JP2000063290A - 抗菌性齲蝕検知液 - Google Patents

抗菌性齲蝕検知液

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JP2000063290A
JP2000063290A JP10230459A JP23045998A JP2000063290A JP 2000063290 A JP2000063290 A JP 2000063290A JP 10230459 A JP10230459 A JP 10230459A JP 23045998 A JP23045998 A JP 23045998A JP 2000063290 A JP2000063290 A JP 2000063290A
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Hiromi Matsuda
ひろみ 松田
Kazumitsu Nakatsuka
和光 中塚
Kenichi Hino
憲一 日野
Kyoko Fukunishi
京子 福西
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 齲蝕部分の検知と同時に齲蝕部分に存在する
歯髄疾患の原因菌を殺菌または静菌する効果を有する抗
菌性齲蝕検知液を提供すること。 【解決手段】 水及び/または水混和性溶剤と、齲蝕感
染部を染色して該部位の識別性を向上させ得る色素と、
抗菌剤を含有してなる抗菌性齲蝕検知液において、該抗
菌剤が特定の構造で分子内に(メタ)アクリロイル基ま
たはスチレン基および第4級アンモニウム塩基またはピ
リジニウム塩基を有する化合物の少なくとも一種類の重
合性抗菌剤である抗菌性齲蝕検知液。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は歯牙の齲蝕の治療に
於いて、齲蝕原因菌に感染した歯質を除去する際に、感
染部分を殺菌しつつそこを選択的に染色することによ
り、当該部位の除去に伴ってまき散らされる高濃度汚染
組織細片による口腔内外の汚染を軽減しつつ、感染歯質
の除去を容易にする事により、感染歯質の取り残しや感
染歯質による再汚染を防止し、齲蝕治療をより安全に行
いえる抗菌性齲蝕検知液を提供せんとするものである。 【0002】 【従来の技術】従来、歯牙の齲蝕の治療に於いて、齲蝕
原因菌に感染した歯質を除去する際に、感染部分を選択
的に染色することにより識別性を改善し、感染歯質の除
去を可及的に完全にすることを目的として特開昭51−
38428号にて塩基性フクシンとモノまたは多価アル
コールからなる「齲蝕検知液」が提案され、効果を上げ
てきた。しかし、齲蝕検知液が開発され、商品化され広
く使用された後にも、齲蝕治療後の歯髄刺激の報告は跡
を絶たず、歯科界の大きな問題であった。一方、齲蝕の
予防を目的として、歯の表面に付着し、齲蝕の原因とな
る歯垢等を染色するための「歯垢または歯石検知用組成
物」が特開昭51−38427号にて提案されて、毎日
のブラッシングを十分に行うための指標を与え、歯垢の
危険度を判定するため「齲蝕活性診断用組成物」が特開
昭56−96700号にて提案されていた。前者は各種
染料を多価アルコール及び/又は水に溶解した組成物で
あり、後者はpH指示薬を水溶性ポリマーの水溶液に溶
解し、さらにクロラムフェニコール及びアジ化ナトリウ
ムから選ばれる抗生物質または防腐剤を配合した組成物
であった。 【0003】本発明において問題とする歯髄刺激の原因
に関しては、充填材成分の歯髄への浸透が最も可能性の
高いものとして鋭意研究されてきたが、充填材成分その
ものを歯髄に近接して埋入しても大した刺激は起こら
ず、最近では口腔内細菌の二次的な侵入と、齲蝕原因菌
感染部の除去不良等の細菌原因説が有力視されている。
近年、口腔内細菌の二次的な侵入を防ぐため、歯質と充
