JP2000067371A - 交通信号制御方法及び制御装置 - Google Patents

交通信号制御方法及び制御装置

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JP2000067371A
JP2000067371A JP23143998A JP23143998A JP2000067371A JP 2000067371 A JP2000067371 A JP 2000067371A JP 23143998 A JP23143998 A JP 23143998A JP 23143998 A JP23143998 A JP 23143998A JP 2000067371 A JP2000067371 A JP 2000067371A
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offset
signal
distance ratio
signals
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JP23143998A
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Akira Hachiman
幡 章 八
Yoshiharu Yano
野 義 晴 矢
Takashi Kawasato
里 隆 川
Toshihiko Oda
田 利 彦 織
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Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 道路交通の交通信号機を一括して制御する際
に、交通需要モードに対応する種別の系統オフセットを
自動生成し、交通状況の変化に順応したオフセット制御
を行うとともに、交通行政の目的と交通形態の変化に的
確に対応する。 【解決手段】 モード選択部25において選択される交
通需要モードに対応するサイクル長の適用範囲と生成す
るオフセットの種別により、対象となる信号機群で得ら
れるスルーバンド幅が最大となるようにした指定の種別
の系統オフセットをオフセット生成部26の演算処理に
より生成し、車両車両感知器等22による交通情報に基
づくオフセットの制御指標算出部28により、双方向系
統オフセットの方向別の優先度を変化させる演算処理を
オフセット制御部27で行い、操作部37からオフセッ
トの種別変更の指定がある場合はオフセット生成部27
において種別変更の演算処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路交通に関する情報
の収集・分析及び伝達と信号機及び道路標識等の操作並
びに指令を一体的に行う交通管制システムにあって、線
的または面的に広がる道路網に設けられた多数の信号機
を互いに関連付けて信号表示を制御する交通信号制御方
法及び制御装置に関わるものであり、交通管制システム
の運用担当者が運用目的に応じて必要とする各種の系統
オフセットを自動生成し、交通状況の変化に順応したオ
フセット制御を行うことにより、交通管制システムの運
用効果を向上させるのに適した交通信号制御方法及び制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】交通管制システムは、機能面から信号制
御系、交通情報系、及び運用管理系の3系で構成され、
道路交通の安全と円滑を図るものとして各都道府県の県
庁所在都市に本部交通管制センターを置き、主要都市に
設置されている都市交通管制センター及び中小都市に設
置されているサブセンターとの間を通信回線で結び、交
通情報の収集・分析及び伝達と信号機及び道路標識等の
操作を本部交通管制センターで一体的に行えるように構
成されている。
【0003】この交通管制センターに関わる信号制御系
の制御方法については、海外の信号制御方式を含めて文
献、「交通信号機の手引き」(社団法人交通工学研究会
平成6年7月発行)に詳しく、近年の技術としては、
「交通信号制御方法及び制御装置」(特開平8−171
694号公報)を挙げることができる。これらの信号制
御方法の中からオフセットに関する制御方法について大
別すると、(1)あらかじめ設定されているオフセット
パターンを交通状況の変化に応じて選択する制御方法
(2)信号機群について信号による停止回数、遅れ等の
評価値が最小となるようにし、信号制御の最適化を図る
方法、の2種類となる。(1)の方法は現在我が国で採
用されている方法であり、(2)の方法についての著名
なものとしては、英国で採用されている「SCOOT」
と呼ばれる広域信号制御方式がある。
【0004】(1)の方法は、系統制御に特有な信号制
御パラメータであるオフセットを総合的な交通需要の度
合いと方向別の交通量比による区分に対応してパターン
化し、交通状況の変化に応じて、そのオフセットパター
ンを選択することにより、非飽和交通時の系統効果を確
保するとともに、渋滞時用のオフセットパターンにより
過飽和時に対応した制御を行うものである。(2)の方
法は、信号群について、信号機による停止回数、待時
間、遅れ、旅行時間などの評価値を最小化し、信号制御
の最適化を図るもので、オフセットについては、信号機
ごとに評価値が最小となるようなオフセット値を選択す
る制御を行うもので、系統効果に重点を置くものではな
いが、結果として系統オフセットに類似することもあり
得るものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方法は、オフセットパターンの設計には、オフ
セットを理解し、評価できる専門知識を必要とするが、
オフセットの種別には多種多様なものがあるため、どの
ような種別のオフセットとするのか、方向別の交通量比
に対応する方向別の優先度の度合いをどうするのかな
ど、オフセットパターンの設計担当者と設計したオフセ
ットパターンを実用に供することの可否を判断する人の
経験、技量、交通形態の熟知度等により、実用に供され
るオフセットパターンの品質には差が生じるとととも
に、オフセットパターンの設計変更を即時に行うことは
容易なことではないと言う問題を有している。
【0006】また、オフセットパターンは、共通のサイ
クル長でオフセットを制御する信号群となるサブエリア
ごとに、交通需要と方向別の交通量比の区分に対応して
数種類のパターンを設定できるようになっているが、交
通管制システムの対象地域も拡大している現在では、多
様に変化する交通形態に適合するオフセットパターンを
全域の各サブエリアについてきめ細かく設計すること
は、専門知識とともに経験的なノウハウも必要となるの
で容易なことではないという課題もあるので、オフセッ
トパターンによる制御方法においては、その機能を十分
に活用することが難しいという問題を有している。
【0007】(1)の方法におけるもう一つの課題とし
ては、オフセットパターンが切り替わるときに生じるオ
フセット追従の問題がある。オフセットパターンの種類
が交通状況の変化に応じて切り替わる場合は、急激に各
信号機ごとのオフセットが変化すると交通が混乱する恐
れがあるため、信号表示の1サイクルごとにオフセット
を徐々に変化させる「オフセット追従」と言われる過渡
的な動作を伴うこととなるが、オフセット追従中の数サ
イクルの間は、各信号機間の連係が乱れるので系統効果
も損なわれる。このため、オフセットパーンが頻繁に切
り変わることは、必ずしも好ましい結果をもたらすこと
とはならないので、一旦選択されたオフセットパターン
を別の種類のパターンに切り替える場合は、交通状況の
変化に対する反応を遅延させることができるようになっ
ているが、遅延の度合いを増せばオフセットは安定する
が、実交通と制御結果の整合性は悪くなるという問題を
有している。
【0008】(2)の方法は、必ずしも系統制御を目的
とするものではないが、信号機群の全体について信号機
による停止回数、待時間、遅れ等の評価値が最小となる
ような最適解を求めて信号制御の最適化を図るもので、
理論的には時々刻々変化する道路交通に適合するものと
して期待され、様々な方法、装置が提案され実用化され
てきたが、面的な広がりをもつ信号群の信号制御に対す
る評価方法が確立していないこともあって、信号制御の
最適性において十分な効果が得られていないのが現状で
ある。
【0009】交通管制センターには、車両感知器情報に
基づく道路交通情報の外に、有線、無線の通信手段によ
り交通事故、道路障害、暴走族、気象情報など道路交通
に関する各種の情報が集められる。このため、交通管制
の運用目的から信号制御の最適化を求めるばかりではな
く、停止回数の増減よりも高速走行を抑制して安全確保
に重点を置くこともあり、迂回誘導、緊急物資の輸送、
災害時の避難誘導等の経路に対する円滑性の確保、積雪
荒天等に対する安全性の確保などと、信号制御について
も柔軟な対応が求められる。
【0010】しかしながら、上記の(1)及び(2)の
方法では、このように運用目的に応じて臨機応変に対応
させる信号制御としては課題があり、(1)の方法は、
特殊事案を想定したオフセットパターンを予め設定する
ことはできるが・オフセットパターンは固定的であるた
め柔軟性に欠けるという問題点を有している。
【0011】本発明は、このような従来の課題に鑑みて
なされたもので、交通管制システムの運用担当者が必要
とする種別のオフセットを随時自動的に生成することを
可能とし、オフセット設計の煩わしさを解消するととも
に、オフセット追従による交通流の乱れを軽減して、交
通状況の変化に順応したオフセット制御を行うことので
きる優れた交通信号制御方法及び制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、モード選択部において選択される交通需
要モードに対応するサイクル長の適用範囲と生成するオ
フセットの種別により、対象となる信号機群で得られる
スルーバンド幅が最大となるようにした指定の種別の系
統オフセットをオフセット生成部の演算処理により生成
し、車両車両感知器等による交通情報に基づくオフセッ
トの制御指標算出部により、双方向系統オフセットの方
向別の優先度を変化させる演算処理をオフセット制御部
で行い、操作部からオフセットの種別変更の指定がある
場合はオフセット生成部において種別変更の演算処理を
行うようにしたものである。これにより、道路交通の交
通信号機を一括して制御する際に、交通需要モードに対
応する種別の系統オフセットを自動生成し、交通状況の
変化に順応したオフセット制御を行うとともに、交通行
政の目的と交通形態の変化に応じて各種の系統オフセッ
トを随時生成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1及び6に記載の
交通信号制御方法及び制御装置は、各信号機の位置関係
を距離率が0から50%の範囲内となる置換距離率に置
き換え、双方向のスルーバンド幅が最大となる信号機間
を抽出し、その信号機間の中間点を距離率が0%または
50%となるように、各信号機の位置関係を再度修正置
換距離率に置き換え、走行線と修正置換距離率との関係
から、双方向の系統オフセットとなる各信号機の絶対オ
フセット値を演算処理により求めることを特徴とするオ
フセット生成処理または手段を備えたものであり、当該
信号機群で得られるスルーバンド幅が最大となる双方向
の系統オフセットを自動的に生成することができる。ま
た、系統オフセットの生成条件となる系統速度について
は、各信号機間ごとに任意の系統速度を設定できること
から、歩車混合交通の道路、歩車分離交通の道路、規制
速度の異なる区間などが混在する区間についても包括的
に取り扱うことができることとなるので、道路交通の形
態に応じて木目細かく適合する双方向の系統オフセット
を生成することが可能となる。
【0014】本発明の請求項2及び7に記載の交通信号
制御方法及び制御装置は、請求項1及び6において、オ
フセットの生成に適用するサイクル長に許容幅がある場
合には、適用サイクル長の許容幅の範囲内で得られるス
ルーバンド幅が最大となる双方向の系統オフセットを演
算処理により生成することを特徴とするものである。双
方向の系統オフセットは、適用サイクル長によって得ら
れるスルーバンド幅が変わることから、適用サイクル長
に許容幅がある場合は、請求項1及び6によるオフセッ
トの生成過程で、「各信号機間の距離率の計算処理か
ら、各信号機の位置関係を置換距離率に置き換えて、各
信号機間ごとに交互点をおくものと仮定して得られるス
