
球４２はその球面が逃がし弁座３９に密接するをもって
確実に止水する。

【００２７】又、スプリング４３のバネ定数は、開閉弁
１６を閉じた直後の上流側でのウオーターハンマーの発
生による圧力上昇によって収縮する程度に設定している
ので、通常の水圧では逃がし弁３６が開くことはなく、
且つ弁球４２が確実に逃がし弁座３９に着座するをもっ
て、点滴漏れなどが生じるようなことも無い。

【００２８】この強いスプリング４３は開閉弁１６とは
別個に設けた逃がし弁３６に設けているので、開閉弁１
６の操作子３３を操作する際にはスラストロック機構３
５のスプリング３４のばね力にのみに抗して押圧すれば
良く、操作子の操作力が軽くなる。

【００２９】以上、本発明の実施の形態を説明してきた
が、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限
定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されてい
る事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形
例も含むものである。

【００３０】

【発明の効果】本発明のシャワー装置においては、上流
側水路と下流側水路との間に逃がし弁を設け、上流側水
路の異常昇圧を吸収するようにしているので、上流側水
路の圧力上昇を速やかに解消して耐圧性の小さい上流側
配管の損壊を確実に防止することができる。

【００３１】しかも、開閉弁とは別に逃し弁を設けるこ
とで、開閉弁や操作子の構造が単純になり、しかも操作
子に圧力上昇時のみに開くような強いスプリングを設け
る必要が無くなって、操作子の操作力が軽くなる。

【００３２】又、逃がし弁を、シャワーヘッド本体の内
壁に設けられ上流側水路と下流側水路とを連通する連絡
筒に形成された逃がし孔と、上記上流側水路に連通する
開口に設けた逃がし弁座と、上記逃がし孔内に配設され
た弁球と、この弁球を逃がし弁座側に付勢するスプリン
グで構成することにより、例えスプリングが捩れたとし
ても弁球はその球面が逃がし弁座に密接するをもって確
実に止水する。

【００３３】更に、スプリングのバネ定数を、開閉弁を
閉じた直後の上流側でのウオーターハンマーの発生によ
る圧力上昇によって収縮する程度に設定しているので、
通常の水圧では逃がし弁が開くことはなく、且つ弁球が
確実に逃がし弁座に着座するをもって、点滴漏れなどが
生じるようなことも無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシャワー装置の全体構成説明図で
ある。

【図２】同開閉弁の閉状態の断面図である。

【図３】従来のシャワー装置の全体構成説明図である。

【図４】同開閉弁の作動状態説明図である。

【符号の説明】

Ａ：シャワー装置 １１：散水口 １２：シャワーヘッド １３：湯水混合栓 １４：ホース（可撓性管） １５：止水栓 １６：開閉弁 １７：シャワーヘッド本体 １８：隔壁 １９：弁孔 ２０：連絡筒 ２１：弁座 ２２：弁体 ２３：補強板 ２４：上流側水路 ２５：下流側水路 ２６：弁体支持筒 ２７：操作子支持板 ２８：圧力室 ２９：パイロット弁孔 ３０：ブリード孔 ３１：弁軸ガイド孔 ３２：弁軸 ３３：操作子 ３４：スプリング ３５：スラストロック機構 ３６：逃がし弁 ３７：連絡筒 ３８：逃がし孔 ３９：逃がし弁座 ４０：開口 ４１：開口 ４２：弁球 ４３：スプリング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清藤 義弘 福岡県北九州市八幡東区尾倉２丁目１番２ 号 吉川工業株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先部に散水口を具備すると共に操作子の
   操作によって散水を開始・停止するための開閉弁をシャ
   ワーヘッド本体に具備したシャワーヘッドと、このシャ
   ワーヘッドの基部に接続されるホースを介して連絡する
   湯水混合栓と、この湯水混合栓と上記ホースとの間に取
   付けられると共にホース内に生じる圧力変動により開閉
   制御され、止水、流量調整及び圧力調整する止水栓とを
   備えたシャワー装置において、上記シャワーヘッド本体
   に上記開閉弁とは別体に設けられこの開閉弁の上流側水
   路の圧力上昇を下流側水路に逃がす逃がし弁を具備して
   なることを特徴とするシャワー装置。
2. 【請求項２】 上記逃がし弁は、シャワーヘッド本体の
   内壁に設けられ上流側水路と下流側水路とを連通する連
   絡筒に形成された逃がし孔と、上記上流側水路に連通す
   る開口に設けた逃がし弁座と、上記逃がし孔内に配設さ
   れた弁球と、この弁球を逃がし弁座側に付勢するスプリ
   ングとを具備していることを特徴とする請求項１記載の
   シャワー装置。
3. 【請求項３】 上記スプリングのバネ定数を、上記開閉
   弁を閉じた直後に発生するウォーターハンマーによる圧
   力上昇によって収縮する程度に設定したことを特徴とす
   る請求項２記載のシャワー装置。