JP2000063352A - 芳香族アルキルヒドロペルオキシドの製造方法 - Google Patents

芳香族アルキルヒドロペルオキシドの製造方法

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JP2000063352A
JP2000063352A JP22829298A JP22829298A JP2000063352A JP 2000063352 A JP2000063352 A JP 2000063352A JP 22829298 A JP22829298 A JP 22829298A JP 22829298 A JP22829298 A JP 22829298A JP 2000063352 A JP2000063352 A JP 2000063352A
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concentration
aromatic
hydroperoxide
propyl
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Yasuaki Urabe
泰章 占部
Yasuo Miyoshi
保男 三好
Toshiharu Mitani
敏治 三谷
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Mitsui Chemicals Inc
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    • C07C409/04Peroxy compounds the —O—O— group being bound between a carbon atom, not further substituted by oxygen atoms, and hydrogen, i.e. hydroperoxides the carbon atom being acyclic
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    • C07C409/02Peroxy compounds the —O—O— group being bound between a carbon atom, not further substituted by oxygen atoms, and hydrogen, i.e. hydroperoxides
    • C07C409/04Peroxy compounds the —O—O— group being bound between a carbon atom, not further substituted by oxygen atoms, and hydrogen, i.e. hydroperoxides the carbon atom being acyclic
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    • C07C409/12Compounds containing six-membered aromatic rings with two alpha,alpha-dialkylmethyl hydroperoxy groups bound to carbon atoms of the same six-membered aromatic ring

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキル基置換芳香族化合物の酸化反応にお
いて、生成する芳香族アルキルヒドロペルオキシドの種
類と濃度を短時間にかつ効率よく測定して制御を行うこ
とができ、これにより目的とする芳香族アルキルヒドロ
ペルオキシドを高収率で得ることができる工業的に有利
な製造方法を提供する。 【解決手段】 アルキル基置換芳香族化合物を酸素含有
気体で酸化して芳香族アルキルヒドロペルオキシドを生
成する酸化反応において、酸化反応生成物に有機溶媒を
混合して調整した試料を近赤外分光分析計で分析して分
光スペクトルを得、波長1100〜2500nmの範囲
にある吸収ピークから選ばれる吸収ピークの吸光度を解
析して酸化反応生成物に含まれる芳香族アルキルヒドロ
ペルオキシドの種類ごとに濃度を算出し、この分析結果
に基づいて酸化反応を制御する芳香族アルキルヒドロペ
ルオキシドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルキル基置換芳香
