JP2000060558A - 植物の転写因子をコードする遺伝子 - Google Patents
植物の転写因子をコードする遺伝子Info
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Abstract
する転写因子遺伝子。(a) 配列番号2、配列番号4、配
列番号8、又は配列番号10で表されるアミノ酸配列から
なるタンパク質 (b) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列において少なくとも1個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつストレス応答性エレメント下流の遺伝子
の転写を制御するタンパク質。
Description
レメントに結合し該エレメント下流の遺伝子の転写を制
御するタンパク質、該タンパク質をコードする遺伝子、
該遺伝子を含有する組換えベクター、該組換えベクター
を含む形質転換体、該遺伝子を含有するトランスジェニ
ック植物、該形質転換体を用いる前記タンパク質の製造
方法、植物のストレスレベルの測定方法に関する。
り行われる。RNAポリメラーゼは二本鎖DNAを鋳型に、プ
ライマー非依存的にリボヌクレオシドリン酸を3'の方向
に向かって重合する。例えば、大腸菌の場合、RNAポリ
メラーゼは、β'βα2のコア酵素に、プロモーター認識
能をもつσ因子が結合したホロ酵素の形をとり、転写の
開始と伸長を起こし、ρ因子の結合によって終結に至
る。一方、真核生物の場合、RNAポリメラーゼは、I型、
II型、III型の3つのクラスに分けられ、いずれも10種
類以上のサブユニットから構成される複雑な構造をとっ
ており、I型はrRNA、II型はmRNA前駆体、III型はtRNA及
び5SrRNAをそれぞれ選択的に転写する。このようなRNA
ポリメラーゼによるRNAの合成量は、細胞の増殖ステー
ジや外部環境の変化に応じて様々に変動し、この変動に
はRNAポリメラーゼの転写開始を正又は負に制御する転
写因子が深く関与している。
放射線・金属イオン・有機化合物などを含む多くの因子
からなる外部環境に曝されて生存している。これら外部
環境が変動すると、細胞は、それをストレスとして感知
し特有の応答を示す。例えば、細胞は高温に対して、熱
ショック応答と呼ばれる反応を示し、これにより一群の
熱ショックタンパク質(HSP;heat shock protein)が発現
誘導される。HSPは、熱によって変成したタンパク質の
不可逆的沈殿を防止し、それらの再生を助ける分子シャ
ペロン機能を有し、熱ストレスから細胞を守る働きをし
ている。この熱ショック応答の発現には、ヒト、アフリ
カツメガエル、ショウジョウバエなどにおいては、熱シ
ョック因子(HSF;heat shock factor)と呼ばれる転写因
子が重要な役割を果たしていることが知られている[永
田和宏:細胞工学, 10:348-356(1991)]。HSFは熱ショッ
クにより活性化され、HSPをコードする遺伝子(熱ショッ
ク遺伝子ともいう)の上流にある熱ショックエレメント
(HSE;heat shock element)に結合し、熱ショック遺伝
子の転写を促進する。
・塩ストレスなどのストレス状態に置かれると、細胞内
に、LEAタンパク質、水チャネルタンパク質、適合溶質
の合成酵素などのストレスタンパク質を誘導し、自身の
細胞をそれらのストレスから防御していることが報告さ
れている。しかし、その転写を調節している転写因子に
ついては、未解明な点が多く残されている。
答性の遺伝子発現の制御に必須のストレス応答性エレメ
ント下流の遺伝子の転写を制御するタンパク質、該タン
パク質をコードする遺伝子、該遺伝子を含有する組換え
ベクター、該組換えベクターを含む形質転換体、該遺伝
子を含有するトランスジェニック植物、該形質転換体を
用いる前記タンパク質の製造方法、植物のストレスレベ
ルの測定方法を提供することを目的とする。
を解決するため鋭意研究を行った結果、低温耐性植物で
あるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)から、スト
レス応答性エレメントに結合し該エレメント下流の遺伝
子の転写を活性化する転写因子をコードする遺伝子を単
離することに成功し、本発明を完成するに至った。
組換えタンパク質である。 (a) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質 (b) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列において少なくとも1個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつストレス応答性エレメント下流の遺伝子
の転写を制御するタンパク質
ンパク質をコードする転写因子遺伝子である。 (a) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質 (b) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列において少なくとも1個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつストレス応答性エレメント下流の遺伝子
の転写を制御するタンパク質
Aを含む遺伝子である。 (c) 配列番号1、配列番号3、配列番号7、又は配列番
号9で表される塩基配列からなるDNA (d) 配列番号1、配列番号3、配列番号7、又は配列番
号9で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズし、かつストレス応答性エ
レメント下流の遺伝子の転写を制御するタンパク質をコ
ードするDNAここで、上記ストレスとしては、例えば乾
燥ストレス、低温ストレス又は塩ストレスが挙げられ
る。
組換えベクターである。さらに、本発明は、上記組換え
ベクターを含む形質転換体である。さらに、本発明は、
上記遺伝子を含有するトランスジェニック植物である。
さらに、本発明は、上記形質転換体を培地に培養し、得
られる培養物からストレス応答性エレメント下流の遺伝
子の転写を制御するタンパク質を採取することを特徴と
する、該タンパク質の製造方法である。さらに、本発明
は、上記遺伝子の植物体内における転写レベルを測定す
ることを特徴とする植物のストレスレベルの測定方法で
ある。以下、本発明を詳細に説明する。
塩などの環境ストレスにより発現されるストレス応答性
タンパク質をコードする遺伝子の上流に存在するシスエ
レメントに結合して、転写を活性化するタンパク質(転
写因子ともいう)をコードする遺伝子である。前記シス
エレメントには、乾燥ストレス応答性エレメント(DRE;
dehydration-responsive element)、アブシジン酸応答
性エレメント(ABRE;abscisic acid responsive elemen
t)、低温ストレス応答性エレメントなどがある。本発明
の遺伝子がコードするタンパク質は、前記ストレス応答
性エレメントの下流の遺伝子の転写を活性化する機能を
有するものである。本発明においては、DRE結合タンパ
ク質をコードする遺伝子を例に説明する。以下、本発明
の遺伝子を、DRE結合タンパク質1A遺伝子(DREB1A遺伝子
ともいう)、DRE結合タンパク質1C遺伝子(DREB1C遺伝子
ともいう)、DRE結合タンパク質2A遺伝子(DREB2A遺伝子
ともいう)、及びDRE結合タンパク質2B遺伝子(DREB2B遺
伝子ともいう)という。
花など植物体の一部又は植物体全体が挙げられる。ま
た、シロイヌナズナの種子をGM培地、MS培地、#3培地な
どの固体培地に播種し、無菌条件下で生育させた植物体
も用いることができる。本発明のDREB1A遺伝子のシロイ
ヌナズナ植物体中のmRNAレベルは、植物体を低温ストレ
ス(例えば、10〜-4℃)に曝露することにより増大する。
一方、本発明のDREB2A遺伝子のmRNAレベルは、植物体を
塩ストレス(例えば、150〜250mM NaCl)や乾燥ストレス
(例えば、脱水状態にする)に曝露することにより増大す
るため、シロイヌナズナをこれらのストレスに曝露させ
た植物体を用いてもよい。
たシロイヌナズナの植物体を、低温ストレス、乾燥スト
レス、又は塩ストレスに曝露後、液体窒素で凍結する。
その後は、通常行われる手法により行うことができる。
例えば、凍結した植物体を乳鉢などで摩砕後、得られた
摩砕物から、グリオキザール法、グアニジンチオシナネ
ート-塩化セシウム法、塩化リチウム-尿素法、プロテイ
ナーゼK-デオキシリボヌクレアーゼ法などによりにより
粗RNA画分を抽出調製する。次いで、この粗RNA画分か
ら、オリゴdT-セルロースやセファロース2Bを担体とす