填修復材との間の接着性を高めて修復物辺縁のシールを
良くする方向に研究が進み、最近の歯質に対する接着技
術は非常に高度なレベルに到達している。そのため歯髄
刺激の症例は減少したものの、まだ治療後の歯髄刺激の
報告は皆無とは言えない。この歯髄刺激の原因として最
後に考えられているのが齲蝕感染歯質の取り残しと、一
旦除去された感染歯質の患部への再付着である。本発明
者はかかる状況に鑑み、齲蝕原因菌感染部の取り残し及
び/又は一旦除去された感染歯質の再付着という可能性
を根絶し得る材料について、鋭意研究の結果以下の知見
を得た。 【0004】齲蝕検知液は齲蝕感染部が厚い場合に
は、一回の染色で完全に最奥部まで染み込む事はできな
い。このため、齲蝕検知液を何度も使って患部の所在を
確認しながら窩洞を形成していくが、それでも最後の確
認としての染色を怠った場合には、齲蝕原因菌を除去し
きれない可能性がある。 感染歯質除去がほぼ終了した時点では、歯質は染色さ
れているのかいないのか判別しにくい場合があること、
僅かに染色されている部分を完璧に除去しようとすると
切削器具が歯髄腔にまで突き抜けてしまうため、やや染
色されていると思っても、除去を途中で止めてしまう場
合もある。 感染歯質を除去した歯質表面には、スメヤー層と称す
る削りカスの層が必ず存在し、その中への細菌の混入も
疑われている。 切削された歯質の表面には象牙細管と称する細管があ
り、その中にスメヤー層が圧入されたものがスメヤープ
ラグと呼ばれているが、この中に齲蝕原因菌により汚染
された歯質が圧入されている可能性がある。最近の歯科
用接着剤ではスメヤープラグが象牙細管入り口に残って
おり、スメヤープラグが象牙細管入り口を安全に封鎖し
ていると宣伝されているが、このスメヤープラグが齲蝕
原因菌により高濃度に感染された歯質である可能性があ
る。 感染部除去の際に患歯周囲に散布される高濃度汚染歯
質が、唾液等の滲出液に混入して患部を再汚染する可能
性がある。 【0005】ところで、感染歯質の取り残しは避けるべ
きではあるが、万が一感染歯質を取り残しても、あるい
は感染歯質が再付着したとしても、その内に残存する細
菌を不活性にすれば新たな齲蝕の発生は起きないはずで
ある。そのためには齲蝕原因菌に対して有効な抗菌剤溶
液で窩洞内を処理すれば目的を達し得るはずである。こ
のような試みが学会や歯科雑誌でよく紹介されている
が、抗菌剤溶液で齲蝕窩洞を処理しても、抗菌剤溶液が
感染歯質の全領域に浸透するか否かは感染歯質の厚みに
依存し、感染歯質の厚みが厚い場合には効果が薄い場合
がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記問題を解決するた
めには、以下の事項を満足することが必要であると考え
るに至った。 齲蝕検知液を用いた感染歯質の染色と感染歯質の殺菌
とを同時に行うと、それに続く歯質の除去によって発生
する削りカスは殺菌済みのものであるため、それの再付
着による歯髄刺激の危険性や、近隣の歯や歯茎、器具等
を汚染し、新たな齲蝕を誘発する危険性は大幅に少なく
なる。 齲蝕検知のための染色と同時に殺菌を行いつつ感染歯
質を除去する作業を繰り返すと、感染歯質の厚みを減ら
しながら同時に殺菌も行う事になり、病巣深部の細菌に
対しても効率よく殺菌を行う事ができる。特に、最後の
確認の染色を終えた後は窩洞内の感染歯質の残存はな
く、万が一再付着した菌がいたとしても、それは完全に
殺菌されており、確実な治療が可能になる。本発明者は
このような考え方に基づいて抗菌性齲蝕検知液を発明す
べく以下のような検討を加えた。 【0007】本発明で使用される抗菌剤は、従来の歯科
医療において消毒剤、殺菌剤等として用いられてきた公
知のものが使用できるが、齲蝕原因菌と言われている
mutans streptococciやLacto
bacilli、齲蝕原性を持ち得る菌と言われている
streptococcus mitis、actin
