JP2000060561A - メタロチオネイン多量体とその製造方法 - Google Patents

メタロチオネイン多量体とその製造方法

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JP2000060561A
JP2000060561A JP10235879A JP23587998A JP2000060561A JP 2000060561 A JP2000060561 A JP 2000060561A JP 10235879 A JP10235879 A JP 10235879A JP 23587998 A JP23587998 A JP 23587998A JP 2000060561 A JP2000060561 A JP 2000060561A
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metallothionein
amino acid
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gene
recombinant vector
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Yoshikatsu Murooka
義勝 室岡
Mitsuo Yamashita
光雄 山下
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Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した状態で、かつ多量に発現させること
のできる新規なメタロチオネイン多量体と、その製造方
法を提供する。 【解決手段】 メタロチオネインがn個連結した多量体
であって、隣接する各メタロチオネインのC端アミノ酸
残基とN端アミノ酸残基が3個のアミノ酸残基Xaaによ
り結合しているメタロチオネイン多量体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願は、新規なメタロチ
オネイン多量体とその製造方法に関するものである。さ
らに詳しくは、この出願は、大腸菌等の微生物を用いて
大量かつ安定した状態で製造することができ、しかも環
境汚染の一因である重金属の補足活性に優れたメタロチ
オネイン多量体と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メタロチオネイン(metallothionein:以
下、MTと略記することがある)は、酵母、カビ、植
物、無脊椎動物、脊椎動物等の細胞内に存在するタンパ
ク質であり、例えば以下の性質等によって特徴付けられ
ている。 (1) 種々の重金属(Cd, Zn, Cu, Hg, Ag等)と結合し、
一分子当たりの金属含有量が高い。 (2) 低分子量タンパク質である。金属を含まない状態
で、N.crassaでは約3000、脊椎動物の多くで6000-7000
である。 (3) アミノ酸残基Cysを多く含む。哺乳類のMTでは全
アミノ酸残基の1/3がCysである(例えば、ヒトMT
遺伝子IIの場合、61アミノ酸のうち20がCysであ
る)。重金属はCysのチオール基を介してMTと結合し
ている。 (4) 芳香族アミノ酸を含まないので280nm での吸光がな
い。ただし、カドミウムを結合した場合には、カドミウ
ムとチオール基間にのメルカプチド結合により254nm 付
近に吸光がある。低pHでカドミウムをMTから分離さ
せるとこの吸光はなくなる。
【0003】またMTは、13CdNMRによる分析結果
から、2つのクラスターを形成していることが知られて
いる。Aクラスターは11個のCysが4原子のカドミウ
ムまたは亜鉛に結合していて、MTのC末端の31-61 ア
ミノ酸領域にあたり、αドメインとも言われる。一方、
Bクラスターは9個のCysが3原子のカドミウムまたは
亜鉛に結合していて、MTのN末端の1-30アミノ酸領域
に相当し、βドメインとも言われている。X線解析によ
って、αおよびβドメインは直径1.5 〜2.0nmの球形で
あることが知られている。
【0004】生物体の器官や組織から単離精製されたM
Tには様々な金属が結合している。例えば、ヒトの検死
体の肝臓より精製されたMTは亜鉛を多く含み、一方、
腎臓ではカドミウムを多く含むことが知られている。ま
た、実験的にカドミウムや亜鉛を投与した動物や肝臓や
腎臓からは、その金属を多く含むMTが得られることが
知られている。
【0005】現在のところ、MTの生物学的な存在意義
は明らかでないが、以下の機能が考えられている。すな
わち、重金属との結合能があり、また重金属、発癌遺伝
子産物やストレス刺激によって遺伝子転写レベルでの発
現の制御が行われていることから、重金属毒性の低減、
生体内での金属量の調節が考えられている。あるいは、
Cysを多く含むことから、酸化還元電位の調節、硫黄代
謝への関与が想定されている。さらに最近の報告では、
アルツハイマー病患者の脳で不足している神経成長阻害
因子とMT量に高い相関があることも明らかになってい
る。そして、広範囲の生物種に分布していることから、
生命維持に係わる重要な役割を果たしているものと考え
られている。
【0006】一方、MTの生物学的な機能とは別に、そ
の優れた重金属結合能に着目し、例えば環境汚染物質の
原因となる重金属除去を目的としたMTの利用について
も検討されており、遺伝子工学的手法によるMT生産に
ついて様々な試みがなされている。例えば、この出願の
発明者らは、サルMTIIcDNAをPR プロモーターお
よびSD配列下流に結合し、大腸菌における直接発現で
14mg/g(total protein) のMTの発現を既に報告してい
る(Appl. Environ. Microbiol. 53:204-207,1987)。
また、同じくこの出願の発明者らは、ヒトMTIIのアミ
ノ酸配列、DNA配列、並びに大腸菌発現のための合成
DNAのデザイン法を参考にしてヒトMTII遺伝子の全
合成を行い、大腸菌でβ−ガタクトシダーゼとの融合発
現し、全タンパク質の約24%にあたる量を発現させるこ
とに成功し、しかも得られたMTが有為な金属結合活性
を示すことをも見出している(J. Ferment. Bioeng. 77
(2):113-118, 1994 )。その他にも、大腸菌によるMT
発現の例が幾つか知られている(例えば、J. Biochem.
