JP2000060576A - 遺伝子操作されたl―ソルボ―スレダクタ―ゼ欠失突然変異体 - Google Patents

遺伝子操作されたl―ソルボ―スレダクタ―ゼ欠失突然変異体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、遺伝子操作されたL-ソルボースレ
ダクターゼ欠失突然変異体を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 本発明により、微生物のL-ソルボースの
還元に関する生物学的活性が、それらの遺伝子組換えに
よって実質的に無効となることを特徴とする、グルコノ
バクターまたはアセトバクター属に属する微生物に由来
する遺伝子操作された微生物が提供された。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発酵によるL-ソル
ボースの製造における使用ならびにビタミンC製造法の
改善においても利点がある、グルコノバクター(Glucono
bacter)またはアセトバクター(Acetobacter)属に属する
微生物の新規の遺伝子操作されたL-ソルボースレダクタ
ーゼ欠失変異体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビタミンCの製造は、唯一の生物学的工
程として、グルコノバクターまたはアセトバクター属に
属する微生物によるD-ソルビトールからL-ソルボースへ
の変換のための発酵工程を含むライヒシュタイン法によ
って実施されている。このL-ソルボースへの変換は、ビ
タミンC製造の効率にとって鍵となる工程のひとつであ
る。しかしながら、この微生物による酸化的発酵時にお
いて、基質D-ソルビトールが消費された後に生成物L-ソ
ルボースが消費されることが認められた。この現象は、
L-ソルボースが、細胞質に存在するNADPH依存性L-ソル
ボースレダクターゼ(以後、場合によってSRと称する)
によって還元されたと理解される(Sugisawaら、Agric.
Biol.Chem.、55:2043-2049(1991)を参照のこと)。グル
コノバクターにおいて、D-ソルビトールは、D-フルクト
ースに変換され、これはその後ペントース経路に取り込
まれ、更にCO2に代謝されることが報告されている(Shi
njohら、Agric.Biol.Chem.、54:2257-2263(1990))。基
質に加え生成物も消費するこの経路は、最終的にビタミ
ンCの生産性の低下を招く可能性がある。
【0003】L-ソルボース製造の改善については、Noga
miらが、日本国特許出願公開公報第51054/1995号におい
て開示している。彼らは、微生物グルコノバクター・オ
キシダンスおよびグルコノバクター・サブオキシダンス
に、常法の化学的突然変異誘発を起こさせ、かつ唯一の
資化できる炭素供給源としてのD-ソルビトールの利用能
が低下した突然変異株を単離した。このような突然変異
体をL-ソルボース産生のための発酵に適用することによ
って、その親株の生産性と比べて、生産性が2〜3%以
上、改善されることが認められた。
【0004】常法の突然変異誘発によって産生された突
然変異株においてしばしば認められる欠点のひとつが、
突然変異体の発酵または継代培養の過程において該突然
変異株の改善された特性を無効にするような復帰突然変
異であり、これは、最終的にはビタミンCの生産性の低
下を招くと考えられる。従って、L-ソルボースレダクタ
ーゼが安定的に欠損した突然変異体が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、遺伝子操作
されたL-ソルボースレダクターゼ欠失突然変異体を提供
することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ひとつの局面
において、微生物のL-ソルボース還元に対する生物学的
活性が遺伝子操作により実質的に無効になることを特徴
とする、グルコノバクターまたはアセトバクター属に属
する微生物に由来する、新規の遺伝子操作された微生物
を提供する。好ましくは、これは、新微生物の生物学的
活性の10%未満の生物学的活性を有するものであり、こ
の活性は、以下に記した活性の定義(例えば実施例1(ii
i))に従えば、0.07〜0.02U/mgタンパク質またはそれ
未満である。本発明の遺伝子操作された微生物の遺伝子
は、その微生物細胞における、活性型L-ソルボースレダ
クターゼの形成に必要な領域内のヌクレオチドの破壊、
付加、挿入、欠失および/または置換による少なくとも
1個の突然変異を保持することができる。
【0007】本発明の遺伝子操作された微生物のある好
ましい実施態様において、この突然変異は、活性型L-ソ
ルボースレダクターゼの形成に必要な領域内の遺伝子破
壊によって引き起こされ得る。このような破壊は、トラ
ンスポゾン、抗生物質耐性遺伝子カセット、および宿主
微生物が活性型L-ソルボースレダクターゼを形成するの
を妨げるようないかなるDNA配列からなる群より選択さ
れる少なくとも1個の干渉性DNA断片を含むことができ
る。
【0008】本発明の別の態様において、該突然変異
は、部位特異的変異誘発法による突然変異誘発によって
作製することも可能である。このような突然変異誘発
は、活性型L-ソルボースレダクターゼの形成に必要な領
域内で実施することができ、この領域は、L-ソルボース
レダクターゼの構造遺伝子、およびプロモーター、オペ
レーター、ターミネーター、リプレッサーをコードする
DNA、アクチベーターなどの発現調節配列を含むことが
できる。
【0009】本発明の別の局面において、前述のように
遺伝子操作された微生物の産生におけるグルコノバクタ
ーまたはアセトバクター属に属する微生物のL-ソルボー
スレダクターゼ遺伝子の使用であり、該遺伝子が、配列
番号:2に記載のL-ソルボースレダクターゼのアミノ酸
配列、またはこの配列番号:2における1個以上のアミノ
酸の挿入、欠失、付加および/または置換を含むその機
能的同等物をコードしていることを特徴とする遺伝子の
使用を提供する。
【0010】本発明の更に別の局面において、適当な培
地における微生物の発酵によるL-ソルボース産生の効率
的な方法であって、前述の本発明に係る遺伝子操作され
た微生物の使用を含む方法を提供する。このL-ソルボー
ス製造法に関連して、本発明は、該発酵が、前述の本発
明に係る遺伝子操作された微生物を用いて実施されるこ
とを特徴とするL-ソルボース製造のための発酵工程を含
む、効率的なビタミンCの製造法も提供する。
【0011】本発明は、微生物のL-ソルボース還元の生
物学的活性が遺伝子操作により実質的に無効になること
を特徴とするグルコノバクターまたはアセトバクター属
に属する微生物に由来する新規の遺伝子操作された微生
物を提供する。
【0012】本発明に係る微生物においては、(1)グ
ルコノバクターまたはアセトバクター属に属する微生物
に由来する遺伝子操作された微生物であって、そのL-ソ
ルボースの還元に関する生物学的活性が、それらの遺伝
子組換えによって実質的に無効となることを特徴とす
る、微生物であることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る微生物においては、
(2)L-ソルボースの還元に関する生物学的活性が、新
微生物の活性の10%未満である、上記(1)記載の遺伝子
操作された微生物であることを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る微生物においては、
(3)遺伝子が、活性型L-ソルボースレダクターゼの形
成に必要な領域内に、ヌクレオチドの付加、挿入、欠失
および/または置換による少なくとも1個の突然変異を
有する、上記(2)記載の遺伝子操作された微生物である
ことを特徴とする。
【0015】また、本発明に係る微生物においては、
(4)突然変異が、活性型L-ソルボースレダクターゼの
形成に必要な領域内での破壊によって引き起こされる、
上記(3)記載の遺伝子操作された微生物であることを特
徴とする。
【0016】また、本発明に係る微生物においては、
(5)破壊が、トランスポゾン、抗生物質耐性遺伝子カ
セット、および宿主微生物が活性型L-ソルボースレダク
ターゼを形成するのを妨げるDNA配列からなる群より選
択される少なくとも1個の干渉性DNA断片を含む、上記
(4)記載の遺伝子操作された微生物であることを特徴と
する。
【0017】また、本発明に係る微生物においては、
(6)突然変異が、遺伝子工学技術を使った突然変異誘
発によって誘起される、上記(3)記載の遺伝子操作され
た微生物であることを特徴とする。
【0018】また、本発明に係る微生物においては、
(7)活性型L-ソルボースレダクターゼの形成に必要な
領域が、L-ソルボースレダクターゼをコードしている構
造遺伝子およびそれらの発現調節配列からなる群より選
択されるDNA配列中にある、上記(3)記載の遺伝子操作さ
れた微生物であることを特徴とする。
【0019】また、本発明に係る遺伝子の使用において
は、(8)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の遺伝子
操作された微生物の産生における、グルコノバクターま
たはアセトバクター属に属する微生物のL-ソルボースレ
ダクターゼ遺伝子の使用であって、該遺伝子が、配列番
号:2に記載のL-ソルボースレダクターゼのアミノ酸配
列、または配列番号:2における1個以上のアミノ酸の挿
入、欠失、付加および/または置換を含むその機能的同
等物をコードしていることを特徴とする、遺伝子の使用
であることを特徴とする。
【0020】また、本発明に係る製造法においては、
(9)上記(1)〜(7)のいずれか1項記載の遺伝子操作さ
れた微生物の使用を含む、適当な培地における微生物の
発酵によるL-ソルボースの製造法であることを特徴とす
る。
【0021】また、本発明に係る方法においては、(1
0)L-ソルボース製造のための発酵工程を含む、ビタミ
