JP2000067509A - ディスク装置 - Google Patents

ディスク装置

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JP2000067509A
JP2000067509A JP10233059A JP23305998A JP2000067509A JP 2000067509 A JP2000067509 A JP 2000067509A JP 10233059 A JP10233059 A JP 10233059A JP 23305998 A JP23305998 A JP 23305998A JP 2000067509 A JP2000067509 A JP 2000067509A
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vibration
disc
signal
disk device
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JP10233059A
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Hisanobu Tajima
久順 多島
Kazuhiko Ono
和彦 小野
Eiji Ikeda
栄司 池田
Takeshi Imai
猛 今井
Takao Iwatani
隆雄 岩谷
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、効率よくデータ読みとりのた
めの準備動作を行い、準備動作に要する時間を短縮する
ことのできるディスク装置を提供することにある。 【解決手段】上記目的を達成する構成の一つとして、本
発明では、第1の直径のディスク及び該第1の直径より
長い第2の直径のディスクからデータを読み取ることが
可能なディスク装置であって、前記第1または前記第2
のディスクからデータ記録量に関する情報を読み取り、
該データ記録量が前記第1の直径のディスクに記録可能
なデータ記録量を越えていると判断した場合には、前記
第1の直径のディスクであるか前記第2の直径のディス
クであるかの判別動作を行わないように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相変化光ディス
ク、光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスクから情
報を読み出すディスク装置に関し、特に規格の異なる複
数の種類のディスクからデータを読み出せるディスク装
置であって、短時間にデータを読み取るための準備動作
を完了するディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年では、ディスクの再生速度を向上さ
せ、速く大量のデータを読みだせるようにするため、デ
ィスクの回転速度を通常の回転速度よりも上げてデータ
を読み出せるディスク装置が存在する。
【0003】また、一口にディスクといっても直径の異
なるディスク、記録密度の異なるディスクが混在し、近
年のディスク装置では、一つのディスクの装置でこれら
多種多様のディスクからデータを読み出せるように構成
されているのが普通である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下で、
ディスク装置がデータを読み取るために必要な準備動作
の手順は増加する一方である。しかし、準備動作の手順
が増えるということは、それだけデータ読み出し可能な
状態になるまでに要する時間が増えることを意味し、デ
ータ読み出しの高速化の妨げとなる。
【0005】本発明の目的は、効率よくデータ読みとり
のための準備動作を行い、準備動作に要する時間を短縮
することのできるディスク装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ための一手段として、次のような構成のディスク装置と
する。第1の直径のディスク及び該第1の直径より長い
第2の直径のディスクからデータを読み取ることが可能
なディスク装置であって、前記第1または前記第2のデ
ィスクからデータ記録量に関する情報を読み取り、該デ
ータ記録量が前記第1の直径のディスクに記録可能なデ
ータ記録量を越えていると判断した場合には、前記第1
の直径のディスクであるか前記第2の直径のディスクで
あるかの判別動作を行わないように構成することを特徴
とするディスク装置。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて説明する。まず、本発明を適用したディスク装
置の主要な構成について説明する。
【0008】図1は、本発明の一実施形態たるディスク
装置1の主要な構成が分かるよう斜視した組立図であ
る。ローディングメカ2にトレイ3とユニットメカ部4
とチャッキングプーリー5を取り付け、ローディングメ
カ2とトップカバー6はボトム7に取り付け、フロント
パネル8はトップカバー6に、トレイパネル9はトレイ
3に取り付けることによってディスク装置1を組み立て
る。ここで、トレイ3をディスクの装置内外を移動可能
に取り付け、ボトム7には、メイン基板を取り付ける。
また、ユニットメカ部4は、トレイ3が装置内に位置す
るときには上面方向に、トレイ3が装置外に位置すると
きには下面方向に位置するように、背面側をローディン
グメカ2に軸支するかたちで取り付ける。このディスク
装置1では、トレイ3が装置内に引き込まれるとユニッ
トメカ部4が上面方向に移動し、後述するユニットメカ
部4に備え付けられており、磁力を有するスピンドル
が、ディスクを、後述するトレイ3のディスク装着部か
ら浮かせた状態で支持し、磁性体を有するチャッキング
プーリー5が、スピンドルからの磁力によって、ディス
クを上面方向から下面方向に押さえつけてディスクを回
転可能に保持する。
【0009】なお、これ以降の説明において、前面、右
側面、左側面、背面、下面および上面とは、図1に示す
方向を示すものとして説明する。
【0010】図2は、各部品を組み立てた状態でのディ
スク装置1の斜視図である。
【0011】ディスク装置1は、ほぼ直方体をなしてお
り、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という)に備
え付け可能な形状となっている。PCには、通常、トッ
プカバー6が上面に、ボトム5が下面となる、いわゆる
横置きで取り付ける。また、その寸法を、奥行き方向の
寸法が最も長く、次いで幅方向の寸法を長くし、高さ方
向の寸法を最も短くしている。図示はしないが、PCに
備え付けられた状態では、ディスク装置1がその前面、
すなわちフロントパネル8とトレイパネル9が露出して
いるのみである。従って、トレイ3の排出、引き込みを
指示するトレイボタン801、光の点灯具合によりディ
スク装置1の動作状態を表示するインジケータ802、
音声出力の強さを調整するボリュームつまみ803及び
音声出力端子804は、フロントパネル8に設けてい
る。また、背面にはPCに対してデータを送信したりP