ルーバンド幅を計算する処理」までを任意の時間間隔で
繰り返し、スルーバンド幅が最大となる最適サイクル長
を抽出することにより、当該信号群で得られる系統オフ
セットの理論的な最適解を得るこを特徴とする。従っ
て、本発明の作用としては、当該信号機群に関わる交通
需要の状況を示す、閑散交通、軽交通、平常交通、混雑
交通、渋滞交通などのモード区分ごとに適用サイクル長
の許容範囲となる上下限値を設定することにより、各モ
ード区分に対応してスルーバンド幅が最大となる系統オ
フセットの理論的な最適解を得ることとなるので、オフ
セット制御をサイクル制御よりも優先する交通信号制御
装置を提供することが可能となる。
【0015】本発明の請求項3及び8に記載の交通信号
制御方法及び制御装置は、請求項1及び6による双方向
の系統オフセットの生成と関連し、修正置換距離率に置
き換えた各信号機の位置関係で、各信号機ごとの仮の絶
対オフセット値を求めるために用いる上り下りの走行線
が交わる点をPとし、修正置換距離率が0%からP点ま
での信号機については上りの走行線に沿わせて仮の絶対
オフセット値を求め、P点から50%の範囲にある信号
機については下りの走行線に沿わせて仮の絶対オフセッ
ト値を求めるものとした場合、P点の位置と走行線の関
わり方を変化させることにより各種の系統オフセットを
演算処理により生成することを特徴とするものである。
【0016】従って、請求項3及び8に記載の発明の作
用としては、 (1)各種の系統オフセットを演算処理の条件指定ヒよ
り自動的に生成することが可能となることから、各種の
オフセットパターンを設計する煩わしさを解消するとと
もに、オフセットパターンの定数設定(各信号機ごとの
絶対オフセット値等を電子計算機に入力すること。)を
交通信号制御装置に設定する作業を省力化することがで
きる。 (2)生成する系統オフセットの種別は、初期条件とし
て指定することができるが、交通信号制御装置の運用中
であっても系統オフセットの種別変更の指定も電子計算
機の処理上可能なことであるので、交通管制システムの
操作卓等から系統オフセットの種別指定を操作できるよ
うにすることにより、迂回誘導路または緊急物資の輸送
経路などについては片方向優先の系統オフセットとして
円滑性を確保するとか、高速走行の抑止を目的とする場
合は、系統速度を下げたグリーンウェーブの双方向系統
オフセットとし、平常交通時にあって信号交差点での停
止車両を極力減少させたい場合は、イェローウェーブの
双方向系統オフセットとするなど、道路交通に関する諸
情報と交通行政の目的に応じて柔軟に即応できる交通信
号制御装置を提供することが可能となる。 (3)生成する系統オフセットの方向別の優先度は、車
両感知器情報に基ずく上り下りの方向別の交通量比とP
点の位置関係を関連付けることにより、方向別のスルー
バンド幅は、交通状況の変化に順応して上り優先の系統
オフセットから下りり優先の系統オフセットまで連続的
に変化するオフセット制御とすることが可能となる。こ
のため、オフセットパターンが切り替わるときに生じる
系統オフセットの乱れは解消されることから、交通状況
の変化に即応したオフセット制御とすることも可能とな
る。 (4)系統オフセットの種別が、「同時オフセット」か
ら「双方向の系統オフセット」にというように替わる場
合でも、本請求項の演算処理手段を用いることにより系
統オフセットの種別変更に伴う各信号機ごとの絶対オフ
セット値の変化を50%未満に抑えて移行することがで
きることとなるので、実交通に与える影響も軽減できる
ことから、交通形態の変化および交通目的の変更に応じ
て随時系統オフセットの変更を行うことが可能となる。
【0017】本発明の請求項4及び9に記載の交通信号
制御方法及び制御装置は、請求項1及び6による双方向
の系統オフセットの生成において、信号機群の中に連動
信号機を含む場合は、初期条件として連動信号機か否か
を電子計算機の処理過程で識別できる符号を付与し、置
換距離率に置き換えた信号機の位置関係で、連動信号機
と判定される信号機間は、スルーバンド幅の計算を禁止
することにより、連動信号機間が交互点となることを自
動的回避することを特徴とするものである。連動信号機
は、通常、親機と子機の間を連動線で結び親機と子機の
相対オフセットを固定的に運用するもので、親機につい
ては中央装置により絶対オフセット値を制御することは
出来るが、子機の絶対オフセット値は親機と連動して変
化することとなるので本発明の手段を適用する必要が生
じるが、中央装置により制御可能な複数の信号機にあっ
ても、交通流などとの関係で相対オフセットを固定的に
運用する必要がある場合は、初期条件において連動信号
機に準じた符号を付すことにより、その信号機間が交互
点となることを回避することが可能となる作用を有す
る。
【0018】本発明の請求項5及び10に記載の交通信
号制御方法及び制御装置は、請求項1、3および6、8
に記載の系統オフセットの生成に関連し、連動信号機を
含む信号機群については、請求項4及び9に記載の手段
を併用することにより連動信号機間が交互点となること
を回避して系統オフセットの形態を確保することは出来
るが、連動信号機の子機の絶対オフセット値は、親機の
絶対オフセット値と連動信号機間の相対オフセット値に
より決まるため、系統オフセットの生成過程で求められ
る絶対オフセット値と異なる値で運用されることとなる
ことから、連動信号機の子機は、生成される系統オフセ
ットのスルーバンド幅を阻害する要因ともなり、また、
グリーンウエーブまたはイエローウエーブのように走行
線との関わりに重点を置く系統オフセットにあっては、
連動信号機の子機が走行線との関わりを損ねる場合も生
じることとなる。
【0019】このため、請求項5及び10に記載の発明
は、信号機群の中に連動信号機を含む場合は、初期条件
として連動信号機の親機か子機かを電子計算機の処理過
程で識別できる符号を付与するとともに、親機と子機間
の相対オフセット値を入力しておくことにより、修正置
換距離率に置き換えた信号機の位置関係で、各信号機の
仮の絶対オフセット値を求める演算処理の段階で、生成
する系統オフセットの種別判定及びスルーバンドを阻害
するか否かの判定式と補正式を組み合わせて、走行線と
の関わりを重視する系統オフセットの品質を損なうこと
のないように、連動信号機の親機の仮の絶対オフセット
値を補正することを特徴とするものであり、請求項1、
3、6、8記載の各手段と併用することにより、連動信
号機を含む信号機群についても各種の系統オフセットを
スルーバンドを損なうことなく自動的に生成することが
できる交通信号制御装置を提供することが可能となる作
用を有する。
【0020】(実施の形態)以下、本発明の実施の形態
を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態
における交通信号制御装置の基本構成を示すブロック図
である。図1において、道路に設置されている複数の交
通信号機9を一括して電子計算機により制御する交通信
号制御装置1は、交通管制センター内の操作部10から
入力された設定値管理情報、および道路上に設置されて
いる車両感知器2からの感知信号に基づき、感知器情報
計測部3が数値化し、信号制御情報算出部4が車両の交
通量、走行速度、占有率等の制御情報を算出し、この制
御情報を基にして交通状況の変化に対応した信号表示と
なるように、各信号機毎のスプリット値、サイクル長、
オフセット値を、それぞれスプリット制御部5、サイク
ル長制御部6、オフセット制御部7で算出し、これらの
制御情報を、端末制御部8から信号機9に送信して、各
信号機毎に交通状況の変化に対応した信号表示を行わせ
る。また、端末制御部8から信号機状態情報13が、交
通管制センター内の信号制御監視盤14に送信され、係
員が交通状況を監視することになる。そして、本発明
は、主にオフセット制御部7におけるオフセット値生成
に関し、道路網に設置された信号機群の信号表示を互い
に連係させて、道路を走行する車両が系統速度で走行す
るものとした時、できるだけ多くの信号機を「青」、
「青」の信号表示で通り抜けることができるように、双
方向の系統オフセットを電子計算機の演算処理により生
成するものである。
【0021】次に、本発明の実施の形態を請求項毎に分
けて説明する。 (実施の形態1)本発明の請求項1に対応する実施の形
態1は、道路に設置されている複数の交通信号機を一括
して電子計算機により制御する交通信号制御装置に関わ
り、道路網を走行する車両が信号表示により停止する回
数を減少させて道路交通の円滑化を図るものとして、車
両の走行速度と関連付けて複数の信号機の信号表示に時
間差を持たせて連係させる系統オフセットを電子計算機
の演算処理により生成する方法に関するものである。
【0022】本実施の形態1における系統オフセットの
生成方法は、系統オフセツトを適用する道路の範囲によ
って区切られるサブエリアごとに構成される複数の交通
信号機(以下単に信号機群とする。)について、走行す
る車両が一定の速度で走行するものと仮定した速度(以
下単に、系統速度とする。)で走行するものとした場
合、上り方向と対向する下り方向の双方向について当該
信号機群を信号表示で停止することなく通り抜けること
のできる通過帯(以下単に、スルーバンドとする。)を
有する双方向の系統オフセットを生成するものであり、
できるだけ多くの走行車両がこのスルーバンドを利用で
きるように通過帯の時間幅(以下単に、スルーバンド幅
とする。)を広くするものとして当該信号機群で得られ
るスルーバンド幅の最大値を演算処理により求めて、双
方向の系統オフセットを生成することを特徴とするもの
である。
【0023】また、本実施の形態1における演算処理
は、入力条件として、各信号機間ごとの距離、信号機の
サイクル長(信号表示が、青、黄、赤と一巡する時
間)、各信号機ごとのスプリット値(信号表示が一巡す
る中で系統方向の青の表示時間が占める割合)及び各信
号機間の区間ごとに適用する系統速度を初期条件として
入力することにより、双方向の系統オフセットとなる各
信号機ごとの「青」信号表示開始のタイミングを示す絶
対オフセット値を出力するものであるが、その演算処理
手順の要点を示すと次のようになる。
【0024】各信号機間の距離(D(m))は、系統速
度(V(m/s))で走行する車両が、1サイクル長の
時間(C(s))に走行する距離との比率となる距離率
(d(%))で表すものとする。(d=(D/V×C)
×100) 系統オフセットの起点となる信号機Aから信号機I迄の
距離は、信号機AからIの間に在る信号機ごとの距離率
を累積した累積距離率(D(%))で表すものとする。
(Di=da+db+……di) 時間(T(s))については、1サイクル長の時間に対
する比率を示す時間率(t(%))で表すものとする。
(t=(T/C)×100) このように時間と距離関係を率に置き換えることによ
り、距離率を横軸に、時間率を縦軸とした座標上におい
ては、車両の走行軌跡となる走行線は、縦横同値の升目
の対角線で表すことができ、信号機の位置関係は、各信
号機ごとの累積距離率により示すことができる。
【0025】また、この座標上における走行線と距離率
の関係は、距離率50%の区間単位(0〜50,50〜
100,100〜150、・・・)で隣接する区間単位
ごとに時間率を±50%補正するものとすると、各区間
単位を重ね合わせて走行線と距離率の関係を解析するこ
とが可能となることから、各区間単位の信号機の位置関
係を距離率が0〜50%の範囲内に入るように移し変え
て各信号機の信号表示のタイミングと走行線との関わり
を解析するものとする。
【0026】このため、各信号機の累積距離率(D)を
距離率50%の整数倍のN(以下単に置換倍率とす
る。)で除した剰余数により各信号機の位置関係を0か
ら50%までの置換距離率(D’)に置き換えるものと
し、置換距離率に置き換えられた信号機の位置関係で隣
接する各信号機間ごとにオフセットを50%ずらすもの
と仮定して得られる双方向のスルーバンド幅を算出し、
スルーバンド幅が最大となる信号機IとJを抽出するも
のとする。
【0027】更に、抽出した信号機IとJの中間点とな
る位置を信号機1とJの信号表示が時間率で50%ずれ
る交互点とし、その交互点を置換距離率0%または50
%の位置に移動するものとして、交互点の移動量となる
距離率を各信号機ごとの置換距離率に加え、その和が5
0%を越えるときは50%で除した剰余数として、各信
号機の位置を再び0から50%までの距離率に並び替え
て修正置換距離率(D”)とするとともに、置換倍率に
1を加えて修正置換倍率(N’=N+1)とする。