ンCの製造法であって、上記(1)〜(7)のいずれか1項記載
の遺伝子操作された微生物の使用を含むことを特徴とす
る方法であることを特徴とする。
【0022】また、本発明に係るビタミンCにおいて
は、(11)上記(10)記載の方法により製造されたビタ
ミンCであることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】前述の遺伝子操作された微生物
は、グルコノバクターまたはアセトバクター属に属する
微生物であってよく、これにはグルコノバクター・アル
ビダス(Gluconobacter albidus)、グルコノバクター
・カプシュラツス(Gluconobacter capsulatus)、グル
コノバクター・セリナス(Gluconobacter cerinus)、
グルコノバクター・ジオキシアセトニカス(Gluconobac
ter dioxyacetonicus)、グルコノバクター・グルコニ
カス(Gluconobacter gluconicus)、グルコノバクター
・インダストリアス(Gluconobacter industrius)、グ
ルコノバクター・メラノジーナス(Gluconobacter mela
nogenus)(IFO 3293およびFERM P-8386[工業技術院生
命工学技術研究所(NIBH)、日本])、グルコノバクター
・ノンオキシグルコニカス(Gluconobacter nonoxygluc
onicus)、グルコノバクター・オキシダンス(Gluconob
acter oxydans)、グルコノバクター・オキシダンス亜
種スフェリカス(Gluconobacter oxydans subsp. sphae
ricus)、グルコノバクター・ローゼウス(Gluconobact
er roseus)、グルコノバクター・ルビギノサス(Gluco
nobacter rubiginosus)、グルコノバクター・サブオキ
シダンス(Gluconobacter suboxydans)(IFO 3291)、ア
セトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)[発
酵研究所(大阪、日本)(IFO)から、IFO 3288として市
販されている]、アセトバクター・パスツーリアナス(A
cetobacter pasteurianus)、アセトバクター・アセチ
(Acetobacter aceti)、アセトバクター・ハンゼニイ
(Acetobacter hansenii)およびアセトバクター・リケ
ファシエンス(Acetobacter liquefaciens)(IFO 1238
8;ATCC 14835)が含まれる。菌株に関する情報は、同じ
く、欧州特許公開公報第(EPA)213591号および第518136
号にも開示されている。グルコノバクター・サブオキシ
ダンスIFO 3291は、グルコノバクター・オキシダンス D
SM4025との混合物の形状で、FERM BP-3813として寄託さ
れ、グルコノバクター・メラノジーナスIFO 3293はFERM
BP-8256として寄託されている。更なる詳細は、欧州特
許第518136号から得ることができる。グルコノバクター
・サブオキシダンス(IFO 3291)およびグルコノバクター
・メラノジーナス(IFO 3293)についても、欧州特許第
728 840号(米国特許出願第08/606 807号)を参照のこ
と。
【0024】本発明は、前述の微生物のL-ソルボース還
元における生物学的活性を無効にする目的のために、活
性型L-ソルボースレダクターゼの形成に必要な微生物の
遺伝子領域を標的として遺伝子操作を行うことを含む。
この目的のための典型的な方法は、トランスポゾンまた
は選択マーカー遺伝子カセットによる遺伝子破壊および
部位特異的突然変異誘発として公知である。以下に示す
ように、遺伝子破壊の方法は、微生物の標的遺伝子を同
定し、更にはこの遺伝子機能を阻害するために有用であ
る。一旦前記遺伝子の標的領域が同定されたならば、例
えば化学的変異原、紫外線照射などによる標的DNA断片
の処理により、常法の突然変異誘発を適用することもで
きる。
【0025】遺伝子破壊は、トランスポゾン突然変異誘
発を使った微生物の染色体DNAへの干渉性DNA断片の導
入、抗生物質耐性遺伝子のような選択マーカーを有する
遺伝子カセット、活性型L-ソルボースレダクターゼの形
成を無効にするDNA配列の導入によって行うことができ
る。
【0026】(a)トランスポゾン突然変異誘発:トラン
スポゾン突然変異誘発は、遺伝子解析の強力なツールと
して公知である(P.Gerhardtらの著書、「一般および分
子細菌学に関する方法(Methods for General and Molec
ular Bacteriology)」、第17章:トランスポゾン突然変
異誘発;American Society for Microbiology)。この
方法は、宿主生物のゲノム内において新たな位置へ移動
(転位)する独特な能力を有する別個のDNAセグメント
である転位性遺伝因子を利用する。この転位過程は、従
来の生物の相同的組換系とは別である。転位性遺伝因子
の新たなゲノム部位への挿入は、該因子の末端とその標
的部位との間に広範なDNA相同性を必要としない。転位
性遺伝因子は、広範な種類の原核生物および真核生物に
おいて発見されており、これらは、存在する遺伝子およ
びオペロンのコード領域または調節配列中に挿入して、
ヌル突然変異、染色体再編成、および遺伝子発現の新た
なパターンを生じさせることができる。
【0027】原核生物の転位性遺伝因子は、おおまかに
3種の異なるクラスに分けることができる。クラスIは、
長さがおよそ800〜1,500bpである挿入配列(IS因子)のよ
うな簡単な因子からなる。IS因子は、通常は、トランス
ポゼースの基質の役割を果たす両末端の反復DNA配列に
隣接された転位に必要な酵素(すなわちトランスポゼー
ス)をコードする遺伝子を含む。IS因子は、最初は、腸
内細菌のラクトースおよびガラクトースを利用するオペ
ロンにおいて同定され、これらの因子は、挿入時にしば
しば不安定な極性突然変異を引き起こすことが判明し
た。
【0028】クラスIIは、複合の転位性遺伝因子からな
る。このクラスのメンバーは、トランスポゾンまたはTn
因子とも称される。原核生物のトランスポゾンは、複合
転位性遺伝因子のクラスとして同定されており、それら
の末端部分に直列反復配列または逆方向反復配列として
簡単なIS因子(またはそれらの一部)を含むことも多
く、形式上IS因子のように挙動するが、抗生物質耐性遺
伝子、重金属耐性遺伝子、または病原性決定遺伝子のよ
うな転位機能に関係のない別の遺伝子を保持している。
この特定の遺伝子座またはレプリコン(ファージ)への
トランスポゾンの挿入は、例えばlacZ::Tn5またはλ::T
n5のように、ダブルコロンを用いて明示される。
【0029】クラスIIIは、「転位性」バクテリオファ
ージ、例えばMuおよびその関連物などを含む。Muファー
ジは、ウイルスでありトランスポゾンでもある。これ
を、宿主染色体の複数の部位に組込むことができ、その
結果しばしば突然変異を生じることは公知である。
【0030】前述の転位性遺伝因子を用いるトランスポ
ゾン突然変異誘発は、以下の特徴を有することが公知で
ある: (1)このような突然変異は、一般にその遺伝子の不活性
化につながり、かつ生じたヌル突然変異は、比較的安定
している。 (2)トランスポゾンは、標的とする遺伝子座に新しい遺
伝的かつ生理的マーカー、例えば抗生物質耐性遺伝子、
新たな制限エンドヌクレアーゼ切断部位、およびDNA-DN
Aハイブリダイゼーションまたは電子顕微鏡によるヘテ
ロ2本鎖の分析のような遺伝学的方法により同定するこ
とができる独特なDNA配列などを導入する。これらの遺
伝的マーカーは、突然変異した遺伝子座のマッピングに
加え、突然変異体のスクリーニングにおいて有用であ
る。 (3)トランスポゾンは、例えば欠失、逆位、転位、また
は重複などの様々なゲノムの再編成を生じさせることが
でき、標的細菌に特定の遺伝子を導入するのに用いるこ
とができる。
【0031】様々なトランスポゾンが、当技術分野にお
いて公知であり、例としてTn3、Tn5、Tn7、Tn9、Tn10、
Muファージなどがある。これらの中でTn5は、ほとんど
挿入特異性が無いことがわかっており、かつその大きさ
は比較的小さい。更にTn5は、pfd-Tn5[米国基準培養株
コレクション、USA(ATCC)、ATCC 77330]またはpCHR81(A
TCC 37535)のような供給源から容易に誘導することがで
きる、最も頻繁に使用される転位性遺伝因子のひとつで
ある。本発明の実施に際しランダム突然変異誘発での使
用という目的のためには、Tn5が好ましい。抗生物質耐
性遺伝子または他の選択マーカー遺伝子と組合せた転位
に必要とされるTn5逆方向反復の19bpからなる、Mini-Tn
5と称される様々なTn5誘導体も本発明において有用であ
る。このようなMini-Tn5類は、Tn5トランスポゼース(tn
p)と共に、自殺ベクターに挿入され、効率的な自殺Tn5
突然変異誘発システムを構成する。Tn5トランスポゾン
がどのように作用するかに関する更なる情報は、以下の
参考文献から得ることができる:P.Gerhardtらの論文、
「一般および分子細菌学に関する方法」、第17章、トラ
ンスポゾン突然変異誘発;American Society for Micro
biology, 1994年;K.N.Timmisらの論文、「グラム陰性
真正細菌における、挿入突然変異誘発、プロモータープ
ロービング、およびクローニングしたDNAの染色体挿入
のためのMini-Tn5トランスポゾン誘導体」、J.Bacterio
logy,、172:6568-6572(1990)。
【0032】いかにしてTn5をpfd-Tn5から誘導するかを
示す情報(pfd-Tn5(ATCC 77330)に関する説明を参照の
こと)は、インターネット上のATCCのホームページに掲
載されている(http://www.atcc.org/catalogy/recomb.
