JP2000061358A - プラスチック選別方法およびプラスチック選別装置 - Google Patents

プラスチック選別方法およびプラスチック選別装置

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JP2000061358A
JP2000061358A JP10233375A JP23337598A JP2000061358A JP 2000061358 A JP2000061358 A JP 2000061358A JP 10233375 A JP10233375 A JP 10233375A JP 23337598 A JP23337598 A JP 23337598A JP 2000061358 A JP2000061358 A JP 2000061358A
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鉄也 井上
Daisuke Tamakoshi
大介 玉越
Masanori Tsukahara
正徳 塚原
Hidehiko Maehata
英彦 前畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の異なる樹脂系のプラスチックからなる
プラスチック片を攪拌して摩擦帯電する際、異なる種類
のプラスチック片の量の差が大きいと、攪拌時に、プラ
スチック片に分離に必要な帯電量、あるいは極性が与え
られないことがあり、この場合、プラスチック片の選別
を十分に行うことができなかった。 【解決手段】 摩擦帯電装置3内に回収しようとする特
定のプラスチック片1を摩擦帯電補助材21として添加
して異なった種類のプラスチック片1同士を攪拌するこ
とで、回収しようとするプラスチック片1と他のプラス
チック片との帯電量を異ならせ、複数種のプラスチック
片1が混在した状態であっても、特定のプラスチック片
1を確実に回収し、摩擦帯電補助材21を網体17で捕
獲してプラスチック片1の極性に悪影響を与えないよう
冷却手段18で冷却し、摩擦帯電装置3に戻すことで再
利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック片か
らなる被選別粉砕ごみを種類ごとに選別するためのプラ
スチック選別方法およびプラスチック選別装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ごみのリサイクル化が急速に推進
されつつある。ところで、プラスチック製品原料として
消費されるプラスチック類は、塩化ビニル系樹脂(以下
「PVC」と称する)、ポリエチレン系樹脂(以下「P
E」と称する)、ポリプロピレン系樹脂(以下「PP」
と称する)、ポリスチレン系樹脂(以下「PS」と称す
る)およびメタクリル樹脂[アクリル樹脂](以下「P
MMA」と称する)が全体の約80%を占め、回収され
る廃プラスチックも前記樹脂類がほとんどを占めると考
えられる。また、所謂ペットボトルとして使用されるポ
リエチレンテレフタラート樹脂(以下「PET」と称す
る)も独自に収拾されつつある。そして、これらの樹脂
をリサイクルする場合に、樹脂の種類ごとに分別するこ
とが肝要である。
【0003】そして、従来、粉砕されたプラスチック片
を選別するプラスチック選別装置があり、このプラスチ
ック選別装置は、図3に示すように、被選別粉砕ごみで
ある種類の異なる樹脂系のプラスチック1を混在させた
状態で貯溜するホッパ2と、このホッパ2の出口の下方
に配置されてプラスチック片1を摩擦帯電するための摩
擦帯電装置3と、この摩擦帯電装置3で帯電したプラス
チック片1を静電分離するための静電分離部と、この静
電分離部で分離されたプラスチック片1を回収するため
の第一分離容器8および第二分離容器9とを備えてい
る。摩擦帯電装置3は、金属製の筒体と、この筒体内に
回転自在に設けた軸に取付けた金属製の攪拌部材とを備
えている。
【0004】また、静電分離部は、摩擦帯電装置3の下
