JP2006512071A - ストレス耐性を与えるイネの新規遺伝子osisap1及びストレス耐性を与える方法 - Google Patents

ストレス耐性を与えるイネの新規遺伝子osisap1及びストレス耐性を与える方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、イネから得られた新規遺伝子OSISAP1及びそれに対応する新規タンパクの配列の同定、単離、特徴付け及び使用に関する。本発明はまた、遺伝子組換え植物系において、イネ由来のジンクフィンガー型ストレス関連タンパクをコードする、前記新規遺伝子OSISAP1を過剰発現させて、塩、寒冷及び干ばつストレス耐性を与える方法に関する。本発明はさらに、新規遺伝子OSISAP1を含むゲノムを有する遺伝子組換え植物、植物組織及び植物種子、並びにそのような植物及び植物種子を生成する方法に関する。

Description

本発明は、イネから得られた新規遺伝子OSISAP1及びそれに対応するタンパクの配列の同定、単離、特徴付け及び使用に関する。本発明はまた、遺伝子組換え植物系において、イネ由来のジンクフィンガー型ストレス関連タンパクをコードする新規遺伝子OSISAP1を過剰発現させて、塩、寒冷及び干ばつストレスに対する耐性を与える方法にも関する。本発明はまた、新規遺伝子OSISAP1を含むゲノムを有する遺伝子組換え植物、植物組織及び植物種子、並びにそのような植物及び植物種子を生成する方法にも関する。
高等植物は、固着性の生物である。この植物は、土に根を張り、過酷な環境条件から離れることができない。この植物は、寒い冬、暑く乾いた夏、これを沈める浸水、及び土の塩分並びにこれを乾燥させる干ばつに耐えている。しかし、植物は、何百万年もの間これに耐え、ストレスと戦うために進化させた一連の機構を使用して、このような条件に適応することができる。植物は、その生活環を成長しやすい月間に制限し、又はこの月間に生殖期を完了し、ストレスの多い期間を乗り切るために代謝を制限する期間に入るように進化さえした。世界人口及び世界的な公害が増大しているために、環境条件は急速に変化している。食物の必要性及び消費者の嗜好が高まるにつれて、様々なストレスが生じるために作物が自然にはそれに適応しない領域で作物を栽培することが必要となってくる。
ストレスは、そのすべての形で、植物の発育及び生産性に負の影響を及ぼす。植物は、塩分に対して、葉の成長を低下させ、細胞分裂及び増殖を抑制することによって応答する。根細胞の浸透ポテンシャルが低下すると、水摂取の抑制及び植物の脱水が生じる。続いて、塩が過度に蓄積すると、組織、器官及びやがては植物全体の死に至る。寒冷ストレスは、植物の成長を妨げ、細胞の自己分解及び老化をもたらし、かつ花成誘導、花粉産生、及び発芽に悪影響を及ぼす。寒冷及び乾燥ストレスは、細胞膜を損傷する。酸化ストレスの標的は、膜、タンパク及びDNAである。
植物の発育及び生存は、環境状態の変化、すなわち温度変動、水不足、塩分、浸水、金属毒性及び機械的損傷に絶えず攻撃を受けている。この有害事象を乗り切るために、植物は、複雑な生理的かつ分子上の応答を誘導する。ストレスは一連のシグナル分子によって知覚され伝達され、この分子は最終的にストレス誘導遺伝子の調節エレメントに影響を及ぼして、転写因子、酵素、分子シャペロン、イオンチャネル、トランスポーターなど様々な種類のタンパクの合成を開始し、又はその活性を変化させる。一連の遺伝子によって制御されているこのようなカスケード事象及びその入り組んだ調節は、この好ましくない状態を乗り切るシステムの助けとなる。ある推定によると、植物はおよそ25,000〜55,000種の遺伝子を有する(Kamalay及びGoldberg、1980、1984;シロイヌナズナゲノム解析計画(The Arabidopsis Genome Initiative)、2001;Burr、2002;Goffら、2002;Yuら、2002)。その多くは、すべての組織で発現している「ハウスキーピング」遺伝子であり、一方他の遺伝子は、器官特異的であり、又は環境刺激によって調節されている。植物の発育プロセス及び環境ストレスに対するその応答を理解するために、極めて重要な遺伝子の機能、及び生活環の様々な局面の間でのその調節について知ることは、絶対に必要である(Ausubel、2002;Ronald & Leung、2002)。従来の変異遺伝学的方法及び対応する遺伝子のクローニング、並びにディファレンシャルスクリーニング、サブトラクティブハイブリダイゼーション、ディファレンシャルディスプレイ、マイクロアレイ分析のような新しい手法を逆遺伝学的方法とともに使用して、このような遺伝子がクローニングされ、その機能が明らかとなってきた(Brent、2000;Tyagi及びMohanty、2000;Aharoni及びVorst、2001)。
イネは、最も重要な食用作物並びにモデル単子葉植物系である(Khush、1997;Tyagiら、1999;Cantrell及びReeves、2002)。しかし、増え続ける世界人口に歩調を合わせるためには、この25年以内にコメ生産を60%増加させるべきである。生物性及び非生物性の環境ファクターによる損失を最小にすると、純生産を向上させることを援助できるだけでなく、辺境の土地及び栽培に適さない土地でイネ栽培を拡張することもできる(Khush、1999;Tyagi及びMohanty、2000)。したがって、様々な非生物性ストレスに対する耐性/抵抗性を示す植物の生産が必要とされている。したがって、イネにおける機能ゲノム学は重要な研究分野であり、これにより、植物の発育及び生存に関与する新しい遺伝子の機能が明らかとなる。環境ストレス応答に関与する遺伝子の発見により、より良好な耐性/抵抗性に関する、イネ及び他の作物の遺伝子工学の新たな標的がもたらされる。したがって、イネの新規遺伝子を単離し特徴付けし、その様々な機能についてその新規遺伝子を特徴付けする必要がある。異なるスクリーニング戦略を使用して、えり抜いたインディカ米(Oryza sativa L.、Pusa Basmati 1種)から、器官特異的に発現する、又はストレスで誘導される遺伝子を単離した。本発明では、様々な器官で発現に差があり、いくつかのストレスによって誘導されるジンクフィンガー型タンパクをコードする新規遺伝子OSISAP1の同定、単離、特徴付け、及び使用について説明する。本発明はまた、遺伝子組換え植物系において、イネ由来のジンクフィンガー型ストレス関連タンパクをコードする新規遺伝子OSISAP1を過剰発現させて、塩、寒冷及び干ばつストレスに対する耐性を与える方法にも関する。本発明はまた、新規遺伝子OSISAP1を含むゲノムを有する遺伝子組換え植物、植物組織及び植物種子、並びにそのような植物及び植物種子を生成する方法にも関する。
本発明の主要な目的は、イネの様々な器官でストレスによって誘導される新規遺伝子を同定し、単離し、特徴付けかつ使用することである。
本発明の他の目的は、配列番号1として同定されているイネ(Oryza sativa)のOSISAP1 DNA配列を単離し、特徴付けかつ使用することである。
本発明の他の目的は、配列番号1で示されるOSISAP1ヌクレオチド配列から、配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドを推定することである。