【0028】修正置換距離率に置き換えた信号機の位置
関係で、時間率(t)と距離率(d)が、t=0%、d
=0%の点からt=25%、d=25%の点を結ぶ走行
線と、t=25%、d=25%の点からt=0%、d=
50%の点を結ぶ走行線に沿わせて各信号機の信号表示
の「青」開始時間のタイミングを合わせるものとする
と、当該信号機群の信号表示は、双方向のスルーバンド
が最大となる双有向の系統オフセットとなる。
【0029】この場合、修正置換距離率座標上の各信号
機ごとの仮の絶対オフセット値(O’)は、時間率と距
離率は無次元で数値互換が可能となることから、修正置
換距離率(D”)がO%<D”<25%の範囲内にある
信号機の仮の絶対オフセット値は、修正置換距離率をそ
のまま用いることができるのでO’=D”となり、25
%<D”<50%の範囲内にある信号機は、O’=50
−D”となるので、修正置換倍率が偶数か奇数かによっ
てその仮の絶対オフセット値に±50%の補正を行うこ
とにより、双方向の系統オフセットとして運用可能な絶
対オフセット値(O)を得ることができる。
【0030】以下、本実施の形態1における論理構成と
演算処理手順について詳細に説明する。図2は、本実施
の形態1における双方向系統オフセットの生成方法に関
する演算処理の流れ図を示すものである。図2のステッ
プ1は、系統オフセットを生成するために必要な基礎的
な条件で、生成する系統区間ごとの信号機群について、
信号機名または信号機の整理番号、適用するサイクル
長、隣接する信号機間ごとの距離、系統区間または信号
機間ごとに適用する系統速度、信号機ごとのスプリット
値及び生成するオフセットの種別を初期条件として操作
部より入力するものとする。
【0031】図2のステップ2の「信号機間ごとの距離
率を算定」は、初期条件を基に各信号機間ごとの距離率
dを次式により算出するものとする。 di =(Li /C×Vi )×100 ………(1) di =信号機iと手前の信号機hの信号機間の距離率
(%) Li :信号機iと手前あ信号機hの信号機間の距離
(m) C :当該信号機群に共通的に用いられるサイクル長
(s) V :信号機iと手前の信号機hの信号機間に適用する
系統速度(m/S)。ただし、mはメートル、Sは秒の
単位とする。 各信号機間の距離を距離率によって表すことにより、系
統速度は、各信号機間ごとに異なるものとなってもよい
こととなるので、交通形態の実情に即して各信号機間の
系統速度を初期条件として任意に設定でき、また、交通
状況の変化に応じて、操作部より信号機間ごとに系統速
度の変更を入力することも可能となる。
【0032】図2のステップ3の「累積距離率を算出」
は、系統区間の基点となる信号機から順次各信号機間の
距離率を累積し、信号機ごとの累積距離率を次式により
算出する。 Di =da +db +……+dh +di ………(2) Di :信号機aを基点とした場合の信号機iの累積距離
率(%) ただし、信号機aの距離率da =0とする。 信号機の位置関係を累積距離率で表すことにより、各信
号機間を系統速度で通過するものとした車の走行線と信
号機の位置との関係は、図3に示すようになる。この図
は、横軸を距離率とし、縦軸を時間としたものである
が、時間率tは、時間T(s)をサイクル長C(s)で
除した百分率で奏すものとする。 (t(%)=(T/C)×100) 従って、縦軸の100%は、1サイクル長の時間を、横
軸の100%は、1サイクル長の時間に系統速度で走行
する車が到達する距離を意味することとなるので、走行
線は、縦横同値の升目の対角線で表されることとなる。
【0033】図3において、上り方向の走行線は、右肩
上がりの斜線とし、下り方向の走行線は、左層上がりの
斜線で表すものとした場合、縦横0%の座標を通る上り
の走行線は、縦横100%の座標を通り、縦横150%
の座標へと抜けて行くが、100%を越える部分は、縦
軸0%、横軸100%の座標を基点とする位置に移して
走行線と距離率の関係を調べることができる。このよう
な考え方を上り下りの任意の走行線について図化すると
図3に示すようになるが、図中の太線で囲んだイの領域
に関わる走行線は、ロ、ハ、及びニの領域に関わる走行
線と同様の模様となるので、ロとニの領域については時
間率を±50%補正するものとすれば、イの領域にロ、
ハ、ニの領域を重ね合わせてることができることから、
イの領域以外の信号機もイの領域に置き換えて走行線と
の関係を解析することが可能となる。
【0034】図2のステップ4の「置換距離率を算出」
は、各信号機の位置関係を距離率0から50%の範囲内
に置き換えるものとして、各信号機ごとの置換距離率
D’(%)を次式により算出するものとする。 D’i =Di −50×Ni ………(3) D’i :信号機iの置換距離率(%) Ni :信号機iの置換倍率 ただし、置換距離率D’は、0%≦D’<50%とす
る。また、Nは、置換距離率D’を0%≦D’<50%
とするために必要な50の倍数で0,1,2、……の整
数とする。一例として、信号機A,B,Cの累積距離率
が、Da=0%、Db=140%、Dc=160%とな
る場合、各信号機の置換距離率は、D’a=0%、D’
b=40%、D’c=10%となり、置換倍率は、Na
=0,Nb=2,Nc=3となる。また、この事例によ
る信号機の位置関係を図示すると図3に示すようにな
り、置換距離率に置き換えられた信号機は、距離率が0
から50%の範囲となるイの領域に移し換えられること
となる。
【0035】図2のステップ5の「信号機の位置を置換
距離率で並び換える」は、信号機の位置関係を置換距離
率の小から大の順に図4に示すように並び換えることを
意味する。
【0036】図2のステップ6の「信号機間ごとの置換
距離率差を算出」は、置換距離率に置き換えた信号機の
位置関係で、隣接する信号機間の置換距離率差を次式に
より求めるものとする。 ai =D’j −D’i ………(4) ai :信号機iの置換距離率差(%) D’j :置換距離率が信号機iの直近上位となる信号機
jの置換距離率(%) D’i :信号機iの置換距離率(%) ただし、信号機iの直近上位となる信号機が存在しない
場合の置換距離率差は、次式により求めるものとする。 ai =50−D’i ………(5) この置換距離率差を図3の事例で示すと次のようにな
る。 信号機Aの置換距離率差aa =10−0 =10(%) 信号機Cの置換距離率差ac =40−10=30(%) 信号機Bの置換距離率差ab =50−40:10(%)
【0037】図2のステップ7の「暫定スルーバンド幅
の算出」は、置換距離率に置き換えられた信号機の配列
において、隣接する信号機のオフセットを50%ずらせ
た交互点とするものと仮定して得られるスルーバンド幅
を次式により各信号機間について算出するものとする。 TWi =2ai +Si +Sj −100’ ………(6) TWi :信号機iと信号機jの間を交互点としたときに
得られるスルーバンド幅(%) ai :信号機iの置換距離率差(%) Si :信号機iのスプリット値(%) Sj :置換距離率が信号機iの直近上位となる信号機j
のスプリット値(%) なお、置換距離率が信号機iの直近上位となる信号機が
ない場合は、基点となる信号機aのスプリット値を用い
るものとする。この(6)式で求められるスルーバンド
幅は、上り方向のスルーバンド幅(TWU)と下り方向
のスルーバンドの幅(TWD)の和を意味するものであ
るが、スルーバンド幅と置換距離率差及びスプリット値
の関係を図示すると図6のようになる。
【0038】図2のステップ8の「スルーバンド幅の最
大値抽出」は、各信号機間を交互点とするものと仮定し
て(6)式により得られたスルーバンド幅の最大値を抽
出するものとする。 TWm =Max(TWa 〜TWz ) ………(7) TWm :スルーバンド幅の最大値(%) TWa :信号機aと置換距離率が直近上位となる信号機
bの間を交互点としたときに得られるスルーバンド幅
(%) TWz :置換距離率が最大となる信号機zと起点となる
信号機aの間を交互点としたときに得られるスルーバン
ド幅(%)
【0039】図2のステップ9の「修正置換距離率
(D”)算出」は、系統オフセットを生成する信号機群
の中で、(6)式により求められるスルーバンド幅が最
大となる信号機間の中心点が置換距離率の50%の位置
になるように各信号機の置換距離率を次式により修正す
るものとする。 D”i =50−(am /2)−am +D’i ………(8−1) D”i :信号機iの修正置換距離率(%) am :スルーバンド幅が最大となる信号機mの置換距
離率差(%) D’i :信号機iの置換距離率(%) ただし、修正置換距離率D”i は、0<D”i <50と
し、D”i が50(%)を越える場合は、50(%)を
差し引いた値を用いるものとする。また、D”i >50
のときは、D”i −50とし、信号機iの置換倍率Nに
1を加えて置換倍率を修正するものとする。 D”i >50のときは、N’=N+1 ………(8−2) D”i <50のときは、N’=N ………(8−3) N’:修正置換倍率 N :置換倍率
【0040】置換距離率と修正置換距離率の関係、及び
置換倍率と修正置換倍率の関係を図3,4,5により説
明すると次のようになる。図3の信号機A,B,Cの配
列は、実際の信号機の配列に準じたものとなるが、これ
を置換距離率により信号機の位置関係を置き換えると、
図3のイの領域に集約されることとなるので、修正置換
距離率に置き換えた信号機の位置関係は、図4に示すよ
うになる。この信号機の位置関係で各信号機間ごとで得
られるスルーバンド幅を求め、その最大値が、信号機
C’とB’の間で得られたものとした場合は)信号機
C’とB’間の中心点cを交互点とするものとし、図5
に示すように中心点cを距離率50%の位置に移動させ
るように各信号機の位置を平行移動させたものが修正置
換距離率となるので、修正置換距離率に置き換えられた
信号機の位置関係は、図5に示すようになる。
【0041】この場合、信号機B’の置換倍率は、(8
−2)式が適用されることとなるので、1を加えてるも
のとし、修正置換距離率はD”b =65>50となるの
で、 D”b =65−50=15(%) となる。従って、図3の信号機A,B,Cの置換距離率
と修正置換距離率及ぴ置換倍率と修正置換倍率は、次の
ようになる。
【表1】
【0042】図2のステップ10の「オフセット生成」
は、修正置換距離率に置き換えた信号機の位置関係にお
ける各信号機ごとの仮の絶対オフセット値を求めた後
に、修正置換倍率により仮の絶対オフセット値を補正す
ることにより当該信号機群で運用可能な信号機ごとの絶
対オフセット値を図2のステップ11へ出力するもので
あるが、その実施の態様を図により説明すると次のよう
になる。
【0043】図5に示すように各信号機の「青」信号表
示開始のタイミングを修正置換距離率図上における50
%升目の対角線となる走行線に沿わせることにより
(7)式により求められたスルーバンド幅を有する双方
向の系統オフセットを得ることができることとなるの
で、各信号機ごとの仮の絶対オフセット値は次式により
求めることができる。 修正置換距離率が25%未満の信号機(D”<25)は、 O’i =D”i ………(9) 修正置換距離率が25%以上となる信号機(D”≧25)は、 O’i =50−D”i ………(10) O’i :信号機iの仮の絶対オフセット値(%) D”i :信号機iの修正置換距離率(%)
【0044】この仮の絶対オフセット値を運用可能な絶
対オフセット値にするためには、信号機ごとの修正置換
倍率が偶数(0,2,4、……)か奇数(1,3,5、
……)かによって仮の絶対オフセット値を±50%補正
する必要があるので、仮の絶対オフセットを算出後の処
理として、信号機ごとに修正置換倍率が偶数か奇数かを
識別する判断ステップを設け、次式により仮のオフセッ
ト値を補正するものとする。 修正置換倍率が偶数(N’=0or2or4or...)となる信号機は、 Oi =O’i …………(11) 修正置換倍率が奇数(N’=1or3or5or...)となる信号機は、 Oi =O’i +50 …………(12) Oi :運用可能な信号機iの絶対オフセット値(%) この補正例では、修正置換倍率が偶数となる信号機につ
いては仮の絶対オフセット値をそのまま用いるものとし
た場合を示すが、奇数となる信号機の仮の絶対オフセッ
ト値をそのまま用いる場合は(11)式と(12)式を
入れ替えればよくまた、(12)式の補正値については
−50としても差し支えない。
【0045】この仮の絶対オフセットと運用可能な絶対