html)。従って、自殺プラスミドpfd-Tn5は、大腸菌な
らびに他のグラム陰性菌に、電気穿孔法によって導入す
ることができる(推奨される条件については、参考文献
を参照のこと)。このプラスミドそれ自身は、Tn5ドナ
ーとして使用することができる。さらに、pfdTn5プラス
ミドを使用したいプラスミドと共に受容菌である大腸菌
に導入し、Kmrおよび標的プラスミドの耐性を示す形質
転換体を選択し、形質転換体由来のプラスミドを単離
し、単離されたプラスミドで大腸菌を形質転換させ、Km
およびプラスミドマーカー耐性形質転換体を選択してTn
5を有する標的プラスミドを保持する大腸菌株を得るこ
とにより、自殺Tn5ベクターを構築することができる。
このプロトコールの概念は、P.Gerhardtらの論文、「領
域特異的Tn5突然変異誘発」(前述)においても入手す
ることができる。
【0033】トランスポゾンによるランダム突然変異誘
発は、自殺プラスミドまたはファージベクターを用い
た、形質転換、形質導入、接合交配(conjugal mating)
または電気穿孔による、標的細菌細胞へのトランスポゾ
ンの導入を含む。得られる突然変異体は、該トランスポ
ゾンによって運搬されたマーカーを用いて、スクリーニ
ングすることができる。受容菌細菌ゲノムへのトランス
ポゾンの転位は、使用したベクターを、分離(segregati
on)により除去した後に検出することができる。
【0034】グルコノバクターまたはアセトバクター属
の微生物へのトランスポゾン導入のためには、ファージ
P1の誘導体および宿主域が狭いプラスミドを含む、いわ
ゆる自殺ベクターが一般に使用される。このファージP1
ベクターおよびプラスミドベクターは、各々、感染によ
って、および形質転換、接合交配または電気穿孔によっ
て、受容菌細胞に導入させることができるが、これらの
ベクターは、受容菌の適当な複製起点を欠損しているこ
とが好ましい。使用すべき自殺ベクターおよびトランス
ポゾンの選択は、ファージの感受性、受容菌細胞の固有
の抗生物質耐性、および大腸菌へトランスポゾン運搬ベ
クターを導入するための形質転換、接合伝達、電気穿孔
または感染を含む遺伝子導入システムの利用し易さを含
む基準によって決まる。
【0035】本発明における使用に好ましいベクターの
ひとつは、それ自身のDNAをグルコノバクターまたはア
セトバクター属に属する微生物に注入するが、そのDNA
は、複製することができず、かつ分離によって失われる
ような、ファージP1(ATCC 25404)である。このようなTn
5を運搬するP1ファージ(P1::Tn5)は、公知の方法(例
えば、「一般および分子細菌学に関する方法」、第17
章、トランスポゾン突然変異誘発;American Society f
or Microbiology;または、米国特許第5082785号(1992
年)を参照のこと)に従って、P1::Tn5を保持する大腸
菌の溶菌によって調製することができるファージ溶菌液
として使用することができる。
【0036】本発明において使用することができる別の
好ましい自殺ベクターは、プラスミド自殺ベクターであ
り、これは、プラスミドRP4またはその関連RK2(ATCC 37
125)に由来したレプリコンを基にしているが、広宿主域
の接合伝達と同じ可動性の機能および部位を保持する
が、狭い宿主域の複製起点を有する。これらのベクター
は、大腸菌から、グルコノバクターまたはアセトバクタ
ー属に属する微生物へと高頻度で移動させることができ
るが、その受容菌細胞に安定的に維持させることはでき
ない。これらのベクターは、Tn5に加え、IncP型可動(mo
b;oriT)部位を含み、かつ通常使用される大腸菌クロー
ニングベクター、例えばpACYC177(ATCC 37031)、pACYC1
84(ATCC 37033)、およびpBR325[Bolivar F.、Gene 4:1
21〜136(1978);pBR322(ATCC 31344)の誘導体]を基にし
ており、これらは全て、腸内細菌以外では複製できない
(pSUPシリーズ、Simon Rら、Bio/Technology 、1:784
〜791(1983))。pSUP型プラスミドは、ドナー株それ自
身(例えばS17-1株)においてIncPプラスミドRP4の染色
体に組込まれたコピーからトランス(trans)における移
動機能を提供することによる二親間交配実験において、
またはドナーでも受容菌でもない大腸菌ヘルパー株の有
するプラスミドpRK2013(ATCC 37159)から移動機能を提
供することによる三親間交配実験において、移動するこ
とができる。
【0037】前述のトランスポゾンを受け取った受容菌
細胞は、例えば、特定の抗生物質に対する耐性のよう
な、該因子によって運搬されたマーカーによって、選択
することができる。Tn5がトランスポゾンとして使用さ
れる場合には、通常、KmrまたはNmrマーカーを使用する
ことができる。KmrまたはNmrマーカーの他に、Ter、G
mr、Spr、Apr、Cmrなどの遺伝子マーカーを、代用マー
カー遺伝子として使用することができる。lacZ、luxAB
またはphoAによってコードされたもののような、容易に
可視化される遺伝子産物を運搬する他のトランスポゾン
も、使用することができる。これらのTn5誘導体は、標
的細菌株が、Tn5の選択に通常使用される抗生物質(カ
ナマイシン、ネオマイシン、ブレオマイシンおよびスト
レプトマイシン)に対して固有の耐性を有する場合か、
もしくは、既にTn5誘導体を有している菌株の二段階目
の突然変異誘発が行われる場合に、特に有用である(P.