方に配置された金属ドラム電極5を有し、この金属ドラ
ム電極5は水平軸芯回りに所定方向に回転され、接地さ
れている。また、金属ドラム電極5の外周部に、金属ド
ラム電極5の周面に付着したプラスチック片1を掻き落
とすブラシ10が配置されている。さらに、金属ドラム
電極5の回転方向斜め上方には、円弧板状の高電圧電極
6が配置されており、この高電圧電極6には高圧電源装
置7の陰極が接続され、高圧電源装置7の陽極は接地さ
れている。この接続によって、金属ドラム電極5により
回転接地電極が形成され、高電圧電極6と金属ドラム電
極5との間に選別用静電場が形成される。
【0005】上記構成による作用を説明する。ホッパ2
へ投入された複数種のプラスチック片1は、摩擦帯電装
置3において、摩擦帯電装置3の筒体内で異なった種類
のプラスチック片1同士が攪拌されて摩擦し合い、帯電
される。
【0006】このようにして摩擦帯電されたプラスチッ
ク片1は、静電分離部Gの金属ドラム電極5上に散布さ
れ、摩擦帯電装置3でマイナスの電荷が帯電されたプラ
スチック片1は、金属ドラム電極5に反発して高電圧電
極6に吸引され、第一分離容器8に落下する。また、金
属ドラム電極5と逆のプラスの電荷が帯電したプラスチ
ック片1は、金属ドラム電極5の表面に吸着されて金属
ドラム電極5の回転により第二分離容器9に落下する
か、あるいはブラシ10により金属ドラム電極5の表面
から掻き落とされて分離し、第二分離容器9に落下す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のプラスチッ
ク選別装置における摩擦帯電装置3は、複数種のプラス
チック片1を攪拌して摩擦帯電するものであるが、異な
るプラスチック片1の量の差(表面積の差)が大きい
と、攪拌時に、プラスチック片1に、分離に必要な帯電
量(帯電圧)、あるいは極性が与えられないことがあ
り、この場合、プラスチック片1の電荷を利用して選別
する静電分離部での選別を十分に行うことができなかっ
た。
【0008】そこで、本発明は上記課題を解決し得るプ
ラスチック選別方法およびプラスチック選別装置の提供
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
手段は、粉砕された複数種のプラスチック片を攪拌して
摩擦帯電させるための摩擦帯電装置と、摩擦帯電装置の
落下口部の下方で、摩擦帯電されたプラスチック片を分
離するための静電分離部と、この静電分離部で分離され
たプラスチック片を別々に回収するための分離用容器と
を備え、複数種のプラスチック片を摩擦帯電装置に投入
する際に特定のプラスチック片の量が少ない場合、その
特定のプラスチック片を摩擦帯電補助材として所定量だ
け添加するようにし、前記摩擦帯電装置の落下口と静電
分離部の間、又は静電分離部と分離用容器の間に、摩擦
帯電装置から落下したプラスチック片および摩擦帯電補
助材のうち、摩擦帯電補助材を捕獲するための網体が配
置され、この網体に捕獲された摩擦帯電補助材を摩擦帯
電装置に搬送して戻すための搬送手段が設けられ、捕獲
した摩擦帯電補助材を摩擦帯電装置へ戻す途中で、摩擦
帯電補助材を冷却する冷却手段が設けられている。
【0010】そして、粉砕された複数種のプラスチック
片を摩擦帯電装置に投入して攪拌することで帯電させ、
帯電させたプラスチック片を摩擦帯電装置の下方に配置
した静電分離部で分離し、プラスチック片を分離用容器
に別々に回収するようにして特定のプラスチック片を取
り出すようにし、回収しようとする特定のプラスチック
片の量が少ない場合、複数種のプラスチック片同士を摩
擦帯電装置で攪拌する際に、その特定のプラスチック片
を摩擦帯電補助材として所定量だけ添加するようにし、
摩擦帯電装置から落下したプラスチック片および摩擦帯
電補助材のうち、摩擦帯電補助材を、静電分離部で分離
するまでに捕獲して摩擦帯電装置へ戻すか、摩擦帯電装
置から落下したプラスチック片および摩擦帯電補助材の
うち、摩擦帯電補助材を、静電分離部で分離して分離用