本発明の他の目的は、様々な植物に導入するための構成的CaMV 35Sプロモーターの制御下でイネ由来OSISAP1 DNA配列を含む植物組換えベクターを構築することである。
本発明のもう1つの目的は、前記植物組換えベクターDNAで植物を形質転換して、様々な非生物性ストレスに対する高い耐性を示す遺伝子組換え植物を産生する方法を提供することである。
他の目的は、新規遺伝子OSISAP1 DNAを導入することにより、タバコ及び他の植物を改変して、様々な非生物性ストレスに対する耐性を高める方法を提供することである。
他の目的は、タバコ及び他の植物を改変して、寒冷ストレス耐性を高める方法を提供することである。
他の目的は、タバコ及び他の植物を改変して、干ばつストレス耐性を高める方法を提供することである。
他の目的は、タバコ及び他の植物を改変して、塩ストレス耐性を高める方法を提供することである。
本発明の他の目的は、配列番号1で示される導入イネOSISAP1 DNA配列を含むゲノムを有する遺伝子組換え植物、植物組織、植物種子及びその子孫に関する。
本発明のもう1つの目的は、組換えベクターで植物ゲノムに前記DNA断片を形質転換して、遺伝子組換え植物を産生する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、寒冷ストレス、干ばつストレス及び塩ストレスから選択されるストレスに対する耐性が高い遺伝子組換え植物を提供することである。
本発明の他の目的は、新規遺伝子OSISAP1を含むゲノムを有する遺伝子組換え植物、植物組織及び植物種子を生成する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、イネ、トマト、タバコなどの非生物性ストレス耐性植物を生成する方法を提供することである。
本発明は、いくつかのストレス状態下で誘導された、イネから得られた新規遺伝子OSISAP1及びそれに対応する新規タンパクの配列の同定、単離、特徴付け及び使用に関する。
本発明の他の態様はまた、遺伝子組換え植物系において、イネ由来のジンクフィンガー型ストレス関連タンパクをコードする、配列番号1で示される新規遺伝子OSISAP1を過剰発現させて、塩、寒冷及び干ばつストレスに対する耐性を与える方法にも関する。この方法は、構成的プロモーターの制御下の新規遺伝子OSISAP1による植物の形質転換を使用する。このような方法の好ましい実施形態では、形質転換のどんな方法も使用することができるが、アグロバクテリウムツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主細胞を、構成的プロモーターの制御下でOSISAP1 DNA配列(配列番号1)を含む組換えベクターで形質転換し培養する。従来技術で知られている十分確立された手順に従って、この形質転換A.ツメファシエンス細胞を用いて、植物細胞を形質転換する。本明細書における教示を例示する具体例として、イネの新規OSISAP1遺伝子でタバコを形質転換することに成功したことを開示する。
この形質転換植物は、寒冷、干ばつ、塩などの様々な非生物性ストレスに対する高い耐性を示す。
本発明のさらなる態様はまた、新規遺伝子OSISAP1を含むゲノムを有する遺伝子組換え植物、植物組織及び植物種子、並びにそのような植物及び植物種子を生成する方法にも関する。
本発明はまた、非生物性ストレスに対する耐性を与える新規OSISAP1 DNAでイネ、トマトなどの植物を形質転換する方法にも関する。
したがって、本発明は、イネから得られた新規遺伝子OSISAP1(配列番号1)及びそれに対応する新規タンパクの配列(配列番号2)に関し、遺伝子組換え植物系において、イネ由来のジンクフィンガー型ストレス関連タンパクをコードする、前記新規遺伝子OSISAP1を過剰発現させて、塩、寒冷及び干ばつストレス耐性を与える方法にも関する。さらに、本発明はまた、新規遺伝子OSISAP1を含むゲノムを有する遺伝子組換え植物、植物組織及び植物種子、並びにそのような植物及び植物種子を生成する方法にも関する。
耐性へと至るストレス知覚及びシグナル伝達には、様々な遺伝子産物の複雑な相互作用が関与する。様々なタイプのストレス、すなわち寒冷、乾燥、塩、浸水、重金属並びに損傷の後早期に誘導されるジンクフィンガー型タンパクをコードするイネ由来新規無イントロン遺伝子OSISAP1の同定、単離、特徴付け、及び使用について本明細書で説明する。この遺伝子は、ストレスホルモンのアブシジン酸によっても誘導される。遺伝子組換えタバコ中でこの遺伝子を過剰発現させると、実生の段階で塩、寒冷及び干ばつストレスに対する耐性が得られ、このことは、緑色の実生の百分率、実生の新鮮重、発育パターン及び葉緑素含有量に反映される。したがって、新規遺伝子OSISAP1(配列番号1)は、植物におけるストレス応答の重要な決定因子である。
略語についての脚注:OSISAP1、イネ(Oryza sativa)亜種であるインディカ(indica)のストレス関連タンパク遺伝子;ABA、アブシジン酸;WT、野生型;BA、ベンジルアルコール;DMSO、ジメチルスルホキシド。
データ寄託についての脚注:
OSISAP1 cDNAを受託番号AF140722でGenBankデータベースに寄託し、一方、ゲノムクローンを受託番号AY137590で寄託した。
本文中に現れる、種々の配列の遺伝子及び括弧内に示すその受託番号を以下に示す:
ヒトAWP1(NM019006);
マウスAWP1(AJ251508);
PVPR3(M75856);
ヒトZNF216(AF062346);
マウスZNF216(AF062071);
配列リスト中の配列についての簡単な記載
配列番号1 ジンクフィンガー型ストレス関連タンパクをコードするイネ由来新規遺伝子OSISAP1のヌクレオチド配列。
配列番号2 OSISAP1の推定アミノ酸配列。
本発明は、イネから新規遺伝子及び調節エレメントを同定することを目的として始まった。最初に単離したいくつかの遺伝子から、1つの遺伝子を本研究の主な標的とした。イネから単離した新規遺伝子OSISAP1(配列番号1)は、様々なストレスによって誘導され、新規ストレス関連タンパクをコードしている。
本発明の一実施形態では、イネの特定の器官中で、又は特定の発育段階の間で発現に差がある遺伝子を同定し単離する方法を提供する。この方向で、多面的な戦略を使用した。発現に差がある遺伝子を単離するために、リバースノーザン及びディファレンシャルスクリーニングのほかに、無作為に選択したcDNAクローンのノーザンスクリーニングを行った。実験室内で、異なる組織、すなわちイネの受粉前又は受精後の段階の花、及び7日齢の実生の根に由来する3種のcDNAライブラリーをλZAPベクター(Stratagene、米国)で構築した。根のcDNAライブラリーを低密度でNZY培地プレート上に播き、単一プラークを拾った。単一クローンを切り出した後、組換えファージクローンを、クローン化cDNA挿入断片を有するファージミドに転換した。ベクター骨格から挿入断片を遊離させるEcoRI及びXhoIによる制限消化により、この挿入断片があることを確認した。次いで、このcDNAクローン挿入断片を放射標識プローブとして用いて、7日齢の実生の根又は苗条及び受粉前の小穂から単離した全RNAから調製したノーザンブロットにハイブリダイズさせた。標準的なプライマーで、器官特異的である、又は発現に差があることを示しているクローンの配列を決定した。cDNA部分配列を用いて、既知の登録配列と相同性があるかどうかGenBankデータベースを検索した。この戦略を用いて、根のcDNAライブラリーから発現に差がある3種のクローンを同定し、そのうち1つが新規ストレス関連タンパクをコードするOSISAP1であった。根及び受粉前段階の小穂で、苗条と比べて高いレベルでOSISAP1 mRNAが検出された。本発明で、このクローンを分子レベルで詳細に特徴付けた。