族化合物を酸素含有気体で酸化して芳香族アルキルヒド
ロペルオキシドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジイソプロピルベンゼンを塩基の存在下
に酸素含有気体で酸化すると、イソプロピル−(2−ヒ
ドロペルオキシ−2−プロピル)ベンゼン〔以下、MH
Pと略記することがある。〕、アセチル−(2−ヒドロ
ペルオキシ−2−プロピル)ベンゼン〔以下、KPOと
略記することがある。〕、ジイソプロピルベンゼンジヒ
ドロペルオキシド〔以下、DHPと略記することがあ
る。〕、(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−(2−ヒ
ドロペルオキシ−2−プロピル)ベンゼン〔以下、HH
Pと略記することがある。〕等の芳香族アルキルヒドロ
ペルオキシドが生成することは知られている。
【0003】これらの酸化生成物のうち、DHPを硫酸
などの触媒を用いて酸分解すると、工業的に有用なレゾ
ルシン、ハイドロキノンが得られる。
【0004】この方法は、ジイソプロピルベンゼンから
レゾルシンないしハイドロキノンを得るための有用なプ
ロセスではあるが、ジイソプロピルベンゼンからより多
くのレゾルシンないしハイドロキノンを得るためには、
ジイソプロピルベンゼンを効率よく酸化してヒドロペル
オキシド、中でもDHPを高収率で製造することが強く
望まれている。このため、酸化反応生成物中のDHPの
濃度が最大となる時点(MHP濃度が最小となる時点)
で反応を終了すれば、DHPを高収率で製造することが
できる。しかしながら、上記の芳香族アルキルヒドロペ
ルオキシドの濃度測定には、ヨードメトリー滴定法、液
体クロマトグラフィー等の通常の分析方法では、かなり
の時間を要するので、微妙な反応完了時間の最適化が困
難であった。また上記反応生成物中のDHP、MHP、
KPO、HHP等の種類ごとの濃度測定は単一の機器の
みでは困難である。
【0005】例えば反応生成物中の芳香族アルキルヒド
ロペルオキシド濃度を直接分析する方法として、特開昭
61−241663号には、ヨウ化アルカリ金属化合物
を用いてヒドロペルオキシドを還元し、その際に遊離す
るヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液により滴定する方法
が記載されている。この方法はヒドロペルオキシドの濃
度の測定に時間がかかり、対応の遅れを生じるほか、生
成物の種類ごとの測定はできない。
【0006】また液体クロマトグラフィーによる分析も
長時間を要するほか、液体クロマトグラフィーで分析し
た各成分の総和がヨードメトリー滴定法で測定した総量
と必ずしも一致せず、このためヨードメトリー滴定法で
測定した値を液体クロマトグラフィーで各成分の比率に
振り分ける方法を用いている。従って複数の測定装置を
組み合わせて測定する必要があり、操作がはん雑であ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、アル
キル基置換芳香族化合物の酸化反応において、生成する
芳香族アルキルヒドロペルオキシドの種類と濃度を短時
間にかつ効率よく測定して制御を行うことができ、これ
により目的とする芳香族アルキルヒドロペルオキシドを
高収率で得ることができる工業的に有利な製造方法を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の芳香族ア
ルキルヒドロペルオキシドの製造方法である。 (1) アルキル基置換芳香族化合物を酸素含有気体で
酸化して芳香族アルキルヒドロペルオキシドを生成する
酸化反応において、酸化反応生成物に有機溶媒を混合し
て調製した試料を近赤外分光分析計で分析して、波長1
100〜2500nmの分光スペクトルを得、得られた
スペクトルの波長1100〜2500nmの範囲にある
吸収ピークから選ばれる吸収ピークの吸光度を解析して
酸化反応生成物に含まれる芳香族アルキルヒドロペルオ
キシドの種類ごとに濃度を算出し、この分析結果に基づ
いて酸化反応を制御することを特徴とする芳香族アルキ
ルヒドロペルオキシドの製造方法。 (2) アルキル基置換芳香族化合物がクメン、o−シ
メン、m−シメン、p−シメン、m−ジイソプロピルベ
ンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−ト
リイソプロピルベンゼン、イソプロピルナフタレン、ジ
イソプロピルナフタレン、イソプロピルビフェニル、お
よびジイソプロピルビフェニルから選ばれる少なくとも