104:924-926, 1988; Biochem. Biophys. Acta. 951:230
-234, 1988; J. Biochnol. 8:207-220, 1988; Gene 83:
95-103, 1989; Biochem. Biophys. Acta. 1048:178-18
6, 1990)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の大腸菌でのMT
発現は、特に哺乳動物MTの場合には、融合発現では比
較的多量(全タンパク質の10%オーダー)に発現させる
ことが可能であるが、直接発現では発現量が少量(全タ
ンパク質の約1%前後)に限られていた。融合タンパク
質の場合には、MTの重金属結合能が変化する可能性が
あり、また融合タンパク質からMTを分離するには特別
な工程を必要とした。
【0008】この出願は以上のとおりの事情に鑑みてな
されたものであって、大腸菌等の宿主細胞において、全
タンパク質の10%以上もの高いレベルで発現させること
のできるMT多量体と、その製造方法を提供することを
課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この出願は、前記の課題
を解決するための発明として、メタロチオネインがn個
連結した多量体であって、隣接する各メタロチオネイン
のC端アミノ酸残基とN端アミノ酸残基が3個のアミノ
酸残基Xaaにより結合しているメタロチオネイン多量体
を提供する。
【0010】このメタロチオネイン多量体においては、
メタロチオネインがヒト由来のメタロチオネインである
こと、そして第1番目メタロチオネインが配列番号1の
アミノ酸配列からなり、第2、3、4・・・n番目メタ
ロチオネインが配列番号2のアミノ酸配列からなること
を好ましい態様としている。また前記XaaがGlyであ
り、nが2または4であることを好ましい態様としても
いる。
【0011】この出願はまた、メタロチオネインをコー
ドする遺伝子をn個保有する組換えベクターであって、
隣接する各遺伝子の3’端と5’端の間に3個のアミノ
酸残基Xaaをコードするオリゴヌクレオチドが挿入され
ている組換えベクターを提供する。この組換えベクター
においては、メタロチオネインをコードする遺伝子がが
ヒトゲノムDNAから調製されたcDNAであること、
そして第1番目cDNAが配列番号1のアミノ酸配列を
コードするcDNAであり、第2、3、4・・・n番目
cDNAが配列番号2のアミノ酸配列をコードするcD
NAであることを好ましい態様としている。また、前記
XaaがGlyであり、nが2または4であることを好まし
い態様としてもいる。
【0012】この出願はさらに、前記の組換えベクター
を宿主細胞に導入して細胞を形質転換し、この形質転換
細胞の産生するメタロチオネイン多量体を単離精製する
ことを特徴とするメタロチオネイン多量体の製造方法を
提供する。この製造方法においては、宿主細胞が大腸菌
であること、そしてメタロチオネイン多量体をジチオト
レイトールにより可溶化して単離精製することをを好ま
しい態様としている。
【0013】以下、この発明の実施の形態について詳し
く説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明のMT多量体は、MT遺
伝子をn個保有する組換えベクターであって、隣接する
各遺伝子の3’端と5’端の間に3個のアミノ酸残基X
aaをコードするオリゴヌクレオチドが挿入されている組
換えベクターを宿主細胞に導入して細胞を形質転換し、
この形質転換細胞の産生するMT多量体を単離精製する
ことによって得ることができる。このようにして得られ
るMT多量体は、MTがn個連結した多量体であって、
隣接する各メタロチオネインのC端アミノ酸残基とN端
アミノ酸残基が3個のアミノ酸残基Xaaにより結合して
いる。
【0015】MT遺伝子は、N.crassa、酵母、ニジマ
ス、サル、ヒト等の公知のMT遺伝子を用いることがで
きる。特に、サルやヒト等の哺乳類の遺伝子は、公知の
cDNA等を含む配列を用いることができる。例えば、
サルの場合には、サルMTIIcDNA(Appl. Environ.
