JP2000063304A - アルキル(フェニル)ナフタレン誘導体及び製造方法 - Google Patents

アルキル(フェニル)ナフタレン誘導体及び製造方法

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JP2000063304A
JP2000063304A JP10229681A JP22968198A JP2000063304A JP 2000063304 A JP2000063304 A JP 2000063304A JP 10229681 A JP10229681 A JP 10229681A JP 22968198 A JP22968198 A JP 22968198A JP 2000063304 A JP2000063304 A JP 2000063304A
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formula
carbon atoms
alkyl group
alkyl
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JP10229681A
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Sadao Takehara
貞夫 竹原
Masashi Osawa
政志 大澤
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキル(フェニル)ナフタレン誘導体の新
規で有利な製造方法、更にそれを用いて製造できる新規
6−アルキル−2−(フルオロアルキル)フェニルナフ
タレン誘導体、これを含有する広い温度範囲・大きい屈
折率異方性の液晶組成物及びこれを用いた低電圧駆動・
高速応答の可能な液晶表示素子を提供する。 【解決手段】 一般式(Ia) 【化1】 (R:C数2〜12のアルキル、Xa:H原子又はF原
子)で表される化合物及びこの化合物を含むアルキル
(フェニル)ナフタレン誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気光学的液晶表示
材料として有用な、アルキル(フェニル)ナフタレン誘
導体である液晶性化合物の新規製造方法、及びその新規
製造方法によって得られる新規アルキル(フェニル)ナ
フタレン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、パソコン、テレビ等に用いられるよ
うになっている。液晶表示方式としては、その代表的な
ものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマ
チック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホ
スト)型あるいは高速応答が可能なFLC(強誘電性液
晶)等を挙げることができるが現在のところTN型及び
STN型が主流である。また駆動方式としても従来のス
タティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的にな
り、単純マトリックス駆動からさらにアクティブマトリ
ックス駆動が実用化されている。これら表示方式や駆動
方式の発展に伴い、液晶材料においてもよりすぐれた特
性が要求されるようになっており、そのために非常に多
数の液晶性化合物がこれまでに合成されてきている。
【0003】液晶化合物は通常、構造的にはコアと呼ば
れる中心核部分とその両端の側鎖あるいは極性基部分か
ら構成されているが、そのコア部分は複数の環構造とそ
れらをつなぐ連結基とから成り立っている。環構造とし
ては1,4−フェニレン基(フッ素置換されていてもよ
い)あるいはトランス−1,4−シクロヘキシレン基が
用いられる場合がほとんどであるが、2,6−ナフチレ
ン基を有する液晶性化合物も知られている。
【0004】この2,6−ナフチレン基を有する液晶性
化合物の中で、一般式(A)
【0005】
【化8】 (式中、R1はアルキル基、アルコキシル基、アルキニ
ル基等を表し、R2はアルキル基、アルコキシル基、ア
ルキニル基、シアノ基、フッ素原子等を表し、mは0、
1、2の整数を表す。)で表される、フェニル基がフッ
素置換されたアルキル(フェニル)ナフタレン誘導体が
既に報告(特表平4−504571号公報)されてお
り、本発明者らの検討によると対応するビフェニル誘導
体等と比較すると液晶性に優れ、屈折率異方性(Δn)
が大きく、粘度もそれほど増大していないという特長を
有している。しかしながら、本公報には、一般式(A)
において、R1がアルキル基を表す化合物の記載例はな
く、特に粘性が低いp型(誘電率異方性(Δε)が正)
の液晶として最も期待できる化合物、即ち、R1がアル
キル基を表し、R2がフッ素原子を表し、mが1又は2
でその位置がR2と同方向(3及び5位)であるような
アルキル(フェニル)ナフタレン類は具体的には全く示
されていなかった。また、本公報には一般式(A)に含
まれる化合物の製造方法がいくつか記載されているが、
1がアルキル基の場合に適用できる製造方法はほとん
ど記載されていない。ただし、本公報にはR1がアルキ
ニル基の化合物の例は記載されている。しかしながら、
この例ではその製造の各工程における収率が低く、とて
も実用的とは言えなかった。
【0006】また、英国公開特許2271771号公報
には6−フェニル−2−ナフトール誘導体のトリフラー
トをジブチルシアノ銅(I)ジリチウムと反応させること