omyces viscosus、さらに、歯髄刺激の
原因菌とされている偏性嫌気性菌等に対して、例えば1
000μg/mlの濃度の溶液を5秒間作用させた場合
に、99%以上の細菌を殺菌し得るものが好ましい。 該抗菌剤は水及び/または水混和性溶媒に可溶性であ
ること。 該抗菌剤は本発明の組成物中に保存された場合に、経
時的に分解しない安定性を有し、さらに、本発明の他の
必須成分である色素を退色させない事が必要である。 【0008】さらにまた、齲蝕患部除去後の治療の段
階においても、その抗菌性が継続し残存するものが本発
明の齲蝕検知液の用途に非常に好ましい。すなわち、分
子内に抗菌性基と重合性基とを合わせ持つ重合性抗菌剤
は、それが歯質表面に残存したとしても、それに続く歯
面への歯科用接着剤による処理を阻害せず、なおかつ接
着操作の間に接着剤と共重合して接着層を強化するため
に使われる。すなわち一般的な抗菌剤が歯質表面に残存
していたとしても、それは接着剤の重合には邪魔をしな
いとしても、積極的によいことをしないに対して、本発
明の重合性抗菌剤は、接着の耐久性等を考えると格段に
優れた効果が期待できる。さらに、このような化合物に
は歯質表面を歯科用接着剤との馴染みがよい状態に改質
する事も期待し得る。 【0009】即ち本発明は、水及び/または水混和性溶
媒と、齲蝕感染部を染色して該部位の識別性を向上させ
得る色素と、抗菌剤を含有してなる抗菌性齲蝕検知液に
おいて、該抗菌剤が上記の一般式I、II、III及び
IVで表される分子内に(メタ)アクリロイル基または
スチレン基および第4級アンモニウム塩基またはピリジ
ニウム塩基を有する化合物からなる群から選ばれた少な
くとも一種の重合性抗菌剤であることを特徴とす抗菌性
齲蝕検知液である。 【0010】 【化5】 【0011】 【化6】【0012】 【化7】 【0013】 【化8】 【0014】本発明で使用される重合性抗菌剤は、例え
ば特開平6−9725号、特開平8−157318号に
記載され、上記一般式I、II、III及びIVに示さ
れるような(メタ)アクリロイル基又はスチレン基およ
び第4級アンモニウム塩またはピリジニウム塩基を有す
る化合物等が例示される。 【0015】一般式Iの化合物としては、例えば、ハロ
ゲン化(メタ)アクリロイルオキシエチルピリジニウ
ム、ハロゲン化(メタ)アクリロイルオキシブチルピリ
ジニウム、ハロゲン化(メタ)アクリロイルオキシヘキ
シルピリジニウム、ハロゲン化(メタ)アクリロイルオ
キシオクチルピリジニウム、ハロゲン化(メタ)アクリ
ロイルオキシデシルピリジニウム、ハロゲン化(メタ)
アクリロイルオキシドデシルピリジニウム、ハロゲン化
(メタ)アクリロイルオキシトリデシルピリジニウム、
ハロゲン化(メタ)アクリロイルオキシテトラデシルピ
リジニウム、ハロゲン化(メタ)アクリロイルオキシペ
ンタデシルピリジニウム、ハロゲン化(メタ)アクリロ
イルオキシヘキサデシルピリジニウム、ハロゲン化(メ
タ)アクリロイルオキシオクタデシルピリジニウム、ハ
ロゲン化(メタ)アクリロイルオキシエイコシルピリジ
ニウム、ハロゲン化(メタ)アクリロイルオキシペンタ
エイコシルピリジニウム、ハロゲン化(メタ)アクリロ
イルオキシヘキサデシルキノリニウム、ハロゲン化(メ
タ)クリロイルオキシオクタデシルキノリニウム、ハロ
ゲン化(メタ)アクリロイルオキシヘキサデシルアクリ
ジニウム、ハロゲン化N,N,N−トリエチル−N−(メ
タ)アクリロイルオキシエイコシルアンモニウム、1−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−1’−ヘキサデシ
ル−4,4’−ビピリジニウムジブロマイド、1−(メ
タ)アクリロイルオキシドデシル−1’−メチル−4,
4’−ビピリジニウムジブロマイド、1−(メタ)アク
リロイルオキシテトラデシル−1'−ヘキサデシル−