Microbiol. 53:204-207, 1987)、ヒトの場合には、後
記する参考例に示したような合成ヒトMTIIcDNAを
用いることができる。また、これらの公知の配列を基に
作成したプローブを用いて既存のゲノムライブラリー、
cDNAライブラリーをスクリーニングすることによ
り、目的とするMT遺伝子またはそのcDNAを得るこ
ともできる。
【0016】この様なMT遺伝子n個は、各々の3’端
と5’端の間に3個のアミノ酸残基Xaaをコードするオ
リゴヌクレオチドが挿入された状態で発現ベクターに組
み込むようにする。具体的には、3個のアミノ酸残基X
aaをコードするオリゴヌクレオチド(9bp)の5’側
に、MT遺伝子の3’側の一部配列を連結するか、3’
側にMT遺伝子の5’側配列を連結するか、もしくは両
端にMT遺伝子の3’側および5’側配列を連結したリ
ンカー配列を作成し、制限酵素による切断およびライゲ
ーションによって隣接するMT遺伝子とリンカー配列と
を結合することができる。Xaaは任意のアミノ酸残基
とすることができ、3個をそれぞれ異なったものとして
もよく、あるいは同一のアミノ酸残基としてもよいが、
実施例に示したように3個全てをGlyとすることが好ま
しい。これによって、結合したMT同士が空間を自由に
動けるようにすることができる。
【0017】MT遺伝子およびリンカー配列の発現ベク
ターへの挿入は、例えば、任意のプロモーター配列の下
流にMT遺伝子を1個保有するベクターにリンカー配列
を挿入して増幅し、切り出した[MT遺伝子+リンカー
配列]を別の組換えベクター挿入することを繰り返すこ
とによって、[MT遺伝子+リンカー配列]をn個連続
して有する組換えベクターを作成することができる。
【0018】発現ベクターは宿主細胞の種類に応じて適
宜なものを選択することができる。作成した組換えベク
ターは、公知の方法により宿主細胞に導入し、形質転換
細胞を選択する。宿主細胞として大腸菌を使用する場合
は、発現ベクターとしてはプラスミドベクターを使用す
ることができ、プラスミドの保有する薬剤耐性遺伝子を
用いて形質転換細胞を選択することができる。形質転換
細胞を所定温度で所定時間培養し、必要に応じてIPG
T添加等によりタンパク質を誘導し、菌体を超音波破砕
し、遠心分離ののち、その不溶性画分(沈殿)から目的
とするMT多量体を回収することができる。なお、沈殿
物中のMT多量体はDTT(ジチオトレイトール)によ
って可溶化し、最終的には遠心分離後の上清から回収す
ることが好ましい。
【0019】
【実施例】以下、実施例および試験例を示してこの発明
についてさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明
は以下の例によって限定されるものではない。なお、以
下の実施例におけるMT多量体の作成には、下記参考例
の方法により作成した合成ヒトMTII遺伝子と、このヒ
ト遺伝子によるMT単量体発現ベクターを使用した。
【0020】また、下記参考例および実施例における遺
伝子操作等は公知の方法(Maniatis,T., et al. Molecu
lar cloning: a laboratory manual, 1982等)に準拠し
て行った。 参考例1:ヒトMT遺伝子の合成 図1上段の塩基配列に示したように、MT遺伝子をM1
〜M8の8個の断片に分け、DNA synthesizer Cyclo
ne (Bio-Serch 社製)でそれぞれを合成した。DNA配
列は、大腸菌の使用コドンを考慮して変更した。また、
制限酵素サイトをMTのDNA配列内に導入した。合成
した断片はHPLC(日本分光社製。C-18カラムを使
用)で精製し、図1下段に示したように、リン酸化、ア
ニーリング、ライゲーションを行った。アガロース電気
泳動後、180 〜200bp 付近のバンドを抽出し、pUC系
のベクターpHSG298 (宝酒造株式会社製)のマルチ
クローニングサイトに挿入し、pLMT001 、pLMT
002 とした。 参考例2:MT単量体発現ベクター(tacプロモータ
ー)の構築 参考例1で作成したpLMT001 、pLMT002 から、
図2に示した方法により、ヒトMT遺伝子を1個保有す
る組換えベクターpTAMT1と、ヒトMT遺伝子2個
をタンデムに並べたpTAMT2、3個タンデムに並べ
たpTAMT3を構築した。なお、この組換えベクター
作成に使用したプラスミドベクターのうち、pRMTII
SD21の出典はAppl. Environ. Microbiol. 53:204-2
07, 1987であり、pTTQ18は前記のMolecular clonin
g: a laboratory manual, 1982である。また、pTTQ
18の構成は図3に示したとおりである。
【0021】さらに図4に示した方法により、pTAM
T2を基にヒトMT遺伝子を4個タンデムに並べた組換
えベクターpTAMT4、またpTAMT3からMT遺
伝子6個をタンデムに並べたpTAMT6を構築した。
なお、図4の下段に塩基配列を示したように、pTAM
T4およびpTAMT6の構築のためにMung Bean Nucl
ease処理した部分(◇)は、他のMT遺伝子間の配列
(○)と比較して四角で囲った部分で1bpだけ短くなっ
ている。
【0022】以上のとおりに構築した各ベクターの、M
T単量体コード配列を含むDNA断片(EcoRI−Hin
dIII断片)の塩基配列を、各々図5〜図9に示す。各配
列中、下線部がMT単量体のコード配列であり、この配
列は配列番号1のアミノ酸配列をコードしている。 参考例3:MT単量体発現ベクター(PR プロモータ
ー)の構築 図10に工程図を示した方法により、PR プロモーター
(熱誘導プロモーター)によるMT単量体発現ベクター
pRKMT1を構築した。すなわち、図11に構成図を
示したpRLK14−m1(Gene 51:255-267, 1987; J.
