JP2000059907A - 電気自動車の制動装置 - Google Patents

電気自動車の制動装置

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JP2000059907A
JP2000059907A JP11014374A JP1437499A JP2000059907A JP 2000059907 A JP2000059907 A JP 2000059907A JP 11014374 A JP11014374 A JP 11014374A JP 1437499 A JP1437499 A JP 1437499A JP 2000059907 A JP2000059907 A JP 2000059907A
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hydraulic pressure
control
hydraulic
valve
electric vehicle
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Toshio Taichi
利夫 太地
Tomoyuki Yoshikawa
智之 吉川
Motomu Hake
求 吐合
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Nabco Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気自動車の制動装置において、配管系統を
複雑にすることなく、液圧制御のためのアクチュエータ
の個数を削減する。 【解決手段】 コントロール液圧発生部CVにて、回生
制動力に応じた所定値ΔPをマスタシリンダ液圧Pmに
付加したコントロール液圧Pcを発生させ、このコント
ロール液圧Pcを制御圧として複数の液圧制御弁FCV
及びRCVに供給する。液圧制御弁FCV及びRCV
は、内部に弁(弁体334及び弁座335)を備え、閉
弁時には液圧制御を行い、開弁により入力側と出力側と
を連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車の制動
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハイブリッド車両を含む電気自動
車用の制動装置としては、例えば特開平5−16121
1号公報(以下、公報1という。)又は特開平7−26
4710号公報(以下、公報2という。)に示されるよ
うに、マスタシリンダからホイールシリンダに至る配管
系統に液圧の伝達を制限する液圧制御弁(差圧弁)を設
けるとともに、この液圧制御弁と一体に、回生制動力に
対応して弁付勢力を付与するアクチュエータ(リニアソ
レノイド)が設けられている。このような構成により、
回生制動力の分だけ液圧制動力を制限して、回生制動力
を有効に利用することができる。
【0003】また、特開平8−080838号公報(以
下、公報3という。)、特開平9−303433号公報
(以下、公報4という。)、又は特開平9−30343
4号公報(以下、公報5という。)には、液圧制御弁と
アクチュエータとを互いに別体とし、アクチュエータに
よって発生させたコントロール圧に基づいて液圧制御弁
の閉弁付勢力を制御する電気自動車の制動装置が示され
ている。このような制動装置においては、1つのアクチ
ュエータによって発生させたコントロール圧を用いて、
複数の液圧制御弁を制御することが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記公報1及び2の制
動装置は、アクチュエータの付勢力によって直接に液圧
制御弁の閉弁付勢力を変化させるものであるため、配管
系統は比較的簡素である。しかし、例えばX配管車両に
おいて、前後輪それぞれに液圧制御弁が配設されている
場合には、その数に対応してアクチュエータを設ける必
要があり、アクチュエータの数を削減することができな
い。これに対して、上記公報3〜5の制動装置は、全体
としてアクチュエータの数を低減させることが可能であ
る。しかしながら、公報3の制動装置は、マスタシリン
ダからホイールシリンダに至る配管系統とは別に、液圧
制御弁の圧力室にパイロット圧としてのマスタシリンダ
液圧を導入する配管が必要になるとともに、通常時にマ
スタシリンダとホイールシリンダとの間を遮断するた
め、別途リザーバに接続する配管が必要になる等の理由
により、配管系統が複雑になる。また、公報4及び5の
制動装置は、液圧制御弁として、常閉型の減圧弁を用い
るために、マスタシリンダとホイールシリンダとを連通
させるバイパス通路が別途必要となる。従って、公報3
〜5の制動装置においては、アクチュエータの数は削減
できるが、その代わりに、配管系統が複雑になる。
【0005】このように、従来の電気自動車の制動装置
では、アクチュエータの数の削減と、配管系統の複雑化
防止とを両立させることができない。上記のような従来
の問題点に鑑み、本発明は、配管系統を複雑にすること
なく、液圧制御のためのアクチュエータの個数を削減す
ることのできる電気自動車の制動装置を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブレーキ操作
により、駆動輪に設けられた駆動モータの回生制動力を
発生させるとともに、必要な制動力に対する不足分を、
駆動輪又は従動輪に設けられた液圧制動装置により液圧
制動力として発生させる電気自動車の制動装置におい
て、前記回生制動力に対応した所定値△Pを増減される
コントロール液圧を発生するコントロール液圧発生部
と、マスタシリンダと液圧制動装置との間に設けられ、
このマスタシリンダからの入力液圧を開弁付勢力として
受ける入力室と、この入力室と通路を介して連通される
とともに、前記液圧制動装置への出力液圧を閉弁付勢力
として受ける出力室と、前記入力室及び前記出力室に対
して隔離されるとともに、前記コントロール液圧を受け
て閉弁付勢力を発生させる制御室と、前記開弁付勢力及
び前記閉弁付勢力に基づいて前記通路を開閉する弁部と
を有し、前記コントロール液圧を受けて前記通路を閉じ
るとともに、前記所定値△Pをパラメータとした液圧制
御特性に基づいて出力液圧を発生させる液圧制御弁とを
備えたことを特徴とするものである(請求項1)。
【0007】このように構成された電気自動車の制動装
置において、液圧制御弁は、アクチュエータ等によって
直接駆動されるものではなく、回生制動力に対応して発
生したコントロール液圧を制御室に受けて制御され、所
定値△Pをパラメータとした液圧制御特性に基づいて出
力液圧を発生させるものである。また、液圧制御弁は、
入力室と出力室とを連通する通路を有する構成となって
いる。
【0008】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、液圧制御弁は、開弁方向に付勢するばねを有す
るものであってもよい(請求項2)。この場合、液圧制
御弁は、ばねの付勢に抗する力がない場合には、常に開
弁状態を維持する。また、開弁状態の液圧制御弁は、液
圧制動装置内の液圧を逃がすバイパス通路の役目を果た
す。
【0009】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、液圧制御弁は、液圧制動装置からマスタシリン
ダ側への液流を許容する逆止弁体を有していてもよい
(請求項3) この場合、マスタシリンダからの入力液圧が低下して、
入出力間の圧力差が大きくなると、逆止弁体の作用によ
り、液圧制動装置からマスタシリンダ側へ液の戻りが生
じる。
【0010】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、液圧制御弁は、駆動輪に対応して設けられ、液
圧制御時に入力液圧と同じ割合で出力液圧が昇圧するも
のであってもよい(請求項4)。この場合、液圧制御弁
の出力液圧により、全制動力のうち回生制動力の負担分
を除く、残りの所要制動力が液圧によって負担される。
【0011】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、液圧制御弁は、駆動輪及び従動輪に対応して設
けられ、従動輪に対応する液圧制御弁は、液圧制御時に
入力液圧より高い割合で出力液圧が昇圧するものであっ
てもよい(請求項5)。この場合、回生制動力が付与さ
れない従動輪に対して、入力液圧より高い割合での昇圧
により、回生制動力を考慮して抑制された液圧制動力
が、入力液圧の増加とともに回生制動力を考慮しないレ
ベルに追いつく。
【0012】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、液圧制御弁は、1つのコントロール液圧発生部
に対して2以上設けられてもよい(請求項6)。この場
合、2以上の液圧制御弁が、1つのコントロール液圧発
生部により制御される。
【0013】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、液圧制御弁は、閉弁すると入力液圧と同じ割合
で出力液圧が昇圧する駆動輪用の液圧制御弁と、閉弁す
ると入力液圧より高い割合で出力液圧が昇圧する従動輪
用の液圧制御弁とが、1つのコントロール液圧発生部に
対して設けられたものであってもよい(請求項7)。こ
の場合、駆動輪に関しては、液圧制御弁の出力液圧によ
り、全制動力のうち所定の割合の制動力が液圧によって
負担される。回生制動力が付与されない従動輪に対して
は、入力液圧より高い割合での昇圧により、回生制動力
を考慮して抑制された液圧制動力が、入力液圧の増加と
ともに回生制動力を考慮しないレベルに追いつく。
【0014】上記電気自動車の制動装置(請求項7)に
おいて、従動輪用の液圧制御弁は、駆動輪用の液圧制御
弁より、入力液圧の上昇に対して早期に開弁するもので
あってもよい(請求項8)。この場合、従動輪の液圧が
駆動輪の液圧より早期に立ち上がる。
【0015】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、液圧制御弁と並列に設けられ、出力液圧が前記
液圧制動装置の無効圧に達すると、入力液圧を所定割合
に減圧して出力する液圧比例弁を備えてもよい(請求項
9)。この場合、出力液圧が無効圧に達するまでは、液
圧比例弁による減圧が行われることなく、液圧制動装置
の無効ストロークが詰められる。
【0016】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、コントロール液圧発生部は、回生制動力に応じ
た駆動力を発生する駆動手段と、この駆動力を受けてコ
ントロール液圧を発生する制御ピストンとを有するもの
であってもよい(請求項10)。この場合、駆動手段と
制御ピストンとによって、所要のコントロール液圧が発
生する。
【0017】上記電気自動車の制動装置(請求項10)
において、駆動手段は、制御ピストンに駆動力を伝達す
る直流モータであってもよい(請求項11)。この場
合、回生制動力に応じた入力を供給することによって、
モータの駆動力は変化する。従って、駆動力の制御が容
易である。
【0018】上記電気自動車の制動装置(請求項10)
において、コントロール液圧発生部は、駆動手段の摺動
抵抗より大きい付勢力を有する制御ピストン戻し機構を
有するものであってもよい(請求項12)。この場合、
駆動手段の故障等が発生した場合、制御ピストン戻し機
構により、駆動手段の摺動抵抗に打ち勝って制御ピスト
ンが戻される。
【0019】上記電気自動車の制動装置(請求項10)
において、コントロール液圧発生部には、コントロール
液圧を検出するための液圧センサが設けられていてもよ
い(請求項13)。この場合、液圧センサによって、コ
