JP2000060737A - 複合焼き板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
り、従来技術の炭素鋼焼き板に存在する冷温の縁部とい
う問題点を解決する焼き板を提供すること。 【解決手段】 ステンレス鋼、炭素鋼又はチタニウムの
1つ以上の外側板に拡散結合された重い銅製コア4を有
する複合焼き板2が提供される。銅製コア4を有する複
合体は、外側金属板を銅製コア4に爆発結合して、拡散
結合させ、その後、熱間圧延ミル内にて多数パスの僅か
な漸増縮小パスを行うことにより形成される。該漸増縮
小は、銅製コア4及び異質な外側金属層の重なり合う熱
加工範囲に属する狭小な制御された温度範囲内にて行わ
れる。
Description
0日付けで出願された米国仮特許出願第60/092,
386号に基づく優先権を主張する出願に基づくもので
ある。
用されるクラッド金属複合体、及び異質な金属を結合す
る方法に関する。より具体的には、本発明は、商業的レ
ストランにて使用される型式の焼き板(griddl
e)及び焼き網(grill)の調理面として使用され
る異質の金属の多層の結合複合体に関する。
は、典型的に、焼き板/焼き網の調理面にて極めて多数
のハンバーガパティを同時に調理する。従来の焼き板の
調理面は、厚さが25.4mm(1インチ)程度の炭素
鋼の重い部片から成っている。この重い鋼材料は、焼き
板の面に沿って均一な高温を保とうとして吸熱部分を提
供する。
ハンバーガパティが適正な程度に調理されることを確実
にするため、商業的装置において、均一な高温度を実現
することが重要である。調理不十分なハンバーガの肉に
てE.大腸菌食品の毒による病気が生じ、また、死亡事
故さえも発生している。病気予防センターからの最近の
統計によれば、年間、40,000人もの多くの人が
E.大腸菌O157:H7細菌によって病気に罹ってい
る。記録された略全ての事故にて、調理不十分又は生の
ハンバーガがその原因とされている。
て、レストランは、冷凍ハンバーガパティを使用し、そ
の冷凍したパティを直接、焼き板の面の上に載せること
は稀なことではない。当然に、冷凍したパティが焼き板
の面に接触するとき、その面から熱が奪われ、こうした
領域内にて焼き板は冷える。パティが調理サイクル中、
定期的に裏返されるとき、同様の温度低下が生ずる。炭
素鋼は、良好な熱伝導体ではなく、従って、低温のパテ
ィ又は冷凍パティを載せること又は裏返し作業によって
表面の温度が低下した後、適正な最小の調理温度に戻る
ためには、一定の時間的遅れがあることが周知である。
熱が回復するまで相当な時間的遅れを伴い、このこと
は、必然的に、食品製品を完全に調理するのに必要な全
体の時間に反映する。
て、焼き板の高温箇所、すなわち、その前になにも存在
していなかった個所にハンバーガパティを裏返しするこ
とが商業的に一般的な方法である。食品調理の安全性を
確保するため、かかる調理技術は、人の教育を正しく行
うことを必要とするが、焼き板の冷温箇所に食品製品を
偶発的に誤って載せることによる事故的な調理不足の可
能性を解消することはできない。
伝導性の短所のため、使用前に、長時間の予熱を必要と
する。その結果、エネルギコストが更に増す。更に、炭
素鋼焼き板は、典型的に、低温であり、従って、熱不足
のため、調理に使用することができない周縁に、50.