るポリ U-セファロースなどを用いたアフィニティーカ
ラム法、あるいはバッチ法によりポリ(A)+RNA(mRNA)を
得ることができる。さらに、ショ糖密度勾配遠心法など
によりmRNAをさらに分画してもよい。
て、市販のキット(例えば、ZAP-cDNASynthesis Kit(STR
ATAGENE社製))を用い、オリゴdT20及び逆転写酵素によ
って一本鎖cDNAを合成した後、該一本鎖cDNAから二本鎖
cDNAを合成する。次いで、得られた二本鎖cDNAにEcoRI-
NotI-BamHIアダプターなどの適切なアダプターを付加
後、転写活性化ドメイン(例えばGAL4活性化ドメインな
ど)を含むプラスミド(例えばpAD-GAL4プラスミド(Strat
agene社製)など)の転写活性化ドメインの下流に連結す
ることにより、cDNAライブラリーを作製することができ
る。
る宿主 本発明の遺伝子をクローニングする方法としては、酵母
を用いるワンハイブリッドスクリーニング法を挙げるこ
とができる。該スクリーニング法によるスクリーニング
は、市販のキット(例えばMATCHMAKERワンハイブリッド
システム(Clontech社製))を用いて行うことができる。
上記キットを用いて、本発明の遺伝子をクローニングす
る場合、キットに添付のプラスミドpHISi-1及びpLacZi
に本発明の転写因子が結合するDREを含むDNAを連結した
プラスミドを構築し、該プラスミドを添付の酵母(Sacch
aromayces cerevisiae YM4271)に形質転換したクローニ
ング用宿主酵母を作製することが必要である。
モーターの作用でリーキー(leaky)に発現されるHIS3タ
ンパク質の作用によりヒスチジンを生合成することがで
きるため、ヒスチジン非存在下でも生育可能である。し
かし、HIS3タンパク質をコードする遺伝子の発現に用い
られているプロモーターは最低限の転写水準しか維持す
ることのできない最小プロモーターであるため、細胞内
に生成されるタンパク質は非常に微量である。従って、
HIS3タンパク質の競合阻害剤である3-AT(3-アミノトリ
アゾール)存在下で前記宿主酵母を培養した場合、細胞
内のHIS3タンパク質の機能は、濃度依存的に3-ATによっ
て阻害され、ある濃度以上の3-AT存在下では、細胞内の
HIS3タンパク質は機能することができなくなり、前記宿
主酵母はヒスチジン非存在下で生育不能となる。
ーの下流に存在するため、細胞内に生成されるβ-ガラ
クトシダーゼは非常に微量であり、前記宿主酵母をX-ga
l含有プレートに播種した場合、出現したコロニーは、
コロニー全体が青色になるほどのX-gal分解能は有さな
い。しかし、宿主酵母中にHIS3遺伝子及びlacZ遺伝子上
流のDREに結合し転写を活性化する転写因子が発現され
ると、宿主酵母は、3−AT存在下でも生育可能とな
り、かつX−galは分解されコロニーは青色となる。
RE;dehydration responsive element)は、乾燥ストレ
スや低温ストレスに曝露された場合に発現される遺伝子
の上流に存在する9bpの保存的な配列5'-TACCGACAT-3'
からなるシス作動性のDNA領域をいう。
伝子の1つであるrd29A遺伝子[Kazuko Yamaguchi-Shino
zaki and Kazuo Shinozaki:The Plant Cell 6:251-2
64(1994)]のプロモーター領域(rd29A遺伝子の翻訳開始
点から-215〜-145の領域)を、ポリメラーゼ連鎖反応(PC
Rともいう)を行い、増幅することにより得ることができ
る。ここでPCRに用いることができる鋳型DNAとしては、
シロイヌナズナのゲノムDNAが挙げられる。またセンス
プライマーとしては、5'-AAGCTTAAGCTTACATCAGTTTGAAAG
AAA-3'(配列番号11)、アンチセンスプライマーとして
は、5'-AAGCTTAAGCTTGCTTTTTGGAACTCATGTC-3'(配列番号
12)を用いることができる。但し、本発明においてはこ
れらのプライマーに限定されるものではない。
ローニング 本発明のDREB1A遺伝子及びDREB2A遺伝子は、上記(1)に
おいて得られたcDNAライブラリーを、上記(2)において
得られた宿主に、酢酸リチウム法などにより形質転換
後、該形質転換体をX-gal(5-ブロモ-4-クロロ-3-インド
リル-β-D-ガラクトシド)及び3-AT(3-アミノトリアゾー
ル)を含有するLB培地プレートなどに播種・培養後、該
プレート上に出現した青色のコロニーからプラスミトを
単離することにより得ることができる。
2A遺伝子を含むポジティブクローンは、GAL4活性化ドメ
イン(GAL4 AD)をコードするDNA領域とDRE結合タンパク
質をコードする領域との融合遺伝子を保有し、アルコー
ルデヒドロゲナーゼプロモーターの制御下で、DRE結合
タンパク質とGAL4転写活性化ドメインとの融合タンパク
質(ハイブリッドタンパク質)を発現する。次いで、発現
された融合タンパク質は、DRE結合タンパク質部分を介
して、レポーター遺伝子上流のDREに結合し、次いでGAL
4活性化ドメインがlacZ遺伝子及びHIS3遺伝子の転写を
活性化する。それにより、ポジティブクローンは、著量
のHIS3タンパク質及びβ-ガラクトシダーゼを生成す
る。従って、ポジティブクローンは、生成されたHIS3タ
ンパク質の作用により3-AT存在下でもヒスチジンを生合
成することができるため3-AT存在下で生育可能となると
ともに、生成されたβ-ガラクトシダーゼの作用による
培地中のX-galの分解によりコロニーは青色を呈する。
セルアイソレーションを行った後、単離された細胞を培
養し、得られる培養細胞からプラスミドDNAを精製する
ことにより、本発明のDREB1A遺伝子及びDREB2A遺伝子を
得ることができる。
ク質のホモローグ 生物は、1つの遺伝子から進化したと考えられる塩基配
列の類似した遺伝子を有していることがある。そのよう
な遺伝子がコードするタンパク質は、互いにホモローグ
といわれ、既に塩基配列が判明している遺伝子の一部を
プローブとして、遺伝子ライブラリーの中からクローニ
ングすることができる。本発明においては、シロイヌナ
ズナのcDNAライブラリーの中から、上記(3)において得
られたDREB1AcDNA又はDREB2AcDNAをプローブとしてそれ
らのホモローグをコードする遺伝子をクローニングする
ことができる。
分を制限酵素で切断し、pSK(Stratagene社製)などの適
切なプラスミドに連結してサブクローニングした後、全
塩基配列の決定を行う。塩基配列の決定はマキサム-ギ
ルバートの化学修飾法、又はM13ファージを用いるジデ
オキシヌクレオチド鎖終結法などの公知手法により行う
ことができるが、通常は自動塩基配列決定機(例えばPE
RKIN-ELMER社製373A DNAシークエンサーなど)を用いて
配列決定が行われる。
子の塩基配列を、配列番号2、4、8及び10に本発明の
タンパク質のアミノ酸配列を例示するが、このアミノ酸
配列からなるタンパク質がDREに結合しDRE下流の遺伝子
の転写を活性化する機能を有する有する限り、当該アミ
ノ酸配列において少なくとも1個のアミノ酸に欠失、置
換、付加などの変異が生じてもよい。
れるアミノ酸配列の少なくとも1個、好ましくは1〜20
個程度、さらに好ましくは1〜5個のアミノ酸が欠失し
てもよく、配列番号2、4、8又は10で表わされるアミ
ノ酸配列に少なくとも1個、好ましくは1〜20個程度、
さらに好ましくは1〜5個のアミノ酸が付加してもよ
く、あるいは、配列番号2、4、8又は10で表わされる
アミノ酸配列の少なくとも1個、好ましくは1〜160個
程度、さらに好ましくは1〜40個のアミノ酸が他のアミ
ノ酸に置換してもよい。
件下でハイブリダイズすることができるDNAも本発明の
遺伝子に含まれる。ストリンジェントな条件とは、例え
ば、ホルムアミド濃度が30〜50%、好ましくは50%であ
り、温度が37〜50℃、好ましくは42℃での条件をいう。
なお、本発明の遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法
や Gapped duplex法などの公知の手法又はこれに準ずる
方法により、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用し
た変異導入用キット(例えばMutant-K(TAKARA社製)やM
utant-G(TAKARA社製)など)を用いて、あるいは、TAKAR
A社のLA PCR in vitro Mutagenesis シリーズキットを
用いて行うことができる。
ると、その後は化学合成によって、又は本遺伝子のcDNA
ないしゲノムDNAを鋳型としたPCRによって、あるいは該
塩基配列を有するDNA断片をプローブとしてハイブリダ