ントロール液圧が直接検出される。また、コントロール
液圧の異常検出により駆動手段の作動を停止させること
ができる。
【0020】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、コントロール液圧発生部は、ブレーキ操作が行
われると、所定値ΔPを、そのとき最大限出力可能な回
生制限値に対応する値として、コントロール液圧を発生
させるものであってもよい(請求項14)。この場合、
液圧制御弁は、所定値ΔPに基づいて、入力液圧の上昇
初期段階から回生制動力に応じた液圧制御を行う状態と
なる。
【0021】上記電気自動車の制動装置(請求項1)に
おいて、コントロール液圧発生部は、ブレーキ操作が行
われると、所定値ΔPが、そのとき最大限出力可能な回
生制限値に対応する値に達するまで、入力液圧の上昇割
合以上の勾配で当該所定値ΔPを増加させることによ
り、コントロール液圧を発生させるものであってもよい
(請求項15)。この場合、液圧制御弁は、入力液圧の
上昇初期段階において増加するΔPに基づいて、液圧制
御特性をシフトさせることにより、液圧制御に応答の遅
れをもたせる。その間に、閉弁が遅延した液圧制御弁を
通じて、液圧制動装置の無効ストロークが詰められる。
【0022】また、本発明は、ブレーキ操作により、駆
動輪に設けられた駆動モータの回生制動力を発生させる
とともに、必要な制動力に対する不足分を、駆動輪又は
従動輪に設けられた液圧制動装置により液圧制動力とし
て発生させる電気自動車の制動装置において、前記回生
制動力に対応した駆動力を発生する駆動手段と、一方側
でこの駆動力及びマスタシリンダからの入力液圧Pmを
受けて、他方側で前記入力液圧に、前記駆動力に対応す
る所定値△Pを付加したコントロール液圧(Pm+Δ
P)を発生する制御ピストンとを有するコントロール液
圧発生部と、前記制御ピストンの他方側に接続され、前
記回生制動力を液圧制動力として発生させる際に必要と
なる液量及び液圧を消費するストローク補償ピストン
と、前記マスタシリンダと液圧制動装置との間に設けら
れ、前記コントロール液圧を受けて前記マスタシリンダ
と前記液圧制動装置との間の通路を閉じるとともに、前
記所定値△Pをパラメータとした液圧制御特性に基づい
て出力液圧を発生させる液圧制御弁とを備えたことを特
徴とするものであってもよい(請求項16)。
【0023】このように構成された電気自動車の制動装
置において、液圧制御弁は、アクチュエータ等によって
直接駆動されるものではなく、回生制動力に対応して発
生したコントロール液圧を制御室に受けて制御され、所
定値△Pをパラメータとした液圧制御特性に基づいて出
力液圧を制御するものである。また、液圧制御弁は、入
力室と出力室とを連通する通路を有する構成となってい
る。一方、ストローク補償ピストンは、回生制動時のブ
レーキストロークを消費する。回生制動力が失効する
(故障を含む)に伴って前記駆動力が低減されると、制
御ピストンが他側のコントロール液圧(Pm+ΔP)に
より戻される。制御ピストンが戻されると、ストローク
補償ピストンもこれに追従して、制御ピストン側の液量
がマスタシリンダ側に戻され、この液量が液圧制動装置
に供給される。
【0024】上記電気自動車の制動装置(請求項16)
において、ストローク補償ピストンは、最大回生制動力
相当の液量を消費すると、フルストロークに達するもの
であってもよい(請求項17)。この場合、回生制動力
が最大の場合にストローク補償ピストンがフルストロー
クとなって、ボトミング圧に達する。
【0025】上記電気自動車の制動装置(請求項16)
において、ストローク補償ピストンは、液量調節機構を
有するものであってもよい(請求項18)。この場合、
液量調節機構により任意の液量を設定することが可能に
なる。
【0026】上記電気自動車の制動装置(請求項18)
において、ストローク補償ピストンは、液圧制御弁によ
って制御される液圧制動装置の数、及び、その液量消費
特性に基づいて補償量を決定されるものであってもよい
(請求項19)。この場合、液圧制動装置の数や液量消
費特性に応じた補償液量で、適切な補償がなされる。
【0027】上記電気自動車の制動装置(請求項16)
において、ストローク補償ピストンは、コントロール液
圧(Pm+ΔP)を受けるとともに、マスタシリンダか
らの入力液圧Pmを受けて、その差圧ΔPを出力する差
圧ピストンを有し、この差圧ピストンの出力側に、当該
差圧ΔPに基づいて回生制動力を液圧制動力として発生
させる際に必要となる液量及び液圧を消費すべく作動す
る補償ピストンを有するものであってもよい(請求項2
0)。この場合、差圧ピストンは、コントロール液圧P
cからマスタシリンダ液圧Pmを除去した差圧ΔPを出
力する。一方、補償ピストンは、このΔPのみによって
駆動され、回生制動力を液圧制動力として発生させる際
に必要となる液量及び液圧を消費すべく作動する。こう
して、補償ピストンはマスタシリンダ液圧Pmの影響を
直接受けることなく、ΔPのみによって作動するので、
回生制動力が使用されない場合に補償ピストンが動作す
ることによる不要なストローク補償動作が防止される。
【0028】上記電気自動車の制動装置(請求項16)
において、コントロール液圧発生部の前記駆動手段は、
直流モータであってもよい(請求項21)。この場合、
回生制動力に応じた入力を供給することによって、モー
タの駆動力を容易に、かつ、自在に変化させることがで
きる。
【0029】上記電気自動車の制動装置(請求項16)
において、コントロール液圧発生部の制御ピストンは、
一方側と他方側とを連通させる貫通路と、この貫通路を
作動時に閉じる弁体とを有するものであってもよい(請
求項22)。この場合、貫通路を通って所定の液量が制
御ピストンの他方側に供給される。
【0030】
【発明の実施の形態】図17は、本発明の一実施形態に
よる電気自動車の制動装置の構成を示す図である。図に
おいて、ブレーキペダル1にはマスタシリンダ2が接続
されており、このマスタシリンダ2は、一対の液圧制御
弁ユニット3と接続されている。図の左側の液圧制御弁
ユニット3は、コントロール液圧発生部CV、前輪用の
液圧弁装置FV、後輪用の液圧弁装置RV、及び、液圧
センサCSを備えている。液圧弁装置FV及びRVは、
それぞれ、前輪左側車輪用の液圧制動装置4FL及び後
輪右側用の液圧制動装置4RRと接続されている。図の
右側の液圧制御弁ユニット3も同様に構成され、液圧弁
装置FV及びRVは、それぞれ、前輪右側車輪用の液圧
制動装置4FR及び後輪左側用の液圧制動装置4RLと
接続されている。すなわち、このブレーキ配管形態は、
X配管である。マスタシリンダ2から図17の右側の液
圧制御弁ユニット3に至る経路上には液圧センサMSが
設けられている。この電気自動車は、前輪5FL及び5
FRを駆動輪、後輪5RL及び5RRを従動輪とする前
輪駆動車であり、前輪5FL及び5FRには駆動モータ
6が接続されている。
【0031】ブレーキコントローラ7は、上述の各液圧
センサMS、CS(一対)、並びに、ブレーキペダル2
が踏まれたことを検知するブレーキスイッチ8からの信
号を受け取り、各コントロール液圧発生部CVに対して
駆動信号を出力する。ブレーキコントローラ7と接続さ
れたシステムコントローラ9は、インバータ10を制御
し、駆動モータ6はこのインバータ10によって、任意
の速度で駆動される。また、駆動モータ6は、電力の回
生により回生制動力を前輪5FL及び5FRに作用させ
る。なお、上記のようなX配管構成を有する制動装置に
おいては、一系統の配管の故障時に他系統の配管によ
り、前輪の一方及び後輪の一方が制動され、バランスを
崩すことなく、車両を停止させることができる。
【0032】次に、上記液圧制御弁ユニット3の構成に
ついて詳細に説明する。図1及び図2は、液圧制御弁ユ
ニット3の横断面図であり、図1は最大回生制動時の状
態を、図2は回生制動がオフの状態を、それぞれ示して
いる。図2に示す回生制動がオフの状態とは、例えば、
充分な回生制動力が得られない場合や、回生制動系統に
何らかの故障が発生した場合の状態であり、このとき
は、ブレーキコントローラ7(図17)からコントロー
ル液圧発生部CVには駆動信号が与えられていない。
【0033】図2において、液圧制御弁ユニット3は、
中心部に存在するコントロール液圧発生部CVと、その
上方及び下方にそれぞれ設けられている前輪の液圧弁装
置FV及び後輪の液圧弁装置RVとによって構成されて
いる。前輪の液圧弁装置FVは、外側に配置された液圧
比例弁FPVと内側に配置された液圧制御弁FCVとに
よって構成されている。液圧制御弁FCVと液圧比例弁
FPVとは、互いに並列に接続されており、入力及び出
力は共通である。同様に、後輪の液圧弁装置RVは、外
側に配置された液圧比例弁RPVと内側に配置された液
圧制御弁RCVとによって構成されている。液圧制御弁
RCVと液圧比例弁RPVとは、互いに並列に接続され
ており、入力及び出力は共通である。
【0034】図4は、図2からコントロール液圧発生部
CVのみを抜き出して示した図である。図2を参照した
図4において、コントロール液圧発生部CVは、シリン
ダ301の内部に制御ピストン302を有する。この制
御ピストン302は、軸方向(図の左右方向)に移動可
能に支持され、かつ、機械的駆動手段によって駆動され
る。当該コントロール液圧発生部CVは、回生制動力を
パラメータとして、入力ポート301aに供給されるマ
スタシリンダ液圧Pmに応じた制御圧Pcを、出力ポー
ト301bに提供する装置である。
【0035】上記制御ピストン302の左端部には、中
央部に孔303aが形成されたばね受け座303が装着
されている。制御ピストン302は、このばね受け座3
03と、シリンダ301に螺着された取付蓋304との
間に保持されたリターンスプリング305によって右方
向に付勢される。リターンスプリング305を収容する
シリンダ301内の液室Q1は、出力ポート301bと
連通している。制御ピストン302の内部には、入力ポ
ート301aに連通し、ピン306が遊挿された孔30
2aと、この孔302aから軸方向に穿設された軸孔3
02bと、この軸孔302bを介して孔302aと連通
した弁室302cと、右端側に穿設された嵌合穴302
dとが設けられている。
【0036】上記弁室302cには、ばね307により
図の右方向に付勢された弁体308が設けられ、この弁
体308の支軸であるロッド309が軸孔302bに挿
通されている。図示の状態では、ロッド309の右端が
ピン306に当接して左方向に押されていることによ
り、弁体308はばね307に抗して、制御ピストン3
02に対して左方向に移動している。この結果、弁体3
08は弁室302cの右端側壁面から離反している。す
なわち、弁体308と弁室302cの右端側壁面を弁座
とする弁は開弁状態である。取付蓋304は、その中心
部に液圧センサCSが埋設されている。この液圧センサ
CSは、取付蓋304の中心軸方向に形成された孔30
4aを通じて液室Q1と連通している。従って、液圧セ
ンサCSは出力ポート301bの液圧すなわち、コント
ロール液圧Pcを検出する。なお、このようにコントロ
ール液圧Pcを直接検出することは、正確にコントロー
ル液圧Pcを把握できるとともに、圧力の異常が検出さ
れた場合は、制御ピストン302の作動を停止させるこ
とにより、フェールセーフを確保することができる点で
好ましい。
【0037】コントロール液圧発生部CVの右側には、
モータ(DCモータ)310と、このモータ310の回
転軸に、スラスト軸受311を介して接続された主軸3
12と、この主軸312とボールねじを構成し、円柱状
部313aと縦長の鍔部313bとを有するナット部材
313と、ナット部材313の回転を防ぐため鍔部31
3bと係合した回り止め部材314とが設けられてい