Cから制御信号を受けるための信号線の接続端子があ
る。なお、これ以降の説明において、幅方向、奥行き方
向及び高さ方向とは、図2に示す方向を指すものとして
説明する。
【0012】次に、ユニットメカ部4の構成について説
明する。図3はユニットメカ部4の主要な構成が分かる
よう、右前面方向から斜視した組立図である。図3(a)
はユニットメカ部4を組み立てる前の図、図3(b)はユ
ニットメカ部4を組み立てた後の図である。ユニットメ
カ部4は、大別してユニットメカ10とユニットホルダ
ー11からなる。ユニットメカ10をユニットホルダー
11に取り付ける際には、ゴムなどの弾性体からなる防
振脚12を介してネジ止めする。防振脚12を四隅に配
置することで、2点支持や3点支持に比べ、幅方向ある
いは奥行き方向の振動、いわゆるピッチングあるいはロ
ーリングを少なくでき、安定して防振効果を得ることが
できる。このとき、防振脚12を単に四隅に配置するの
ではなく、ユニットメカ10の重量バランスを考慮しつ
つ防振脚12を四隅に配置することが好ましい。本実施
例においては、ユニットメカ10の重量の大半を占める
スライドモータ14及びスピンドル16の配置による重
量バランスを考慮して防振脚12の配置を決定してい
る。ユニットメカ10の重量バランスを考慮して防振脚
12を配置することにより、防振脚12による防振効果
の度合いを一層高めることができる。
【0013】また、ユニットメカ10は、主として、デ
ィスクに光を照射し、反射光を検出する光ピックアップ
13、光ピックアップ13を奥行き方向(ディスク半径
方向)に移動させるスライドモータ14、光ピックアッ
プ13が奥行き方向(ディスク半径方向)に移動するよう
案内するガイドバー15、装着されたディスクを回転さ
せるスピンドル16及びスライドモータ14とガイドバ
ー15とスピンドル16を取り付けるメカシャーシ17
で構成されている。
【0014】つまり、スライドモータ14、スピンドル
16といったディスクからデータを読み取るときに振動
の発生源となりうる部品をすべてメカシャーシ17に集
め、防振脚12で振動を吸収し、ユニットメカ部4より
先、すなわち、ローディングメカ、ディスク装置1全体
に振動を伝達しないように構成することによって、ディ
スク装置1全体に振動が伝わらないようにしている。従
って、ディスク装置がPCに取り付けられている場合
に、PCが振動することがなくなるので、PCの使用者
に不快感を与えることがなくなる。また、逆にPCから
の振動も防振脚12によって吸収することができるの
で、ユニットメカ10に振動が伝わらないようになる。
従って、ユニットメカ10に取り付けられている光ピッ
クアップ13が振動することがなくなり、安定してディ
スクからデータを読み取ることができる。
【0015】なお、防振脚12は、A方向及びB方向に
対しては振動を許容するが、C方向には振動を抑えるよ
うにして、振動を減衰、吸収するような形状とすること
が好ましい。A方向及びB方向に対して振動を許容し、
振動を減衰、吸収するようにしても、いわゆるトラッキ
ング制御によって、その振動による光ピックアップ13
からの照射光のずれを補正できるので問題はない。しか
し、C方向に対して振動を許容した場合、いわゆるフォ
ーカス制御によって光ピックアップ13からの照射光の
焦点位置を補正しきれなかったときには、いわゆるトラ
ッキング制御をかけることさえもできなくなってしま
い、結果として、光ピックアップ13の位置制御が不可
能になり、暴走してしまう。そこで、本ディスク装置1
では、防振脚12は、特にC方向の振動を防止するよう
な形状としている。
【0016】また、防振脚12は、共振周波数を低くで
きる材質、形状とすることが好ましい。本実施例では、
防振脚12は、図3(a)に示すように、円周に沿って円
柱状のものを配置したような形状としており、共振周波
数をディスク再生時の回転速度における振動周波数より
低い周波数としている。防振脚12をディスク再生時の
回転速度における振動周波数より低くすることにより、
防振脚12自体の共振でユニットメカ10を振動させる
ことがなく、防振脚12が防振脚としての役割を果たす
ことができる。よって、ユニットメカ10に取り付けら
れている光ピックアップ13の振動が少なくなるため、
安定してディスクからデータを読み取ることができる。
【0017】ここで、ディスク再生時の回転周波数と防
振脚の共振周波数の関係について説明する。例えば、重
心が偏ったディスク(偏重心)をスピンドル16により回
転させると、不釣り合い質量による遠心力のため、振動
が発生する。一般に、物質には共振という性質、すなわ
ちその物質が持つ固有振動数に近い周波数の振動を外部
から受けることにより、その周波数(共振周波数)で振動
する性質がある。従って、ディスク再生時のディスク回
転周波数が防振脚12のもつ共振周波数に近い周波数で
あるときには、メカシャーシ16から受ける振動によっ
て防振脚12が共振してしまい、かえって振動を増大さ
せてしまう結果となり、防振脚12が防振脚としての役
割を果たさなくなるおそれがある。また、一般的に、デ
ィスクの回転周波数が上がるほど、遠心力による振動も
増大する。
【0018】そこで、本実施例では、ディスク回転数と
防振脚12の共振周波数との関係に着目し、防振脚12
の共振周波数f0(Hz)とディスク再生時のディスク最
大回転周波数R(Hz)との関係がf0<Rとなるように
防振脚12の共振周波数を設定する。ここで、f0<R
の関係を満たすようにディスクの回転周波数Rを設定す
ることは、ディスクからデータを読み出す速度に直接影
響を及ぼし、また回転周波数を上げることにも限界があ
るため好ましくない。従って、防振脚12の材質と形状
を選定することで、共振周波数f0の値を下げて、f0
<Rの関係を満たすようにすることが好ましい。
【0019】図4は、ディスク装置1におけるスピンド
ル16(ディスク)の回転周波数と加速度(振動)との関係
を表す測定図である。横軸はディスク(スピンドル16)
の回転周波数(Hz)であり、縦軸はユニットメカ部4の
加速度(振動)(m/s2)である。
【0020】図4(a)に示すように、ユニットメカ10
の加速度(振動)は、ユニットメカ10の遠心力による加
速度(4π2rf2)と防振脚12の加速度(振動)の和に
よって定まる。ディスクの回転周波数Rが防振脚12の
共振周波数f0付近では、共振により振動が大きくなる
が、ディスクの回転周波数が共振周波数より大きくなる
に従って、防振脚12の共振による振動の影響はほとん
どなくなり、防振脚12の振動は減衰する。なお、ディ
スクの回転周波数が低いときは、防振脚12によって振
動を吸収しているので、ユニットメカ10も振動するこ
とがない。これに対し、図4(b)に示すように、ディス
クの回転周波数がRのときに防振脚12を共振周波数が
f0’の材質のものとした場合には、共振による防振脚
12の振動が大きく、振動を減衰、吸収しきれない。従
って、ディスクの回転周波数Rに応じて防振脚12の材
質を選定すること、特にディスクの回転周波数Rをf0
より大きく設定することは、効果的に振動を減衰、吸収
させる上で顕著な効果を奏することが分かる。
