JP2000063149A - 感光性ガラス板への孔開け加工方法 - Google Patents

感光性ガラス板への孔開け加工方法

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JP2000063149A
JP2000063149A JP10231053A JP23105398A JP2000063149A JP 2000063149 A JP2000063149 A JP 2000063149A JP 10231053 A JP10231053 A JP 10231053A JP 23105398 A JP23105398 A JP 23105398A JP 2000063149 A JP2000063149 A JP 2000063149A
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photosensitive glass
glass plate
latent image
photosensitive
etching
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Masao Takemura
政夫 竹村
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Nidec Sankyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い位置精度で、かつ、深さ寸法の精度の高
い孔を形成することのできる感光性ガラス板への孔開け
加工方法を提供すること。 【解決手段】 紫外線に対する遮光性を備えた低融点ガ
ラス層3を挟んで第1および第2の感光性ガラス板1、
2同士を貼り合わせて積層ガラス7を形成し、第1およ
び第2の感光性ガラス板1、2にそれぞれ第1および第
2のマスク5、6を介して紫外線を照射して第1および
第2の潜像部11、21を形成する。この積層ガラス7
に熱現像処理を行って第1および第2の潜像部11、2
1を結晶化し、積層ガラス7から前記第1および第2の
潜像部11、21をエッチング除去するとともに、低融
点ガラス層3のうち第1および第2の潜像部11、21
が除去されて露出した部分をエッチング除去する。その
結果、積層ガラス7に段付き孔8を形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性ガラス板へ
の孔開け加工方法に関するものである。さらに詳しく
は、感光性ガラス板の表裏それぞれに孔開け加工を行う
ための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドのノズルやドット
プリンタのワイヤガイド等には、途中で径寸法の変わる
段差が形成された段付き孔が使用されている。このよう
な段付き孔を形成する方法は、特開平2−92839号
公報、特開平6−227843号公報および特開平6−
28613号公報に開示されている。
【0003】これらの先行技術のうち、特開平2−92
839号公報に開示されている段付き孔の形成方法で
は、まず、2枚の感光性ガラス板に対してそれぞれ別々
にマスク露光して潜像を形成した後、熱処理して潜像を
結晶化する。次に、2枚の感光性ガラス板のそれぞれに
エッチングを行って各潜像部分を除去することにより、
2枚の感光性ガラス板にそれぞれ異なる径寸法の貫通孔
を形成し、しかる後に2つの貫通孔が重なるように2枚
の感光性ガラス板を貼り合わせることにより段付き孔を
形成する。
【0004】また、特開平6−227843号公報に開
示されている段付き孔の形成方法では、まず、感光性ガ
ラス板にマスク露光を行って第1の潜像を形成し、熱処
理して第1の潜像を結晶化した後、第1の潜像と重なる
領域にマスク露光を行い、第1の潜像より径の大きな第
2の潜像を形成する。次に、感光性ガラス板にエッチン
グを行うことにより、すでに結晶化している第1の潜像
部分のみを除去し、第2の潜像の内側に小径孔を形成す
る。次に、感光性ガラス板を再び熱処理して第2の潜像
を結晶化した後、第2の潜像の内側に形成された小径孔
に耐エッチング材からなるシール材を充填する一方、第
2の潜像の一方の端面部をシール材で覆う。次に、感光
性ガラス板にエッチングを行うことにより、第2の潜像
のうち、シール材で覆われた側とは反対側の端面部から
