JP2002514423A - 組換え植物e2fペプチドを発現するトランスジェニック植物細胞 - Google Patents

組換え植物e2fペプチドを発現するトランスジェニック植物細胞

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Abstract

(57)【要約】 植物細胞におけるE2F活性を増加させるまたは減少させることを含む、植物増殖および/または細胞DNA複製および/または細胞周期進行、分化および発生を調節する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、ペプチドを含む、植物E2Fタンパク質またはその機能する変異体
をコードする核酸配列、並びに植物細胞周期段階および/またはその体構造を調
節するための前記配列の使用に関する。本発明はまた、抗体を産生するのに有用
な植物E2Fタンパク質およびペプチドも提供し、そして植物E2Fペプチドお
よびタンパク質の検出および増幅に使用するのに適した核酸も提供する。さらに
提供されるのは、細胞周期においてG1からS期の植物細胞の移行の機構に関与
するE2Fタンパク質およびその一部を過剰産生するまたは過少生産するトラン
スジェニック植物、植物の一部および植物細胞である。こうした植物、部分およ
び細胞は、G1またはS期で過ごす時間量の増加または減少が引き起こされてい
るため、他のタンパク質を過剰または過少産生する可能性がある。
【0002】 細胞周期進行は、複雑でそして高度に制御されたネットワークの結果である。
異なる細胞周期段階を通じた細胞の正しい推移に重要なのは、特定の遺伝子、例
えばS期特異的遺伝子の転写活性の厳密な制御である(Nevins、1992
;Helin、1998に概説される)。
【0003】 哺乳動物細胞では、転写因子のE2Fファミリーが、G1/S移行の転写制御
におけるこの極めて重要な役割を果たす。これらの協調した作用が、細胞周期制
御遺伝子、例えばcdc2、サイクリンAおよびE、Rb、p107およびE2
F−1、並びにDNA代謝に関与する遺伝子、例えばジヒドロ葉酸レダクターゼ
、チミジンキナーゼ、チミジル酸シンターゼ、DNAポリメラーゼα、ORC1
およびCDC6の発現を調節すると考えられる(Nevins、1992;He
lin、1998に概説される)。遺伝子発現に対するE2F活性は、網膜芽腫
(Rb)腫瘍抑制因子タンパク質と共に、それに関連するp107およびp13
0タンパク質により、異なるE2Fメンバーおよびポケットタンパク質の間の複
合体の形成を通じ、仲介される(Weinberg、1995に概説される)。
この方式では、例えば、最近ヒストン脱アセチラーゼに関し示されたように、R
bはE2F反応性遺伝子プロモーターに対し標的化され、そして隣接する因子と
の相互作用を通じ、転写を阻害する(Brehmら、1998;Magnagh
i−Jaulinら、1998)。
【0004】 細胞増殖および可塑性、体構成および発生に関し特有の特性を持つ、植物など
の他の系において、特にG1/S移行で、細胞周期制御に関与する因子、および
それらの作用機構は、顕著に、より理解されていない点が多い。しかし、入手可
能なデータにより、細胞周期進行に関連し、そして原因となる遺伝子発現の厳密
な調節が植物細胞でも存在することが示唆され、該調節によりいくつかの遺伝子
が細胞周期を通じ特定の段階で発現されることが知られる(Staigerおよ
びDoonan、1993;DoonanおよびFobert、1997に概説
される)。例えば、B型サイクリンがG2およびM期で集積する(Ferrei
raら、1994;Fobertら、1994;Kouchiら、1995;I
toら、1997;Itoら、1998)一方、リボヌクレオチドレダクターゼ
およびヒストン遺伝子mRNAは、S期特異的であるようである(Philip
psら、1995;ShenおよびGigot、1997)。したがって、S期
特異的転写因子が植物細胞に存在する可能性があるが、その分子的性質はまだ知
られていない。特に、これらが転写因子の動物E2Fファミリーに、何らかの構
造的および/または機能的類似性を有するかどうかは、いまだに答えを必要とす
る重要な問題の1つである。さらに、S期特異的プロテインキナーゼの活性が、
内胚乳発生の初期段階中に増加することが知られている(GrafiおよびLa
rkins、1995)。
【0005】 Rb様経路が植物細胞において、G1/S移行を制御している可能性があるこ
とは、植物において3つの異なるD型サイクリンが単離され(Soniら、19
95;Dahlら、1995)、そして複製が宿主機能に依存する植物DNAウ
イルス由来のタンパク質が、ヒトRb関連タンパク質と関連する可能性があるこ
とが観察されて(Xieら、1995)、初めて示された。後に、保存されたA
/Bポケットドメインを持つタンパク質をコードする植物cDNAが単離された
(Xieら、1996;Grafiら、1996;Achら、1997a)。
【0006】 植物Rb様タンパク質は、そのヒト相対物と共通するいくつかの特徴を有し、
該特徴には、活性および3つの植物D型サイクリンとLXCXE依存方式で相互
作用する能力に必要な、ヒトRbのC607に相同な残基の存在が含まれる(H
untleyら、1998)。さらに、非常に興味深いことに、植物Rbはヒト
細胞で発現すると、E2F反応性プロモーターを抑制することが可能である(H
untleyら、1998)。要するに、これらの研究は、おそらく動物細胞に
見られる転写因子のE2Fファミリーと関連した、植物細胞におけるS期特異的
転写因子(STF)の存在を予測する(Xieら、1995)。しかし、植物に
おけるE2F様転写因子の同定は、ヒトE2F cDNAクローン由来の異種プ
ローブを用いた研究が成功してきていないことから、達成されにくいものとなっ
ている。
【0007】 本発明者は、現在、酵母ツーハイブリッド(two−hybrid)系におい
て植物Rbと相互作用する植物タンパク質をコードするcDNAを単離し、クロ
ーン化し、そして性質決定してきている。本発明者は、本cDNAクローンが動
物E2Fタンパク質にアミノ酸相同性を持つ植物E2Fファミリーメンバー(T
mE2F)をコードすることを立証してきた。本発明者はさらに、驚くべきこと
に、非常に保存されたDNA結合ドメイン、より保存されていない二量体化ドメ
インおよび比較的関連していないトランス活性化およびRb結合ドメインを含め
、植物が、ヒトE2Fのものと同様のドメイン構成を持つ単一のE2Fメンバー
を含むようであることを決定した。興味深いことに、該クローンのRb結合ドメ
インは、動物E2Fに見られるものと異なるアミノ酸残基を含むが、その疎水性
または荷電特性の保存を示す。
【0008】 本明細書および請求項に関し、以下の技術用語が、以下の定義と一致して用い
られる。 ペプチドまたはタンパク質の「機能する変異体(functional va
riant)」は、そのアミノ酸配列が、アミノ酸配列の変化にも関わらず、機
能する変異体が、当業者に検出可能な、元来のタンパク質の生物学的活性の少な
くとも1つの、少なくとも一部を保持するような方式で、1つまたはそれ以上の
アミノ酸残基の置換、欠失および/または付加により、元来のペプチドまたはタ
ンパク質のアミノ酸配列から由来する可能性がある、ポリペプチドである。機能
する変異体は、由来する可能性があるタンパク質に対し、一般的に少なくとも5
0%相同、好都合には少なくとも70%相同、そしてさらに好都合には少なくと
も90%相同である。好ましくは機能する変異体のアミノ酸配列は、元来のペプ
チドまたはタンパク質に対し、50%同一、より好ましくは70%同一、そして
最も好ましくは90%同一である。タンパク質のいかなる機能する部分またはそ
の変異体もまた、機能する変異体と称される。
【0009】 配列相同性または同一性の比較および計算のため、アミノ酸およびヌクレオチ
ド配列を並列するのに使用するために適したアルゴリズムおよびソフトウェアは
、当業者に周知であろう。こうしたツールの重要な例は、Pearsonおよび
Lipman検索に基づくFASTおよびBLASTプログラムである。これら
の詳細は、Altschulら(1990), J. Mol. Biol.