イズさせることにより、本発明の遺伝子を得ることがで
きる。なお、本発明の組換えベクターは、大腸菌K-12株
に導入され、工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城
県つくば市東1丁目1番3号)に、平成10年8月11日付
けで、FERM P-16936(DREB1A遺伝子導入株)及びFERM P-1
6937(DREB2A遺伝子導入株)として寄託されている。
転写活性化能の測定 (1) DREB1Aタンパク質及びDREB2Aタンパク質のDRE結合
能の解析 DREB1Aタンパク質及びDREB2Aタンパク質のDREへの結合
能は、DREB1Aタンパク質又はDREB2Aタンパク質とGSTと
の融合タンパク質を用い、ゲルシフトアッセイ[Urao,T
et al.:Plant Cell 5:1529-1539(1993)]を行うこと
により確かめることができる。ここで、DREB1Aタンパク
質又はDREB2Aタンパク質とGSTとの融合タンパク質は、D
REB1A遺伝子又はDREB2A遺伝子を、グルタチオン-S-トラ
ンスフェラーゼ(GST)遺伝子をコードするプラスミド(例
えば、pGEX-4T-1ベクター(Pharmacia社製)など)のGSTコ
ード領域の下流にフレームを合わせて連結し、該プラス
ミドを大腸菌に形質転換後、誘導条件下で大腸菌培養
後、該大腸菌から精製することにより得ることができ
る。
との相互作用を調べる方法であり、32Pなどで標識したD
REを含むDNA断片と前記融合タンパク質とを混合してイ
ンキュベーションした後、該混合物を電気泳動し、ゲル
を乾燥後、オートラジオグラムをとり、DNA断片とタン
パク質との結合に起因する遅れて泳動されたバンドを検
出する方法である。本発明において、DREB1Aタンパク質
又はDREB2Aタンパク質がDRE配列に特異的に結合してい
ることは、DRE配列に変異を加えたDNA断片を用いた場合
に、前記のバンドが検出されないことを明らかにするこ
とにより確認することができる。
解析 本発明のタンパク質の転写活性化能は、シロイヌナズナ
のプロトプラストの系を用いるトランスアクチベーショ
ン実験法を用いることにより解析することができる。例
えば、DREB1A cDNAをCaMV35Sプロモーターを含むpBI221
プラスミド(Clonetech社製)に連結し、エフェクタープ
ラスミドを構築する。一方、上記1の(2)において得ら
れるDREを含む71塩基のDNA領域を3カセット結合したDN
A断片を、β-グルクロニダーゼ(GUS)遺伝子上流のTATA
プロモーターのさらに上流に連結し、レポータープラス
ミドを構築する。次いでこの2種のプラスミドをシロイ
ヌナズナのプロトプラストに導入した後、GUS活性を測
定する。ここでDREB1Aタンパク質を同時に発現させるこ
とにより、GUS活性の上昇が見られれれば、プロトプラ
スト内で発現したDREB1Aタンパク質が、DREの配列を介
して転写を活性化していることがわかる。
び該プロトプラストへのプラスミドDNAの導入は、Abel
らの方法[Abel,S.:Plant J. 5:421-427(1994)]により
行うことができる。また、実験ごとのプラスミドDNAの
導入効率の差による実験誤差を最小限にするため、上記
2種のプラスミドとともに、CAMV35Sプロモーター下流
にルシフェラーゼ遺伝子を連結したプラスミドをプロト
プラストに導入し、ルスフェラーゼ活性に対するβ-グ
ルクロニダーゼ活性を測定し、得られた測定値を転写活
性化能の値とすることができる。β-グルクロニダーゼ
活性は、Jeffersonらの方法[Jefferson,R.A.:EMBO J.
83:8447-8451(1986)]により、ルシフェラーゼ活性はPi
caGeneルシフェラーゼアッセイキット(Toyo-Ink社製)を
用いることにより測定することができる。
遺伝子を連結(挿入)することにより得ることができる。
本発明の遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で
複製可能なものであれば特に限定されず、例えば、プラ
スミド DNA、ファージ DNAなどが挙げられる。プラスミ
ド DNAとしては、pBR322、pBR325、 pUC118、 pUC119な
どの大腸菌宿主用プラスミド、pUB110、 pTP5などの枯
草菌用プラスミド、YEp13, YEp24、YCp50などの酵母宿
主用プラスミド、pBI221、pBI121などの植物細胞宿主用
プラスミドなどが挙げられ、ファージDNAとしてはλフ
ァージなどが挙げられる。さらに、レトロウイルス又は
ワクシニアウイルスなどの動物ウイルス、バキュロウイ
ルスなどの昆虫ウイルスベクターを用いることもでき
る。
は、まず、精製されたDNAを適当な制限酵素で切断し、
適当なベクター DNAの制限酵素部位又はマルチクローニ
ングサイトに挿入してベクターに連結する方法などが採
用される。本発明の遺伝子は、その遺伝子の機能が発揮
されるようにベクターに組み込まれることが必要であ
る。そこで、本発明のベクターには、プロモーター、本
発明の遺伝子のほか、所望によりエンハンサーなどのシ
スエレメント、スプライシングシグナル、ポリA付加シ
グナル、選択マーカー、リボソーム結合配列(SD配列)
などを含有するものを連結することができる。なお、選
択マーカーとしては、例えばジヒドロ葉酸還元酵素遺伝
子、アンピシリン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子
などが挙げられる。
的遺伝子が発現し得るように宿主中に導入することによ
り得ることができる。ここで、宿主としては、本発明の
遺伝子を発現できるものであれば特に限定されるもので
はない。例えば、エッシェリヒア・コリ(Escherichia c
oli)などのエッシェリヒア属、バチルス・ズブチリス
(Bacillus subtilis)などのバチルス属、シュードモナ
ス・プチダ(Pseudomonas putida)などのシュードモナス
属、リゾビウム・メリロティ(Rhizobium meliloti)など
のリゾビウム属に属する細菌が挙げられ、サッカロミセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッ
カロマイセス・ポンベなどの酵母が挙げられ、シロイヌ
ナズナ、タバコ、トウモロコシ、イネ、ニンジンなどか
ら株化した植物細胞や該植物から調製したプロトプラス
トが挙げられ、COS細胞、CHO細胞などの動物細胞が挙げ
られ、あるいはSf9、Sf21などの昆虫細胞が挙げられ
る。
発明の組換えベクターが該細菌中で自律複製可能である
と同時に、プロモーター、リボゾーム結合配列、本発明
の遺伝子、転写終結配列により構成されていることが好
ましい。また、プロモーターを制御する遺伝子が含まれ
ていてもよい。大腸菌としては、例えばエッシェリヒア
・コリ(Escherichia coli)HMS174(DE3)、K12、DH1など
が挙げられ、枯草菌としては、例えばバチルス・ズブチ
リス(Bacillus subtilis)MI 114、207-21などが挙げら
れる。
中で発現できるものであればいずれを用いてもよい。例
えばtrpプロモーター、lacプロモーター、PLプロモータ
ー、PRプロモーターなどの、大腸菌やファージに由来す
るプロモーターが用いられる。tacプロモーターなどの
ように、人為的に設計改変されたプロモーターを用いて
もよい。細菌への組換えベクターの導入方法としては、
細菌にDNAを導入する方法であれば特に限定されるもの
ではない。例えばカルシウムイオンを用いる方法[Cohe
n, S.N. et al.:Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 69:2
110-2114 (1972)]、エレクトロポレーション法などが挙
げられる。
ミセス・セレビシエ(Saccharomycescerevisiae)、シゾ
サッカロマイセス・ポンベ、ピヒア・パストリス(Pichi
a pastoris)などが用いられる。この場合、プロモータ
ーとしては酵母中で発現できるものであれば特に限定さ
れず、例えばgal1プロモーター、gal10プロモーター、
ヒートショックタンパク質プロモーター、MFα1プロモ
ーター、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロ
モーター、ADHプロモーター、AOX1プロモーターなどが
挙げられる。
は、酵母にDNAを導入する方法であれば特に限定され
ず、例えばエレクトロポレーション法[Becker, D.M. et
al.:Methods. Enzymol., 194: 182-187 (1990)]、ス
フェロプラスト法[Hinnen, A.et al.:Proc. Natl. Aca