8乃至76.2mm(2乃至3インチ)の幅の領域を有
している。この場合にも、食品製品がこの縁付近に誤っ
て置かれたならば、この制約により及び食品の可能な安
全上の問題により総処理量は悪影響を受ける。
び磨耗に耐え得るように鋼のような硬い調理面を有する
が、冷温個所の回復時間及び予熱時間を短くするため高
熱伝導率を有する必要がある。
遅れを最小にし得るように、熱伝導率特性が改良された
複合金属板で出来た調理焼き板を製造しようとする試み
が為された。かかる製品の1つは、ステンレス鋼クラッ
ド板を利用するものであった。この焼き板の試みは、幾
つかの性質上の問題のため成功してはいない。アルミニ
ウム及びステンレス鋼は、熱膨張係数が著しく相違し、
このため、平坦な複合板は、加熱したとき、熱による反
りを生じる。更に、ステンレス鋼とアルミニウムとの結
合は、製品を溶接したときに損われる。このことは、高
温の溶接時に、境界面にアルミニウムの脆弱な金属間化
合物が形成されることに起因する。
コアを採用する誘導加熱面を開示する米国特許第5,2
27,597号には、更なる従来技術の調理焼き板が記
載されている。この銅製コアは、局部的な加熱及び冷却
を為し得るように、2.54mm(0.100インチ)
と比較的薄い。ニッケル鉄と銅製コアとを結合するため
の1つの一般的な方法は、異質金属板をろう付けするこ
とにより行うが、その結合方法に関して何も開示されて
いない。かかる結合方法は、コアと外面層との間の熱伝
導率は、低伝導率のろう付けフラック等を含むろう付け
継手によって損われるから、調理面に特に適した継手を
形成するものではない。また、調理温度にて、ろう付け
構造体は、層剥離することが既知であり、このことは、
層剥離した継手内部に形成された絶縁空気スペースが存
在するため、更に著しい熱伝導率の問題を生じさせる。
酸化銅の層は、極めて展性であり、例えば、圧延結合す
る間に拡散結合するのに必要な下方の裸金属との接触を
妨げるから、銅は、他の金属に圧延結合することが難し
いことは古くから既知である。
pronickel)として既知の紅砒ニッケル鉱合金に接続す
る初期の方法は、また、圧印鋳造のため複合材料を製造
するためにも採用されている。この方法は、いわゆる圧
延結合の真空パック技術を使用する。102銅合金の銅
板を有する2つのキュプロニッケルの外板から成る開始
材料の積重ね体は、その周縁が境界板に溶接されてい
る。銅合金板の表面は、最初に研磨して酸化物層を除去
した。次に、縁溶接した積重ね体は、真空ポンプにより
排気し、その後の圧延結合のため無酸素の環境を提供し
得るように密封した。このように、溶接した板の積重ね
体内に負圧が存在するため、圧延温度にて銅板に酸化物
層は何ら形成されなかった。銅合金製コア及びキュプロ
ニッケル外層は、比較的容易に圧延を為し得るように同
様の熱加工温度を有する。しかしながら、上述した方法
における主たる問題点は、適正な圧延結合を為すのに必
須である良好な真空パックを実現することが難しいこと
である。均一さを実現し得ないことのため、この結合方
法は、極めて労働集約的であり、また不経済である。
うな耐食性材料の密に結合した外層を有する銅又は銅合
金から成るコアを採用するものであろう。また、他の有
利な焼き板は、銅製コアを採用するが、チタニウム又は
炭素鋼の調理面を採用することもできる。
鋼複合板と銅コアとを圧延結合することは、これら2つ
の材料を熱間圧延することが難しいため、従来、不可能
であった。ステンレス鋼の熱加工温度は銅の融点近くま
でになり、このことは、圧延工程を商業的に行うことを
極めて難しくする。圧延する前に開始複合体を最初に形
成する上述した真空パック法は、また、許容し得ない程
にコスト高であり、このためステンレス鋼クラッド銅製
のコア製品を商業的に実現不可能にする。
鋼、炭素鋼、及びチタニウムのような他の異質な金属に
対して銅を拡散結合(diffusion bondi
ng)し、また、その後に、その結合した複合体を圧延
して、経済的な方法にて改良に係る焼き板を形成する方
法を提供するものである。
経験する問題点を解決するのみならず、既存の炭素鋼焼
き板に優る幾つかの重要な利点を提供するクラッド金属