容器に回収するまでに捕獲して摩擦帯電装置へ戻すよう
にして繰り返して使用し、摩擦帯電補助材を摩擦帯電装
置へ戻す途中で冷却する。
【0011】さらに、粉砕された複数種のプラスチック
片を攪拌して摩擦帯電させるための摩擦帯電装置と、摩
擦帯電装置の下方で、摩擦帯電されたプラスチック片を
分離するための静電分離部と、この静電分離部で分離さ
れたプラスチック片を別々に回収するための分離用容器
とが設けられ、前記摩擦帯電装置は、筒体と、この筒体
の内面側に施されて、複数種のプラスチック片を摩擦帯
電装置に投入する際に特定のプラスチック片の量が少な
い場合に用いられる摩擦帯電補助材としてのプラスチッ
ク層と、このプラスチック層を冷却する冷媒を充填する
ための冷媒充填部が設けられている。
【0012】そして、複数種のプラスチック片を摩擦帯
電装置に投入すると、筒体内でプラスチック片同士およ
びプラスチック片とプラスチック層が摩擦し合い、プラ
スチック片同士の帯電量を異ならせ、冷媒充填部で充填
された冷媒によってプラスチック層の温度上昇が抑えら
れる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。まず、本発明の実施の第一形態を
説明する。図1に示すように、本発明の実施の第一形態
に係るプラスチック選別装置Sは、異なる樹脂系のプラ
スチック片(被選別粉砕ごみ)1を複数種混在させた状態
で投入するホッパ2と、このホッパ2の出口2a側に配
置されてプラスチック片1を攪拌によって摩擦帯電させ
るための摩擦帯電装置3と、この摩擦帯電装置3の下方
に配置されて、摩擦帯電された複数種のプラスチック片
1を静電分離するために静電分離部Gと、この静電分離
部Gで静電分離されたプラスチック片1を種類別に回収
するための第一分離容器8および第二分離容器9とを備
えている。
【0014】前記静電分離部Gは、摩擦帯電装置3の落
下口16の下方に配置された金属ドラム電極5と、この
金属ドラム電極5の斜め上方に配置された高電圧電極6
と、金属ドラム電極5の下方に配置されて金属ドラム電
極5の周面に付着したプラスチック片1を掻き落とすた
めのブラシ10とから構成されている。なお、前記金属
ドラム電極5は、水平軸芯回りに所定方向に回転自在に
構成され、接地されている。また、前記高電圧電極6に
は高圧電源装置7の陰極が接続され、高圧電源装置7の
陽極は接地されている。そして、この接続によって、金
属ドラム電極5により回転接地電極が形成され、高電圧
電極6と金属ドラム電極5との間に選別用静電場が形成
される。
【0015】また、前記第一分離容器8および第二分離
容器9は、金属ドラム電極5の下方に金属ドラム電極5
の回転方向に順に配置され、第一分離容器8および第二
分離容器9ともに上方へ開口している。
【0016】前記摩擦帯電装置3の落下口16の下方に
は、摩擦帯電装置3で帯電されてここから落下したプラ
スチック片1を金属ドラム電極5側へ案内するための傾
斜案内板15が配置され、摩擦帯電装置3の落下口16
と傾斜案内板15の間に、摩擦帯電装置3で帯電されて
ここから落下した後述の摩擦帯電補助材21を捕獲する
ための網体17がの基端部が配置されている。この網体
17は、前記傾斜案内板15と反対方向に傾斜して設け
られるとともに、図示しない振動装置を備え、網体17
の先端部は、使用によって温度上昇した摩擦帯電補助材
21を冷却するための冷却手段18側に接続されてい
る。
【0017】この冷却手段18は、同図に示すように、
網体17が接続される冷却容器19と、この冷却容器1
9内に摩擦帯電補助材21冷却用の冷却液(例えばエチ
ルアルコールが使用される)18aを容器18bから吹
き込むためのスプレーガン20と、冷却液18aをスプ
レーガン20に圧送するための圧送機21とから構成さ
れている。
【0018】また、網体17に捕獲されて冷却手段18
で冷却された摩擦帯電補助材21を、摩擦帯電装置3に
搬送して戻すための図示しないコンベヤ(搬送手段の一
例)が設けられている。