【0021】図5は、ユニットメカ部4の下面図であ
る。ローディングメカ2に取り付けるときには、図面左
側を前面に向け、突起17をローディングメカに取り付
けられている平行カム(図示せず)の溝に取り付ける。エ
ンコーダディスク18は、スライドモータの回転角の分
解能を上げるために取り付けており、光ピックアップ1
3の移動量を知ることができる。
【0022】また、ケーブルブリッジ19は、スライド
モータ14及びエンコーダディスク18の出力とメイン
基板とを電気的に結ぶケーブルを通し、光ピックアップ
13との接触を避けるために設ける。従って、光ピック
アップ13との接触を避けることができ、ケーブルの切
断、光ピックアップ13の移動の妨げとなることを防止
することができる。さらに、ケーブルと光ピックアップ
13とが接触することにより生じる、ユニットメカ10
に取り付けられている光ピックアップ13の振動による
影響を受けることがなくなり、安定してディスクからデ
ータを読み取ることができる。なお、図中、ハッチング
した部分は、ユニットホルダー11である。
【0023】次に、ユニットメカ10の構造について説
明する。図6はユニットメカ10の上面図及び下面図で
ある。図6のうち(a)が上面図、(b)が下面図であり、
図面左側がディスク装置1の前面側に相当する。光ピッ
クアップ13は、駆動機構20が設けられている側のガ
イドバー15に対しては支持部材21(枠線で囲った部
分)により、ガイドバー15の周りを覆う形で2カ所で
支持し、反対側のガイドバー15に対しては支持部材2
2により1カ所で支持し、合計3カ所で支持する。この
光ピックアップ13は、駆動機構(本実施例ではラック
アンドピニオン機構)20を介してスライドモータ14
により駆動される。
【0024】ここで、光ピックアップ13を3カ所で支
持することには、次に説明する利点がある。両側各1カ
所、計2カ所で支持することとした場合には、光ピック
アップ13の重心を考えて支持しなければならず、重心
が偏っている場合には、光ピックアップの移動の妨げに
なるため、好ましくない。一方、両側各2カ所以上で支
持することとすると、1カ所以上が必ず浮いてしまうこ
とになり、がたついてしまうため、かえって振動を発生
することになる。このため、本実施例では、光ピックア
ップ13をガイドバー15に対して3カ所で支持するこ
ととしている。
【0025】また、本実施例では、駆動機構20のラッ
ク201と支持部材21が一体形成された部材(ハッチ
ング部分)を用い、ラック201から直接光ピックアッ
プ13の重心F付近に対して駆動力を与えることができ
る構成となっていて、重心回りの円運動をほとんど与え
ることなく光ピックアップ13を移動させることができ
る。さらに、バネ等の弾性体(図示せず)によってピニオ
ンギヤ202を付勢することにより、ラックとピニオン
ギヤ202のがたつきを防止している。従って、光ピッ
クアップ13の移動に伴って発生する支持部材21とガ
イドバー15の摩擦によるガイドバー15の振動を抑え
ることができる。よって、ユニットメカ10に取り付け
られている光ピックアップ13が振動による影響を受け
ることがなくなり、安定してディスクからデータを読み
取ることができる。
【0026】また、重心が偏ったディスク(偏重心ディ
スク)の不釣り合い質量キャンセルの一手段として、ス
ピンドル16に対し、その内部に複数のボールバランサ
23を設ける。本図では、ボールバランサ23の存在が
分かるように、スピンドル16を透視して図示している
が、実際には、ボールバランサ23は、スピンドル16
の内部にあり、外観からはボールバランサ23は見えな
い。このボールバランサ23は、偏重心ディスクを装着
した状態でスピンドル16によりディスクを回転させる
と、不釣り合い質量を軽減する位置に移動する。
【0027】図7は、偏重心ディスクの重心とボールバ
ランサ23との位置関係を示す模式図である。図7のう
ち(a)はスピンドル16がディスクを回転可能に保持し
ている状態での上面図、(b)はA−A’方向の断面図で
ある。図中、黒丸は、重心を示し、矢印は重心の向きを
表している。スピンドル16は、駆動部によりディスク
を支持する回転部を回転させることでディスクを回転さ
せるが、回転することによって、ボールバランサ23
は、回転軸に対してディスクの重心とは反対側に移動
し、ディスクの不釣り合い質量を軽減する。そして、デ
ィスクが回転している間、その関係を維持する。従っ
て、偏重心ディスクを回転する場合であっても、駆動部
は、重心が回転軸のほぼ中心にあるものを回転させてい
ることになるため、スピンドル16が取り付けられてい
るユニットメカ10の振動を抑圧することができる。よ
って、ユニットメカ10に取り付けられている光ピック
アップ13が振動による影響を受けることがなくなり、
安定してディスクからデータを読み取ることができる。
【0028】ここで、ボールバランサ23をディスクの
偏心による影響を軽減する位置に移動させるため、ディ
スクの再生に先立って、上述した防振脚12の共振周波
数より高い回転数でディスクを回転させる。回転によっ
て遠心力が生じるので、ボールバランサ23は、ディス
クの不釣り合い質量を軽減する位置に移動する。なお、
回転数を少なくとも防振脚12の共振周波数に対して√
2倍の回転数で回転させることが望ましい。
【0029】最後に、トレイ3の構造について説明す
る。図8は、ディスク装置1を縦置き(ディスク装置1
の右側面を接地面として設置)にしたときの図である。
なお、説明の便宜のため、チャッキングプーリー5、ト
ップカバー6及びボトム7を省略して図示している。
【0030】上述の通り、本ディスク装置1では、メカ
シャーシ17を防振脚12を介してユニットホルダー1
1に取り付けており、ディスク回転数と防振脚12の共
振周波数との関係に着目して防振脚12の材質を、共振
周波数の低い材質、すなわち柔らかい材質としている。
従って、縦置きにした場合には、ユニットメカ10の自
重によって、スピンドル16の中心が図8の矢印で示し
た方向に下がってしまい、トレイ3の中心に対して距離
xだけずれてしまう。中心がずれてしまえばディスクを
正常な状態で装着することができなくなるおそれがあ
る。また、ディスクを装着できたとしても、ディスク載
置部24の壁とディスクが接触してしまい、ディスク回
転時に振動が発生する原因となってしまう。
【0031】そこで、本ディスク装置1では、トレイ3
のディスク載置部24の半径rを、ディスクの半径より
若干大きくする。なお、図1を参照すれば明らかなよう
に、トレイ3のディスク載置部24は、ディスクを所定
の位置に装着しやすくするとともに、ディスクを回転さ
せるときには、トレイから浮いた状態で回転させるた
め、トレイ3の上面に対して凹状に形成する。
【0032】従来より、スピンドルやトレイなどのディ
スク装置の組立精度を考慮して、トレイのディスク載置
部24の半径を若干広げているが、さらに、距離xだけ
トレイ3の装着部24の半径を広げる。この距離xは防
振脚12の材質とユニットメカの重量との関係から決ま
るものであるが、本ディスク装置では、距離xを約0.