製の複合焼き板を提供することにより、複合金属の技術
の問題点を解決するものである。本発明の焼き板は、従
来から使用されている炭素鋼焼き板よりも遥かに迅速に
熱を回収する調理面を提供するものであり、このこと
は、食品製品の生産量を著しく増大させることにつなが
る。更に、本発明は、調理面における低温箇所を実質的
に解消し、事故的な調理不足の可能性を著しく少なく
し、ファーストフード業界における健康面の安全性を著
しく改良し且つ保護する複合焼き板材料を提供するもの
である。
度を保ち、これにより、従来技術の炭素鋼焼き板に存在
する冷温の縁部という問題点を解消する焼き板を提供す
るものである。更に、本発明は、炭素鋼に対して採用さ
れているものと同一の方法を使用して、曲げ、切断し、
成形し又は溶接することのできる複合焼き板であって、
アルミニウム製コアを含む従来技術の熱伝導性複合体を
溶接することを妨げる、有害で弱体な金属間介在物を形
成しない、複合焼き板を提供するものである。更に、本
発明は、複合体中に採用される材料の熱膨張係数が同様
であるため、加熱したときに、熱によって反ったりまた
は層剥離しない複合焼き板を提供するものである。
時間、及び調理サイクル間の熱回復時間を最小にし、エ
ネルギコストを低減し且つ労働効率を高めるものであ
る。簡単に説明すると、本発明は、その間にステンレス
鋼の外層と、銅又は銅合金の重いコアとから成ることが
最も好ましい、多層の拡散結合金属板に関するものであ
る。仕上がった焼き板は、2.54乃至25.4mm
(0.100インチ乃至1.0インチ)の範囲の厚さを
有し、複合焼き板の層における好ましい厚さの比はステ
ンレス鋼10%/銅80%/ステンレス鋼10%であ
る。本発明による現在の好適な焼き板は、仕上り厚さが
6.35mm(0.250インチ)であり、銅製コアは
約5.08mm(0.20インチ)の厚さで、ステンレ
ス鋼の外層の各々が約0.635mm(0.025イン
チ)の厚さを有している。採用される特定の金属合金に
関して、好適な焼き板の組成は、高純度のC−102等
級銅の内側コアを有する304L等級のステンレス鋼の
外層の拡散結合複合体である。
好ましくは低炭素量304L等級のステンレス鋼である
ことが好ましいステンレス鋼の外側シートを提供するス
テップを含み、該シートの各々が厚さが約6.35mm
(0.250インチ)であり、また、例えば、厚さが約
50.8mm(2インチ)のC−102等級のような高
純度の銅の内側コアシート又は板を提供し、三層の複合
積重ね体を形成するステップと、ステンレスシートを積
重ね体の銅板の内側コアに爆発結合して複合スラブを形
成するステップと、複合スラブをより小さいスラブに切
断するステップと、そのより小さいスラブを760℃乃
至871.11℃(1400°F乃至1600°F)の
範囲の温度まで加熱するステップと、仕上がった圧延複
合板を製造し得るように、何回かの圧延パスの後、より
小さいスラブを再加熱することにより、スラブの温度を
760℃乃至871.11℃(1400°F乃至160
0°F)に入念に保ちつつ、最初に、一回の圧延パス当
たり2.54mm(0.100インチ)程度の、比較的
僅かな縮小程度にて多数のパスを行うことにより、より
小さいスラブの各々を熱間圧延するステップと、ローラ
水平化装置内にて及び空気冷却により仕上がった圧延複
合体板を平坦にするステップとを含んでいる。仕上がっ
た圧延し平坦化し且つ冷却した板からサンドブラストに
よりミルスケールを除去する。複合体スラブから切断し
たより小さいスラブは、同時に、本発明の方法により加
工し、一方のスラブに圧延パスを行う間に、残りのより
小さいスラブは加熱炉内にて再加熱し、適正な圧延温度
を達成するようにする。
は、添付図面と共に以下の詳細な説明を読むことにより
容易に明らかになるであろう。
て使用される複合板の構造に関するものである。本発明
の複合焼き板は、図1に全体として参照番号2で示して
ある。該焼き板2は、比較的厚い銅製コア4と、拡散結
合により銅製コア4に密に接続された比較的薄いステン
レス鋼外層6とを備えている。銅製コア4とステンレス
鋼層6との間の拡散結合は、爆発結合を行い、その後に