により6−ブチル−2−フェニルナフタレン誘導体を得
るという記載がある。しかしながら、本発明者らの検討
によると、この方法では目的のブチル体は痕跡量しか確
認できず、単離することは困難であり、実際に実施した
と考え難いものであった。さらに、たとえこの方法でア
ルキル基の導入が可能となったとしても、アルキルリチ
ウムの入手の点から、アルキル基としては実際上ブチル
基とメチル基以外は困難である。
【0007】従って、一般式(A)で表される化合物の
中で、R1がアルキル基を表すアルキル(フェニル)ナ
フタレン誘導体の新規で有利な製造方法が望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、アルキル(フェニル)ナフタレン誘導体の
新規で有利な製造方法を提供することであり、さらにそ
れを用いて製造できる新規6−アルキル−2−(フルオ
ロアルキル)フェニルナフタレン誘導体を提供すること
であり、さらにそれらを用いて温度範囲が広く、屈折率
異方性が大きく、かつ低電圧駆動と高速応答の可能な液
晶組成物及びこれを用いた液晶表示素子を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、 1.一般式(Ia)
【0010】
【化9】 (式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキル基を表し、
aは水素原子又はフッ素原子を表す。)で表されるア
ルキル(フェニル)ナフタレン誘導体。 2.Rが炭素原子数3、5又は7の直鎖状アルキル基を
表すことを特徴とする上記1記載の一般式(Ia)で表
されるアルキル(フェニル)ナフタレン誘導体。 3.上記1又は2記載のアルキル(フェニル)ナフタレ
ン誘導体を含有することを特徴とする液晶組成物。 4.上記3記載の液晶組成物を用いることを特徴とする
液晶表示素子。 5.一般式(II)
【0011】
【化10】 (式中、R’は水素原子又は炭素原子数1〜10のアル
キル基を表し、Xa、Xb及びXcはそれぞれ独立して水
素原子又はフッ素原子を表し、Zはフッ素原子、塩素原
子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシル
基、炭素原子数2〜10のアルコキシルアルキル基、1
個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数1〜1
0のアルキル基又はアルコキシル基を表す。)で表され
るアルキニル(フェニル)ナフタレン誘導体を、接触還
元することにより得ることを特徴とするアルキル(フェ
ニル)ナフタレン誘導体の製造方法。 6.一般式(II)で表されるアルキニル(フェニル)
ナフタレンが、一般式(III)
【0012】
【化11】 (式中、Xa、Xb、Xc及びZは一般式(I)における
とおなじ意味を表す。)で表されるトリフラートを、遷
移金属触媒存在下に、一般式(IV)
【0013】
【化12】 (式中、R’は一般式(II)におけるとおなじ意味を
表す。)で表されるアルキン類と反応させて得られるこ
とを特徴とする上記5記載の製造方法。 7.一般式(III)で表されるトリフラートが、一般
式(V)
【0014】
【化13】 (式中、Xa、Xb及びXcはそれぞれ独立して水素原子
又はフッ素原子を表し、Zはフッ素原子、塩素原子、炭
素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、炭素
原子数2〜10のアルコキシルアルキル基、1個以上の
フッ素原子により置換された炭素原子数1〜10のアル
キル基又はアルコキシル基を表す。)で表されるナフト
ール誘導体に、無水トリフルオロメタンスルホン酸又は
トリフルオロメタンスルホン酸クロリドを反応させて得
られることを特徴とする上記6記載の製造方法。 8.一般式(V)で表されるナフトール誘導体が、式
(VI)
【0015】
【化14】 の6−ブロモ−2−ナフトールと、一般式(VII)
【0016】
【化15】 (式中、Xa、Xb及びXcはそれぞれ独立して水素原子
又はフッ素原子を表し、Zはフッ素原子、塩素原子、炭
素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、炭素
原子数2〜10のアルコキシルアルキル基、1個以上の
フッ素原子により置換された炭素原子数1〜10のアル
キル基又はアルコキシル基を表す。)で表されるフェニ
ルホウ酸誘導体とを、遷移金属触媒存在下に反応させて
得られることを特徴とする上記7記載の製造方法。 9.Zがフッ素原子であることを特徴とする上記5、
6、7又は8記載の製造方法。を前記課題を解決するた
めの手段として見出した。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。
【0018】上記課題を解決するために、本発明は対応
するアルキニル(フェニル)ナフタレン誘導体を経由
し、これを接触還元することを特徴とするアルキル(フ
ェニル)ナフタレン誘導体、即ち、一般式(I)
【0019】
【化16】 で表されるようなアルキル(フェニル)ナフタレン誘導
体の製造方法を提供する。
【0020】式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキル
基を表すが、直鎖状アルキル基が好ましく、炭素原子数
3、5又は7の直鎖状アルキル基が特に好ましい。
a、Xb及びXcはそれぞれ独立的に水素原子又はフッ