所定の深さ分のみを除去し、シール材で覆った側に第2
の潜像の一部を残す。しかる後に、シール材を除去する
ことにより、段付き孔を形成する。
【0005】さらに、特開平6−286163号公報に
開示されている段付き孔の形成方法では、まず、感光性
ガラス板にマスク露光を行い、感光性ガラス板を貫通す
る第1の潜像を形成し、次に、感光性ガラス板に第1の
潜像と重ねる領域に対してマスク露光を行い、第1の潜
像よりも浅くて大きい第2の潜像を形成する。次に、感
光性ガラス板を熱処理して第1および第2の潜像を結晶
化し、しかる後にエッチングして第1および第2の潜像
部分を一括して除去することにより段付き孔を形成す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されている感光性ガラス板への段付き孔の形成
方法には、次のような問題がある。
【0007】まず、特開平2−92839号公報に開示
されている段付き孔の形成方法では、2枚の感光性ガラ
ス板にそれぞれ形成した潜像の大きさが異なるので、感
光性ガラス板に熱処理を施した際に、2枚の感光性ガラ
ス板の熱収縮量に差が生じる。従って、2つの貫通孔が
正確に重なるように2枚の感光性ガラス板を精度よく貼
り合わせるのが難しい。このため、段付き孔の大径部分
と小径部分の位置関係がずれてしまうという問題があ
る。
【0008】また、特開平6−227843号公報に開
示されている段付き孔の形成方法では、感光性ガラス板
を熱処理して第1の潜像を結晶化させた後、第2の潜像
を形成するための露光を行う。従って、第2の潜像を形
成するための露光を行う際には、第1の潜像を結晶化さ
せるための熱処理によって感光性ガラス板に熱収縮が起
きているので、第2の潜像を形成する際のマスク合わせ
が難しい。このため、第2の潜像の位置を精度よく設定
できない。それ故、この方法でも、段付き孔の大径部分
と小径部分の位置関係がずれてしまう。また、第2の潜
像に対するエッチング深さによって小径部分の深さ寸法
や大径部分の深さ寸法が決まるが、このような深さ寸法
を高い精度で制御できるほどエッチング条件を管理する
のは困難である。しかも、第2の潜像の途中までしかエ
ッチングしないので、第2潜像の残された部分の表面が
孔内の段差面となるが、この第2の潜像の残された部分
の表面を平坦にエッチングするのは困難である。このた
め、段付き孔の内面は粗いものとなってしまう。
【0009】さらに、特開平6−286163号公報に
開示されている段付き孔の形成方法では、第2の潜像を
形成する際の露光量によって段付き孔の大径部分の深さ
寸法を決めることになるが、このような深さ寸法を高い
精度で制御できるほど露光量を管理するのは困難であ
る。
【0010】以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、
感光性ガラスからなる板材の表裏に高い位置精度で、か
つ、深さ寸法の精度の高い孔をそれぞれ形成することの
できる感光性ガラス板への孔開け加工方法を提供するこ
とにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の感光性ガラス板への孔開け加工方法では、
紫外線に対する遮光性を有する低融点ガラスを挟んで第
1の感光性ガラス板と第2の感光性ガラス板とを貼り合
わせて積層ガラスを形成する貼り合わせ工程と、前記積
層ガラスのうちの前記第1の感光性ガラス板に第1のマ
スクを介して紫外線を照射して第1の潜像部を形成する
とともに、前記第2の感光性ガラス板に第2のマスクを
介して紫外線を照射して第2の潜像部を形成する露光工
程と、前記積層ガラスに熱処理を行って前記第1および
第2の潜像部を結晶化させる熱現像工程と、前記積層ガ
ラスから前記第1および第2の潜像部をエッチング除去
することにより当該積層ガラスの表裏に孔を形成するエ
ッチング工程とを行うことを特徴とする。
【0012】本発明では、貼り合わせ工程において第1
および第2の感光性ガラス板を低融点ガラス層を介して
貼り合わせて積層ガラスを形成し、この積層ガラスに対
して露光工程を行っているので、第1および第2の感光
性ガラス板の何れをも熱現像工程において高温に晒す前
に露光工程を行うことになる。従って、第1および第2
の感光性ガラス板の何れにも熱による変形が発生してい
ないので、露光工程によって第1および第2の感光性ガ