熱間圧延を行うことにことにより実現され、この詳細に
ついては以下に説明する。ステンレス鋼−銅−ステンレ
ス鋼の組み合わせにより、複合焼き板2は、ステンレス
鋼の高耐食性及び耐磨耗性と相俟って銅の優れたエネル
ギ伝達特性を示す。
は、型304Lステンレスである。従来型の304ステ
ンレス鋼は、結合過程中、良好に機能するが、耐食性が
低下することになるクロムの粒子境界層の移行を防止す
るため、低炭素型である、型304Lが必要となる。
−102銅のような、より高純度の銅である。多岐に亙
る銅合金が使用可能であるが、利用可能性、熱伝導率及
び経済性の理由のため、より高純度のC−102銅であ
ることが好ましい。本明細書にて使用するように、
「銅」という語は、別に特定しない限り、高純度の銅及
び銅合金を含むものとする。
び図3に示すように、大きい三層の積重ね体10を最初
に組み立てる。該積重ね体10は、中央の銅製のコア板
12と、ステンレス鋼製の2つの外板14とを備えてい
る。ステンレス鋼製の外板14の開始厚さは、最終製品
に必要とされる溶接法である爆発結合法に対応し、ま
た、複合焼き板2の銅含有率を最大にし得るように選択
される。一例として、合計圧延縮小率が90%のとき、
積重ね体10に対し10%−80%−10%の厚さの比
が使用されるならば、各ステンレス鋼製外板14の開始
厚さを2.54mm(0.100インチ)とするとき、
仕上った焼き板2における層6の最終厚さは0.254
mm(0.010インチ)となる。溶接のため、0.2
54mm(0.010インチ)より薄いステンレス鋼の
層6は、実際的ではない。仕上った焼き板2の外周に溶
接し、例えば、滴受けのような種々の物品を取り付ける
ことができるようにすることが必要である。ステンレス
鋼層6は、理想的な溶接箇所を提供する。
25.4mm(0.1乃至1インチ)の範囲にあるが、
より好適な範囲は5.08乃至7.62mm(0.2乃
至0.3インチ)であり、現在の好適な公称全厚は、仕
上げ品にて6.35mm(0.25インチ)である。こ
のため、結合前の積重ね体10における層14に対する
ステンレスの厚さの現在、好適な開始厚さは、5.08
乃至7.62mm(0.200乃至0.300インチ)
の範囲にあり、このことは、仕上がった焼き板2のステ
ンレス層6の各々に対して0.508乃至0.762m
m(0.020乃至0.030インチ)の最終的な厚さ
範囲を提供する。
実用的な最大の開始厚さは、63.5mm(2・1/2
インチ)であり、この値は、銅コア板12の厚さを5
0.8mm(2インチ)に制限することになる。このよ
うに、積重ね体10の合計厚さは、爆発結合前に、6
3.5mm(2・1/2インチ)である。板の積重ね体
を形成する板12、14の典型的な長さ/寸法「X」
は、30.48m(120インチ)であり、幅「Y」は
12.192m(48インチ)ある。図3を参照。開始
板のこれらの寸法は、爆発結合工程の経済性を最大にし
得るように選択される。材料の454g(1ポンド)当
たりの結合コストを低減し得るように爆発結合される材
料のポンド量を最大にすることが有利である。
テンレス鋼外板14の表面は、化学的な高圧洗浄水、又
は機械的なワイヤーブラシ又は研磨手段により洗浄し
て、表面の酸化物及び表面の不純物を除去する。次に、
積重ね体10中の清浄となった板12、14は、銅製コ
ア12とステンレス鋼外板14との間に最初の拡散結合
部を形成する公知の爆発結合法を使用して爆発結合させ
る。この爆発結合ステップは、図3に図示する結合した
複合スラブ20を形成する。2つの清浄な金属面を圧力
結合することにより拡散結合が為され、このため、鉄及
び銅の原子の電子は、2つの異種金属板又はシート間の
境界部にて共有される。その後の熱間圧延は、爆発結合
により最初に造成された拡散結合を改良する。
れた後、大気中の酸素が複合体中に入るのを防止するた
め、ステンレス鋼層14を銅製コア板12に密に結合す
る。このため、銅製コアは、非保護雰囲気中で圧延温度
まで加熱されたときでさえ、その境界部に酸化物が存在
しない状態を保つ。
れる結合複合スラブ20は、規模の経済性を最大化し得
るように、可能な限り最大の材料寸法となるように形成