215: 403−10; Lipman D JおよびPearson W
R(1985) Science 227,p1435−41に見出すことが可
能である。公共に入手可能なBLASTの詳細は、‘http://www.n
cbi.nlm.nih.gov/BLAST/blast−help.htm
l’でインターネット上で見出すことが可能である。こうして、例えばFAST
AおよびBLASTnソフトウェアを取り込んだ、商業的にまたは公共に入手可
能なソフトウェアパッケージを用い、またはインターネット上のコンピューター
サーバーにより、こうした相同性および同一性パーセンテージを確定してもよい
。前者の例は、GCGプログラムパッケージ(Devereuxら, Nucl
eic Acids Research(1984)12(1): 387)お
よびSmithおよびWaterman, Advances in Math
ematics 2:482−489(1981)の局所相同性アルゴリズムを
使用するBestfitプログラム(UnixまたはIBM同等物のためのウィ
スコンシン配列解析パッケージ、例えばバージョン8、遺伝学コンピューターグ
ループ、University Research Park, 575 Sc
ience Drive, Madison, WI 53711)である。多
くの国際集団、例えばGenbank(http://www.ncbi.nl
m.nih.gov/BLASTを参照されたい)およびEMBL:(http
://www.embl−heidelberg.de/Blast2を参照さ
れたい)が、インターネットサービスを提供する。
【0010】 同一性(identity)という用語により、配列を最適に並列させると、
該配列が、最も高いパーセンテージのアミノ酸または塩基の並列を可能にするた
め、ギャップの導入を必要とする特定の位置における欠失または付加を有する可
能性があるという事実にも関わらず、同じ相対的な位置の参照配列において、請
求されるアミノ酸配列または塩基配列の言及されるパーセンテージが見られるこ
とを意味する。好ましくは、配列は、20またはそれ以下のギャップを用い、並
列される。すなわち2つの配列に導入されるギャップの総数を合計した場合、2
0またはそれ以下、より好ましくは10またはそれ以下である。こうしたギャッ
プの長さは、2つの定義されるE2F活性の1つまたは他方が保持される限り、
特に重要ではないが、一般的に50未満、そして好ましくは10アミノ酸未満、
または150そして好ましくは30塩基未満であろう。
【0011】 ソフトウェアパッケージおよびインターネットサーバーで用いられるパラメー
ターは、適切な配列長と共に、そして前記のギャップ特性を念頭において、適用
するべきである。並列戦略は、WO 98/40483の39ないし41ページ
にさらに論じられ、本文書は本明細書に援用される。
【0012】 BLAST検索のための好適なパラメーターは、デフォルト値であり、すなわ
ちEMBL Advanced Blast2には:Blastp Matri
x BLOSUMS 62、Filterデフォルト、Echofilter
X Expect 10、Cutoffデフォルト、Strand両方、Des
criptions 50、Alignments 50である。BLASTn
デフォルトもまた、好ましく用いられる。GCGウィスコンシンパッケージデフ
ォルトは、ギャップ加重12、長さ加重4である。さらに好ましい相同性計算法
のため用いられるFASTDBパラメーターはミスマッチペナルティー=1.0
0、ギャップペナルティー=1.00、ギャップサイズペナルティー=0.33
および連結ペナルティー=30.0である。
【0013】 「過剰産生」という用語は、本明細書において、可能な限り最も一般的な意味
で用いられる。特別の種類の分子、通常ポリペプチドまたはRNAは、天然レベ
ルより有意にそして検出可能に高い(例えば20%高い)レベルで産生される場
合、細胞において「過剰産生」されるといわれる。細胞における分子の過剰発現
は、伝統的な突然変異および選択技術並びに遺伝子操作法の両方を介し、達成し
てもよい。
【0014】 「異所性発現」という用語は、本明細書において、例えば異所的に発現される
ペプチドまたはタンパク質は、天然にはまったく(または検出可能に)発現され
ない植物の空間的点で産生される、すなわち前記ペプチドまたはタンパク質が前
記点で過剰産生されるという意味で、過剰産生の特別な実現を意味する。特に好
ましい異所性発現は、選択された組織でのみ機能するレベルに達し、そして植物
全体でこうしたレベルに達するのではないものである。この好ましい異所性発現
は、恒常的発現と対照的である。
【0015】 「過少産生」という用語は、天然レベルより有意に低い(例えば20%または
それ以下)レベル、特に検出不可能なレベルでのポリペプチドまたはmRNAの
産生を含むよう意図される。
【0016】 本発明の第一の側面において、植物成長および/または細胞DNA複製および
/または細胞周期進行、分化および発生を調節する方法であって、植物細胞にお
ける組換え植物E2Fペプチドまたはタンパク質の発現を通じ、その細胞におけ
るE2F活性を増加させるまたは減少させることを含む、前記方法が提供される
【0017】 好ましくは、該方法は、植物E2F活性が、(i)植物網膜芽腫タンパク質に
結合する能力および(ii)植物DNAにおけるE2F転写因子結合部位に結合
する能力の1つまたは両方を含むことで特徴付けられる。これは、植物E2Fタ
ンパク質レベル、細胞レベル以下の局在、DNA結合活性、タンパク質−タンパ
ク質結合活性、トランス活性化特性、および/またはE2F−Rb結合活性を改
変する段階を含んでもよい。植物E2Fは、単独でおよび/または植物Rbのレ
ベルまたは活性の修飾と組み合わせて修飾されてもよい。
【0018】 植物DNAにおいてE2F転写因子結合部位に結合する能力は、必ずしも転写
活性化につながる必要はない。こうした活性化の阻害もまた、本発明を用い提供
される可能性がある。
【0019】 特に、該方法を用い、植物細胞または植物器官の形状を改変してもよく、そし
て該方法は、植物細胞または植物器官の大きさを増加させるように、細胞増殖特
性を改変してもよい。該方法はまた、他のタンパク質の発現を増加させてもまた
は減少させてもよい。
【0020】 本発明の第二の側面において、単離され、濃縮されている、細胞不含および/
または組換え的に産生されたタンパク質またはペプチドであって、(i)植物網
膜芽腫タンパク質に結合する能力および(ii)植物DNAにおけるE2F転写
因子結合部位に結合する能力から選択される、1つまたは両方のE2F活性を有
することで特徴付けられる、 ここで該タンパク質またはペプチドは、配列番号6の以下のドメイン: (a)Tyr Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Asp X
aa Xaa Xaa Xaa Asp Met Trp Glu および (b)Gln Lys Arg Arg Ile Tyr Asp Ile T
hr Asn Val Leu Glu Gly Ile Xaa Leu I
le Glu Lys Xaa Xaa Lys Asn Xaa Ile A
rg Trp から選択される1つまたは両方のアミノ酸配列を含む、 但し該ペプチドまたはタンパク質がドメイン(b)のみを含む場合、該ペプチド
またはタンパク質は、配列番号6のアミノ酸1−406の隣接する配列またはそ
の機能する変異体の配列の少なくとも30%を含む、 前記タンパク質またはペプチドを提供する。
【0021】 より好ましくは、該ペプチドまたはタンパク質は、隣接する配列の少なくとも
50%そしてさらにより好ましくはその少なくとも70%を含む。最も好ましく
は、該ペプチドまたはタンパク質は、配列番号6またはその機能する変異体を含
む。好ましい変異体は、ドメイン(a)が欠失しているまたは例えば部位特異的