d. Sci., USA, 75: 1929-1933 (1978)]、酢酸リチウム
法[Itoh, H.:J. Bacteriol., 153:163-168 (1983)]な
どが挙げられる。
イヌナズナ、タバコ、トウモロコシ、イネ、ニンジンな
どから株化した細胞や該植物から調製したプロトプラス
トが用いられる。この場合、プロモーターとしては植物
中で発現できるものであれば特に限定されず、例えばカ
リフラワーモザイクウイルスの35S RNAプロモーター、r
d29A遺伝子プロモーター、rbcSプロモーターなどが挙げ
られる。
は、Abelらのポリエチレングリコールを用いる方法[Abe
l,H. et al. Plant J. 5:421-427(1994)]やエレクトロ
ポレーション法などが挙げられる。動物細胞を宿主とす
る場合は、サル細胞COS-7、Vero、チャイニーズハムス
ター卵巣細胞(CHO細胞)、マウスL細胞、ラットGH3、
ヒトFL細胞などが用いられる。プロモーターとしてSRα
プロモーター、SV40プロモーター、LTRプロモーター、C
MVプロモーターなどが用いられ、また、ヒトサイトメガ
ロウイルスの初期遺伝子プロモーターなどを用いてもよ
い。
しては、例えばエレクトロポレーション法、リン酸カル
シウム法、リポフェクション法などが挙げられる。昆虫
細胞を宿主とする場合は、Sf9細胞、Sf21細胞などが用
いられる。昆虫細胞への組換えベクターの導入方法とし
ては、例えばリン酸カルシウム法、リポフェクション
法、エレクトロポレーション法などが用いられる。
れるアミノ酸配列を有するもの、または該アミノ酸配列
において少なくとも1個のアミノ酸に前記変異が導入さ
れたアミノ酸配列を有し、かつストレス応答性エレメン
ト下流の転写を制御する機能を有するものである。な
お、DREB1A遺伝子がコードするタンパク質をDREB1Aタン
パク質といい、DREB1B遺伝子がコードするタンパク質を
DREB1Bタンパク質といい、DREB1C遺伝子がコードするタ
ンパク質をDREB1Cタンパク質といい、DREB2A遺伝子がコ
ードするタンパク質をDREB2Aタンパク質といい、DREB2B
遺伝子がコードするタンパク質をDREB2Bタンパク質とも
いう。
培地に培養し、その培養物から採取することにより得る
ことができる。「培養物」とは、培養上清、あるいは培
養細胞若しくは培養菌体又は細胞若しくは菌体の破砕物
のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体
を培地に培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常
の方法に従って行われる。
得られた形質転換体を培養する培地としては、微生物が
資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類などを含有し、形
質転換体の培養を効率的に行うことができる培地であれ
ば、天然培地、合成培地のいずれを用いてもよい。また
植物細胞を宿主として用いている場合には、必要に応じ
て、培地にチアミン、ピリドキシンなどのビタミン類を
添加し、動物細胞を宿主として用いている場合には、RP
MI1640などの血清を添加する。
ス、スクロース、デンプンなどの炭水化物、酢酸、プロ
ピオン酸などの有機酸、エタノール、プロパノールなど
のアルコール類が用いられる。窒素源としては、アンモ
ニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アン
モニウム、リン酸アンモニウムなどの無機酸若しくは有
機酸のアンモニウム塩又はその他の含窒素化合物のほ
か、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカーなど
が用いられる。
ン酸第二カリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシ
ウム、塩化ナトリウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、硫
酸銅、炭酸カルシウムなどが用いられる。培養は、通
常、振盪培養又は通気攪拌培養などの好気的条件下、37
℃で6〜24時間行う。培養期間中、pHは7.0〜7.5に保持
する。pHの調整は、無機又は有機酸、アルカリ溶液など
を用いて行う。
ラサイクリンなどの抗生物質を培地に添加してもよい。
プロモーターとして誘導性のプロモーターを用いた発現
ベクターで形質転換した微生物を培養する場合は、必要
に応じてインデューサーを培地に添加してもよい。例え
ば、Lacプロモーターを用いた発現ベクターで形質転換
した微生物を培養するときにはイソプロピル-β-D-チオ
ガラクトピラノシド(IPTG)などを、trpプロモーターを
用いた発現ベクターで形質転換した微生物を培養すると
きにはインドールアクリル酸(IAA)などを培地に添加し
てもよい。
〜30日行う。培養中は必要に応じてカナマイシン、ペニ
シリンなどの抗生物質を培地に添加してもよい。培養
後、本発明のタンパク質が菌体内又は細胞内に生産され
る場合には、菌体又は細胞を破砕することにより該タン
パク質を抽出する。また、本発明のタンパク質が菌体外
又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使
用するか、遠心分離などにより菌体又は細胞を除去す
る。その後、タンパク質の単離精製に用いられる一般的
な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルク
ロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ア
フィニティークロマトグラフィーなどを単独で又は適宜
組み合わせて用いることにより、前記培養物中から本発
明のDREB1Aタンパク質、DREB1Cタンパク質、DREB2Aタン
パク質、又はDREB2Bタンパク質を単離精製することがで
きる。
ェニック植物の作製 遺伝子工学的手法を用いて本発明のタンパク質をコード
するDNAを植物宿主に導入することによリ、環境ストレ
ス、特に、低温ストレス、凍結ストレス、乾燥ストレス
などに対して抵抗性を有するトランスジェニック植物を
作製することができる。本発明の遺伝子の植物宿主への
導入方法としては、アグロバクテリウム感染法などの間
接導入法や、パーティクルガン法、ポリエチレングリコ
ール法、リポソーム法、マイクロインジェクション法な
どの直接導入法などが挙げられる。アグロバクテリウム
感染法を用いる場合、以下のようにして本発明の遺伝子
導入植物を作製ことができる。
アグロバクテリウムの形質転換 植物導入用組換えベクターは、前記1.において得られ
たDREB1A遺伝子、DREB1C遺伝子、DREB2A遺伝子、又はDR
EB2B遺伝子を含むDNAを適当な制限酵素で切断後、必要
に応じて適切なリンカーを連結し、植物細胞用のクロー
ニングベクターに挿入することにより得ることができ
る。クローニング用ベクターとしては、pBI2113Not、pB
I2113、pBI101、pBI121、pGA482、pGAH、pBIG等のバイ
ナリーベクター系のプラスミドやpLGV23Neo、pNCAT、pM
ON200などの中間ベクター系のプラスミドを用いること
ができる。
場合、上記のバイナリーベクターの境界配列(LB,RB)間
に、目的遺伝子を挿入し、この組換えベクターを大腸菌
中で増幅する。次いで、増幅した組換えベクターをアグ
ロバクテリウム・チュメファシエンスC58、LBA4404、EH
A101、C58C1RifR、EHA105等に、凍結融解法、エレクト
ロポレーション法等により導入し、該アグロバクテリウ
ムを植物の形質導入用に用いる。
三者接合法[Nucleic Acids Research, 12:8711(1984)]
によって本発明の遺伝子を含む植物感染用アグロバクテ
リウムを調製することができる。すなわち、目的遺伝子
を含むプラスミドを保有する大腸菌、ヘルパープラスミ
ド(例えばpRK2013など)を保有する大腸菌、及びアグロ
バクテリウムを混合培養し、リファンピシリン及びカナ
マイシンを含む培地上で培養することにより植物感染用
の接合体アグロバクテリウムを得ることができる。
めには、構造遺伝子の前後に、それぞれ植物用のプロモ
ーターやターミネーターなどを配置させる必要がある。
本発明において利用可能なプロモーターとしては、例え
ばカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)由来の35S転写
物[Jefferson, R.A. et al.: The EMBO J 6:3901-3907
(1987)]、トウモロコシのユビキチン[Christensen, A.