る。ナット部材313の円柱状部313aは、制御ピス
トン302の嵌合穴302dに摺動自在に嵌合してい
る。モータ310は、供給された電流に応じた回転トル
クで主軸312を回転させ、これによりナット部材31
3は図の左方向に前進する。前述のように、図2及び図
4に示す状態においては、モータ310に駆動信号が与
えられていないため、ナット部材313は右端位置にあ
る。従って、制御ピストン302には、モータ310の
回転トルクによる左方向への力が付与されていない。な
お、ナット部材313は、モータ310の回転トルクに
よる前進方向への力と、これに対抗するリターンスプリ
ング305のばね力等とのバランスにより、回転トルク
に応じた位置まで制御ピストン302を押し込む。一
方、回転トルクが失われると、ナット部材313は、リ
ターンスプリング305のばね力を受けて迅速に元の位
置に戻る。
【0038】一方、図3に示すように、制御ピストン3
02の摺動方向と直交するシリンダ301の上部側に、
ストローク補償ピストンを構成する補償ピストン315
が図の上下方向に所定範囲で摺動自在に設けられてい
る。補償ピストン315の下端部は液室Q1に面してお
り、液室Q1の液圧を受ける。補償ピストン315は、
ばね316を介して取付蓋317を螺着することによ
り、シリンダ301内に封止されている。取付蓋317
はロックナット318により固定されており、従って、
上下方向に任意の位置で固定される。取付蓋317の固
定位置により、補償ピストン315の端部との隙間Gが
変化する。この隙間Gは、補償ピストン315のストロ
ークを決定するため、取付蓋317の固定位置に応じて
補償液量を調整することが可能である。補償液量は、液
圧制動装置の種類や数に対応して調整される。なお、補
償液量は回生制動力に相当するものであるため、上記の
ような可調整の構成は、どのような回生制動力にも対応
することができる点で好適である。
【0039】図5は、図2から前輪側の液圧比例弁FP
Vのみを抜き出して示した図である。なお、後輪側の液
圧比例弁RPVも構造は同様である。図2を参照した図
5において、シリンダ301内に設けられたピストン穴
301cには、ピストン321が軸方向に摺動自在に嵌
挿され、栓部材322によって封止されている。ピスト
ン321の外周には凹部321aが形成され、ピストン
穴301cとの間に液室Q2を形成している。また、ピ
ストン321の左端側内部には、ばね受け部321b及
び連絡孔321cが形成されている。このばね受け部3
21b内の液室Q3は、連絡孔321cを通じて液室Q
2と連通している。ばね受け部321bには、ばね32
3が装填され、弁体(逆止弁体)324は栓部材322
に当接した状態で、ばね323によって左方向に付勢さ
れている。ピストン321の左端部には略円筒状の弁座
325が取り付けられ、この弁座325を弁体324の
円柱部324bが貫通している。
【0040】上記弁座325の右端面に弁体324のテ
ーパ部324aが押しつけられた状態が閉弁状態であ
り、これらが互いに離反した状態が開弁状態である。弁
体324の円柱部324bの外周面と弁座325の内周
面との間には隙間があり、液の流通が可能である。ま
た、弁座325の側面には通孔325aが形成されてい
る。開弁状態では、液室Q3は、上記隙間と通孔325
aを介してピストン321の左端側に形成された液室Q
4と連通する。
【0041】ピストン321は、右端側でばね326に
よって左方向に付勢され、上記ばね323によって右方
向に付勢されている。液圧が付与されない状態では、ピ
ストン321は、2つのばね326及び323の力のバ
ランスがとれた位置にあり、開弁している。マスタシリ
ンダ液圧Pmが供給されるシリンダ301の入力ポート
301dは、上記液室Q2に連通し、液室Q2は後述す
る液圧制御弁FCVの入力ポート301fと連通してい
る。また、ホイールシリンダ圧Pwを出力する出力ポー
ト301eは、上記液室Q4と連通し、液室Q4は後述
する液圧制御弁FCVの出力ポート301gと連通して
いる。
【0042】図6は、図2から前輪側の液圧制御弁FC
Vのみを抜き出して示した図である。なお、後輪側の液
圧制御弁RCVも構造は同様である。図2を参照した図
6において、シリンダ301内に設けられたピストン穴
301hには、ピストン331が軸方向に摺動自在に嵌
挿され、栓部材332によって封止されている。ピスト
ン331の右端部とシリンダ301との間には液室Q5
(入力室)が、また、ピストン331の左端部とシリン
ダ301との間には液室Q6(出力室)が、それぞれ形
成されている。液室Q5は、入力ポート301f及び、
コントロール液圧発生部CVの入力ポート301aと連
通している。液室Q6は、出力ポート301gと連通し
ている。また、ピストン331の外周の一部とシリンダ
301との間には、上記液室Q5及びQ6とは隔離され
た液室Q7(制御室)が形成され、この液室Q7はコン
トロール液圧発生部CVの出力ポート301bと連通し
ている。
【0043】ピストン331の内部には、連絡孔331
aと、これに連通したばね受け部331bとによって、
中心軸部分を貫通した通路が形成されている。ばね受け
部331bには、ばね333が装着され、弁体334
(逆止弁体)はシリンダ301に当接した状態で、ばね
333によって左方向に付勢されている。ピストン33
1の左端部には略円筒状の弁座335が取り付けられ、
この弁座335を弁体334の円柱部334bが貫通し
ている。
【0044】上記弁座335の右端面に弁体334のテ
ーパ部334aが押しつけられた状態が閉弁状態であ
り、これらが互いに離反した状態が開弁状態である。弁
体334の円柱部334bの外周面と弁座335の内周
面との間には隙間があり、液の流通が可能である。ま
た、弁座335の側面には通孔335aが形成されてい
る。開弁状態では、上記液室Q5及びQ6は、上記連絡
孔331a、ばね受け部331b、上記隙間及び通孔3
35aを介して互いに連通している。
【0045】ピストン331は、右端側でばね336に
よって左方向に付勢され、上記ばね333によって右方
向に付勢されている。液圧が付与されない状態では、ピ
ストン331は、2つのばね336及び333の力のバ
ランスがとれた図示の位置にあり、開弁している。この
ように、いわゆるノーマルオープンの弁であることは、
異常時に液圧制動力の発生を妨げないため、フェイルセ
ーフの点から好ましい。また、液圧制動装置4RR、4
FL、4FR及び4RLからマスタシリンダ2側への液
の戻りを許容するバイパス通路の役目をも果たすため、
別途バイパス通路を設ける必要がない。上記液室Q7
は、コントロール液圧発生部CVの出力ポート301b
と連通しており、コントロール液圧Pcを受ける。
【0046】次に、上記のように構成されたコントロー
ル液圧発生部CV、液圧比例弁FPV(RPV)及び液
圧制御弁FCV(RCV)における、それぞれのピスト
ンにかかる力の釣り合いに基づく液圧制御(ミータリン
グ)動作について説明する。図1は、最大回生制動時の
液圧制御弁ユニット3の状態を示す断面図である。ま
ず、コントロール液圧発生部CVの動作について説明す
る。図7は、図1からコントロール液圧発生部CVのみ
を抜き出して示した図である。図1を参照した図7にお
いて、モータ310の回転によりナット部材313が左
方向に前進する。従って、ナット部材313の鍔部31
3bにより制御ピストン302は左に押され、所定距離
移動している。この結果、ロッド309がピン306か
ら離れ、弁体308はばね307の付勢を受けて弁室3
02cの右端側壁面に当接している。すなわち、コント
ロール液圧発生部CVは閉弁状態にある。
【0047】上記の状態のコントロール液圧発生部CV
において、ばね受け部303の外径をDc1、ばね受け
部303の内径をDs、入力ポート301a側における
制御ピストン302の受圧最大径をDm、制御ピストン
302のマスタシリンダ液圧受入部での直径をDpとす
ると(図7中の各記号参照。)、コントロール液圧Pc
にかかわる制御ピストン302の左端部側の受圧面積S
c1は、 Sc1=(π/4)・(Dc1−Ds) ...(1) で表される。また、マスタシリンダ液圧Pmに対する制
御ピストン302の右端部側の受圧面積Smは、 Sm=(π/4)・(Dm−Dp−Ds) ...(2) で表される。
【0048】ここで、Sc1=Smとなるように、Dc
1、Ds、Dm及びDpの各値を設定しておく。すなわ
ち、式(1)及び(2)より、 (Dc1−Ds)=(Dm−Dp−Ds) とおいて、これをDmについて解くと、 Dm=(Dc1+Dp1/2 ...(3) となるので、この式(3)の関係を保つことにより、S
c1=Smの関係が得られる。
【0049】一方、リターンスプリング305のばね力
をFs、制御ピストン302の摺動抵抗をf(<F
s)、モータ310による制御ピストン302を左方向
に押す力をFとすると、制御ピストン302にかかる力
の釣り合いの関係により、 Sc1・Pc+Fs+f=Sm・Pm+F ...(4) が成り立つ。これにより、 Pc=(Sm/Sc1)・Pm+{(F−Fs−f)/Sc1} ..(5) となる。ここで、上記Sc1=Smの関係より、(Sm
/Sc1)=1であるから、ΔP={(F−Fs−f)
/Sc1}とおくと、 Pc=Pm+ΔP ...(6) と表される。ここで、ΔPを決定する要素のうち、F
s、f及びSc1は定数若しくは略一定数であり、残る
Fは、ブレーキコントローラ7(図17)から与えられ
るモータ310の駆動信号に依存する。すなわち、その
時点で発生可能な回生制動力に応じてΔPが変化し、コ
ントロール液圧Pcが変化する。このコントロール液圧
Pcは、出力ポート301bを通じて、前輪側の液圧制
御弁FCV及び後輪側の液圧制御弁RCVに供給され、
マスタシリンダ液圧Pmとの関係で、これらの弁を制御
する。こうして、単一のコントロール液圧発生部CVか
ら生じたコントロール液圧Pcは、2つの液圧制御弁F
CV及びRCVに対して、いわば共通の「アクチュエー
タ」として作用する。なお、上記リターンスプリング3
05のばね力Fsと、制御ピストン302の摺動抵抗を
fとが、f<Fsの関係にあることは、制御ピストン3
02の駆動機構に故障が発生した場合に、摺動抵抗が原
因となってコントロール液圧Pcの残圧が生じることを
防止する効果がある。
【0050】ブレーキコントローラ7は、マスタシリン
ダ液圧Pmに応じて、発生させるべき回生制動力を決定
し、決定した回生制動力に応じた駆動信号をモータ31
0に与える。この駆動信号により、ΔPが決まる。図1
4は、ΔPが終始一定の、コントロール液圧発生パター
ンの例である。すなわち、ブレーキ操作が行われると、
マスタシリンダ液圧Pmが立ち上がる前から一定のΔP
が与えられ、コントロール液圧Pcは、常にマスタシリ
ンダ液圧Pmより所定値ΔP大きい。このΔPは、その
とき最大限出力可能な回生制限値に対応する値である。
【0051】次に、液圧比例弁FPVの閉弁状態におけ
る液圧制御動作について説明する。図8は、図1から前
輪側の液圧比例弁FPVのみを抜き出して示した図であ
り、当該状態は閉弁状態(厳密には閉弁と開弁とを高速
に繰り返す臨界的状態である。)である。図8におい
て、ピストン321におけるホイールシリンダ液圧Pw
の受圧最大径をDw、弁座325の内径をDs、ピスト
ン321の凹部321aの外径をDmとすると、ホイー
ルシリンダ液圧Pwにかかわるピストン321の左端部
側の受圧面積Swは、 Sw=(π/4)・(Dw−Ds) ...(7) で表される。また、マスタシリンダ液圧Pmに対するピ
ストン321の右端部側の受圧面積Smは、 Sm=(π/4)・(Dw−Dm−Ds) ...(8) で表される。
