JP2000064927A - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JP2000064927A JP11075252A JP7525299A JP2000064927A JP 2000064927 A JP2000064927 A JP 2000064927A JP 11075252 A JP11075252 A JP 11075252A JP 7525299 A JP7525299 A JP 7525299A JP 2000064927 A JP2000064927 A JP 2000064927A
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fuel injection
pressure chamber
needle
valve seat
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David Imhasly
イムハシュリー デビッド
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Wartsila NSD Schweiz AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴射工程終了後に燃料が燃料室内へ更に滴下
することを防止する。 【解決手段】第1の圧力室6とノズルホール31との間
に第2の圧力室を配置する。第2の弁座11と協働して
第2の圧力室9からノズルホール31へ至る通路を開閉
する第2のノズルニードル10を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル本体及び該
ノズル本体と接合してなるノズルヘッドからなり、該ノ
ズルヘッドが少なくとも一のノズルホールを有してな
り、該ノズルホールを介して燃料が燃焼室内へ流入する
ものであり、更にノズル本体内部に第1の圧力室を設け
てなり、また該第1の圧力室に通ずる燃料供給路を設け
てなり、燃料を第1の圧力室からノズルホールへ流動せ
しめるために第1の圧力室とノズルホールとを連絡する
少なくとも一の連絡路を設けてなり、更にノズル本体内
部に配置されてなる第1のノズルニードルを構成要素と
し、該第1のノズルニードルは第1の弁座と協働して、
第1の圧力室から連絡路へ至る通路を開閉するものであ
るディーゼル機関用燃料噴射ノズルに関する。特に本発
明は、船の推進等に利用される2サイクル大型ディーゼ
ル機関用の燃料噴射ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】2サイクル原理に従う船のエンジン等の
大型ディーゼル機関においては、一般に燃料噴射ノズル
の弁座は、燃料をシリンダ燃焼室内に流動せしめるノズ
ルホールから比較的離れた位置に設けられる。これは幾
つかの理由によるものである。一つには、弁座は、噴射
時の高圧に起因する加圧応力に耐えうるように、十分堅
固に支持される必要があるためである。そのため、比較
的大きな空間を要する機械的に堅牢な配置が要求され
る。しかしながら、一般に一つのシリンダにつき多数の
噴射ノズルが設けられるので、空間的な理由から、燃焼
室に隣接配置される噴射ノズル領域を機械的に十分堅牢
に設計することは少なくとも困難となる。また一つに
は、2サイクルディーゼル機関においてシリンダヘッド
は通常肉厚なものであるので、前記噴射ノズル領域は殆
ど冷却されず、その結果、前記領域は作動時において非
常な高温に晒される。前記の如く高温に晒されることに
より、しばしば弁座の機能に支障が出る。また同様の理
由により、弁座は通常、燃焼熱の影響を受けない程度に
ノズルホールから離れた位置に配される。
【0003】しかしながら、弁座とノズルホールとの空
間的な隔たりは、例えば欧州特許出願公告074400
7号にも記載される問題を包含するものである。燃料噴
射の終了時において、ノズルニードルは弁座に圧接さ
れ、その結果、弁座とノズルホールとの間の下方領域に
ある燃料が供給圧による負荷を受けない状態となる。従
って、燃料噴射終了後において、この領域の燃料は不完
全な噴霧状態で、ノズルホールを介して、燃焼室内へ進
入しうるが、燃焼室内で僅かに燃焼するか、全く燃焼し
ないものである。その結果、排気ガスの二次汚染、並び
に不完全燃焼した燃料の燃焼室全体及び排気ガス導出部
