JP2000066320A - ハロゲン化銀乳剤の製造方法及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤の製造方法及びハロゲン化銀写真感光材料

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JP2000066320A
JP2000066320A JP10231675A JP23167598A JP2000066320A JP 2000066320 A JP2000066320 A JP 2000066320A JP 10231675 A JP10231675 A JP 10231675A JP 23167598 A JP23167598 A JP 23167598A JP 2000066320 A JP2000066320 A JP 2000066320A
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emulsion
ultrafiltration
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Shuji Murakami
修二 村上
Toyoki Nishijima
豊喜 西嶋
Masanobu Miyoshi
正信 三好
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度が高くカブリが低いハロゲン化銀写真乳
剤の製造方法及びハロゲン化銀写真感光材料を提供す
る。 【解決手段】 8属金属錯体をドープした後、残存して
いる未ドープ8属金属錯体を限外濾過法により実質的に
除去することを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方法
及びハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高感度、低カブリ
のハロゲン化銀乳剤の製造方法及びハロゲン化銀写真感
光材料(以下、単に「感光材料」とも言う)に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン化銀写真感光材料の迅速
処理適性向上のため塩化銀含有率の高いハロゲン化銀粒
子が用いられてきた。しかし、高塩化銀粒子を含有する
ハロゲン化銀写真感光材料はカブリが高く感度が低いだ
けでなく、相反則不軌特性が悪いという問題点を有して
いた。
【0003】この欠点の解決のため、これまで様々な提
案がなされてきたが感度等の問題があり十分でない。
【0004】例えば、特開平1−105940号には9
0モル%以上塩化銀を含有するハロゲン化銀粒子の20
%以上に臭素局在相を有し、更に該臭素局在相中に全イ
リジウムの50%以上共沈させたハロゲン化銀粒子が記
載されている。また、米国特許5,132,203号で
は、臭化銀平板状ハロゲン化銀粒子において、シアノ配
位子化合物を粒子表面下0.002〜0.035μmに
含まないという内容が記載され、高感度な乳剤が得られ
ることが報告されている。
【0005】しかし、これらの技術でも、高感度、低カ
ブリのハロゲン化銀写真感光材料を得るまでには至らな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、高感度、低カブリのハロゲン化銀乳剤の製造方法及
びハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成される。
【0008】(1)8属金属錯体をドープした後、残存
している未ドープ8属金属錯体を限外濾過法により実質
的に除去することを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造
方法。
【0009】(2) 8属金属錯体をドープした後、残
存している未ドープ8属金属錯体を限外濾過法により実
質的に除去する行程を行い、その後8属金属錯体がドー
プされないハロゲン化銀シェル層を設けることを特徴と
するハロゲン化銀乳剤の製造方法。
【0010】(3) 8属金属錯体をドープした後、残
存している未ドープ8属金属錯体を限外濾過法により実
質的に除去する行程を行い、その後8属金属錯体をドー
プしたハロゲン化銀シェル層を設けることを特徴とする
ハロゲン化銀乳剤の製造方法。
【0011】(4) ハロゲン化銀粒子の内部に、8属
金属錯体のドープ勾配が実質的に存在しないことを特徴
とする前記1〜3のいずれか1項記載のハロゲン化銀乳
剤の製造方法。
【0012】(5) 8属金属錯体がイリジウム錯体又
はシアノ配位子であることを特徴とする前記1〜4のい
ずれか1項記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
【0013】(6) ハロゲン化銀粒子が、該粒子の隅
の角が欠け、かつ、少なくとも塩化銀を95モル%以上
有するハロゲン化銀粒子であることを特徴とする前記1
〜5のいずれか1項記載のハロゲン化銀乳剤の製造方
法。
【0014】(7) 前記1〜6のいずれか1項記載の
ハロゲン化銀乳剤の製造方法により製造されたハロゲン
化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料。
【0015】本発明を更に詳しく説明する。本発明に係
るハロゲン化銀乳剤の組成は、塩化銀、塩臭化銀、塩沃
臭化銀、塩沃化銀等、任意のハロゲン組成を有するもの
であってもよいが、塩化銀を95モル%以上含有する実
質的に沃化銀を含有しない塩臭化銀が好ましい。迅速処
理性、処理安定性からは、好ましくは97モル%以上、
より好ましくは98〜99.9モル%の塩化銀を含有す
るハロゲン化銀乳剤が好ましい。
【0016】ハロゲン化銀粒子の形状は任意のものを用
いることができる。好ましい一つの例は、(100)面
を結晶表面として有する立方体である。又、米国特許
4,183,756号、同4,225,666号、特開
昭55−26589号、特公昭55−42737号や、
ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラフィック・サイエン
ス(J.Photogr.Sci.)21巻,39頁
(1973年)等の文献に記載された方法等により、八
面体、十四面体、十二面体等の形状を有する粒子を造
り、これを用いることもできる。更に、双晶面を有する
粒子を用いてもよい。
【0017】ハロゲン化銀粒子は、単一の形状からなる
粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳
剤を2種以上同一層に添加することが特に好ましい。
【0018】ハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はない
が、迅速処理性及び感度等、他の写真性能などを考慮す
ると、好ましくは0.1〜1.2μm、更に好ましくは
0.2〜1.0μmの範囲である。この粒径は、粒子の
投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することがで
きる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分布