Biotech. 2:289-301, 1985)をEcoRIとXbaIで切断
し、電気泳動後、ベクター断片(PR プロモーター、 g
alK遺伝子、4.4kb 、1.6 μg )を取得した。同時に、
参考例2で構築したpTAMT1(2μg )をEcoRI
とXbaIで切断し、電気泳動後、小断片(MT遺伝子1
個、213bp 、0.7 μg )を取得した。そして両者を結合
することによって、pRKMT1を構築した。
【0023】また、pRLK14−m1のEcoRI−Xba
I断片(4.4kb )と参考例2で構築したpTAMT4の
EcoRI−XbaI断片(MT遺伝子4個、762bp )を結
合して、MT遺伝子4個をタンデムに保有するpRKM
T4を構築した。さらに、pRLK14−m1のEcoRI
−XbaI断片(4.4kb )と参考例2で構築したpTAM
T6のEcoRI−XbaI断片(MT遺伝子6個、1277b
p)を結合して、MT遺伝子6個をタンデムに保有する
pRKMT6を構築した。 実施例1:リンカー配列の作成 図12上段に塩基配列を示したリンカー配列を合成し
た。このリンカー配列は、全長47bpで、MTのC末端の
一部(8アミノ酸)と3個のGly、MTのN末端の3ア
ミノ酸をコードしている。またこのリンカー配列は、図
12下段に示したように、MT2量体および4量体を構
築するための3つの制限酵素サイト(SpeI、BglII、
HindIII)が設けられている。作成方法は次の通りであ
る。先ず、4つの部分(MTL1〜4)に分けて合成
し、このMTL1〜4の各一本鎖DNAをそれぞれ4nm
olずつ分取し、混合した。そして、T4 Polynucleotid
e Kinaseを用いて、各一本鎖DNAの5'- 末端をリン酸
化し、ライゲーションを行い、Phe/Chl処理後、Et
OH沈殿を行った。この状態の合成鎖は47bp以上の長鎖
であるため、SpeIおよびHindIIIで切断して目的サイ
ズとしたのち、再びPhe/Chl処理後、EtOH沈殿を
行い、10μl のTEバッファーに溶解し、リンカー配列
を得た。 実施例2:MT2量体発現ベクター(tacプロモータ
ー)の構築 図13に示した方法により、MT2量体発現ベクターp
TAMTL2を構築した。
【0024】参考例2で構築したpTAMT1(MT遺
伝子1個、4749bp、2μg )をNheIとHindIIIで切断
し、電気泳動後、ベクター断片(4687bp、1.4 μg )を
取得した。これと、実施例1で作成したリンカー配列を
結合させ、pTAMT1−L(4734bp)を構築した。な
お、ベクター断片とリンカー配列の結合はベクター側の
NheIサイトとリンカー配列側のSpeIサイトの結合に
よってなされ、結合後は両者とも制限酵素サイトではな
くなる。このように、リンカー配列を結合させた部位の
制限酵素サイトを破壊することによって、MT多量体を
コードする組換えベクターの構築を可能とした。ベクタ
ー構築後、塩基配列の決定を行い、リンカー配列が正し
く合成されていることを確認した。
【0025】次に、このpTAMT1−L(4734bp、2
μg )をBglIIで切断し、電気泳動後、ベクター断片
(4734bp、1.2 μg )を取得した。同時に、pTAMT
1(2μg )をBamHIで切断し、電気泳動後、小断片
(MT遺伝子1個、186bp 、0.5 μg )を取得した。両
者のBglIIおよびBamHIを結合させ、pTAMTL2
(MT2量体遺伝子、4920bp)を構築した。この場合に
も、BglIIとBamHIの結合によって制限酵素サイトを
破壊した。ベクター構築後、MT遺伝子+リンカー配列
+MT遺伝子(MT2量体遺伝子)が正しい方向に挿入
されていることを、PstI断片の長さ(202bp )で確認
した。また、ベクターのEcoRI−HindIII断片をpB
luescriptII SK+ベクターに組み込んだ後、414bp の
塩基配列を決定し、図14の塩基配列であることを確認
した。 実施例3:MT4量体発現ベクター(tacプロモータ
ー)の構築 図13に示した方法により、MT4量体発現ベクターp
TAMT42を構築した。
【0026】実施例2で構築したpTAMT1−L(47
34bp、2μg )をBamHIとBglIIで切断し、電気泳動
後、小断片(MT遺伝子1個+リンカー配列、189bp 、
0.6μg )を取得した。これを、pTAMT1−LのBg
lII開列部位に挿入結合し、pTAMTL−2(MT2
量体遺伝子+リンカー配列、4923bp)を構築した。次
に、このpTAMT2−L(4923bp、2μg )をBamH
IとBglIIで切断し、電気泳動後、ベクター断片(4911
bp、1.5 μg )を取得した。同時に、実施例2で構築し
たpTAMT2(2μg )をBamHIとHindIIIで切断
し、電気泳動後、小断片(MT2量体遺伝子、387bp 、