オフセットの関係について図により補足説明すると次の
ようになる。図3に示す信号機の配列を修正置換距離率
に置き換えると信号機の位置関係は、図5に示すように
なり、信号機A,B,Cの修正置換距離率(D”)と修
正置換倍率(N’)及び仮の絶対オフセット値(O’)
と運用可能な絶対オフセット値(O)は次のようにな
る。
【表2】 この運用可能な絶対オフセット値(O)を用いて信号機
の位置関係を元の配列に戻すと、図8に示すように双方
向にスルーバンドを通す双方向の系統オフセットとな
る。
【0046】なお、本実施の形態1では、説明を簡素化
するため信号機の数を3基としているが、実用的には、
2〜30基を一群とする信号機群についても適用できる
ものであり、スルーバンドと信号機群の関係は、図7に
示すようになる。
【0047】以上のように、本実施の形態1によれば、
加減乗除の単純な演算処理により当該信号群で得られる
スルーバンド幅が最大となる双方向の系統オフセットを
生成することを特徴とするものであり、本発明の演算処
理方式を交通信号制御装置の電子計算機に組み込むこと
により系統オフセットの自動生成が可能となる。
【0048】(実施の形態2)本発明の請求項2に対応
する実施の形態2に記載の発明は、実施の形態1記載の
系統オフセットの生成方法に関連して適用サイクル長に
許容幅がある場合、許容幅の範囲内で得られる双方向の
スルーバンド幅が最大となるサイクル長により双方向の
系統オフセットを生成することを特徴とするものであ
る。実施の形態1に記載の系統オフセットの生成方法
は、置換距離率に置き換えた信号機の配列において、各
信号機間ごとに得られるスルーバンド幅を(6)式によ
り求め、スルーバンド幅が最大となる信号機間を交互点
とするものであるが、置換距離率は、信号機間の距離を
1サイクル長の時間に系統速度で走行する車が走行する
距離に対する比率で示す距離率を基礎としているので、
適用サイクル長が変化すると、図9に示すように置換距
離率に置き換えられた信号機の配列も変化し、スルーバ
ンド幅が最大となる信号機間も変わり、得られるスルー
バンド幅も変化することとなる。
【0049】従って、図10に示すように、当該信号機
群に関わる交通混雑の度合いを示す交通需要モードに対
応して適用サイクル長に許容幅を持たせることができる
場合、本実施の形態2は、図11に示すように、適用サ
イクル長の許容範囲内で得られるスルーバンド幅が最大
となる最適サイクル長を抽出するための処理手順を実施
の形態1の演算処理手順に付加するもので、図2のステ
ップ2の「信号機間ごとの距離率(d)を算定」から、
図2のステップ7の「暫定スルーバンド幅(TW)を算
出」までの演算処理を、予め定めるサイクル長の間隔
(△t)によって繰り返すことにより、適用サイクル長
の許容幅の範囲内でスルーバンド幅が最大値(TW’)
となる交互点を求めて系統オフセットを生成することを
特徴とするものである。
【0050】従来、系統オフセットの設計に当たって
は、サイクル長が優先され、或る特定のサイクル長によ
って系統オフセットの設計がなされ、そのサイクル長が
当該信号機群の系統オフセットに対して最適であるか否
かは二の次とされていたが、本実施の形態2の手段を用
いることにより、許容されるサイクル長の範囲内で、よ
り品質の良い系統オフセットを自動的に生成することが
可能となる。
【0051】以上のように、本実施の形態2によれば、
実施の形態1記載のオフセットの生成方法において、生
成される双方向系統オフセットのスルーバンド幅は、同
一信号群にあっても適用するサイクル長によって広くな
ったり狭くなったりと変化することから、初期条件とな
る適用サイクル長に許容幅を与えることができる場合
は、オフセットの生成過程である演算処理の「各信号機
間の距離率の計算処理から、各信号機の位置関係を置換
距離率に置き換えて各信号機間ごとに交互点をおくもの
と仮定して得られるスルーバンド幅を算出する処理」ま
での演算処理を任意の時間間隔で繰り返し、サイクル長
の許容範囲内で得られるスルーバンド幅が最大となるサ
イクル長を抽出して、オフセット生成の適用サイクル長
とすることにより、サイクル長の許容範囲内で得られる
スルーバンド幅が最大となる双方向の系統オフセットを
生成することが可能となる。
【0052】(実施の形態3)請求項3に対応する実施
の形態3に記載の発明は、実施の形態1記載のオフセッ
トの生成方法に関連し、上り下りの方向別交通量の度合
いに応じて交通量の多い方向のスルーバンド幅を逆方向
よりも広くするというように、方向別の交通量比に応じ
て方向別の優先度合いを変化させる双方向系統オフセッ
ト、及び走行線と信号表示の関係からスルーバンドに乗
って走行する車の先頭車群をできるだけ「青」、「青」
で通すことを主眼とするグリーンウエーブの系統オフセ
ット、後尾車群が各信号機を通り抜けるようにすること
を主眼とするイエローウエーブの系統オフセットなど、
各種の系統オフセットを生成する演算処理方法に関する
もので、道路交通の形態、交通状況の変化、交通行政の
目的などに応じて、各種の系統オフセットを自動的に生
成するオフセット制御を可能とするものである。
【0053】実施の形態1記載のオフセットの生成方法
において、生成される双方向の系統オフセットは、上り
下りの方向別のスルーバント幅が概ね等しくなるもので
あるが、上り下りの交通量に応じて交通量の多い方向の
スルーバンド幅を逆方向より広くするというように、方
向別のスルーバンド幅を変える系統オフセットの種別と
しては次のようなものがある。 (1)上り優先の系統オフセット (2)上り優先の双方向系統オフセット (3)上り下り平等の双方向系統オフセット (4)下り優先の双方向系統オフセット (5)下り優先の系統オフセット また、走行線と信号表示の関係から区分される系統オフ
セットの種別としては、次のようなものがある。 (6)グリーンウエーブの系統オフセット (7)イエローウエーブの系統オフセット (8)セミグリーンウエーブの系統オフセット (9)セミイエローウエーブの系統オフセット この場合、(2)と(7)を組み合わせれば、イエロー
ウエーブの上り優先双方向の系統オフセットとなるとい
うように、(1)〜(5)と(6)〜(9)は任意に組
み合わせることができる。更に、一般的に用いられてい
るものとしては、 (10)同時オフセット (11)交互オフセット などのオフセットもあるので、系統オフセットの種別は
多種多様なものとなる。
【0054】これら各種の系統オフセットは、道路交通
の形態、交通状況の変化、交通行政の目的などに応じて
使い分けられるものであるが、本実施の形態3は、これ
ら各種の系統オフセットを必要なときに必要に応じて随
時生成することができるようにするための演算処理方法
に関するもので、その処理手順の要点は、実施の形態1
記載のオフセットの生成方法において、当該信号機群の
位置関係を距離率0から50%の範囲内に修正置換距離
率として置き襖た段階において、仮の絶対オフセット値
を求めるために用いる上り方向と下り方向の走行線が交
わる点をP点とするものとすると、P点を移動させるこ
とにより方向別のスルーバンド幅が変化することから、
P点の位置を距離率で0%から50%までの範囲内で移
動させることにより、上記の(1)から(5)の系統オ
フセットを得るとともに、スルーバンドの最初の走行線
に沿わせて信号表示の「青」表示開始のタイミングを揃
えることによりグリーンウエーブの系統オフセットを得
るものとし、スルーバンドの最後の走行線に沿わせて信
号表示の「黄」表示開始のタイミングを揃えることによ
りイエローウエーブの系統オフセットを得るようにする
ものである。
【0055】また、(8)のセミグリーンウエーブにつ
いては、(7)のイエローウエーブを基調としてスルー
バンドに並行する走行線に沿わせて信号表示の「青」表
示開始のタイミングを揃えることにより部分中にグリー
ンウエーブとなる系統オフセットとするものとし、
(9)のセミイエローウエーブについては、同様に
(6)のグリーンウエーブを基調として部分的にイエロ
ーウエーブとなる系統オフセットを得るものとする。ま
た、(10)の同時オフセットは、当該信号機群の信号
表示の「青」または「黄」表示の開始タイミングを一斉
に揃え、(11)の交互オフセットは、同時オフセット
と(3)の双方向系統オフセットを組み合わせたもので
あるが、(1)から(9)までの生成方法に準じて、修
正置換距離率に置き換えられた信号機の位置関係として
生成することにより、(1)から(11)まで各種の系
統オフセットを「同時オフセット」から「上り優先の系
統オフセット」へというように異なる種別の系統オフセ
ットに変更する場合でも、各信号機ごとの絶対オフセッ
ト値の変動幅は50%未満に抑えることが可能となるの
で、交通信号制御装置に用いる場合は、オフセットの種
別変更にともなう各信号機ごとの絶対オフセット値の変
化により生じる系統オフセットの乱れを軽減することが
できる。
【0056】以下、本発明の実施の形態3を図面を参照
して説明する。実施の形態1記載のオフセットの生成方
法において、修正置換距離率に置き換えた信号機の位置
と走行線の関係は、図5のようになるが、信号機のオフ
セットに関わる上り方向と下り方向の走行線が交わる点
をP点として図示すると図12のようになり、このP点
の位置を図12と図13に示すように移動すると方向別
のスルーバンド幅が変化することとなる。
【0057】P点の位置は、任意に変化させることがで
きるが、本実施の形態においては、系統オフセットを生
成する演算処理を容易とするため図14に示すように修
正置換距離率図において、距離率と時間率がそれぞれに
50%となる升目の対角線を走行線とみなし、P点の移
動は、図中の太線に沿わせて行うものとする。なお、P
点の座標位置については、説明を簡素化させるため以
下、次のように記入するものとする。 P(距離率D”%、時間率t%) → P(D”、t)
【0058】図15は、P点の位置をP(30,30)
としたものであるが、P点の位置を距離率と時間率が共
に25%以上となるように大きくするのに従って、図1
3に示すように、上り方向のスルーバンド幅は広がり、
下り方向のスルーバンド幅が狭くなる上り優先の双方向
系師オフセットとなる。図16は、P(15,35)と
したもので、P点の位置を距離率が25%以下となる場
合は、時間率が25%以上となる下り方向の対角線に沿
わせるものとすると、図12に示すように、下り方向の
スルーバンド幅が広がり、上り方向のスルーバンド幅が
狭くなる下り方向優先の双方向系統オフセットとなる。
このP点を、図17に示すように、P(0,50)の位
置に移動すると、下り方向のスルーバンド幅は、当該信
号機群で得られる最大値となるが、上り方向の系統化は
無視する下り優先の片方向系統オフセットとなる。同様
にP点を図18に示すように、P(50,0)とする
と、下り方向の系統化を無視した上り優先の片方向系統
オフセットとなる。
【0059】図19は、各信号機の信号表示が一斉に
「赤」から「青」に変わる同時オフセットで、通常は格
別の計算処理を必要とするものではないが、各種の系統
オフセットヘの移行を考慮し、同時オフセットも系統オ
フセットの一種とみなして修正置換距離率までの演算処
理を行い、図19に示すように各信号機のオフセット値
を時間率の25%に揃えておくことにより、図14から
図18までの系統オフセットヘの移行が容易となるとと
もに、移行に伴うオフセット値の変化量は、最大でも2
5%未満に抑えることが可能となる。
【0060】なお、図19の状態から各信号機の位置関
係を元の配列順に戻す段階で、修正置換倍率を無視して
このオフセット値をそのまま用いるものとすれば、各信
号機の信号表示が一斉に「赤」から「青」に変わる同時
オフセットとなるが、修正置換倍率の偶数群と奇数群に
よってオフセット値に50%の差を付けるものとすると
双方向系統オフセットの基本形とも言える交互オフセッ
トとなる。この交互オフセットは、修正置換倍率が同じ
信号機群は同時オフセットとなるが、修正置換倍率が変
わる境界の信号機間は、信号表示の「青」の開始点が時
間率で50%(サイクル長の%)ずれるもので、図26
に示すように双方向共にスルーバンドを得ることができ
る双方向系統オフセットとなる。
【0061】図14から図18に示す系統オフセット
は、信号表示の「青」の開始時点を走行線に沿わせたも
ので、一般的には「グリーンウエーブ」と言われる系統
オフセットであり、図20は、図14の双方向率統オフ
セットの時間率を100%まで展開し、信号表示が
「青」から「黄」、「赤」へと変わる状況を示したもの