は直径か投影面積として可成り正確にこれを表すことが
できる。
【0019】ハロゲン化銀粒子の粒径の分布は、好まし
くは変動係数が0.05〜0.22、更に好ましくは
0.05〜0.15の単分散ハロゲン化銀粒子であり、
特に好ましくは0.05〜0.15の単分散乳剤を2種
以上同一層に添加することである。ここで変動係数は、
粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって定義さ
れる。
【0020】変動係数=S/R(Sは粒径分布の標準偏
差、Rは平均粒径を表す。)ここでいう粒径とは、球状
のハロゲン化銀粒子の場合は、その直径、又、立方体や
球状以外の形状の粒子の場合は、その投影像を同面積の
円像に換算した時の直径を表す。
【0021】ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0022】ハロゲン化銀乳剤は、酸性法、中性法、ア
ンモニア法の何れで得られたものであってもよい。該粒
子は一時に成長させたものであってもよいし、種粒子を
造った後で成長させてもよい。種粒子を造る方法と成長
させる方法は、同じであっても異なってもよい。
【0023】又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物を反
応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混合
法、それらの組合せなど何れでもよいが、同時混合法で
得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式とし
て、特開昭54−48521号等に記載されているpA
gコントロールド・ダブルジェット法を用いることもで
きる。
【0024】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は8属金属
錯体をドープした後、残存している未ドープ8属金属錯
体を限外濾過法により実質的に除去して製造される。本
発明で用いられる限外濾過は、例えば日本化学会編「第
4版実験化学講座29、高分子材料」99〜117頁、
丸善(1993)等の成書に記載されている方法を用い
ることができる。限界濾過膜ユニットは公知のものを用
いることができるが、洗浄性や乳剤の温度を考慮する
と、セラミクス、ポリスルホン等の耐熱、耐薬品性に優
れるものが好ましい。
【0025】本発明で用いられる限外濾過の具体例を図
1を用いて説明する。図1中の限外濾過ポンプ6は乳剤
粒子に影響を及ぼさない範囲で自由に選ぶことができる
が、特に限外濾過を用いて最終的な乳剤液量に仕上げる
ためには、液面の揺れが液位の検出の妨げになるため、
流量を制御可能なものがより好ましい。乳剤仕込釜2内
の液量の検出は乳剤仕込釜2の重量検出センサーである
ロードセル5や各種の非接触型、接触型の位置検出セン
サーを用いることができる。乳剤仕込釜攪拌機1は回転
数の制御可能なものが好ましく、用いる攪拌翼として
は、釜内の流動状態を良好に保てるものであればいかな
るものでも良いが、プロペラ翼、タービン翼、櫂型翼等
を選択できる。
【0026】8属金属錯体をドープした後、、乳剤仕込
釜2の下部に設置されている三方弁3から、ハロゲン化
銀写真乳剤は限外濾過ポンプ6により吸引され限外濾過
循環配管8を通じて限外濾過ユニット7に送られる。限
外濾過ユニットで未反応の8属金属錯体は除去され、除
去処理されたハロゲン化銀写真乳剤は限外濾過循環配管
8を通り再び乳剤仕込釜2に戻される。この際に水も同
時に限外濾過されるので、必要量の水は加水用ライン4
から追加される。
【0027】また、乳剤仕込釜の替わりに、未反応物除
去用釜を用いて、仕込み後の乳剤を除去用釜に移した後
限外濾過を行うことも可能である。
【0028】本発明において、8属金属錯体をドープし
た後、残存している未ドープ8属金属錯体を限外濾過法
により実質的に除去する行程を行い、その後8属金属錯
体がドープされないハロゲン化銀シェル層を設ける製造
方法、又は8属金属錯体をドープした後、残存している
未ドープ8属金属錯体を限外濾過法により実質的に除去
する行程を行い、その後8属金属錯体をドープしたハロ
ゲン化銀シェル層を設けるハロゲン化銀乳剤の製造方法
がある。
【0029】又、ハロゲン化銀粒子の内部に、8属金属
錯体のドープ勾配が実質的に存在しないハロゲン化銀粒
子が好ましい。
【0030】本発明の8属金属錯体はイリジウム錯体又
はシアノ配位子であることが好ましい。これらの化合物
を乳剤中に添加する時の量は、ハロゲン化銀1モル当た
りイリジウム化合物は1×10-9〜1×10-6モル、シ
アノ配位子金属化合物は1×10-6〜1×10-4モルが
好ましい。
【0031】以下に金属化合物の例を挙げるがこれに限
らない。
【0032】 (1)K4[Fe(CN)6] (2)K4[Ru(CN)6] (3)K4[Os(CN)6] (4)K2IrCl6 (5)K[IrCl5(NO)] (6)K[IrBr5(NO)] (7)K3IrCl6 (8)K2IrBr6 (9)K3[Ir(NO36] (10)IrCl4 (11)K2[IrBr5(OH2)] (12)K2[IrCl5(OH2)] (13)IrBr3 (14)(NH42[IrCl6] (15)Na3[IrBr6] (16)Na2[IrBr6] (17)Na3[IrCl6] (18)[IrCl(NH35]Cl2 (19)cis−[IrCl2(C2822]Cl (20)H2IrCl6 (21)(NH42[IrBr6] (22)[Ir4(CO)12] (23)H2[Ir4Cl8(CO)8] 本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料は、イエローカ
プラー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わ
せて400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感
されたハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン
化銀乳剤は一種又は、二種以上の増感色素を組み合わせ
て含有する。
【0033】ハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素と
しては、公知の化合物を何れも用いることができるが、
青感光性増感色素としては、特開平3−251840号
公報28ページに記載のBS−1〜8を単独で又は組み
合わせて好ましく用いることができる。緑感光性増感色
素としては、同公報28ページに記載のGS−1〜5が
好ましく用いられる。赤感光性増感色素としては同公報
29ページに記載のRS−1〜8が好ましく用いられ
る。また、半導体レーザーを用いるなどして赤外光によ
り画像露光を行う場合には、赤外感光性増感色素を用い
る必要があるが、赤外感光性増感色素としては、特開平
4−285950号公報6〜8ページに記載のIRS−
1〜11の色素が好ましく用いられる。また、これらの
赤外、赤、緑、青感光性増感色素に特開平4−2859
50号公報8〜9ページに記載の強色増感剤SS−1〜
SS−9や特開平5−66515号公報15〜17ペー
ジに記載の化合物S−1〜S−17を組み合わせて用い