ラス板のそれぞれに形成した第1および第2の潜像部
(第1および第2の潜像部をエッチング除去することに
よって形成される各孔)の間に高い位置精度を確保でき
る。また、露光工程を行う前に、貼り合わせ工程におい
て第1および第2の感光性ガラス板を貼り合わせておく
ので、貼り合わせ工程では第1および第2の感光性ガラ
ス板を高い精度で位置合わせする必要がない。従って、
感光性ガラス板に対してアライメントマークを付けた
り、感光性ガラス板を位置合わせするための高価な設備
を準備する必要がない。しかも、第1の感光性ガラス板
と第2の感光性ガラス板とを貼り合わせている低融点ガ
ラス層は、金属と比べて感光性ガラスと熱膨張係数が近
い。従って、第1および第2の感光性ガラス板の貼り合
わせに際して応力が小さいので、第1の感光性ガラス板
と第2の感光性ガラス板の接合強度が高いという利点が
ある。
【0013】また、別々に熱処理を施す方法とは違い、
第1および第2の感光性ガラス板は、貼り合わせ工程に
おいて貼り合わされた状態で熱現像工程において加熱さ
れるので、第1および第2の感光性ガラス板の間で結晶
化のパターンが相違していても、熱収縮量が同等であ
る。従って、第1の感光性ガラス板に形成された第1の
潜像部と第2の感光性ガラス板に形成された第2の潜像
部との間の位置精度(第1および第2の潜像部に相当す
る部分に形成された孔の位置精度)が熱現像工程によっ
て低下するということがない。また、第1および第2の
感光性ガラス板同士を貼り合わせた状態で熱現像工程に
おいて熱処理を施すので、1回の熱処理によって第1の
感光性ガラス板に形成された第1の潜像部と第2の感光
性ガラス板に形成された第2の潜像部の結晶化が終了す
る。従って、第1の感光性ガラス板と第2の感光性ガラ
ス板を別々に熱処理する方法と比べて、熱処理にかかる
工数を低減できる。
【0014】さらに、第1の感光性ガラス板と第2の感
光性ガラス板との間に紫外線に対する遮光性を備えた低
融点ガラス層を介在させた状態で露光工程を行うので、
露光量が変動しても、第1の潜像部の深さ寸法は第1の
感光性ガラス板の厚さ寸法に一致し、第2の潜像部の深
さ寸法は第2の感光性ガラス板の厚さ寸法に一致する。
しかも、エッチング工程では、潜像部に対するエッチン
グを途中で停止させる方法とは違って、第1および第2
の感光性ガラス板に形成された第1および第2の潜像部
全体を除去するので、エッチング時間が変動しても、そ
こに形成される孔の深さ寸法は、第1および第2の感光
性ガラス板の厚さ寸法に一致する。従って、第1および
第2の感光性ガラス板のそれぞれに形成した孔の深さ寸
法の精度が高い。
【0015】さらにまた、潜像部とそうでない部分の境
界面が孔の内面となるので、潜像部の途中までしかエッ
チング除去しない方法と比較して、内面が平滑な孔を形
成できる。
【0016】本発明において、前記露光工程では、第1
および第2の感光性ガラス板の間で異なる位置に潜像部
を形成することにより、これらの感光性ガラス板からな
る積層ガラスの表裏に独立した孔を形成してもよいが、
前記露光工程において、前記第1の潜像部と前記第2の
潜像部とが互いに異なる径寸法をもって重なるように露
光し、前記エッチング工程では、前記積層ガラスから前
記第1および第2の潜像部をエッチング除去するととも
に前記第1および第2の潜像部との間に位置する部分の
前記低融点ガラス層をエッチッグ除去することにより、
前記積層ガラスに対して段付き孔を形成することが好ま
しい。
【0017】また、前記エッチング工程では、前記第1
および第2の感光性ガラス板、および前記低融点ガラス
層の双方に対してエッチング性を有するエッチング液を
用いることが好ましい。このように構成すると、一度の
エッチング処理によって潜像部と低融点ガラス層とをエ
ッチンッグ除去できる。
【0018】本発明において、前記貼り合わせ工程で
は、たとえば、低融点ガラス粉末および着色剤を含むペ
ースト状組成物の層を前記第1および第2の感光性ガラ
ス板のうちの少なくとも一方の感光性ガラス板に形成し
た後、当該ペースト状組成物の層を挟んで前記第1の感
光性ガラス板と前記第2の感光性ガラス板とを重ね合わ
せ、しかる後に前記ペースト状組成物を加熱し前記低融
点ガラス粉末を溶融させることにより、紫外線に対する
遮光性を有する低融点ガラス層を挟んで前記第1の感光