4mmとしている。これを直径に換算すれば、約0.8
mmに相当する。なお、本ディスク装置1は、直径8c
mのディスクと直径12cmのディスクからデータを読
みとるように構成されているディスク装置であり、ディ
スクの直径12cmに、距離xとスピンドルの組立精度
を加味したものが、トレイ3のディスク載置部24の直
径となる。
【0033】トレイ3のディスク載置部24の直径を、
スピンドルやトレイなどのディスク装置の組立精度の他
に、ディスク装置を縦置きにしたときのユニットメカの
自重に起因するユニットメカとディスク中心のずれ、す
なわちスピンドル16を有するユニットメカ10のディ
スク支持系の自由度をも考慮して決定することにより、
ディスクは常に正常な状態でスピンドルによって回転さ
れるため、スピンドルの振動を抑圧することができる。
特に、防振脚を柔らかい材質のものとし、ユニットメカ
の自重の影響を受けやすい場合に顕著な効果を奏する。
【0034】次に、上述のディスク装置1に電源を入れ
てからデータ読み取り可能な状態になるまでの準備動作
の手順について説明する。この手順の説明に先立って、
ディスク装置1のブロック図について説明する。
【0035】図9は、ディスク装置1のブロック図であ
る。上述の構成部品と同様のブロックには同じ番号を付
している。スピンドル(SPM)16が回転させているデ
ィスクに対し、光ピックアップ(PU)13内のレーザか
ら光を照射し、PU13内の光検出器により、反射光を
検出し、電気信号に変換する。この電気信号に基づき、
信号処理部25は、RF信号、TE信号、及びFE信号
を生成する。RF信号は、データ復調部26によりデー
タに復調され、I/F部27及びバスを介してPC等の
外部機器に出力される。一方、サーボ処理部28は、T
E信号の入力を受け、その信号の変化に基づいて、ディ
スク上のトラックを追従する(トラッキング)ように、P
U13内にある、対物レンズを備えたアクチュエータを
動かす駆動信号をPU13に供給する。また、このサー
ボ処理部28は、FE信号の入力を受け、その信号の変
化に基づいて、ディスクに光の焦点(フォーカス)を合わ
せるように、PU13内にある、対物レンズを備えたア
クチュエータを動かす駆動信号をPU13に供給する。
他にも、他の制御信号(図示せず)の入力を受けて、SP
M16を所望の回転数で回転させるための信号を供給す
る動作等も行う。制御部29は、ディスク装置1がデー
タ読み取り、後述する準備動作といった動作を行うよう
に、信号処理部25、データ復調部26及びサーボ処理
部28を制御する。また、図示はしていないが、制御部
29はトレイを動かすローディングモータの制御も行
い、トレイの引き込み、排出といった動作についてもこ
の制御部29の制御の下で行う。なお、図1等で上述し
たメイン基板上に形成された回路が、信号処理部25、
データ復調部26、I/F部27、サーボ処理部28及
び制御部29の役割を有している。
【0036】以下、上述のディスク装置1に電源を入れ
てからデータ読み取り可能な状態になるまでの準備動作
の手順について説明する。図10は、上述のディスク装
置1に電源を入れてからデータ読み取り可能な状態にな
るまでの準備動作のうち、ディスク装置1がPU13を
制御可能にするための準備動作のフローチャート(手順)
を示している。この手順は、はじめにディスクの有無、
種類を確認すること、次にディスクに対して光を所望の
位置に照射できるようにPU13内の対物レンズを駆動
可能にすべく、メイン基板の回路を電気的に調整するこ
とに特徴がある。ディスクがトレイ3に載置されずに準
備動作を行っても、その後に回路の電気的特性の調整を
行うことが無駄な動作となるため、はじめにディスクの
有無を確認することから行う。
【0037】まず電源を入れ、ユーザがトレイの引き込
みをトレイボタン801を押すことによって指示する
と、ディスク装置1は、トレイ3を、ディスク装置1内
に引き込む(s1)。
【0038】次に、ディスク装置1は、トレイ3がディ
スク装置1内に引き込まれたことを確認した後、PU1
3をSPM16側(ディスクの内周側)に移動可能な地点
まで移動させる(s2)。
【0039】ここで、PU13をSPM16側に移動さ
せるのは、ディスク装置1が8cm及び12cmといっ
た直径の異なるディスクを再生可能であり、トレイ3に
どちらのディスクも載置することができるため、PU1
3をディスク外周側に移動させたときにはディスクに光
を当てることができない場合があり、後述するディスク
有無検出を正しく行うことができない可能性があるため
である。従って、PU13をディスク内周側に移動可能
な地点まで移動させることにより、その後のディスク有
無確認を確実に行うことができ、ディスクがトレイ3に
載置されているにもかかわらず、ディスクなし、と判断
することがなくなる。
【0040】次に、対物レンズをディスク面垂直方向
(光軸方向)に移動させながら、PU13から光を照射
し、その反射光を変換した電気信号(FE信号)の有無を
検出することで、ディスクの有無を検出する(s3)。こ
こで、ディスクなしと判断した場合には、その後の動作
を停止し(s4)、ディスクありと判断した場合には、次
のステップs5に進む。ステップs5では、対物レンズ
をディスク面垂直方向に移動させながら、PU13内に
ある、それぞれ波長の異なる光を発する第1のレーザ、
第2のレーザから各々光をディスクに照射し、反射光を
変換した電気信号(FE信号)の振幅の大きさを比較し
て、ディスクの種類を判別する。
【0041】ここで、ステップs3のディスク有無検出
とステップs5のディスク種類判別を同時に行うことも
できるが、本実施例では、ステップs5のディスク種類
判別より先にステップs3のディスク有無検出を行うこ
ととする。
【0042】ディスク判別のときには、ディスクに形成
されているピットの影響により、FE信号の振幅が変化
してしまうため、この影響を受けないように、ディスク
を適宜回転させながらレーザ光を照射してディスク種類
判別を行う。従って、トレイ3にディスクが載置されて
いないにもかかわらずディスク有無検出とディスク種類
判別を同時に行おうとすると、チャッキングプーリー5
とSPM16が空回りし、異音を発生してしまう。そこ
で、本実施例では、ディスク有無検出をディスク種類判
別より先に行い、チャッキングプーリー5とSPM16
を空回りさせないようにする。この結果、異音が発生す