素原子を表すが、少なくとも一つはフッ素原子であるこ
とが好ましく、更には、Xcは水素原子であり、Xa及び
bの少なくとも一つはフッ素原子であることが好まし
い。Zはフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1〜10の
アルキル基、アルコキシル基、炭素原子数2〜10のア
ルコキシルアルキル基、1個以上のフッ素原子により置
換された炭素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシ
ル基を表すが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基、
アルコキシル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロ
メトキシ基、トリフルオロメチル基又はフッ素原子が好
ましく、フッ素原子であることが特に好ましい。
【0021】本発明の製造方法の第1は一般式(II)
【0022】
【化17】 (式中、Xa、Xb、Xc及びZは一般式(I)における
とおなじ意味を表し、R’は水素原子又は炭素原子数1
〜10のアルキル基を表す。)で表されるアルキニル
(フェニル)ナフタレン誘導体を接触還元することを特
徴とするものである。
【0023】一般式(II)においてR’は水素原子又
は炭素原子数1〜10のアルキル基を表すが、水素原子
又は直鎖状アルキル基が好ましく、炭素原子数1、3又
は5の直鎖状アルキル基が特に好ましい。
【0024】反応は溶媒中、触媒存在下、1〜10気圧
の水素雰囲気下で実施される。溶媒としては特に制限は
ないが、酢酸エチル等のエステル類、エタノール等のア
ルコール類、トルエン等の炭化水素類あるいはこれらの
混合物等が通常好適に用いられる。触媒は活性炭等に担
持させたパラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、レ
ニウム等を用いることができるが、通常パラジウム炭素
を用いて、水素圧1〜5気圧程度で実施することが好ま
しい。反応終了後はけい藻土等を用いて触媒を濾別した
後、溶媒を溜去し、必要に応じカラムクロマトグラフィ
ー、再結晶等により精製することにより目的物を得るこ
とができる。
【0025】ここで一般式(II)のアルキニル(フェ
ニル)ナフタレン誘導体は、一般式(III)
【0026】
【化18】 (式中、Xa、Xb、Xc及びZは前述の意味を表す。)
で表されるトリフラートを、遷移金属触媒存在下に、一
般式(IV)
【0027】
【化19】 (式中、R’は前述の意味を表す。)で表されるアルキ
ン類と反応させることにより得ることができる。本発明
はその製造方法の第2として、一般式(III)のトリ
フラートと一般式(IV)のアルキンとの反応により、
一般式(II)のアルキニル(フェニル)ナフタレン誘
導体を得て、これを接触還元することを特徴とする一般
式(I)の化合物の製造方法を提供する。
【0028】この反応において、用いる遷移金属触媒と
してはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
(0)等のパラジウム(0)錯体、ジクロロビス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム(II)等のパラジウム(II)錯
体、塩化パラジウム(II)等のパラジウム(II)塩が好まし
く、パラジウム(0)錯体が特に好ましい。また、銅(I)塩
の共存下に実施することが好ましく、特にヨウ化銅
(I)を併用することが好ましい。反応は溶媒中で行わ
れるが、溶媒としてはヘキサン、トルエン等の炭化水素
類、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメ
トキシエタン等のエーテル類、エタノール、イソプロパ
ノール、メチルセルソルブ等のアルコール類、ジメチル
ホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DM
A)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル
ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルリン酸トリアミド
(HMPA)等の非プロトン性極性溶媒、あるいはトリ
エチルアミン、ピリジン等のアミン類を用いることがで
き、これらは単独で用いてもあるいはその複数を混合し
て用いてもよいが、THF等のエーテル類及びDMF等
の非プロトン性極性溶媒が好ましく、ピリジン、トリエ
チルアミン等のアミン類を併用することが特に好まし
い。反応は−80℃付近から200℃付近までの広い温
度範囲で進行するが、通常は氷冷下から溶媒の沸点まで
の加熱下に実施することが好ましく、室温付近あるいは
100℃までの加熱下で実施することが好ましい。反応
終了後は必要に応じて中和して有機溶媒を加え、水洗を
繰り返した後、溶媒を留去することにより目的物を得
る。また、必要に応じカラムクロマトグラフィーや再結
晶により精製することもできる。
【0029】本発明の第2の製造方法における中間体の
トリフラートである一般式(III)は、対応するナフ
トール誘導体である一般式(V)
【0030】
【化20】 (式中、Xa、Xb、Xc及びZは前述の意味を表す。)
に塩基存在下に無水トリフルオロメタンスルホン酸又は
トリフルオロメタンスルホン酸クロリドを反応させるこ
とにより容易に得ることができる。塩基としてはピリジ