るのが好ましい。
【0034】これらの増感色素の添加時期としては、ハ
ロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期
でよい。
【0035】増感色素の添加方法としては、メタノー
ル、エタノール、フッ素化アルコール、アセトン、ジメ
チルホルムアミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して
溶液として添加してもよいし、固体分散物として添加し
てもよい。
【0036】ハロゲン化銀写真感光材料に用いられるカ
プラーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング
反応して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を
有するカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物
をも用いることが出来るが、特に代表的な物としては、
波長域350〜500nmに分光吸収極大波長を有する
イエロー色素形成カプラー、波長域500〜600nm
に分光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラ
ー、波長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有
するシアン色素形成カプラーとして知られているものが
代表的である。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるシアンカプラーとしては、特開
平4−114154号公報5ページ左下欄に記載の一般
式(C−I)、(C−II)で表されるカプラーを挙げる
ことができる。具体的な化合物は、同公報5ページ右下
欄〜6ページ左下欄にCC−1〜CC−9として記載さ
れているものを挙げることができる。
【0038】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるマゼンタカプラーとしては、特
開平4−114154号公報4ページ右上欄に記載の一
般式(M−I)、(M−II)で表されるカプラーを挙げ
ることができる。具体的な化合物は、同公報4ページ左
下欄〜5ページ右上欄にMC−1〜MC−11として記
載されているものを挙げることができる。上記マゼンタ
カプラーのうちより好ましいのは、同号公報4ページ右
上欄に記載の一般式(M−I)で表されるカプラーであ
り、そのうち、上記一般式(M−I)のRMが3級アル
キル基であるカプラーが耐光性に優れ特に好ましい。同
公報5ページ上欄に記載されているMC−8〜MC−1
1は青から紫、赤に到る色の再現に優れ、更にディテー
ルの描写力にも優れており好ましい。
【0039】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に好ま
しく用いることのできるイエローカプラーとしては、特
開平4−114154号公報3ページ右上欄に記載の一
般式(Y−I)で表されるカプラーを挙げることができ
る。具体的な化合物は、同公報3ページ左下欄以降にY
C−1〜YC−9として記載されているものを挙げるこ
とができる。中でも同公報の一般式[Y−1]のRY1
がアルコキシ基であるカプラー又は特開平6−6738
8号公報記載の一般式[I]で示されるカプラーは好ま
しい色調の黄色を再現でき好ましい。このうち特に好ま
しい化合物例としては特開平4−114154号公報4
ページ左下欄に記載されているYC−8、YC−9、及
び特開平6−67388号公報13〜14ページに記載
のNo(1)〜(47)で示される化合物をあげること
ができる。更に最も好ましい化合物は特開平4−818
47号公報1ページ及び同号公報11ページ〜17ペー
ジに記載の一般式[Y−1]で示される化合物である。
【0040】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られるカプラーやその他の有機化合物を添加するのに水
中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸点15
0℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応じて低
沸点及び/又は水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラ
チン水溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用
いて乳化分散する。分散手段としては、攪拌機、ホモジ
ナイザー、コロイドミル、フロージェットミキサー、超
音波分散機等を用いることができる。
【0041】分散後、又は、分散と同時に低沸点有機溶
媒を除去する工程を入れてもよい。カプラーを溶解して
分散するために用いることの出来る高沸点有機溶媒とし
ては、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル類、トリ
クレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等の
リン酸エステル類、が好ましく用いられる。また高沸点
有機溶媒の誘電率としては3.5〜7.0である事が好
ましい。また二種以上の高沸点有機溶媒を併用すること
もできる。
【0042】また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代え
て、又は高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有機
溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点及
び/又は水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液など
の親水性バインダー中に界面活性剤を用いて種々の分散
手段により乳化分散する方法をとることもできる。この
時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマーとし
ては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を挙げ
ることができる。
【0043】写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調
整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物と
しては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホ
ン酸基又はその塩を含有するものが挙げられる。具体的
には特開昭64−26854号公報記載のA−1〜A−
11が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換し
た界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は
通常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加される