ることがなくなり、使用者にディスク装置が故障したと
いう誤解を与えることがなくなる。
【0043】なお、本実施例では、互いに記録密度が異
なるコンパクト・ディスク(CD)及びデジタル・ビデオ
(バーサタイル)・ディスク(DVD)からデータを読み出
せるディスク装置とし、第1のレーザがCD用のレーザ
(波長780nm)、第2のレーザがDVD用のレーザ
(波長650nm)であるものとして説明する。
【0044】ここで、本ディスク装置1におけるディス
クの種類判別の方法について説明する。図12は、CD
用レーザ、DVD用レーザをそれぞれCD、DVDに照
射したときのFE信号の波形を比較した図である。本図
における信号は、いわゆるS字信号と呼ばれるものであ
り、横軸は、ディスク面に対して垂直方向の対物レンズ
の変位を、縦軸は、対物レンズの変位に対してFE信号
の電圧を表している。
【0045】図12のうち、(a)はCDに対してCD用
レーザ光とDVDレーザ光を照射したときのそれぞれの
FE信号を比較したものであり、(b)はDVDに対して
CD用レーザ光とDVDレーザ光を照射したときのそれ
ぞれのFE信号(S字信号)を比較したものである。
【0046】CDにCD用レーザ光を当てたときのFE
信号の振幅は、CDにDVD用レーザ光を当てたときの
FE信号の振幅よりも大きい。一方、DVDにCD用レ
ーザ光を当てたときのFE信号の振幅は、DVDにDV
D用レーザ光を当てたときのFE信号の振幅よりも小さ
い。従って、どちらのディスクについても、各々のレー
ザ光を照射することによって、トレイに載置されたディ
スクがCDあるいはDVDであることが分かる。
【0047】なお、本実施例では、DVD用レーザ光を
当てたときのFE信号の振幅を1/2とした振幅と、C
D用レーザ光を当てたときのFE信号の振幅とを比較し
てディスクの種類を判別している。これは、CDに各々
のレーザ光を照射したときの振幅の大小の差に対してD
VDに各々のレーザ光を照射したときの振幅の大小の差
がきわめて大きい現象を見いだし、その現象を利用した
ものである。図12(a)に示すとおり、CDに各々のレ
ーザ光を照射したときの振幅の大小の差が小さいため、
回路の電気的特性のばらつきによっては、大小関係が逆
転してしまい、トレイ3に載置されたディスクがCDで
あるにもかかわらずDVDと判別してしまう場合もあ
る。一方で図12(b)に示すとおり、DVDに各々のレ
ーザ光を照射したときの振幅の大小の差はきわめて大き
いため、DVD用レーザ光を当てたときのFE信号の振
幅を1/2として大小を比較しても、大小関係が逆転す
ることはない。従って、このように比較することによっ
て、ディスク装置1はディスクの種類を誤って判別する
ことなく、確実にディスクの種類を判別することができ
る。
【0048】なお、本実施例ではDVD用レーザ光を照
射したときのFE信号の振幅を1/2としたが、DVD
に各々のレーザ光を照射したときのFE信号の振幅の大
小関係が逆転しない範囲であれば任意の割合で小さくす
ればよいことは言うまでもない。
【0049】さらに、本実施例におけるディスク装置1
は、第1のレーザ(CD用レーザ)に対応する第1の対物
レンズ(CD用対物レンズ)、第2のレーザ(DVD用レ
ーザ)に対応する第2の対物レンズ(DVD用対物レン
ズ)を有しており、第1のレーザの光を照射するときに
は第1の対物レンズが光軸に位置するように、第2のレ
ーザの光を照射するときには第2の対物レンズが光軸に
位置するように切り替えてレーザ光を照射するように構
成している。本実施例では、ステップs3におけるディ
スク有無検出、ステップs5におけるディスク種類判別
において対物レンズを備えたアクチュエータを回転駆動
させて切り替える動作を行っている。
【0050】図13はステップs3、ステップs5にお
ける対物レンズの切り替えの様子を示す図である。ステ
ップs3でディスクの有無を検出するときには、まずC
D用レーザを照射してその反射光の有無を見るので、C
D用対物レンズが光軸上に位置するようにアクチュエー
タを回転駆動する。ここで、電源投入前にCD、DVD
のどちらのデータを読み取っていたのかによって、電源
投入時に光軸上に位置する対物レンズがCD用の場合も
DVD用の場合もある。従って、電源を入れた後、ディ
スクの有無を検出するためにレーザ光を照射する前に、
必ずCD用対物レンズが光軸上に位置するようにするた
め、必ずアクチュエータに回転駆動信号を供給する。こ
の様子は、図13(a)に示すとおりである。
【0051】なお、はじめにDVD用レーザ光ではな
く、CD用レーザ光を照射することとしたのは、市場に
流通しているディスクの量がDVDよりCDの方が多い
ことから、トレイ3に載置されるディスクもCDである
可能性の方がDVDである可能性よりも高いからであ
る。CDに対してはCD用レーザ光を照射した方がDV
D用レーザ光を照射するより振幅の大きい信号が得ら
れ、確実にディスクの有無を検出でき、ひいては準備動
作に要する時間を短縮することにつながるからである。
【0052】そして、CD用レーザを照射してその反射
光が得られた場合には、ディスクありと判断し、次のス
テップs5に進む。一方、CD用レーザを照射してその
反射光が得られない場合には、ディスクなしと判断せず
に、DVD用レーザを照射してその反射光の有無を検出
することで最終的にディスクの有無を判断するので、光
軸上にDVD用対物レンズが位置するように、アクチュ
エータに回転駆動信号を供給し、対物レンズを切り替え
てからDVD用レーザ光をディスクに照射する。この様
子は、図13(b)に示すとおりである。この動作は、図
12(b)に示すとおり、DVDにCD用レーザ光を照射
したときのS字信号の振幅が小さいが故に必要な動作で
あり、ディスク有無の誤検出防止という効果がある。D
VD用レーザ光をディスクに照射して反射光が検出でき
たときには、ディスクありと判断して次のステップs5
に進む。一方、DVD用レーザ光をディスクに照射して
もなお反射光を検出できないときには、ディスクなしと
判断し、ステップs4に進み、ディスク装置1は動作を
停止する。
【0053】そしてディスクの種類を判別するのだが、
このときには、はじめにCD用レーザ光を照射し、次に
DVD用レーザ光を照射して、S字信号の振幅の大小を
比較する。従って、ディスクの有無を検出するためにレ
ーザ光を照射する前に、必ずCD用対物レンズが光軸上
に位置するようにするため、必ずアクチュエータに回転