H. et al.: Plant Mol. Biol. 18:675-689(1992)]、ノ
パリン合成酵素(NOS)遺伝子、オクトピン(OCT)合成酵素
遺伝子のプロモーターなどが挙げられ、ターミネーター
配列としては、例えばカリフラワーモザイクウイルス由
来やノパリン合成酵素遺伝子由来のターミネーターなど
が挙げられる。但し、植物体内で機能することが知られ
ているプロモーターやターミネーターであればこれらの
ものに限定されるものではない。
の構成的発現を担うプロモーター(CaMV35Sプロモーター
など)で、これによって、遺伝子導入植物に生長の遅れ
や矮化が生じる場合は、目的遺伝子の一過性の発現をも
たらすようなプロモーター(例えば、rd29A遺伝子プロモ
ーターなど)を用いることができる。また、必要に応じ
てプロモーター配列と本発明の遺伝子の間に、遺伝子の
発現を増強させる機能を持つイントロン配列、例えばト
ウモロコシのアルコールデヒドロゲナーゼ(Adh1)のイン
トロン[Genes& Development 1:1183-1200(1987)]を導
入することができる。
択するために、有効な選択マーカー遺伝子を本発明の遺
伝子と併用することが好ましい。その際に使用する選択
マーカーとしては、カナマイシン耐性遺伝子(NPTII)、
抗生物質ハイグロマイシンに対する抵抗性を植物に付与
するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(htp)
遺伝子及びビアラホス(bialaphos)に対する抵抗性を付
与するホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ
(bar)遺伝子等から選ばれる1つ以上の遺伝子を使用す
ることができる。本発明の遺伝子及び選択マーカー遺伝
子は、単一のベクターに一緒に組み込んでも良いし、そ
れぞれ別個のベクターに組み込んだ2種類の組換えDNA
を用いてもよい。
物の植物体全体、植物器官(例えば葉、花弁、茎、根、
根茎、種子等)、又は植物組織(例えば表皮、師部、柔組
織、木部、維管束等)のいずれをも意味するものであ
る。植物宿主として用いることができる宿主としては、
シロイヌナズナ、タバコ、イネ、トウモロコシなどが挙
げられる。植物培養細胞、植物体、植物器官又は植物組
織を宿主とする場合、本発明のタンパク質をコードする
DNAは、採取した植物切片にベクターをアグロバクテリ
ウム感染法、パーティクルガン法、又はポリエチレング
リコール法などで導入し、植物宿主を形質転換すること
ができる。あるいはプロトプラストにエレクトロポレー
ション法で導入して形質転換植物を作製することもでき
る。
導入する場合、目的の遺伝子を含むプラスミドを保有す
るアグロバクテリウムを植物に感染させる工程が必須で
あるが、これは、バキュームインフィルトレーション法
[CR Acad. Sci. Paris, LifeScience, 316 :1194(199
3)]により行うことができる。すなわち、シロイヌナズ
ナをバーミキュライトとパーライトを等量ずつ合わせた
土で生育させたシロイヌナズナに、本発明の遺伝子を含
むプラスミドを含むアグロバクテリウムの培養液に直接
のシロイヌナズナを浸し、これをデシケーターに入れバ
キュームポンプで65〜70mmHgになるまで吸引後、5〜10
分間、室温に放置する。鉢をトレーに移しラップで覆い
湿度を保つ。翌日ラップを取り、植物をそのまま生育さ
せ種子を収穫する。
体を選択するために、適切な抗生物質を加えたMS寒天培
地に播種する。この培地で生育したシロイヌナズナを鉢
に移し、生育させることにより、本発明の遺伝子が導入
されたトランスジネック植物の種子を得ることができ
る。一般に、導入遺伝子は宿主植物のゲノム中に同様に
導入されるが、その導入場所が異なることにより導入遺
伝子の発現が異なるポジションイフェクトと呼ばれる現
象が見られる。プローブとして導入遺伝子のDNA断片を
用いたノーザン法で検定することによって、より導入遺
伝子が強く発現している形質転換体を選抜することがで
きる。
ック植物及びその次世代に目的の遺伝子が組み込まれて
いることの確認は、これらの細胞及び組織から常法に従
ってDNAを抽出し、公知のPCR法又はサザン分析を用いて
導入した遺伝子を検出することにより行うことができ
る。
ベル及び発現部位の分析 本発明の遺伝子を導入したトランスジェニック植物にお
ける該遺伝子の発現レベル及び発現部位の分析は、これ
らの細胞及び組織から常法に従ってRNAを抽出し、公知
のRT-PCR法又はノーザン分析を用いて導入した遺伝子の
mRNAを検出することにより行うことができる。また、本
発明の遺伝子産物を、該遺伝子産物に対する抗体を用い
たウエスタン分析等により直接、分析することによって
も行うことができる。
ジェニック植物体内における各種遺伝子のmRNAレベルの
変化 本発明の遺伝子が導入されたトランスジェニック植物体
内において、本発明の転写因子の作用により、発現レベ
ルが変化したと考えられる遺伝子はノーザン法によって
同定することができる。ノーザン法は、本発明の遺伝子
が導入されたトランスジェニック植物と導入されていな
い植物とを用いて、遺伝子の発現を比較することによっ
て検定することができる。
所定期間(例えば1〜2週間)の乾燥及び/又は低温ス
トレスを与える。乾燥ストレスの負荷は、寒天培地から
植物体を、抜き取り濾紙上で10分〜24時間乾燥させるこ
とにより与えることができる。一方、低温ストレスの負
荷は、15〜-4℃に10分〜24時間保持することにより与え
ることができる。ストレスを与えないコントロール植物
と乾燥及び低温ストレスを与えた植物から全RNAを調製
して電気泳動を行い、ノーザン分析又はRT-PCRによって
発現している遺伝子を検定する。
スに対する耐性の評価 本発明の遺伝子を導入したトランスジェニック植物の環
境ストレスに対する耐性は、バーミキュライト、パーラ
イトなどを含む土を入れた植木鉢にトランスジェニック
植物を植え、乾燥・低温・凍結などの各種ストレスを負
荷した場合の生存を調べることによって評価することが
できる。例えば、乾燥ストレスに対する耐性は、2〜4週
間、水を与えずその生存を調べることにより、また凍結
ストレスに対する耐性は、-6〜-10℃に、5〜10日間置い
た後、5〜10日間、20〜25℃で生育させその生存率を調
べることにより評価することができる。
作製することもできる。「抗体」とは、抗原である本発
明のタンパク質に結合し得る抗体分子全体またはその断
片(例えば、FabまたはF(ab')2断片)を意味し、ポリクロ
ーナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよ
い。本発明のタンパク質に対する抗体は、種々の方法の
いずれかによって製造することができる。このような抗
体の製造法は当該分野で周知である[例えばSambrook, J
et al., Molecular Cloning, Cold Spring Harbor Lab
oratory Press(1989)を参照]。
ーナル抗体の作製 前記のようにして、遺伝子工学的に作製した本発明のタ
ンパク質又はその断片を抗原として、これを哺乳動物、
例えばラット、マウス、ウサギなどに投与する。抗原の
動物1匹当たりの投与量は、アジュバントを用いるとき
は100〜200μgである。アジュバントとしては、フロイ
ント完全アジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュ
バント(FIA)、水酸化アルミニウムアジュバントなどが
挙げられる。免疫は、主として静脈内、皮下、腹腔内な
どに注入することにより行われる。また、免疫の間隔は
特に限定されず、数日から数週間間隔で、好ましくは1
週間間隔で、1〜5回、好ましくは5回免疫を行う。そ
して、最終の免疫日から7〜10日後に、酵素免疫測定法
(EIA; enzyme immunoassay)、放射性免疫測定法(RIA;
radioimmuno assay)などで抗体価を測定し、最大の抗体
価を示した日に採血し、抗血清を得る。抗血清から抗体
の精製が必要とされる場合は、硫安塩析法、イオン交換
クロマトグラフィー、ゲル濾過、アフィニティークロマ
トグラフィーなどの公知の方法を適宜選択して、又はこ
れらを組み合わせることにより精製することができる。
ーナル抗体の作製 (i) 抗体産生細胞の採取 前記のように、遺伝子工学的に作製した本発明のタンパ
ク質又はその断片を抗原として、哺乳動物、例えばラッ
ト、マウス、ウサギなどに投与する。抗原の動物1匹当
たりの投与量は、アジュバントを用いるときは100〜200
μgである。アジュバントとしては、フロイント完全ア
ジュバント(FCA)、フロイント不完全アジュバント(FI
A)、水酸化アルミニウムアジュバントなどが挙げられ
る。免疫は、主として静脈内、皮下、腹腔内に注入する
ことにより行われる。また、免疫の間隔は特に限定され
ず、数日から数週間間隔で、好ましくは1〜2週間間隔
で、1〜5回、好ましくは5回免疫を行う。そして、最
終の免疫日から7〜10日後、好ましくは7日後に抗体産
生細胞を採集する。抗体産生細胞としては、脾臓細胞、
リンパ節細胞、抹消血細胞などが挙げられるが、脾臓細
胞又は局所リンパ節細胞が好ましい。
細胞との細胞融合を行う。抗体産生細胞と融合させるミ
エローマ細胞として、マウスなどの動物の一般に入手可
能な株化細胞を使用することができる。使用する細胞株
としては、薬剤選択性を有し、未融合の状態ではHAT選
択培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを
含む)で生存できず、抗体産生細胞と融合した状態での
み生存できる性質を有するものが好ましい。ミエローマ
細胞としては、例えば P3X63-Ag.8.U1(P3U1)、Sp2/O、N
S-Iなどのマウスミエローマ細胞株が挙げられる。
とを細胞融合させる。細胞融合は、血清を含まないDME
M、RPMI-1640培地などの動物細胞培養用培地中で、2×
107個の抗体産生細胞と1×107個のミエローマ細胞とを
等容量混合し、細胞融合促進剤存在のもとで融合反応を
行う。細胞融合促進剤として、平均分子量1,500ダルト
ンのポリエチレングリコールなどを使用することができ
る。また、電気刺激(例えばエレクトロポレーション)を
利用した市販の細胞融合装置を用いて抗体産生細胞とミ
エローマ細胞とを融合させることもできる。
ング 細胞融合処理後の細胞から目的とするハイブリドーマを
選別する。その方法として、細胞懸濁液を例えばウシ胎
児血清含有RPMI-1640培地などで適当に希釈後、マイク
ロタイタープレート上に0.8〜1個/ウエル程度まき、各
ウエルに選択培地を加え、以後適当に選択培地を交換し
て培養を行う。その結果、選択培地で培養開始後、約10
日前後から生育してくる細胞をハイブリドーマとして得
ることができる。
上清中に、目的とする抗体が存在するか否かをスクリー
ニングする。ハイブリドーマのスクリーニングは、通常
の方法に従えばよく、特に限定されない。例えば、ハイ
ブリドーマとして生育したウエルに含まれる培養上清の
一部を採集し、酵素免疫測定法、放射性免疫測定法など
によって行うことができる。融合細胞のクローニング
は、限界希釈法などにより行い、最終的にモノクローナ
ル抗体産生細胞であるハイブリドーマを樹立する。
する方法として、通常の細胞培養法又は腹水形成法など
を採用することができる。細胞培養法においては、ハイ
ブリドーマを10%ウシ胎児血清含有RPMI-1640培地、MEM
培地又は無血清培地などの動物細胞培養培地中で、通常
の培養条件(例えば37℃、5%CO2濃度)で7〜14日間培
養し、その培養上清から抗体を取得する。
の哺乳動物と同種系動物の腹腔内にハイブリドーマを約
1×107個投与し、ハイブリドーマを大量に増殖させ
る。そして、1〜2週間後に腹水または血清を採集す
る。上記抗体の採取方法において、抗体の精製が必要と
される場合は、硫安塩析法、イオン交換クロマトグラフ
ィー、ゲル濾過、アフィニティークロマトグラフィーな
どの公知の方法を適宜選択して、又はこれらを組み合わ
せることにより精製することができる。
ノクローナル抗体が得られた後は、これをリガンドとし
て、固体担体に結合させることによりアフィニティーク
ロマトグラフィーカラムを作製し、そして該カラムを用
い、前記の採取源又は他の採取源から、本発明のタンパ
ク質を精製することができる。さらにこれらの抗体は本
発明のタンパク質を検出するためにウエスタンブロッテ
ィングに用いることもできる。
た本発明のDREB2A遺伝子は、主に乾燥ストレス及び塩ス
トレスにより転写が活性化されるため、本発明の遺伝子
の転写レベルを調べることにより、植物の受けている低
温・乾燥・塩などによるストレスのレベルを調べること
ができる。農作物をビニールハウスなどで栽培する場
合、その照明費、暖房費、給水費、土壌など栽培に適す
る環境の設定コストは、生産コストの20〜80%を占めて
いる。そこで作物が、それら低温ストレス、乾燥ストレ
ス、塩ストレスを受けているかどうかを迅速に確認する
ことができれば、必要最小限の環境設定により、作物を
栽培することが可能となり、農作物の生産コストを大幅
に削減することができる。
ブロット分析、定量的PCRなどにより行うことができ
る。RNAゲルブロット分析に用いることができるプロー
ブとしては、DREB1A遺伝子用には、 DREB1A遺伝子及び
/又は該遺伝子に隣接するDREB1A遺伝子特異的な配列を
含む100〜1000bpの領域を、DREB2A遺伝子用には、DREB2
A遺伝子及び/又は該遺伝子に隣接するDREB2A遺伝子特
異的な配列を含む100〜1000bpの領域を用いることがで
きる。また定量的PCRに用いることができるプライマー
としては、DREB1A遺伝子用には、DREB1A遺伝子のコード
領域内又はそれに隣接するDREB1A遺伝子を特異的に増
幅できる17〜25bpのオリゴヌクレオチドが挙げられる。
同様にDREB2A遺伝子用にも、DREB2A遺伝子のコード領域
内又はそれに隣接するDREB2A遺伝子を特異的に増幅でき
る17〜25bpのオリゴヌクレオチドが挙げられる。そして
上記の、プローブ又はプライマーは、DREB1A又はDREB2
A遺伝子の転写レベルを測定するためのキットとして使
用することができる。
明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。 〔実施例1〕シロイヌナズナ植物体の栽培 LEHLEから入手したシロイヌナズナの種子を滅菌液(1%
次亜塩素酸ナトリウム、0.02%Triton X-100)に15分間
浸漬することにより滅菌し、次いで滅菌水により水洗
後、GM寒天培地(1リットル当り:ムラシゲ・スクーグ
培地用混合塩類(日本製薬社製)4.6g、MES 0.5g、スクロー
ス30g、寒天8g、pH 5.7)に、40〜120粒播種した。そして
約1000lux、16時間明期、8時間暗期の光条件下におい
て、22℃で栽培することにより植物体を得た。
子のクローニング (1)ポリ(A)+RNAの調製 実施例1において得た植物体を、4℃で24時間の低温処
理を行った後、グリオキザール法により全RNAを調製し
た。すなわち、液体窒素により凍結したシロイヌナズナ
の植物体3gを、100mlの5.5M GTC溶液(5.5Mグアニジン
チオシアネート、25mMクエン酸ナトリウム、0.5%N-ラ
ウロイルサルコシン酸ナトリウム)に懸濁し、ホモジェ
ナイザーで素早く細胞を可溶化させた。このホモジェネ
ートを、18-Gの注射針を取り付けた注射筒を用いて10回
以上出し入れすることによりDNAを細断した後、4℃、1
2,000×gで15分間遠心し、細胞破片を沈殿させて除去し
た。
に入れた17mlのCsTFA溶液(セシウムトリフルオロアセテ
ート(Pharmacia社製)、0.25M EDTA、滅菌水を混合してD
=1.51に調整したもの)のクッション上に重層後、Beckma
nn SW28ローター中15℃、25,000×rpmで24時間超遠心
し、全RNAを沈殿させた。次いで得られた全RNAを600μl
の4M GTC溶液(上記5.5M GTC溶液を滅菌水で希釈してGT
C濃度が4Mとなるようにしたもの)に溶解し、エタノール
沈殿を行うことにより全RNAを得た。
NaClを1:1の割合で混合したもの)に溶解し、既にTe/NaC
lで平衡化しておいたオリゴdTセルロースカラム(Collab
orative research社製オリゴdTセルロース(type3)をBi
o-Rad社製エコノカラム(直径0.6cm)に高さ1.5cmとなる
ように詰めたもの)に通し、通過した溶液をもう一度カ
ラムに通した。次いで、約8mlのTE/NaClでカラムを洗
浄後、TEを加えてポリ(A)+RNA を溶出・精製した。得ら
れたRNAの量は、UV分光器により測定した。
NA合成キット (Stratagene社製)により二本鎖cDNAを合
成後、該二本鎖cDNAをpAD-GAL4プラスミド(Stratagene
社製)に連結しcDNAライブラリーを合成した。すなわ
ち、まず、キットに添付のプロトコルに従い、以下の反
応溶液中で一本鎖cDNAを合成した。
l)を添加して、37℃で、1時間インキュベートすること
により一本鎖cDNAを合成した。次に、得られた一本鎖cD
NAの反応液に、以下の試薬を順に加えた。
ートすることにより二本鎖cDNAを合成した。合成した二
本鎖cDNAを、Pfu DNAポリメラーゼ5単位を用い72℃で3
0分間インキュベートすることにより末端を平滑した。
次いで、フェノール/クロロホルム抽出及びエタノール
沈殿を行った後、得られたペレットに9μlのEcoRI-Not
I-BamHIアダプター(TAKARA社製)、1μlの10×リガーゼ
緩衝液、1μlのATP、1μlのT4 DNAリガーゼ(4単位/
μl)を加え、4℃で2日間インキュベートすることによ
り、二本鎖cDNAにアダプターを付加した。
るcDNAを、クローニングベクターであるpAD-GAL4プラス
ミド(Stratagene社製)のGAL4の活性化ドメインの下流の
EcoRI部位に、T4DNAリガーゼを用いて連結することによ
りcDNAライブラリーを合成した。
ing[Maniatis, T. etal., Molecular Cloning:a Labora
tory Manual, 187-198,Cold Spring Harbor Laboratory
Press, Cold Spring Harbor,NY(1982)]に記載の方法に
従って、ゲノムDNAを調製した。すなわち、シロイヌナ
ズナ植物体50gに2,000mlの破砕用緩衝液(0.35Mスクロ
ース、1M Tris-HCl(pH8.0)、5mM MgCl2、50mM KCl)を
加えて、ワーリングブレンダーで1分間の粉砕を3回行
うことによりホモジナイズした。
除去し、濾液を遠心管に分注し、スイングローターで3,
000×g、4℃で10分間低速遠心した。遠心後、上清を
捨て沈殿を氷冷した30mlの破砕用緩衝液に懸濁ししてか
ら再度低速遠心した。緑色の沈殿が白くなるまで同じ操
作を3回繰り返した。得られた白い沈殿を氷冷した10ml
のTEに懸濁した後、10mlの溶解液(0.2M Tris-HCl(pH8.