cDNA配列及び推定ポリペプチドの分析
最初に、標準的なベクター特異的プライマーを用いて、cDNAの配列決定を両端から行った。両方の鎖の配列決定を行うために、内部制限酵素部位を用いて、cDNAをサブクローニングした。(複数の配列アラインメントを行うための)Clustal法を用いてこの配列をアラインし、OSISAP1(配列番号1)と名付けた844bpのアセンブリcDNA配列が出現し(図1)、これをGenBankに受託番号AF140722で付託した。標準的な方法を用いて、3つすべての読み枠で、コンピュータ上で(in silico)cDNAを翻訳した。メチオニンから始まる長く連続したアミノ酸配列を示したので、+1オープンリーディングフレームを選択した。このcDNAは、19bpのポリA尾部を有している。ポリAを考慮しないとき、このcDNAのGC豊富度は57.2%である。このオープンリーディングフレームは、UGA終止コドンで終結している。このオープンリーディングフレームは、164アミノ酸のタンパク(配列番号2、図2)をコードし、予測分子量は17.6kDaである。ヒト及びマウスのPRK1関連タンパクAWP1(Duanら、2000)、PVPR3(Sharmaら、1992)、ヒト及びマウスのジンクフィンガー型タンパクZNF216(Scottら、1998)、アフリカツメガエル(Xenopus)ユビキチン様融合タンパクXLULFP及びAFULFP(Linnenら、1993)、ホヤの後端標識(posterior end mark)(PEM6)タンパク(Satou及びSatoh、1997)を含めて、これはいくつかのジンクフィンガー型タンパクとの相同性を示した。このすべてのタンパクは、アミノ酸100から164に及ぶ、タンパクのカルボキシ末端に存在するzf−AN1領域で、OSISAP1(配列番号2)との相同性を示した(図2)。
これは、Cx2〜4Cx9〜12CxCxCxHxHxC(xは任意のアミノ酸)の共通配列を有している。しかし、いくつかの他のアミノ酸がこのドメイン中で不変であることが判明した。保存されているシステイン及びヒスチジン残基は、単一のジンクフィンガーを形成する可能性がある。アミノ末端側には、4個のシステイン残基があり(アミノ酸22、26、38、及び41の位置、図2)、これはOSISAP1(配列番号2)、AWP1(受託番号NM019006、AJ251508)及びZNF216(受託番号AF062346、AF062071)間で保存されている。この領域は、A20(細胞死抑制因子)様ジンクフィンガーに類似し、このジンクフィンガーはA20における自己会合を媒介する(De Valckら、1996)。OSISAP1にはまた、ヒト転写因子NFκBのp65サブユニット共通配列(Rubenら、1991)と長さ40アミノ酸(56〜96)にわたって約51%の同一性が認められる。この相同性は、このヒトタンパクのC末端側、アミノ酸370〜410に認められる。
OSISAP1に類似する予測タンパクは、シロイヌナズナ(Arabidopsis)やサクラ属(Prunus)のような他の植物種で見つかっているが、その類似性は主に、保存されているジンクフィンガーによるものである。OSISAP1(配列番号2)配列は、PVPR3(受託番号M75856)(インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)病原性関連タンパク)ジンクフィンガーと最大の相同性(79%同一)を示した。このタンパクは、シグナル配列を含まず、おそらく可溶性細胞内タンパクである。このタンパクは、アラニン(14.02%)及びプロリン(10.98%)に富んでいる。酸性アミノ酸が17個、塩基性アミノ酸が34個存在し、このことにより、このタンパクは、推定pIが8.64の塩基性タンパクとなっている。このアミノ酸配列には、アミノ酸30位に潜在的プロテインキナーゼCリン酸化部位が、アミノ酸132位にNミリストイル化部位がある(図2)。OSISAP1(配列番号1)は単コピー遺伝子であり、これはサザン分析によって決定した。
イネゲノムDNAライブラリー
ゲノムクローンを単離して、ゲノムレベルでの構造を解明し、OSISAP1の調節領域を特徴付けるために、イネゲノムDNAライブラリーを調製した。暗所で生育するイネ(Pusa Basmati 1種)から単離した高分子量(約100kb)のゲノムDNAをλDASHIIベクター(Stratagene、米国)を用いたゲノムDNAライブラリー調製に使用した。ゲノムDNA1μg、及び様々な濃度の4塩基認識切断型の制限酵素MboIでパイロット制限消化を行うと、30分間で所望の消化量が得られた。23〜9kbの範囲でゲノムDNAの最大のスメアが得られ、DNAの約30%が非消化型である酵素濃度(0.25U/μlのMboIを0.75μl)を選択した。反応の規模を拡大して、大規模な制限消化を行った。DNA約100μgを25分間消化し、次いでこのDNAをフェノールクロロホルム抽出で精製した。消化DNAのアリコートを非消化DNAとともにアガロースゲルで分離した。λDASHIIベクターとの連結に最も適した分画(9〜23kb)を得るために、消化DNAを用いてショ糖密度勾配超遠心を行った。サイズ分画後、CIAP処理し精製したDNAを0.8%アガロースゲルで分離し、サイズが9〜23kbのDNAを連結用に選択し精製した。ベクターと連結し、ファージ粒子にパッケージングした後、1次ライブラリーの力価を決定した。1次ライブラリーは、>5×10pfuであることが分かった。次いで、無作為に選択したいくつかのファージクローンをEcoRIで消化することにより、このライブラリーの平均挿入断片サイズを決定した。平均挿入断片サイズは、約17kbと算出された。
OSISAP1ゲノムクローンの単離
OSISAP1ゲノムクローンを単離するために、OSISAP1の完全長cDNAを放射標識プローブとして用いて、λDASHIIで調製したゲノムライブラリーをスクリーニングした。初回のスクリーニングで陽性クローンが2個得られた。さらに2回スクリーニングして、これを精製した。3回目でプレートに播いたプラークすべてからシグナルが得られたことから、これらが陽性であり均質であることが示唆された。
ゲノムクローンのサブクローニング及び配列決定