突然変異誘発により、ドメイン(a)が不活性化されているものである。
【0022】 したがって、本発明の特に好ましいペプチドまたはタンパク質は、配列番号6
または変異体のものであるが、アミノ酸配列配列番号2が、Rbタンパク質に結
合する能力が配列番号2の天然配列のものより減少し、または完全に失われ、そ
れにより該ペプチドがRb結合に制限されることなく、E2Fタンパク質として
作用することが可能であるように、突然変異するように、修飾されていることで
特徴付けられる。
【0023】 配列番号6のタンパク質のトランス誘導(transinducing)特性
を持たない配列番号6またはその機能する変異体のペプチドまたはタンパク質が
提供されることが特に好ましく、これらは、好ましくは、C末端における配列番
号6のトランス誘導ドメインに突然変異または欠失または挿入を有する。
【0024】 本発明の好ましいペプチドまたはタンパク質は、配列 (c)Leu Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Leu X
aa Xaa Glu Xaa Xaa Xaa Leu Xaa Xaa X
aa Glu Xaa Xaa Leu Asp を含むことでさらに特徴付けられる。
【0025】 いくつかの目的には、減少した長さのペプチドまたはタンパク質、例えば16
ないし300、より好ましくは16ないし100アミノ酸を提供することが好適
であろう。
【0026】 さらに好ましいペプチドまたはタンパク質は、配列番号2またはその機能する
変異体のアミノ酸配列を含むことで特徴付けられる。 さらにより好ましいのは、さらに、配列 Arg Thr Gln Leu Lys Arg Lys Ala Thr
Arg Glu Glu である配列番号7、または核局在化シグナル(NLS)として機能する活性を有
する、その機能する変異体の配列を含むことで特徴付けられる、本発明のペプチ
ドまたはタンパク質である。
【0027】 しかし、こうしたタンパク質の有用な変異体は配列番号7のNLSが、該ペプ
チドが核に局在しないように、例えば部位特異的突然変異誘発により、例えばP
CRを用い、修飾されているものである。
【0028】 さらに有用な、本発明のペプチドまたはタンパク質の変異体は、配列番号6の
植物E2Fのアミノ酸残基146−206またはその機能する変異体の配列であ
る、植物E2F DNA結合ドメインを含むことで特徴付けられる。
【0029】 植物DNAにおける特に好ましい標的E2F結合ドメインは、配列TTT(C
/G)(C/G)(C/G)(C/G)(C/G)、特にTTT(C/G)(C
/G)CG(C/G)のものである。
【0030】 配列番号4 Tyr Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Asp Xaa
Xaa Xaa Xaa Asp Met Trp Glu を含む、単離され、濃縮されている、細胞不含および/または組換え的に産生さ
れたペプチドまたはタンパク質、あるいはその機能する変異体であって、本質的
なE2Fペプチドまたはタンパク質領域を欠く場合、例えば16ないし100、
より好ましくは16ないし30アミノ酸のペプチドである場合、該ペプチドまた
はタンパク質を用い、Rbに結合させ、そして、したがって天然E2Fの効果を
増加させることが可能である。
【0031】 より好ましくは、該ペプチドは配列番号4またはその機能する変異体からなる
。 いくつかの好ましい型において、該ペプチドは配列番号2のものであるが、ア
ミノ酸配列配列番号4が、Rbタンパク質、例えば植物Rbタンパク質に結合す
る能力が配列番号4の天然配列のものより増加するまたは減少する、あるいは完
全に失われるように、突然変異するように、修飾されている。特に、該ペプチド
またはタンパク質は、E2F DNA結合タンパク質として作用することが可能
であり、そして所望によりRb結合により制限されることなく、転写活性化タン
パク質として作用することが可能である。こうした活性をその後、組織特異的ま
たは化学的誘導性プロモーターを用い、より密接に調節してもよい。
【0032】 本発明の第三の側面は、第一の側面に記載されるようなペプチドの発現をコー
ドする配列を含む、単離され、濃縮されている、細胞不含および/または組換え
核酸を提供する。好ましい核酸は、4,000塩基対未満のDNAを含む。好ま
しい核酸は、所望によりレポーター遺伝子と共に、DNA配列をコードする1つ
のペプチドまたはタンパク質のみを含む。
【0033】 好ましくは、該核酸は、配列番号3を含め、植物E2Fまたはその機能する変
異体をコードし、例えば配列番号1のものである。好ましい核酸は、配列番号5
のDNAまたはRNAを含み、核酸がRNAである場合、塩基TはUに置換され
る。
【0034】 配列番号5の核酸は、1998年5月12日に、1977年4月28日の特許
目的のための国際微生物寄託認定に関するブダペスト条約の条件下に、Cole
ccion Espanola de Cultivos Tipoに、プラス
ミドpCLON35中で、寄託番号CECT5043下に寄託されている。Ba
mHIおよびXhoIを用い、該プラスミドから挿入cDNAを切除することが
可能である。in vitro転写・翻訳のため、これらの酵素を用い、全長T
mE2F cDNAをpBluescriptSK+にクローン化した。
【0035】 本発明の核酸は、cDNAの二本鎖DNAまたは一本鎖DNAあるいは、例え
ばプローブとしての使用を有するであろうものなど、それに相補的な配列であっ
てもよい。
【0036】 好ましい核酸は、植物E2Fまたはその機能する変異体をコードすることで特
徴付けられ、配列番号3またはそれに相補的な配列を含む。さらに好ましい核酸
は、二本鎖または一本鎖、センスまたはそれに相補的な配列、いずれの配列番号
5のDNAまたはRNAも含む。好ましい核酸はcDNAを含み、例えば配列番
号3または5を含む。こうした核酸は、所望によりプロモーター、エンハンサー
または停止配列と共に提供されるが、他の遺伝子コード領域を含まない。
【0037】 本発明のDNAまたはRNAは、本発明のE2Fタンパク質またはペプチドを
コードする配列におけるコドンのヌクレオチドに、縮重置換を含む配列を有して
もよい。RNAではUがDNAのTを置換する。好ましいDNAまたはRNA自
体は、低ストリンジェンシーの条件において、本発明のペプチドまたはタンパク
質をコードするポリヌクレオチドとハイブリダイズすることが可能であり、好ま
しくはまた、高ストリンジェンシーの条件においても、こうしたハイブリダイゼ
ーションが可能である。
【0038】 「低ストリンジェンシーの条件」および「高ストリンジェンシーの条件」とい
う用語は、もちろん、当業者により完全に理解されるが、好適にはUS 520
2257の9および10欄、並びにWO 98/40483の3ページに例証さ
れ;前記特許はどちらも本明細書に援用される。したがって、一般的に、本発明
の最も好ましい核酸は、これらの特許に記載される最もストリンジェントな条件
でハイブリダイズするであろうが、他の態様は、より穏やかなストリンジェンシ
ーまたは低ストリンジェンシー条件でハイブリダイズするであろう。
【0039】 修飾が行われた場合、これらのE2Fペプチドまたはタンパク質配列に対応す
るアミノ酸として同じ種類の異なるアミノ酸を持つタンパク質の発現が導かれな
ければならない;すなわち、これらは保存的置換である。こうした置換は当業者
に知られており、例えば本明細書に援用されるUS 5380712を参照され
たい。そして該タンパク質が上に論じられるようなE2Fペプチドまたはタンパ
ク質として活性がある場合のみ、考慮される。
【0040】 アミノ酸に関して用いられる「保存的置換」という表現は、既定のアミノ酸の
、同じ種類の物理化学的特性を有するアミノ酸による置換に関する。したがって
、アミノ酸が疎水性を特徴とする基を有する場合、保存的置換は、やはり疎水性