Gerhardtら、「一般および分子細菌学に関する方法」、
第17章、トランスポゾン突然変異誘発;American Socie
ty for Microbiology)。
【0038】(b)領域特異的突然変異誘発 Tn5突然変異誘発プロトコールは、遺伝子置換技術を用
いて、新細菌株の野生型遺伝子を、大腸菌プラスミドに
よって運搬される十分に特徴付けの成されたTn5変異類
似体と置換することで更に幅が広がる。野生型の遺伝子
座がクローニングされた場合、Tn5またはその誘導体も
しくは選択マーカーを保持する遺伝子カセットによる領
域特異的突然変異誘発を、クローニングされた領域によ
って運搬される標的遺伝子およびオペロンを不活性化す
るために、効果的に使用することができる。この目的の
ために、前述のTn5それ自身もしくはその誘導体、また
は選択マーカーを伴ういかなる遺伝子カセット、例えば
pUC4Kによって運搬されるKmr遺伝子カセット(ファルマ
シア、ウプサラ、スウェーデン)などを使用することが
できる。この研究方法は、例えば、野生型遺伝子が一旦
クローニングされた親株から突然変異株の遺伝子を作成
する場合など、関心のある遺伝子を不活性化しようとす
る場合には、非常に効果的である。この種の置換実験に
おける唯一の制限は、二回交叉による組換えに必要な相
同配列の長さであり、これは好ましくは、両末端に0.5
〜5kbの長さの相同配列が必要とされる。
【0039】領域特異的突然変異誘発に好ましいベクタ
ーは、トランスポゾン突然変異誘発において有用である
ものと同じであり、前述の自殺ファージおよびプラスミ
ドベクターである。
【0040】(c)部位特異的突然変異誘発 野生型遺伝子がクローニングされ、かつそのヌクレオチ
ド配列が決定されている場合は、標的遺伝子の不活性化
に、部位特異的突然変異誘発を使用することもできる。
フレームシフトのためのヌクレオチドの付加および欠
失、または停止コドンもしくは様々なコドンの導入のた
めのヌクレオチドの置換を含むオリゴヌクレオチドプラ
イマーを、関心のある遺伝子を変異させるために使用す
ることができる。この突然変異を含むプライマーによる
変異誘発は、通常大腸菌において、いずれの市販の部位
特異的突然変異誘発用のキットを用いても行うことがで
きる。この種の突然変異誘発は、Tn5変異誘発または領
域特異的−カセット−変異誘発が、上流または下流の遺
伝子発現に影響を及ぼすような極性作用を引き起こす場
合に有用である。
【0041】標的微生物への変異遺伝子の導入に好まし
いベクターは、トランスポゾン突然変異誘発において有
用なものと同じである。この場合、目的とした突然変異
体を、標的遺伝子産物の欠損を検出する生物学的アッセ
イ、例えば酵素学的または免疫学的スクリーニングによ
って単離することができる。代わりに、この変異遺伝子
を、遺伝子置換の選択を容易にするために、前述の選択
マーカー遺伝子を用いて、下流または上流の遺伝子発現
に影響を及ぼさない部位で標識することができる。生物
学的アッセイとマーカー選択とを組合せることによっ
て、より容易に標的遺伝子を破壊することができる。
【0042】L-ソルボースレダクターゼ欠損変異体を、
通常、以下のようにして選択することができる。3,000
から10,000のトランスポゾン変異体を、基質としてL-ソ
ルボースを使用する生成物アッセイに供し、L-ソルボー
スをD-ソルビトールへと変換しない突然変異体を選択す
る。一次スクリーニングは、好ましくは微量滴定(マイ
クロタイター)プレートにおいて、L-ソルボースを含有
する反応混合液中で行うことができる。生成物D-ソルビ
トールの形成は、まず、適当な展開溶媒を用いTLCで検
出し、検出不能量のD-ソルビトールを形成する候補を選
択する。
【0043】その後、これらの突然変異体の候補を、本
発明の実施例1に例示したような、L-ソルボースレダク
ターゼ活性のアッセイに供し、L-ソルボースレダクター
ゼの欠損を確認する。
【0044】この欠損変異体が実際にトランスポゾンを
保持していることを確認するために、通常、コロニー・
ハイブリダイゼーションまたはサザン・ハイブリダイゼ
ーションを、常法により、プローブとして使用したトラ
ンスポゾンを含有する標識したDNA断片を用いて行う
(分子クローニング、実験マニュアル(Molecular clon
ing, a laboratory manual)、第2版、Maniatis T.ら,
1989年)。
【0045】このような突然変異体を、本発明の実施例
1に記したように単離した。このトランスポゾン突然変
異体は、更なる標的L-ソルボースレダクターゼ遺伝子の
同定、および該トランスポゾンで標識された領域のヌク
レオチド配列決定に有用である。
【0046】トランスポゾンによって挿入されたDNA断
片は、大腸菌クローニングベクター、好ましくはpUC1
8、pUC19、pBluescript II(ストラタジーン・クローニ
ング・システムズ、CA、USA)およびそれらの関連物の
いずれかに、該ベクターおよび該トランスポゾンの両方
の選択マーカーの表現型を示す形質転換体を選択するこ
とによって、クローニングすることができる。このトラ
ンスポゾンに隣接するヌクレオチド配列は、例えばチェ
ーンターミネーション法(Sanger F.S.ら、Proc.Natl.A
cad.Sci., USA、75:5463-5467(1977))によって決定
することができる。得られるヌクレオチド配列は、その
リーディングフレームの決定が困難な部分配列である場
合がある。
【0047】一旦ヌクレオチド配列が決定されると、こ
れらは、BLASTPサーチ(Lipmanら、J.Mol.Biol.、215:
403-410(1990))のような遺伝子解析プログラムを用
い、ヌクレオチドおよび/またはタンパク質配列データ
ベースを用いて行われる相同性検索を行うことができ
る。相同な配列が見つかれば、それらのアミノ酸配列を
整列させ、相同なタンパク質の間で保存されたコンセン
サス配列を見出すことができる。これらのコンセンサス
配列に従って、オリゴヌクレオチドプライマーを合成
し、かつポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、該標的遺
伝子の部分的DNAの増幅に使用することができる。これ
らのコンセンサス配列に加え、相同なタンパク質の配列
によってリーディングフレームを調整した後に決定され
るアミノ酸配列を、PCRプライマーの設計に使用するこ
とができる。
【0048】得られたPCRで生じた部分遺伝子を、プロ
ーブとして使用し、サザン・ハイブリダイゼーションお
よびコロニー・ハイブリダイゼーションにより、全体の
標的遺伝子を得ることができる。サザン・ハイブリダイ
ゼーションは、該標的遺伝子を含むDNA断片の大きさを
明らかにし、目的とした大きさのDNA断片を含むミニ遺
伝子ライブラリーを構築することができる。その後この
ミニライブラリーを、コロニー・ハイブリダイゼーショ
ンによって、プローブとして該部分遺伝子でスクリーニ
ングし、標的遺伝子全体を得ることができる。その後、
該標的遺伝子の完全なヌクレオチド配列を決定し、その
オープンリーディングフレームを決定することができ
る。
【0049】トランスポゾンによって挿入された領域
は、L-ソルボースレダクターゼの構造遺伝子の発現を制
御する調節遺伝子であってもよく、さらにこの調節遺伝
子を、L-ソルボースレダクターゼ遺伝子の破壊の標的と
することも可能である。
【0050】標的微生物のL-ソルボースレダクターゼ遺
伝子の一部または全部を含むクローニングされたDNA断
片を、標的微生物のL-ソルボースレダクターゼ遺伝子の
破壊に使用することができる。この破壊の概略的手順お
よび機序を、それぞれ図4および5に示した。このDNA断
片は、まず、pBluscript II SKなどの大腸菌ベクターに
クローニングされる。その後、Kmr遺伝子のような選択
マーカーを保持する遺伝子カセットを、標的L-ソルボー
スレダクターゼ遺伝子に挿入し、活性型L-ソルボースレ
ダクターゼを形成しないようにする。その結果得られ
る、破壊されたL-ソルボースレダクターゼ遺伝子を有す
るDNA断片を、pSUP202のような自殺ベクターで再度クロ
ーニングする。この破壊された遺伝子を保持する自殺プ
ラスミドは、前述の接合交配を含むいずれかの遺伝子導
入法により、受容微生物に導入することができる。二回
交叉組換えにより産生された標的突然変異体の選択は、
選択マーカー遺伝子(例えばKmr)を発現しているコロ
ニーの単離、およびサザンブロット・ハイブリダイゼー
ションによる、その染色体DNAの特徴づけによって行う
ことができる。この突然変異体候補のL-ソルボースレダ
クターゼの欠損は、検出可能なL-ソルボースレダクター
ゼ酵素活性を示さないことが確認されている。
【0051】このような突然変異体は、SR3株につい
て、本発明の実施例5に記したようにして単離した。L-
ソルボースの非資化を、L-ソルボース発酵のためのD-ソ
ルビトールを1〜500g/L含有するいずれかの培地におい
て、この発酵ブロス中のD-ソルビトールから一度変換さ
れたL-ソルボースの濃度を追跡することによって、検討
することができる。あるいは、L-ソルボース含有培地を
使って、発酵条件下でのL-ソルボースの非資化を確認す
ることもできる。
【0052】本発明によって提供される突然変異体は、
好気的条件下で、適当な栄養素を補った水性培地におい
て培養することができる。この培養は、pHが約3.0〜9.0
の間、好ましくは約5.0〜8.0の間で行うことができる。
この培養期間は、使用するpH、温度および栄養培地によ
って左右されるが、通常は1〜6日が好ましい結果をもた
らす。培養の実施に好ましい温度範囲は、約13℃〜45℃