駆動信号を供給する。この様子は図13(c)(d)に示す
とおりである。なお、この回転駆動信号は、ステップs
3でDVD用レーザ光を照射することなくディスクあり
と判断した場合であっても必ずアクチュエータに供給さ
れるように構成する。
【0054】このように、CD用レーザ光を照射したこ
とのみでディスクの有無を検出の成否に関係なく、ディ
スク判別を行うときには必ずCD用対物レンズに切り替
える動作を行うように構成することで、複雑な場合分け
がなくなり、手順を単純化できる。従って、回路構成を
簡略化することができ、動作不良の低減、コスト削減と
いった効果が得られる。
【0055】そして、ステップs5でディスクの種類を
判別した結果、トレイ3に載置されたディスクがCDで
あるときには、CD用レーザ光を照射し、CD用対物レ
ンズが光軸上に位置するように再度アクチュエータに回
転駆動信号を供給し、切り替え動作を行う。一方、DV
Dであるときには、DVD用レーザ光を照射し続け、、
対物レンズの切り替え動作は行わない。
【0056】以上、対物レンズの切り替え動作について
説明したが、本実施例において行われうる対物レンズの
切り替え動作のパターンは図14に示すとおりである。
【0057】図14において、矢印は、矢印の方向に進
むに従って、準備動作が行われることを示している。す
なわち、矢印方向の時系列に従って、対物レンズが切り
替わることを示している。
【0058】以下、図10に示す手順の説明に戻る。ス
テップs5の後、ディスク装置1は、TE信号、FE信
号のオフセットを調整する(s6)。このオフセットは、
PU13や回路の特性、あるいは温度、湿度といった周
囲の環境によって発生する電気的特性のばらつきという
意味でのオフセットであって、このオフセットがある
と、FE信号及びTE信号のゼロクロス点がずれてしま
い、フォーカス合わせ及びトラッキングを正しく行えな
くなる。従って、オフセットを0、すなわちサーボ処理
部28を構成する回路に流れる電圧の直流成分が0にな
るように、TE信号、FE信号のオフセットを調整す
る。
【0059】ステップs6によるオフセット調整の後、
サーボ処理部28によりフォーカスサーボをONし(s
7)、常にディスクに対してレーザ光の焦点を合わせる
ようにアクチュエータの動きを制御する、すなわちフォ
ーカスサーボのループを閉じる。なお、前のステップs
6でFE信号のオフセットをすでに調整しているので、
誤った位置でレーザ光の焦点を合わせることがない。
【0060】ステップs7によるフォーカスサーボON
の後、サーボ処理部28からスピンドル16に駆動信号
を供給し、ディスクの回転を開始する(s8)。このとき
の回転速度は、ディスクからデータを読み出せる程度の
回転速度であればよいが、本実施例では、ディスク装置
1がデータを読み出せる範囲で最も低い速度とする。こ
れは、後述するs9以降のステップで制御情報を読み出
すとき等の誤りを少なくするためである。従って、デー
タを読み出せる範囲で最も低い速度で回転を開始するこ
とにより、高速で回転を開始する場合に比べて、制御情
報等の読み出しの誤りが軽減し、準備動作自体の動作時
間を短縮することができる。なお、ディスクの種類を判
別する場合にもディスクを回転させてはいるが、このと
きは、スピンドル16にパルス状の駆動信号を与えて回
転させているにすぎない。本ステップにおける回転と
は、データを読み出せる程度の回転速度で回転するよう
に常に駆動信号を供給することをいう。このステップs
8によりディスクの回転を開始した後は、その後の準備
動作のための手順の実行、及び準備動作後の待機状態に
あっても、ディスク装置1は、ディスクの回転を続け
る。
【0061】ステップs8によりディスクの回転を開始
した後、サーボ処理部28でディスクの偏心量を検出す
る(s9)。ディスクの偏心とは、ディスク中心に対する
ディスク中心穴のずれをいう。ディスクには、ディスク
装置がディスクを保持できるようにディスク中心穴を設
けるが、この中心穴の位置がディスク中心に対してずれ
ている場合には、TE信号の波形にばらつきが生じ、正
確なトラッキングを行えなくなるおそれがある。そこ
で、後述するトラッキングサーボをかける前にディスク
の偏心量を検出し、ディスクの偏心量がある場合には、
ディスクの偏心によってTE信号の波形がばらつかない
ように、あるいは低回転数で制御情報などを再生すると
きの判断材料とするために、サーボ処理部28を構成す
る回路の電気的特性を調整する。トラッキングサーボを
ONする前にディスクの偏心量を検出し、回路を調整す
るので、後のステップでディスクから制御情報などをデ
ィスクから読み出すときにPU13のトラックに対する
追従性が向上する。
【0062】ディスクの偏心量を検出し、回路を調整し
た後、TE信号のバランスを調整する(s10)。このバ
ランス調整は、PU13や回路の特性、あるいは温度、
湿度といった周囲の環境によって発生する電気的特性の
ばらつきによって生じるTE信号のゼロクロス点のずれ
をなくす意味でのバランス調整である。具体的には、サ
ーボ処理部28を構成する回路が、TE信号の振幅を検
出し、その振幅の中心が電圧0となるように調整する。
トラッキングサーボをONする前にTE信号のゼロクロ
ス点のずれを検出し、そのずれがなくなるように回路を
調整するので、後のステップでディスクから制御情報な
どをディスクから読み出すときに、サーボ処理部28が
PU13をトラックからずれた位置で追従させるという
誤動作を防止することができ、ディスク装置1は確実に
制御情報などを読み出すことができる。
【0063】ディスクを回転させて、ディスクの偏心量
を検出し、TE信号のバランスを調整することによっ
て、PU13をトラックに追従させることがが可能にな
るので、ステップs11にてトラッキングサーボをON
にしてトラッキングサーボループを閉じ、次いでステッ
プs12にてスライダーサーボをONにしてスライダサ
ーボループを閉じる。この結果、PU13をトラックに
追従させることができる。
【0064】フォーカスサーボ及びトラッキングサーボ
をかけた後、サーボ処理部28からスピンドル16に駆
動信号を供給し、ディスクの回転速度を上昇させる(s
13)。ここでディスクの回転速度を向上させるのは、
上述したボールバランサ23をディスクの偏心による影
響を軽減する位置に移動させるため、ディスクの再生に
先立って、上述した防振脚12の共振周波数より高い回