【0052】一方、ばね326のばね力をFs、ピスト
ン321の摺動抵抗をfとすると、ピストン321にか
かる力の釣り合いの関係により、 Sw・Pw=Sm・Pm+Fs+f ...(9) が成り立つ。ここで、左辺は閉弁付勢力を表し、右辺は
開弁付勢力を表す。これにより、 Pw=(Sm/Sw)・Pm +{(Fs+f)/Sw} ...(10) となる。ここで、Sm/Sw=K1(定数)とおくと、 Pw=K1・Pm +{(Fs+f)/Sw} ...(11) と表される。すなわち、式(11)は、マスタシリンダ
液圧Pmに対するホイールシリンダ液圧Pwが1次方程
式の形で表され、(Fs+f)/Swを切片とする勾配
K1の直線で表されることを示している。ここで、切片
の値及び勾配K1の値は、いずれも正の一定値である。
K1として設定される値は、例えば0.1であり、直線
の勾配は小さい。
【0053】次に、液圧制御弁FCVの閉弁状態におけ
る液圧制御動作について説明する。図9は、図1から前
輪側の液圧制御弁FCVのみを抜き出すとともに、これ
を閉弁状態(厳密には閉弁と開弁とを高速に繰り返す臨
界的状態である。)とした図である(なお、図1は開弁
状態である。)。図9において、ホイールシリンダ液圧
Pwに対するピストン331の受圧最大径をDw、コン
トロール液圧Pcの受圧にかかわるピストン331の最
小径をDc、最大径をDm(マスタシリンダ液圧Pmの
受圧にかかわる最大径と同一)、弁座335の内径をD
sとすると、ホイールシリンダ液圧Pwにかかわるピス
トン331の左端部側の受圧面積Swは、 Sw=(π/4)・(Dw−Ds) ...(12) で表される。また、コントロール液圧Pcに対するピス
トン331の受圧面積Scは、 Sc=(π/4)・(Dm−Dc) ...(13) で表される。また、マスタシリンダ液圧Pmに対するピ
ストン331の右端部側の受圧面積Smは、 Sm=(π/4)・(Dm−Ds) ...(14) で表される。
【0054】一方、ばね336のばね力をFs、ピスト
ン331の摺動抵抗をfとすると、ピストン331にか
かる力の釣り合いの関係により、 Sw・Pw+Sc・Pc=Sm・Pm+Fs−f ...(15) が成り立つ。ここで、左辺は閉弁付勢力を表し、右辺は
開弁付勢力を表す。これに、式(6)のPcを代入する
と、 Pw={(Sm−Sc)/Sw}・Pm+{(Fs−f−Sc・ΔP)/Sw } ...(16) となる。ここで、(Sm−Sc)/Sw=K2(定数)
とおくと、 Pw=K2・Pm+{(Fs−f−Sc・ΔP)/Sw} ...(17) となる。すなわち、式(17)は、マスタシリンダ液圧
Pmに対するホイールシリンダ液圧Pwが、1次方程式
で表され、(Fs−f−Sc・ΔP)/Swを切片とす
る勾配K2の直線で表されることを示している。この勾
配K2は正の一定値であり、通常1.0以上の値に設定
される。一方、切片の値は、ΔP(=Pc−Pm)によ
り変動し、一定値ではない。このようにして切片にΔP
が含まれることにより、マスタシリンダ液圧Pmに対す
るホイールシリンダ液圧Pwの液圧制御特性にΔPがパ
ラメータとして関与し、ホイールシリンダ液圧Pwは回
生制動力の影響を受ける。
【0055】なお、上記の液圧比例弁及び液圧制御弁に
関する説明は、前輪側のものについて行ったが、後輪側
の液圧比例弁RPV及び液圧制御弁RCVについても、
同様である。但し、式(11)及び(17)におけるK
1及びK2の各値、並びに、当該式における切片の値
は、駆動輪であるか否かや液圧制動装置の種類を考慮し
て、前輪側と後輪側とで互いに独立して設計される。
【0056】図12は、上記の液圧制御弁ユニット3に
おける、マスタシリンダ液圧Pmに対する前輪側のホイ
ールシリンダ液圧Pwの特性を示すグラフである。図に
おいて、原点(0,0)を通過する勾配1の直線(破線
で示す。)は、マスタシリンダ液圧Pmとホイールシリ
ンダ液圧Pwとが等しい特性を示しており、回生制動が
オフ又は故障のときは、この特性に従ってホイールシリ
ンダ液圧Pwが発生する。これに対して、実線で示す折
れ線グラフ部分が本実施形態の液圧制御弁ユニット3に
よって提供される前輪(駆動輪)の液圧特性である。
【0057】上記折れ線グラフによる特性は、式(1
1)によって表される勾配K1(この場合、0.1)の
直線と、式(17)によって表される勾配K2(この場
合1.0)の直線とをグラフ上で重ね、Pmに対しての
Pwが大きい方の特性(すなわち、グラフ上で上方にあ
る方)をとり、かつ、出力であるPwは入力であるPm
を越えないという関係から描かれている。具体的には、
原点から折れ点P1までは、Pw=Pmの関係でホイー
ルシリンダ液圧Pwが増加する。続いて、折れ点P1か
ら折れ点P2までは、前述の式(11)に従って勾配K
1で、ホイールシリンダ液圧Pwが微増する。折れ点P
2以降は、前述の式(17)に従って勾配K2で、ホイ
ールシリンダ液圧Pwが増加する。
【0058】次に、図12に示した特性を、制動装置の
各部の動作に対応させて具体的に説明する。まず、図1
2に示す前輪側の特性に関して図1〜図9及び図17を
参照して説明する。なお、回生制動力は最大値を提供可
能であり、コントロール液圧発生パターンは図14に示
すパターンであるとする。このとき、ブレーキ操作が行
われる前の液圧制御弁ユニット3は、図2に示す状態に
あり、コントロール液圧発生部CV、液圧制御弁FC
V、及び、液圧比例弁FPVの各弁はすべて開弁状態に
ある。
【0059】ここで、ブレーキ操作が行われると、図1
7におけるブレーキスイッチ8が動作して検出信号がブ
レーキコントローラ7に送られる。また、ブレーキペダ
ル1の踏み込みに応じてマスタシリンダ2からマスタシ
リンダ液圧Pmが出力され、液圧制御弁ユニット3に供
給される。マスタシリンダ液圧Pmは、液圧センサMS
によって検出され、検出信号がブレーキコントローラ7
に送られる。ブレーキコントローラ7及びシステムコン
トローラ9は、受け取った検出信号に応じて回生制動を
開始する。また、ブレーキコントローラ7は、回生制動
指令量に基づいて、モータ電流をコントロール液圧発生
部CVのモータ310(図2)に供給する。これにより
モータ310が駆動され、ナット部材313が前進して
制御ピストン302を押すことにより、コントロール液
圧発生部CVは閉弁状態となる。
【0060】閉弁により、コントロール液圧発生部CV
は、前述の式(6)に基づいて、コントロール液圧Pc
を発生させる。ここで、モータ電流は、式(6)におけ
るΔPが、その時点における最大限出力可能な回生制限
値RBmaxに対応する値となるように、最初から一定の
値で与えられる(図14参照)。従って、モータ310
により駆動されたナット部材313は、回生制限値RB
maxに対応する力Fで制御ピストン302を押し込む。
この力Fに応じて、所定値ΔP(={(F−Fs−f)
/Sc1})が決まり、コントロール液圧Pcが式
(6)に基づいて発生する。なお、コントロール液圧P
cにより、補償ピストン315が押し込まれる。補償ピ
ストン315(図3)は、最大回生制動力発生時にボト
ミングして、ギャップGが0となる。補償ピストン31
5がボトミングすると、制御ピストン302もそれ以上
押し込まれることはなく、その位置で停止する。これ
は、最大回生制動力を液圧制動力として発生させたなら
ば消費されるであろう液量及び液圧を模擬的に吸収した
状態である。
【0061】液圧比例弁FPVの液圧制御特性は式(1
1)に示すように、回生制動力には無関係であり、勾配
K1の直線は最初から決まっている。また、マスタシリ
ンダ液圧Pmが0のときは、開弁状態である。従って、
ブレーキ操作によってマスタシリンダ液圧Pmが立ち上
がると、ホイールシリンダ液圧(出力液圧)Pwも同値
で立ち上がる。液圧比例弁FPVにおいて、閉弁付勢力
と開弁付勢力とが互いに釣り合っている状態は、勾配K
1の直線の左方への延長線(図示せず)上にある(P
m,Pw)について得られるが、原点から折れ点P1ま
での間においては、このK1勾配の直線の延長線より、
Pw=Pmの直線が下方にある。これは、閉弁付勢力と
開弁付勢力とが互いに釣り合っているK1勾配直線上の
状態に比べて、ホイールシリンダ液圧Pwが相対的に低
いことを示す。従って、このときの液圧比例弁FPVに
おいては、閉弁付勢力が開弁付勢力より小さく、開弁状
態が維持される。この動作は、図12に示す特性の原点
から折れ点P1までに相当する。
【0062】一方、液圧制御弁FCVは、上記所定値Δ
Pが決まることにより、式(17)が確定するので、図
12の勾配K2の直線が決まる。従って、マスタシリン
ダ液圧Pmが上昇する前から、折れ点P2の位置(回生
制動力最大のときは、Pm=30kgf/cmとなる
位置)が確定している。このことは、液圧制御弁FCV
を早期に液圧制御状態にする意義がある。従って、液圧
制御弁FCVは、当初は開弁状態にあるが、コントロー
ル液圧Pcを受けて、すぐに閉弁状態となる。
【0063】マスタシリンダ液圧Pmが、折れ点P1に
相当する値を越えると、勾配K1の直線とPw=Pmの
直線との上下関係が逆転する。従って、これ以降は、液
圧比例弁FPVの閉弁付勢力と開弁付勢力とがつりあっ
た状態に比べて、ホイールシリンダ液圧Pwが相対的に
高い状態となろうとする。従って、このときの液圧比例
弁FPVにおいては、閉弁付勢力が開弁付勢力より大き
くなり、閉弁状態になる。閉弁により、液圧比例弁FP
Vは、式(11)に基づいて、入力に対して出力を制御
する液圧制御状態となる。従って、ホイールシリンダ液
圧Pwは、勾配K1の直線に沿って、液圧がほとんど上
昇しない状態となる。こうして、液圧制動は抑制され
る。この状態の間に、液圧制動装置4FL及び4FRの
無効ストローク(実際にブレーキが効き始めるまでの遊
び)が詰められる。このことは、後の液圧制動開始時に
ブレーキストロークの違和感を防止する効果がある。一
方、閉弁状態にある液圧制御弁FCVは、マスタシリン
ダ液圧Pmが約26kgf/cmあたりからホイール
シリンダ液圧Pwを出力可能な状態となるが、折れ点P
1からP2までは、K1勾配直線すなわち液圧比例弁F
PVの出力の方が大きいため、液圧制御弁FCVの出力
はホイールシリンダ液圧Pwに影響を与えない。
【0064】マスタシリンダ液圧Pmが折れ点P2に相
当する値(本例では30kgf/cm)以上になる
と、液圧制御弁FCVの出力が液圧比例弁FPVの出力
を上回るため、液圧制御弁FCVの出力がホイールシリ
ンダ液圧Pwとなる。以後、マスタシリンダ液圧Pmの
増加に伴って、勾配K2(=1)でホイールシリンダ液
圧Pwが上昇する。勾配が1であることにより、その後
も引き続いて回生制動力が有効に利用される。勾配K2
は設計上の値から決まる一定値であるが、式(17)に
おける切片は回生制動力に応じて変動する。回生制動力
が大きくなるほど勾配K2の直線が図の矢印方向にシフ
トする。回生制動力が小さくなるほど、直線は左方にシ
フトして、折れ点P2は折れ点P1に接近する。すなわ
ち、Pw=Pmの直線と、実線の折れ線グラフとによっ
て挟まれる領域の面積は、回生制動力によるブレーキ負
担を表している。
【0065】次に、図13は、上記の液圧制御弁ユニッ
ト3における、マスタシリンダ液圧Pmに対する後輪
(従動輪)側のホイールシリンダ液圧Pwの特性を示す
グラフである。図において、原点(0,0)を通過する
勾配1の直線は、マスタシリンダ液圧Pcとホイールシ
リンダ液圧Pwとが等しい特性を示しており、回生制動
がオフ又は故障のときは、この特性に従ってホイールシ
リンダ液圧Pwが発生する。これに対して、実線で示す
折れ線グラフ部分が本実施形態の液圧制御弁ユニットに
よって提供される後輪の液圧特性である。
【0066】上記図13の折れ線グラフによる特性は、
式(11)によって表される勾配K1(この場合0.