1種の化合物である上記(1)記載の方法。 (3) 有機溶媒が低級アルコール、ジオキサン、ケト
ン系有機溶媒または芳香族系溶媒である上記(1)また
は(2)記載の方法。 (4) イソプロピル−(2−ヒドロペルオキシ−2−
プロピル)ベンゼン、アセチル−(2−ヒドロペルオキ
シ−2−プロピル)ベンゼン、ジイソプロピルベンゼン
ジヒドロペルオキシド、および(2−ヒドロキシ−2−
プロピル)−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)
ベンゼンから選ばれる芳香族アルキルヒドロペルオキシ
ドの濃度を算出する上記(1)ないし(3)のいずれか
に記載の方法。 (5) 分析結果に基づいて酸化反応の終了時点を判断
する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の方法。
【0009】本発明のアルキル基置換芳香族化合物はア
ルキル基で置換された芳香族化合物であり、ベンゼン
環、ナフタレン環、ビフェニル環等の芳香環に、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec
−ブチル基等のアルキル基で置換された化合物を挙げる
ことができる。より具体的には、クメン、o−シメン、
m−シメン、p−シメン、m−ジイソプロピルベンゼ
ン、p−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリイ
ソプロピルベンゼン、イソプロピルナフタレン、ジイソ
プロピルナフタレン、イソプロピルビフェニル、ジイソ
プロピルビフェニル等を挙げることができる。
【0010】このようなアルキル基置換芳香族化合物の
酸化反応は、アルキル基置換芳香族化合物を酸素含有気
体で酸化して芳香族アルキルヒドロペルオキシドを生成
する反応であり、具体的には例えば塩基水溶液中にアル
キル基置換芳香族化合物を加え、機械的によく攪拌して
乳化状態にし、これに酸素含有気体を吹き込むことによ
り行われる。
【0011】上記塩基としては、好ましくはアルカリ金
属化合物が用いられ、このアルカリ金属化合物として
は、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を挙げることができ
る。これらアルカリ金属化合物の水溶液における濃度
は、通常5〜25重量%、好ましくは7〜20重量%が
好適である。また、反応混合物における塩基水溶液の使
用量は、反応混合物の5〜80重量%、好ましくは10
〜50重量%が好適である。
【0012】酸化反応において、塩基水溶液のpHは通
常7〜12の範囲に保持される。酸素含有気体として
は、酸素、空気、酸素と窒素の任意の割合の混合物を挙
げることができる。反応温度は、通常70〜150℃、
好ましくは90〜130℃程度である。反応圧力は通常
大気圧ないし1MPa(ゲージ圧)程度である。
【0013】酸化反応により生成する芳香族アルキルヒ
ドロペルオキシドとしては、クメンヒドロペルオキシ
ド、サイメンヒドロペルオキシド、イソプロピル−(2
−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)ベンゼン、アセチ
ル−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロピル)ベンゼ
ン、ジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド、
(2−ヒドロキシ−2−プロピル)−(2−ヒドロペル
オキシ−2−プロピル)ベンゼン、1,3,5−トリイ
ソプロピルベンゼントリヒドロペルオキシド、イソプロ
ピルナフタレンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルナ
フタレンジヒドロペルオキシド、イソプロピルビフェニ
ルヒドロペルオキシド、ジイソプロピルビフェニルジヒ
ドロペルオキシド等を挙げることができる。
【0014】前記のアルキル基置換芳香族化合物を酸化
すると、反応条件により各種の芳香族アルキルヒドロペ
ルオキシドが生成する。例えばジイソプロピルベンゼン
を酸化すると、前述のようにMHP、KPO、DHP、
HHPその他の芳香族アルキルヒドロペルオキシドが生
成する。このうちDHPは目的物であるため、その濃度
の測定が必要になる。またMHPはDHPと反比例関係
にあるため測定が必要になり、HHPは次の酸分解工程
でDHPに転換するため測定が必要となり、KPOその
他の生成物も副生物の量を決めるために測定が必要とな
る。
【0015】このように酸化反応により複数種の生成物