を特徴とする基を有する別のアミノ酸により、該アミノ酸を置換する;他のこう
した種類は、性質決定基が親水性、陽イオン性、陰イオン性である、あるいはチ
オールまたはチオエステルを含む場合のものである。こうした置換は、生じたタ
ンパク質が、DNAおよびRb結合に関し、論じられるようなE2Fペプチドま
たはタンパク質としての活性を有する場合のみ考慮される。
【0041】 本発明の核酸は、本明細書において配列表中に例証されるものに関し、縮重置
換されてもよい。「縮重置換」という表現は、同じアミノ酸をコードするコドン
を生じるものによるヌクレオチドの置換を指す;こうした縮重置換は、該タンパ
ク質を発現する細胞またはベクターが、cDNA供給源細胞のものに対し、転写
/翻訳のための異なるコドン優先性を有するような、DNA供給源生物細胞と異
なる種類のものである場合、有益である。こうした縮重置換は、したがって、宿
主特異的であろう。
【0042】 植物または上に引用される寄託物から提供されるDNAまたはRNAは、突然
変異誘発性ポリメラーゼ連鎖反応プライマーの使用など、突然変異誘発手段によ
り、改変してもよい。本発明のDNAまたはRNAを細胞から発現させる使用を
含むことで特徴付けられる、本発明のタンパク質またはペプチドを産生する方法
もまた、本側面に提供される。
【0043】 植物E2Fに対するヒトE2F相違によりこれまで妨げられてきた方法である
、植物E2Fをスクリーニングする目的のため、配列番号5の配列から取られる
10またはそれ以上の隣接するヌクレオチドに対応する配列の二本鎖または一本
鎖DNA、但しヒトE2Fと比較的よく保存されているアミノ酸配列のみ、すな
わち Gln Lys Arg Arg Ile Tyr Asp Ile Thr
Asn Val Leu Glu Gly Ile Xaa Leu Ile
Glu Lys Xaa Xaa Lys Asn Xaa Ile Arg
Trp をコードするものから選択されない、前記DNAを含む、核酸プローブまたはプ
ライマーが提供される。
【0044】 こうしたプローブおよびプライマーはノーザンおよびサザンブロッティングに
おいて、そしてRT−PCR、およびLCRを含むPCRにおいて、用いてもよ
い。
【0045】 プローブとして使用するためのオリゴヌクレオチドは、好適には、本発明の配
列の少なくとも18の隣接する塩基を含み、好ましくは30ないし100塩基長
であるが、全長配列までの、またはさらに長いいかなる長さのものであってもよ
い。PCRまたはLCRプライマーとして使用するには、オリゴヌクレオチドは
、好ましくは、10ないし20塩基長であるが、より長くてもよい。プライマー
は一本鎖でなければならないが、プローブはまた二本鎖であってもよく、すなわ
ち相補的配列を含んでもよい。
【0046】 天然植物E2F発現を下方制御する目的のため、上述の、本発明のいかなる核
酸に対するアンチセンスDNAもまた提供される。本技術は当業に周知であるが
、一般的に例としてUS 5356799およびUS 5107065に例示さ
れ、前記特許の各々は本明細書に援用される。
【0047】 本発明の第四の側面は、本発明の核酸を含むまたはそのアンチセンス核酸を含
む、核酸ベクターまたは構築物を提供する。本発明のペプチドまたはタンパク質
を植物に導入するのに適したベクターまたは構築物は、植物分子生物学の当業者
に思い浮かぶであろうが、好適にはトランスジェニック植物を産生するための方
法に関し、以下に論じられるものである。
【0048】 本発明の第五の側面は、本発明の第三の側面の組換え核酸、好ましくは組換え
DNAを含む、植物細胞を提供する。本発明の核酸は、特に、核酸またはそのア
ンチセンス核酸配列を含む核酸ベクターまたはDNA構築物の形で提供される。
【0049】 本発明の第六の側面は、天然植物E2Fの発現を下方制御することが可能なそ
のアンチセンス核酸を含む、植物細胞を提供する。 本発明の第七の側面は、上述のような組換え核酸、ベクターまたは構築物を含
む、トランスジェニック植物またはその一部を含む。
【0050】 本発明のタンパク質およびペプチドを植物細胞に搬送する、最も効果的な方法
は、該ペプチドまたはタンパク質をコードする核酸を、in situで発現す
ることによることが理解されるであろう。こうした方法は、好適には、該ペプチ
ドまたはタンパク質をコードする配列を有するオリゴヌクレオチドまたはポリヌ
クレオチドを、植物細胞DNAに取り込ませることにより実行される。こうした
ヌクレオチドはまた、遺伝子沈黙化共発現(gene silencing c
oexprssion)により、またはアンチセンス戦略を通じ、天然E2F発
現を下方制御するのに用いてもよい。突然変異誘発技術、例えばSDMを用いる
ことにより、本発明のヌクレオチドは、例えば結合に関し、本発明の機能する変
異体であるタンパク質およびペプチド、あるいはそうでなければ過剰活性化され
たまたは不活性化されたタンパク質およびペプチドをコードするよう設計し、そ
して産生してもよい。
【0051】 第七の側面の好ましい植物は、プロモーター、活性化配列またはそうでなけれ
ば制御配列と機能するように関連する構築物中の、本発明の核酸を含んでもよい
。好ましいプロモーターは組織特異的であり、したがって、生じたペプチドの発
現、およびしたがってその効果は、望ましい組織に局在する。ある程度の組織特
異性を持つプロモーターは、植物分子生物学の当業者に知られるであろう。これ
らのいくつかは以下に論じられる。
【0052】 本発明に用いることが可能なベクターおよび構築物を産生する方法は、慣用的
な分子生物学的技術を考慮し、当業者に思い浮かぶであろう。DNA、RNAお
よびこれらを含むまたはコードするベクターを、植物細胞形質転換の分野におけ
る既知の方式で、標的細胞に導入してもよい。特に好ましいのは、エレクトロポ
レーションまたは遺伝子銃技術などの技術を用い、花粉細胞にDNAまたはRN
Aを導入する方法である。
【0053】 本発明のDNAまたはRNAを植物全体で発現させるのが好ましい可能性があ
るが、組織特異的効果を利用しようとする場合、当業者には、組織特異的プロモ
ーター、エンハンサーまたは他の活性化因子を、DNAと機能する関連で、使用
するトランスジェニック細胞に取り込まなければならないことが理解されるであ
ろう。
【0054】 当業者には、適切なプロモーターは、異所性、連続性に活性があっても、また
は誘導性であってもよいことが理解されるであろう。当業者には、必要なときま
たは必要な場所でのみ、例えば特定の細胞発生段階で、あるいは、大きさの望ま
しい増加または減少あるいは欠失の対象にさえなるであろう、組織、例えば葉、
根、果実または種子あるいはその下位部分、例えば内胚乳において、前述のE2
Fペプチドまたはタンパク質活性の改変を提供することが可能である限り、誘導
性または組織特異的プロモーターは、利点を有するであろうことが認識されるで
あろう。
【0055】 使用されるべきプロモーターの種類に対し、いかなる特別の限定も想像されな
いが、よい結果を生じるのに、相応な量の実験的試験を行うことが期待される可
能性がある。組織特異的および誘導性プロモーターの例は、以下の特許文献に見
出だすことが可能である:US 5086169(花粉特異的)、US 545
9252およびUS 5633363(根特異的)、US 5097025((
i)種子、(ii)成熟植物)、US 5589610(雄蕊)、US 542
8146(傷)、US 5391725((i)葉緑体、(ii)細胞質ゾル)
、US 4886753(根粒)、US 4710461(花粉)、US 56
70349(病原体)、US 5646333(表皮)、US 5110732
((i)根、(ii)貯蔵根)、US 5859328(雌蕊)、US 518
7267(熱ショック)、US 5618988(貯蔵器官)、US 5401
836およびUS 5792925(根)、US 4943674(果実)、U