1)の直線と、式(17)によって表される勾配K2
(この場合1.5)の直線とをグラフ上で重ね、Pmに
対してのPwが大きい方の特性(すなわち、グラフ上で
上方にある方)をとり、かつ、出力であるPwは入力で
あるPmを越えないという関係から描かれている。具体
的には、原点から折れ点P1までは、Pw=Pmの関係
でホイールシリンダ液圧Pwが増加する。続いて、折れ
点P1から折れ点P2までは、前述の式(11)に従っ
て勾配K1で、ホイールシリンダ液圧Pwが微増する。
折れ点P2以降は、前述の式(17)に従って勾配K2
で、ホイールシリンダ液圧Pwが増加する。さらに、折
れ点P3以降は、Pw=Pmの関係でホイールシリンダ
液圧Pwが増加する。
【0067】次に、図13に示す後輪側の特性に関して
図1〜図9及び図17を参照して説明する。前輪側の場
合と同様に、回生制動力は最大値を提供可能であり、コ
ントロール液圧発生パターンは図14に示すパターンで
あるとする。このとき、ブレーキ操作が行われる前の液
圧制御弁ユニット3は、図1に示す状態にあり、コント
ロール液圧発生部CV、液圧制御弁RCV、及び、液圧
比例弁RPVの各弁はすべて開弁状態にある。ブレーキ
操作が行われると、前輪側の場合と同様に、コントロー
ル液圧発生部CVの動作が行われ、補償ピストン315
が押し込まれる。
【0068】液圧比例弁RPVにおいては、最初は開弁
状態にあるため、ブレーキ操作によってマスタシリンダ
液圧Pmが立ち上がると、ホイールシリンダ液圧(出力
液圧)Pwも同値で立ち上がる。ここで、K1勾配の直
線の延長線より、Pw=Pmの直線の方が下方にある。
これは、閉弁付勢力と開弁付勢力とが互いに釣り合って
いる状態に比べて、ホイールシリンダ液圧Pwが相対的
に低いことを示す。従って、このときの液圧比例弁RP
Vにおいては、閉弁付勢力が開弁付勢力より小さく、開
弁状態が維持される。この動作は、図13に示す特性の
原点から折れ点P1までに相当する。
【0069】一方、液圧制御弁RCVは、上記所定値Δ
Pが決まることにより、式(17)が確定するので、図
13の勾配K2の直線が決まる。従って、マスタシリン
ダ液圧Pmが上昇する前から、折れ点P2の位置(回生
制動力最大のときは、Pm=15kgf/cmとなる
位置)が確定している。液圧制御弁FCVは、当初は開
弁状態にあるが、マスタシリンダ液圧Pmの上昇ととも
に、すぐに閉弁状態となる。
【0070】マスタシリンダ液圧Pmが、折れ点P1に
相当する値を越えると、勾配K1の直線とPw=Pmの
直線との上下関係が逆転する。従って、これ以降は、液
圧比例弁RPVの閉弁付勢力と開弁付勢力とがつりあっ
た状態に比べて、ホイールシリンダ液圧Pwが相対的に
高い状態となる。すなわち、このときの液圧比例弁RP
Vにおいては、閉弁付勢力が開弁付勢力より大きくな
り、閉弁状態になる。閉弁により、液圧比例弁RPV
は、式(17)に基づいて、入力に対して出力を制御す
る液圧制御状態となる。従って、ホイールシリンダ液圧
Pwは、勾配K1の直線に沿って、液圧がほとんど上昇
しない状態となる。こうして、液圧制動は抑制される。
一方、閉弁状態にある液圧制御弁RCVは、マスタシリ
ンダ液圧Pmが約12kgf/cmあたりからホイー
ルシリンダ液圧Pwを出力可能な状態となるが、折れ点
P1からP2までは、K1勾配直線すなわち液圧比例弁
RPVの出力の方が大きいため、液圧制御弁RCVの出
力はホイールシリンダ液圧Pwに影響を与えない。
【0071】マスタシリンダ液圧Pmが折れ点P2に相
当する値(本例では15kgf/cm)以上になる
と、液圧制御弁RCVの出力が液圧比例弁RPVの出力
を上回るため、液圧制御弁RCVの出力がホイールシリ
ンダ液圧Pwとなる。以後、マスタシリンダ液圧Pmの
増加に伴って、マスタシリンダ液圧Pmの上昇割合を越
える割合の勾配K2(=1.5)でホイールシリンダ液
圧Pwが上昇する。勾配K2は設計上の値から決まる一
定値であるが、式(17)における切片は回生制動力に
応じて変動する。回生制動力が大きくなるほど勾配K2
の直線が図の矢印方向にシフトする。回生制動力が小さ
くなるほど、直線は左方にシフトして、折れ点P2は折
れ点P1に接近する。
【0072】勾配K2は1.5であるため、この直線は
Pw=Pmの直線と折れ点P3で交差する。マスタシリ
ンダ液圧Pmが、この折れ点P3に相当する値に達する
と、出力は入力を越えられないため、ホイールシリンダ
液圧Pwは上昇が止まり、その結果、勾配K2の直線と
Pw=Pmの直線との上下関係が逆転する。従って、こ
れ以降は、液圧制御弁RCVの閉弁付勢力と開弁付勢力
とがつりあった勾配K2直線上の状態に比べて、ホイー
ルシリンダ液圧Pwが相対的に低い状態となる。従っ
て、このときの液圧制御弁RCVにおいては、閉弁付勢
力が開弁付勢力より小さくなり、開弁状態になってい
る。すなわち、折れ点P3以降のマスタシリンダ液圧P
mは、そのままホイールシリンダ液圧Pwとなって出力
される。なお、折れ点P1、P2及びP3によって囲ま
れる領域は、回生制動力の負担を表している。
【0073】図12と図13との比較により明らかなよ
うに、前輪のホイールシリンダ液圧Pwは、後輪のホイ
ールシリンダ圧力Pwより低いレベルにある。これは、
車両の前輪が駆動輪であることから、回生制動力を有効
利用するためには、前輪の液圧制動を抑制する必要があ
るからである。
【0074】図11は、マスタシリンダ液圧に対する車
両減速度の構成を示すグラフである。図に示すように、
マスタシリンダ液圧PmがPr(図13の折れ点P2に
相当するマスタシリンダ液圧)までは、回生制動力のみ
によって全制動力がまかなわれる。マスタシリンダ液圧
PmがPr以上になると後輪の液圧制動力が生じて、回
生制動力に加算される。さらに、マスタシリンダ液圧P
mがPf(図12の折れ点P2に相当するマスタシリン
ダ液圧)以上になると、前輪の液圧制動力が生じて、回
生制動力及び後輪の液圧制動力に加算されるとともに、
後輪は液圧制動力の負担率が100%となり、所望の理
想的なブレーキ力配分が得られる。こうして、回生制動
力を有効に利用しつつ、車両減速度は全体として、マス
タシリンダ液圧Pmの増加に応じてほぼ一定の勾配で増
加する。
【0075】ブレーキ操作中に、ブレーキ踏力が変化し
て、Pm≦Pc−ΔPとなった場合は、コントロール液
圧Pcによって制御ピストン302が押し戻され、これ
に補償ピストン315が追従して戻り、ΔPに相当する
全液量がマスタシリンダ2側へ戻される。これにより、
ブレーキストロークに違和感を生じることが防止され
る。一方、ブレーキ操作中に回生制動力が失効した場合
は、液圧制御弁FCV及びRCVが開弁してマスタシリ
ンダ液圧Pmがそのままホイールシリンダ液圧Pwとし
て液圧制動装置に供給される。また、制御ピストン30
2の戻りによってコントロール液圧発生部CVが開弁す
るため、補償ピストン315に吸収されていた液量及び
液圧がマスタシリンダ側に戻り、回生制動力相当の液量
を補填する。従って、このときも、ブレーキストローク
に違和感を生じることが防止される。
【0076】なお、ブレーキペダル1(図17)が戻さ
れると、ブレーキスイッチ8の信号がオフとなり、回生
制動が終了するとともに、ブレーキコントローラ7から
液圧制御弁ユニット3に送られていたモータの駆動信号
が失われる。従って、ナット部材313は後退し、制御
ピストン302は元の位置(図2)に戻る。この結果、
コントロール液圧発生部CVは開弁する。また、液圧制
御弁FCV及びRCV並びに液圧比例弁FPV及びRP
Vは、閉弁付勢力が開弁付勢力より大きくなって閉弁す
る。ところが、液圧制御弁FCV及びRCV並びに液圧
比例弁FPV及びRPVの各弁体324及び334は、
それぞれテーパ部324a及び334aを有する逆止弁
体であるため、ホイールシリンダ液圧Pwがマスタシリ
ンダ液圧Pmに対して一定値以上の差圧を有する場合に
は、弁体324及び334がそれぞればね323及び3
33に抗して押され、開弁する。従って、液圧制動装置
4RR、4FL、4FR及び4RLの液圧及び液量は、
マスタシリンダ2に戻される。すなわち、別途戻り用の
バイパス管路等を設けなくとも、液圧制御弁FCV及び
RCV並びに液圧比例弁FPV及びRPVがその作用を
する。また、補償ピストン315に吸収されていた液圧
及び液量は、開弁状態のコントロール液圧発生部CVを
通って、マスタシリンダ2に戻される。
【0077】一方、回生制動がオフのとき(回生制動の
故障の場合を含む。)は、コントロール液圧発生部C
V、液圧制御弁FCV及びRCV、並びに液圧比例弁F
PV及びRPVがすべて開弁状態にある。従って、マス
タシリンダ液圧Pmが上昇すると、Pw=Pmの関係
で、ホイールシリンダ液圧Pwが上昇することにより、
全制動力が液圧制動力によってまかなわれる。従って、
フェールセーフが確保される。
【0078】図15は、図14とは異なるコントロール
液圧発生パターンを示したグラフである。このようなコ
ントロール液圧発生パターンによれば、モータ電流は、
式(6)におけるΔPが、その時点における最大限出力
可能な回生制限値RBmaxに対応する値に達するまで、
マスタシリンダ液圧Pmの上昇に伴い、マスタシリンダ
液圧Pmの上昇勾配以上の勾配で増加するように供給さ
れる(図15参照)。そして、マスタシリンダ液圧Pm
が所定値PR2(約15kgf/cm)に達した時点
で、モータ電流が一定値となり、ΔPも一定値となる。
このようなコントロール液圧発生パターンは例えば後輪
用として用いることができる。
【0079】このようにマスタシリンダ液圧Pcを発生
させることにより、ΔPは最初0であり、マスタシリン
ダ液圧の上昇とともに徐々に増加して最終的に一定値と
なる。このような特性を採用すると、K2勾配の直線の
切片が、マスタシリンダ液圧Pmの上昇初期の所定期間
において変動する。すなわち、図12及び図13におけ
るK2勾配の直線はマスタシリンダ液圧の上昇とともに
右方向へ連続的にスライドし、最終的にはその時点の回
生制動力の最大値に相当する位置まで移動する。この結
果、液圧制御弁FCV(RCV)は、最初から所定の特
性で待ち構えているのではなく、ΔPの増加に追随する
形で、特性自体を変動させる。従って、初期の時点で
は、開弁状態にあり、その後の液圧制御の状態に入るの
が遅れる。また、液圧制御状態に入ると、ホイールシリ
ンダ液圧Pwは、K2勾配直線に沿って出力されようと