材全体への付着が誘発される。
【0004】上記問題を解決するために、欧州特許出願
公告0744007号において、主弁座をシリンダヘッ
ドの冷却領域内に配してなる噴射弁が提唱されている。
滑り弁は、主弁座と協働する弁体を有する上部領域と、
弁の非冷却領域内に配される補助閉鎖要素を有する下部
領域とを有してなる。補助閉鎖要素は、滑り弁が閉鎖状
態にあるとき、ノズルホール真上に位置する燃料通路を
閉鎖しうるように設計される。ここで滑り弁の閉鎖状態
とは、滑り弁の弁体が主弁座と密着圧接した状態を意味
する。補助閉鎖要素を具有する滑り弁下部領域は、上部
領域の剛直延長部であるか、滑り弁上部領域にねじ止め
される独立要素である。滑り弁を持ち上げることによ
り、主弁座が解放されると、滑り弁における上部領域と
下部領域との機械的係合により補助閉鎖要素も同様に上
方へ移動し、その結果ノズルホールへ至る通路が開放さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、高い信頼度で作動し、且つ、噴射工程終了後に、燃
料が燃料室内へ更に滴下することを効果的に防止しうる
新規な燃料噴射ノズルを提唱することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する燃料
噴射ノズルは、請求項1に記載の特徴を有するものであ
る。即ち、本発明において燃料噴射ノズルは、ディーゼ
ル機関、とりわけ2サイクル大型ディーゼル機関用に提
唱され、ノズル本体、及びノズル本体と接合してなるノ
ズルヘッドを有してなり、該ノズルヘッドは燃焼室内へ
燃料を誘導する少なくとも一つのノズルホールを有して
なる。更に本発明による燃料噴射ノズルは、ノズル本体
内部に第1の圧力室、第1の圧力室へ通じる燃料供給
路、燃料が第1の圧力室からノズルホールへ進行しうる
ように第1の圧力室とノズルホールとを連絡する少なく
とも一つの連絡路、並びに、ノズル本体内部に配され、
第1の弁座と協働して第1の圧力室から前記連絡路へ至
る通路を開閉する第1のノズルニードルを有してなる。
第2の圧力室が、第1の圧力室とノズルホールとの間に
配され、第2の弁座と協働して第2の圧力室からノズル
ホールへ至る通路を開閉する第2のノズルニードルが設
けられる。
【0007】上記の如く、本発明による噴射ノズルは各
々弁座と協働する二つのノズルニードルを有してなり、
第2の弁座は第1の弁座の下方、即ち第1の弁座とノズ
ルホールとの間に配されてなる。この構成により、第1
の弁座において燃料通路を閉鎖することに加えて、噴射
工程終了時において第1の弁座の下方においても、第2
の弁座及び第2のノズルニードルにより燃料通路が閉鎖
されるものであり、その結果、第1の弁座と第2の弁座
との間に存在する燃料が燃焼室内へ滴下することが効果
的に防止される。
【0008】好ましくは第2の弁座はノズルヘッド内、
とりわけノズル本体と接面するノズルヘッド端部よりも
ノズルホール寄りに配置されるものであり、即ち第2の
弁座はノズルホールの極近傍に配置されるものである。
この構成により、第2の弁座とノズルホールと間の容積
は著しく小さいものとなるので、第2の弁座において通
路が閉鎖されると、残存燃料が燃焼室内へ更に滴下する
ことなく、実質直ちに噴射工程が終了する。
【0009】好ましくは第1の及び第2のノズルニード
ルは、相互に機械的に分離してなる。従って、第2のノ
ズルニードルに与える開放圧力及び閉鎖圧力各々を、第
1のノズルニードル又はその動きと実質独立に所望の値
に設定することが可能である。
【0010】また、第2のノズルニードルを油圧作動可
能に設計し配置することも、構成が顕著に単純化され、
また単純な構成に起因して作動方式の信頼度も向上する
ので有利である。
【0011】本発明による燃料噴射ノズルは、ディーゼ
ル機関、とりわけ造船分野等に使用される2サイクル大
型ディーゼル機関に好適である。本発明による燃料噴射
ノズルに係る他の有利な構成及び好適な態様は、従属請
求項に帰する。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による燃料噴射ノ
ズルの第1実施形態において、符号1で示され、本発明
の理解に必須の要素を示す断面図である。請求項1の前
文に記載される種の燃料噴射ノズルを構成する他の要素
は、それ自体公知であり、ここでは図面の明瞭さを保つ