が、分散後塗布液に添加されるまでの時間、及び塗布液
に添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10時間
以内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好まし
い。
【0044】上記各カプラーには、形成された色素画像
の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤
を併用することが好ましい。特に好ましい化合物として
は、特開平2−66541号公報3ページ記載の一般式
I及びIIで示されるフェニルエーテル系化合物、特開平
3−174150号公報記載の一般式IIIBで示される
フェノール系化合物特開平64−90445号公報記載
の一般式Aで示されるアミン系化合物、特開昭62−1
82741号公報記載の一般式XII、XIII、XIV、XVで示
される金属錯体が特にマゼンタ色素用として好ましい。
また特開平1−196049号公報記載の一般式I′で
示される化合物及び特開平5−11417号公報記載の
一般式IIで示される化合物が特にイエロー、シアン色素
用として好ましい。
【0045】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特開平4−114154号公報9ページ左下欄に記
載の化合物(d−11)、同号公報10ページ左下欄に
記載の化合物(A′−1)等の化合物を用いることがで
きる。また、これ以外にも米国特許4,774,187
号に記載の蛍光色素放出化合物を用いることも出来る。
【0046】本発明のハロゲン化銀感光材料には、現像
主薬酸化体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層
に添加して色濁りを防止したりまたハロゲン化銀乳剤層
に添加してカブリ等を改良する事が好ましい。このため
の化合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、更
に好ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン
のようなジアルキルハイドロキノンである。特に好まし
い化合物は特開平4−133056号公報記載の一般式
IIで示される化合物であり、同号公報13〜14ページ
記載の化合物II−1〜II−14及び17ページ記載の化
合物1が挙げられる。
【0047】本発明の感光材料中には紫外線吸収剤を添
加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性
を改良する事が好ましい。好ましい紫外線吸収剤として
はベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合
物としては特開平1−250944号公報記載の一般式
III−3で示される化合物、特開昭64−66646号
公報記載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−
187240号公報記載のUV−1L〜UV−27L、
特開平4−1633号公報記載の一般式Iで示される化
合物、特開平5−165144号公報記載の一般式
(I)、(II)で示される化合物が挙げられる。
【0048】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
バインダーとしてゼラチンを用いることが有利である
が、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外の
タンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一或いは
共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コロ
イドも用いることができる。
【0049】これらバインダーの硬膜剤としてはビニル
スルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独又
は併用して使用する事が好ましい。特開昭61−249
054号、同61−245153号公報記載の化合物を
使用する事が好ましい。また写真性能や画像保存性に悪
影響するカビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特
開平3−157646号公報記載のような防腐剤及び抗
カビ剤を添加する事が好ましい。また感光材料又は処理
後の試料の表面の物性を改良するため保護層に特開平6
−118543号公報や特開平2−73250号公報記
載の滑り剤やマット剤を添加する事が好ましい。
【0050】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に
用いる支持体としては、どのような材質を用いてもよ
く、ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆
した紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩
化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙
などを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐
水性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂
としてはポリエチレンやポリエチレンテレフタレート又
はそれらのコポリマーが好ましい。
【0051】支持体に用いられる白色顔料としては、無
機及び/又は有機の白色顔料を用いることができ、好ま
しくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウ
ム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等の
アルカリ土類金属の炭酸塩、微粉ケイ酸、合成ケイ酸塩
等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ
水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があ
げられる。白色顔料は好ましくは硫酸バリウム、酸化チ
タンである。
【0052】支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有され
る白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13重量%
以上が好ましく、更には15重量%が好ましい。
【0053】本発明に用いられる紙支持体の耐水性樹脂
層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号公
報に記載の方法で測定することができる。この方法で測
定したときに、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変
動係数として0.20以下であることが好ましく、0.