0.8 μg )を取得した。両者を結合させ、pTAMTL
4(MT4量体遺伝子、5298bp)を構築した。ベクター
構築後、EcoRI−HindIII断片をpBluescriptII S
K+ベクターに組み込み、792bp の塩基配列を決定し、
図15の塩基配列であることを確認した。 実施例4:MT2量体発現ベクター(PR プロモータ
ー)の構築 図16に示した方法により、MT2量体発現ベクターp
RKMTL2を構築した。
【0027】pBluescriptII SK+ベクター(2961b
p、2μg )をEcoRIとHindIIIで切断し、電気泳動
後、ベクター断片(2949bp、1.3 μg )を取得した。同
時に実施例2で取得したpTAMTL2をEcoRIとH
indIIIで切断し、電気泳動後、小断片(MT2量体遺伝
子、408bp 、1.2 μg )を取得した。両者を結合し、p
BSMTL2(3357bp)を構築した。これにより、MT
2量体遺伝子のEcoRI−KpnIによる切り出しが可能
となる。
【0028】pUC19(2689bp)をEcoRIとKpnIで
切断し、電気泳動後、ベクター断片(2674bp、1.5 μg
)を取得した。同時にpBSMTL2をEcoRIとKp
nIで切断し、電気泳動後、小断片(MT2量体遺伝
子、444bp 、0.9 μg )を取得した。両者を結合し、p
UCMTL2(3118bp)を構築した。次に、pRKM14
−m1(PR :PL プロモーター、 galK遺伝子、5.2k
b 、2μg )をEcoRIとXbaIで切断し、電気泳動
後、ベクター断片(PR プロモーター、gal K遺伝子、
4.4kb 、1.5 μg )を取得した。同時にpUCMTL2
(2μg )をEcoRIとXbaIで切断し、電気泳動後、
小断片(MT2量体遺伝子、459bp 、0.9 μg )を取得
した。両者を結合し、pRKMTL2(4.8kb )を構築
した。 実施例5:MT4量体発現ベクター(PR プロモータ
ー)の構築 図16に示した方法により、MT4量体発現ベクターp
RKMTL4を構築した。
【0029】pBluescriptII SK+ベクター(2961b
p、2μg )をEcoRIとHindIIIで切断し、電気泳動
後、ベクター断片(2949bp、1.3 μg )を取得した。同
時に実施例3で取得したpTAMTL4をEcoRIとH
indIIIで切断し、電気泳動後、小断片(MT4量体遺伝
子、786bp 、1.2 μg )を取得した。両者を結合し、p
BSMTL4(3735bp)を構築した。これにより、MT
4量体遺伝子のEcoRI−KpnIによる切り出しが可能
となる。
【0030】pUC19(2689bp)をEcoRIとKpnIで
切断し、電気泳動後、ベクター断片(2674bp、1.5 μg
)を取得した。同時にpBSMTL4をEcoRIとKp
nIで切断し、電気泳動後、小断片(MT4量体遺伝
子、822bp 、1μg )を取得した。両者を結合し、pU
CMTL4(3496bp)を構築した。次に、pRKM14−
m1(PR ・PL プロモーター、gal K遺伝子、5.2kb
、2μg )をEcoRIとXbaIで切断し、電気泳動
後、ベクター断片(PR プロモーター、gal K遺伝子、
4.4kb 、1.5 μg )を取得した。同時にpUCMTL4
(2μg )をEcoRIとXbaIで切断し、電気泳動後、
小断片(MT4量体遺伝子、837bp 、1.1 μg )を取得
した。両者を結合し、pRKMTL4(5.2kb )を構築
した。 実施例6:タンパク質の発現 参考例2で作成したpTAMT1、pTAMT2、pT
AMT4、pTAMT6、実施例2で作成したpTAM
TL2および実施例3で作成したTAMTL4の各ベク
ターで、定法によりE.coli JM109 株を形質転換し、
この形質転換体からタンパク質を発現させた。
【0031】先ず、各形質転換体を一晩振盪培養した前
培養液30μl をAmp100 μg/ml入り3mlLB培地に加
え、37℃で振盪培養した。2時間後、終濃度がそれぞれ
1mMのIPTGおよび亜鉛(ZnSO2 )を加えた。次い
で、3時間後および6時間後の2回に分けてタンパク質
発現後の大腸菌を集菌し、超音波破砕後、粗抽出液の状
態でSDS−PAGEを行い、CBB染色と銀染色の二
重染色を行った。
【0032】結果は図17に示したとおりである。3時
間後および6時間後ともMT2量体および4量体の発現
が観察された(図17の△印)。単量体の発現はわずか
に認められた。この単量体は、ゲル上では他のタンパク
質と重なるために判別しにくいが、HPLCでの分離に
より発現が確認された。 実施例7:MT2量体、4量体の取得 参考例2のpTAMT1およびpTAMT6、実施例2
のpTAMTL2、実施例3のTAMTL4の各ベクタ