ために図示しない。燃料噴射ノズル1は、船のエンジン
等の2サイクル大型ディーゼル機関のシリンダヘッド内
へ設置されるものとして設計されてなる。設置された状
態において、図示の燃料噴射ノズル1の下端は、ディー
ゼル機関のシリンダ燃焼室内へ突出してなる。
【0013】以下に使用される方向を表わす用語、例え
ば「上、下、上方、下方」等は、常に図1、図2又は図
3に関わるものであり、方向を限定するものではなく、
単に図面における例示的な性質のものとして理解される
べきである。
【0014】燃料噴射ノズル1は、ノズル本体1、及び
ノズル本体と接合してなるノズルヘッドからなる。ここ
に記載の実施形態において、前記接合は、燃料噴射ノズ
ル1の縦軸Aに向って下部が傾斜してなるテーパを有す
るホルダスリーブ4によりなされる。ホルダスリーブ4
は、ねじ式口金5及び止め輪等の弾性要素45によりノ
ズル本体2に固定される。ノズルヘッド3は、ホルダス
リーブ4のテーパ部により保持される。その下端領域に
おいて、ノズルヘッド3は少なくとも一つ、典型例とし
ては五つのノズルホール31を有してなり、このノズル
ホールを介して燃料が燃焼室内へ進入する。
【0015】燃料供給路12と通じる第1の圧力室6が
ノズル本体2内部に設けられてなる。第1の圧力室6
は、主弁座として機能する第1の弁座8によって軸方向
の境界が定められてなる。更に、縦軸Aとほぼ平行に伸
展し、且つ、第1の弁座8と協働する第1のノズルニー
ドル7が、ノズル本体2内部に配されてなる。図1に示
される閉鎖状態において、第1のノズルニードル7の頂
部は第1の弁座8と圧接しており、従って第1の弁座8
において通路が閉鎖されている。第1のノズルニードル
7は、それ自体公知の方法で、例えばタペット14及び
タペット板15を介して圧縮ばね16によりばね荷重を
受けて付勢され第1の弁座8に対して押圧される。
【0016】補助弁座として機能する第2の弁座11に
より軸方向の境界が定められる第2の圧力室9がノズル
ヘッド3内に設けられてなる。第2の弁座11下方のめ
くら穴容積20が小さいものとなるように、好ましくは
第2の弁座11は、ノズルホール31の真上に配置され
る。更にノズルヘッド3は、第2の弁座11と協働する
第2のノズルニードル10を設けてなり、この第2のノ
ズルニードル10もまた縦軸Aと平行に伸展してなる。
好ましくは第2のノズルニードル10は、油圧作動可能
に設計されてなる。従って、第2のノズルニードル10
は、一例として、第2の圧力室9の軸方向上方の境界を
定めるヘッド10aを有してなる。シャフト10bは、
ヘッド10aの下方で該ヘッド10aと相接し、第2の
圧力室9からノズルホール31へ至る通路を開放又は閉
鎖(図1に図示の状態)するように第2の弁座11と協
働する。
【0017】第2のノズルニードル10は、第2の弁座
11へ向って付勢されて同便座11に押圧される。この
実施形態において、付勢押圧手段は、その一端がノズル
本体2内部に支持されてなり、そのもう一方の端部にお
いて第2のノズルニードル10、即ち、第2の圧力室9
と接面する側と反対側の第2のノズルニードル10のヘ
ッド10a端面に作用するばね21からなる。ばね21
は、ノズル本体2内部に切欠部として設けられたばね室
22内に配置される。ばねの力を第2のノズルニードル
10へ与えるために、座金23がばね21とばね室22
上端との間に配置される。この構成により、第2の弁座
11における、通路を開放又は閉鎖する圧力を、制御さ
れた方法で所望の値に調節することが可能となる。当然
に、ばね21により生ずる付勢力を正確に調節するため
に、他の手段を設けることも可能である。
【0018】更に、ばね室22と通じる排出路24を設
けることも有利である。即ち、排出路を設けることによ
り、作動中ばね室22内へ燃料が侵入した場合に、燃料
をばね室22から排出することが可能となる。
【0019】第1の圧力室6とノズルホール31とを連
絡する少なくとも一つの連絡路13を設けることによ
り、第1の圧力室6からノズルホール31への燃料移動
が可能となる。ここで記載される実施形態において、該
通路は、第1の圧力室6から第1の弁座8を通って縦軸
A沿いに伸展する穴13aとして設けられる。第1の弁
座8下方で穴13aは分岐して二つの連絡路13とな
る。二つの連絡路13各々は、まず外向きに傾斜、即ち
縦軸Aから遠ざかる方向に伸展し、次いで縦軸Aと平行