【0019】次に、上記構成のプラスチック選別装置S
におけるプラスチック選別方法を説明する。複数種のプ
ラスチック片1は、混在した状態でホッパ2より摩擦帯
電装置3へ投入され、その種類による帯電列に従い、プ
ラスあるいはマイナスのどちらかに帯電される。そし
て、複数種のプラスチック片1をホッパ2に投入して摩
擦帯電させる際、回収しようとする特定のプラスチック
片1(例えばPVC)の量が少ない場合には、その特定
のプラスチック片1を摩擦帯電補助材21として所定量
だけ添加する。なお、この添加する摩擦帯電補助材21
は、他のプラスチック片1より大面積に形成しておく。
【0020】そして、摩擦帯電装置3へ投入された複数
種のプラスチック片1は、摩擦帯電装置3内で攪拌され
て摩擦し合う。このとき、攪拌されるプラスチック片1
には、摩擦帯電補助材21が添加されていることでそれ
ぞれプラスまたはマイナスに帯電されるとともに十分に
帯電され、帯電されたプラスチック片1および摩擦帯電
補助材21は、摩擦帯電装置3の落下口16から落下す
る。落下口16から落下したプラスチック片1は、網体
17の網目を通過して金属ドラム電極5上に散布され
る。そして、摩擦帯電装置3でマイナスの電荷が帯電さ
れたプラスチック片1は、金属ドラム電極5に反発して
高電圧電極6に吸引され、第一分離容器8に落下する。
また、金属ドラム電極5と逆のプラスの電荷が帯電した
プラスチック片1は、金属ドラム電極5の表面に吸着さ
れて金属ドラム電極5の回転により第二分離容器9に落
下するか、あるいはブラシ10により金属ドラム電極5
の表面から掻き落とされて第二分離容器9に落下する。
例えば、PVCはマイナスに帯電され、第一分離容器8
に落下する。
【0021】一方で、摩擦帯電装置3の落下口16から
落下した摩擦帯電補助材21は、他のプラスチック片1
より大面積に形成してあることで、網体17の目からこ
ぼれ落ちずに網体17に捕獲される。そして、網体17
は傾斜していることから、振動装置の駆動により、冷却
手段18の冷却容器19内に移動し、スプレーガン20
から冷却容器19内の摩擦帯電補助材21対して冷却液
18aが吹き込まれ、他のプラスチック片1との摩擦に
よって温度上昇した摩擦帯電補助材21が零度以下に冷
却され、コンベヤの駆動により摩擦帯電装置3に戻され
る。
【0022】そして、引き続いてプラスチック選別を行
う場合、今度は摩擦帯電補助材21を摩擦帯電装置3に
新たに添加する必要がなく、冷却された摩擦帯電補助材
21が摩擦帯電装置3内で再利用され、上記と同様に、
摩擦帯電装置3内で異なった種類のプラスチック片1同
士が摩擦し合ってプラスまたはマイナスに帯電されると
ともにプラスチック片1同士の帯電量を異ならせて独自
の帯電量(帯電圧)に帯電され、従って、静電分離部G
で確実にプラスチック片1を分離し、第一分離容器8、
第二分離容器9に回収することができる。
【0023】このように、本発明の実施の第一形態によ
れば、異なった種類のプラスチック片1を摩擦帯電装置
3内で攪拌する際、摩擦帯電装置3内に回収しようとす
る特定のプラスチック片1を摩擦帯電補助材21として
添加して攪拌することで、回収しようとするプラスチッ
ク片1と他のプラスチック片1との帯電量を異ならせる
ことができ、複数種のプラスチック片1が混在した状態
であっても、その中から特定のプラスチック片1を確実
に回収することができる。なお、帯電列的はにはPET
もPVCと同様にマイナスに帯電され、第一分離容器8
に落下することが考えられるが、これは選別用静電場に
印加する電圧を変化させることで対応できる。
【0024】また、同じ材質のものを摩擦して帯電させ
た場合、摩擦を繰り返しにつれ帯電特性が変化すること
は知られている。例えば、エボナイト棒の一方を静止さ
せた状態で他方をそれに摩擦させた場合、最初は他方が
プラスに帯電するが、繰り返して摩擦すると、逆にマイ
ナスに帯電する。これは、エボナイト棒の同じところが
擦られることで温度が上がり、歪が生ずるためと考えら
れる。