0)、50mM EDTA、2%N-ラウロイルサルコシン酸ナトリ
ウム)を加えた。0.1mlのプロティナーゼK(10mg/ml)を
加え細胞核を消化後、得られた消化液を、フェノール処
理及びエタノール沈殿させた。次いで沈殿により得られ
るDNA繊維を3,000×g、5分間の遠心により回収し、こ
れを1mlのTEに溶解してゲノムDNAを得た。
に用いる酵母宿主の構築 本発明の転写因子をコードする遺伝子をクローニングす
るために、HIS3レポーター遺伝子又はlacZレポーター遺
伝子の上流に、DREモチーフを含むDNA領域をそれぞれ4
カセット連結した2種類のプラスミドを含む、DRE結合
タンパク質遺伝子クローニング用宿主を構築した(図
1)。すなわち、まず、本発明の転写因子が結合するDRE
配列を含む、rd29A遺伝子プロモーター領域(rd29A遺伝
子の翻訳開始点から-215〜-145の領域)をPCR法により増
幅した。すなわち、センスプライマーとして、5'-AAGCT
TAAGCTTACATCAGTTTGAAAGAAA-3'(配列番号11)を、アンチ
センスプライマーとして、5'-AAGCTTAAGCTTGCTTTTTGGAA
CTCATGTC-3'(配列番号12)を合成した。ここで、これら
のプライマーには、増幅後、PCR断片を容易にベクター
に連結することができるように、5'末端にHindIII切断
部位を導入した。なお、これらの合成プライマーは、全
自動DNA合成機(Perkin-Elmer社製)を使用して化学合成
した。これらのプライマーを用い、上記(3)において調
製したゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。PCRの反応
液の組成は以下の通りである。
ルを50μl重層した。PCRは、98℃で15秒間の熱変性、65
℃で2秒間のアニーリング、74℃で30秒間の伸長反応の
条件を1サイクルとして、25サイクル行った。反応終了
後、クロロホルム50μlを加え混合し、4℃、15,000rp
mで15分間遠心し、上層を新しいマイクロチューブに回
収した。そこにエタノール100μlを加えよく混合後、4
℃、15,000rpmで15分間遠心しPCR産物をペレット化し
た。得られたPCR産物をHindIIIで切断後ベクターpSKの
HindIII部位に連結し、この組換えプラスミドを大腸菌
に形質転換した。形質転換体よりプラスミドDNAを調製
し、塩基配列を決定することにより、4回同じ方向にDN
A断片が結合されたものを選抜した。
られたDNA断片を酵母の発現ベクターであるpHISi-1(Clo
ntech社製) のHIS3最小プロモーター上流のEcoRI-MluI
部位に連結した。また、同様に、DREを4カセット含むD
NA断片をpSKからEcoRIとHincIIで切り出し、酵母の発現
ベクターpLacZi (Clontech社製) のlacZ最小プロモータ
ーの上流のEcoRI-SalI部位に連結した。得られた2種の
プラスミドをSaccharomyces cerevisiae YM4271(MATa,
ura3-52, his3-200, ade2-101, lys2-801, leu2-3, 11
2, trp1-903) (Clontech社製) に形質転換し、すること
により、酵母ワンハイブリッドスクリーニングに用いる
酵母宿主を得た。(図1)。
ローニング 上記(2)において調製したcDNAライブラリーを用いて1.2
× 106の酵母の形質変換体をスクリーニングした。2
種のポジティブクローンを得た。得られたcDNAをpAD-GA
L4プラスミドよりEcoRIを用いて切り出し、pSKプラスミ
ドのEcoRI部位に結合して、pSKDREB1A及びpSKDREB2Aを
得た。
配列の決定を行った。シークエンスに用いたプラスミド
はKURABO製の自動プラスミド調製機 Model PI-100を用
いた。塩基配列決定のための反応は反応用ロボッドPerk
in Elmer製のCATALYST 800を塩基配列決定はPerkin Elm
er製のシークエンサーModel 373Aを用いた。その結果プ
ラスミドpSKDREB1A のcDNAは933 塩基よりなり、オープ
ンリーディングフレームの解析からDREB1A遺伝子がコー
ドする遺伝子産物は216アミノ酸残基よりなる分子量約2
4.2キロダルトンのタンパク質であった。5'末端から11
7番目のアデニンから766番目のチミンでコードされてい
た(配列番号1)。一方プラスミドpSKDREB2A のcDNAは14
37塩基よりなり、オープンリーディングフレームの解析
からDREB2A遺伝子がコードする遺伝子産物は335アミノ
酸残基よりなる分子量約37.7キロダルトンのタンパク質
であった。
ク質のホモローグをコードする遺伝子の単離 上記(5)において得られたDREB1A遺伝子又はDREB2A遺伝
子がコードするタンパク質のホモローグをコードする遺
伝子を単離した。すなわち、上記(5)において得られたD
REB1A遺伝子を含む二本鎖cDNA断片又はDREB2A遺伝子を
含む二本鎖cDNA断片をプローブとして、Molecular Clon
ing[Sambrook, J et al., Molecular Cloning:a Labora
tory Manual 2nd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory
Press, 10 Skyline Drive Plainview,NY(1989)]に記載
の方法に従い、シロイヌナズナのλgt11cDNAライブラ
リーから、ホモローグをコードする遺伝子を単離した。
DREB1Aタンパク質のホモローグをコードする遺伝子とし
て、DREB1B遺伝子及びDREB1C遺伝子を、DREB2Aタンパク
質のホモローグをコードする遺伝子としてDREB2B遺伝子
を得た。塩基配列決定したところ、DREB1B遺伝子(配列
番号5)はCBF1[Stockinger,E.J. et al. Proc. Natl. A
cad. Sci. USA 94:1035-1040(1997)]と同一であった
が、DREB1C遺伝子(配列番号7)、DREB2B遺伝子(配列番
号9)は新規であった。
DREB1C遺伝子がコードする遺伝子産物は216アミノ酸残
基よりなる分子量約24.3キロダルトンのタンパク質(配
列番号8)であり、DREB2B遺伝子がコードする遺伝子産
物は330アミノ酸残基よりなる分子量約37.1キロダルト
ンのタンパク質(配列番号10)であった。
タンパク質のDREへの結合能の解析 DREB1Aタンパク質及びDREB2Aタンパク質のDREへの結合
能を、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)と該タ
ンパク質との融合タンパク質を大腸菌を用いて調製し、
ゲルシフトアッセイにより調べた。DREB1AcDNAの塩基配
列の119番目から547番目の 429塩基のDNA断片又はDREB2
AcDNAの塩基配列の167番目から666番目の500塩基のDNA
断片をPCRによって増幅後、該増幅断片をプラスミドpGE
X-4T-1(ファルマシア)のEcoRI-SalI部位に結合した。
これを大腸菌JM109に導入したのち、大腸菌を200 mlの
2x YT培地(Molecular Cloning (1982) Cold Spring H
arvor Laboratory Press)で培養して、これにプラスミ
ドpGEX-4T-1の持つプロモーターを活性化させる1 mMの
イソプロピルβ-D-チオガラクトシドを加えDREB1AとGST
との融合タンパク質の合成を誘導した。
緩衝液(10 mM Tris-HCl, 0.1 mM DTT, 0.1mM phenylme
thylsulfonyl fluoride)に溶かした後、1% Triton X-
100と1 mMEDTAを加えた。細胞を超音波で破壊したのち2
2,000g 、20分間遠心し、glutathione-Sepharose (Phar
macia製) を用いて精製した。融合タンパク質はDRE配列
を含む32Pでラベルした71塩基のDNA断片をプローブとし
て室温で20 min保温した。これを0.25xTris-borate-EDT
Aを含む6%アクリルアミドを用いて電気泳動を100
Vで2時間行った。このゲルシフト法で解析すると遅れ
て泳動するバンドが検出された。また、DRE配列に変異
を加えたDNA断片をプローブとして用いて場合はこのバ
ンドは検出されず、DREB1Aタンパク質がDRE配列に特異
的に結合していることが明らかになった(図2)。
タンパク質のDRE下流遺伝子の転写活性化能の解析 DREB1Aタンパク質及びDREB2Aタンパク質が、植物細胞内
におけるDRE依存的な転写をトランスに活性化し得るか
どうかを調べるため、シロイヌナズナの葉から調製した
プロトプラストの系を用いて、トランスアクチベーショ
ン実験を行った。すなわち、まず、DREB1A又はDREB2Aの
cDNAをCaMV35Sプロモーターを含むpBI221プラスミドに
連結することによりエフェクタープラスミドを構築し
た。
1塩基の配列を三個結合したDNA断片をrd29A遺伝子の最
小限のTATAプロモーターとβ-グルクロニダーゼ(GUS)遺
伝子に結合した。この2種のエフェクタープラスミドと
レポータープラスミドをシロイヌナズナのプロトプラス
トに導入したのち、GUS活性を測定した。DREB1Aタンパ
ク質又はDREB2Aタンパク質を同時に発現させるとGUS活
性の上昇が見られ、DREB1Aタンパク質はDREの配列を介
して転写を活性化している転写因子であることが示され
た(図3)。
ユニット)とSmaI (20ユニット)を用いて10mM TrisHCl(p
H7.5)/10mM MgCl2/1mMジチオスレイトール/100mM NaCl
中、37℃で2時間切断してDREB1A遺伝子を含む約0.9kbの
DNA断片を得た。一方、プロモーターDNAを持つプラスミ