4、4'−ビピリジニウムジブロマイド、N、N−ジエ
チル−N−(メタ)アクリロイルオキシデシルアミンハ
イドロクロライド、(メタ)アクリロイルオキシオクタ
デシルピペリジニウムハイドロクロライド、N,N−ジ
メチル−N−ヘキサデシル−N−(メタ)アクリロイル
オキシヘキシルアミンハイドロブロマイド、N−ベンジ
ル−N,N−ジメチル−N−メタクリロイルオキシオク
チルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。 【0016】一般式IIの化合物としては、N,N−ジ
ドデシル−N,N−ビス(メタクリロイルオキシオクチ
ルアンモニウムブロマイド、N−ベンジル−N−メチル
−N,N−ビス(メタクリロイルオキシエイコシル)ア
ンモニウムクロライド 、4−エチル−N,N-ビス(メタ
クリロルヘキサデシル)ピぺリジニウムクロライド、
1,1'−ビス(メタクリロイルオキシエチル)−4,
4'−ビピリジニウムジクロライド、1,1'−ビス(メ
タクリロイルオキシヘキサデシル)−4,4'−ビピリ
ジニウムジクロライドなどが挙げられる。 【0017】一般式IIIの化合物としては、2−スチ
リルエチルジメチルドデシルアンモニウムクロライド、
2−スチリルエチルジメチルヘキサデシルアンモニウム
クロライド、4−ビニルベンジルジエチルドデシルアン
モニウムクロライド、4−ビニルベンジルジメチルヘキ
サデシルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。 【0018】一般式IVの化合物としては、メタクリロ
イルオキシエチル[4−N−オクタデシルピリジニルメ
チル]コハク酸エステル臭化物、メタクリロイルオキシ
エチル[4−N−オクタデシルピリジニルメチル]コハ
ク酸エステル塩化物、メタクリロイルオキシドデシル
[4−N−エチルピリジニルメチル]コハク酸エステル
臭化物、メタクリロイルオキシエチル[4−N−ヘキサ
デシルピリジニルメチル]コハク酸エステル臭化物、メ
タクリロイルオキシエチル[4−N−ヘキサデシルピリ
ジニルメチル]コハク酸エステル塩化物、メタクリロイ
ルオキシエチル[4−N−ドデシルピリジニルメチル]
コハク酸エステル臭化物、メタクリロイルオキシエチル
[4−N−ドデシルピリジニルメチル]コハク酸エステ
ル塩化物、ヘキサデシル[4−3―(5−メタクリロイ
ルオキシ)バレロイルオキシ]プロピル]ピリジニウム
ブロマイド、ヘキサデシル[4−(12−メタクリロイ
ルアミノ)ドデカノイルオキシメチル]ピリジニウムク
ロライド等が挙げられる。 【0019】中でも、炭素数10以上のアルキレン骨格
を有する重合性抗菌剤が抗菌性が優れ好適に使用され
る。さらに、炭素数19以上のアルキレン骨格を有する
重合性抗菌剤を配合した齲蝕検知液では、塗布性および
歯質への吸着性が良好であるので、好適に使用される。 【0020】これらの抗菌剤は一種類または二種以上の
組み合わせで用いられ、溶媒中の抗菌剤濃度は0.00
001重量%〜50重量%、好ましくは0.1重量%〜
10重量%の範囲とする。 【0021】また、ある種の抗生物質や、アジ化ナトリ
ウム、フェノール、クレゾール、過酸化水素、ヨードホ
ルム、次亜塩素酸等の抗菌剤は、本発明の組成物成分中
で容易に分解したり、本発明の必須要件である色素を分
解あるいは変質させたり、抗菌剤が歯質表面に残留した
場合に、それに積層したラジカル重合性組成物の重合を
阻害する可能性が大きく、そのようなものは本発明の組
成物には使用出来ない。 【0022】また、本発明の抗菌性齲蝕検知液に使用す
る色素は、上記溶媒に溶解し、齲蝕検知液の浸透した部
分を目視的に明示でき、さらに、これが浸透した部分を
水洗されても水洗により除去されない物を選択する必要
がある。また、色素の色は天然歯質の色とは明らかに異
質で目立つ色が好ましく、赤色、青色、紫、黒その他の
濃い色が好ましい。 【0023】そのような色素として、塩基性フクシン、