が生成するため、生成物の種類とそれぞれの濃度を測定
することが必要になる。従来は複数の装置の組合せによ
り長時間の測定が必要であったが、本発明では近赤外分
光分析計を用いて分析することにより短時間で測定を行
う。この場合各生成物が類似の構造を有することを利用
し、波長指定によって測定データを解析することにより
生成物の種類ごとの濃度を測定する。
【0016】近赤外分光分析の方法について説明する
と、まず酸化反応器、または酸化反応器から導かれる流
路に設けたサンプリング口より、酸化反応生成物をサン
プリングする。
【0017】サンプリング直後の酸化反応生成物は、そ
のままでは濃度が高く、特にp−ジイソプロピルベンゼ
ンの酸化反応生成物であるp−DHPは結晶が析出しや
すく、これを用いて検量線を作成することが非常に困難
である。従って、有機溶媒で酸化反応生成物を希釈して
試料を調製する。
【0018】適当な有機溶媒としては、反応生成物を溶
解し、かつ溶媒自身の吸収ピークの影響を受けないもの
が好ましく、例えば、メタノール、エタノール等の低級
アルコール;1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン
等のジオキサン;アセトン、ジブチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶媒;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族溶媒などが挙げられ、特にジオ
キサンが好ましい。
【0019】有機溶媒の使用量は、酸化反応生成物に対
して通常3〜20重量倍である。有機溶媒による希釈の
方法は特に制限されないが、超音波発生装置や攪拌装置
等を利用して、酸化反応生成物を素早く溶媒に溶解させ
ることが好ましい。
【0020】このようにして調製した試料を、近赤外分
光分析計を用いて分光分析し、波長1100〜2500
nmの分光スペクトルを得る。そして得られたスペクト
ルから演算装置により波長1100〜2500nmの範
囲にある吸収ピークから選ばれる特定の吸収ピークの組
合せを用いて解析し、予め作成された検量線から、酸化
反応生成物に含まれる芳香族アルキルヒドロペルオキシ
ドの種類ごとに濃度を算出する。
【0021】具体的には、全芳香族アルキルヒドロペル
オキシド(T−HPO)の場合、Partial Least Square
s法(PLS法)では、波長1100〜2500nmの
吸収ピークから2〜6個の吸収ピークを選び、また、Mu
ltiple Linear Regression法(MLR法)では、波長1
196nmと1234nmの吸収ピークを選んでそれぞ
れの手法により解析することにより、濃度を測定する。
【0022】MHPの場合、PLS法では、波長110
0〜2500nm、好ましくは波長1600〜2500
nmの吸収ピークから2〜6個の吸収ピークを選ぶ。M
LR法では、波長1194nmと1698nmの吸収ピ
ークを選んでそれぞれの手法により解析することによ
り、濃度を測定する。
【0023】KPOの場合、PLS法では、波長110
0〜2500nm、好ましくは波長1600〜2500
nmの吸収ピークから2〜6個の吸収ピークを選ぶ。M
LR法では、波長1700nmと2108nmの吸収ピ
ークを選んでそれぞれの手法により解析することによ
り、濃度を測定する。
【0024】DHPの場合、PLS法では、波長110
0〜2500nm、好ましくは波長1600〜2500
nmの吸収ピークから4〜6個の吸収ピークを選ぶ。M
LR法では、波長1658nmの吸収ピークを選んでそ
れぞれの手法により解析することにより、濃度を測定す
る。
【0025】HHPの場合、PLS法では、波長110
0〜2500nm、好ましくは波長1600〜2500
nmの吸収ピークから4〜6個の吸収ピークを選ぶ。M
LR法では、波長1600nm、1918nmおよび2
108nmの吸収ピークを選んでそれぞれの手法により
解析することにより、濃度を測定する。
【0026】上記のピークは反応生成物中に含まれる水
分等により若干シフトすることがあるが、それぞれの値
により補正することにより、正確な値を得ることができ
る。こうして得られる測定結果から、生成物中の芳香族
アルキルヒドロペルオキシドの種類および濃度を判定す
る。芳香族アルキルヒドロペルオキシドの製造するため
の酸化反応では、生成する芳香族アルキルヒドロペルオ
キシドは類似の構造を有するため、それぞれの近赤外吸
収スペクトルの吸収ピークが1100〜2500nmの
特定の領域に集中する。このためこの領域の吸収スペク