【0025】しかし、本発明の実施の第一形態では、摩
擦帯電補助材21を冷却手段18で冷却して他のプラス
チック片1と摩擦するので、摩擦帯電補助材21を繰り
返して使用しても、その温度上昇が抑えられ、従って、
上記のように摩擦帯電補助材21の極性の変化を防止で
き、他のプラスチック片1と攪拌する際に悪影響を与え
ることなく、かつ繰り返して使用することができる。
【0026】ところで、回収量の多いPVC、PE、P
P、PSおよびPETを帯電列順に並べると、プラスに
帯電され易い側からPS→PE→PP→PET→PVC
(PP→PVC→PETを示す資料もある)とマイナス
に帯電され易い側に配列される。ここで中間の順位に位
置するPPを基準プラスチック材として選択し、このP
P製の基準プラスチック材に他のプラスチック材を摩擦
させると、PE<PSの順にプラスの電荷が多く帯電さ
れ、またPPにはほとんど帯電されず、さらに、PET
<PVCの順にマイナスの電荷が多く帯電される。この
ように、帯電列の中間順位のプラスチックを基準プラス
チック材として選択することにより、混在するプラスチ
ック片1に、種類ごとに帯電量を異ならせることができ
る。
【0027】そこで、プラスチック片1の種類として、
PE、PP、PS、PETおよびPVCを用い、回収
率、回収純度の試験を行った。なお、この試験では、上
記プラスチック片1の重量比率を、 PE:PP:PS:PET:PVC=4:2:2:1:
1 とし、摩擦帯電補助材21としてPVCを所定量(混在
する複数種のプラスチック片1の全重量に対し摩擦帯電
補助材21として50重量%)だけ添加した。その結
果、90%以上の回収率、回収純度が得られ、かつ摩擦
帯電補助材21を長時間使用できた。
【0028】なお、上記実施の第一形態では、網体17
は摩擦帯電装置3と金属ドラム電極5の間に配置したが
これに限定されるものではなく、金属ドラム電極5と第
一分離容器8および第二分離容器9の間に配置するよう
に構成し、この位置で摩擦帯電補助材21を捕獲し、冷
却手段18で摩擦帯電補助材21を冷却し、摩擦帯電装
置3に戻すようにしてもよく、この場合も上記実施の第
一形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0029】次に、本発明の実施の第二形態を、図2に
基づいて説明する。上記実施の第一形態で、摩擦帯電後
に網体17で捕獲した摩擦帯電補助材21を摩擦帯電装
置3とは別に設けた冷却手段18で冷却したが、本発明
の実施の第二形態では、摩擦帯電装置3とは別に設けた
冷却手段18の代わりに、摩擦帯電装置3に冷却手段2
5を設けている。
【0030】本発明の実施の第二形態に係る摩擦帯電装
置3は、外筒26と、この外筒26の内側に配置された
内筒27と、この内筒27の内面側にコーティングによ
り施されて、複数種のプラスチック片1を摩擦帯電装置
3に投入する際に回収しようとする特定のプラスチック
片1の量が少ない場合に用いられる摩擦帯電補助材21
としてのプラスチック層28(特定のプラスチック片1
1あるいは帯電列の中間位置に位置するプラスチックが
用いられる)と、前記冷却手段25とを有している。こ
の冷却手段25は、外筒26と内筒27の間の隙間であ
る冷却液充填部29と、この冷却液充填部29に充填さ
れて前記プラスチック層28を冷却するための冷却液3
0(冷媒の一例としてエチルアルコールが用いられ、こ
のエチルアルコールは例えば−40°Cに管理される)
と、外筒26側の壁面に挿通した冷却液30の冷却器3
1とから構成されている。また、摩擦帯電装置3は、内
筒27側の壁面の中央を挿通する回転軸32に放射状に
配置された攪拌用杆部材33と、この攪拌用杆部材33
を回転させるための駆動モータ34とを有している。
【0031】そして、摩擦帯電装置3の上部の一側に
は、ホッパ2の出口2aに連通した取入口35が設けら
れ、この取入口35を開閉するための取入蓋36が開閉
用モータ37に取付けられ、摩擦帯電装置3の下部の他
側には落下口16が形成され、この落下口16を開閉す