であり、好ましくは約18℃〜42℃である。
【0053】一般に、この培養培地は、資化可能な炭素
供給源、消化可能な窒素供給源および無機物質、ビタミ
ン、微量元素および他の成長促進因子などの栄養素を含
むことが必要である。資化可能な炭素供給源として、グ
リセロール、D-グルコース、D-マンニトール、D-フルク
トース、D-アラビトール、D-ソルビトール、L-ソルボー
スなどを、使用することができる。
【0054】様々な有機または無機の物質、例えば酵母
抽出物、肉エキス、ペプトン、カゼイン、トウモロコシ
浸漬水、尿素、アミノ酸、硝酸塩、アンモニウム塩など
を、窒素供給源として使用することもできる。無機物質
として、硫酸マグネシウム、リン酸カリウム、塩化第一
鉄および第二鉄、炭酸カルシウムなどを使用することが
できる。
【0055】本発明のL-ソルボースレダクターゼ欠損変
異体は、D-ソルビトールの発酵的酸化に使用することが
でき、かつジアセトン−L-ソルボースを生成するL-ソル
ボースの縮合反応工程に利用できるL-ソルボースを増加
させることによって、ビタミンCの収量を向上させるこ
とが期待される。当業者には明らかであるように、本発
明のL-ソルボースレダクターゼ欠損変異体は、反応中間
体としてL-ソルボースを含むいかなるビタミンC生成法
にも使用することができる。
【0056】本発明は、以下に示した添付図面を参照す
ることによって、下記実施例によりさらに詳細に説明さ
れる。
【0057】
【実施例】実施例1. G.メラノジーナスIFO 3293誘導体由来のL-ソルボースレ
ダクターゼ欠損Tn5変異体の単離 (i) Tn5突然変異誘発 2-ケト-L-グロン酸−産生L42-9株からL-ソルボースレダ
クターゼ欠損株を構築するために、トランスポゾン突然
変異誘発を行った(Manning R.F.ら、米国特許第508278
5号)。G.メラノジーナスIFO 3293から、NTG、ICR170、
紫外線照射などを含む化学的変異原を用いる多段階突然
変異により得られた、D-ソルビトールからL-ソルボース
を生成し、かつ生じたL-ソルボースを本発明のL-ソルボ
ースレダクターゼにより資化するいかなる株も用いるこ
とができる。カナマイシン30μg/mlを含有するLB寒天
プレート上で維持されたP1::Tn5を保持する大腸菌 W311
0を、P1培地(0.01M MgSO4・7H2Oおよび10μg/mlチミン
を補添したLB)5mlに接種し、30℃で一晩培養した。こ
の培養物1mlを、500mlのエーレンマイヤーフラスコに入
った同じ培地100mlに移し、30℃で95分間、OD550がほぼ
0.09になるまで増殖させた。得られた培養物を、氷上で
10分間冷却し、4℃にて3500rpmで20分間遠心分離した。
これらの細胞を、P1培地25ml中に懸濁し、この細胞懸濁
液を、300mlのフラスコに移し、振盪せずに42℃で20分
間インキュベートした。37℃で90分間静置することによ
って細胞の溶菌が認められたならば、クロロホルム0.5m
lを添加して、細胞を溶菌した。次にこの混合物を、完
全に激しく攪拌し、室温で10分間静置し、10,000rpmで4
℃にて15分間遠心分離した。上清を滅菌したスクリュー
栓付きのガラス瓶に移した後、クロロホルム0.5mlを再
度添加し、この溶菌液を4℃で保存した。
【0058】0.5%グリセロール、0.5%酵母抽出物(デ
ィフコ)および0.5% MgSO4・7H2OからなるNo.4寒天プ
レート上で増殖した受容菌細胞L42-9を、No.4培地5mlを
含む試験管に接種し、試験管振盪機上で、30℃で一晩増
殖させた。この培養物1mlを、500mlのエーレンマイヤー
フラスコに入った同じ培地30mlに移し、30℃で3時間培
養した。この培養物を15分間遠心分離した。得られたペ
レットを、100mM MgSO 4・7H2Oおよび100mM CaCl2を含む
100mM MCバッファー1.8mlに懸濁した。この細胞懸濁液
0.1mlを、試験管内で10mM MCバッファーで10希釈したフ
ァージ溶液0.1mlと混合し、30℃で60分間静置した。No.
4培地を0.8ml添加した後、この試験管を室温で2時間イ
ンキュベートした。その後この感染した細胞懸濁液の0.
2ml容量を、カナマイシン100μg/mlを含有するNo.4培
地の寒天プレートの上に塗沫し、27℃で5日間インキュ
ベートした。
【0059】(ii)生成物アッセイによるL-ソルボースレ
ダクターゼ欠損変異体のスクリーニング No.4-Km寒天プレート上で27℃で4日間増殖させたTn5(Km
r)を有する菌株を、96穴微量滴定プレートの1ウェルあ
たり、4%L-ソルボースを含有する0.15M Na2HPO 4クエン
酸バッファー(pH8.0)溶液50μl中に懸濁し、振盪せず
に30℃で24時間インキュベートした。L-ソルボースから
変換したD-ソルビトールを、薄層クロマトグラフィー(T
LC)により、この試料1μlを使って分析した。このTLC分
析は、Kieselgel 60 F254 TLC板(メルク)を用い、溶
媒は、酢酸エチル/イソプロピルアルコール/酢酸/H2
O=10:6:3.5:3を、噴霧試薬は、0.5% KIO4溶液、並
びにテトラベースで飽和された2N-酢酸および15%MnSO4
・4-6H2Oを混合して(容積比1:1)調製したテトラベー
ス試薬を使って行った。
【0060】このTLC分析によって、26-9Aと命名された
一株の突然変異体が、L-ソルボースレダクターゼ欠損変
異体の候補として得られた。26-9A株では、L-ソルボー
スから極微量のD-ソルビトールしか生成されなかった
が、他のTn5-突然変異体および親株L42-9では、有意な
量のD-ソルビトールが生成された。
【0061】(iii) L-ソルボースレダクターゼ活性の測
定 8%D-ソルビトール、1.5%酵母抽出物(オリエンタル酵
母社、大阪、日本)、0.25% MgSO4・7H2O、0.05%グリ
セロールおよび1.5%CaCO3(製造等級(production grad
e))からなる8%ソルビトール−No.5培地上で30℃にて2
日間増殖させた細胞を、遠心分離により収集し、0.3%N
aCl溶液で2回洗浄した。この細胞ペーストを、10mM KH2
PO4−K2HPO4バッファー(pH7.0)中に懸濁し、Frenchプ
レス加滑圧型細胞破壊装置を2回通過させた。無傷の細
胞を除去するために遠心分離した後、その上清を、100,
000×gで60分間遠心分離した。得られた上清を、L-ソル
ボースレダクターゼ供給源として収集した。
【0062】L-ソルボースレダクターゼ活性は、NADPH
存在下で、光度分析により測定した(T.Sugisawaら、Ag
ric.Biol.Chem. 55:2043-2049(1991))。この反応混合
物は、50mM KH2PO4−K2HPO4バッファー(pH7.0)中にL-
ソルボース5mg/ml、NADPH 0.4mg/ml、および酵素溶液10
μlを含有するものであった。NADPHの基質依存的酸化に
よって生じた吸光度の変化を、Kontron分光光度計UVIKO
N 810を用いて、340nmで測定した。このレダクターゼ活
性1Uは、この酵素が、1分間にNADPの1μmoleの生成を触
媒する量と定義した。
【0063】26-9A株およびその親株L42-9のL-ソルボー
スレダクターゼ活性を、前述のように測定したところ、
それぞれ0.01未満および0.21 U/mgタンパク質であっ
た。
【0064】(iv)コロニーハイブリダイゼーション 26-9A株の染色体へのTn5断片の組み込みを、プローブと
して、32P標識されたCol E1::Tn5 DNAを用い、コロニー
ブロットハイブリダイゼーションにより確認した。
【0065】実施例2. Tn5−挿入領域のクローニングおよびヌクレオチド配列
決定 新規Tn5変異体を、Tn5を含むDNA断片を有するpSUP202
(AprCmrTcr,;Simon R.ら、BIO/TECHNOL. 1:784-791(1
983))を用いて再構築することにより、26-9AのL-ソル
ボースレダクターゼ欠損が、Tn5挿入によって引き起こ
されたものであり、26-9A DNAのTn5挿入部位とは異なる
位置に同時に生じた別個の突然変異によって引き起こさ
れた訳ではないことを確認した。26-9A株の染色体の様
々なDNA断片のサザンブロットハイブリダイゼーション
により、Tn5全体を含む13kb EcoRV断片が、Tn5の挿入部
位の両側に二回交叉組換えのための十分な長さのDNA
(少なくとも1kb以上)を有することが明らかにされ
た。このEcoRV断片をpSUP202中にクローニングしてpSR0
2を産生させ、その後これを、G.メラノジーナスIFO3293
に導入し、KmrCms株である3293EV-1株および3293EV-9株
を得た。3293EV-1株および3293EV-9株のサザンブロット
ハイブリダイゼーションによる分析により、両方の株
が、26-9A株と同様pSUP202ベクター部分を有さないTn5
を含むことが明らかとなり(データは示さず)、このこ
とから、二回交叉による相同組換えが生じたことが示唆
された。3293EV-1株および3293EV-9株におけるL-ソルボ
ースレダクターゼ活性の欠損は、26-9A株について行っ
たように生成物アッセイおよび分光学的酵素アッセイに
より測定され、新規Tn5突然変異体が、検出不能のL-ソ
ルボースを生成し、かつL-ソルボースレダクターゼ活性
が、0.01U/mg細胞質タンパク質未満であることが示さ
れた一方、G.メラノジーナスIFO3293は、0.20U/mg細胞
質タンパク質のL-ソルボースレダクターゼ活性を示し
た。26-9AにおけるTn5挿入が、L-ソルボースレダクター
ゼ欠損を引き起こしたということが結論付けられる。