サザンハイブリダイゼーションで陽性シグナルが得られた(SAPg3E6と名付けた)約6.0kbのEcoRI断片を、pBlueScript SK(Stratagene、米国)にクローン化し、この組換えクローンをpBSSAPg3E6と名付けた。OSISAP1完全長cDNAを、組換えλクローン中のDNA断片を同定するプローブとして用いて、サザンハイブリダイゼーションを行うと、2.9kbのPst1断片がこのcDNAクローンとハイブリダイズすることが示された。標準的な手順を用いて、この2.9kbの断片をサブクローニングし配列を決定した。その配列分析から、読み枠が中断されない、すなわちイントロンを含まないことが示唆された。複数の配列アラインメントを行うためのCLUSTAL法を用いてこの配列をアラインし、これをGenBankに受託番号AY137590で付託した。
OSISAP1は単コピー遺伝子であり、これはサザン分析によって決定した。しかし、北京大学のゲノム学生体情報学センター(the University of Beijing、Center for Genomics and Bioinformatics)を拠点とするインディカ米のデータベースを、OSISAP1のコード領域で検索すると、2種のコンティグがOSISAP1とかなり相同性の高い配列を有していることが分かった。コンティグ46636は、ヌクレオチドレベルで97%の相同性を示し、このことは、これが本質的に同じ遺伝子であることを表している。その一方で、コンティグ10325はヌクレオチドレベルで59%の相同性を、推定アミノ酸レベルで64%の相同性を示す。サザンハイブリダイゼーションで用いた厳密さの下では検出されなかった類似遺伝子を、Pusa Basmati 1も有するかどうかは、依然として分かっていない。OSISAP1のゲノムクローンのコード領域は連続的であり、イントロンを含まない。転写開始部位は、ATGの126bp上流のGヌクレオチドに位置付けられた。転写開始部位の上流のゲノム領域をコンピュータ上で分析すると、CRT/DRE、ABRE、HSE、損傷応答性エレメント、GTボックス、エチレン応答性エレメントやGCモチーフのようなストレス応答性遺伝子発現に関与するいくつかのシス作用性エレメントが同定された(Thomashowら、1999;Zhuら、2002;Lescotら、2002)。
OSISAP1は発育段階で制御されている。OSISAP1遺伝子は、発現に差がある器官特異的遺伝子のスクリーニング中に実際に同定された。これは、成熟植物の幹、穂軸、及び受粉前の小穂で発現レベルが高いことが判明した。この発現レベルは、受精後の小穂で低かった。若齢植物の根は、成熟植物より転写物量が多かった。しかし、この遺伝子の転写物の量は、成熟植物の葉でより多かった。
OSISAP1のストレス誘導発現。OSISAP1は、いくつかの非生物性ストレス下で誘導される。転写物レベルは、実生の寒冷処理後1時間以内に非常に高いレベルまで増大した(図3a)。このレベルは、3時間後まで増大し続け、12時間後までほとんど変わらない状態であり続け、その後低下した。寒冷で誘導される膜の硬直化は、植物による寒冷知覚における最初の事象とみなされている(Orvarら、2000;Sangwanら、2001)。低温で膜が硬直化する事象は、膜流動化剤として働くベンジルアルコール(BA)によって防止することもでき、膜硬直化剤のジメチルスルホキシド(DMSO)で処理することにより、室温で類似の状態を作ることもできる。OSISAP1発現に対する膜硬直化の役割を調べる目的で、BA及びDMSOの効果を検討した。9日齢の実生の葉を様々な濃度のBAで処理し、低温にさらした。寒冷で誘導されたOSISAP1の蓄積は、膜硬直化抑制剤によって劇的に低下した(図3b)。一方、実生を膜硬直化剤のDMSOで処理すると、室温でOSISAP1の発現がかなり増加した(図3b)。しかし、DMSOの濃度が高いと、誘導は比較的少なく、これはおそらくこの化学物質の毒性によるものと考えられた。塩ストレスの場合、転写物レベルは、早くも15分でピークに達し、1時間後に低下した(図3c)。しかし、24時間の時点でも、mRNAレベルは対照より高かった。類似したパターンの転写物蓄積が、乾燥ストレスでも観察された(図3c)。浸水ストレスの場合、異なる誘導動態が観察された(図3d)。この遺伝子は、3時間以内に強く誘導されるが、その後このmRNAレベルは対照レベルまで劇的に低下した。しかし、このmRNAレベルは12時間で再びピークに達し、36時間まで高い状態であり続け、その後低下を示した。この遺伝子はまた、様々な重金属にも応答することが判明した(図3e)。基本的に、銅、カドミウム、マンガン又は亜鉛の塩で処理すると、転写物の量が、3時間後までかなり増加し、6時間で明らかに低下した。カルシウム及びリチウムの塩は、mRNAレベルに対してわずかな影響しか及ぼさなかった。この遺伝子は、機械的損傷にも応答した(図3f)。この遺伝子は、1μMの低い濃度でABAに応答した(図3g)。OSISAP1の発現は、1μMのABAで実生を処理してから30分後にピークに達した。しかし、ABAの濃度を増加させると、この転写物レベルが定常状態のまま長時間維持された。
生殖質特異的発現
生殖質特異的な形で、様々な非生物性ストレスに対するOSISAP1の応答を調べるために、様々な非生物性ストレスに耐性の又は感受性の系統を得た。干ばつに耐性の品種Tulasi、干ばつ感受性のTriguna、塩に感受性のJaya、及び塩に耐性のVikasをこの研究に用いた。Pusa Basmati 1は、感受性対照として維持した。実生の段階で、塩又は乾燥ストレスにこれらをさらした。評価した2つのストレスのどちらかを与えた後のOSISAP1転写物誘導レベルとこの品種(cultivar/variety)の耐性の間に有意な相関は引き出せなかった。しかし、評価したイネの生殖質すべてがOSISAP1を有し、この遺伝子がこのすべての場合で干ばつ及び塩ストレスの後誘導されることが判明した。
pBI121におけるOSISAP1のクローン化及びタバコの形質転換
OSISAP1がいくつかのストレスで誘導されるので、これを使用して、モデル植物のタバコを形質転換してこの新規遺伝子の機能分析を行った。イネ新規遺伝子であるOSISAP1遺伝子をタバコ中で過剰発現させるため、pBI121(Clontech、米国)にそのcDNAをクローン化した。このベクターは、gus遺伝子の発現を促進するCaMV 35Sプロモーターを有している。OSISAP1のcDNAをクローン化するために、gus遺伝子を置き換えた。最初に、gusの3’で切断するSacIでこのベクターを消化した。4種のdNTPすべての存在下で、T4 DNAポリメラーゼでDNAの両端を平滑化した。次いで、BamHIでこのベクターを切断した。これにより、ベクター骨格からgus遺伝子を遊離させた。ゲル抽出により、このベクターを精製した。一方、OSISAP1のcDNAを有するpBK−CMVを最初にXbaIで切断し、T4 DNAポリメラーゼ及び4種すべてのdNTPで末端を埋め、次いでBamHIで消化した。これにより、3’が平滑末端であり、5’末端がBamHI部位であるcDNAを遊離させた。この断片を、適合する末端を有するpBI121と連結させた。得られたベクターpBISAPcは、CaMV 35Sプロモーターを有し、このプロモーターは、OSISAP1のcDNA発現を促進する。選択マーカーnptIIは、nosプロモーターで発現が促進される。EcoRIで制限消化すると、cDNAがnosの終結配列とともに遊離し、一方、BamHIで消化すると、この組換えクローンは直鎖化され、このことは、その部位がクローン化後に回復したことを示すものである。植物形質転換ベクターの構築物全体の図を図4に示す。