ーで定法によりE.coli JM109 株を形質転換し、各形
質転換体を一晩振盪培養した前培養液30μl をAmp100
μg/ml入り3mlLB培地に加え、37℃で振盪培養し、2
時間後、終濃度がそれぞれ1mMのIPTGおよび亜鉛
(ZnSO2 )を加え、6時間後に超音波破砕し、15000rp
m、5分間、4℃で遠心分離して可溶性画分および不溶
性画分への分画を行った。
【0033】また、参考例3のpRKMT1およびpR
KMT6、実施例4のpRKMTL2、実施例5のRK
MTL4の各ベクターで定法によりE.coli JM109 株
を形質転換し、各形質転換体を一晩振盪培養した前培養
液30μl を3mlLB培地に加え、28℃で2時間培養後、
温度を37℃に昇温して5時間培養した後、超音波破砕
し、15000rpm、5分間、4℃で遠心分離して可溶性画分
および不溶性画分への分画を行った。
【0034】それぞれの画分の試料についてSDS−P
AGEを行い、CBB染色と銀染色の二重染色を行っ
た。結果は図18に示したとおりである。MT2量体お
よび4量体とも不溶性画分(遠心分離による沈殿物)に
分離された。発現量は、tacプロモーター系ベクター
(pTAMTL2、pTAMTL4)が高く、取得され
たMT2量体および4量体は全タンパク質の約10%を占
めていた。
【0035】次に、不溶性画分中のMT2量体および4
量体について、可溶化条件を検討した。可溶化のための
試薬として、10mM 2−メルカプトエタノール(ME)、
8M尿素(Urea)、6M塩酸グアニジン(Gu)、1% T
riton X−100 (Triton)を用い、各試薬は50mM Tris-
HCl (pH8.0 )溶液で調製した。先ず、2量体、4量体
を含む不溶性の沈殿をそれぞれの試薬溶液中(30μl )
に懸濁し、1.5 時間室温で静置した。15000rpm、5分
間、4℃で遠心分離を行い、再び可溶性画分と不溶性画
分とに分離し、可溶化の有無をSDS−PAGEで確認
した。得られたバンドはCBB染色と銀染色とによって
二重染色した。
【0036】結果は図19に示したとおりであり、10mM
2−メルカプトエタノールが最も良好な溶出パターンを
示した。また、1% Triton X−100 を用いた場合にも
31kDa 付近に可溶化されたタンパク質のバンドが見られ
たが、このバンドは2量体および4量体ともに同じ位置
であるため、菌体由来の膜タンパク質であると考えられ
る。
【0037】さらに、同じSH基還元試薬であるDTT
(ジチオトレイトール)と2−メルカプトエタノールの
溶出効果を比較した。濃度は両者とも10mMとし、溶出時
間の検討も同時に行った。結果は図20に示したとおり
であり、DTTを用いた場合のほうが溶出効率が高かっ
た。また、溶出時間は1時間で十分であることが確認さ
れた。
【0038】なお、以上の方法により得られたMT2量
体、4量体はSDS−PAGEにおいてブロードなバン
ドを形成したが、Cysのチオール基をカルボキシメチル
化することによってシャープなバンドを得ることが可能
であった。すなわち、MT単量体(GST融合MTをフ
ァクターXaで切断したもの)、2量体および4量体タ
ンパク質溶液(各10μl )に、2μl 0.2 M Tris-HCl
(pH8.8) 、8%SDS、40%グリセロール、2μl 0.2M
DTTを添加し、5分間 100℃で熱した後、急冷した。
4μl 1Mヨード酢酸溶液(pH8.0 )を加えて50℃で30
分間インキュベートしてそれぞれをカルボキシメチル化
し、SDS−PAGEで泳動パターンを確認した。結果
は図21に示したとおりであり、カルボキシメチル化し
たMTはシャープなバンドを形成した。このことから、
単量体、2量体および4量体とも単一のタンパク質とし
て発現されていることが判明した。
【0039】以上の結果から、MT多量体の好ましい取
得方法をまとめると、図22のとおりである。すなわ
ち、2回のIPTG添加によりタンパク質を誘導し、同
時に亜鉛を培地に加えてタンパク質の安定化を行う。そ
して、不溶性画分から分離された2量体、4量体を1mM
のDTTで洗浄した後、10mMのDTTで溶出し、最終的
に上清中からMT2量体、4量体を回収する。なお、1m
M DTTでの洗浄は、目的とする2量体、4量体以外の
非特異的なタンパク質を除去するために有効である。 実施例8:MT多量体の重金属結合活性の検討 実施例7で取得したMT2量体および4量体について、
重金属の結合能を試験した。 (1) 試料の調製 実施例7で取得したMT2量体、4量体をぞれぞれ0.5M
のHCl で5mlにメスアップし、測定試料とした。各試料
100ml に対して5g のChelex 100 Resin(Bio-Rad 社
製)を加え、1時間撹拌した後にフィルターでChelex 1