するため、過渡的に移動するK2勾配直線上の出力点の
軌跡によってK1勾配直線に近似した特性が描かれる。
従って、K1勾配を出力する液圧比例弁FPV(RP
V)を省略することも可能である。
【0080】次に、上記実施形態の液圧制御弁ユニット
3と類似した他の実施形態による液圧制御弁ユニット
を、図18に示すような、異なる配管構成の制動装置に
適用した場合について説明する。図18において、ブレ
ーキペダル1にはマスタシリンダ2が接続されており、
このマスタシリンダ2からの2系統の配管が、それぞれ
一対の液圧制御弁ユニット3と接続されている。図の左
側の液圧制御弁ユニット3Fは、コントロール液圧発生
部CV、前輪の両輪用の液圧弁装置FVを備えている。
一対の液圧弁装置FVはそれぞれ、前輪左側車輪用の液
圧制動装置4FL及び前輪右側用の液圧制動装置4FR
と接続されている。一方、図の右側の液圧制御弁ユニッ
ト3Rは、コントロール液圧発生部CV、後輪の両輪用
の液圧弁装置RVを備えている。一対の液圧弁装置RV
はそれぞれ、後輪左側車輪用の液圧制動装置4RL及び
後輪右側用の液圧制動装置4RRと接続されている。す
なわち、このブレーキ配管形態も、X配管である。マス
タシリンダ2からの一系統の配管には、液圧センサMS
が設けられている。当該車両は、前輪5FL及び5FR
を駆動輪、後輪5RL及び5RRを従動輪とする前輪駆
動車であり、前輪5FL及び5FRには駆動モータ6が
接続されている。
【0081】ブレーキコントローラ7は、上述の液圧セ
ンサMS及びブレーキペダル2が踏まれたことを検知す
るブレーキスイッチ8からの信号を受け取り、各液圧制
御弁ユニット3F及び3Rのコントロール液圧発生部C
Vに対して駆動信号を出力する。ブレーキコントローラ
7と接続されたシステムコントローラ9は、インバータ
10を制御し、駆動モータ6はこのインバータ10によ
って、任意の速度で駆動される。また、駆動モータ6
は、電力の回生により回生制動力を前輪5FL及び5F
Rに作用させる。
【0082】液圧制御弁ユニット3F及び3Rの基本的
な構成は図2に示した液圧制御弁ユニット3と同様であ
るが、1つの液圧制御弁ユニット3F(3R)内に一対
の液圧弁装置FV(RV)を備えていることが特徴であ
る。図10は、前輪側の液圧制御弁ユニット3Fの構造
を示した断面図である。図において、一対の液圧弁FV
は、それぞれ液圧制御弁FCV及び液圧比例弁FPVに
よって構成されている。また、液圧制御弁FCV及び液
圧比例弁FPVの出力は、前輪側の左右両輪のホイール
シリンダ液圧Pwとして供給される。後輪側の液圧制御
弁ユニット3Rも同様に構成されており(図示略)、一
対の液圧弁RVは、それぞれ液圧制御弁RCV及び液圧
比例弁RPVによって構成されている。また、液圧制御
弁RCV及び液圧比例弁RPVの出力は、後輪側の左右
両輪のホイールシリンダ液圧Pwとして供給される。
【0083】このようなX配管構成を有する制動装置に
おいては、一系統の配管の故障時に他系統の配管によ
り、前輪の一方及び後輪の一方が制動され、バランスを
崩すことなく、車両を停止させることができる。また、
図18の配管構成は、前輪側の液圧制御弁ユニット3F
と後輪側の液圧制御弁ユニット3Rとで、互いに別々の
コントロール液圧を発生させることができるという特徴
を有している。
【0084】図18の構成においては、前輪用、すなわ
ち液圧制御弁ユニット3Fのコントロール液圧発生部C
Vに与えるコントロール液圧発生パターンとして、図1
6に示す特性を与えても良い。これは、マスタシリンダ
液圧Pmが所定値PF2(30kgf/cm)に達す
るまで、マスタシリンダ液圧Pmの上昇割合より大きい
割合でコントロール液圧Pcが上昇するように、ΔPを
マスタシリンダPmの上昇初期の所定期間に増加させ、
その後一定値としたものである。この場合、前述の図1
5の場合と同様に、液圧比例弁FPVを省略することも
可能となる。
【0085】次に、上記実施形態の液圧制御弁ユニット
3と類似したさらに他の実施形態による液圧制御弁ユニ
ット3FRを、図19に示すような配管構成の制動装置
に適用した場合について説明する。図19において、ブ
レーキペダル1にはマスタシリンダ2が接続されてお
り、このマスタシリンダ2からの2系統の配管が、液圧
制御弁ユニット3FRと接続されている。この液圧制御
弁ユニット3FRは、コントロール液圧発生部CVと、
一対の液圧弁装置FVと、液圧センサCSとを備えてい
る。図の左側の液圧弁装置FVは、前輪左側車輪用の液
圧制動装置4FLと接続されているとともに、プロポー
ショニングバルブ(Pバルブ)PVを介して後輪右側用
の液圧制動装置4RRと接続されている。また、図の右
側の液圧弁装置FVは、前輪右側車輪用の液圧制動装置
4FRと接続されているとともに、プロポーショニング
バルブPVを介して後輪左側用の液圧制動装置4RLと
接続されている。すなわち、このブレーキ配管形態も、
X配管である。なお、マスタシリンダ2からの一系統の
配管には、液圧センサMSが設けられている。当該車両
は、前輪5FL及び5FRを駆動輪、後輪5RL及び5
RRを従動輪とする前輪駆動車であり、前輪5FL及び
5FRには駆動モータ6が接続されている。
【0086】上記液圧制御弁ユニット3FRは、図10
に示す液圧制御弁ユニット3Fから、一対の液圧比例弁
FPVを省略した構成(図示略)であり、液圧制御弁F
CVの出力をホイールシリンダ液圧Pwとするものであ
る。従って、図19における液圧弁装置FVとは、液圧
制御弁FCVに他ならない。一方、プロポーショニング
バルブPVは、入力液圧が所定値以上になると、後輪側
の液圧制動装置4RL及び4RRの液圧上昇勾配を抑え
る作用をする。
【0087】ブレーキコントローラ7は、上述の液圧セ
ンサMS及びブレーキペダル2が踏まれたことを検知す
るブレーキスイッチ8からの信号を受け取り、液圧制御
弁ユニット3FRのコントロール液圧発生部CVに対し
て駆動信号を出力する。ブレーキコントローラ7と接続
されたシステムコントローラ9は、インバータ10を制
御し、駆動モータ6はこのインバータ10によって、任
意の速度で駆動される。また、駆動モータ6は、電力の
回生により回生制動力を前輪5FL及び5FRに作用さ
せる。
【0088】図19の構成においては、図17及び図1
8の構成と異なり、液圧制御弁ユニット3FRは1個し
か設けられておらず、駆動輪用の液圧制動装置4FL及
び4FR並びに従動輪用の液圧制動装置4RL及び4R
Rが共に共通の液圧弁装置FV(液圧制御弁FCV)に
よって制御される。また、コントロール液圧発生部CV
に与えるコントロール液圧発生パターンとしては、図1
6に示す特性が与えられる。当該特性は前述のように、
マスタシリンダ液圧Pmが所定液圧PF2(30kgf
/cm)に達するまでに、ΔPを0から所定値にまで
増加させるものである。
【0089】図20は、上記液圧制御弁ユニット3FR
による、マスタシリンダ液圧Pmに対するホイールシリ
ンダ液圧Pwの関係を示すグラフである。マスタシリン
ダ液圧Pmが0から上昇し始めると、開弁状態の液圧制
御弁FCVを通じてホイールシリンダ液圧Pwはマスタ
シリンダ液圧Pmと同値で上昇する。マスタシリンダ液
圧Pmの上昇と共にΔPも0から増加し始め、折れ点P
1に相当するマスタシリンダ液圧に達したとき、液圧制
御弁FCVは液圧制御の状態となる。この折れ点P1に
到達するまでに、ホイールシリンダ液圧Pwが上昇して
おり、これにより、液圧制動装置4FL、4FR、4R
L及び4RRの無効ストロークを詰める無効圧を提供す
ることができる。続いて、折れ点P1からP2までは、
漸次増加するΔPの値に従って、勾配K2の直線が右方
向にスライドする。これに伴って出力点も折れ点P2ま
でスライドする。折れ点P2に相当するマスタシリンダ
液圧Pmに達したとき、ΔPは一定値となり、これ以降
は勾配K2で、マスタシリンダ液圧Pmの上昇に伴って
ホイールシリンダ液圧Pwが上昇する。
【0090】図19に示す制動装置においては、前後輪
に対して共通の液圧制御特性が適用されることから、前
後輪のブレーキ力配分は理想配分に比べて若干損なわれ
る。しかし、液圧制御弁ユニット3FRが1個であると
ともに、図10における液圧比例弁FPVが不要であ
り、構成が簡素である点で実用性に優れている。
【0091】なお、上記各実施形態においては、式
(6)に示すように、マスタシリンダ液圧Pmに所定値
ΔPを加えたものがコントロール液圧Pcであるとした
が、マスタシリンダ液圧Pmから所定値ΔPを減じるこ
とによってコントロール液圧Pcを得てもよい。また、
上記各実施形態において、コントロール液圧発生部CV
の駆動手段はモータ310等によって構成されたもので
あるが、他の駆動手段を採用することもできる。例え
ば、比例ソレノイドや、マスタシリンダに接続されるも
のと同様の構成としたバキュームブースタ若しくはハイ
ドロブースタ(油圧ブースタ)を用いることができる。
【0092】次に、図3に示した補償ピストン315等
を有する構成とは異なるストローク補償に関する構成に
ついて説明する。図21は、当該構成に係るストローク
補償ピストンを構成するバルブ組立体(以下、単にスト
ローク補償ピストンという。)SVの断面図である。こ
のストローク補償ピストンSVは、図3に示した補償ピ
ストン315、ばね316、取付蓋317及びロックナ
ット318の代わりに用いられる独立したバルブ組立体
である。図21において、ストローク補償ピストンSV
は、シリンダ401の内部に補償ピストン402と、差
圧ピストン403と、ポペット弁体404とを備えてい
る。
【0093】上記補償ピストン402は軸方向に(図示
の位置から右方向に)摺動可能であり、ばね座405を
介してセットスプリング406により図の左方へ付勢さ
れている。セットスプリング406の右端側は、シリン
ダ401に螺着された取付蓋407によって封止されて
おり、この取付蓋407はロックナット408によって
固定されている。補償ピストン402がセットスプリン
グ406に抗して右方向に摺動し、その右端部が取付蓋
407に当接したときが、フルストロークすなわちスト
ローク補償動作のボトミング状態である。従って、取付
蓋407の固定位置を変えることにより、図3に示した
構成の場合と同様に、補償液量を調整することができ
る。
【0094】一方、差圧ピストン403も所定範囲で軸
方向に摺動可能に取り付けられており、リターンスプリ