次いで、化学的形質転換により、この構築物をアグロバクテリウムに動員した。プラスミド単離及び制限消化により、この構築物が存在するかどうかを検出した。アグロバクテリウム中のこの構築物をタバコ(Nicotiana tabacum、品種Xanthi)に動員した。200mg/lのカナマイシン存在下での再生苗条を、同じ濃度のカナマイシンを含む発根用培地に移した。根の発育後、植物を鉢に移し、培養室で維持した。
遺伝子組換え系統の確認及び導入遺伝子の発現
最初に、推定される形質転換体に対してnptIIアッセイを行って、使用した選択マーカーであるネオマイシンホスホトランスフェラーゼIIの全タンパク中における活性を検出した。確認した遺伝子組換えタバコ及び非形質転換タバコを、それぞれ陽性及び陰性対照として使用した。8種の遺伝子組換え系統(SAPcL1、SAPcL8、SAPcL9、SAPcL38、SAPcL22、SAPcL11、SAPcL44及びSAPcL43)が、nptIIの活性を示した。
また、サザン分析により、この系統に導入遺伝子が存在することを確認した(図5)。推定される形質転換体から単離したゲノムDNAをEcoRIで消化した。pBISAPc中で、cDNAの5’末端及びnos終結配列の3’末端に、この酵素の切断部位がある。EcoRIで消化した後、OSISAP1のcDNAとnos終結配列に相当する約1kbの断片が遊離する。約1kbの予想サイズに対応するバンドが、陽性対照のプラスミド並びに遺伝子組換え系統で検出された(図5に矢印で示す)が、非形質転換対照及びSAPcL35では検出されず、このことからこれらにnptII活性がないことが示された。
選択した5種の系統にノーザン分析を行って、導入遺伝子の発現レベルを決定した(図6)。葉からRNAを抽出し、放射標識プローブである全長OSISAP1とハイブリダイズさせた。野生型タバコ由来のRNAがOSISAP1プローブとハイブリダイズしなかったことにも留意されたい。
OSISAP1を有する遺伝子組換えタバコ実生の寒冷、塩及び干ばつストレス耐性。pBISAPcを有し、OSISAP1を構成的に発現する5種の独立した遺伝子組換えタバコ系統(SAPcL8、SAPcL11、SAPcL22、SAPcL9及びSAPcL43)を、T1世代で塩耐性が生じるかどうか分析した。ストレス耐性の分析のため、この遺伝子組換え系統は、培地中に選択剤を入れずに発育させた。導入遺伝子を有さないカナマイシン感受性(分離世代(segregating)、非遺伝子組換え系統)実生の寄与については、ストレス耐性を評価する各系統で分析した実生の合計数から除外した。
また、OSISAP1遺伝子を有する5種の遺伝子組換え系統(SAPcL8、SAPcL11、SAPcL22、SAPcL9及びSAPcL43)を、T1世代で寒冷耐性が生じるかどうか分析した。表現型上、遺伝子組換え実生は、ストレスの後でより健常であった(図7a、b)。遺伝子組換え実生の場合、3枚目又は4枚目の葉がすでに現れたが、WTの場合、最初の2枚の葉しか認めることができなかった(図7b)。回復15日後の実生の新鮮重を測定すると、ストレスをかけなかった実生と比べて、ストレスをかけた遺伝子組換え実生の新鮮重の増加は67〜92%であったが、WTの新鮮中の増加はわずか35%であったことが明らかとなった(図7a)。さらに、遺伝子組換え実生の新鮮重は、低温でWTの実生より常に良好であった。
OSISAP1過剰発現系統を干ばつストレス耐性について評価すると、8日間にわたって、WTの発芽の百分率が遺伝子組換え系統と比べて非常に低かったことが明らかとなった。0.3Mのマンニトールにさらしてから8日目に、WTでは60%しか発芽しなかったが、22系統以外のすべての遺伝子組換え系統では90%以上の発芽が認められ、22系統は発芽率69%を示した。0.4Mのマンニトールに対する発芽の場合、WTでは41%しか発芽が認められなかったが、遺伝子組換え系統は発芽率69〜92%を示した。また、ストレスをかけた遺伝子組換え系統の新鮮重は、WTと比べて非常に良好であり、このことは量的な推定にも質的にも反映されていた(図8a、b)。
遺伝子組換えタバコの塩耐性に対するOSISAP1過剰発現の効果を判定するため、遺伝子組換え実生及び非形質転換(WT)実生を、材料及び方法に記載の通りに発育させた。ストレスにさらした日では、野生型(WT)と遺伝子組換え実生の新鮮重に有意差は認められなかった(表1)。移動させてから4時間後、白化はWTでも遺伝子組換え系統でも始まったが、これは遺伝子組換え植物で非常に少なく、ストレス後この植物はより多くの葉緑素を保持し、したがって緑色を維持していた(図9)。ストレス下での遺伝子組換え系統由来実生の新鮮重増加が非常に有意に改善したことが認められた。回復8日後、ストレスをかけたWT植物の新鮮重は、ストレスをかけていない植物のレベルまで回復したが、その葉緑素の含有量は低いままであった。遺伝子組換え実生の概観は、ストレス回復から8日後でWTよりはるかに良好であり、これは植物生長をより早く再開した(図9a、b)。
様々なストレスに対する形質転換植物の分析は、寒冷、干ばつ、塩ストレスなど様々なストレス条件下で、形質転換植物が非形質転換対照と比べて良好な生長及び生存率を示すことを明らかに示すものである。
植物の分子生物学についての研究、並びに代謝経路の変化及びストレスに関する遺伝子操作を、タバコやシロイヌナズナなどのモデル植物で試験し、次いで他の重要な作物でも同様の表現型が生じることが示された数多くの例が存在する。本発明者らは、寒冷、干ばつ及び塩ストレスに対する高い耐性を与える新規遺伝子OSISAP1でイネ及びトマトを形質転換した(Mohantyら、1999及びJaniら、2002)。その結果は、新規遺伝子OSISAP1(配列番号1)が、非形質転換対照と比べて高いストレス耐性及び生長上の利点を与えることを示している。
様々な非生物性ストレスにさらした後、多数の遺伝子が誘導される(Sekiら、2001)。この遺伝子は、植物にストレス耐性を与えるように様々な方法で機能する(Ingram及びBartels、1996;Thomashow、1999;Hasegawaら、2000b;Zhu、2002)。この遺伝子の発現パターンは、そのシステムの必要によって左右される。すなわち、ストレス応答初期の間に必要な遺伝子は、ストレス後すぐに誘導されるが、恒常期及び回復期の間に必要なものは遅く誘導される。Kawasakiら(2001)は、対照的なイネの品種のPokkali(塩耐性)とIR24(塩感受性)で、塩ストレス後の遺伝子発現プロフィルを比較した。塩に対する応答を、即時(15分以内)、初期(1時間)、初期回復期(3〜6時間)、及びストレス補償期(24時間以降)に分け、各区分に上方制御遺伝子又は下方制御遺伝子が8〜10種あった。OSISAP1遺伝子(配列番号1)はストレスにさらされてから15分以内に高レベルに誘導されるので、この状況では、OSISAP1は即時応答の区分に入る。そのタンパク産物(配列番号2)は、ストレス後非常に初期に必要となる可能性がある。