される。しかしながら、その後の圧延結合工程は、スラ
ブ20の寸法304.8cm×121.92cm(10
フィート×4フィート)の大きいスラブを実現すること
が不可能ではないにしても、難しい極めて狭い温度範囲
を必要とする。従って、爆発結合させた複合スラブ20
は、鋸引き、せん断又はその他の方法にて切断してより
小さい部片とする。例えば、各々が227kg乃至45
4kg(500ポンド乃至1,000ポンド)の範囲の
より軽量なスラブは、圧延されるときに、容易に再加熱
することができる。これらのより小さスラブは、図3に
概略図で、参照番号30、40、50、60により図示
されている。このように、より小さいスラブ30、4
0、50、60は、より大きいスラブ20により得ら
れ、これらより小さいスラブの各々は、例えば、幅7
6.2cm(2・1/2フィート)×長さ121.92
cm(4フィート)×厚さ6.35cm(2・1/2イ
ンチ)とすることができる、寸法幅「Z」及び長さ
「Y」を有している。
スラブ20から切断したより小さいスラブ30、40、
50、60を加熱炉内にて、必要とされる2乃至3時間
の間、760℃乃至871.11℃(1400°乃至1
600°F)の圧延温度で加熱される。上述したよう
に、スラブは爆発結合されているため、結合した板の間
に入って銅を再酸化させる大気中の酸素は存在しない。
従って、より小さいスラブの加熱は、非保護的な加熱炉
の雰囲気内にて行われる。
至871.11℃(1400°乃至1600°F)の範
囲にスラブの温度を制御することが必須であり、更に、
ミルを通じて各圧延パスを行う間に、スラブの縮小量を
入念に制御することも必須である。ステンレス鋼及び銅
がそれぞれの熱加工温度範囲にある間に、圧延パスが行
われることが必要であるから、温度の制御は極めて重要
である。ステンレス鋼は、約760℃乃至1148.8
8℃(1400°乃至2100°F)の範囲の熱加工温
度を有している。他方、銅は、約704.44乃至87
1.11℃(1300乃至1600°F)の程度の熱加
工温度範囲を有している。従って、これら材料間の熱加
工温度の範囲が不均衡なため、選択された熱加工温度
は、ステンレス鋼の下限値をカバーし銅の熱加工限界の
上限値に重なり合う。
F)であることに留意すれば、760℃乃至871.1
1℃(1400°乃至1600°F)の熱加工温度範囲
は、銅がより容易に塑性変形する温度である。従って、
個々の圧延パス毎に大きい圧延縮小を行うことはできな
い。さもなければ、銅は、ステンレス鋼の層に対して大
きい程度に塑性変形し、チューブから歯磨きを搾り出す
場合と全く同様に、ステンレス鋼の層の間から搾り出さ
れて、スラブの外周から逃げる。
中、各圧延パスの間に行われる厚さの縮小程度をパス毎
に、約2.54mm(0.100インチ)の僅かな漸増
に制限することが必須となる。このようにして、スラブ
30、40、50、60が63.5mm(2・1/2イ
ンチ)から50.8mm(2インチ)に縮小する迄、圧
延は続行し、このため、パス毎に2.54mm(0.1
インチ)縮小させることにより、約5回のパスを必要と
する。50.8mm(2インチ)の厚さに達したとき、
50.8mm(2インチ)の厚さのスラブは、該スラブ
が25.4mm(1インチ)の厚さに縮小される迄、約
6乃至7回のパスに亙り1回のパス毎に3.81mm
(0.150インチ)の僅かな縮小量を更に付加して圧
延することができる。6.35mm(0.25インチ)
という焼き板の好適な最終厚さに達する迄、3回の圧延
パス毎に、5.80mm(0.20インチ)の縮小を実
現することにより、圧延による縮小はより付加的になさ
れる。
の適正な熱変形を許容し得るように、スラブは、760
乃至871.11℃(1400乃至1600°F)の所
定の熱加工温度範囲内にあることが必須である。この温
度が760℃(1400°F)以下であるならば、ステ
ンレス鋼を熱加工することはできず、また、この温度が
871.11℃(1600°F)以上であるならば、銅
は、過度に塑性変形する。この臨界的な熱加工温度範囲
が保たれることを確実にするためには、各圧延パス後に
スラブ30、40、50、60を加熱炉内に入れること