ンあるいはトリエチルアミン等が好ましく、反応は室温
〜冷却下で一般式(V)のナフトールと塩基の溶液中
に、無水トリフルオロメタンスルホン酸又はトリフルオ
ロメタンスルホン酸クロリドを滴下するか、あるいは一
般式(V)と無水トリフルオロメタンスルホン酸又はト
リフルオロメタンスルホン酸クロリドの溶液中に、塩基
を滴下する。反応終了後は水洗、乾燥した後、溶媒を溜
去するだけで通常精製を必要とせず次の工程に使用が可
能である。
【0031】本発明はその製造方法の第3として、一般
式(V)のナフトール誘導体をトリフラートである一般
式(III)に導き、これと一般式(IV)のアルキン
との反応により、一般式(II)のアルキニル(フェニ
ル)ナフタレン誘導体を得て、これを接触還元すること
を特徴とする一般式(I)の化合物の製造方法を提供す
る。
【0032】ここで一般式(V)のナフトール誘導体は
式(VI)の6−ブロモ−2−ナフトール
【0033】
【化21】 と一般式(VII)
【0034】
【化22】 (式中、Xa、Xb、Xc及びZは一般式(I)における
とおなじ意味を表す。)で表されるフェニルホウ酸誘導
体とを遷移金属触媒存在下に反応させることにより得る
ことができる。用いる遷移金属触媒としてはテトラキス
トリフェニルホスフィンパラジウム(0)等のパラジウム
(0)錯体、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(II)等のパラジウム(II)錯体、塩化パラジウム
(II)等のパラジウム(II)塩、テトラキストリフェニルホ
スフィンニッケル(0)等のニッケル(0)錯体あるいはジク
ロロ(ビスジフェニルホスフィノエタン)ニッケル(0)
等のニッケル(0)錯体が好ましく、パラジウム(0)錯体が
特に好ましい。反応は溶媒中で行われるが、溶媒として
はヘキサン、トルエン等の炭化水素類、テトラヒドロフ
ラン(THF)、ジオキサン、ジイソプロピルエーテル
(IPE)、ジメトキシエタン(DME)等のエーテル
類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセト
アミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMS
O)、N−メチルピロリドン(NMP)、ヘキサメチル
リン酸トリアミド(HMPA)等の非プロトン性極性溶
媒等を用いることができ、これらは単独で用いてもある
いはその複数を混合して用いてもよいが、トルエン等の
炭化水素類、THF等のエーテル類及びDMF等の非プ
ロトン性極性溶媒が好ましく、トルエンは特に好まし
い。反応は塩基存在下に行うことが好ましく、炭酸カリ
ウム、炭酸ナトリウム等は好適である。反応は−80℃
付近から200℃付近までの広い温度範囲で進行する
が、通常は氷冷下から溶媒の沸点までの加熱下に実施す
ることが好ましく、室温付近あるいは100℃までの加
熱下で実施することが好ましい。反応終了後は必要に応
じて中和して有機溶媒を加え、水洗を繰り返した後、溶
媒を留去することにより目的物を得る。また、必要に応
じカラムクロマトグラフィーや再結晶により精製するこ
ともできる。
【0035】本発明はその製造方法の第4として、6−
ブロモ−2−ナフトールと一般式(VII)のフェニル
ホウ酸誘導体とを反応させて一般式(V)で表されるナ
フトール誘導体を得て、これに無水トリフルオロメタン
スルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸クロリド
を反応させて一般式(III)のトリフラートを得て、
次にこれを一般式(IV)のアルキン類と反応させるこ
とにより一般式(II)のアルキニル(フェニル)ナフ
タレン誘導体を得て、さらにこれを接触還元することを
特徴とする一般式(I)の化合物の製造方法を提供す
る。
【0036】ここで式(VI)の6−ブロモ−2−ナフ
トールあるいはそのメチルエーテルは市販されており、
一般式(VII)のフェニルホウ酸誘導体は一般式(V
III)
【0037】
【化23】 (式中、Xa、Xb、Xc及びZは前述の意味を表し、W
はMgBr、MgCl、MgIあるいはLiを表す。)
で表される有機金属化合物をホウ酸トリアルキル(アル
キル基はメチル基、イソプロピル基等の低級アルキル基
が好ましい。)と反応させ、得られたホウ酸エステルを
次いで塩酸等により加水分解させることにより容易に得
ることができる。
【0038】以上から明らかなように、本発明の製造方
法を用いることにより、6−ブロモ−2−ナフトール等
の入手容易な原料から、ナフトールのOH基を保護する
こともなく、短工程かつ容易に一般式(I)のアルキル
(フェニル)ナフタレン誘導体を高収率で製造すること
が可能となった。
【0039】前記のように一般式(I)は多種類の化合
物を包含しており、本発明の製造方法はこれらすべてに
ついて使用可能であるが、特に以下の(Iaa)〜(I
fd)の製造法として好ましいものである。(以下、式
中Rは前述の意味を表し、R aは炭素原子数1〜7の直
鎖状アルキル基を表す。)
【0040】
【化24】
【0041】
【化25】
【0042】
【化26】
【0043】
【化27】
【0044】
【化28】
【0045】
【化29】 上記の各化合物の中で、一般式(Iaa)〜(Ia
c)、特に(Iab)及び(Iac)の化合物は本発明
者らにより今回初めてその物性や特性が明らかになった
化合物である。
【0046】本発明は一般式(Ia)
【0047】