S 5689044およびUS 5654414(化学薬品)、US 5495
007(師部)、US 5589583(分裂組織)、US 5824857(
脈管構造)、前記特許は各々、本明細書に援用される。恒常的プロモータは、当
業者に周知であろうし、そして上述の文書に論じられ、そして以下に言及される
が、例えばCaMv35Sおよびムラサキウマゴヤシ(alfalfa)(Ms
H3g1)を含む(本明細書に援用されるWO 97/20058を参照された
い)。
【0056】 適切な制御配列と関連するcDNAの挿入により、トランスジェニック植物を
産生するのに用いられる方法の多くの特異的な例は、当業者に周知であろう。植
物形質転換ベクターは、Deneckeら(1992) EMBO J. 11
, 2345−2355に記載されてきており、そしてトレハロースを産生する
トランスジェニック植物を産生する、さらなる使用が米国特許出願第08/29
0,301号に記載された。EP 0339009 B1およびUS 5250
515は、異種遺伝子を植物に挿入するための戦略を記載する(US 5250
515の8ないし26欄を参照されたい)。トランスジェニック単子葉および双
子葉植物両方を産生するための花粉のエレクトロポレーションが、US 562
9183、US 7530485およびUS 7350356に記載されている
。さらなる詳細は、Recombinant Gene Expression
Protocols.(1997)Rocky S. Tuan監修, Hu
mana Press. ISBN 0−89603−333−3; 0−89
603−480−1などの参考書に見出すことが可能である。これらの文書はす
べて、本明細書に援用される。トランスジェニック植物の種類に対し、いかなる
特別の限定も想像されない;すべての種類の植物、単子葉または双子葉植物も、
該植物におけるE2F活性が恒常的にまたは異所性に改変されるように、本発明
の核酸を取り込んだトランスジェニック型で産生することが可能である。
【0057】 本発明の第八の側面において、本発明者は、本発明の第一の側面の植物E2F
因子ペプチドまたはタンパク質と特異的に結合することが可能であり、したがっ
て例えばウェスタンブロッティングなどの技術を用い、本発明のさらなるペプチ
ドおよびタンパク質並びにそれをコードする核酸配列を同定しそして単離するこ
とを可能にする、抗体を提供してきている。
【0058】 本発明は、ここで、以下の限定されない実施例に対する言及により、さらに例
示されるであう。付随する請求項の範囲内に属するさらなる態様が、これらを考
慮し、当業者に思い浮かぶであろう。
【0059】
【実施例】実施例1:植物E2F cDNAクローンの単離 植物Rbと相互作用するタンパク質を同定するため、我々は、懸濁培養中で増
殖する、増殖コムギ(wheat)細胞から作成したコムギcDNAライブラリ
ーの酵母ツーハイブリッドスクリーニングを行った。多数の陽性相互作用因子が
回収され、これらは非常にストリンジェントな条件下(20−30 mM 3A
T)で酵母共形質転換体を増殖させ、そして陽性β−galシグナルを生じた。
DNA配列決定解析により、強い相互作用因子の2つが、およそ1.1 kbの
cDNA挿入物を含み、そして同一のDNA配列を有することが明らかになった
。このDNA配列をBLAST検索のクエリー(query)として用いると、
E2Fファミリーのいくつかのメンバーが回収された。特に、単離cDNAクロ
ーンの推定アミノ酸配列は、ヒトE2F−5のヘテロ二量体化ドメインと有意な
相同性を示した。cDNAと共にその5’由来のオリゴヌクレオチドを用い、コ
ロニーハイブリダイゼーションにより、コムギcDNAライブラリーをスクリー
ニングした。およそ2.0 kbの挿入物を含む、4つの陽性クローンを回収し
た。図1に示される最長のcDNA挿入物の配列は、1371 bpの単一のO
RFを含み、458アミノ酸のタンパク質をコードする可能性がある。本ORF
には、5’および3’非翻訳領域の、それぞれ170 bpおよび439 bp
が隣接する。
【0060】 植物Rb相互作用cDNAクローンは、動物E2Fの植物相同体をコードする
。ノーザン解析により、全長TmE2F ORFをコードする能力を持つ、長さ
およそ2.0 kbのメッセージは、大部分の細胞が増殖しない苗条(shoo
t)および葉から調製したRNAと共に、根分裂組織および増殖している懸濁培
養細胞から調製したRNAに存在することが示された(図2)。本明細書に提示
される研究では、我々は、他のより遠くE2Fに関連している遺伝子が存在する
可能性を、完全には除外しきれない。これまでに、サザン解析により、コムギE
2Fが単一コピー遺伝子であることが、強く示唆されている。全長TmE2F
cDNA挿入物を含むプラスミドで計画されたin vitro転写・翻訳反応
は、およそ58−60 kDaの見かけの分子量に対応する移動度の主要な産物
を生じ(図2)、推定されるアミノ酸配列から予測されるよりわずかに大きい。
【0061】 TmE2F cDNAクローンが動物相対物に相同な植物E2Fタンパク質を
コードするという見解は、植物E2Fのアミノ酸相同性およびドメイン構成の解
析により、補強される。CLUSTALアルゴリズムで得られる対状の距離解析
に基づき、植物E2Fは、ヒトE2F−1(Helinら、1992;Kael
inら、1992;Shanら、1992)、E2F−2(Ivey−Hoyl
eら、1993;Leesら、1993)およびE2F−3(Leesら、19
93)により形成されるサブセットと全体でおよそ24.0−27.5%アミノ
酸類似性を示し、E2F−4(Beijersbergenら、1994;Gi
nsbergら、1994;Sardetら、1995)およびE2F−5(S
ardetら、1995)とわずかに高い類似性(およそ25.0−29.8%
)を示し、そしてショウジョウバエE2F(Dynlachtら、1994;O
htaniら、1994)とはるかに低い類似性(18.8%)を示す。
【0062】 植物および動物E2Fタンパク質のアミノ酸並列により、植物E2Fの類似の
ドメイン構成およびいくつかの特異的な特徴が明らかになった。最も保存される
ドメインは、DNA結合ドメインであるようであり、該ドメインは、すべてのメ
ンバーの間で非常に相同である(図3)。本ドメインは、完全に保存される15
アミノ酸の伸長(残基182−196)を含み、該伸長は、保存されるbHLH
ドメインの推定上のαへリックスの1つに対応する(Cressら、1993)
。植物および動物E2Fタンパク質の間のかなりの度合いの保存はまた、特徴的
なロイシンジッパーモチーフ(残基219−240)を含む、ホモおよびヘテロ
二量体化ドメイン内にも見られた。しかし、本相同性解析に基づき、いくつかの
ヒトメンバーに特徴的である典型的なサイクリンAボックスは、植物E2Fでは
明らかでなかった。同様に、ヒトE2F−1、E2F−2およびE2F−3に典
型的な核局在化シグナル(NLS)は、植物E2Fの同じ位置に見られない。し
かし、ヒトE2FよりN末端の位に位置する、NLSとして作用する可能性があ
る短いアミノ酸伸長(残基74−76)が、植物E2Fに存在する(図3)。
【0063】 植物E2Fの興味深い特徴は、ヒトE2Fメンバーにおいてトランス活性化お
よびRb結合ドメインを含む、該タンパク質のC末端の三分の一内の相同性が、
一次配列のレベルで非常に減少していることである。特に、ヒトE2FにRb結
合能を与えるC末端18アミノ酸の配列は、植物E2Fに存在しないが、植物E
2FのC末端残基は、Rb結合に必要とされる(以下を参照されたい)。しかし
、並列出力の手動調整により、すべての動物種のメンバーで完全に保存される動
物E2FのRb結合モチーフに相同である可能性がある、植物E2Fにおける1
6アミノ酸モチーフ(YX6DX4DMWE;位407−422)の同定が可能に
なる。興味深いことに、必須のアミノ酸の間の同様の間隔の取り方と共にいくつ