に伸展し、最後は内向きに傾斜、即ち縦軸Aに向う方向
に伸展し、第2の圧力室9へ至るものである。
【0020】作動状態について言及すると、燃料噴射ノ
ズル1は以下の如く作動する。例えば、燃料は、非図示
の噴射ポンプにより、供給路12を通って第1の圧力室
6内に誘導され、第1の圧力室で第1のノズルニードル
7に油圧が負荷される。第1の圧力室6内の燃料圧が圧
縮ばね16により生ずる付勢力よりも大きくなると、第
1のノズルニードル7が持ち上げられ、第1の弁座8に
おいて通路が開放される。燃料は、連絡路13を通って
第2の圧力室9内へ流入し、第2の圧力室で第2のノズ
ルニードル10に油圧が負荷される。第2の圧力室9内
の燃料圧がばね21により生ずる付勢力よりも大きくな
ると直ちに、第2のノズルニードル10が第2の弁座1
1から持ち上げられ、ノズルホール31へ至る通路が開
放され、その結果、噴射工程が開始、即ちノズルホール
31を介して燃料がシリンダ燃焼室内へ進入する。噴射
終了時、第1の圧力室6内の燃料圧は低下する。該燃料
圧が、圧縮ばね16により生ずる付勢力よりも小さくな
ると直ちに、第1のノズルニードル7が第1の弁座8に
押入され、第1の圧力室6から連絡路13へ至る通路は
閉鎖される。このとき、ばね21が第2のノズルニード
ル10を第2の弁座11に圧接せしめる程度に第2の圧
力室9内の燃料圧が低下するまで、噴射は継続する。第
2の弁座11における通路が閉鎖されることによって、
噴射工程が終了する。第2の弁座11下方のめくら穴容
積20は無視しうる程度に小さいものであるので、実際
上は噴射工程終了後に燃料が燃焼室内へ滴下することは
ない。
【0021】ここに記載の第1実施形態において、第2
のノズルニードル10は、ばね21を介してノズル本体
2内部に支持されるものであり、従って、第1のノズル
ニードル7とは機械的に分離してなるものである。二つ
のノズルニードル7、10に係るこの機械的な分離は、
とりわけ、開放圧力又は閉鎖圧力、即ち第2のノズルニ
ードル10の上昇又は下降により第2の弁座11におい
て通路が開放又は閉鎖されるときの第2の圧力室9内の
燃料圧を、第1のノズルニードル7と実質独立に調節し
うるという利点を有する。このような調節は、例えば座
金23の大きさを適宜調整することにより、ばね21に
より生ずる付勢力を介してなされる。第2の弁座11に
関して開放又は閉鎖圧力を調節しうることにより、燃料
が常に理想的な噴射圧で燃焼室内に導入されることが保
証され、その結果、ディーゼル機関を経済的、省資源
的、効率的に作動させることが可能となる。噴射開始直
後、第1の弁座8において通路は既に開放しているが、
第2の弁座11において通路は未だ閉鎖しており、燃料
圧はまず第2の圧力室9内において、効率的な噴射に十
分な値となるまで上昇する。第2のノズルニードル10
が第2の弁座11において通路を開放して初めて、噴射
が開始される。噴射工程終了時において、第2の圧力室
9内の燃料圧が閉鎖圧力以下に低下すると直ちに、第2
の弁座11において通路が実質直ちに閉鎖されるので、
実際上燃料が燃焼室内へ更に侵入することはない。
【0022】第2のノズルニードル10を油圧作動式と
することは、とりわけ構造が単純化されることに加え
て、燃料噴射ノズルに関し信頼度の高い動作が可能とな
るので有利である。
【0023】ここで記載される実施形態において、第2
のノズルニードル10はノズルヘッド3内に収容されて
なる。更にノズルヘッド3は交換可能な単体として設計
及び配置されるものである。ホルダスリーブ4及びねじ
式口金5を介するノズルヘッド3とノズル本体2との単
純な接合方式によれば、多大な労力を必要とせずにノズ
ルヘッド3をノズル本体2から分離し、新しいものと交
換することが可能である。このことは、作動中にノズル
ヘッド3が非常に大きな応力、とりわけ腐食を誘発する
ような熱応力を受け、その結果、寿命を短縮せしめる摩
耗が生ずるという事実に鑑みれば非常に有利である。
【0024】第2のノズルニードル10はノズルヘッド
3内に収容され、ノズルヘッドと共に交換可能なもので
あるので、新規なノズルヘッド3製造において認められ
る公差は、必要とされる性能を譲歩することなく、より
緩やかなものとなる。このことは、新規な第2のノズル
ニードル10を具備する新規なノズルヘッド3の製造に
おける労力が大きく軽減されることを意味する。