【0066】pSR02上のTn5-挿入領域のヌクレオチド配
列を、ジデオキシ鎖停止法(SangerF.ら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 74:5463-5467(1977))によって決定した
(図1)。BLASTPプログラム(Lipman D.J.ら、J.Mol.Bi
ol. 215:403-410(1990))を用いた相同性検索によるTn5
-挿入領域の解析により、この領域が、マンニトールデ
ヒドロゲナーゼ(MDH)ファミリーに属するポリペプチド
と相同性を有するポリペプチドをコードしていることが
明らかとなった。このメンバーの一員であるロドバクタ
ー・スファエロイデス(Rhodobacter sphaeroides)の
マンニトール2-デヒドロゲナーゼ(EC1.1.1.67)(Schnei
der K.H.ら、J.Gen.Microbiol.、(1993))は、マンニト
ールからフルクトースへのNAD-依存的酸化を触媒する。
グルコノバクターのL-ソルボースレダクターゼは、NADP
H存在下で、L-ソルボースおよびD-フルクトースを還元
しD-ソルビトールおよびD-マンニトールを生成するのみ
ではなく、NADP存在下で、D-ソルビトールおよびD-マン
ニトールを酸化し、L-ソルボースおよびD-フルクトース
を生成するのを触媒する(Sugisawa T.ら、前掲)。こ
の相同性の解析から、26-9A株のTn5で破壊された遺伝子
にコードされるポリペプチドが、L-ソルボースレダクタ
ーゼ遺伝子そのものであり、その調節遺伝子ではないこ
とが示唆された。
【0067】実施例3. PCRクローニング G.サブオキシダンスIFO3291のL-ソルボースレダクター
ゼ遺伝子の一部を、図2に示したアミノ酸配列(配列番
号:3および配列番号:4)に従って合成したプライマー
セットを用いたPCR増幅によりクローニングした。この
縮重プライマーは、グルコノバクターのコドン使用頻度
を考慮して合成した。このPCRは、約300bpの生成物を生
じた。このPCR増幅断片をプローブとして使用したサザ
ン・ハイブリダイゼーションおよびコロニー・ハイブリ
ダイゼーション分析により、G.サブオキシダンスIFO329
1の完全なL-ソルボースレダクターゼ遺伝子が、8.0kb E
coRV断片として得られた。
【0068】実施例4. G.サブオキシダンスIFO3291由来のL-ソルボースレダク
ターゼ遺伝子のヌクレオチド配列の決定 L-ソルボースレダクターゼ遺伝子の完全長ヌクレオチド
配列は、G.サブオキシダンスIFO3291のL-ソルボースレ
ダクターゼ遺伝子を含む8.0kbのEcoRV断片を用いて決定
した。このヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列
を、配列番号:1および配列番号:2に示す。この8.0kb
のEcoRVの制限地図を図3に示す。SR遺伝子とそのL-ソル
ボースレダクターゼ遺伝子の下流に認められ、かつDnaJ
様タンパク質およびフェレドキシンとの相同性を有する
ポリペプチドをコードしている、2個のオープンリーデ
ィングフレームは、反対方向に位置している。L-ソルボ
ースレダクターゼ遺伝子の上流には、L-ソルボースレダ
クターゼ遺伝子とオペロンを生成すると考えられる関連
のORFは認められなかった。従って、L-ソルボースレダ
クターゼ遺伝子の破壊は、その隣接遺伝子の発現には影
響を及ぼさないと考えられた。
【0069】実施例5. G.サブオキシダンスIFO3291からのL-ソルボースレダク
ターゼ遺伝子破壊株の構築 図4から分かるように、プラスミドpUC4K、pSR03-1、お
よびpSUP202が、出発プラスミドであった。pUC4Kは、Km
耐性遺伝子カセットの供給源であり、ファルマシア社か
ら入手することができる(ウプスラ、スウェーデン;コ
ード番号27-4958-01)。プラスミドpSR03-1は、市販さ
れているベクター、pBluescript II SK(ストラータジ
ーン社、CA、USA;カタログ番号212205および212206)
の誘導体であり、実施例3において得られたEcoRV断片を
保持している。ベクターpSUP202は、pBR325の誘導体で
あってmob部位を有する断片を保持しており、周知のよ
うに、pBR325は、pBR322の誘導体である。pBR325それ自
身は、市販されているとは考えられないが、代用物質、
例えばpBP322(ATCC31344)、pACYC177(ATCC37031)または
pACYC184(ATCC37033)などは、Simon R.らの論文(Bio/T
echnology 1:784-791(1983))にpSUPシリーズとして記
されているように、当業者には容易に応用できるもので
あると考えられる。mob部位含有プラスミドの構築も、S
imon R.らの論文(前掲)に記されている。
【0070】図4は、L-ソルボースレダクターゼ遺伝子
標的ベクターであるpSUP202-SR::Kmの構築の概略を示し
ている。8.0kbであるEcoRV断片を、pBluescript II SK
ベクターのEcoRI切断部位にクローニングし(Alting-Me
es M.A.ら、Methods in enzymology 216:483-95、Acade
mic Press、ロンドン、1992年)、pSR03-1を得た。カナ
マイシン耐性遺伝子カセット(Kmカセット)を、前述のク
ローニングしたL-ソルボースレダクターゼ遺伝子のEcoR
I切断部位に挿入し、pSR04-1を得た。このKmカセットで
破壊されたL-ソルボースレダクターゼ遺伝子を、自殺ベ
クターpSUP202にサブクローニングした。得られたpSR05
-2、pSUP202-SR::Km(Kmr)を、その後G.サブオキシダン
スIFO3291に導入し、L-ソルボースレダクターゼのヌル
突然変異体(Kmr)を得た。この目的とする遺伝子破壊
は、最終的に、サザン・ハイブリダイゼーション分析に
よって確認した。この破壊に関する概略的機序を図5に
示す。こうしてL-ソルボースレダクターゼ欠損変異体SR
3が得られた。
【0071】L-ソルボースレダクターゼ遺伝子を標的と
した突然変異体であるSR3、およびG.サブオキシダンスI
FO3291は、それぞれ0.02未満および0.681U/mgタンパク
質のL-ソルボースレダクターゼ活性を示した。
【0072】実施例6. 8%ソルビトール−No.5培地におけるSR3株の発酵の特徴 SR3株およびG.サブオキシダンスIFO3291の増殖およびL-
ソルボース資化の特徴を、500mlのエーレンマイヤーフ
ラスコ中の8%ソルビトール−No.5培地で評価した(図
6)。SR3株およびG.サブオキシダンスIFO3291は、24時
間以内に、80g/LD-ソルビトールをL-ソルボースに変換
することができた(データは示さず)。G.サブオキシダ
ンスIFO3291は、変換されたL-ソルボースのほとんど
を、48時間以内に資化した。一方、SR3株は、3日目ま
で、L-ソルボースをほとんど利用しなかった。その際の
残存L-ソルボースは、70g/L以上であった。SR3株およ
びG.サブオキシダンスIFO3291は、6日後のOD600(細胞
増殖)が、それぞれ6.4および24であった。
【0073】実施例7. 2%ソルビトール−SCM培地におけるSR3株の発酵の特徴 SR3株およびG.サブオキシダンスIFO3291の増殖およびL-
ソルボース資化の特徴を、500mlのエーレンマイヤーフ
ラスコ中の2%ソルビトール−SCM培地で評価した(図
7)。SR3株およびG.サブオキシダンスIFO3291は、12時
間以内に、20g/LD-ソルビトールをL-ソルボースに変換
することができた。G.サブオキシダンスIFO3291は、変
換されたL-ソルボースの半分を、23時間以内に資化し
た。一方、SR3株は、L-ソルボースをほとんど利用しな
かった。SR3株およびG.サブオキシダンスIFO3291の、23
時間後のOD600(細胞増殖)は、それぞれ2.5および5.9
であった。
【0074】
【発明の効果】本発明により、微生物のL-ソルボースの
還元に関する生物学的活性が、それらの遺伝子組換えに
よって実質的に無効となることを特徴とする、グルコノ
バクターまたはアセトバクター属に属する微生物に由来