このような早い遺伝子発現誘導は、乾燥及び塩によるRD29の誘導(Yamaguchi−Shinozaki及びShinozaki、1993、1994)、乾燥によるCOR47及びERD10の誘導(Welinら、1994;Kiyosueら、1994)、OSLEA3の場合の塩による誘導(Moonsら、1997)、並びに乾燥、塩又はABAによるRD22の誘導(Abeら、1997)でも観察されている。OSISAP1タンパク(配列番号2)は、哺乳動物タンパクA20(Opipariら、1990)と相同性がある。A20のジンクフィンガードメインは、二量体化に必要であり(De Valckら、1996)、NF−κBが媒介する遺伝子発現を阻害することにより、TNFが誘導するアポトーシスを阻害する(Cooperら、1996;Heyninckら、1999a、b;Beyaertら、2000;Lademannら、2001)。A20タンパクのジンクフィンガードメインは、その阻害活性を発揮するのに十分であり、他の細胞タンパクとの結合とは無関係であることが判明した(De Valckら、1997;Lademannら、2001)。培養細胞中でのA20の過剰発現で、又はA20のC末端のジンクフィンガードメインの過剰発現でも、NF−κBの活性が下方制御されることも示されている(Songら、1996;Evansら、2001)。高塩度のストレスにより、細胞分裂の阻害及び細胞死の促進が生じ(Hasegawaら、2000)、一方、冷却ストレスにより、萎凋、組織の白化及び電解質漏出が生じる(Tokuhisa及びBrowse、1999)。このすべてによって、最終的には細胞死が生じるはずである。
OSISAP1遺伝子の過剰発現は、遺伝子組換え植物の白化及び細胞死を回避する助けとなり得る。ストレスを受けたこの植物は、ストレスに関係する損傷がより軽度であり、より速やかに回復することができる。したがって、2つのシステムが異なり、その2つの間に共通するのはジンクフィンガーモチーフだけであるが、OSISAP1及びA20は、過剰発現させると同様の効果がある。タンパクOSISAP1はまた、その第2のC末端ジンクフィンガードメインがAN−1型のジンクフィンガータンパクと高い相同性を示す。このタンパクであるPEM6、ZNF216、XLULFP及びPVPR3は、その機能が明確ではない。いくつかの親水性ポリペプチドが、寒冷に順応する間に誘導され、煮沸後でも可溶性のままである(Hughes及びDunn、1996;Thomashow、1998)。このポリペプチドは、凍結に関係する脱水の有害な作用を緩和することにより、凍結耐性に寄与すると推測されている。塩ストレス並びに寒冷ストレスも、細胞レベルで脱水を引き起こす(Hasegawaら、2000)。OSISAP1タンパクは親水性であり、この性質も、遺伝子組換え植物の塩及び寒冷耐性の増大に寄与している可能性がある。本研究で示したように、他のいくつかの遺伝子の過剰発現が実生にストレス耐性をもたらすことが以前から分かっている(Prandlら、1998;Saijoら、2000;Kim CKら、2001;Piaoら、2001;Sunら、2001;Tamminenら、2001)。
最後に、本発明により、イネ由来の新規ジンクフィンガー型タンパクの遺伝子が同定され、特徴付けられ、他の作物にストレス耐性を作り出すのに使用することができる、塩、干ばつ及び寒冷耐性の新規決定因子が解明された。このタンパクが他のストレスでも機能する可能性があり、これはその発現が誘導されることによって示されることも見落とさなかった。
以下の実施例は、例示の目的だけで記載するものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈するべきでない。
植物材料及び処理
以前の記載の通りに(Groverら、1999)、イネ(Oryza sativa、インディカ亜種、Pusa Basmati 1種)種子を処理し、栽培した。栽培7日後、水に浸した綿を含む100mlビーカーに実生を移し、一方他の処理では、所望の溶質を含む水を使用した。塩化ナトリウムを終濃度200μMになるまで加えた。ABA(Sigma)をDMSO中に溶解させて、10mMのストックを作成し、これをさらに水で希釈した。約1cm間隔で葉端に切れ込みを入れて、実生に損傷を与えた。寒冷ショックでは、実生を5±1℃で維持した。ティッシュペーパー上で植物を乾燥させ、乾燥したティッシュペーパー中にこれをラップで包んだ状態を所望の時間維持することによって乾燥刺激を行った。100mlビーカーで栽培中の実生を2Lガラスビーカー中の水に浸水させ、その状態を維持した。5、10及び15mMのベンジルアルコール(BA)で、9日齢の実生の切れ込みを入れた葉を25℃で3時間処理し、次いでこの処理を5±1℃で48時間継続した(Sangwanら、2001)。DMSOによる処理では、実生の切れ込みを入れた葉を2、4及び6%のDMSOの存在下で25℃で維持した。
OSISAP1遺伝子のクローン化及び配列分析
7日齢イネ実生の根由来のcDNAライブラリーを、λZAP発現ベクター(Stratagene、米国)で調製した。このライブラリーから無作為にクローンを選択し、製造業者の説明書の通りに、単一クローンを切り出して組換えpBK−CMVファージミドベクターを得た。このクローンを放射標識プローブとして用いて、イネ植物の様々な部分から単離した全RNAとハイブリダイズさせた。様々な器官で発現に差があるいくつかのクローンを同定し、さらに特徴付けた。
標準的なプライマーを用いて、そのうちの1つであるOSISAP1の配列を両端から決定した。完全長配列を得るために、SacI又はPstIでcDNAを消化し、これを再び連結させ、pBlueScript SKにサブクローニングした。標準的なプライマーを用い、標準的な方法を用いて、サブクローンの配列を決定した。
OSISAP1ゲノムクローンを単離するために、MboIで消化したゲノムDNAを用いて、イネゲノムDNAライブラリーをλDASHIIベクター(Stratagene、米国)で調製した。そのcDNAを使用して放射活性プローブを作成し、このライブラリーをスクリーニングした(Sambrookら、1989)。陽性プラークを3回スクリーニングして精製し、この遺伝子を含む、組換えファージクローン由来の5.5kbのサブクローン断片の配列を決定した。翻訳開始部位を含むように設計されたプライマーを使用したプライマー伸長法による分析で、転写開始部位を決定した(Sambrookら、1989)。
プラスミドDNAの単離、制限消化、DNAの連結、PCR、アガロースゲル及びアクリルアミドゲル電気泳動、大腸菌(E.coli)の形質転換及び培養、並びに種々のDNA断片の配列決定は、Sambrookら、1989に記載の標準的な手順に従って実施した。OSISAP1のcDNA(配列番号1)は、844bpであり、19bpのポリA尾部を含み、予測分子量が17.6kDaである164アミノ酸(配列番号2)のタンパクをコードしている。
RNAブロット分析
Logemannら(1987)による方法を少し改変して、RNA抽出を行った。全RNA20μgを用いて、Groverら(1999)に従ってノーザン分析を実施したα−32P dATPで標識したOSISAP1のcDNAをプローブとして用いた。オートラジオグラフィーによって、ハイブリダイゼーションを検出した。同一サンプルに由来する、エチジウムブロマイド染色したrRNAのバンドを、全RNAの量及び質に関する対照として使用した。