15以下であることがより好ましい。
【0054】また、支持体の中心面平均粗さ(SRa)
の値が0.15μm以下が好ましく、更には0.12μ
m以下であるほうが光沢性がよいという効果が得られよ
り好ましい。また反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂
中や塗布された親水性コロイド層中に処理後の白地部の
分光反射濃度バランスを調整し白色性を改良するため群
青、油溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加す
る事が好ましい。
【0055】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料
は、必要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照
射、火炎処理等を施した後、直接又は下塗層(支持体表
面の接着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬
さ、ハレーション防止性、摩擦特性及び/又はその他の
特性を向上するための1又は2以上の下塗層)を介して
塗布されていてもよい。
【0056】ハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀写
真感光材料の塗布に際して、塗布性を向上させるために
増粘剤を用いてもよい。塗布法としては2種以上の層を
同時に塗布することの出来るエクストルージョンコーテ
ィング及びカーテンコーティングが特に有用である。
【0057】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料を
用いて、写真画像を形成する又は本発明のカラープリン
トを用いてコピー画像を形成するには、ネガ上に記録さ
れた画像を、プリントしようとするハロゲン化銀写真感
光材料上に光学的に結像させて焼き付けてもよいし、画
像を一旦デジタル情報に変換した後その画像をCRT
(陰極線管)上に結像させ、この像をプリントしようと
するハロゲン化銀写真感光材料上に結像させて焼き付け
てもよいし、デジタル情報に基づいてレーザー光の強度
を変化させて走査することによって焼き付けてもよい
が、デジタル露光機で、デジタル情報に基づき、露光す
る事が好ましい。
【0058】レーザー光を用いて露光する場合には、一
画素あたりの露光時間は、特に制限はないが、100ナ
ノ秒〜100マイクロ秒で露光される事が多い。一画素
あたりの露光時間とは、光束の強度の、空間的な変化に
おいて、光強度が最大値の1/2になるところをもって
光束の外縁とし、走査線と平行でありかつ光強度が最大
となる点を通る線と光束の外縁の交わる2点間の距離を
光束の径とした時、(光束の径)/(走査速度)をもっ
て一画素あたりの露光時間とする。
【0059】こうしたシステムに適用可能と考えられる
レーザープリンター装置としては、例えば、特開昭55
−4071号、同59−11062号、同63−197
947号、同2−74942号、同2−236538
号、特公昭56−14963号、特公昭56−4082
2号欧州広域特許77410号、電子通信学科合技術研
究報告80巻244号、及び映画テレビ技術誌1984
/6(382)、34〜36ページなどに記載されてい
るものがある。
【0060】露光するのに用いられる光源としては、青
の光源として、ヘリウム・カドミウムレーザー(約44
2nm)、緑の光源としてヘリウム・ネオンレーザー
(約544nm)、赤の光源としてヘリウム・ネオンレ
ーザー(約633nm)等のガスレーザーや半導体レー
ザーが好ましく用いられる。半導体レーザーとしては、
所定の波長に充分な強度をもっていればどのようなもの
であってもよく、GaAsP、AlGaAs、InGa
AsP、AlGaAsSb等を挙げる事ができる。ま
た、励起光源に用いた固体レーザー、半導体レーザーと
非線形光学素子(SHG素子)を組み合わせた光源、例
えばGaAlAsレーザーを励起光源としてYVO4
体レーザーを励起し、KTP結晶により第二高周波を取
り出したもの、FaAlAsレーザーを励起光源とし
て、YAGレーザーを励起し、KNbO3結晶により第
二高周波を取り出したものなどを用いる事ができる。
【0061】本発明は現像主薬を感光材料中に内蔵して
いない感光材料に適用する事が好ましく、特に直接鑑賞
用の画像を形成する感光材料に適用する事が好ましい。
例えばカラーペーパー、カラー反転ペーパー、ポジ画像
を形成する感光材料、ディスプレイ用感光材料、カラー
プルーフ用感光材料をあげる事ができる。特に反射支持
体を有する感光材料に適用する事が好ましい。
【0062】本発明において用いられる芳香族一級アミ
ン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができ
る。これらの化合物の例として下記の化合物を挙げるこ
とができる。
【0063】CD−1)N,N−ジエチル−p−フェニ
レンジアミン CD−2)2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン CD−3)2−アミノ−5−(N−エチル−N−ラウリ
ルアミノ)トルエン CD−4)4−(N−エチル−N−(β−ヒドロキシエ
チル)アミノ)アニリン CD−5)2−メチル−4−(N−エチル−N−(β−
ヒドロキシエチル)アミノ)アニリン CD−6)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
(β−(メタンスルホンアミド)エチル)−アニリン CD−7)N−(2ーアミノ−5−ジエチルアミノフェ
ニルエチル)メタンスルホンアミド CD−8)N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン CD−9)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−