00 Resinを除去した。 (2) タンパク質の定量 改変Folin-Lowry 法(Analytical Biochemistry 54:304
-306, 1973)を用いて行った。試料溶液40μl にReagen
t Dを40μl 加えた後、Reagent Cを20μl 加えて30分
間室温で反応させ、次いで、Reagent Bを500 μl 加
え、10分間室温で反応させた後、Reagent Eを50μl 加
え、30分後に750nm で吸光度を測定した。 (3) 重金属含有量の測定 原子吸光光度計SAS 7500A Atomic Absorption Spect
rophotometer(セイコー電子工業社製)を用い、そのプ
ロトコールに従って行った。 (4) 結果 結果は表1に示したとおりである。この表1から明らか
なように、カドミウムおよび亜鉛について、MT4量体
は2量体の約2倍の重金属を含有することが確認され
た。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、新規なメタロチオネイン多量体とその製造方法
が提供される。このメタロチオネイン多量体は、全タン
パク質の10%以上もの高レベルで取得することが可能
であり、その優れた重金属結合能によって、汚染土壌や
汚染水等の環境修復のための材料としても有用である。
【0042】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:61 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:ホモサピエンス 配列 Met Asp Pro Asn Cys Ser Cys Ala Ala Gly Asp Ser Cys Thr Cys Ala 1 5 10 15 Gly Ser Cya Lys Cys Lys Glu Cys Lys Cys Thr Ser Cys Lys Lys Ser 20 25 30 Cys Cys Ser Cys Cys Pro Val Gly Cys Ala Lys Cys Ala Gln Gly Cys 35 40 45 Ile Cys Lys Gly Ala Ser Asp Lys Cys Ser Cys Cys Ala 50 55 60 配列番号:2 配列の長さ:60 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:ホモサピエンス 配列 Asp Pro Asn Cys Ser Cys Ala Ala Gly Asp Ser Cys Thr Cys Ala Gly 1 5 10 15 Ser Cya Lys Cys Lys Glu Cys Lys Cys Thr Ser Cys Lys Lys Ser Cys 20 25 30 Cys Ser Cys Cys Pro Val Gly Cys Ala Lys Cys Ala Gln Gly Cys Ile 35 40 45 Cys Lys Gly Ala Ser Asp Lys Cys Ser Cys Cys Ala 50 55 60
【図面の簡単な説明】
【図1】合成ヒトMTII遺伝子の作成方法を示した塩基
配列(上段)と、工程図(下段)である。
【図2】MT単量体発現ベクター(tacプロモータ
ー)の構築方法を示した工程図である。
【図3】プラスミドベクターpTTQ18の構成図であ
る。
【図4】別のMT単量体発現ベクター(tacプロモー
ター)の構築方法を示した工程図である。
【図5】pTAMT1(MT単量体遺伝子1個)のEco
RI−HindIII断片の塩基配列と(上段)と、この配列
中にコードされたMT単量体のアミノ酸配列(下段)で
ある。
【図6】pTAMT2(MT単量体遺伝子2個)のEco
RI−HindIII断片の塩基配列である。
【図7】pTAMT3(MT単量体遺伝子3個)のEco
RI−HindIII断片の塩基配列である。
【図8】pTAMT4(MT単量体遺伝子4個)のEco
RI−HindIII断片の塩基配列である。
【図9】pTAMT6(MT単量体遺伝子6個)のEco
RI−HindIII断片の塩基配列である。
【図10】MT単量体発現ベクター(PR プロモータ
ー)の作成方法を示した工程図である。
【図11】プラスミドベクターpRLK14−m1の構成
図である。
【図12】この発明のMT多量体発現ベクターを構築す
るために使用したリンカー配列の塩基配列(上段)と、
その合成過程を示した工程図(下段)である。
【図13】この発明のMT多量体発現ベクター(tac
プロモーター)の構築方法を示した工程図である。
【図14】pTAMTL2(MT2量体遺伝子)のEco
RI−HindIII断片の塩基配列と(上段)と、この配列
中にコードされたMT2量体のアミノ酸配列(下段)で
ある。
【図15】pTAMTL4(MT4量体遺伝子)のEco
RI−HindIII断片の塩基配列と(上段)と、この配列