性ガラス板と前記第2の感光性ガラス板とを貼り合わせ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の感光性ガラス板への孔開け加工方法の実施の形態を説
明する。
【0020】[段付き孔の形成方法]図1(A)〜
(H)は、本発明の感光性ガラス板への孔開け加工方法
を示す説明図である。これらの図を参照して、感光性ガ
ラス板に段付き孔を形成する方法を説明する。
【0021】まず、図1(A)〜(C)に示すように、
LiO2 などを含有する感光性ガラス板(第1および第
2の感光性ガラス板1、2)を2枚、準備する。この感
光性ガラス板は、紫外線照射された部分に熱処理を施す
と、リチウムシリケート(Si−LiO2 )の微細な結
晶が析出し、このような微細な結晶が析出した部分は弗
酸(フッ化水素酸)系のエッチングによってエッチング
除去できる性質を有する。そこで、本形態では、このよ
うな性質を利用して、表裏に孔の形成された感光性ガラ
スからなる板材(後述する積層ガラス)を製造すること
を特徴とする。本形態では、2枚の感光性ガラス板のう
ち、第1の感光性ガラス板1の厚さ寸法はt1であり、
第2の感光性ガラス板2の厚さ寸法はt2である。
【0022】(貼り合わせ工程)このように準備した感
光性ガラス板のうち、図1(A)に示すように、第1の
感光性ガラス板1の上面に、スクリーン印刷法あるいは
ロールコータ法等の方法によりガラスペースト31を数
マイクロメートルの厚さで塗布する。ここで用いたガラ
スペースト31は、第1および第2の感光性ガラス板
1、2よりも融点が低いホウケイ酸鉛ガラス等の低融点
ガラスの粉末、カーボンブラック等の紫外線に対する遮
光性を有する着色剤、樹脂、および有機溶剤を配合した
ペースト状組成物である。
【0023】次に、ガラスペースト31を仮焼成する。
すなわち、ガラスペースト31が塗布された第1の感光
性ガラス板1を加熱炉に入れて、200℃〜500℃の
温度で加熱する。この加熱により、図1(B)に示すよ
うに、ガラスペースト31から樹脂および溶剤が除去さ
れて第1の感光性ガラス板1の上面に低融点ガラス層3
が形成される。
【0024】次に、図1(C)に示すように、第1の感
光性ガラス板1の上面に形成された低融点ガラス層3の
上に第2の感光性ガラス板2を重ねる。
【0025】次に、第1および第2の感光性ガラス板
1、2の両側から荷重をかけながら、第1および第2の
感光性ガラス板1、2を加熱・冷却する。その結果、図
1(D)に示すように、薄く延ばされた低融点ガラス層
3によって第1の感光性ガラス板1と第2の感光性ガラ
ス板2とが熱融着され、第1の感光性ガラス板1と第2
の感光性ガラス板2とが貼り合わさた積層ガラス7が形
成される。
【0026】(露光工程)次に、図1(E)に示すよう
に、第1の感光性ガラス板1の表面12に、パターニン
グ用の第1のマスク5を取り付ける。第1のマスク5に
は第1の円形窓51が形成されている。また、第2の感
光性ガラス板2の表面22には、パターニング用の第2
のマスク6を取り付ける。第2のマスク6には第1の円
形窓51よりも大きめの第2の円形窓61が形成されて
いる。ここで、第1および第2のマスク5、6の第1の
円形窓51の中心と第2の円形孔の中心とを垂直な軸線
L上で重ねる。
【0027】このようにして第1および第2のマスク
5、6を配置した後、第1のマスク5を介して第1の感
光性ガラス板1の表面12に対して垂直に紫外線を照射
する。このようにすると、第1の感光性ガラス板1に
は、第1の円形窓51に対応する断面形状をもって第1
の感光性ガラス板1の厚さ方向に延びる円柱状の第1の
潜像部11が形成される。ここで、第1および第2の感
光性ガラス板1、2の間には、紫外線を遮光する着色が
施された低融点ガラス層3が形成されているので、紫外
線は第1の感光性ガラス板1を透過した時点で遮光さ
れ、第2の感光性ガラス板2には届かない。
【0028】また、第2のマスク6を介して第2の感光
性ガラス板2の表面22に対しても垂直に紫外線を照射
する。このようにすると、第2の感光性ガラス板2に
は、第2の円形窓61に対応する断面形状をもって第2
の感光性ガラス板2の厚さ方向に延びる円柱状の第2の
潜像部21が形成される。ここで、第1および第2の感
光性ガラス板1、2の間には紫外線を遮光する着色が施
された低融点ガラス層3が形成されているので、紫外線
は第2の感光性ガラス板2を透過した時点で遮光され、