メトキシエチルアニリン CD−10)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N
−(β−エトキシエチル)アニリン CD−11)4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N
−(γ−ヒドロキシプロピル)アニリン 本発明においては、上記は色現像液を任意のpH域で使
用できるが、迅速処理の観点からpH9.5〜13.0
であることが好ましく、より好ましくはpH9.8〜1
2.0の範囲で用いられる。
【0064】本発明に係る発色現像の処理温度は、35
℃〜70℃が好ましい。温度が高いほど短時間の処理が
可能であり好ましいが、処理液の安定性からはあまり高
くない方が好ましく、37℃〜60℃で処理することが
好ましい。
【0065】発色現像時間は、従来一般には3分30秒
程度で行われているが、本発明では40秒以内が好まし
く、更に25秒以内の範囲で行うことが更に好ましい。
【0066】発色現像液には、前記の発色現像主薬に加
えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来
る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イ
オン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、
キレート剤などが用いられる。
【0067】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発
色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理
は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、
通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替と
して、安定化処理を行なってもよい。本発明のハロゲン
化銀写真感光材料の現像処理に用いる現像処理装置とし
ては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさん
で搬送するローラートランスポートタイプであっても、
ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト
方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成し
て、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を
搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処
理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘
性処理液による方式なども用いることができる。大量に
処理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理
されるのが、通常だがこの際、補充液の補充量は少ない
程好ましく、環境適性等より最も好ましい処理形態は、
補充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであ
り、公開技法94−16935号に記載の方法が最も好
ましい。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0069】実施例1 〈青感性ハロゲン化銀乳剤EMB−A1(比較乳剤)の
調製〉40℃に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル
中に、下記(A液)及び(B液)をpAg=7.3、p
H=3.0に制御しつつ30分かけて同時添加し、更に
(C1液)と(D1液)続いて(C2液)と(D2液)
をpAg=8.0、pH=5.5に制御しつつ100分
かけて同時添加した。その後、(E液)及び(F液)を
pag=8.0、pH=5.5に制御しつつ80分かけ
て同時添加した。この時、pAgの制御は特開昭59−
45437号記載の方法により行い、pHの制御は硫酸
又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行った。
【0070】 (A液) 塩化ナトリウム 0.99g 臭化カリウム 0.008g 水を加えて 58ml (B液) 硝酸銀 2.9g 水を加えて 58ml (C1液) 塩化ナトリウム 33g 臭化カリウム 0.22g 水を加えて 204ml (D1液) 硝酸銀 102g 水を加えて 204ml (C2液) 塩化ナトリウム 80g ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 2×10-9モル ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム 1×10-6モル 臭化カリウム 0.48g 水を加えて 454ml (D2液) 硝酸銀 227g 水を加えて 454ml (E液) 塩化ナトリウム 15.8g 臭化カリウム 0.1g 水を加えて 92.2ml (F液) 硝酸銀 46.1g 水を加えて 92.2ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行っ
た後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μ
m、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.