中にコードされたMT4量体のアミノ酸配列(下段)で
ある。
【図16】この発明のMT多量体発現ベクター(PR
ロモーター)の構築方法を示した工程図である。
【図17】MT単量体、2量体、4量体の各発現ベクタ
ーによる形質転換大腸菌からのタンパク質発現の経時変
化を示したSDS−PAGE泳動パターンである。
【図18】MT単量体、2量体、4量体の各発現ベクタ
ーによる形質転換大腸菌を破砕し、遠心分離した上清
(s)および沈殿(p)におけるタンパク質発現を測定
したSDS−PAGE泳動パターンである。
【図19】2量体、4量体の上清(s)および沈殿
(p)におけるタンパク質可溶化効果を比較したSDS
−PAGE泳動パターンである。
【図20】2量体、4量体の上清(s)および沈殿
(p)におけるタンパク質の2−メルカプトエタノール
とDTTの可溶化効果を比較したSDS−PAGE泳動
パターンである。
【図21】2量体、4量体をそれぞれカルボキシメチル
化した後のSDS−PAGE泳動パターンである。
【図22】この発明のMT2量体、4量体の製造方法を
例示した工程図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:91) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19) Fターム(参考) 4B024 AA01 AA03 AA07 BA21 BA80 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 4B064 AG02 CA02 CD01 CE02 CE08 DA01 DA17 4B065 AA26X AA93Y BA02 BD16 CA24 CA44 CA56 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 DA01 EA20 EA65 FA74 GA01 HA31

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタロチオネインがn個連結した多量体
    であって、隣接する各メタロチオネインのC端アミノ酸
    残基とN端アミノ酸残基が3個のアミノ酸残基Xaaによ
    り結合しているメタロチオネイン多量体。
  2. 【請求項2】 メタロチオネインが、ヒト由来のメタロ
    チオネインである請求項1のメタロチオネイン多量体。
  3. 【請求項3】 第1番目メタロチオネインが配列番号1
    のアミノ酸配列からなり、第2、3、4・・・n番目メ
    タロチオネインが配列番号2のアミノ酸配列からなる請
    求項2のメタロチオネイン多量体。
  4. 【請求項4】 XaaがGlyである請求項1ないし3のい
    ずれかのメタロチオネイン多量体。
  5. 【請求項5】 nが2である請求項1ないし4のいずれ
    かのメタロチオネイン多量体。
  6. 【請求項6】 nが4である請求項1ないし4のいずれ
    かのメタロチオネイン多量体。
  7. 【請求項7】 メタロチオネインをコードする遺伝子を
    n個保有する組換えベクターであって、隣接する各遺伝
    子の3’端と5’端の間に3個のアミノ酸残基Xaaをコ
    ードするオリゴヌクレオチドが挿入されている組換えベ
    クター。
  8. 【請求項8】 メタロチオネインをコードする遺伝子
    が、ヒトゲノムDNAから調製されたcDNAである請
    求項7の組換えベクター。
  9. 【請求項9】 第1番目cDNAが配列番号1のアミノ
    酸配列をコードするcDNAであり、第2、3、4・・
    ・n番目cDNAが配列番号2のアミノ酸配列をコード
    するcDNAである請求項8の組換えベクター。
  10. 【請求項10】 XaaがGlyである請求項7ないし9の
    いずれかの組換えベクター。
  11. 【請求項11】 nが2である請求項7ないし10のい
    ずれかの組換えベクター。
  12. 【請求項12】 nが4である請求項7ないし10のい
    ずれかの組換えベクター。
  13. 【請求項13】 請求項7ないし12のいずれかの組換
    えベクターを宿主細胞に導入して細胞を形質転換し、こ
    の形質転換細胞の産生するメタロチオネイン多量体を単
    離精製することを特徴とするメタロチオネイン多量体の
    製造方法。
  14. 【請求項14】 宿主細胞が大腸菌である請求項13の
    製造方法。
  15. 【請求項15】 メタロチオネイン多量体をジチオトレ
    イトールにより可溶化して単離精製する請求項13また
    は14の製造方法。
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