かの必須の残基の酸性および疎水性性質の保存は、該配列が植物E2Fの最小R
b結合モチーフに相当する可能性があるという我々の提案を強く支持する。実施例2:E2F/ZmRb1相互作用に必要とされるタンパク質ドメイン 植物E2FおよびRbの間の相互作用に関するアミノ酸必要条件を調べるため
、我々は、いくつかの一部切除したタンパク質を用い、酵母ツーハイブリッド解
析を行った。ヒトRbおよび関連タンパク質は、そのA7Bポケットドメインを
用い、E2Fファミリーメンバーに結合する(Leesら、1993)。植物R
bにおいて植物E2Fと相互作用するのに必要なタンパク質ドメインを確かめる
ため、酵母細胞を、Gal4AD−E2F融合タンパク質を発現するプラスミド
およびGal4BDのみまたは植物Rbのいくつかの一部切除型に融合している
Gal4BDを発現するプラスミドで、共形質転換した。細胞を、3−ATを補
ったヒスチジンを含むまたは含まないプレート上で、図4に示されるように増殖
させた。ヒスチジンを欠くプレート上の増殖は、植物RbおよびE2Fタンパク
質両方の存在および相互作用に完全に依存した。植物Rbの125のC末端残基
の欠失(ZmRb−ΔC2)は、タンパク質相互作用を顕著に減少させず、また
、A/BポケットおよびC末端ドメインを含む一部切除Rbタンパク質(ZmR
b−ΔN)でも同様であった。A/Bポケットのみ(ZmRb1−ΔNΔC2)
は相互作用を支持することが可能であったが、効率はわずかに減少した(図4)
。酵母共形質転換体のこれらの増殖特性は、β−ガラクトシダーゼ活性の発現と
よく相関した。
【0064】 Rb結合に関与する植物E2Fの領域を決定するため、同様の実験を行った。
ヒトE2Fにおいて、ポケットドメインはC末端残基に結合する(Slansk
yおよびFarnham、1996に概説される)。一部切除植物E2F(23
6−458)を発現する酵母共形質転換体は、ヒスチジンの非存在下で増殖する
ことが可能であった(図4)。しかし、C末端残基の除去(TmE2F 236
−373)は、ヒスチジンの非存在下での増殖を可能にしなかった(図4)。こ
れは、植物E2FのC末端ドメインがRb結合モチーフを含むことを示す。さら
に、植物E2F−Rb相互作用に関与するこれらのC末端残基は、本研究で同定
された16アミノ酸モチーフを含む(図3の並列を参照されたい)。要するに、
これらの研究により、植物E2Fは転写因子のE2Fファミリーの新規メンバー
に相当し、異なるタンパク質ドメインで、いくつかの度合いのアミノ酸保存を認
めることが可能であることが結論付けられる。実施例3:植物E2F:ドメイン構成および特性 植物およびヒトE2Fタンパク質のドメイン構成の比較を図5に示す。
【0065】 DNA結合ドメイン 突然変異解析に基づき、ヒトE2F−1は、元来、塩基性へリックス・ループ
・へリックス(bHLH)タンパク質として記載された(Cressら、199
3)。植物E2FのDNA結合ドメイン(残基146−209)は、哺乳動物E
2Fメンバーだけでなく、ショウジョウバエE2Fでも、該タンパク質の最も保
存された領域である。この高い度合いの保存に基づいた1つの予測は、植物E2
Fがコンセンサス・ヒトE2F結合部位(TTT(C/G)(C/G)CG(C
/G);Cobrinik、1996に概説される)と非常によく似たDNA配
列に結合するはずであるというものである。クローン化され、そして配列決定さ
れている植物プロモーターの中で、E2Fコンセンサス結合配列は、ニコティア
ナ・タバクム(Nicotiana tabacum)のリボヌクレオチドレダ
クターゼ遺伝子に見出されてた(C. Gigot、私信)。
【0066】 Rb結合モチーフ 植物E2Fの1つの際立った特徴は、すべての動物E2Fにおける、他のドメ
イン、例えばDNA結合ドメインの高い相同性と比較して、Rb結合モチーフを
含む、C末端領域のアミノ酸類似性が低いことである。比較的高い比率の酸性残
基を含む、ヒトE2F−1のC末端ドメインにおけるアミノ酸409−426は
、Rbに結合するのに十分であり、そしてこの短い領域内の点突然変異は、ヒト
E2F−1がRbと関連する能力を劇的に修飾することが見出されてきている(
Cressら、1993;Helinら、1993)。これらの中で、すべての
動物E2Fで完全に保存され(図3も参照されたい)、ヒト細胞におけるRbに
対するE2F−1結合に必須であることが示されてきている(Shanら、19
96)、16アミノ酸モチーフ(YX7EX3DLFD)(ヒトE2F−1におけ
る位411ないし426)を見出すことが可能である。植物E2Fは16アミノ
酸モチーフ(YX6DX4DMWE;位407−422)を含む。興味深いことに
、必須のアミノ酸の間の同様の間隔の取り方と共に酸性および疎水性残基の保存
は、該配列が植物Rbに対する結合を指示するという我々の提案を強く支持する
【0067】 植物E2Fの推定上のNLS ヒトE2Fの転写活性は、細胞レベル以下の局在における変化により、精巧に
制御されているようであることが最近示されてきている(Veronaら、19
97)。実際、E2F−1、2および3は、E2F−4にはない、短いアミノ酸
伸長を含み、該伸長は局在化シグナル(NLS)として作用し、そしてc−my
cのものと関連する(DangおよびLee、1988)。植物E2Fはこうし
たコンセンサス配列を含まない。したがって、植物E2Fは他のパートナータン
パク質により、核に移動されると推測することが可能である。あるいは、異なる
NLSが植物E2Fに存在している可能性がある。実際、残基69ないし81(
RTRQLKRKATREE)を含む植物E2Fの領域は、NLSとして作用す
る可能性がある。トウモロコシ(maize)Rbが大部分核に局在することが
示されてきていることを言及するのは重要である(Achら、1997)。トウ
モロコシRbには明確なNLSが明らかでないため、E2F NLSがRb/E
2F複合体において、植物細胞の核へ、Rbを標的化すると考えられる可能性が
ある。本複合体からE2Fを除くことは、核からRbを除く、制御法である可能
性がある。ここで、これが遺伝子のRb抑制を避ける方法であることが提案され
る。
【0068】 材料および方法 DNA操作およびプラスミド構築 標準的なDNA操作技術は、Sambrook, J., Fritsch,
E.F. & Maniatis, T.(1989) Molecular
cloning: A laboratory manual. Cold
Spring Harbor Laboratory Press,ニューヨー
ク州コールドスプリングハーバーに記載されるように適用した。
【0069】 DNA配列決定は、Applied Biosystem 373A装置を用
い、行った。オリゴヌクレオチドは、Isogen Bioscience B
V(オランダ・マーセン)から得た。プラスミドpGBT−ZmRb1は、Zm
Rb1 cDNA(15)をpGBT8のGal4BDに同一読み枠でクローン化
することにより、pGBT−ZmRb1ΔC2(1−558)はpGBT−Zm
Rb1のMscI−XhoI断片を欠失させることにより、そしてpGBT−Z
mRb1ΔNΔC2(69−558)はpGBT−ZmRb1ΔNのMscI−
XhoI断片を欠失させることにより、構築した。プラスミドpGBT−ZmR
b1ΔN(69−683)は、ZmRb1のN末端欠失を含む。プラスミドpG
ADTmE2F(236−458)は、スクリーニングにおいて単離された部分
的クローンであり、そしてpGADTmE2F(236−373)は、SspI
−XhoI断片を欠失させることにより、作成した。in vitro転写・翻
訳には、全長TmE2F cDNAをpBluescriptSK+にクローン
化した。それぞれヒトE2F−1およびE2F−5を含む、プラスミドpGAD
E2F−1およびpGADE2F−5は、N. LaThangueおよびS.