【化30】 で表される新規アルキル(フェニル)ナフタレン誘導体
をも提供するものである。
【0048】式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキル
基を表すが、炭素原子数2〜7の直鎖状アルキル基が好
ましく、炭素原子数3、5及び7の直鎖状アルキル基が
最も好ましい。Xaは水素原子又はフッ素原子を表す
が、フッ素原子であることが好ましい。一般式(Ia)
の化合物は本発明の提供する前述の製造法により容易に
製造することができる。
【0049】斯くして、本発明の製造方法により製造さ
れる一般式(Ia)で表される化合物を含む具体例を、
その相転移温度とともに第1表にまとめて示す。
【0050】
【表1】 (表中、Crは結晶相を、Nはネマチック相を、Iは等
方性液体相をそれぞれ示す。Xbは水素原子又はフッ素
原子を表すものである。) 一般式(I)の化合物を液晶組成物中に添加することに
より得られる優れた効果は以下の通りである。
【0051】第1表中に示された(Iab-1)
【0052】
【化31】 の化合物20重量%及び汎用のホスト液晶(H)
【0053】
【化32】 80重量%からなる液晶組成物(H−1)を調製した。
ここでホスト液晶(H)の物性値ならびにそれを用いて
作製した液晶素子の電気光学的特性値は以下の通りであ
る。
【0054】 ネマチック相上限温度(TN-I): 116.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.14V 誘電率異方性(Δε): 4.8 応答時間(τr=τd): 25.3m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、閾値電圧(Vth)及び応答時間は厚さ6μm
のTNセルに封入して測定した値である。また、応答時
間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時間(τd)
が等しくなる電圧印加時の20℃における測定値であ
る。
【0055】これに対して(H−1)の物性値ならびに
それを用いて作製した液晶素子の電気光学的特性値は以
下の通りとなった。
【0056】 TN-I: 91.0℃ 閾値電圧(Vth): 1.94V 誘電率異方性(Δε): 4.85 応答時間(τr=τd): 28.4m秒 屈折率異方性(Δn): 0.112 従って、本発明に関わる(Iab−1)の化合物を20
重量%含有することによりネマチック相上限温度(T
N-I)は若干低下するが、応答をあまり悪化させること
なく、閾値電圧を低減し、屈折率異方性を大幅(ホスト
液晶(H)に対し約0.02)に増大させていることが
わかる。
【0057】次に、この組成物を室温で1ヶ月放置した
が、結晶の析出や相分離等は観察されなかった。従っ
て、(Iab−1)の化合物は従来液晶に対して優れた
相溶性を持つことがわかる。
【0058】また、−15℃に冷却して結晶化させ、そ
の融点(TC-N)を測定したところ、14℃であった。
【0059】これに対して、(Iab−1)の化合物と
比較的類似した構造を有するがビフェニル骨格である式
(B)の化合物
【0060】
【化33】 20重量%及びホスト液晶(H)80重量%からなる比
較の液晶組成物(H−B)を調製し、同様にして測定し
た物性値ならびに電気光学的特性値は以下の通りであっ
た。
【0061】 TN-I: 86.0℃ 閾値電圧(Vth): 1.86V 誘電率異方性(Δε): 4.92 応答時間(τr=τd): 27.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.096 従って、(H−1)と比較すると応答は若干速くなり、
閾値電圧(Vth)もわずかに低減されていることがわ
かる。しかしながら、ネマチック相上限温度(TN-I
はさらに低下し、屈折率異方性(Δn)もわずかしか増
大できなかった。
【0062】次に、ホスト液晶(H)80重量%及び第
1表中に示された本発明に関わる(Iac−1)
【0063】
【化34】 の化合物20重量%からなる液晶組成物(H−2)を調
製した。この組成物の物性値ならびにそれを用いて作製
した液晶素子の電気光学的特性値は以下の通りとなっ
た。
【0064】 TN-I: 85.1℃ 閾値電圧(Vth): 1.74V 誘電率異方性(Δε): 5.7 応答時間(τr=τd): 31.1m秒 屈折率異方性(Δn): 0.107 従って、(H−1)と比較してネマチック相上限温度が
やや低下し、屈折率異方性がやや減少しているものの、
同様の高速応答性を有し、閾値電圧はさらに低減されて
いることがわかる。
【0065】このように、本発明の一般式(I)の化合
物は、低粘性で応答性に優れ屈折率異方性が大きくかつ
ネマチック相温度範囲が広く、加えて閾値電圧の低い液
晶組成物を得る上において、従来の化合物より優れた効
果を示すことが明らかである。
【0066】従って、一般式(I)の化合物は、他のネ
マチック液晶化合物との混合物の状態で、TN型あるい
はSTN型等の電界効果型表示セル用として、特に低電
圧駆動が可能な低粘性高速応答性の材料として好適に使
用することができる。また(I)の化合物は分子内に強
い極性基を持たないので、大きい比抵抗と高い電圧保持
率を得ることが容易であり、アクティブマトリックス駆
動用液晶材料の構成成分として使用することも可能であ
る。本発明はこのように一般式(I)で表される化合物
の少なくとも1種類をその構成成分として含有する液晶
組成物をも提供するものである。