が好ましい。このように、スラブ30、40、50、6
0のような複数のスラブを同時に加工し、スラブの1つ
が圧延されているとき、残りのスラブは、加熱炉内にあ
って再加熱され又は予め設定した熱加工温度内にて浸漬
されるようにすることが有利である。圧延のために加熱
炉から除去した次のスラブは、加熱炉内にて最も長時
間、浸漬させたスラブであり、圧延したばかりのスラブ
は、加熱炉内に充填して戻す。このようにして、スラブ
30乃至60の全てが所望の仕上げ板の厚さに圧延され
る迄、この工程は続けられる。
ASTM標準試験方法第F−1275−95号に従った
実験条件に基づいて試験を行った。
609.6mm×厚さ6.35mm(20インチ×24
インチ×0.250インチ)とした。焼き板2は、C−
102銅で出来た厚さ5.08mm(0.20インチ)
のコア4と、拡散結合された304Lステンレス鋼外層
6とを備え、該外層6の各々の厚さが0.635mm
(0.025インチ)であるようにした。焼き板2は、
ステンレス鋼の外層を銅製コアに最初に爆発結合し、そ
の後に、上述したように多数回の加熱及び圧延ステップ
にて圧延することにより形成した。
(375°F)までの加熱時間に対する複合焼き板2の
性能、板の不作動温度分布、実際のハンバーガパティの
調理性能を実証することであった。加熱装置は、IRバ
ーナによる48,000BTU/時の入力とした。焼き
板面に熱電対による温度検出機能を備える電子制御装置
を採用した。
板の表面にて測定した190.55℃(375°F)の
温度に達するのに必要な時間は5分以下であった。この
ことは、従来の炭素鋼焼き板を使用する場合の15乃至
30分という通常の立ち上がり時間と比較することがで
きる。不作動温度試験の結果、実験室で使用した幅1
9.05mm(0.75インチ)の鋼フレーム板で支持
した領域を除いて、焼き板の全体に亙って良好な温度分
布状態となることがわかった。この調理試験は、脂肪含
有量が22%である113.5g(1/4ポンド)の冷
凍肉パティを16個、使用した。調理サイクルは、5・
3/4分の裏返し時間を含んで合計9分と測定された。
焼き板及びパティ調理の性能は良好であると評価され、
パティの中心部の測定温度は71.11℃(160°
F)以上であった。冷凍したパティの初期重量は1.8
39kg(4.052ポンド)であり、最終的な調理重
量は1.070kg(2.357ポンド)であり、調理
中の脂肪及び水分の損失に起因する重量の損失が42%
であることを示す。このことは、パティの調理が良好で
あることを示す。焼き板の回復時間、すなわち、焼き板
に冷凍パティを装填した後に190.55℃(375°
F)という所望の調理温度に達するのに必要な時間は、
優れた結果であると見なされる、実質的に瞬間的である
と観察された。また、重い銅製コア4により提供される
優れた熱伝導特性のため、焼き板の全体に亙って端縁か
ら端縁に調理されることも分かった。このように、調理
試験の結果、本発明の銅製コア/ステンレス鋼の複合焼
き板は、従来の炭素鋼製焼き板よりも遥かに優れたもの
であることが実証された。
説明したが、この開示の全体的な教示内容に鑑みて、こ
うした詳細の色々な改変例及び代替例が具体化可能であ
ることが当業者に理解されよう。本明細書に記載した現
在の好適な実施の形態は、特許請求の範囲及びその全て
の均等例を包含する本発明の範囲の単に一例にしか過ぎ
ず、その範囲を何ら限定するのではないことを意図する
ものである。
積重ね体の僅かに拡大した部分図である。
ラブの斜視図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 複合焼き板において、 銅製コアと、該コアに拡散結合されたステンレス鋼外層
とを備え、銅製コアが前記板の合計厚さの約60乃至8
0%を占める、複合焼き板。 - 【請求項2】 請求項1に記載の焼き板において、銅製
コアがC−102銅であり、ステンレス鋼外層が型30
4Lステンレス鋼である焼き板。 - 【請求項3】 請求項1に記載の焼き板において、銅製
コアが約5.08mm(0.20インチ)の厚さであ
り、ステンレス鋼外層の各々が約0.635mm(0.