【0025】図2は、本発明による燃料噴射ノズル1の
第2実施形態において、ノズルヘッド3を含む下部領域
の断面を示している。以下、第1実施形態と異なる点に
ついてのみ詳細に説明するが、残りの点に付いては、第
1実施形態に係る説明が第2実施形態においても同様に
当てはまる。第1実施形態と同一の要素又は同等の機能
を有する要素は、同一符号で示した。
【0026】本発明による燃料噴射ノズルの第2実施形
態においては、ノズルヘッド3を冷却する補助手段が設
けられてなる。この手段は、ホルダスリーブ4とノズル
ヘッド3との間に配されてなる補助スリーブ41からな
る。補助スリーブ41は、ホルダスリーブ4のテーパ部
及びノズルヘッド3により、補助スリーブ41上又はそ
の内側で支持される。
【0027】補助スリーブ41はその内側に切欠部を有
してなり、該切欠部は組み立てられた状態において、周
縁方向に伸展してなり冷却室42を形成するものであ
る。補助スリーブ41は、内部の切欠部がノズルヘッド
3の外壁と係合して、ノズルヘッド3の周縁方向を包囲
する環状の冷却室42を形成するように、ノズルヘッド
3を包囲するものである。
【0028】更に、二つの冷却路43及び44が設けら
れてなり、これらは好適に穿孔されてなる。各冷却路4
3、44は、ノズル本体2、ノズルヘッド3上部、補助
スリーブ41を貫通して冷却室42へ到達するものであ
る。冷却媒体、例えば水又は冷却油が冷却路43及び4
4各々を介して、冷却室42内に導入され、あるいは冷
却室42内から導出される。この構成により、作動状態
にあるノズルヘッド3を効率的に冷却することが可能と
なり、その結果ノズルヘッドの寿命が延長される。
【0029】更に、第2実施形態において、第2の弁座
11と協働する第2のノズルニードル10のシャフト1
0b端部を球状曲面、とりわけ半球状に構成することに
より、第2のノズルニードル10と第2の弁座11と
が、ボール・アンド・コーンシール(Kugel−Ke
gel−Abdichtung)を形成する。この変型
は当然に第1実施形態(図1)においても採用しうるも
のであり、また、第2のノズルニードル10の縦軸がノ
ズルヘッド3の縦軸と厳密に整合しない場合において
も、第2の弁座11において信頼度の高いシールが保証
されるという利点を有する。
【0030】図3は、ノズルヘッド3の態様に係る更な
る変型を示すものであり、この変型は第1実施形態にお
いても第2実施形態においても採用可能なものである。
この変型において、ノズルヘッド3はその外表面の少な
くとも一部に、とりわけ酸化物ジルコンのようなセラミ
ックからなる断熱層32を有してなる。図3に示される
変型において、断熱層32は、ノズルヘッド3外表面に
おいてホルダスリーブ4外に露出する部分を、軸方向に
関してほぼ全長にわたって覆ってなるものである。ノズ
ルヘッド3の周縁方向に関しては、断熱層32は、ノズ
ルヘッド3の一部のみ、例えば半分のみを覆うものであ
り、断熱層に覆われる部分は、ノズルヘッド3において
ノズルホール31が設けられていない側面である。当然
に、断熱層32がノズルヘッド3の全周を覆って、且
つ、軸方向に関してはノズルホール31の上方で終端す
るような構成も可能である。
【0031】断熱層32は、ノズルヘッド3における熱
応力を軽減するという利点を有する。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明の燃料噴
射ノズルは高い信頼度で作動し、且つ、噴射工程終了後
に、燃料が燃料室内へ更に滴下することを効果的に防止
し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による燃料噴射ノズルの第1実施形態
において、必須要素を示す断面図。
【図2】 本発明による燃料噴射ノズルの第2実施形態
における下部領域を示す断面図。
【図3】 ノズルヘッド構成に係る別例を示す断面図。
【符号の説明】
2…ノズル本体、3…ノズルヘッド、6…第1の圧力
室、7…第1のノズルニードル、8…第1の弁座、9…
第2の圧力室、10…第2のノズルニードル、11…第
2の弁座、31…ノズルホール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 53/04 F02M 53/04 P 61/16 61/16 D V