7モル%の単分散立方体乳剤EM−A1を得た。
【0071】EM−A1において、粒子表面下0.01
5μm〜0.29μm(B領域)の粒子成長時に(C2
液)を、粒径の粒子表面〜表面下0.015mμ(A領
域)の粒子成長時に(E液)を使用する比較乳剤であ
る。
【0072】EM−A1に対し、下記化合物を用い60
℃にて最適に化学増感を行い、青感性ハロゲン化銀乳剤
EMB−A1を得た。
【0073】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5
−メルカプトテトラゾール STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール 〈緑感性ハロゲン化銀乳剤EMG−B1(比較乳剤)の
調製〉(A液)と(B液)、(C1液)と(D1液)、
(C2液)と(D2液)及び(E液)と(F液)それぞ
れの添加時間を変更した以外は、EM−A1と同様にし
て調製し、平均粒径0.40μm、変動係数0.07、
塩化銀含有率99.9モル%の単分散立方体乳剤EM−
B1を得た。
【0074】上記EM−B1に対し、下記化合物を用い
55℃にて最適に化学増感を行い、緑感性ハロゲン化銀乳
剤(EMG−B1)を得た。
【0075】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX 〈赤感性ハロゲン化銀乳剤EMR−B1(比較乳剤)の
調製〉前記EM−B1に対し、下記化合物を用い60℃
にて最適に化学増感を行い、赤感性ハロゲン化銀乳剤
(EMR−B1)を得た。
【0076】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−2 1×10-4モル/モルAgX 又、赤感光性乳剤には、SS−1をハロゲン化銀1モル
当たり2.0×10-3モル添加した。
【0077】
【化1】
【0078】
【化2】
【0079】〈青感性乳剤EMB−A2〜A6の調製〉
EM−A1の(C2液)及び(E液)に表1に示した化
合物に同モルで置き換えたり、又は添加しなかった以外
はEM−A1と同様にして乳剤を作製し、これをEM−
A2〜A6とした。尚、表1において(A領域)に添加
化合物のあるEM−A3〜A6で使用する(E液)には
それぞれ表1の化合物を2×10-9モル添加した。
【0080】また、EM−A2、EM−A4及びEM−
A6は、(C2液)と(D2液)及び(E液)及び(F
液)を添加中及び添加後、限外濾過により残存する未ド
ープ8属金属錯体を除去した。具体的には、図1の限外
濾過ユニットによって行った。限外濾過ユニットとして
は旭化成SIP−1013、限外濾過ポンプ6としては
DAIDO Rotary Pumpを使用した。EM
B−A1と同様、これらに最適に化学増感を行い、EM
B−A2〜A6を調製した。
【0081】〈緑感性乳剤EMG−B2〜B6及び赤感
性乳剤EMR−B2〜B6の調製〉EM−A2〜A6と
同様にEM−B1を用い、表1の化合物をそれぞれ対応
する番号と同様に含有し、かつ、それぞれ対応する番号
と同様に限外濾過された、EM−B2〜B6を作製し
た。EMG−B1あるいはEMR−B1と同様、これら
に最適に化学増感を行い、EMG−B2〜B6及びEM
R−B2〜B6を調製した。
【0082】
【表1】
【0083】坪量180g/m2の紙パルプの両面に、
高密度ポリエチレンをラミネートし、紙支持体を作製し
た。ただし、乳剤層を塗布する側には、表面処理を施し
たアナターゼ型酸化チタンを15重量%の含有量で分散
して含む溶融ポリエチレンをラミネートし、反射支持体
を作製した。この反射支持体をコロナ放電処理した後、
ゼラチン下塗層を設け、更に以下に示す構成の各層を塗
設してカラー感光材料(試料1)を作製した。塗布液は
下記の如く調製した。
【0084】第1層塗布液 イエローカプラー(Y−1)23.4g、色素画像安定
化剤(ST−1)3.34g、(ST−2)3.34
g、(ST−5)3.34g、ステイン防止剤(HQ−
1)0.34g、画像安定剤A5.0gを、高沸点有機
溶媒(DBP)3.33g及び(DNP)1.67gに
酢酸エチル60ccを加え溶解し、20%界面活性剤
(SU−1)7ccを含有する10%ゼラチン水溶液2
20ccに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散さ
せ、イエローカプラー分散液とした。
【0085】この分散液を上記条件にて作製したハロゲ
ン化銀乳剤(EMB−A1;銀8.50g含有)と混合
し、第1層塗布液を調製した。
【0086】第2層〜第7層塗布液も上記第1層塗布液
と同様に表2及び表3の塗布量になるよう各塗布液を調
製した。尚、硬膜剤として(H−1),(H−2)を添
加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2),
(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。又、各層
に防黴剤(F−1)を全量が0.04g/m2となるよ
う添加した。
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】SU−1:トリ−i−プロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム SU−2:スルホ琥珀酸ジ(2−エチルヘキシル)・ナ
トリウム塩 SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,
5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩 H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム DBP:ジブチルフタレート DNP:ジノニルフタレート DOP:ジオクチルフタレート DIDP:ジ−i−デシルフタレート PVP:ポリビニルピロリドン HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン HQ−2:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノ
ン HQ−3:2,5−ジ−sec−テトラデシルハイドロ
キノン HQ−4:2−sec−ドデシル−5−sec−テトラ
デシルハイドロキノン HQ−5:2,5−ジ(1,1−ジメチル−4−ヘキシ
ルオキシカルボニル)ブチルハイドロキノン 画像安定剤A:p−t−オクチルフェノール
【0090】
【化3】
【0091】
【化4】
【0092】
【化5】
【0093】
【化6】
【0094】試料1の各乳剤を表4に示すように変えた
試料2〜6を作製した。
【0095】このようにして作製した試料を常法により
光楔露光した後、下記現像処理工程に従って現像処理を
行った。