エオシン、エリスロシン、酸性フクシン、サフラニン、
ローズベンガル、ベーメル、フロキシンBK、アシッド
レッド、ファストアシッドマゼンダ、フロキシンB、フ
ァストグリーンFCF、ローダミンB、ゲンチアナ紫、
銅クロロフィルソーダ、ラッカイン酸、コチニール、シ
ソシンよりなる群から選ばれた一種又は二種以上の色素
が例示される。溶剤中の色素の濃度は0.1〜2重量
%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲とする。これよ
り低い場合には十分な着色が得られず、他方この範囲よ
り高い濃度では第一脱灰層あるいは更に健全な部分にま
で着色が及ぶことがあり、かえって識別が困難となる場
合がある。 【0024】本発明の組成物に使用する溶媒は、水及び
/または水混和性溶媒である。該溶媒は色素や抗菌剤を
溶かす必要がある。このような溶媒として水と任意の量
で混和して均一溶液を形成し得る溶媒が好ましく、その
ような水混和性溶媒としては炭素数10以下で極性基を
有し、その粘度が20cps以下の溶媒が望ましい。な
かでも炭素数2〜10個を有する有機モノ、ジ又はトリ
ヒドロキシ化合物は齲蝕部分への色素の浸透性を高め、
齲蝕部分を鮮明に染色させる効果を有するので好まし
い。 【0025】これらの化合物としては、たとえば次のよ
うなものがあげられる。エタノール、エチレングリコー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、1,2ープ
ロピレングリコール、1,3ープロピレングリコール、
1,2ーブタンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、イソブチルアルコール、n−
アミルアルコール、イソアミルアルコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレン
グリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノア
セテート、 【0026】ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノアセテート、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエ
チルエーテル、グリセリンなどが挙げられ、中でもプロ
ピレングリコール、トリエチレングリコールが良好な結
果を与える。また、モノ、ジ、トリヒドロキシ化合物以
外の有機溶剤としてはテトラヒドロフラン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセ
トン、ジメトキシエタン等を挙げることができる。 【0027】フェノールは毒性が強くて用いることがで
きず、有機アミンは染着力はあるが臭気あるいは為害作
用の面から不適当であり、炭化水素は色素の溶解性がよ
くなく染着力も水を用いたときより更に劣る。これらの
有機溶剤は前述のように水と混合しても用いられ、ま
た、これらの有機溶剤2種以上を混合して用いることも
できる。各溶剤の混合量比は溶剤の種類により適宜選ば
れる。 【0028】本発明の試薬の調製は極めて容易であり、
所望量の色素と抗菌剤を有機溶剤、蒸留水またはこれら
の混合溶液中に加え、室温または加熱下に撹拌溶解せし
めるだけで目的に達成する。また別法としては、色素と
殺菌剤をあらかじめ有機溶剤、蒸留水またはこれらの混
合液中に所望量より多い量を溶解させておき、使用時に
それに有機溶剤、蒸留水等を加えて希釈し、所望の濃度
にしてもよい。 【0029】本発明の方法によって得られる抗菌性齲蝕
検知液を患者の患歯の窩洞に適用するには、細長いノズ
ルのついた容器にこの試薬を入れ、ノズルの先端よりこ
の試薬の少量を窩洞内に滴下し、1〜10秒後に窩洞内
を水洗することにより行われる。この極めて簡単な操作