るための調節用蓋38が調節用モータ39に取付けられ
ている。他の構成は、上記実施の第一形態と同様であ
る。
【0032】本発明の実施の第二形態において、開閉用
モータ37を駆動して取入蓋36を開とすることで取入
口35から摩擦帯電装置3に取り入れられた複数種のプ
ラスチック片1は、駆動モータ34の駆動により回転す
る攪拌用杆部材33によって攪拌され、プラスチック片
1同士およびプラスチック層28と摩擦し合う。このと
き、プラスチック層28によって特定のプラスチック片
1の量が補われるので、プラスチック片1全体がプラス
またはマイナスに帯電するとともに異なった帯電量に帯
電される。
【0033】ところで、プラスチック片1を内筒27内
で攪拌するとプラスチック層28とプラスチック片1が
摩擦されるが、冷却手段25すなわち、外筒26と内筒
27の間の隙間である冷却液充填部29に充填された冷
却液30でプラスチック層28が冷却されるため、プラ
スチック層28(およびプラスチック片1)の摩擦熱の
発生を抑え、プラスチック層28の温度上昇を抑えるこ
とができる。従って、プラスチック層28の熱歪を抑
え、プラスチック層28の極性の変化を防止するので、
プラスチック片1を攪拌する際に極性的な悪影響を与え
ることなく、かつ繰り返して長期的に使用することがで
きる。
【0034】そして、調節用モータ39の駆動して調節
用蓋38を開とすることで連続してあるいはバッチ的に
プラスチック片1が静電分離部Gに落下し、上記した実
施の第一形態と同様に、特定のプラスチック片1を回収
することができる。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明
は、回収しようとする特定のプラスチック片の量が少な
い場合、複数種のプラスチック片を摩擦帯電装置に投入
する際にその特定のプラスチック片を摩擦帯電補助材と
して所定量だけ添加するので、異なった種類のプラスチ
ック片の帯電量を変化させ、これにより静電分離部での
分離を確実に行い、特定のプラスチック片を確実に回収
することができ、添加した摩擦帯電補助材を静電分離部
で分離するまでに捕獲して摩擦帯電装置へ戻すか、摩擦
帯電補助材を、静電分離部で分離して分離用容器に回収
するまでに捕獲して摩擦帯電装置へ戻すことで繰り返し
て使用でき、捕獲した摩擦帯電補助材を摩擦帯電装置へ
戻す途中で冷却することで、摩擦帯電補助材の極性の変
化を抑え、長期的にかつ安定して特定のプラスチック片
を確実に回収することができる。
【0036】また、複数種のプラスチック片を攪拌して
摩擦帯電させるための摩擦帯電装置に、筒体と、この筒
体の内面側に施されて、複数種のプラスチック片を摩擦
帯電装置に投入する際に特定のプラスチック片の量が少
ない場合に用いられる摩擦帯電補助材としてのプラスチ
ック層と、このプラスチック層を冷却する冷媒を充填す
るための冷媒充填部とを設けたので、プラスチック層が
冷媒で冷却されることで、プラスチック片を筒体内で攪
拌した際にプラスチック層に摩擦熱が発生しにくく、プ
ラスチック層の温度上昇を抑えてプラスチック層の歪を
抑え、これによってプラスチック層の極性の変化を防止
するので、プラスチック片を攪拌する際に悪影響を与え
ることなく、かつ繰り返して長期的に使用することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一形態を示すプラスチック選
別装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の第二形態を示す摩擦帯電装置の
断面図である。
【図3】従来のプラスチック選別装置の全体構成を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 プラスチック片1 2 ホッパ 3 摩擦帯電装置3 5 金属ドラム電極 6 高電圧電極 8 第一分離容器 9 第二分離容器 15 傾斜案内板 17 網体 18 冷却手段 21 摩擦帯電補助材 26 外筒 27 内筒 28 プラスチック層 25 冷却手段 29 冷却液充填部 30 冷却液 31 冷却器 33 攪拌用杆部材 G 静電分離部 S プラスチック選別装置