である。
【0062】図21の「セミイエローウエーブの双方向
系統オフセット」は、図20の「グリーンウエーブ」を
基調として、信号表示の「黄」表示開始時点を系統方向
の走行線に沿わせた「イエローウエーブ」の一種となる
り、P点を図中の太線に沿わせて移動することにより
「グリーンウエーブ」の場合と同様に方向別のスルーバ
ンド幅が変化することとなる。
【0063】図22は、「イエローウエーブ」の基本形
となる「イエローウエーブの双方向系統オフセット」
で、スルーバンドの後尾となる走行線に沿わせて信号表
示の「黄」の表示タイミングを揃えるものであるが、P
点を図中の太線に沿わせて移動することにより方向別の
スルーバンド幅が変化することとなるので、「グリーン
ウエーブ」の場合と同様に、上り優先片方向、上り優先
双方向、下り優先双方向、下り優先片方向等の各種の系
統オフセットを生成することができる。
【0064】図23の「セミグリーンウエーブの双方向
系統オフセット」は、図22の「イエローウエーブ」を
基調として、信号の「青」表示開始時点を系統方向の走
行線に沿わせた「グリーンウエーブ」の一種となり、P
点を図中の太線に沿わせて移動することにより「グリー
ンウエーブ」の場合と同様に方向別のスルーバンド幅が
変化することとなる。
【0065】図26は、図19の交互オフセットを時間
率100%の図に展開したもので、信号機の「青」表示
開始時点を揃えたものであるが、同様に信号表示の
「黄」を揃えるものとすると図27に示すようになり、
いずれの場合も図示のように双方向共スルーバンドを得
ることができる。
【0066】以上のように、本実施の形態3に記載の発
明は、修正置換距離率に置き換えられた信号機の位置関
係と走行線との関わりから各種の系統オフセットを生成
することが可能となることに着眼し、各種の系統オフセ
ットを電子計算機により生成するための演算処理方法に
関するものであるが、以下、その演算処理方法の実施態
様について説明する。
【0067】演算処理にあたっては、方向別の優先度合
いによる系統オフセットの種別は「グリーンウエーブ」
と「イエローウエーブ」に共通することとなるので、図
2のステップ9の「修正置換距離率算出」の処理後に、
生成するオフセットの種別として初期条件または介入条
件により指定されている種別が、「グリーンウエーブ」
か、「イエローウエーブ」か、「交互オフセット」か、
「同時オフセット」かを判別する処理ステップを設け、
それぞれの種別に応じて次の演算処理を行うものとす
る。なお、演算処理の数式を説明するための補助図とし
て、交互点となる信号機とスルーバンド幅の関係を図2
8に、また、交互点となる信号機を修正置換距離率に置
き換えたときのスルーバンド幅との関係を図29に示
す。
【0068】(1)グリーンウエーブ (1−1)双方向平等の系統オフセット 双方向のスルーバンド幅が等しくなる双方向の系統オフ
セットの指定がある場合の事例を示す。図28に示すよ
うに、修正置換距離率に置き換えるときに抽出された交
互点となる信号機IとJの相対オフセット値(図中、信
号機Iの「青」の開始点(IG)と、信号機Jの「青」
の開始点(JG1)の差(O1)を50%とした場合、
信号機IとJのスプリット値が異なると、上り方向と下
り方向のスルーバンド幅も異なるものとなるので、双方
向のスルーバンド幅が等しくなる相対オフセット(図
中、IGとJG2点の差(O2))を求めるものとする
と、次式のようになる。 O2=50+(Si−Sj)/2 …………(13) ただし、 O2:双方向のスルーバンド幅が等しくなる信号機iと
jの相対オフセット(%) Si:信号機Iのスプリット(%) Sj:信号機jのスプリット(%)
【0069】図28は、信号機Iの「青」開始点(IG
1)を固定し、信号機Jの「青」開始点(JG1)をス
プリット差の1/2の時間だけ遅らせる(JG2)こと
により相対オフセットを変化させて、双方向のスルーバ
ンド幅を等しくするようにしたものであるが、この関係
を修正置換距離率図に置き換えると図29に示すように
なる。図29においては、P点をP1からP2に移動す
ることにより、信号機Jの「青」開始点を(JG1)か
ら(JG2)に変化させる事例を示したものであるが、
P点の位置が、距離率25%以下となるときは、信号機
Iの絶対オフセット値(IG1)を固定し、信号機Jの
絶対オフセット値(JG1)を図示のように変化させ、
P点の距離率が25%以上となるときは、信号機Jの絶
対オフセット値(JG1)を固定して、信号機Iの絶対
オフセット値(IG1)を変化させるものとすると、P
点の変化量は、絶対オフセット値の変化量の%となるの
で、双方向のスルーバンド幅が等しくなるP点の座標位
置(P(dc,tc))は次式で示すようになる。 P(dc)=25−((Si−Sj)/4) …………(14) P(tc)=25+(|(Si−Sj)|/4) …………(15) P(dc):P点の距離率d軸上の座標位置(%) P(tc):P点の時間率t軸上の座標位置(%)
【0070】従って、当該信号機群が「双方向平等の系
統オフセット」となる信号機Xの仮の絶対オフセット値
(O’x)は、次のようになる。 P(dc)≦25%のとき、 信号機Xの修正置換距離率(D”x)が、0<D”x≦P(dc)の範囲内に ある場合は、 O’x=D”x+(Si−Sj)/4 …………(16) P(dc)<D”x<50となる場合は、 O’x=50−D”x …………(17) P(dc)>25%のとき、 0<D”x≦P(dc)となる場合は、 O’x=D”x …………(18) P(dc)<D”x<50となる場合は、 O’x=50−D”x+|(Si−Sj)|/4…………(19)
【0071】(1−2)上り優先の双方向系統オフセッ
ト 図15に示すタイプの系統オフセットであるが、双方向
のスルーバンドを得られるP点の位置は、図29に示す
ようにP3からP4にかけての範囲内となるが、上り方
向のスルーバンド幅が下り方向より大きくなる範囲は、
P2からP4迄の範囲内となる。P4の位置は、信号機
Jの絶対オフセット値(JG1)を固定するものとし、
信号機Iの絶対オフセット値(IG1)を1G2に変化
するものとした場合、下り方向のスルーバンドが消える
限界となるので、信号機Iの絶対オフセットをIG2と
するP点の距離率軸上の位置(P(dU))は、次のよ
うになる。 P(dU)=25+(ai+Sj−50)/2 …………(20)
【0072】また、P2の距離率軸上の位置は(14)
式に示すとおりとなるので、上り優先の双方向系統オフ
セットを得ることのできるP点の距離率軸上の範囲P
(d)は、次のようになる。 P(dc)≦P(d)<P(du) =25−((Si−Sj)/4)≦P(d)<25+(ai+Sj−50) /2 …………(21)
【0073】従って、上り優先の双方向系統オフセット
とする場合は、P点の距離率軸上の位置を(21)式の
範囲内で求めるものとすると、信号機Xの仮の絶対オフ
セット値は次のようになる。 P(d)≦25%のとき、 信号機Xの修正置換距離率(D’x)が、0<D”x≦25の範囲内にある場 合は、 O’x=D”x+25−p(d) …………(22) 25<D”x<50となる場合は、 O’x=50−D”x …………(23) P(d)>25%のとき 0<D”x≦P(d)となる場合は、 O’x=D”x …………(24) P(dc)<D”xとなる場合は、 O’x=50−D”x …………(25)
【0074】(1−3)下り優先の双方向系統オフセッ
ト 図16に示すタイプの系統オフセットであるが、前記の
上り優先の双方向系統オフセットと同様に、上り方向の
スルーバンドが消える(図29のP3)P点の距離率軸
上の位置(P(dD))は、次のようになる。 P(dD)=25−(ai+Si−50)/2 …………(26) また、上り優先の双方向系統オフセットを得ることので
きるP点の距離率軸上の範囲P(d)は、次のようにな
る。 P(dc)≧P(d)>P(dD) =25−((Si−Sj)/4)≦P(d)<25−(ai+Si−50) /2 …………(27)
【0075】従って、下り優先の双方向系統オフセット
とする場合は、P点の距離率軸上の位置を(23)式の
範囲内で指定するものとすると、信号機Xの仮の絶対オ
フセット値は次のようになる。 P(d)>25%のとき、 信号機Xの修正置換距離率(D”x)が、D”x≦P(d)の範囲内にある場 は、 O’x=D”x …………(28) P(d)<D”xとなる場合は、 O’x=50−D”x+(P(d)−25) =25−D”x+P(d) …………(29) P(d)≦25%のとき、 D”x≦P(d)となる場合は、 O’x=D”x+(25−P(d)) …………(30) P(dc)<D”xとなる場合は、 O’x=50−D”x …………(31)
【0076】(1−4)上り優先片方向の系統オフセッ
ト 図18に示すタイプの系統オフセットで、P点の位置
は、図示のようにP(50,50)に指定するものとす
ると、信号機Xの仮のオフセット値は、次のようにな
る。 O’x=Dx …………(32)
【0077】(1−5)下り優先片方向の系統オフセッ
ト 図17に示すタイプの系統オフセットで、P点の位置
は、図示のようにP(0,50)に指定するものとする
と、信号機Xの仮のオフセット値は、次のようになる。 O’x=50−D”x …………(33)
【0078】(2)セミイエローウエーブ 図21に示すように、グリーンウェーブを基調として各
信号機の「黄」の表示開始時間を系統方向の系統速度に
合わせて系統化する場合は、前記のグリーンウエーブと
なる各種の系統オフセットについて、信号機Xの仮の絶
対オフセット値(O’x)を求めるものとすると次式の
ようになる。 O’x=O’x(G)+t−Sx …………(34) ただし、O’x:信号機Xの仮の絶対オフセット値
(%) O’x(G):グリーンウエーブの演算処理により得ら
れる信号機Xの仮の絶対オフセット値(%) Sx:信号機Xのスプリット値(%) t:時間率(%)
【0079】(34)式において付加する時間率tは、
系統オフセット生成の対象となる信号機群ごとに各信号
機に共通する任意の数値を設定するものとするが、この
系統オフセットから他の系統オフセットヘ変更されるこ
とも考慮し、オフセットの種別変更に伴う信号機ごとの
絶対オフセット値の変動幅を抑えてオフセット追従によ
る弊害(系統の乱れ)を軽減するものとすると、tは、
当該信号機群のスプリット値の平均値とすることもでき
るが、図23のようにt=50(%)と単純化すること
もできる。
【0080】また、セミイエローウエーブの場合、当該
信号機群で得られるスルーバンド幅は、図21からも分
かるように、交互点となる信号機(I,J)以外の信号
機のスプリット値による影響を受け安く、グリーンウエ
ーブとしたときに得られるスルーバンド幅も異なるもの
となるので、上記した(1−1)、(1−2)、(1−
3)で求められる双方向の系統オフセットは、想定した
ものと異なるのものとなることが生じる。
【0081】このため、セミイエローウエーブとする場
合は、双方向のスルーバンド幅が等しくなる双方向平等
及び双方向のスルーバンド幅が得られる範国内で、上り
または下り優先となる双方向系統オフセットに拘ること
なく、方向別の優先度を目安とした双方向の系統オフセ
ットから片方向優先の系統オフセットまでを含めて、P
点の位置指定により優先度の異なる系統オフセットを生
成するものとすると、信号機Xの仮の絶対オフセット値
は次のようにして求めることができる。なお、この場合
P点の移動は、図21の図中に太線で示す線上で移動す
るものとする。
【0082】 (2−1)上り優先の系統オフセット 25<P(d)≦50とした場合、 D”x<P(d)となる信号機は、 O’x=D”x+t−Sx …………(35) P(d)≦D’xとなる信号機は、 O’x=50−D”x+P(d)−25+t−Sx =25−D”x+P(d)+t−Sx …………(36)
【0083】 (2−2)下り優先の系統オフセット 0≦P(d)≦25とした場合、 D”x≦P(d)となる信号機は、 O’x=D”x+25−P(d)十t−Sx …………(37) P(d)<D”xとなる信号機は、 O’x=50−D”x+t−Sx …………(38)
【0084】(3)イエローウエーブ 図22に示すようにスルーバンドの上側の走行線に沿わ
せて信号表示の「黄」を揃える系統オフセットで、当該
信号機群で得られるスルーバンド幅は、(1)のグリー
ンウエーブと等しく、グリーンウエーブの場合と同様に
双方向のスルーバンド幅が等しくなる双方向平等の系統