ドpBI2113Not (10 mg)をSmaIで10 mM TrisHCl (pH7.5)/
10mM MgCl2/1mMジチオスレイトール(DTT)/100 mM NaCl
中、37℃で2時間切断した。制限酵素で切断して得られ
たDREB1A遺伝子を含む0.9kbのDNA断片と切断したpBI211
3Notを、T4DNAリガーゼ(2ユニット) と66mM TrisHCl (p
H7.6)/6.6 mM MgCl2/10 mM DTT/0.1 mM ATP中で15℃、1
6時間処理して得られたDNAを大腸菌JM109に形質転換し
た後、プラスミドpBI35S:DREB1Aを得た。DREB1A遺伝子
の方向性はプラスミドpBI35S:DREB1Aの結合部位の塩基
配列決定を行いセンス方向に結合したものを選抜した。
pBI2113NotプラスミドはpBI2113プラスミド[Plant Cell
Physiology 37:49-59(1996)]をSmaIとSacIで切断し
て、GUS 遺伝子のコード領域を取り除き、これにSmaI-N
otI-SacIポリリンカーを結合して作成したものである。
この様にして得られた植物プラスミドpBI35S:DREB1Aを
大腸菌DH5aに形質転換した(図4)。
腸菌DH5aとヘルパープラスミドpRK2013を持つ大腸菌HB1
01,及びアグロバクテリウムC58をLB培地を用いて28℃で
LB寒天培地上で24時間混合培養した。生育したコロニ
ーを1 mlのLB培地にかきとり懸濁した。この懸濁液 10m
lをリファンピシリン100mg/ml, 及びカナマイシン20mg/
mlを含むLB寒天培地に塗り、28℃で2日間培養して、接
合体アグロバクテリルムC58 (pBI35S:DREB1A) を得た。
イヌナズナへの遺伝子導入 この接合体をリファンピシリン100mg/ml, 及びカナマイ
シン20 mg/mlを含むLB培地 (10 ml)中28℃で24時間培
養した。さらに、この培養液を500 mlのLB培地に加えて
24時間培養した。この培養液を遠心して培地を除き、
さらに 250 mlのLB培地に懸濁した。
ミキュライトとパーライトを等量ずつ合わせた土を入れ
た9cmの植木鉢で6週間育てた。プラスミドpBI35S:DRE
B1Aを含むアグロバクテリウムのLB培養液に直接上記の
シロイヌナズナを浸して、これをデシケーターに入れバ
キュームポンプで650mmHgになるまで吸引後、そのまま1
0分放置した。鉢をトレーに移しラップで覆い湿度を保
った。次の日ラップを取り、植物をそのまま生育させ種
子を得た。種子は次亜塩素酸ナトリウム水溶液で滅菌
後、選択用のMS培地にバンコマイシン100mg/ml、カナマ
イシン30mg/mlを加えた寒天培地に蒔いた。この培地
で生育したシロイヌナズナを鉢に移し形質転換植物体の
種子を得た。
転写因子が発現を変化させた遺伝子の同定 形質転換体の導入遺伝子DREB1Aと導入遺伝子が発現を変
化させたと考えられる遺伝子をノーザン分析で同定し
た。ノーザン分析においては、DREB1A遺伝子、rd29A遺
伝子、kin1遺伝子、cor6.6遺伝子、cor6.6遺伝子、cor1
5a遺伝子、rd17遺伝子、erd10遺伝子、P5CS遺伝子、erd
1遺伝子、rd22遺伝子、rd29B遺伝子の転写の活性化につ
いて調べた。ノーザン分析にはシロイヌナズナの形質転
換体の他に形質転換していない植物を用いて遺伝子の発
現を比較することで検定した。2 gの3週間GM寒天培地
で育てた植物に乾燥及び低温ストレスを与えた。乾燥ス
トレスとしては寒天培地から抜き取り濾紙上で5時間乾
燥させた。低温ストレスとしては植物体を4℃に5時間
保温した。ストレスを与えないコントロールの植物と上
記乾燥と低温ストレスを与えた植物から全RNAを調製し
て、電気泳動を行いノーザン法で発現している遺伝子を
検定した。一般に、形質転換体においては遺伝子は同様
にゲノムに導入されるが、その導入場所が異なることか
ら、導入遺伝子の発現が異なるポジションイフェクトと
呼ばれる現象が見られる。プローブとして導入遺伝子の
DNA断片を用いるとこのノーザン法で検定するとより導
入遺伝子が強く発現している形質転換体を選抜できた。
また、プローブとしてストレス耐性に関与する遺伝子の
DNA断片を用いるとDREB1A遺伝子を導入することで変化
を示すストレス耐性遺伝子を明らかにすることができた
(図5)。
た土を入れた9cmの植木鉢で育てたシロイヌナズナの形
質転換体を用いて乾燥・凍結耐性に関して検討した。形
質転換体とコントロールとしてDREB1A遺伝子を含まない
pBI121を形質転換したシロイヌナズナを用いて乾燥・凍
結耐性を検討した。乾燥耐性の検討では2週間水を止め
その生存を調べた。また凍結耐性では−6℃に2日間置
いた後5日間22℃で生育させその生存率を調べた。その
結果、コントールではすべての植物が枯れてしまった
が、DREB1A遺伝子を導入したトランスジェニック植物で
は高い生存率を示した(図6)。
伝子の転写を活性化するタンパク質、該タンパク質をコ
ードする遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベクター、
該組換えベクターを含む形質転換体、該遺伝子を含有す
るトランスジェニック植物、該形質転換体を用いる前記
タンパク質の製造方法が提供される。本発明は、ストレ
ス耐性植物の作出に有用である。
づいて設計した、HindIII部位を有するオリゴヌクレオ
チド。
づいて設計した、HindIII部位を有するオリゴヌクレオ
チド。
示す図である。
への結合特性に関するゲルシフトアッセイの結果を示す
写真である。
活性化能を示す図である。
ある。
の各遺伝子の転写レベルを示す写真である。
ストレスを与えた場合の植物の生育を示した写真であ
る。
ク質 (b) 配列番号4で表されるアミノ酸配列において1若し
くは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつDRE下流の遺伝子の転写を活
性化するタンパク質(CBF1タンパク質を除く)
する、転写因子遺伝子。 (a) 配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパ
ク質 (b) 配列番号4で表されるアミノ酸配列において1若し
くは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたア
ミノ酸配列からなり、かつDRE下流の遺伝子の転写を活
性化するタンパク質
リンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつDRE下
流の遺伝子の転写を活性化するタンパク質をコードする
DNA(CBF1遺伝子を除く)
に記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
形質転換体。
項に記載の遺伝子を含有するトランスジェニック植物。
培養し、得られる培養物からストレス応答性エレメント
下流の遺伝子の転写を制御又はDRE下流の遺伝子の転写
を活性化するタンパク質を採取することを特徴とする、
該タンパク質の製造方法。
項に記載の遺伝子の植物体内における転写レベルを測定
することを特徴とする植物のストレスレベルの測定方
法。
Claims (10)
- 【請求項1】 以下の(a)又は(b)の組換えタンパク質。 (a) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質 (b) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列において少なくとも1個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつストレス応答性エレメント下流の遺伝子
の転写を制御するタンパク質 - 【請求項2】ストレスが乾燥ストレス、低温ストレス又
は塩ストレスである請求項1記載のタンパク質。 - 【請求項3】 以下の(a)又は(b)のタンパク質をコード
する転写因子遺伝子。 (a) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質 (b) 配列番号2、配列番号4、配列番号8、又は配列番
号10で表されるアミノ酸配列において少なくとも1個の
アミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列
からなり、かつストレス応答性エレメント下流の遺伝子
の転写を制御するタンパク質 - 【請求項4】 以下の(c)又は(d)のDNAを含む遺伝子。 (c) 配列番号1、配列番号3、配列番号7、又は配列番
号9で表される塩基配列からなるDNA (d) 配列番号1、配列番号3、配列番号7、又は配列番
号9で表される塩基配列からなるDNAとストリンジェン
トな条件下でハイブリダイズし、かつストレス応答性エ
レメント下流の遺伝子の転写を制御するタンパク質をコ
ードするDNA - 【請求項5】 ストレスが乾燥ストレス、低温ストレス
又は塩ストレスである請求項3又は4記載の遺伝子。 - 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか1項に記載の遺
伝子を含有する組換えベクター。 - 【請求項7】 請求項6記載の組換えベクターを含む形
質転換体。 - 【請求項8】 請求項3〜5のいずれか1項に記載の遺
伝子を含有するトランスジェニック植物。 - 【請求項9】 請求項7記載の形質転換体を培地に培養
し、得られる培養物からストレス応答性エレメント下流
の遺伝子の転写を制御するタンパク質を採取することを
特徴とする、該タンパク質の製造方法。 - 【請求項10】 請求項3〜5のいずれか1項に記載の
遺伝子の植物体内における転写レベルを測定することを
特徴とする植物のストレスレベルの測定方法。
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