ング409によって図の左方に付勢されている。図22
は、図21における差圧ピストン403の周辺のみを取
り出して拡大した断面図である。図21及び図22を参
照して、リターンスプリング409の収められた液室Q
8は、マスタシリンダ液圧Pmが導入される入力ポート
401aと連通している。差圧ピストン403は、その
内部を軸方向に貫通する通路403pを有している。こ
の通路403pは、差圧ピストン403の右端側の、補
償ピストン402の左端面に接する液室Q9と連通して
いる。また、差圧ピストン403の左端側は、スリーブ
410の凹部410aに摺動自在に挿入されている。こ
の凹部410aの底面(図の左端面)と、これに面する
差圧ピストン403の左端部403aとの間には液室Q
10が形成されている。スリーブ410は、シリンダ4
01に螺着されたプラグ411によって固定されてい
る。プラグ411の左端部にはコントロール液圧Pcの
入力ポート411aが形成され、プラグの内部を貫通し
て設けられた通路411bと連通している。
【0095】上記通路411bの右端にはポペット弁体
404があり、このポペット弁体404はバルブスプリ
ング412によって右方に付勢されている。従って、図
示の状態において、ポペット弁体404は、差圧ピスト
ン403の左端部に形成された弁座403vに圧接して
いる。すなわち、ポペット弁体404と弁座403vと
による弁は、閉弁状態となっている。差圧ピストン40
3の通路403p内の液圧がバルブスプリング412の
付勢力を上回った場合は、ポペット弁体404が押され
て弁座403vから離れ、当該弁は開弁状態となる。プ
ラグ411と接するポペット弁体404の外周部の一部
には切欠部404aがあり、ここを通った油液が、スリ
ーブ410と差圧ピストン403との隙間を介して、液
室Q10に達する。
【0096】図23は、上記のように構成されたストロ
ーク補償ピストンSVを有する電気自動車の制動装置の
一実施形態を示す接続図である。当該構成は、図19に
示した構成と類似したものであり、共通の部分について
の説明は省略する。図において、ストローク補償ピスト
ンSVには、マスタシリンダ2の一系統からマスタシリ
ンダ液圧Pmと、コントロール液圧発生部CVにおいて
発生させたコントロール液圧Pcとが供給される。
【0097】次に、上記のように構成されたストローク
補償ピストンSVの動作について図21及び図22を参
照して説明する。図22において、差圧ピストン403
にかかる力は、液室Q10に面した左端部403aにか
かるコントロール液圧Pc、液室Q8に面した鍔部40
3bにかかるマスタシリンダ液圧Pm及びリターンスプ
リング409のばね力Fs、並びに、液室Q9に面した
右端部403cにかかる液圧Px(未知数)である。従
って、上記左端部403a、鍔部403b及び右端部4
03cの有効受圧面積をそれぞれ、Sa、Sb及びSc
とすれば、ミータリング状態の差圧ピストン403にか
かる力の釣り合いの関係により、以下の式が成り立つ。
【0098】 Sa・Pc=Sb・Pm+Fs+Sc・Px ...(18) ここで、Sa、Sb及びScは互いに等しくなるように
設計されている。従って、Sb=Sa、Sc=Saとす
れば、上記式(18)は、 Sa・Pc=Sa(Pm+Px)+Fs ...(19) となる。また、ばね力Fsは液圧に比べて相対的に小さ
いため無視することができる。従って、 Sa・Pc=Sa(Pm+Px) となり、両辺をSaで割ると、 Pc=Pm+Px、すなわち、Px=Pc−Pm ...(20) の関係が得られる。ここで、前述の式(6)より、Pc
−Pm=ΔPであるから、結局、Px=ΔPとなる。す
なわち、液室Q9に生じる液圧Pxは、コントロール液
圧Pcからマスタシリンダ液圧Pmを取り除いたΔPで
ある。従って、補償ピストン402は、ΔPのみに応じ
て駆動され、駆動量に応じた液量及び液圧が消費され
る。
【0099】こうして、回生制動力に応じて変化するΔ
Pのみにより補償ピストン402が駆動され、回生制動
力を液圧制動力として発生させたならば消費されるであ
ろう液量及び液圧が模擬的に吸収される。一方、ブレー
キペダル1(図23)が戻されると、コントロール液圧
Pcが低下するため、吸収された液量及び液圧によりポ
ペット弁体404が弁座403vから離反して開弁状態
となり、通路411bを通って油液が戻される。
【0100】上記のようなストローク補償ピストンSV
の構成によれば、補償ピストン402の動作にマスタシ
リンダ液圧Pmが最終的に関与していないので、所定の
ΔPが発生していないとき、例えばブレーキ操作初期か
ら液圧制動力のみで制動する場合に、補償ピストン40
2は実質的に作動しない。これにより、このような液圧
制動のみの場合に、いわゆるブレーキペダルの踏み抜け
感が生じない。また、液圧制動のみの場合と、回生制動
を併用する場合とで、ペダルストロークの差が生じな
い。従って、ペダルストロークの差に基づくブレーキ操
作の違和感がない。
【0101】
【発明の効果】以上のように構成された本発明は以下の
効果を奏する。請求項1の電気自動車の制動装置によれ
ば、液圧制御弁は、アクチュエータ等によって直接駆動
されるものではなく、回生制動力に対応して発生したコ
ントロール液圧を制御室に受けて制御され、所定値△P
をパラメータとした液圧制御特性に基づいて出力液圧を
発生させるものである。従って、回生制動力に応じた液
圧制御が行われ、回生制動力を有効に活用することがで
きるとともに、コントロール液圧を複数の液圧制御弁に
供給すれば、1つのコントロール液圧発生部によって複
数の液圧制御弁を制御することができる。特に、X配管
車両において、左右前輪の液圧制動装置を液圧制御する
場合には、1つのコントロール液圧発生部によって各液
圧制御弁を制御することができる。また、液圧制御弁
は、入力室と出力室とを連通する通路を有する構成とな
っているので、入力液圧と出力液圧との関係によって開
弁する。従って、別途パイロット室や、バイパス通路を
設ける必要がなく、そのための配管等を不要として、構
成を簡略化することができる。
【0102】請求項2の電気自動車の制動装置によれ
ば、液圧制御弁は、ばねの付勢に抗する力がない場合に
は、常に開弁状態を維持するので、何らかの異常が発生
しても、入力液圧がそのまま液圧制動装置に供給され
る。従って、フェイルセーフが確保される。また、開弁
状態の液圧制御弁は、液圧制動装置内の液圧を逃がすバ
イパス通路の役目を果たすので、別途バイパス通路を設
ける必要がない。
【0103】請求項3の電気自動車の制動装置によれ
ば、マスタシリンダからの入力液圧が低下して、入出力
間の圧力差が大きくなると、逆止弁体の作用により、液
圧制動装置からマスタシリンダ側へ液の戻りが生じる。
従って、液の戻りのために別途バイパス通路を設ける必
要がない。
【0104】請求項4の電気自動車の制動装置によれ
ば、液圧制御弁の出力液圧により、全制動力のうち回生
制動力の負担分を除く、残りの所要制動力が液圧によっ
て負担されるので、入力液圧の上昇後も回生制動力を有
効に活用することができる。
【0105】請求項5の電気自動車の制動装置によれ
ば、回生制動力が付与されない従動輪に対して、入力液
圧より高い割合での昇圧により、回生制動力を考慮して
抑制された液圧制動力が、入力液圧の増加とともに回生
制動力を考慮しないレベルに追いつく。従って、理想的
なブレーキ力配分を容易に得ることができる。
【0106】請求項6の電気自動車の制動装置によれ
ば、2以上の液圧制御弁が、1つのコントロール液圧発
生部により制御されるので、いわゆるアクチュエータの
数を低減することができる。
【0107】請求項7の電気自動車の制動装置によれ
ば、駆動輪に関しては、液圧制御弁の出力液圧により、
全制動力のうち所定の割合の制動力が液圧によって負担
される。回生制動力が付与されない従動輪に対しては、
入力液圧より高い割合での昇圧により、回生制動力を考
慮して抑制された液圧制動力が、入力液圧の増加ととも
に回生制動力を考慮しないレベルに追いつく。従って、
回生制動力を有効に活用することができるとともに、理
想的なブレーキ力配分を容易に得ることができる。
【0108】請求項8の電気自動車の制動装置によれ
ば、従動輪の液圧が駆動輪の液圧より早期に立ち上がる
ので、回生制動力が直接作用しない従動輪の液圧制動力
を早期に立ち上げて、理想的なブレーキ力配分を得るこ
とができる。
【0109】請求項9の電気自動車の制動装置によれ
ば、出力液圧が無効圧に達するまでは、液圧比例弁によ
る減圧が行われることなく、液圧制動装置の無効ストロ
ークが詰められるので、液圧制動開始時のブレーキスト
ロークの違和感を解消することができる。
【0110】請求項10の電気自動車の制動装置によれ
ば、駆動手段と制御ピストンとによって、所要のコント
ロール液圧が発生するので、液圧ポンプが搭載されてい
ない車両においても、コントロール液圧を発生させるこ
とができる。
【0111】請求項11の電気自動車の制動装置によれ
ば、回生制動力に応じた入力を供給することによって、
モータの駆動力は変化するので、駆動力の制御が容易で
ある。
【0112】請求項12の電気自動車の制動装置によれ
ば、駆動手段の故障等が発生した場合、制御ピストン戻
し機構により、駆動手段の摺動抵抗に打ち勝って制御ピ
ストンが戻されるので、コントロール液圧の残圧が生じ
ることを防止することができる。
【0113】請求項13の電気自動車の制動装置によれ
ば、液圧センサによって、コントロール液圧が直接検出
されるので、コントロール液圧の検出精度を高めること
ができる。また、コントロール液圧の異常検出により駆
動手段の作動を停止させることができるため、フェール
セーフを確保することができる。
【0114】請求項14の電気自動車の制動装置によれ
ば、液圧制御弁は、コントロール液圧を受けて早期に液
圧制御を行うので、制御遅れを防止して、迅速な制御を
行うことができる。
【0115】請求項15の電気自動車の制動装置によれ
ば、液圧制御弁は、コントロール液圧を受けて徐々に閉
弁状態となり、その間に液圧制動装置の無効ストローク
が詰められるので、液圧制動開始時にブレーキストロー
クの違和感が生じるのを防止することができる。この結
果、液圧制御弁に、いわゆる液圧比例弁の機能を持た
せ、液圧比例弁を省略することができる。
【0116】請求項16の電気自動車の制動装置によれ
ば、液圧制御弁は、アクチュエータ等によって直接駆動