植物での構成的発現のための植物形質転換ベクターの構築
イネOSISAP1(配列番号1)をタバコ(Nicotiana tabacum、品種Xanthi)で過剰発現させるため、gus遺伝子と置き換えることで、pBI121(Clontech、米国)にそのcDNAをクローン化した。最初に、gusの3’で切断するSacIでこのベクターを消化した。4種のdNTPすべての存在下で、T4 DNAポリメラーゼでDNAの両端を平滑化した。次いでこのベクターをBamHIで切断して、ベクター骨格からgus遺伝子を遊離させた。ゲル抽出により、このベクターを精製した。一方、OSISAP1(配列番号1)のcDNAを有するpBK−CMVを最初にXbaIで切断し、T4 DNAポリメラーゼ及び4種すべてのdNTPでそのDNAの末端を埋め、次いでBamHIで消化した。これにより、3’が平滑末端であり、5’末端がBamHI部位であるcDNAを遊離させた。この断片を、適合する末端を有するpBI121と連結させた。得られたベクターpBISAPcは、CaMV 35Sプロモーターを有し、このプロモーターは、OSISAP1遺伝子(配列番号1)の発現を促進するが、このベクターを図4に示す。この植物選択マーカーは、カナマイシン耐性遺伝子であった。次いで、化学的形質転換により、この構築物をアグロバクテリウムツメファシエンスLBA4404株に動員した。
植物の形質転換
標準的なプロトコルの通りに(Gelvinら、1994)、アグロバクテリウムが媒介する、タバコ(Nicotiana tabacum、品種Xanthi)の形質転換を実施した。200mg/lのカナマイシン存在下での再生苗条を、同じ濃度のカナマイシンを含む発根用培地に移した。根の発育後、植物を鉢に移し、培養室で維持した。最初に、推定される形質転換体に対してnptIIアッセイを行って、使用した選択マーカーであるネオマイシンホスホトランスフェラーゼIIの全タンパク中における活性を検出した。様々な系統で導入遺伝子が組み込まれ、発現していることを、OSISAP1のcDNAを放射標識プローブとして用いて、それぞれサザン分析(図5)及びノーザン分析(図6)によって確認した。サザン分析及びノーザン分析は、Sambrookら、1989に記載の標準的な手順に従って実施した。OSISAP1を過剰発現している遺伝子組換え系統を、T2世代まで繁殖させた。
同様に、新規遺伝子OSISAP1を用いたイネの形質転換を、標準的なプロトコルを用いて実施した。標準的なプロトコルを用いて、この遺伝子を過剰発現しているトマト植物を得た。
塩、寒冷及び干ばつストレス耐性に関する遺伝子組換え系統の分析
層流フード下で、微小遠心管内で絶えず撹拌しながら、野生型及び遺伝子組換えタバコのT1の種子の表面を70%エタノールで30秒間滅菌した。この処理の後、ピペットを用いてエタノールを除去した。この種子をTween 20を1滴含む2%(体積/体積)次亜塩素酸ナトリウム溶液に沈め、微小遠心管を軽くたたいてときどき撹拌しながら5分間置き、続いてオートクレーブしたMilli−Q水で少なくとも6回洗浄した。ショ糖及び有機成分を含まない、半分の濃度のMS培地(MSH)で、16時間/8時間の明/暗周期で25±1℃に維持した培養室内で16日間実生を栽培し、各ラックを白色蛍光管(Philips Champion、40W/54)3本、及び黄色蛍光管(Philips Trulight、36W/82)1本から供給される光(50〜100μモルm−2−1)で照らした。16日齢の実生を新鮮なMSHに移し、ストレス処理を与えるまでさらに5日間栽培した。
塩ストレスでは、250mMのNaClの、ショ糖を含まない半分濃度MS溶液に浸した8層のティッシュペーパー上に、実生を無菌的に移した。蒸発を防ぐために、このペトリ皿を密封した。上記で示した培養室条件下でこれを4日間栽培した。続いて、滅菌ティッシュペーパーを過剰の水で浸した滅菌蒸留水中でこれを簡単に洗浄し、ショ糖を含まない半分濃度MS培地にこれを戻した。回復のための培養室条件下で、これを栽培した。WT(非形質転換対照)及び遺伝子組換え系統の緑色の実生の百分率及び新鮮重を、塩ストレスから8日後に測定した。
寒冷処理では、8±1℃に維持した寒冷チャンバーに21日齢の実生が入っているペトリ皿を移し、15日間置いた。次いで、回復のための培養室条件にこの皿を戻した。WT(非形質転換対照)及び遺伝子組換え系統の新鮮重を、寒冷ストレス後15日間回復させた後に測定した。実験はすべて2回より多く反復し、2回の実験のデータをその差とともに示す。
干ばつストレスでは、種子を0.3M及び0.4Mのマンニトールで発芽させ、8日間にわたって観察記録を行った。WT(非形質転換対照)及び遺伝子組換え系統の相対的新鮮重増加を、0.3M及び0.4Mのマンニトールで発芽させてから8日後に測定した。
参考文献



イネ由来の新規遺伝子OSISAP1(配列番号1)のヌクレオチド配列を示す図である。 OSISAP1のcDNAのヌクレオチド配列(配列番号1)及び推定アミノ酸配列(配列番号2)を示す図である。終止コドンには、星印を付けている。A20型ジンクフィンガーの形成に関与する、このタンパクのN末端で保存されているシステイン残基、並びにAN−1型ジンクフィンガーのC末端のシステイン及びヒスチジン残基を太字体で示す。推定Nミリストイル化及びPKCリン酸化部位を下線で示す。 イネ実生に寒冷ストレスをかけた後のOSISAP1のDNAの発現パターンを示す図である。すべての場合のノーザンハイブリダイゼーションで、OSISAP1のcDNAを放射標識プローブとして用いた。泳動量及びRNAの質が同じであることを示すため、下段のパネルで、エチジウムブロマイド染色したrRNAを示す。 イネ実生に膜流動性の化学修飾物質によるストレスをかけた後のOSISAP1のDNAの発現パターンを示す図である。すべての場合のノーザンハイブリダイゼーションで、OSISAP1のcDNAを放射標識プローブとして用いた。泳動量及びRNAの質が同じであることを示すため、下段のパネルで、エチジウムブロマイド染色したrRNAを示す。 イネ実生に塩及び乾燥ストレスをかけた後のOSISAP1のDNAの発現パターンを示す図である。すべての場合のノーザンハイブリダイゼーションで、OSISAP1のcDNAを放射標識プローブとして用いた。泳動量及びRNAの質が同じであることを示すため、下段のパネルで、エチジウムブロマイド染色したrRNAを示す。 イネ実生に浸水ストレスをかけた後のOSISAP1のDNAの発現パターンを示す図である。すべての場合のノーザンハイブリダイゼーションで、OSISAP1のcDNAを放射標識プローブとして用いた。泳動量及びRNAの質が同じであることを示すため、下段のパネルで、エチジウムブロマイド染色したrRNAを示す。 イネ実生に重金属によるストレスをかけた後のOSISAP1のDNAの発現パターンを示す図である。すべての場合のノーザンハイブリダイゼーションで、OSISAP1のcDNAを放射標識プローブとして用いた。泳動量及びRNAの質が同じであることを示すため、下段のパネルで、エチジウムブロマイド染色したrRNAを示す。 イネ実生に機械的損傷によるストレスをかけた後のOSISAP1のDNAの発現パターンを示す図である。