【0096】 処理工程 処理温度 時間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80ml 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120ml 安定化 30〜34℃ 60秒 150ml 乾燥 60〜80℃ 30秒 各処理液の組成を下記に示す。
【0097】発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml トリエチレンジアミン 2g 3g ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N−エチル−N−βメタンスルホンアミドエチル−3−メチル −4−アミノアニリン硫酸塩 6.0g 10.0g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=1
0.10に、補充液はpH=10.60に調整する。
【0098】漂白定着液タンク液及び補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g ジエチレントリアミン五酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷
酢酸でpH=5.0に調整する。
【0099】安定化液タンク液及び補充液 o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g 塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g PVP(ポリ−N−ビニルピロリドン) 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア
水でpH=7.5に調整する。
【0100】処理済み試料について、以下の写真特性に
ついて評価を行った。
【0101】・感度 試料を、青の光源として、ヘリウム・カドミウムレーザ
ー(約442nm)、緑の光源としてヘリウム・ネオン
レーザー(約544nm)、赤の光源としてヘリウム・
ネオンレーザー(約633nm)を使用し、10-6秒で
ウエッジ露光した後、先述の処理方法で現像処理した。
処理済み試料の反射濃度でカブリ濃度より0.8高い濃
度を与えるに必要な露光量の逆数で、試料1を100と
し相対感度を表4に示す。
【0102】・Dmin 試料1のDminを0とし相対評価した。
【0103】試料1〜6について上記の評価をした結果
を表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】表4から本発明の試料は感度が高くカブリ
が低いことが判る。
【0106】実施例2 実施例1のEM−A2及びEM−B2において、粒子表
面下0.015μm〜0.29μm(B領域)を0.0
6〜0.29μm、粒子表面〜表面下0.015mμ
(A領域)を〜0.06に変えたEM−A7及びEM−
B7と(B領域)を0.11〜0.29μm、(A領
域)を〜0.11に変えたEM−A8及びEM−B8を
作製し、それぞれ実施例1と同様にEMB−A1、EM
G−B1あるいはEMR−B1と同様、これらに最適に
化学増感を行いEMB−A7〜A8、EMG−B7〜B
8及びEMR−B7〜B8を調製した。
【0107】実施例1の試料1の各乳剤を表5に示すよ
うに変えて試料7及び8を作製した。得られた試料を実
施例1と同様に評価し結果を表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】表5から本発明の試料は感度が高くカブリ
が低いことが判る。
【0110】
【発明の効果】本発明により、感度が高くカブリが低い
ハロゲン化銀写真用乳剤及び感光材料の提供が可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の限外濾過を含む製造装置の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 乳剤仕込釜攪拌機 2 乳剤仕込釜 3 三方弁 4 加水用ライン 5 ロードセル 6 限外濾過ポンプ 7 限外濾過ユニット 8 限外濾過循環配管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 8属金属錯体をドープした後、残存して
    いる未ドープ8属金属錯体を限外濾過法により実質的に
    除去することを特徴とするハロゲン化銀乳剤の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 8属金属錯体をドープした後、残存して
    いる未ドープ8属金属錯体を限外濾過法により実質的に
    除去する行程を行い、その後8属金属錯体がドープされ
    ないハロゲン化銀シェル層を設けることを特徴とするハ
    ロゲン化銀乳剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 8属金属錯体をドープした後、残存して
    いる未ドープ8属金属錯体を限外濾過法により実質的に
    除去する行程を行い、その後8属金属錯体をドープした
    ハロゲン化銀シェル層を設けることを特徴とするハロゲ
    ン化銀乳剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 ハロゲン化銀粒子の内部に、8属金属錯
    体のドープ勾配が実質的に存在しないことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項記載のハロゲン化銀乳剤の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 8属金属錯体がイリジウム錯体又はシア
    ノ配位子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1項記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 ハロゲン化銀粒子が、該粒子の隅の角が
    欠け、かつ、少なくとも塩化銀を95モル%以上有する
    ハロゲン化銀粒子であることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか1項記載のハロゲン化銀乳剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載のハロ
    ゲン化銀乳剤の製造方法により製造されたハロゲン化銀
    乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料。
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