オフセットまたは双方向のスルーバンドが得られる範囲
内での双方向系統オフセットとすることもできるが、こ
の系統オフセットは、系統速度で走行できる交通状況下
での信号停止を軽減する効果もあるので、双方向平等ま
たは双方向となる範囲に拘ることなく、上り優先の片方
向から下り優先の片方向の系統オフセットまで、双方向
の系統オフセットを含めて、P点の移動の指定により方
向別の優先度の異なる系統オフセットを生成するものと
すると、信号機Xの仮の絶対オフセット値は、次のよう
になる。
【0085】(3−1)上り優先の系統オフセット 図25に示すように、上り方向の不ルーバンド幅を下り
方向より広くするものとし、P点の距離率軸上の位置を
0≦P(d)≦25とする場合、 D”x≦P(d)となる信号機は、 O’x=100−D”x−(25−P(d))−Sx =75−D”x+P(d)−Sx …………(39) P(d)〈D”xとなる信号機は、 O’x=50+D”x−Sx …………(40)
【0086】(3−2)下り優先の系統オフセット 図24に示すように、下り方向のスルーバンド幅を上り
方向より広くするものとし、P点の距離率軸上の位置を
25<P(d)≦50とする場合、 D”x≦P(d)となる信号機は、 O’x=100−D”x−Sx …………(41) P(d)<D”xとなる信号機は、 O’x=50+D”x−(P(d)−25)−Sx =75+D”x−P(d)−Sx …………(42)
【0087】(4)セミグリーンウエーブ この系統オフセットは、前記のイエローウエーブを基調
として、図23に示すように系統方向の信号表示の
「青」を系統速度に合わせて順次点灯させるもので、P
点を図23の図中に太線で示すように移動させるものと
した場合、信号機Xの仮の絶対オフセット値は、次のよ
うになる。
【0088】(4−1)上り優先の系統オフセット 上り方向のスルーバンド幅を下り方向より広くするもの
とし、P点の距離率軸上の位置を0≦P(d)≦25と
する場合、 D”x≦P(d)となる信号機は、 O’x=50−D”x−(25−P(d)) =25−D”x+P(d) …………(43) P(d)<D”xとなる信号機は、 O’x=D”x …………(44)
【0089】(4−2)下り優先の系統オフセット 下り方向のスルーバンド幅を上り方向より広くするもの
とし、P点の距離率軸上の位置を25<P(d)≦50
とする場合、 D”x≦P(d)となる信号機は、 O’x=50−D”x …………(45) P(d)<D’xとなる信号機は、 O’x=D”x−(P(d)−25) =25+D”x−P(d) …………(46)
【0090】(5)青を揃えた交互オフセット このオフセットは、同時オフセットと交互オフセットの
組合せにより双方向の系統オフセットとするものである
が、各信号機の仮の絶対オフセット値は、各種系統オフ
セットの変更を考慮して、図26に示すようにした場
合、次のようになる。 O’x=25 …………(47)
【0091】(6)黄を揃えた交互オフセット このオフセットは、前記(5)のオフセットと同様に双
方向の系統オフセットとなるものであるが、図27に示
すようにするものとした場合の各信号機の仮の絶対オフ
セット値は、次のようになる。 O’x=75−Sx …………(48)
【0092】(7)同時オフセット このオフセットは、当該信号群の全体について信号表示
の「青」を揃えるものであるが、各種系統オフセットヘ
の変更を考慮するものとすれば、各信号機の仮の絶対オ
フセット値は、(47)式と同じものとなり、「黄」を
揃えるものとすれば(48)式と同じものとなる。ただ
し、同時オフセットの場合は、運用可能な絶対オフセッ
ト値とするときに、修正置換倍率による補正は行わない
ものとする。
【0093】以上のように、本実施の形態3によれば、
加減乗除の単純な演算処理により各種の系統オフセット
を生成することを特徴とするものであり、本実施の形態
における演算処理方式を交通信号制御装置の電子計算機
に組み込むことにより、交通状況の変化に応じて必要な
ときに必要な系統オフセットを随時生成することが可能
となる。また、系統オフセットの種別変更に伴う絶対オ
フセット値の変化は、50%以内に収まることとなり、
グリーンウエーブまたはイエローウエーブの系統オフセ
ットにおける方向別の優先度合いの変化に伴うオフセッ
ト追従は、図30と31に示すように各信号機の系統関
係を維持しつつ移行することが可能となるので、方向別
の優先度合いを車両車両感知器情報に基づく方向別の交
通需要比に連動して変化させることも可能となる。
【0094】(実施の形態4)請求項4に対応する実施
の形態4に記載の発明は、実施の形態1記載の系統オフ
セットの生成方法に関連し、系統オフセットを生成する
信号機群に連動信号機が含まれる場合の演算処理方法に
関するもので、連動信号機間が交互点となることを自動
的に回避することを特徴とし、連動信号機を含む信号機
群についても系統オフセットの生成を可能とするもので
ある。
【0095】連動信号機は、隣接する信号機間の間隔な
どの関係から隣接する信号機間をハード的に連動線(電
線、ケーブル等)で結び、基準となる信号機(親機)か
ら他の信号機(子機)に連動条件(現示階梯、同期信号
等)を通知し、互いに連係した信号表示を行うものであ
るので、連動信号機の親機と子機間が系統オフセットの
交互点となることは回避する必要がある。このため本実
施の形態4では、連動信号機を含む信号機群についても
実施の形態1記載の系統オフセットの生成方法が適用で
きるように、連動信号機間が交互点となることを自動的
に回避するための手段を示すものであり、以下、図面を
参照してその実施の態様を説明する。
【0096】図32は、連動信号機を含む信号機の配列
の一例を示すもので、図中の信号機EとFが連動信号機
であるものと仮定した場合、この信号機群を置換距離率
に置き換えると、図33に示すように、連動信号機Eと
Fの間に別の信号機Hが複数割り込んでくることもある
ので、置換距離率に置き換えた信号機の位置関係におい
て連動信号機の親機と子機間に割り込む信号機について
も交互点となることを回避する必要が生じる。
【0097】実施の形態1記載の系統オフセットの生成
方法における交互点の選定は、置換距離率に置き換えら
れた信号機の位置関係で隣接する各信号機間ごとに、信
号機間を交互点にするものと仮定して得られるスルーバ
ンド幅を比較し、スルーバンド幅が最大となる信号機間
を交互点として選定されることとなるので、連動信号機
の親機と子機間については、スルーバンド幅の算出処理
を禁止することにより連動信号機間が交互点となること
を回避することが可能となることから、その実施の態様
を示すと図38のようになる。
【0098】図38は、連動信号機EとFを含む信号機
群について系統オフセットを生成する場合に、連動信号
機間が交互点となることを回避するための処理例を示す
ものであるが、実施の形態1の演算処理過程である図2
のステップ7の「暫定スルーバンド幅 (TWi)の算
出」処理において、図38に太線で示すステップ22か
ら26迄の処理を付加することにより、連動信号機間が
交互点となることを回避することが可能となることを示
すものである。
【0099】図38のステップ22は、初期条件におい
て、連動信号機を含む場合は、予め連動信号機の親機と
子機について他の信号機と区別できる任意の識別符号を
付与しておくものとする。図38のステップ23は、当
該信号機群の中に連動信号機が含まれるか否かの判別処
理を示すもので、連動信号機を含む場合は、図38のス
テップ24の処理に進むものとし、連動信号機が含まれ
ない場合は、置換距離率に置き換えられた信号機の配列
によって各信号機間ごとの暫定スルーバンド幅(TW
i)算出する図38のステップ28の処理に進むものと
する。
【0100】図38のステップ24は、連動信号機Eと
Fの配列が置換距離率に置き換えられた段階で元の配列
順のままか、入れ替わっているかを判定するものであ
る。一例を挙げると、連動信号機の配列が図32に示す
ように、信号機EはFより基準となる信号機Aに近いも
のとすると、その累積距離率は、De<Dfであり、図
示のようにDe=60%、Df=70%とすると、その
置換距離率は、D’e=10%、D’f=20%となる
のでD’e<D’fであり、置換距離率に置き換えた信
号機の配列は元のままであるが、連動信号機の累積距離
率が50%の整数倍の地点をまたがりDe=95%、D
f=107%であったとすると、その置換距離率は、
D’e=45%、D’f=7%となるのでD’e>D’
fとなり、置換距離率に置き換えた信号機の配列は入れ
替わることとなる。従って、図38のステップ24の判
定式が、yesととなる場合は、信号機の配列が元のま
まであることとなるので図38のステップ26へ進み、
noとなる場合は信号機の配列が入れ替わっていること
となるので図38のステップ25へ進むものとする。
【0101】図38のステップ25は、信号機の配列が
入れ替わっているケースで、図中の判定式は、交互点と
することが可能な区間を示しているので、信号機Iの置
換距離率D’iが判定式においてyesとなるときに
は、その信号機Iと置換距離率が直近上位となる信号機
の間を交互点とする候補とすることができることとなる
ので図38のステップ28へ進むものとするし、noと
なる場合は、連動信号機との関係で交互点とすることが
できない領域に該当することとなるので、暫定スルーバ
ンド幅の計算を省略して図38のステップ27へ進み、
次順位の信号機のチェックを行うものとする。
【0102】図38のステップ26は、信号機の配列が
元のまま替わらないケースとなることから、図中の判定
式は、連動信号機直とFの間で交互点となることを禁止
する区間を示しているので、信号機Iの置換距離率D’
iが判定式においてyesとなる場合は、暫定スルーバ
ンド幅の計算を省略して図38のステップ27へ進み、
次順位の信号機のチェックを行うものとし、noとなる
場合は、図38のステップ28へ進み、暫定スルーバン
ド幅の計算を行う。
【0103】以上のように、本実施の形態4によれば、
実施の形態1の暫定スルーバンド幅(TWi)の算出処
理(図2のステップ7)において、当該信号機群の中に
連動信号機が含まれているか否かを判別し、連動信号機
が含まれる場合は、交互点とすることの可否の判別式を
設け、信号機Iの置換距離率D’iが交互点とすること
ができる区間にあるときは、暫定スルーバンド幅の算出
処理に進み、交互点とすることを禁止する区間に該当す
る場合は、暫定スルーバンド幅の算出処理を省略するこ
とにより、連動信号機間が交互点となることを自動的に
回避し、連動信号機を含む信号機群についても、系統オ
フセットの生成を可能とすることができる。
【0104】なお、本実施の形態4は、連動信号機に限
らず、交通流の形態等から信号機間の相対オフセットを
固定的に運用する信号機についても疑似的に連動信号機
の扱いとすることにより、連動信号機に準じて応用する
ことができる。
【0105】(実施の形態5)請求項5に対応する実施
の形態5に記載の発明は、実施の形態1及び3に記載の
系統オフセットの生成方法に関連し、連動信号機が系統
オフセットのスルーバンドを阻害するすることのないよ
うに仮の絶対オフセット値を補正する手段に関するもの
で、グリーンウエーブまたはイエローウエーブのよう
に、信号表示の「青」または「黄」の表示タイミングを
走行線に沿わせることを主眼とする系統オフセットの生
成に用いて効果的に活用することができるものである。
【0106】上記実施の形態4により連動信号機間が交
互点となることを回避することはできるが、図34に示
すように連動信号機は、相対オフセットが固定的に運用
されることから系統オフセットのスルーバンドを阻害す
ることがある。図34において、信号機Eが連動信号機
の親機で、信号機Fが連動信号機の子機になるものとす
ると、信号機Fの仮の絶対オフセット値(O’F)は、
実施の形態1で求められる値に関係なく信号機Eの仮の
絶対オフセット値(O’E)に連動信号機の相対オフセ
ット値(Oe ,f)を加えた値(O’f)となるので、図
示のように系統オフセットのスルーバンドを阻害するこ
ととなるが、連動信号機の親機と子機の関係が逆になり
信号機Eが子機で、信号機Fが親機となるものとする
と、図35に示すように連動信号機が系統オフセットの
スルーバンドに影響を及ぼさないこととなる。従って、
連動信号機が必ずしも系統オフセットのスルーバンドを
阻害するものとは限らないが、本発明は、実施の形態1
の系統オフセットの生成方法に関連して、連動信号機が
系統オフセシトのスルーバンドに影響を及ぼさないよう