転数でディスクを回転させる必要があるからである。
【0065】このステップs13は、ディスクから制御
情報などを読み取る前に行えばよいのだが、本実施例で
は、ステップs12のスライダーサーボをONした後に
行うこととしている。サーボをONする前にディスクの
回転速度を上昇させることとすると、ディスクの回転速
度を上昇させている途中で、必ず防振脚12の共振周波
数付近の回転速度になるため、偏重心ディスクによる振
動が極端に大きくなる。このときに、予めトラッキング
サーボあるいはフォーカスサーボをかけていないと、P
U13が暴走するおそれがあり、結果としてその後の処
理に要する時間が多くなってしまう。これに対し、本実
施例に従った手順でディスクの回転速度を上昇させるこ
ととすると、その後の処理に要する時間を短縮すること
ができるため、データを読み出せる状態になるまでの処
理時間を短縮することができる。なお、このs13でデ
ィスクの回転速度を上昇させ、ボールバランサ23がデ
ィスクの偏心による影響を軽減する位置に移動した後に
は、再び、元の回転速度に戻して、その後の処理を行
う。
【0066】なお、ディスク装置1がボールバランサ2
3を備えていない構成のディスク装置である場合には、
このステップs13は不要であることは言うまでもな
い。
【0067】次にステップs14にて、フォーカスのバ
イアス調整を行う。フォーカスのバイアス調整とは、反
射光を変換した電気信号(アナログ)をデジタル信号に変
換する際のジッタ量が最適になるようにPU13からの
照射光の焦点位置を調整することをいう。ディスクによ
っては、フォーカスサーボONにし、フォーカスサーボ
ループを閉じることによって制御される焦点位置での反
射光を変換した電気信号をデジタル信号に変換する際の
ジッタ量が最適とは限らない。つまり、装着したディス
クによっては、フォーカスサーボループを閉じることに
よって制御される焦点位置での反射光を変換した電気信
号をデジタル信号に変換する際のジッタ量が最適である
場合もあるし、最適でない場合もある。そこで、このス
テップs14にて、対物レンズを強制的に光軸方向に上
下させて、反射光を変換した電気信号をデジタル信号に
変換する際のジッタ量を測定する。そして、ジッタ量が
最適となる位置でFE信号がゼロクロス(電圧が0にな
る)するように、FE信号にオフセット電圧を印加する
ことでフォーカスのバイアス調整を行う。
【0068】本実施例では、ステップs2を行ったこと
で、PU13はディスク内周側に位置しているため、ジ
ッタ量を測定するために、ディスク内周側に記録されて
いるリードイン情報を読み取る動作を行うことでジッタ
量を測定する。ジッタ量を測定した後は、ジッタ量が最
小となる位置でFE信号がゼロクロスするように、FE
信号にオフセット電圧を印加することとしている。
【0069】このステップs14では、PU13をディ
スクのデータ記録領域に移動させることなくフォーカス
バイアス調整を行うこととしているので、移動に要する
時間分、準備動作に要する時間を短縮することができ
る。
【0070】そして、ステップs14の後にTE信号、
FE信号のゲイン調整を行う(s15)。ゲイン調整の方
法及びゲイン調整を行うこと自体は周知の事項なので、
説明を省略するが、このゲイン調整を、フォーカスサー
ボ、トラッキングサーボ及びスライドサーボをONして
サーボループを閉じる前に行うこととすると、回路の電
気特性が変わり、再度ゲイン調整を行わなければならな
い場合もあるので、ゲイン調整は、全てのサーボループ
を閉じた後で行うこととする。
【0071】以上、ステップs15までで、ディスク装
置1がPU13を制御可能にするための準備動作は完了
する。ただし、準備動作としてはこれだけでは足りず、
ディスクから制御情報など、ディスクからデータを読み
出す、あるいはディスクから所望のデータを読み出せる
ようディスクの所望の位置にPU13をアクセスするた
めに必要な情報をディスクから得る必要がある。これら
の制御情報などはディスク固有のものであり、データを
読み取ろうとするディスクが変われば、これらの制御情
報などの内容も変わるので、以下説明するステップs1
6以降の手順により準備動作を引き続き行う。上述した
ステップs5により、トレイ3に載置されているディス
クがCDと判断した場合には、ステップs16に進み、
DVDと判断した場合には、ステップs21に進む。
【0072】図11は、ディスク固有の制御情報を読み
出す準備動作を示すフローチャート(手順)を示してい
る。まず先に、CDの場合の手順について説明する。
【0073】ステップs16にてリードイン情報を読み
取る。リードイン情報はディスクの内周側に記録されて
いる情報であり、いわゆるCD−R、CD−RW、CD
−ROMといったCDの種類を示す情報、データ記録
量、データ記録位置等の内容を示す制御情報(管理情報)
である。上述のステップs15までの手順を経ているの
で、PU13はすでにリードイン情報を読み取ることが
可能な状態にある。ディスク装置1でこれらの情報を予
め読み取り、記憶しておくことで、実際にデータを読み
取るときには、高速にPU13をそのデータが記録され
ている位置に移動させることができ、高速にデータを読
み取ることができる。
【0074】次に、ステップs17にてディスクの線速
度を学習し、ステップs18でディスクのトラックピッ
チを学習する。CDの規格によってディスクの線速度、
トラックピッチは決まっているが、その値はある程度の
誤差を許容する範囲で決められており、ディスクにはそ
の範囲内でデータが記録されていればよいため、ディス
クによって線速度、トラックピッチが異なる。それぞれ
のディスクに固有な線速度、トラックピッチを実際にデ
ータを読み取る前に学習し、記憶しておけば、いわゆる
ランダムアクセスの際、粗検索から密検索への切替を精
度よく行うことができ、高速にPU13をそのデータが
記録されている位置に移動させることができる。ディス
クの線速度は単位時間当たりにどれだけの数のセクタを
読み取ったかで求めることができ、トラックピッチは、
ディスク上の任意の2点間の回転速度の比から求めるこ
とができる。
【0075】ディスク線速度、トラックピッチを求めた
後、マルチセッション情報を読み取る(s19)。マルチ
セッション情報は、いわゆるCD−R、CD−RWのみ
がもつ情報であり、制御情報(管理情報)の一種である。
従って、上述のステップs16でCD−R、CD−RW
以外のCDディスクであると判断した場合には、この手