トルを解析し、これを解析することにより、1回の測定
操作により生成物の種類と濃度を短時間で得ることがで
きる。
【0027】本発明では、この分析結果に基づいて制御
装置により酸化反応を制御する。例えば、酸化反応生成
物中の特定成分の濃度が最大あるいは最小になった時点
を反応終了時点として判断し、反応を終了させるように
制御することができる。また、分析結果に基づいて、酸
化反応の諸条件、例えば反応温度、圧力、酸素含有気体
の供給速度等を変更することも可能である。
【0028】制御の方法は目的物の濃度が最大になった
時点で反応を終了する。例えばジイソプロピルベンゼン
を酸化する反応系では、反応の過程において分析を行
い、DHPが最大濃度になった時点、またはMHPが最
小濃度になった時点で反応を終了するように制御する。
【0029】またKPO、HHP等の副生物の濃度を測
定し、これらの濃度が高いときにはDHPが生成しやす
い条件に反応条件を変えるように制御する。例えばHH
P等の酸化途中の副生物の濃度が高いときには、酸化を
道行させるように温度、圧力または酸素供給量等を高く
して酸化を促進しまたKPOのように過剰酸化の副生物
の濃度が高いときは、温度、圧力または酸素供給量等を
低くして酸化を抑制するように制御する。
【0030】また副生物が他の工程、例えば後工程に影
響を及ぼす場合には、その分析値に基づいて他の工程の
制御を行うことができる。例えば上記の反応系において
HHP濃度が高い場合には後の酸分解工程においてDH
Pに変換するように後工程の反応条件を制御することが
できる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、アルキル基置換芳香族
化合物の酸化反応において、酸化反応生成物に有機溶媒
を混合して調整した試料を近赤外分光分析計で分析して
分光スペクトルを得、波長1100〜2500nmの範
囲にある吸収ピークから選ばれる吸収ピークの吸光度を
解析して、酸化反応生成物に含まれる芳香族アルキルヒ
ドロペルオキシドの種類ごとに濃度を算出することによ
り、酸化反応生成物の種類と各成分濃度を短時間で効率
よく測定することができ、これにより微妙な反応完了時
間の最適化が容易になり、目的とする芳香族アルキルヒ
ドロペルオキシドを高収率で製造することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明する。実施例中、%は重量%である。
【0033】実施例1 〔検量線の作成〕以下の手順により検量線を作成した。
【0034】標準スペクトルの採取 下部に空気吹き込み用スパージャー、上部にアルカリ水
溶液導入口および環流冷却器を備えた反応器に、p−ジ
イソプロピルベンゼン、1〜5%水酸化ナトリウム水溶
液を仕込み、温度99℃に昇温した後、圧力0.57M
Pa(ゲージ圧)になるまで空気を加圧した。その後、
空気を吹き込みながら回分式酸化反応を行った。次い
で、検量線作成のため、酸化反応生成物を反応器のサン
プリング口より採取した。採取した酸化反応生成物の組
成は、液体クロマトグラフィーおよびヨードメトリー滴
定法により分析した。このときの分析時間はそれぞれ約
50分であった。
【0035】標準サンプルの調製 取り出した酸化反応生成物に対して20重量倍の1,4
−ジオキサンを加え、均一な溶液(標準サンプル)を調
製した。サンプル数は30個であった。
【0036】この標準サンプルを近赤外分光分析計
(ニレコ社製、商品名OL6500)を用いて、近赤外
領域における吸収スペクトルを得た。
【0037】上記吸収スペクトルから演算制御装置に
より次の通り検量線を作成した。T−HPO(トータル
ヒドロペルオキシド)濃度は、PLS法により1600
〜2200nmの範囲の波長から3個の吸収ピークを選
んで検量線を作成した。MHP濃度は、PLS法により
2000〜2440nmの範囲の波長から2個の吸収ピ
ークを選んで検量線を作成した。KPOは、PLS法に
より1900〜2460nmの範囲の波長から2個の吸
収ピークを選んで検量線を作成した。DHPは、MLR
法により1658nmの位置の吸収ピークを選んで検量
線を作成した。HHPは、PLS法により2000〜2
400nmの範囲の波長から2個の吸収ピークを選んで
検量線を作成した。
【0038】〔近赤外分光分析〕前記の反応器に、p−
ジイソプロピルベンゼン、1〜5%水酸化ナトリウム水
溶液を仕込み、前記の温度にまで昇温した後、前記の圧
力になるまで空気を加圧した。その後、空気を吹き込み
ながら回分式酸化反応を行った。反応開始後、10分毎