de la Lunaにより提供され、そしてプラスミドp130Rbr2(
20)およびpGT−RB(21)はM. Serranoにより提供された。
【0070】 コムギ培養細胞由来の酵母ツーハイブリッドcDNAライブラリーの構築 コムギ懸濁培養細胞から単離された5マイクログラムのポリ(A)+ mRN
Aを、製造者の指示にしたがい、cDNA合成キット(Stratagene)
を用い、cDNA合成のための基質として使用した。EcoRIおよびXhoI
末端を含む、生じた二本鎖DNAは、1.3 kbの平均の大きさを有した。本
cDNAの試料(500 ng)を750 ngのEcoRI/XhoI消化p
GAD−GHベクター(Clontech)に、8℃で48時間、連結した。連
結後、ライブラリーを再蒸留水に対して透析し、そして大腸菌DH10B(Gi
bco)にエレクトロポレーションした。初代の形質転換体を、アンピシリンを
加えた50枚の150 mm LBプレートに蒔くことにより、トータルライブ
ラリーDNAを得た。コロニーをLB(+Amp)培地に掻き取り、そしてプラ
スミドDNAをSambrookに記載されるように調製した。
【0071】 酵母ツーハイブリッドスクリーニング 酵母株HF7c(MATa ura3−52 his3−200 ade2−
101 lys2−801 trp1−901 leu2−3,112 gal
4−542 gal80−538 LYS2::GAL1UAS−GAL1TATA
HIS3 URA3::GAL417マー(x3)−CyC1TATA−LacZ;Feil otterら 1994、2つのレポーター遺伝子LacZおよびHIS3を含
む)をツーハイブリッドスクリーニングに用いた。酵母をまず、pGBT8ベク
ターにおいて、Gal4 DNA結合ドメイン(BD;TRP1マーカー)に融
合しているトウモロコシRbタンパク質(Xieら、1996)を含むプラスミ
ド、pGBTZmRb1で形質転換した。その後、酵母をpGAD−GH(AD
;LEU2マーカー)コムギcDNAライブラリーで形質転換した。形質転換混
合物を、偽陽性増殖コロニーの出現を減少させるため、トリプトファン、ロイシ
ンおよびヒスチジンを欠き、そして5 mMおよび10 mM 3−アミノ−1
,2,4,トリアゾール(3−AT)を補った酵母脱落選択培地上に蒔いた。形
質転換体を3ないし8日の期間、日常的に回収し、そして20 mMまでの3−
ATの存在下で増殖に関し調べた。2つの融合タンパク質の間の相互作用を確認
するため、記載されるようなレプリカフィルターアッセイにより、β−ガラクト
シダーゼ活性をアッセイした。大腸菌MH4はleuB-であり、そしてその欠
損を、pGAD−GHプラスミドに存在するLEU2遺伝子により補うことが可
能であるため、該株を形質転換することにより、陽性コロニーからプラスミドD
NAを回収した。
【0072】 GST融合タンパク質の精製並びにin vitro転写および翻訳 大腸菌BL21(DE3)形質転換体を0.6−0.9のOD600まで増殖さ
せ、そして1 mM IPTGで誘導した。グルタチオン−Sepharose
ビーズ(Pharmacia)を用い、GST融合タンパク質を精製した。TN
Tキット(Promega)を用いることにより、35S−メチオニン標識TmE
2Fタンパク質を得た。
【0073】 コムギ細胞培養 トリティクム・モノコックム(Triticum monococcum)懸
濁培養(P.M. Mullineaux;John Innes Centr
e、英国)は記載されるように維持した(13)。細胞は、10 mMのヒドロ
キシ尿素(HU)で48時間同調させた。
【0074】 ノーザンおよびサザン解析 10マイクログラムの総コムギ細胞RNAを変性させ、2.2 M ホルムア
ルデヒドを加えた1.2%アガロースゲル中で分画化し、そしてZeta−Pr
obe膜(Bio−Rad)に移した。TmE2F(nt 935−1635)
およびコムギヒストンH4(XieおよびGutierrez、未公表)プロー
ブを、ランダムプライミングにより、α−32P−dCTPで標識し、そしてハイ
ブリダイゼーションのため混合した。10μgのゲノムコムギDNAを示される
酵素で消化し、0.8%アガロースゲル中で分画化し、BioDyne(Ame
rsham)膜に移し、そしてSambrookらに記載されるように探査した
(probed)。実施例4:植物E2Fタンパク質に特異的に結合する抗体の産生 植物E2Fタンパク質に特異的に結合することが可能なポリクローナル抗体は
、Bluescript中で236−458 C末端断片を用いGST融合物を
産生することにより、提供された。該融合物を大腸菌で過剰発現させ、そしてグ
ルタチオンビーズカラム上で精製した。標準的な免疫化プロトコルを用い、ラッ
トに1日目および14日目に注射し、そしてこれらから得られた血清をポリクロ
ーナル試薬として用いた。本血清は、ウェスタンブロット目的に1/1000希
釈で使用することが可能であった(Manual of Antibody P
reparation. Cold Spring Harbor Press
の標準法を参照されたい)。参考文献−本明細書に援用される
【0075】
【表1】
【0076】
【0077】
【0078】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 E2Fタンパク質をコードするコムギcDNAのDNA配列およ
び推定されるアミノ酸配列。
【図2】 コムギE2FをコードするmRNAを同定するためのノーザン解
析。
【図3】 ヒトおよびショウジョウバエE2Fタンパク質とコムギE2Fの
アミノ酸並列。
【図4】 酵母ツーハイブリッド解析による植物網膜芽腫タンパク質(Zm
Rb1)および植物E2Fタンパク質の間の相互作用。
【図5】 ヒトE2F−1およびコムギE2Fタンパク質のドメイン構成。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ラミレスパルラ,エレーナ スペイン国エ−28049 マドリード,セエ セイセ−ウアエメ,セントゥロ・デ・ビオ ロヒア・モレクラル

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物成長および/または細胞DNA複製および/または細
    胞周期進行、分化および発生を調節する方法であって、植物細胞における組換え
    植物E2Fペプチドまたはタンパク質の発現を通じ、その細胞におけるE2F活
    性を増加させるまたは減少させることを含む、前記方法。
  2. 【請求項2】 E2F活性が、(i)植物網膜芽腫タンパク質に結合する
    能力および(ii)植物DNAにおけるE2F転写因子結合部位に結合する能力
    の1つまたは両方を含むことで特徴付けられる、請求項1に請求されるような方
    法。
  3. 【請求項3】 植物E2Fタンパク質レベル、細胞レベル以下の局在、E
    2F DNA結合活性、E2Fタンパク質−タンパク質結合活性、E2Fトラン
    ス活性化特性、および/またはE2F−Rb結合活性を改変することを含むこと
    で特徴付けられる、請求項1に請求されるような方法。
  4. 【請求項4】 植物E2Fが単独でおよび/または植物Rbのレベルまた
    は活性の修飾と組み合わせて修飾されることで特徴付けられる、請求項1ないし
    3のいかなる1つでもよい請求項に請求されるような方法。
  5. 【請求項5】 細胞の形状を改変することで特徴付けられる、先行する請
    求項のいかなる1つでもよい請求項に請求されるような方法。
  6. 【請求項6】 植物細胞または植物器官の大きさを増加させるように、細
    胞増殖特性を改変することで特徴付けられる、先行する請求項のいかなる1つで
    もよい請求項に請求されるような方法。
  7. 【請求項7】 他のタンパク質の発現を増加させるまたは減少させること