第1の感光性ガラス板1には届かない。
【0029】(熱現像工程)このようにして第1および
第2の潜像部11、21を形成した積層ガラス7に熱処
理(熱現像処理)を施す。その結果、図1(F)に示す
ように、第1および第2の感光性ガラス板1、2に形成
された第1および第2の潜像部11、21が結晶化し、
エッチングされやすくなる。
【0030】(エッチング工程)次に、感光性ガラス板
7をエッチング液に浸漬する。エッチング液は、例えば
フッ酸5重量%および硝酸10重量%の水溶液である。
従って、このエッチング液に配合したフッ酸により、積
層ガラス7に形成されている第1および第2の潜像部1
1、21が除去される。その結果、図1(G)に示すよ
うに、積層ガラス7の表裏にはそれぞれ、第1の潜像部
11が除去されて形成された小径孔14と、第2の潜像
部21が除去されて形成された大径孔24が形成され
る。また、小径孔14および大径孔24の底面部では、
第1および第2の感光性ガラス板1、2の間に挟まれて
いた低融点ガラス層3が露出することになり、この露出
した低融点ガラス層3は、エッチング液に混入している
硝酸によって除去される。その結果、図1(H)に示す
ように、小径孔14と大径孔24とが連結された段付き
孔8が形成される。
【0031】(本形態の効果)以上説明したように、本
形態の加工方法によれば、貼り合わせ工程において第1
および第2の感光性ガラス板1、2を低融点ガラス層3
を介して貼り合わせて積層ガラス7を形成し、この積層
ガラス7に対して露光工程を行っているので、第1およ
び第2の感光性ガラス板1、2の何れについても、熱現
像工程において高温に晒す前に露光工程を行うことにな
る。従って、第1および第2の感光性ガラス板1、2の
何れにも熱による変形が発生していないので、露光工程
によって第1および第2の感光性ガラス板1、2のそれ
ぞれに形成した第1および第2の潜像部11、21の間
に高い位置精度を確保できる。このため、第1の潜像部
11の中心と第2の潜像部21の中心とを完全に一致さ
せることができるので、第1の潜像部11を除去するこ
とにより形成される小径孔14の中心軸線L1と、第2
の潜像部21を除去することにより形成される大径孔2
4の中心軸線L2とが完全に一致した位置精度の高い段
付き孔8を形成することができる。
【0032】また、露光工程を行う前に、貼り合わせ工
程において第1および第2の感光性ガラス板1、2を貼
り合わせておくので、貼り合わせ工程では第1および第
2の感光性ガラス板1、2を高い精度で位置合わせする
必要がない。従って、感光性ガラス板に対してアライメ
ントマークを付けたり、感光性ガラス板を位置合わせす
るための高価な設備を準備する必要がない。
【0033】しかも、第1の感光性ガラス板1と第2の
感光性ガラス板2とを融着するために用いている低融点
ガラス層3は、金属と比べて感光性ガラスと熱膨張係数
が近い。従って、第1および第2の感光性ガラス板1、
2の貼り合わせに際して応力が小さいので、第1の感光
性ガラス板1と第2の感光性ガラス板2の接合強度が高
いという利点もある。
【0034】さらに、第1および第2の感光性ガラス板
1、2を別々に熱処理を施す方法とは違い、別々に熱処
理を施す方法とは違い、第1および第2の感光性ガラス
板1、2は、貼り合わせ工程において貼り合わされた
後、熱現像工程において加熱されるので、第1および第
2の感光性ガラス板1、2の間で結晶化のパターンが相
違していても、熱収縮量が同等である。従って、第1の
感光性ガラス板1に形成された第1の潜像部11と第2
の感光性ガラス板12に形成された第2の潜像部21と
の間の位置精度(第1および第2の潜像部12、21に
相当する部分に形成された小径孔14および大径孔24
の位置精度)が熱現像工程によって低下するということ
がない。それ故、第1および第2の潜像部11、21に
相当する部分に形成される段付き孔8の小径孔14と大
径孔24との間において位置精度が高い。
【0035】また、第1の感光性ガラス板1と第2の感
光性ガラス板2とを貼り合わせた状態で熱現像工程を行
うので、1回の熱現像処理によって第1の感光性ガラス
板1に形成された第1の潜像部11と第2の感光性ガラ
ス板2に形成された第2の潜像部21の結晶化が終了す
る。従って、第1の感光性ガラス板1と第2の感光性ガ
ラス板2を別々に熱現像処理する方法と比べて、熱現像