すべての場合のノーザンハイブリダイゼーションで、OSISAP1のcDNAを放射標識プローブとして用いた。泳動量及びRNAの質が同じであることを示すため、下段のパネルで、エチジウムブロマイド染色したrRNAを示す。 イネ実生にアブシジン酸(ABA)によるストレスをかけた後のOSISAP1のDNAの発現パターンを示す図である。すべての場合のノーザンハイブリダイゼーションで、OSISAP1のcDNAを放射標識プローブとして用いた。泳動量及びRNAの質が同じであることを示すため、下段のパネルで、エチジウムブロマイド染色したrRNAを示す。 1.87kbのgus断片を置き換えて構築物pBISPAcを生成することにより、ベクターpBI121にクローン化されたOSISAP1のDNAを示す図である。構成的CaMV35Sプロモーターを使用して、OSISAP1のDNAの発現を促進させた。この構築物はまた、植物の選択に使用したnptII断片をも含む。これは、植物組換えベクターpBISPAcの概略図であり、正しい縮尺を示すものではない。 推定される形質転換体のサザン分析を示す図である。 野生型及び推定される形質転換体由来のゲノムDNA(10μg)をEcoRIで消化し、1.2%アガロースゲルで分離した(左側のパネル)。OSISAP1の放射標識完全長DNAでサザンハイブリダイゼーションを行った後、オートラジオグラムを得た。UT及びUDで示したレーンは、非形質転換野生型及び非消化DNAをそれぞれ表している。EcoRIで消化したpBISAPc25ngを陽性対照として使用した。矢印は、予想したサイズ(約1kb)のハイブリダイズした断片を示している。 CaMV 35Sプロモーターの制御下でOSISAP1を過剰発現する、様々な遺伝子組換えタバコ系統でのOSISAP1の発現レベルの決定を表す図である。様々な遺伝子組換え系統(SAPcL8、SAPcL9、SAPcL11、SAPcL22及びSAPcL43)由来の全RNA10μgを用いて、ノーザン分析を行った。UTは、非形質転換タバコ対照である。下段のパネルは、泳動量及びRNAの質が同じであることを示すためのリボゾームRNAの顕著なバンドを示す。 野生型(WT)及びOSISAP1過剰発現遺伝子組換え系統(SAPcL8、SAPcL9、SAPcL11、SAPcL22及びSAPcL43)由来のタバコ実生に対する寒冷ストレスの影響を示す図である。21日齢の実生を8±1℃で15日間栽培し、培養室条件に移した。寒冷ストレスから回復させてから15日後に、寒冷ストレスをかけた実生の新鮮重を記録した。ストレスをかけなかった同齢の実生の新鮮重も記録し、これを対照とした。各バーの上部に2回の実験の絶対差を示す。 野生型(WT)及びOSISAP1過剰発現遺伝子組換え系統(SAPcL8、SAPcL9、SAPcL11、SAPcL22及びSAPcL43)由来のタバコ実生に対する寒冷ストレスの影響を示す図である。21日齢の非形質転換型(WT)及びOSISAP1過剰発現系統の実生を8±1℃で15日間寒冷ストレスをかけ、次いで回復用のMSHに戻した。回復させてから15日後、WT及び5種の遺伝子組換え系統の代表的な実生の写真を撮影した。 野生型(WT)及びOSISAP1過剰発現遺伝子組換え系統(SAPcL8、SAPcL9、SAPcL11、SAPcL22及びSAPcL43)由来のタバコ実生に対する脱水ストレスの影響を示す図である。0.3M又は0.4Mのマンニトールで発芽させた8日齢の実生の相対的な新鮮重を示す。新鮮重は、ストレスをかけなかった実生の新鮮重と比較して示す。2回の実験の絶対差を示す。 野生型(WT)及びOSISAP1過剰発現遺伝子組換え系統(SAPcL8、SAPcL9、SAPcL11、SAPcL22及びSAPcL43)由来のタバコ実生に対する脱水ストレスの影響を示す図である。0.3M(上段のパネル)及び0.4M(下段のパネル)のマンニトールで発芽させてから8日後に撮影した、WT及び5種の遺伝子組換え系統の代表的な実生を示す。 野生型(WT)、及びOSISAP1を過剰発現する遺伝子組換え系統(SAPcL8、SAPcL9、SAPcL11、SAPcL22及びSAPcL43)のT1子孫由来のタバコ実生に対する塩ストレスの影響を示す図である。21日齢の実生を250mMのNaCl中で4日間塩ストレスをかけ、次いで回復用のMSHに戻した。回復させてから8日後、緑色を保持しているWT及び遺伝子組換え系統の実生をカウントした。各バーの上部に2回の実験の絶対差を示す。 野生型(WT)、及びOSISAP1を過剰発現する遺伝子組換え系統(SAPcL8、SAPcL9、SAPcL11、SAPcL22及びSAPcL43)のT1子孫由来のタバコ実生に対する塩ストレスの影響を示す図である。21日齢の実生を250mMのNaClで4日間塩ストレスをかけ、次いで回復用のMSHに戻した。回復させてから8日後、WT及び5種の遺伝子組換え系統の代表的な実生の写真を撮影した。
【配列表】

Claims (17)

  1. イネ(Oryza sativa) OSISAP1の単離DNA断片であって、前記DNA断片が配列番号1の配列を含む、DNA断片。
  2. 請求項1の配列番号1によってコードされる配列番号2を含むアミノ酸配列からなるポリペプチド。
  3. 5’から3’の転写の方向に、
    植物中で機能するプロモーターと、
    配列番号1を含むOSISAP1配列と
    植物中で機能する転写終結配列とを含む、単離組換え植物ベクター。
  4. 前記DNAがプラスミドである、請求項3に記載の単離組換え植物ベクターDNA。
  5. 前記プロモーターがカリフラワーモザイクウイルス35Sである、請求項3に記載の単離組換えベクターDNA。
  6. 前記転写終結配列がnos終結配列である、請求項3に記載の単離組換えベクターDNA。
  7. 植物のストレス耐性を高める方法であって、前記方法が、請求項3に記載の組換えベクターで前記植物を形質転換して、形質転換植物を産生するステップを含む方法。
  8. 形質転換に使用する前記植物が、タバコ、イネ及びトマト植物からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記方法により、寒冷ストレス耐性が高い形質転換植物がもたらされる、請求項7に記載の方法。
  10. 前記方法により、干ばつストレス耐性が高い形質転換植物がもたらされる、請求項7に記載の方法。
  11. 前記方法により、塩ストレス耐性が高い形質転換植物がもたらされる、請求項7に記載の方法。
  12. 前記形質転換植物が、寒冷ストレスに対する高い耐性を示す、請求項7に記載の方法によって作成される遺伝子組換え植物。
  13. 前記形質転換植物が、干ばつストレスに対する高い耐性を示す、請求項7に記載の方法によって作成される遺伝子組換え植物。
  14. 前記形質転換植物が、塩ストレスに対する高い耐性を示す、請求項7に記載の方法によって作成される遺伝子組換え植物。
  15. 請求項12に記載の前記遺伝子組換え植物によって産生される種子。
  16. 請求項13に記載の前記遺伝子組換え植物によって産生される種子。
  17. 請求項14に記載の前記遺伝子組換え植物によって産生される種子。
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