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル本体(2)、及び該ノズル本体
    (2)と接合してなるノズルヘッド(3)からなり、該
    ノズルヘッド(3)が少なくとも一のノズルホール(3
    1)を有してなり、該ノズルホールを介して燃料が燃焼
    室内へ流入するものであり、更にノズル本体(2)内部
    に第1の圧力室(6)を設けてなり、また該第1の圧力
    室(6)に通ずる燃料供給路を設けてなり、燃料を第1
    の圧力室(6)からノズルホール(31)へ流動せしめ
    るために第1の圧力室(6)とノズルホール(31)と
    を連絡する少なくとも一の連絡路(13)を設けてな
    り、更にノズル本体(2)内部に配置されてなる第1の
    ノズルニードル(7)を構成要素とし、該第1のノズル
    ニードル(7)は第1の弁座(8)と協働して、第1の
    圧力室(6)から連絡路(13)へ至る通路を開閉する
    ものである、とりわけ2サイクル大型ディーゼル機関に
    好適なディーゼル機関用燃料噴射ノズルにおいて、第1
    の圧力室(6)とノズルホール(31)との間に第2の
    圧力室(9)を配してなり、更に第2のノズルニードル
    (10)を設けてなり、該第2のノズルニードルは第2
    の弁座(11)と協働して、第2の圧力室(9)からノ
    ズルホール(31)へ至る通路を開閉するものであるこ
    とを特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 前記第2の弁座(11)がノズルヘッド
    (3)内に配置されるものであり、とりわけノズル本体
    (2)と接面するノズルヘッド(3)端部よりもノズル
    ホール(31)寄りに配置されるものである請求項1に
    記載の燃料噴射ノズル。
  3. 【請求項3】 前記第1のノズルニードル(7)及び前
    記第2のノズルニードル(10)が機械的に互いに分離
    してなる請求項1又は2に記載の燃料噴射ノズル。
  4. 【請求項4】 前記第2のノズルニードル(10)が油
    圧駆動可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    燃料噴射ノズル。
  5. 【請求項5】 前記第2のノズルニードル(10)を第
    2の弁座(11)へ付勢して押圧する手段を設けてなる
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料噴射ノズル。
  6. 【請求項6】 付勢押圧手段がばね(21)からなり、
    該ばね(21)は一端においてノズル本体(2)内に支
    持され、他端において第2のノズルニードル(10)に
    作用するものである請求項5に記載の燃料噴射ノズル。
  7. 【請求項7】 前記ばね(21)が、ノズル本体(2)
    内部の切欠部として構成されたばね室(22)内に配置
    され、更に該ばね室(22)へ通ずる排出路(24)を
    設けてなる請求項6に記載の燃料噴射ノズル。
  8. 【請求項8】 前記第2のノズルニードル(10)がノ
    ズルヘッド(3)内に収容されてなる請求項1〜7のい
    ずれか1項に記載の燃料噴射ノズル。
  9. 【請求項9】 前記ノズルヘッド(3)は交換可能な単
    体である請求項1〜8のいずれか1項に記載の燃料噴射
    ノズル。
  10. 【請求項10】 前記ノズルヘッド(3)を冷却する手
    段(41、42)を設けてなる請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の燃料噴射ノズル。
  11. 【請求項11】 前記ノズルヘッド(3)がその外表面
    の少なくとも一部に、とりわけセラミックからなる断熱
    層(32)を有してなる請求項1〜10のいずれか1項
    に記載の燃料噴射ノズル。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれか1項に記載
    の燃料噴射ノズルを構成要素とするとりわけ2サイクル
    大型ディーゼル機関であるようなディーゼル機関。
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