処理にかかる工数を低減できる。
【0036】さらに、第1の感光性ガラス板1と第2の
感光性ガラス板2との間に紫外線に対する遮光性を備え
た低融点ガラス層8を介在させた状態で露光工程を行う
ので、第1の感光性ガラス板1に照射された紫外線は、
第1の感光性ガラス板1を透過しても第2の感光性ガラ
ス板2には届かない。また、第2の感光性ガラス板2に
照射された紫外線は第2の感光性ガラス板2を透過して
も第1の感光性ガラス板1には届かない。従って、露光
量が変動しても、第1の潜像部11の深さ寸法d1は第
1の感光性ガラス板1の厚さ寸法t1に一致し、第2の
潜像部21の深さ寸法d2は第2の感光性ガラス板2の
厚さ寸法t2に一致する。このため、露光量を管理する
ことによって潜像部の深さ寸法を決める方法とは違い、
第1および第2の潜像部11、21の深さ寸法d1、d
2を正確に決めることができる。しかも、エッチング工
程では、潜像部に対するエッチングを途中で停止させる
方法とは違って、第1および第2の感光性ガラス板1、
2に形成された第1および第2の潜像部11、21の全
体を除去している。このため、エッチング時間が変動し
ても、そこに形成される小径孔14と大径孔24の深さ
寸法d1、d2は、第1および第2の感光性ガラス板
1、2の厚さ寸法t1、t2に一致する。従って、第1
および第2の感光性ガラス板1、2のそれぞれに形成し
た小径孔14および大径孔24の深さ寸法d1、d2の
精度が高い。それ故、深さ寸法の精度が高い段付き孔8
を形成できる。
【0037】さらにまた、第1および第2の潜像部1
1、21とそうでない部分の境界面が段付き孔8の内面
となるので、潜像部の途中までしかエッチング除去しな
い方法と比較して、内面が平滑な段付き孔8を形成でき
る。
【0038】また、エッチング工程では、第1および第
2の感光性ガラス板1、2に形成された第1および第2
の潜像部11、21を溶解するためのフッ酸と、低融点
ガラス層8を溶解する硝酸とを配合したエッチング液を
用いているので、一度のエッチング処理によって第1お
よび第2の潜像部11、21と低融点ガラス層8とを溶
解することができる。従って、別々のエッチング液を用
いて、二度に分けてそれぞれを溶解する場合と比べて、
手間をかけずにエッチング処理を行うことができる。
【0039】[その他の実施の形態]なお、上記形態で
は、露光工程において、第1の潜像部11と第2の潜像
部21とが互いに異なる径寸法をもって重なるように露
光することにより、積層ガラス7に対して段付き孔8を
形成しているが、第1および第2の感光性ガラス板の間
で異なる位置に潜像部を形成することにより、これらの
感光性ガラス板からなる積層ガラスの表裏に独立した孔
を形成してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の感光性ガ
ラス板への孔開け加工方法では、第1および第2の感光
性ガラス板を貼り合わせた後、熱現像工程において高温
に晒す前に露光工程を行う。従って、第1および第2の
感光性ガラス板に熱変形が発生していないので、露光工
程において第1および第2の感光性ガラス板のそれぞれ
に形成した第1および第2の潜像部(第1および第2の
潜像部をエッチング除去することによって形成される各
孔)の間に高い位置精度を確保できる。また、露光工程
を行う前に第1および第2の感光性ガラス板を貼り合わ
せておくので、第1および第2の感光性ガラス板を高い
精度で貼り合わす必要がない。従って、感光性ガラス板
に対してアライメントマークを付けたり、感光性ガラス
板を位置合わせするための高価な設備を準備する必要が
ない。しかも、低融点ガラス層は感光性ガラスと熱膨張
係数が近いため、貼り合わせに際しての応力が小さいの
で、第1の感光性ガラス板と第2の感光性ガラス板の接
合強度が高いる。さらに、第1および第2の感光性ガラ
ス板は、貼り合わされた状態で熱現像工程に供されるの
で、第1および第2の感光性ガラス板の間で結晶化のパ
ターンが相違していても、熱収縮量が同等である。従っ
て、第1の感光性ガラス板に形成された第1の潜像部と
第2の感光性ガラス板に形成された第2の潜像部との間
の位置精度(第1および第2の潜像部に相当する部分に
形成された孔の位置精度)が熱現像工程によって低下し
ない。また、第1および第2の感光性ガラス板同士を貼
り合わせた状態で熱現像工程およびエッチング工程を行