025インチ)の厚さを有する、焼き板。 - 【請求項4】 複合焼き板において、 銅製板と、 該銅製板に拡散結合された少なくとも1つの外側金属層
であって、ステンレス鋼、チタニウム及び炭素鋼から成
る群から選択された1つ以上の金属から成る少なくとも
1つの外側金属層とを備え、 銅製板が前記板の合計厚さの少なくとも約80%を占め
る、複合焼き板。 - 【請求項5】 複合焼き板において、銅製コアと、最初
の爆発結合により及びその後の熱間圧延結合により銅製
コアに拡散結合された異質金属の少なくとも1つの外層
とを備える、複合焼き板。 - 【請求項6】 請求項4に記載の焼き板において、少な
くとも1つの金属外層が、ステンレス鋼、チタニウム及
び炭素鋼から成る群から選択された1つ以上の金属であ
る、焼き板。 - 【請求項7】 複合焼き板の製造方法において、 (a)銅製板を提供するステップと、 (b)ステンレス鋼、炭素鋼及びチタニウムから成る群
から選択された1つ以上の金属から成る少なくとも1つ
の金属板を提供するステップと、 (c)銅製板を少なくとも1つの金属板に爆発結合し
て、爆発結合した複合スラブを提供するステップと、 (d)爆発結合した複合スラブを銅及び前記少なくとも
1つの金属板に対する熱加工温度まで加熱するステップ
と、 (e)前記スラブの厚さを薄くし得るように前記加熱し
た爆発結合複合スラブを圧延し、前記少なくとも1つの
金属板を銅製板に更に拡散結合するステップと、 (f)所望の仕上がり焼き板の厚さを得られるように漸
増的に前記スラブの厚さを薄くすべくステップ(d)乃
至(e)を繰り返すステップとを備える、製造方法。 - 【請求項8】 請求項7に記載の製造方法において、爆
発結合した複合スラブを複数のより小さいスラブに切断
し、該複数のより小さいスラブをステップ(d)乃至
(f)に従って加工するステップを含む、製造方法。 - 【請求項9】 請求項7に記載の製造方法において、ス
テップ(b)にて2つの金属板が提供される、製造方
法。 - 【請求項10】 請求項7に記載の製造方法において、
加熱ステップが約760℃乃至約871.11℃(14
00°F乃至1600°F)の温度にて行われる、製造
方法。 - 【請求項11】 請求項7に記載の製造方法において、
爆発結合した複合スラブは約63.5mm(2.5イン
チ)の厚さを有し、所望の仕上がった焼き板の厚さが、
約5.08mm(0.2インチ)の仕上がった銅製コア
の厚さを有して約6.35mm(0.25インチ)であ
る、製造方法。 - 【請求項12】 請求項11に記載の製造方法におい
て、仕上がった焼き板が、該焼き板に結合された2つの
ステンレス鋼の層を有し、ステンレス鋼層の各々が、約
0.635mm(0.025インチ)の仕上がった厚さ
を有する、製造方法。
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