順を省略する。
【0076】そして、最後に直径が8cmのディスクか
12cmのディスクかを判断する(s20)。8cmのデ
ィスクは12cmのディスクに比べて軽いため、12c
mのディスクと同等の駆動力(回転駆動)をかけることと
すると、ディスク装置が認識している以上の駆動力で駆
動することになり、いわゆるランダムアクセスなどを正
確かつ高速に行うことができなくなる。
【0077】そこで、このステップにて、トレイ3に載
置されたディスクが直径8cmのディスクか12cmの
ディスクなのかを判別する。スピンドル16にブレーキ
電圧を印加し、減速する速度を測定することにより、デ
ィスクの径の違いを判別することができる。
【0078】なお、上述のステップs16にてリードイ
ン情報を読み取り、記録データ量から明らかに8cmの
ディスクに記録可能なデータ量より多いデータが記録さ
れていることが分かっている場合には、このステップs
20を行う必要がないので、このステップを省略する。
【0079】以上、ステップs20までで、ディスクか
らデータを読み出す、あるいはディスクから所望のデー
タを読み出せるようディスクの所望の位置にPU13を
アクセスするために必要な情報をディスクから得ること
ができ、ディスクからデータを読み出すことが可能な状
態になったので、準備動作を終了する。
【0080】なお、DVDの場合には、ステップs16
からステップs20の手順を経るのではなく、ステップ
s21からステップ25の手順を経ることになるが、ス
テップs24以外は各ステップを行う趣旨、方法等はC
Dの場合と同様なので、説明を省略する。ここで、ステ
ップs24におけるBCA(Burst Cutting Area)情報と
は、DVD固有の制御情報(管理情報)であり、DVDに
よってこのBCA情報が記録されている場合と記録され
ていない場合とがある。当然、トレイ3に載置されたD
VDにBCA情報が記録されていないときには、このス
テップs24を省略して次のステップs25に進むこと
になることはいうまでもない。
【0081】準備動作が終了すると、ディスク装置1は
待機状態となり、PC等の外部機器からコマンド(命令)
受けた場合に、そのコマンドを実行する。
【0082】ディスク装置1は、以上説明した準備動作
を行うが、上述した手順により準備動作を行うことによ
り、効率よく準備動作を行うことができ、準備動作に要
する時間を大幅に短縮することができる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、ディスク装置の電源を
入れてからデータを読みとれる状態になるまでの準備動
作を効率よく行うことができ、準備動作に要する時間を
大幅に短縮することができるディスク装置とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態たるディスク装置の主要な
構成が分かるよう斜視した組立図である。
【図2】本発明の一実施形態たるディスク装置であり、
各部品を組み立てた状態でのディスク装置の斜視図であ
る。
【図3】本発明の一実施形態たるディスク装置のユニッ
トメカ部の主要な構成が分かるよう、右前面方向から斜
視した組立図である。
【図4】本発明の一実施形態たるディスク装置における
スピンドル16(ディスク)の回転数と加速度(振動)との
関係を表す測定図である。
【図5】本発明の一実施形態たるディスク装置のユニッ
トメカ部の下面図である。
【図6】本発明の一実施形態たるディスク装置のユニッ
トメカの上面図及び下面図である。
【図7】偏心しているディスクの重心とボールバランサ
23との位置関係を示す模式図である。
【図8】本発明の一実施形態たるディスク装置を縦置き
(ディスク装置1の右側面を接地面として設置)にしたと
きの図である。
【図9】図9は、ディスク装置1のブロック図である。
【図10】図10は、ディスク装置1がPU13を制御
可能にするための準備動作のフローチャート(手順)を示
す図である。
【図11】図11は、ディスク固有の制御情報を読み出
す準備動作を示すフローチャート(手順)を示す図であ
る。
【図12】図12は、CD用レーザ、DVD用レーザを
それぞれCD、DVDに照射したときのFE信号の波形
を比較した図である。
【図13】図13はステップs3、ステップs5におけ
る対物レンズの切り替えの様子を示す図である。
【図14】図14は、本実施例において行われうる対物
レンズの切り替え動作のパターンを示す図である。
【符号の説明】
1…ディスク装置、3…トレイ、16…スピンドル、2
3…ボールバランサ、24…ディスク載置部、25…信
号処理部、26…データ復調部、27…I/F部、28
…サーボ処理部、29…制御部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 栄司 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像情報メディア事業部内 (72)発明者 今井 猛 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像情報メディア事業部内 (72)発明者 岩谷 隆雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所映像情報メディア事業部内 Fターム(参考) 5D090 BB05 BB10 CC09 CC18 DD03 DD05 GG32 JJ11 LL07

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の直径のディスク及び該第1の直径よ
    り長い第2の直径のディスクからデータを読み取ること
    が可能なディスク装置であって、 前記第1または前記第2のディスクからデータ記録量に
    関する情報を読み取り、該データ記録量が前記第1の直
    径のディスクに記録可能なデータ記録量を越えていると
    判断した場合には、前記第1の直径のディスクであるか
    前記第2の直径のディスクであるかの判別動作を行わな
    いように構成することを特徴とするディスク装置。
JP10233059A 1998-08-19 1998-08-19 ディスク装置 Pending JP2000067509A (ja)

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