する遺伝子操作された微生物が提供された。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> F.HOFFMANN-LA ROCHE AG <120> Genetically engineered L-sorbose reductase-deficient mutants <130> RC-103 <150> EP 98104546.1 <151> 1998-3-13 <160> 4 <210> 1 <211> 1458 <212> DNA <213> Gluconobacter suboxydans <220> <221> CDS <222> (1)...(1458) <223> Strain: IFO 3291 <400> 1 atgatcacgc acgaaaccct caagtctctt cccgccggtg tgcaggctcc gccctatgac 60 atcaatggga tcaaaccggg gatcgtgcat tttggcgtgg gaaacttctt ccgggcccat 120 gaggctttct acgttgaaca gatcctcaag gacgatccga actggggaat catcggcgtt 180 ggtctgacgg gtagcgacag gtcaaagaag aaggccgagg aattcaagaa gcaggactgc 240 ctcttttccc tgaccgaaac ggctccgtcc ggcaagagca cggttcgtgt tatgggcgcg 300 ctgagggatt accttttggc tcctgccgat ccggaagccg tgctgaagca tctcgctgac 360 ccgggaatcc gtatcgtttc catgacaatc acggaaggcg gttacaacat taacgagacg 420 acaggtgagt tcgatcttga gaacaaggcg gttcagcagg atctgaagac acccgaaacg 480 ccgtccacaa tctttggata tgttgtggaa ggactgcgcc gccgccgtga cgcaggtggc 540 aaggccttca cgatcatgtc ctgcgataat ctgcggcata acggtaatgt cgcccgcaag 600 gcatttctgg gatacgcgaa ggcccgtgat ccggaactgg ccaagtggat tgaagagaac 660 gcgacgttcc caaatggcat ggttgatcgc atcacgccga ccgtttctgc tgacattgcg 720 aagaagctca acgaagccag tggcctgcac gacgacctgc cgctcgttgc agaagacttt 780 catcagtggg tgctggaaga cagctttgct gatggccggc ctgcgctgga aaaggccgga 840 gtgcagttcg ttggggatgt gacggactac gagcatgtaa aaatccgcat gctgaatgct 900 ggtcacatca tgctctgctt cccggctgtt ctggcaggat ttgaaaatgt cgatcatgcc 960 cttgctgatc ccgatctacg gcgtatcctc gagaacttcc tgaacaaaga cgtcatcccg 1020 accctgaagg caccgccggg catgacgctg gaaggctatc gggacagcgt gatcagccgt 1080 ttctcgaatc cggccatggc ggatcagaca ttgcgtattt ccggggacgg gagctcgaag 1140 atccaggtct tctggacgga aacggtccgc aaggcttttg agggcaagcg cgatctgtcc 1200 cgcattgctt ttggtatggc atcctacctg gaaatgctgc gcggtaagga tgaaacgggt 1260 ggcacctacg agccattcga gccgactttt ggtgacaacc ataagactct ggccaaggct 1320 gatgattttg agagcgcgct caagctgcca gcgttcgatg cctggcgcga tctggagacg 1380 tccgggctga acaacaaggt tgtggagctt cgcaagatta tccgcgagaa gggcgtcaag 1440 gctgcccttc cggcctga 1458 <210> 2 <211> 485 <212> PRT <213> Gluconobacter suboxydans <220> <221> mat peptide <222> (1)...(485) <223> Strain: IFO 3291 <400> 2 Met Ile Thr His Glu Thr Leu Lys Ser Leu Pro Ala Gly Val Gln 1 5 10 15 Ala Pro Pro Tyr Asp Ile Asn Gly Ile Lys Pro Gly Ile Val His 20 25 30 Phe Gly Val Gly Asn Phe Phe Arg Ala His Glu Ala Phe Tyr Val 35 40 45 Glu Gln Ile Leu Lys Asp Asp Pro Asn Trp Gly Ile Ile Gly Val 50 55 60 Gly Leu Thr Gly Ser Asp Arg Ser Lys Lys Lys Ala Glu Glu Phe 65 70 75 Lys Lys Gln Asp Cys Leu Phe Ser Leu Thr Glu Thr Ala Pro Ser 80 85 90 Gly Lys Ser Thr Val Arg Val Met Gly Ala Leu Arg Asp Tyr Leu 95 100 105 Leu Ala Pro Ala Asp Pro Glu Ala Val Leu Lys His Leu Ala Asp 110 115 120 Pro Gly Ile Arg Ile Val Ser Met Thr Ile Thr Glu Gly Gly Tyr 125 130 135 Asn Ile Asn Glu Thr Thr Gly Glu Phe Asp Leu Glu Asn Lys Ala 140 145 150 Val Gln Gln Asp Leu Lys Thr Pro Glu Thr Pro Ser Thr Ile Phe 155 160 165 Gly Tyr Val Val Glu Gly Leu Arg Arg Arg Arg Asp Ala Gly Gly 170 175 180 Lys Ala Phe Thr Ile Met Ser Cys Asp Asn Leu Arg His Asn Gly 185 190 195 Asn Val Ala Arg Lys Ala Phe Leu Gly Tyr Ala Lys Ala Arg Asp 200 205 210 Pro Glu Leu Ala Lys Trp Ile Glu Glu Asn Ala Thr Phe Pro Asn 215 220 225 Gly Met Val Asp Arg Ile Thr Pro Thr Val Ser Ala Asp Ile Ala 230 235 240 Lys Lys Leu Asn Glu Ala Ser Gly Leu His Asp Asp Leu Pro Leu 245 250 255 Val Ala Glu Asp Phe His Gln Trp Val Leu Glu Asp Ser Phe Ala 260 265 270 Asp Gly Arg Pro Ala Leu Glu Lys Ala Gly Val Gln Phe Val Gly 275 280 285 Asp Val Thr Asp Tyr Glu His Val Lys Ile Arg Met Leu Asn Ala 290 295 300 Gly His Ile Met Leu Cys Phe Pro Ala Val Leu Ala Gly Phe Glu 305 310 315 Asn Val Asp His Ala Leu Ala Asp Pro Asp Leu Arg Arg Ile Leu 320 325 330 Glu Asn Phe Leu Asn Lys Asp Val Ile Pro Thr Leu Lys Ala Pro 335 340 345 Pro Gly Met Thr Leu Glu Gly Tyr Arg Asp Ser Val Ile Ser Arg 350 355 360 Phe Ser Asn Pro Ala Met Ala Asp Gln Thr Leu Arg Ile Ser Gly 365 370 375 Asp Gly Ser Ser Lys Ile Gln Val Phe Trp Thr Glu Thr Val Arg 380 385 390 Lys Ala Phe Glu Gly Lys Arg Asp Leu Ser Arg Ile Ala Phe Gly 395 400 405 Met Ala Ser Tyr Leu Glu Met Leu Arg Gly Lys Asp Glu Thr Gly 410 415 420 Gly Thr Tyr Glu Pro Phe Glu Pro Thr Phe Gly Asp Asn His Lys 425 430 435 Thr Leu Ala Lys Ala Asp Asp Phe Glu Ser Ala Leu Lys Leu Pro 440 445 450 Ala Phe Asp Ala Trp Arg Asp Leu Glu Thr Ser Gly Leu Asn Asn 455 460 465 Lys Val Val Glu Leu Arg Lys Ile Ile Arg Glu Lys Gly Val Lys 470 475 480 Ala Ala Leu Pro Ala 485 <210> 3 <211> 8 <212> PRT <213> Gluconobacter melanogenus <220> <221> peptide <223> Strain: IFO 3293 <400> 3 Met Thr Ile Thr Glu Gly Gly Tyr 1 5 8 <210> 4 <211> 8 <212> PRT <213> Gluconobacter melanogenus <220> <221> peptide <223> Strain: IFO 3293 <400> 4 Phe Pro Asn Gly Met Val Asp Arg 1 5 8
【図面の簡単な説明】
【図1】 G.メラノジーナスIFO 3293由来のL-ソルボー
スレダクターゼ欠損変異体、26-9Aの染色体DNAのTn5-挿
入領域の上流および下流のヌクレオチド配列を示す図で
ある。中央に示されるEcoRV断片は、Tn5で破壊されたG.