によって、残存している第一脱灰層のみが鮮明に染色さ
れ、第二脱灰層および健全象牙質はほとんど染色され
ず、したがって齲蝕原因菌に感染した部分を的確に検知
し、同時に感染部の細菌を殺菌あるいは静菌することが
できる。 【0030】実施例により本発明をさらに説明する。 【実施例1〜15、比較例1〜2】下表1に示す各種色
素0.5重量部、抗菌剤0.5重量部および有機溶媒1
00重量部を室温下にて混合撹拌して、表1に示すよう
な各種の検知試薬を調製した。これを用いて、抜去した
齲蝕歯牙の切断面について染着識別性、抗菌性を調べ
た。染着識別性は試薬を切断面に塗布して約5秒後にそ
の適用部分を水洗して観察し、もともと存在している色
相差および硬度差にもとづき判別される齲蝕部分と健全
象牙質部分が、より明瞭に染め分けられるかどうかを以
下の基準で判定を行った。 【0031】 ++ ; 鮮明に染着 + ; 染着 +− ; わずかに染着 − ; ほとんど染着しない 【0032】抗菌性は齲蝕羅患歯の齲蝕部分に調作製し
た各試薬を塗布して5秒後に水洗して、染着した部分と
さらに深い部分をエアータービンに装着したカーバイド
バーで切削した。その後切削物を無菌的に調製したBH
I(ブレインハートインフュージョン)液体培地中に入
れて10分間超音波洗浄を行った後、48時間培養して
齲蝕原因細菌の発育を吸光度から換算し、以下の基準で
判定を行った。 【0033】++;染着部の細菌の発育阻止が認めら
れ、未染着部の細菌の発育は認められなかった。 +−;染着部の細菌の発育阻止が認められ、未染着部の
細菌の発育は認められた。 −−;染着部の細菌の発育阻止が全く認められず、未染
着部の細菌の発育も認められた。 【0034】 【表1】【0035】M4PC:メタクリロイルオキシブチルピリジ
ニウムクロライド M8PC:メタクリロイルオキシオクチルピリジニウムクロ
ライド M10PC:メタクリロイルオキイデシルピリジニウムクロ
ライド M12PC:メタクリロイルオキシドデシルピリジニウムク
ロライド M13PC:メタクリロイルオキシトリデシルピリジニウム
クロライド M16PC:メタクリロイルオキシヘキサデシルピリジニウ
ムクロライド M20PC:メタクリロイルオキシエイコシルピリジニウム
クロライド APSM-16:メタクリロイルオキシエチル(4−N−ヘキ
サデシルピリジニルメチルコハク酸エステル臭化物 VBMDC:4−ビニルベンジルジメチルドデシルアンモニ
ウムクロライド 【0036】 【発明の効果】本発明は、齲蝕部分の検知と同時に齲蝕
部分に存在する歯随疾患の原因菌を殺菌または静菌する
効果を有する抗菌性齲蝕検知液を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C085 HH13 KA09 KA36 KB42 KB45 KB52 KB55 KB56 KB99 LL05 4C089 AA20 BA10 BC05 BC07 BC08 BC10 BC11 CA03

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 水及び/または水混和性溶媒と、齲蝕感
    染部を染色して該部位の識別性を向上させ得る色素と、
    抗菌剤を含有してなる抗菌性齲蝕検知液において、該抗
    菌剤が下記の一般式I、II、III及びIVで表され
    る分子内に(メタ)アクリロイル基またはスチレン基お
    よび第4級アンモニウム塩基またはピリジニウム塩基を
    有する化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種の
    重合性抗菌剤であることを特徴とする抗菌性齲蝕検知
    液。 【化1】 【化2】【化3】 【化4】
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