    で特徴付けられる、先行する請求項のいかなる1つでもよい請求項に請求される
    ような方法。
  8. 【請求項8】 単離され、濃縮されている、細胞不含および/または組換
    え的に産生されたタンパク質またはペプチドであって、(i)植物網膜芽腫タン
    パク質に結合する能力および(ii)植物DNAにおけるE2F転写因子結合部
    位に結合する能力から選択される、1つまたは両方の植物E2F活性を有するこ
    とで特徴付けられる、 ここで該タンパク質またはペプチドは、配列番号6の以下のドメイン: (a)Tyr Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Asp X
    aa Xaa Xaa Xaa Asp Met Trp Glu (b)Gln Lys Arg Arg Ile Tyr Asp Ile T
    hr Asn Val Leu Glu Gly Ile Xaa Leu I
    le Glu Lys Xaa Xaa Lys Asn Xaa Ile A
    rg Trp から選択される1つまたは両方のアミノ酸配列を含む、 但し該ペプチドまたはタンパク質がドメイン(b)のみを含む場合、該ペプチド
    またはタンパク質は、配列番号6のアミノ酸1−406の隣接する配列の少なく
    とも50%を含む、 前記タンパク質またはペプチド。
  9. 【請求項9】 配列 (c)Leu Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Xaa Leu X
    aa Xaa Glu Xaa Xaa Xaa Leu Xaa Xaa X
    aa Glu Xaa Xaa Leu Asp を含むことでさらに特徴付けられる、請求項8に請求されるようなペプチドまた
    はタンパク質。
  10. 【請求項10】 16ないし100アミノ酸であることで特徴付けられる
    、請求項8または請求項9に請求されるようなペプチドまたはタンパク質。
  11. 【請求項11】 配列番号2またはその機能する変異体のアミノ酸配列を
    含むことで特徴付けられる、請求項8ないし10のいかなる1つでもよい請求項
    に請求されるようなペプチドまたはタンパク質。
  12. 【請求項12】 配列番号6のものであるが、アミノ酸配列配列番号2が
    、Rbタンパク質に結合する能力が配列番号2の天然配列のものより減少し、ま
    たは完全に失われ、それにより該ペプチドがRb結合に制限されることなく、E
    2Fタンパク質として作用することが可能であるように、突然変異するように、
    修飾されていることで特徴付けられる、請求項8ないし11のいかなる1つでも
    よい請求項に請求されるようなペプチドまたはタンパク質。
  13. 【請求項13】 さらに、配列 Arg Thr Gln Leu Lys Arg Lys Ala Thr
    Arg Glu Glu である配列番号7、または核局在化シグナル(NLS)として機能する活性を有
    する、その機能する変異体の配列を含むことで特徴付けられる、先行するいかな
    る請求項でもよい請求項に請求されるようなペプチドまたはタンパク質。
  14. 【請求項14】 配列番号7のNLSが、該ペプチドが核に局在しないよ
    うに修飾されている、先行する請求項のいかなる1つでもよい請求項に請求され
    るようなペプチド。
  15. 【請求項15】 配列番号6の植物E2Fのアミノ酸残基146−206
    またはその機能する同等物の配列である、DNA結合ドメインを含むことで特徴
    付けられる、先行する請求項8ないし14のいかなる1つでもよい請求項に請求
    されるようなペプチド。
  16. 【請求項16】 配列TTT(C/G)(C/G)(C/G)(C/G)
    (C/G)のE2F DNA結合部位に結合することで特徴付けられる、請求項
    8ないし15のいかなる1つでもよい請求項に請求されるようなペプチド。
  17. 【請求項17】 配列番号8ないし16のいかなる1つでもよい請求項に
    記載されるようなペプチドまたはタンパク質の発現をコードする配列またはそれ
    に相補的な配列を含む、単離され、濃縮されている、細胞不含および/または組
    換え核酸。
  18. 【請求項18】 配列番号3またはそれに相補的な配列を含む、植物E2
    Fペプチドまたはタンパク質あるいはその機能する変異体をコードすることで特
    徴付けられる、請求項16に請求されるような核酸。
  19. 【請求項19】 配列番号5のDNAまたはRNAあるいはそれに相補的
    な配列を含む、請求項17または18に請求されるような核酸。
  20. 【請求項20】 cDNAを含むことで特徴付けられる、請求項17ない
    し19のいかなる1つでもよい請求項に請求されるような核酸。
  21. 【請求項21】 所望によりプロモーター、エンハンサーまたは停止配列
    を共に含むが、他の遺伝子コード領域を含まない、配列番号3または5を含むこ
    とで特徴付けられる、請求項19に請求されるような核酸。
  22. 【請求項22】 配列番号5の配列から取られる10またはそれ以上の隣
    接するヌクレオチドに対応する配列の二本鎖または一本鎖DNA、但しアミノ酸
    配列 Gln Lys Arg Arg Ile Tyr Asp Ile Thr
    Asn Val Leu Glu Gly Ile Xaa Leu Ile
    Glu Lys Xaa Xaa Lys Asn Xaa Ile Arg
    Trp をコードするものから選択されない、前記DNAを含む、核酸プローブまたはプ
    ライマー。
  23. 【請求項23】 請求項16ないし20のいかなる1つでもよい請求項に
    請求されるような核酸を含む、またはそのアンチセンス核酸配列を含む、核酸ベ
    クターまたは構築物。
  24. 【請求項24】 請求項16ないし20のいかなる1つでもよい請求項に
    請求されるような組換え核酸を含む、植物細胞。
  25. 【請求項25】 請求項16ないし20のいかなる1つでもよい請求項に
    請求されるような、天然植物E2Fの発現を下方制御することが可能な、植物E
    2F発現核酸に対するアンチセンス核酸を含む、植物細胞。
  26. 【請求項26】 先行する請求項のいかなる1つでもよい請求項に請求さ
    れるような、ペプチド、タンパク質、組換え核酸、ベクターまたは構築物を含む
    、トランスジェニック植物またはその一部。
  27. 【請求項27】 E2Fタンパク質を異所性に発現する、天然E2Fタン
    パク質に対する植物Rbタンパク質の結合を阻害するE2Fタンパク質またはペ
    プチド、あるいは植物Rbタンパク質の影響に耐性であるE2Fタンパク質を発
    現することで特徴付けられる、トランスジェニック植物。
  28. 【請求項28】 E2Fが配列番号6のものまたはその機能する変異体で
    あることで特徴付けられる、請求項25に請求されるような植物。
  29. 【請求項29】 請求項17ないし23のいかなる1つでもよい請求項に
    請求されるような核酸を、植物細胞に導入することを含むことで特徴付けられる
    、植物または植物細胞または植物の一部を産生する方法。
  30. 【請求項30】 請求項8ないし16のいかなる1つでもよい請求項に請
    求されるようなペプチドまたはタンパク質に結合することで特徴付けられる抗体
JP2000548472A 1998-05-08 1999-05-07 組換え植物e2fペプチドを発現するトランスジェニック植物細胞 Pending JP2002514423A (ja)

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