【0067】この組成物中において、一般式(I)の化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置換シクロヘ
キサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニル、
4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換フェ
ニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置
換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,
4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4
−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エタン、4,4”−置換ターフェニル、4−(4−
置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−
[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置
換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換
ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’
−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチ
ル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フ
ェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換
フェニルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)
ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミ
ジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリ
ミジン及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換
基を有する化合物等を挙げることができる。
【0068】このうちアクティブマトリックス駆動用と
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環がフッ素置換されている化合物
が適している。
【0069】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0070】なお、相転移温度の測定は温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡および示差走査熱量計(DSC)
を併用して行った。また化合物の構造は核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR,13C−NMR,19F−NM
R)、赤外共鳴スペクトル(IR)、質量スペクトル
(MS)等により確認した。また、「%」は「重量%」
を表す。
【0071】(実施例1) 2−(3,4−ジフルオロ
フェニル)−6−プロピルナフタレン(第1表中のN
o.(Iab−1)の化合物)の合成
【0072】
【化35】
【0073】(1) 6−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)−2−ナフトールの合成 6−ブロモ−2−ナフトール25.0g及び3,4−ジ
フルオロフェニルホウ酸22.0gにトルエン100m
l、エタノール50ml、2N炭酸カリウム水溶液50
ml、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)1.3gを加え、3時間加熱還流させた。室温ま
で放冷し、有機層を分離し、水、飽和食塩水で洗滌し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を溜去し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)を
用いて精製し、6−(3,4−ジフルオロフェニル)−
2−ナフトール25.3gを得た。
【0074】(2) トリフルオロメタンスルホン酸6
−(3,4−ジフルオロフェニル)−2−ナフチルの合
成 上記(1)で得た6−(3,4−ジフルオロフェニル)
−2−ナフトール7.6gをピリジン30mlに溶解
し、10℃以下に氷冷し、撹拌下10℃以下を保つ速度
でトリフルオロメタンスルホン酸無水物10.0gを滴
下した。室温に戻し、さらに1時間撹拌した後、水50
mlを加えた。ジクロロメタン100mlで抽出し、
水、飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を溜去し、トリフルオロメタンスルホン酸6−
(3,4−ジフルオロフェニル)−2−ナフチル11.
4gを得た。
【0075】(3) 2−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)−6−(1−プロピニル)ナフタレンの合成 上記(2)で得たトリフルオロメタンスルホン酸6−
(3,4−ジフルオロフェニル)−2−ナフチル11.