メラノジーナスIFO 3293の突然変異体である、菌株26-9
AのSR遺伝子を有する13kbの断片である。また、Tn5挿入
領域の上流および下流のヌクレオチド配列中に示される
アルファベット略号は、それぞれ以下の通りである:V
= A/C/G、N = A/C/G/T、W =A/T、Y = C/T。
【図2】 G.サブオキシダンスIFO 3291由来のSR遺伝子
のPCRクローニングに使用した、オリゴヌクレオチドプ
ライマーを示す図である。
【図3】 G.サブオキシダンスIFO 3291由来のL-ソルボ
ースレダクターゼ遺伝子を有する8.0kb EcoRV断片の制
限地図(上側)、および見つかったORFを示すL-ソルボ
ースレダクターゼ遺伝子の近傍のその拡大領域(下側)
を示す図である。図中、BはBamHI、EIはEcoRI、EOはEco
O109I、EVはEcoRV、HはHindIII、SはSmaIをそれぞれ示
す。
【図4】 G.サブオキシダンスIFO 3291のL-ソルボース
レダクターゼ遺伝子の破壊のための自殺プラスミドの構
築に関する略図である。図中、pSR03-1は、IFO 3291 SR
遺伝子を有する8kbのEcoRV断片を保持するpBluescript
II SKである。また、各略号は以下の通りである:EI =
EcoRI、EV = EcoRV、SR = ソルボースレダクターゼ、Ap
= アンピシリン耐性遺伝子、Cm = クロラムフェニコー
ル耐性遺伝子、Tc = テトラサイクリン耐性遺伝子。
【図5】 G.サブオキシダンスIFO 3291のL-ソルボース
レダクターゼ遺伝子の破壊の機序の略図である。図中、
SRはL-ソルボースレダクターゼを示し、Kmはカナマイシ
ン耐性遺伝子を示す。
【図6】 8%ソルビトール−No.5培地におけるSR3株お
よびG.サブオキシダンスIFO 3291の発酵の特徴を示すグ
ラフである。AはD-ソルビトールから変換されたL-ソル
ボースの資化プロフィールを示し、Bは増殖プロフィー
ルを示す。
【図7】 2%ソルビトール−SCM培地におけるSR3株お
よびG.サブオキシダンスIFO 3291の発酵の特徴を示すグ
ラフである。AはD-ソルビトールから変換されたL-ソル
ボースの資化プロフィールを示し、Bは増殖プロフィー
ルを示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月15日(1999.4.1
5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ひとつの局面
において、微生物のL-ソルボース還元に対する生物学的
活性が遺伝子操作により実質的に無効になることを特徴
とする、グルコノバクターまたはアセトバクター属に属
する微生物に由来する、新規の遺伝子操作された微生物
を提供する。好ましくは、これは、微生物の生物学的
活性の10%未満の生物学的活性を有するものであり、こ
の活性は、以下に記した活性の定義(例えば実施例1(ii
i))に従えば、0.07〜0.02U/mgタンパク質またはそれ
未満である。本発明の遺伝子操作された微生物の遺伝子
は、その微生物細胞における、活性型L-ソルボースレダ
クターゼの形成に必要な領域内のヌクレオチドの破壊、
付加、挿入、欠失および/または置換による少なくとも
1個の突然変異を保持することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、本発明に係る微生物においては、
(2)L-ソルボースの還元に関する生物学的活性が、
微生物の活性の10%未満である、上記(1)記載の遺伝子
操作された微生物であることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】(b)領域特異的突然変異誘発 Tn5突然変異誘発プロトコールは、遺伝子置換技術を用
いて、細菌株の野生型遺伝子を、大腸菌プラスミドに
よって運搬される十分に特徴付けの成されたTn5変異類
似体と置換することで更に幅が広がる。野生型の遺伝子
座がクローニングされた場合、Tn5またはその誘導体も
しくは選択マーカーを保持する遺伝子カセットによる領
域特異的突然変異誘発を、クローニングされた領域によ
って運搬される標的遺伝子およびオペロンを不活性化す
るために、効果的に使用することができる。この目的の
ために、前述のTn5それ自身もしくはその誘導体、また
は選択マーカーを伴ういかなる遺伝子カセット、例えば
pUC4Kによって運搬されるKmr遺伝子カセット(ファルマ
シア、ウプサラ、スウェーデン)などを使用することが
できる。この研究方法は、例えば、野生型遺伝子が一旦
クローニングされた親株から突然変異株の遺伝子を作成
する場合など、関心のある遺伝子を不活性化しようとす
る場合には、非常に効果的である。この種の置換実験に
おける唯一の制限は、二回交叉による組換えに必要な相
同配列の長さであり、これは好ましくは、両末端に0.5
〜5kbの長さの相同配列が必要とされる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:01) (C12N 1/21 C12R 1:02) (72)発明者 昆 隆英 神奈川県横浜市青葉区奈良町2913奈良北6 −503 (72)発明者 新城 雅子 神奈川県鎌倉市台5−5−30 (72)発明者 田副 正明 神奈川県横浜市港南区日野南3−6−405

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコノバクターまたはアセトバクター
    属に属する微生物に由来する遺伝子操作された微生物で
    あって、そのL-ソルボースの還元に関する生物学的活性
    が、それらの遺伝子組換えによって実質的に無効となる
    ことを特徴とする、微生物。
  2. 【請求項2】 L-ソルボースの還元に関する生物学的活
    性が、新微生物の活性の10%未満である、請求項1記載
    の遺伝子操作された微生物。
  3. 【請求項3】 遺伝子が、活性型L-ソルボースレダクタ
    ーゼの形成に必要な領域内に、ヌクレオチドの付加、挿
    入、欠失および/または置換による少なくとも1個の突
    然変異を有する、請求項2記載の遺伝子操作された微生
    物。
  4. 【請求項4】 突然変異が、活性型L-ソルボースレダク
    ターゼの形成に必要な領域内での破壊によって引き起こ
    される、請求項3記載の遺伝子操作された微生物。
  5. 【請求項5】 破壊が、トランスポゾン、抗生物質耐性
    遺伝子カセット、および宿主微生物が活性型L-ソルボー
    スレダクターゼを形成するのを妨げるDNA配列からなる
    群より選択される少なくとも1個の干渉性DNA断片を含
    む、請求項4記載の遺伝子操作された微生物。
  6. 【請求項6】 突然変異が、遺伝子工学技術を使った突
    然変異誘発によって誘起される、請求項3記載の遺伝子
    操作された微生物。
  7. 【請求項7】 活性型L-ソルボースレダクターゼの形成
    に必要な領域が、L-ソルボースレダクターゼをコードし
    ている構造遺伝子およびそれらの発現調節配列からなる
    群より選択されるDNA配列中にある、請求項3記載の遺伝
    子操作された微生物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の遺伝
    子操作された微生物の産生における、グルコノバクター
    またはアセトバクター属に属する微生物のL-ソルボース
    レダクターゼ遺伝子の使用であって、該遺伝子が、配列
    番号:2に記載のL-ソルボースレダクターゼのアミノ酸
    配列、または配列番号:2における1個以上のアミノ酸の
    挿入、欠失、付加および/または置換を含むその機能的
    同等物をコードしていることを特徴とする、遺伝子の使
    用。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれか1項記載の遺伝子
    操作された微生物の使用を含む、適当な培地における微
    生物の発酵によるL-ソルボースの製造法。
  10. 【請求項10】 L-ソルボース製造のための発酵工程を
    含む、ビタミンCの製造法であって、請求項1〜7のいず
    れか1項記載の遺伝子操作された微生物の使用を含むこ
    とを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の方法により製造された
    ビタミンC。
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