に連動信号機の絶対オフセット値を補正する演算処理方
法を示すものである。
【0107】このため、本実施の形態5は、信号機群の
中に連動信号機を含む場合は、初期条件として連動信号
機か否かを電子計算機の処理過程で識別できる符号を付
与するとともに、信号機を一括して電子計算機により制
御する交通信号制御装置(以下単に、中央装置とす
る。)により信号表示を制御できるものを連動信号機の
親機とし、親機の信号表示に連動して従属的に信号表示
をするものを連動信号機の子機として、連動信号機の親
機か子機かを識別できる符号を付し、親機と子機間の相
対オフセット値を入力しておくものとする。
【0108】この初期条件が入力されている場合は、請
求項1及び3に記載の系統オフセットの生成過程におい
て、信号機の位置関係を修正置換距離率に置き換えて走
行線との関わりから各信号機ごとの仮の絶対オフセット
値を算出した後に、親機の仮の絶対オフセット値(O’
E)に子機との相対オフセット(Oe,f )を加えた子機
の絶対オフセット値(Of)及び請求項1または3にお
いて算出された子機の仮の絶対オフセット値(O’F)
により、グリーンウエーブでは、O’F<Ofとなる場
合に、また、イエローウエーブでは、O’F>Ofとな
る場合には、連動信号機がスルーバンドを阻害すること
となるので、親機の仮のオフセット値を子機の仮の絶対
オフセット値から相対オフセット値を差し引いた値
(O’F−O e,f )に補正するものとする。
【0109】以下、本実施の形態5について図面を参照
して説明する。 (1)グリーンウエーブの系統オフセットに対する補正
方法 図34はグリーンウエーブとなる系統オフセットに連動
信号機が混在する事例を示すものであるが、信号機Eを
連動信号機の親機とし、信号機Fをその子機とした場
合、信号F絶対オフセット値は、次式に示すようにな
る。 O’f=O’E+Oe,f …………(49) ただし、0’f:親機との関係で決まる子機の餌あ絶対
オフセット値 O’E:実施の形態1または3で算出された親機の仮の
絶対オフセット値 Oe,f :連動信号機の相対オフセット値 なお、連動信号機の相対オフセット値は、連動信号機の
親機から見た相対オフセット値とするものとする。
【0110】図34に示すように、子機がスルーバンド
を阻害する場合は、親機の仮の絶対オフセット値(O’
E)を補正する必要が生じることとなるので、補正の要
否を次の判定式により判別するものとする。 O’F<O’f? …………(50) ただし、O’F:実施の形態1または3で算出された子
機の仮の絶対オフセット値 O’f:親機との関係で決まる子機の仮の絶対オフセッ
ト値
【0111】判定式の(50)式が成立してyesとな
る場合は、子機がスルーバンドを阻害することを意味す
るので、実施の形態1または3で算出された親機の仮の
オフセット値(O’E)を次式により補正するものとす
る。 O’e=O’E−(O’E+Oe,f −O’F) =O’F−Oe,f …………(51) ただし、O’e:補正後の親機の仮の絶対オフセット値 なお・判定式の(50)式が成立せずnoとなる場合
は、子機がスルーバンドを阻害することはないことを意
味するので、実施の形態1または3で算出された親機の
仮の絶対オフセット値(O’E)は、そのまま用いるも
のとする。
【0112】(2)イエローウエーブの系統オフセット
に対する補正方法 イエローウエーブの系統オフセットとなる信号機群に連
動信号機が含まれる事例を図(36)に示すが、イエロ
ーウエーブの場合は、信号表示の「黄」信号の開始時点
を走行線に沿わせるこに主眼が置かれることとなるの
で、先ず、連動信号機の子機の「黄」信号の表示開始時
点がスルーバンドを阻害するか否かをグリーンウエーブ
の場合と同様に、次の判定式により判別するものとす
る。 O’F>O’E+Oe,f ? …………(52)
【0113】(52)式の半定式が成立してyesとな
る場合は、子機がスルーバンドを阻害することを意味す
るので、実施の形態3で算出された親機の仮のオフセッ
ト値を次式により補正するものとする。 O’E=O’F−Oe,f …………(53) この補正式は、グリーンウエーブの場合と同じものとな
るので、系統オフセットの種別によらず補正式は、(5
1)式を用いることができる。なお、判定式(52)が
成立せずnoとなる場合は、子機がスルーバンドを阻害
することはないことを意味するので、実施の形態3で算
出された親機の仮の絶対オフセット値(O’E)は、そ
のまま用いるものとする。
【0114】以上のように、本実施の形態5によれば、
信号機群に連動信号機を含む場合、実施の形態1または
3において仮の絶対オフセット値を算出後に、生成する
系統オフセットの種別がグリーンウエーブかイエローウ
エーブかの種別に応じて、連動信号機の子機が系統オフ
セットのスルーバンドを阻害するか否かの判定式を設
け、連動信、号機の子機がスルーバンドを阻害すると判
定された場合は、実施の形態1または3により求められ
た連動信号機の親機の仮の絶対オフセット値を(51)
式により補正する演算処理を行うことにより、連動信号
機を含む場合においても系統オフセットの品質を損ねる
ことなく各種系統オフセットの生成が可能となる。
【0115】なお、グリーンウエーブを基調とするセミ
イエローウエーブは、イエローウエーブに準じ、イエロ
ーウエーブを基調とするセミグリーンウエーブは、グリ
ーンウエーブに準じて本実施の形態を適用することがで
きる。
【0116】(実施の形態6)以上の実施の形態1から
5までに記載の交通信号制御方法を組み合せて交通信号
制御装置に活用することにより、各種のオフセットを自
動的に生成し、交通状況の変化に応じて方向別のスルー
バンド幅を変化させるオフセット制御を行うことが可能
となるが、その実施の態様を示すと図39のようにな
る。
【0117】図39に示す交通信号制御装置21は、図
1に示した交通信号制御装置1を基本構成とするもので
あり、太線の枠内が本発明に関わる演算処理部分を示
し、請求項1から5までの演算処理は、オフセットの生
成部26に収められる。モード選択部25は、系統オフ
セットを生成する信号機群に関連する地域の交通混雑の
度合いに応じて図10に示す交通需要モードを選択する
ものとし、交通需要モードの区分に対応してオフセット
を生成するために必要なサイクル長の適用範囲を選択す
ることにより、次のオフセットの生成部26において実
施の形態2の発明と関連し、適用サイクル長の範囲内で
系統オフセットのスルーバンド幅が最大となるサイクル
長を抽出して系統オフセットの生成が行われる。
【0118】また、このモード選択部25において、生
成するオフセットの種別について、閑散、平常(軽)モ
ード時は、「グリーンウエーブの双方向系統オフセッ
ト」に、平常(重)、混雑、渋滞モード時は、「イエロ
ーウエーブの双方向系統オフセット」にと言うように、
モードに対応したオフセットの種別を指定することによ
り、通常時は、実施の形態3の発明と関連して交通混雑
の度合いに応じた種別の系統オフセットを自動的に生成
することが可能となる。オフセット制御指標算出部18
は、系統オフセットを生成する信号機群について、上り
下りの方向別交通状況の変化に応じて系統オフセットの
方向別のスルーバンド幅を変化させるための指標を算出
するものであるが、交通量を指標とする場合の一例を示
すと次式のようになる。 M=(M1/M1+M2)×100 …………(54) M :オフセットの制御指標(%) M1:上り方向の交通量 M2:下り方向の交通量 なお、交通量については、複数の車両車両感知器による
単位時間(5分間等)当たりの交通量の平均値とするこ
ともできる。
【0119】オフセット制御部27は、実施の形態3の
発明と関連し、系統オフセットの生成過程であるP点の
座標位置とオフセットの制御指標を関連付けることによ
り、時々刻々変化する交這状況の変化に応じて系統オフ
セットの方向別の優先度を制御することが可能となるも
のであるが、関連付けの一例を示すと次式のようにな
る。 P(d)=M/2 …………(55) P(d):P点の修正置換距離率(%) モード選択部25からオフセット制御指標算出部28ま
でのブロック以外の部分については、図1に示した交通
信号制御装置の基本構成に準じるものとするが、交通管
制室に設置されている管制卓(図39の操作部37)に
おいて、サブエリアごとに生成する系統オフセットの種
別変更を指定することができるように、オフセット生成
部26にある実施の形態3の発明と関連付けることによ
り、交通管制室の運用担当者は、交通形態の変化に応じ
て随時必要な系統オフセットを指定することが可能とな
る。また、実施の形態1において置換距離率に置き換え
た信号機の位置関係で隣接する信号機間で求めるスルー
バンド幅の演算処理に必要な各信号機ごとのスプリット
値については、スプリット制御部30と関連付けること
により、初期条件として各信号機ごとのスプリット値を
設定する作業は省略することができるとともに、より実
態に即した演算処理が可能となる。
【0120】
【発明の効果】以上のように、実施の形態1から6まで
に記載した発明は、複数の信号機の信号表示を関連付け
る系統オフセットの自動生成を含む交通信号制御方法及
び制御装置に用いるものであり、次のような効果を得る
ことができる。 (1)サブエリアの信号機群ごとに当該信号機群で得ら
れるスルーバンド幅が最大となる双方向の系統オフセッ
トを自動的に生成することが可能となる。 (2)系統オフセットの生成は、距離率をべ一スとする
ことから、系統速度の設定は、サブエリアごとに画一的
な系統速度を適用することに拘ることなく、系統速度の
異なる区間が混在しても差し支えないこととなるので、
信号交差点間の区間ごとに道路の形状、交通状況、安全
性等の実態に適合する系統速度を設定することが可能と
なる。 (3)系統オフセットの生成条件となる適用サイクル長
に許容幅を持たせた場合は、許容幅の範囲内でスルーバ
ンド幅が最大となるサイクル長を自動的に抽出して系統
オフセットが生成されることとなるので、より品質の良
い系統オフセットを得ることが可能となる。 (4)生成する系統オフセットの種別は、「グリーンウ
エーブの上り優先の双方向系統オフセット」、「イエロ
ーウエーブの下り優先の双方向系統オフセット」等、実
施の形態3の説明において示したように、多種多様な種
別の系統オフセットがあるが、これら各種の系統オフセ
ットについては、初期条件の設定により通常時自動的に
生成する系統オフセットの種別をモード選択と関連付け
て指定することができるとともに、必要に応じて必要な
種別の系統オフセットを随時、管制卓等の操作部から指
定替えすることもできるようになるので、交通行政の目
的と交通形態の変化に柔軟に対応することが可能とな
る。 (5)系統オフセットの種別変更に伴うオフセット追従
は、実施の形態3の実施の形態で示したように、系統関
係を維持しつつ移行することが可能となり、オフセット
追従による系統の乱れは解消されるので、双方向系統オ
フセットの右向別のスルーバンド幅については、車両車
両感知器情報に基づく交通状況の変化に順応させて方向
別のスルーバンド幅を変化させるオフセット制御が可能
となる。 (6)連動信号機を含む信号機群については、連動信号
機の親機と子機の間が交互点となることを自動的に回避
し、連動信号機が系統オフセットのスルーバンドを損ね
ることのないように親機の絶対オフセット値を自動的に
補正することとなるので、連動信号機を含む場合も本発
明を適用することができる。また、交通形態等から二信
号機間の相対オフセットを固定的に運用する信号機につ
いても、連動信号機に準じて取り扱うことにより相対オ
フセットを損ねることもなくなるので、連動信号機と同
様に系統オフセットを生成する信号機群に取り込むこと
が可能となる。
【0121】このように本発明は、従来の交通信号制御
装置において必要とされていたオフセットパターンの設
計とオフセットパターンを交通信号制御装置に設定する
作業を省力化することが可能となるとともに、緊急物資
の輸送車両群が通過する路線については、通過方向を優
先する「イエローウエーブの片方向系統オフセット」を
指定すると言うように、交通管制の運用担当者が交通行
政の目的と交通形態の変化に柔軟に対応することができ
る交通信号制御方法及び制御装置として道路交通の安全
確保と円滑化に寄与する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における交通信号制御装置
の基本構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における双方向系統オフ