フロントページの続き (72)発明者 塚原 正徳 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89 号 日立造船株式会社内 (72)発明者 前畑 英彦 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89 号 日立造船株式会社内 Fターム(参考) 4D054 GA01 GA09 GA10 GB01 GB09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉砕された複数種のプラスチック片を摩
    擦帯電装置に投入して攪拌することで帯電させ、帯電さ
    せたプラスチック片を摩擦帯電装置の下方に配置した静
    電分離部で分離し、プラスチック片を分離用容器に別々
    に回収するようにして特定のプラスチック片を取り出す
    ようにし、回収しようとする特定のプラスチック片の量
    が少ない場合、複数種のプラスチック片同士を摩擦帯電
    装置で攪拌する際に、その特定のプラスチック片を摩擦
    帯電補助材として所定量だけ添加するようにし、摩擦帯
    電装置から落下したプラスチック片および摩擦帯電補助
    材のうち、摩擦帯電補助材を、静電分離部で分離するま
    でに捕獲して摩擦帯電装置へ戻すか、摩擦帯電装置から
    落下したプラスチック片および摩擦帯電補助材のうち、
    摩擦帯電補助材を、静電分離部で分離して分離用容器に
    回収するまでに捕獲して摩擦帯電装置へ戻すようにして
    繰り返して使用し、摩擦帯電補助材を摩擦帯電装置へ戻
    す途中で冷却することを特徴とするプラスチック選別方
    法。
  2. 【請求項2】 粉砕された複数種のプラスチック片を攪
    拌して摩擦帯電させるための摩擦帯電装置と、摩擦帯電
    装置の落下口部の下方で、摩擦帯電されたプラスチック
    片を分離するための静電分離部と、この静電分離部で分
    離されたプラスチック片を別々に回収するための分離用
    容器とを備え、複数種のプラスチック片を摩擦帯電装置
    に投入する際に特定のプラスチック片の量が少ない場
    合、その特定のプラスチック片を摩擦帯電補助材として
    所定量だけ添加するようにしたプラスチック選別装置で
    あって、前記摩擦帯電装置の落下口と静電分離部の間、
    又は静電分離部と分離用容器の間に、摩擦帯電装置から
    落下したプラスチック片および摩擦帯電補助材のうち、
    摩擦帯電補助材を捕獲するための網体が配置され、この
    網体に捕獲された摩擦帯電補助材を摩擦帯電装置に搬送
    して戻すための搬送手段が設けられ、捕獲した摩擦帯電
    補助材を摩擦帯電装置へ戻す途中で、摩擦帯電補助材を
    冷却する冷却手段が設けられたことを特徴とするプラス
    チック選別装置。
  3. 【請求項3】 粉砕された複数種のプラスチック片を攪
    拌して摩擦帯電させるための摩擦帯電装置と、摩擦帯電
    装置の下方で、摩擦帯電されたプラスチック片を分離す
    るための静電分離部と、この静電分離部で分離されたプ
    ラスチック片を別々に回収するための分離用容器とが設
    けられ、前記摩擦帯電装置は、筒体と、この筒体の内面
    側に施されて、複数種のプラスチック片を摩擦帯電装置
    に投入する際に特定のプラスチック片の量が少ない場合
    に用いられる摩擦帯電補助材としてのプラスチック層
    と、このプラスチック層を冷却する冷媒を充填するため
    の冷媒充填部が設けられたことを特徴とするプラスチッ
    ク選別装置。
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