〜1時間毎に反応器からサンプリング口により酸化反応
生成物を取り出し、検量線作成例と同様の方法でサンプ
ルを調整した。そして上記近赤外線分析計により近赤外
分光分析を行い、吸収スペクトルを得た。そして演算制
御装置により前記検量線を用いて各成分の濃度を算出し
た。
【0039】上記分析のサンプリングから各成分の濃度
算出までの所要時間は約3分であった。測定結果を下記
表1〜表5に示す。なお、各表中現行測定値のT−HP
Oの濃度は、酸化生成物(油層)中のヒドロペルオキシ
ド濃度をMHPに換算した濃度であり、ヨードメトリー
滴定法により求めた値であり、MHP、KPO、DHP
およびHHPは、液体クロマトグラフィーにより求めた
各成分の面積を累計した面積で各成分の面積に補正係数
を乗じた数値を割り戻し、T−HPOに乗じて各成分の
濃度を求めた値である。
【0040】T−HPO濃度(%)を表1に示す。 相関係数 0.9994 標準偏差 0.9174
【表1】
【0041】MHP濃度(%)を表2に示す。 相関係数 0.9652 標準偏差 2.58
【表2】
【0042】KPO濃度(%)を表3に示す。 相関係数 0.9864 標準偏差 0.1693
【表3】
【0043】DHP濃度(%)を表4に示す。 相関係数 0.9895 標準偏差 2.25
【表4】 *1)低濃度検量線に含まれていないため、差が生じて
いる。
【0044】HHP濃度(%)を表5に示す。 相関係数 0.9940 標準偏差 0.4911
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三谷 敏治 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井化学株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC40 BB11 BB14 BB16 BB25 BC40 BD20 BE30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基置換芳香族化合物を酸素含有
    気体で酸化して芳香族アルキルヒドロペルオキシドを生
    成する酸化反応において、 酸化反応生成物に有機溶媒を混合して調製した試料を近
    赤外分光分析計で分析して、波長1100〜2500n
    mの分光スペクトルを得、 得られたスペクトルの波長1100〜2500nmの範
    囲にある吸収ピークから選ばれる吸収ピークの吸光度を
    解析して酸化反応生成物に含まれる芳香族アルキルヒド
    ロペルオキシドの種類ごとに濃度を算出し、 この分析結果に基づいて酸化反応を制御することを特徴
    とする芳香族アルキルヒドロペルオキシドの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルキル基置換芳香族化合物がクメン、
    o−シメン、m−シメン、p−シメン、m−ジイソプロ
    ピルベンゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、1,3,
    5−トリイソプロピルベンゼン、イソプロピルナフタレ
    ン、ジイソプロピルナフタレン、イソプロピルビフェニ
    ル、およびジイソプロピルビフェニルから選ばれる少な
    くとも1種の化合物である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒が低級アルコール、ジオキサ
    ン、ケトン系有機溶媒または芳香族系溶媒である請求項
    1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 イソプロピル−(2−ヒドロペルオキシ
    −2−プロピル)ベンゼン、アセチル−(2−ヒドロペ
    ルオキシ−2−プロピル)ベンゼン、ジイソプロピルベ
    ンゼンジヒドロペルオキシド、および(2−ヒドロキシ
    −2−プロピル)−(2−ヒドロペルオキシ−2−プロ
    ピル)ベンゼンから選ばれる芳香族アルキルヒドロペル
    オキシドの濃度を算出する請求項1ないし3のいずれか
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 分析結果に基づいて酸化反応の終了時点
    を判断する請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
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