セットに関する演算処理の流れ図
【図3】本発明の実施の形態1に関わる距離率による信
号機の位置と走行線の関係図
【図4】本発明の実施の形態1における置換距離率に置
き換えた信号機の位置関係図
【図5】本発明の実施の形態1における修正置換距離率
に置き換えた信号機の位置と走行線の関係図
【図6】本発明の実施の形態1における置換距鮭率差と
スルーバンド幅の関係図
【図7】本発明の実施の形態1における距離率図上のス
ルーバンドと信号表示の「赤」の領域の関係図
【図8】本発明の実施の形態1の図5の事例により求め
られた双方向の系統オフセット図
【図9】本発明の実施の形態2におけるサイクル長と置
換距離率の関係図
【図10】本発明の実施の形態2における交通需要モー
ドに対応した適用サイクル長の設定例を示す特性図
【図11】本発明の実施の形態2における最適サイクル
長を抽出するための処理手順図
【図12】本発明の実施の形態3において下り優先の双
方向系統オフセットに関わるP点とスルーバンドの関係
【図13】本発明の実施の形態3において上り優先の双
方向系統オフセットに関わるP点とスルーバンドの関係
【図14】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
双方向系統オフセットの関係図
【図15】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
上り優先双方向系統オフセットの関係図
【図16】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
下り優先双方向系統オフセットの関係図
【図17】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
下り優先片方向系統オフセットの関係図
【図18】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
上り優先片方向系統オフセットの関係図
【図19】本発明の実施の形態3における同時オフセッ
ト及び交互オフセットの関係図
【図20】本発明の実施の形態におけるP点の位置とグ
リーンウエーブの双加系統オフセットの関係図
【図21】本発明の実施の形態3におけるP点の仕置と
セミイエローウエーブの双方向系統オフセットの関係図
【図22】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
イエローウエーブの双方向系統オフセットの関係図
【図23】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
セミグリーンウェーブの双方向系統オフセットの関係図
【図24】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
下り優先双方向系統オフセットのイエローウエーブとの
関係図
【図25】本発明の実施の形態3におけるP点の位置と
上り優先双方向系統オフセットのイエローウエーブとの
関係図
【図26】本発明の実施の形態3において信号表示の
「青」を揃えた交互オフセットとスルーバンドの関係図
【図27】本発明の実施の形態3において信号表示の
「黄」を揃えた交互オフセットとスルーバンドの関係図
【図28】本発明の実施の形態3における置換距離率に
よる信号機の相対オフセットとスルーバンド幅の関係図
【図29】本発明の実施の形態3において図28の信号
機の位置関係を修正置換距離率に置き換えたときのP点
とスルーバンド幅の関係図
【図30】本発明の実施の形態3において系統オフセッ
トの種別変更に伴うオフセット追従をグリーンウエーブ
の事例で示すモデル図
【図31】本発明の実施の形態3において系統オフセッ
トの種別変更に伴うオフセット追従をイエローウエーブ
の事例で示すモデル図
【図32】本発明の実施の形態4に関する連動信号機に
ついて、連動信号機を含む信号機の配列の一例を累積距
離率図上に示す関係図
【図33】本発明の実施の形態4に関し、図32に示す
連動信号機を含む信号機の配列を置換距離率に置き換え
た信号機の位置関係図
【図34】本発明の実施の形態5において連動信号機の
子機がグリーンウエーブとなる双方向系統オフセットの
スルーバンドを阻害する補正前の事例による連動信号機
の仮の絶対オフセット値とスルーバンドの関係図
【図35】本発明の実施の形態5において図34に示す
事例について連動信号機がスルーバンドを阻害しないよ
うにした補正後の事例による連動信号機の仮の絶対オフ
セット値とスルーバンドの関係図
【図36】本発明の実施の形態5において連動信号機の
子機がイエローウエーブとなる双方向系統オフセットの
スルーバンドを阻害する補正前の事例による連動信号機
の仮の絶対オフセット値とスルーバンドの関係図
【図37】本発明の実施の形態5において図36に示す
事例について連動信号機がスルーバンドを阻害しないよ
うにした補正後の事例による連動信号機の仮の絶対オフ
セット値とスルーバンドの関係図
【図38】本発明の実施の形態5において連動信号機を
含む信号機群についての演算処理例を示す流れ図
【図39】本発明の実施の形態1から5までを用いた事
例においてオフセットの生成と制御を自動化した交通信
号制御装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 交通信号制御装置 2 車両感知器 3 感知器情報計測部 4 信号制御情報算出部 5 スプリット制御部 6 サイクル制御部 7 オフセット制御部 8 端末制御部 9 信号機 10 操作部 11 設定値管理情報 13 信号機状態情報 14 信号制御監視盤 21 交通信号制御装置 22 車両感知器 23 交通情報量算出部 24 交通需要モード選択指標算出部 25 モード選択部 26 オフセット生成部 27 オフセット制御部 28 オフセット制御指標算出部 29 スプリット制御指標算出部 30 スプリット制御部 31 運用サイクル長 32 オフセット値 33 スプリット値 34 信号制御情報送信部 35 信号機 36 制御条件管理部 37 操作部 38 制御状態情報 39 表示装置等
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川 里 隆 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 織 田 利 彦 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5H180 JJ02 JJ03 JJ12 JJ13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各信号機の位置関係を距離率が0から5
    0%の範囲内となる置換距離率に置き換え、双方向のス
    ルーバンド幅が最大となる信号機間を抽出し、その信号
    機間の中間点を距離率が0%または50%となるよう
    に、各信号機の位置関係を再度修正置換距離率に置き換
    え、走行線と修正置換距離率との関係から、双方向の系
    統オフセットとなる各信号機の絶対オフセット値を演算
    処理により求めることを特徴とするオフセット生成処理
    を含む交通信号制御方法。
  2. 【請求項2】 オフセットの生成に適用するサイクル長
    に許容幅がある場合には、適用サイクル長の許容幅の範
    囲内で得られるスルーバンド幅が最大となる双方向の系
    統オフセットを演算処理により生成することを特徴とす
    る請求項1記載の交通信号制御方法。
  3. 【請求項3】 修正置換距離率に置き換えた各信号機の
    位置関係で、各信号機ごとの仮の絶対オフセット値を求
    めるために用いる上り下りの走行線が交わる点をPと
    し、修正置換距離率が0%からP点までの信号機につい
    ては上りの走行線に沿わせて仮の絶対オフセット値を求
    め、P点から50%の範囲にある信号機については下り
    の走行線に沿わせて仮の絶対オフセット値を求めるもの
    とした場合、P点の位置と走行線の関わり方を変化させ
    ることにより各種の系統オフセットを演算処理により生
    成することを特徴とする請求項1記載の交通信号制御方
    法。
  4. 【請求項4】 信号機群の中に連動信号機を含む場合
    は、初期条件として連動信号機か否かを電子計算機の処
    理過程で識別できる符号を付与し、置換距離率に置き換
    えた信号機の位置関係で、連動信号機と判定される信号
    機間は、スルーバンド幅の計算を禁止することにより、
    連動信号機間が交互点となることを自動的回避すること
    を特徴とする請求項1記載の交通信号制御方法。
  5. 【請求項5】 信号機群の中に連動信号機を含む場合
    は、初期条件として連動信号機の親機か子機かを電子計
    算機の処理過程で識別できる符号を付与するとともに、
    親機と子機間の相対オフセット値を入力しておくことに
    より、修正置換距離率に置き換えた信号機の位置関係
    で、各信号機の仮の絶対オフセット値を求める演算処理
    の段階で、生成する系統オフセットの種別判定及びスル
    ーバンドを阻害するか否かの判定式と補正式を組み合わ
    せて、走行線との関わりを重視する系統オフセットの品
    質を損なうことのないように、連動信号機の親機の仮の
    絶対オフセット値を補正することを特徴とする請求項1
    または3に記載の交通信号制御方法。
  6. 【請求項6】 各信号機の位置関係を距離率が0から5
    0%の範囲内となる置換距離率に置き換え、双方向のス
    ルーバンド幅が最大となる信号機間を抽出し、その信号
    機間の中間点を距離率が0%または50%となるよう
    に、各信号機の位置関係を再度修正置換距離率に置き換
    え、走行線と修正置換距離率との関係から、双方向の系
    統オフセットとなる各信号機の絶対オフセット値を演算
    処理により求めることを特徴とするオフセット生成手段
    を備えた交通信号制御装置。
  7. 【請求項7】 オフセットの生成に適用するサイクル長
    に許容幅がある場合には、適用サイクル長の許容幅の範
    囲内で得られるスルーバンド幅が最大となる双方向の系
    統オフセットを演算処理により生成する手段を備えた請
    求項6記載の交通信号制御装置。
  8. 【請求項8】 修正置換距離率に置き換えた各信号機の
    位置関係で、各信号機ごとの仮の絶対オフセット値を求
    めるために用いる上り下りの走行線が交わる点をPと
    し、修正置換距離率が0%からP点までの信号機につい
    ては上りの走行線に沿わせて仮の絶対オフセット値を求
    め、P点から50%の範囲にある信号機については下り
    の走行線に沿わせて仮の絶対オフセット値を求めるもの
    とした場合、P点の位置と走行線の関わり方を変化させ
    ることにより各種の系統オフセットを演算処理により生
    成する手段を備えた請求項6記載の交通信号制御装置。
  9. 【請求項9】 信号機群の中に連動信号機を含む場合
    は、初期条件としてふ動信号機か否かを電子計算機の処
    理過程で識別できる符号を付与し、置換距離率に置き換
    えた信号機の位置関係で、連動信号機と判定される信号
    機間は、スルーバンド幅の計算を禁止することにより、
    連動信号機間が交互点となることを自動的回避する手段
    を備えた請求項6記載の交通信号制御装置。
  10. 【請求項10】 信号機群の中に連動信号機を含む場合
    は、初期条件として連動信号機の親機か子機かを電子計
    算機の処理過程で識別できる符号を付与するとともに、
    親機と子機間の相対オフセット値を入力しておくことに
    より、修正置換距離率に置き換えた信号機の位置関係
    で、各信号機の仮の絶対オフセット値を求める演算処理
    の段階で、生成する系統オフセットの種別判定及びスル
    ーバンドを阻害するか否かの判定式と補正式を組み合わ
    せて、走行線との関わりを重視する系統オフセットの品
    質を損なうことのないように、連動信号機の親機の仮の
    絶対オフセット値を補正する手段を備えた請求項6また
    は8に記載の交通信号制御装置。
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