うので、工数を低減できる。さらにまた、第1の感光性
ガラス板と第2の感光性ガラス板との間に遮光性を備え
た低融点ガラス層を介在させた状態で露光工程を行うの
で、露光量が変動しても、第1の潜像部の深さ寸法は第
1の感光性ガラス板の厚さ寸法に一致し、第2の潜像部
の深さ寸法は第2の感光性ガラス板の厚さ寸法に一致す
る。しかも、エッチング工程では、潜像部に対するエッ
チングを途中で停止させる方法とは違って、第1および
第2の感光性ガラス板に形成された第1および第2の潜
像部全体を除去するので、エッチング時間が変動して
も、そこに形成される孔の深さ寸法は、第1および第2
の感光性ガラス板の厚さ寸法に一致する。従って、第1
および第2の感光性ガラス板のそれぞれに形成した孔の
深さ寸法の精度が高い。しかも、潜像部とそうでない部
分の境界面が孔の内面となるので、潜像部の途中までし
かエッチング除去しない方法と比較して、内面が平滑な
孔を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(H)はそれぞれ、本発明の感光性ガ
ラス板への孔開け加工方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 第1の感光性ガラス板 2 第2の感光性ガラス板 3 低融点ガラス層 5 第1のマスク 6 第2のマスク 7 積層ガラス 8 段付き孔 11 第1の潜像部 14 小径孔 21 第2の潜像部 24 大径孔 31 ガラスペースト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線に対する遮光性を有する低融点ガ
    ラス層を挟んで第1の感光性ガラス板と第2の感光性ガ
    ラス板とを貼り合わせて積層ガラスを形成する貼り合わ
    せ工程と、 前記積層ガラスのうちの前記第1の感光性ガラス板に第
    1のマスクを介して紫外線を照射して第1の潜像部を形
    成するとともに、前記第2の感光性ガラス板に第2のマ
    スクを介して紫外線を照射して第2の潜像部を形成する
    露光工程と、 前記積層ガラスに熱処理を行って前記第1および第2の
    潜像部を結晶化させる熱現像工程と、 前記積層ガラスから前記第1および第2の潜像部をエッ
    チング除去することにより当該積層ガラスの表裏に孔を
    形成するエッチング工程とを有することを特徴とする感
    光性ガラス板への孔開け加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記露光工程では、
    前記第1の潜像部と前記第2の潜像部とが互いに異なる
    径寸法をもって重なるように露光し、 前記エッチング工程では、前記積層ガラスから前記第1
    および第2の潜像部をエッチング除去するとともに前記
    第1および第2の潜像部との間に位置する部分の前記低
    融点ガラス層をエッチッグ除去することにより、前記積
    層ガラスに対して段付き孔を形成することを特徴とする
    感光性ガラス板への孔開け加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記エッチ
    ング工程では、前記第1および第2の感光性ガラス板、
    および前記低融点ガラス層の双方に対してエッチング性
    を有するエッチング液を用いることを特徴とする感光性
    ガラス板への孔開け加工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかおいて、前記
    貼り合わせ工程では、低融点ガラス粉末および着色剤を
    含むペースト状組成物の層を前記第1および第2の感光
    性ガラス板のうちの少なくとも一方の感光性ガラス板に
    形成した後、当該ペースト状組成物の層を挟んで前記第
    1の感光性ガラス板と前記第2の感光性ガラス板とを重
    ね合わせ、しかる後に前記ペースト状組成物を加熱し前
    記低融点ガラス粉末を溶融させることにより、紫外線に
    対する遮光性を有する低融点ガラス層を挟んで前記第1
    の感光性ガラス板と前記第2の感光性ガラス板とを貼り
    合わせることを特徴とする感光性ガラス板への孔開け加
    工方法。
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