4gをDMF60ml及びトリエチルアミン20mlに
溶解し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(0)0.4g及びヨウ化銅(I)0.1gを加え、
常温、常圧でメチルアセチレンを導入し2時間撹拌し
た。10%塩酸で中和し、トルエン100mlで抽出
し、水、飽和食塩水で洗滌した。溶媒を溜去し、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)を用いて精
製し、2−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−(1
−プロピニル)ナフタレン7.4gを得た。
【0076】(4) 2−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)−6−プロピルナフタレンの合成 上記(3)で得た2−(3,4−ジフルオロフェニル)
−6−(1−プロピニル)ナフタレン7.4gを酢酸エ
チル80mlに溶解し5%パラジウム炭素1.5gを加
え、常温、常圧で水素を導入し6時間撹拌した。触媒を
濾別し、溶媒を溜去し、2−(3,4−ジフルオロフェ
ニル)−6−プロピルナフタレン7.2gを得た。これ
をメタノールから再結晶し、精製物4.2gを得た。
【0077】(実施例2) 2−(3,4,5−トリフ
ルオロフェニル)−6−プロピルナフタレン(第1表中
のNo.(Iac−1)の化合物)の合成 実施例1において3,4−ジフルオロフェニルホウ酸に
換えて、3,4,5−トリフルオロフェニルホウ酸を用
いた他は同様にして、7gの6−ブロモ−2−ナフトー
ルから7gの2−(3,4,5−トリフルオロフェニ
ル)−6−プロピルナフタレンを得た。相転移温度は第
1表にまとめて示した。
【0078】同様にして以下の化合物を合成する。
【0079】2−(3,4−ジフルオロフェニル)−6
−エチルナフタレン 2−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−ペンチルナ
フタレン 2−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−ヘプチルナ
フタレン
【0080】(実施例3) 液晶組成物の調製(1) 汎用のホスト液晶(H)
【0081】
【化36】
【0082】を調製した。このホスト液晶(H)は11
6.7℃以下でネマチック相を示し、その融点は11℃
である。この組成物の20℃における粘度、これを用い
て作製したセル厚6μmのTNセルの閾値電圧(Vt
h)、そのときの応答時間及び屈折率異方性(Δn)は
以下の通りであった。
【0083】 ネマチック相上限温度(TN-I): 116.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.14V 誘電率異方性(Δε): 4.8 応答時間(τr=τd): 25.3m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、粘度及び応答時間は20℃における測定値であ
り、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時
間(τd)が等しくなる電圧印加時の測定値である。
【0084】次に、このホスト液晶(H)80%及び実
施例1で得た本発明の化合物である(Iab-1)
【0085】
【化37】
【0086】の化合物20%からなる液晶組成物(H−
1)を調製した。この物性値ならびにそれを用いて同様
に作製した液晶素子の電気光学的特性値は以下の通りと
なった
【0087】 TN-I: 91.0℃ 閾値電圧(Vth): 1.94V 誘電率異方性(Δε): 4.85 応答時間(τr=τd): 28.4m秒 屈折率異方性(Δn): 0.112 従って、(Iab−1)の化合物を20%含有すること
によりネマチック相上限温度(TN-I)は若干低下する
が、応答をあまり悪化させることなく、閾値電圧を低減
し、屈折率異方性を大幅(ホスト液晶(H)に対し約
0.02)に増大させていることがわかる。
【0088】次に、この組成物を室温で1ヶ月放置した
が、結晶の析出や相分離等は観察されなかった。従っ
て、(Iab−1)の化合物は従来の汎用液晶に対して
優れた相溶性を持つことがわかる。また、−15℃に冷
却して結晶化させ、その融点(TC-N)を測定したとこ
ろ、14℃であった。
【0089】(比較例1)実施例3において、(Iab
−1)の化合物に換えて、(Iab−1)と比較的類似
した構造を有するがナフタレン環を含まないビフェニル
骨格である(B)の化合物
【0090】
【化38】 20%及びホスト液晶(H)80%からなる比較の液晶
組成物(H−B)を調製した。その物性値ならびに、同
様にして素子を作製して測定した電気光学的特性値は以
下の通りであった。
【0091】 TN-I: 86.0℃ 閾値電圧(Vth): 1.86V 誘電率異方性(Δε): 4.92 応答時間(τr=τd): 27.0m秒 屈折率異方性(Δn): 0.096 従って、(H−1)と比較すると応答は若干速くなり、
閾値電圧(Vth)もわずかに低減されていることがわ
かる。しかしながら、ネマチック相上限温度(TN-I
はさらに低下し、屈折率異方性(Δn)もわずかしか増
大できなかった。
【0092】(実施例4) 液晶組成物の調製(2) 実施例3において、(Iab−1)の化合物に換えて、
第1表中に示された(Iac−1)
【0093】
【化39】 の化合物20%及びホスト液晶(H)80%からなる液
晶組成物(H−2)を調製した。この組成物の物性値な
らびにそれを用いて作製した液晶素子の電気光学的特性
値は以下の通りとなった。
【0094】 TN-I: 85.1℃ 閾値電圧(Vth): 1.74V 誘電率異方性(Δε): 5.7 応答時間(τr=τd): 31.1m秒 屈折率異方性(Δn): 0.107 これを(H−1)と比較するとネマチック相上限温度が
約6°低下し、屈折率異方性も0.005程減少してい
るものの、同様の高速応答性を有し、閾値電圧は大きく
(ホスト液晶(H)に対して0.4V)低減されている
ことがわかる。
【0095】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いることにより、
アルキル(フェニル)ナフタレン誘導体である各種液晶
化合物を、入手容易な原料あるいは中間体から、短工程
で簡便かつ高収率で製造することができる。従って、本
発明の製造方法は工業的に極めて有用である。
【0096】さらに、本発明の製造方法により提供され
る新規のp型液晶であるアルキル(フルオロフェニル)
ナフタレン誘導体は液晶性に優れ、現在汎用の液晶化合
物あるいは組成物との相溶性にも優れ、無色で化学的に
も安定である。しかもその添加により液晶組成物の屈折
率異方性を増大できるとともに、粘性が小さく、閾値電
圧の低減にも優れた効果を示す。また分子内に強い極性
の基を含まないため、アクティブマトリックス駆動用と
しても使用可能である。
【0097】従って、これを含有する液晶組成物は実用
的液晶として、特に温度範囲が広く、高速応答や低電圧
駆動を必要とする液晶表示用として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA01 AA02 AA03 AB64 AC11 AC13 AC25 BD70 EA23 4H027 BD02 BD04 BD07 BD08 CT04 DK04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(Ia) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数2〜12のアルキル基を表し、
    aは水素原子又はフッ素原子を表す。)で表されるア
    ルキル(フェニル)ナフタレン誘導体。
  2. 【請求項2】 Rが炭素原子数3、5又は7の直鎖状ア
    ルキル基を表すことを特徴とする請求項1記載の一般式
    (Ia)で表されるアルキル(フェニル)ナフタレン誘
    導体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアルキル(フェニ
    ル)ナフタレン誘導体を含有することを特徴とする液晶
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の液晶組成物を用いること
    を特徴とする液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 一般式(II) 【化2】 (式中、R’は水素原子又は炭素原子数1〜10のアル
    キル基を表し、Xa、Xb及びXcはそれぞれ独立して水
    素原子又はフッ素原子を表し、Zはフッ素原子、塩素原
    子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシル
    基、炭素原子数2〜10のアルコキシルアルキル基、1
    個以上のフッ素原子により置換された炭素原子数1〜1
    0のアルキル基又はアルコキシル基を表す。)で表され
    るアルキニル(フェニル)ナフタレン誘導体を、接触還
    元することにより得ることを特徴とするアルキル(フェ
    ニル)ナフタレン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(II)で表されるアルキニル
    (フェニル)ナフタレンが、一般式(III) 【化3】 (式中、Xa、Xb、Xc及びZは一般式(I)における
    とおなじ意味を表す。)で表されるトリフラートを、遷
    移金属触媒存在下に、一般式(IV) 【化4】 (式中、R’は一般式(II)におけるとおなじ意味を
    表す。)で表されるアルキン類と反応させて得られるこ
    とを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(III)で表されるトリフラー
    トが、一般式(V) 【化5】 (式中、Xa、Xb及びXcはそれぞれ独立して水素原子
    又はフッ素原子を表し、Zはフッ素原子、塩素原子、炭
    素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、炭素
    原子数2〜10のアルコキシルアルキル基、1個以上の
    フッ素原子により置換された炭素原子数1〜10のアル
    キル基又はアルコキシル基を表す。)で表されるナフト
    ール誘導体に、無水トリフルオロメタンスルホン酸又は
    トリフルオロメタンスルホン酸クロリドを反応させて得
    られることを特徴とする請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(V)で表されるナフトール誘導
    体が、式(VI) 【化6】 の6−ブロモ−2−ナフトールと、一般式(VII) 【化7】 (式中、Xa、Xb及びXcはそれぞれ独立して水素原子
    又はフッ素原子を表し、Zはフッ素原子、塩素原子、炭
    素原子数1〜10のアルキル基、アルコキシル基、炭素
    原子数2〜10のアルコキシルアルキル基、1個以上の
    フッ素原子により置換された炭素原子数1〜10のアル
    キル基又はアルコキシル基を表す。)で表されるフェニ
    ルホウ酸誘導体とを、遷移金属触媒存在下に反応させて
    得られることを特徴とする請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 Zがフッ素原子であることを特徴とする
    請求項5、6、7又は8記載の製造方法。
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