されるものではなく、回生制動力に対応して発生したコ
ントロール液圧を制御室に受けて制御され、所定値△P
をパラメータとした液圧制御特性に基づいて出力液圧を
制御するものである。従って、回生制動力に応じた液圧
制御が行われ、回生制動力を有効に活用することができ
るとともに、コントロール液圧を複数の液圧制御弁に供
給すれば、1つのコントロール液圧発生部によって複数
の液圧制御弁を制御することができる。特に、X配管車
両において、左右前輪の液圧制動装置を液圧制御する場
合には、1つのコントロール液圧発生部によって各液圧
制御弁を制御することができる。また、液圧制御弁は、
入力室と出力室とを連通する通路を有する構成となって
いるので、入力液圧と出力液圧との関係によって開弁す
る。従って、別途パイロット室や、バイパス通路を設け
る必要がなく、そのための配管等を不要として、構成を
簡略化することができる。また、ストローク補償ピスト
ンは、回生制動時のブレーキストロークを消費するの
で、回生制動時のブレーキストロークの違和感を解消す
ることができる。回生制動力が失効する(故障を含む)
に伴って前記駆動力が低減されると、制御ピストンが他
側のコントロール液圧(Pm+ΔP)により戻される。
制御ピストンが戻されると、ストローク補償ピストンも
これに追従して、制御ピストン側の液量がマスタシリン
ダ側に戻され、この液量が液圧制動装置に供給される。
従って、回生制動から液圧制動への移行時においてもブ
レーキストロークの違和感を解消することができる。
【0117】請求項17の電気自動車の制動装置によれ
ば、回生制動力が最大の場合にストローク補償ピストン
がフルストロークとなって、ボトミング圧に達するの
で、任意の回生制動力に対して、相応のストロークで液
量を消費することができる。
【0118】請求項18の電気自動車の制動装置によれ
ば、液量調節機構により任意の液量を設定することが可
能になるので、液圧制動装置の種類や数量に応じて補償
液量を適正に調節することができる。
【0119】請求項19の電気自動車の制動装置によれ
ば、液圧制動装置の数や液量消費特性に応じた補償液量
で、適切な補償がなされるので、ブレーキストロークの
違和感を解消することができる。
【0120】請求項20の電気自動車の制動装置によれ
ば、補償ピストンはマスタシリンダ液圧Pmの影響を直
接受けることなく、ΔPのみによって作動するので、回
生制動力が使用されない場合に補償ピストンが動作する
ことによる不要なストローク補償動作が防止される。従
って、液圧制動のみの場合と、回生制動を併用する場合
とで、ペダルストロークの差が生じず、ペダルストロー
クの差に基づくブレーキ操作の違和感がない。
【0121】請求項21の電気自動車の制動装置によれ
ば、回生制動力に応じた入力を供給することによって、
モータの駆動力を容易に、かつ、自在に変化させること
ができる。
【0122】請求項22の電気自動車の制動装置によれ
ば、貫通路を通って所定の液量が制御ピストンの他方側
に供給されるので、制御ピストンの他方側の液量を確保
するための配管やポートを省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電気自動車の制動装置における液圧制
御弁ユニットの一実施形態を示す水平断面図であり、最
大回生制動時の状態を示す。
【図2】上記液圧制御弁ユニットの水平断面図であり、
回生制動オフの状態を示す。
【図3】上記液圧制御弁ユニットの垂直断面図であり、
回生制動オフの状態を示す。
【図4】上記液圧制御弁ユニットを構成するコントロー
ル液圧発生部の水平断面図であり、開弁状態を示す。
【図5】上記液圧制御弁ユニットを構成する液圧比例弁
の水平断面図であり、開弁状態を示す。
【図6】上記液圧制御弁ユニットを構成する液圧制御弁
の水平断面図であり、開弁状態を示す。
【図7】上記液圧制御弁ユニットを構成するコントロー
ル液圧発生部の水平断面図であり、閉弁状態を示す。
【図8】上記液圧制御弁ユニットを構成する液圧比例弁
の水平断面図であり、閉弁状態を示す。
【図9】上記液圧制御弁ユニットを構成する液圧制御弁
の水平断面図であり、閉弁状態を示す。
【図10】本発明の電気自動車の制動装置における液圧
制御弁ユニットの他の実施形態を示す水平断面図であ
り、最大回生制動時の状態を示す。
【図11】本発明の電気自動車の制動装置における液圧
制御弁ユニットによるマスタシリンダ液圧と車両減速度
との関係を示すグラフである。
【図12】本発明の電気自動車の制動装置における液圧
制御弁ユニットによるマスタシリンダ液圧とホイールシ
リンダ液圧との関係を示すグラフである。
【図13】本発明の電気自動車の制動装置における液圧
制御弁ユニットによるマスタシリンダ液圧とホイールシ
リンダ液圧との関係を示すグラフである。
【図14】本発明の電気自動車の制動装置における液圧
制御弁ユニットによるコントロール液圧発生パターンの
一例を示すグラフである。
【図15】本発明の電気自動車の制動装置における液圧
制御弁ユニットによるコントロール液圧発生パターンの
他の例を示すグラフである。
【図16】本発明の電気自動車の制動装置における液圧
制御弁ユニットによるコントロール液圧発生パターンの
さらに他の例を示すグラフである。
【図17】本発明における電気自動車の制動装置の一実
施形態を示す接続図である。
【図18】本発明における電気自動車の制動装置の他の
実施形態を示す接続図である。
【図19】本発明における電気自動車の制動装置のさら
に他の実施形態を示す接続図である。
【図20】図19に示す制動装置における液圧制御弁ユ
ニットによるマスタシリンダ液圧とホイールシリンダ液
圧との関係を示すグラフである。
【図21】ストローク補償に関する他の構成に係るスト
ローク補償ピストンの断面図である。
【図22】図21における差圧ピストンの周辺のみを取
り出して拡大した断面図である。
【図23】図21のように構成されたストローク補償ピ
ストンを有する電気自動車の制動装置の一実施形態を示
す接続図である。
【符号の説明】
2 マスタシリンダ 3,3F,3R,3FR 液圧制御弁ユニット 4RR,4FL,4FR,4RL 液圧制動装置 5RR 後輪(右) 5FL 前輪(左) 5FR 前輪(右) 5RL 後輪(左) 302 制御ピストン 302b 軸孔 305 リターンスプリング 308 弁体 309 ロッド 310 モータ 313 ナット部材 315 補償ピストン 317 取付蓋 318 ロックナット 331a 連絡孔 331b ばね受け部 334 弁体 335 弁座 336 ばね 402 補償ピストン 403 差圧ピストン 404 ポペット弁体 CS 液圧センサ CV コントロール液圧発生部 FCV,RCV 液圧制御弁 FPV,RPV 液圧比例弁 Q5,Q6,Q7 液室 SV ストローク補償ピストン

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ操作により、駆動輪に設けられた
    駆動モータの回生制動力を発生させるとともに、必要な
    制動力に対する不足分を、駆動輪又は従動輪に設けられ
    た液圧制動装置により液圧制動力として発生させる電気
    自動車の制動装置において、 前記回生制動力に対応した所定値△Pを増減されるコン
    トロール液圧を発生するコントロール液圧発生部と、 マスタシリンダと液圧制動装置との間に設けられ、この
    マスタシリンダからの入力液圧を開弁付勢力として受け
    る入力室と、この入力室と通路を介して連通されるとと
    もに、前記液圧制動装置への出力液圧を閉弁付勢力とし
    て受ける出力室と、前記入力室及び前記出力室に対して
    隔離されるとともに、前記コントロール液圧を受けて閉
    弁付勢力を発生させる制御室と、前記開弁付勢力及び前
    記閉弁付勢力に基づいて前記通路を開閉する弁部とを有
    し、前記コントロール液圧を受けて前記通路を閉じると
    ともに、前記所定値△Pをパラメータとした液圧制御特
    性に基づいて出力液圧を発生させる液圧制御弁とを備え
    たことを特徴とする電気自動車の制動装置。
  2. 【請求項2】前記液圧制御弁は、開弁方向に付勢するば
    ねを有することを特徴とする請求項1記載の電気自動車
    の制動装置。
  3. 【請求項3】前記液圧制御弁は、前記液圧制動装置から
    前記マスタシリンダ側への液流を許容する逆止弁体を有
    することを特徴とする請求項1記載の電気自動車の制動
    装置。
  4. 【請求項4】前記液圧制御弁は、駆動輪に対応して設け
    られ、液圧制御時に入力液圧と同じ割合で出力液圧が昇
    圧することを特徴とする請求項1記載の電気自動車の制
    動装置。
  5. 【請求項5】前記液圧制御弁は、駆動輪及び従動輪に対
    応して設けられ、従動輪に対応する液圧制御弁は、液圧
    制御時に入力液圧より高い割合で出力液圧が昇圧するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電気自動車の制動装置。
  6. 【請求項6】前記液圧制御弁は、1つの前記コントロー
    ル液圧発生部に対して2以上設けられることを特徴とす
    る請求項1記載の電気自動車の制動装置。
  7. 【請求項7】前記液圧制御弁は、閉弁すると入力液圧と
    同じ割合で出力液圧が昇圧する駆動輪用の液圧制御弁
    と、閉弁すると入力液圧より高い割合で出力液圧が昇圧
    する従動輪用の液圧制御弁とが、1つの前記コントロー
    ル液圧発生部に対して設けられたものであることを特徴
    とする請求項1記載の電気自動車の制動装置。
  8. 【請求項8】従動輪用の液圧制御弁は、駆動輪用の液圧
    制御弁より、入力液圧の上昇に対して早期に開弁するこ
    とを特徴とする請求項7記載の電気自動車の制動装置。
  9. 【請求項9】前記液圧制御弁と並列に設けられ、出力液
    圧が前記液圧制動装置の無効圧に達すると、入力液圧を
    所定割合に減圧して出力する液圧比例弁を備えたことを
    特徴とする請求項1記載の電気自動車の制動装置。
  10. 【請求項10】前記コントロール液圧発生部は、回生制
    動力に応じた駆動力を発生する駆動手段と、この駆動力
    を受けてコントロール液圧を発生する制御ピストンとを
    有することを特徴とする請求項1記載の電気自動車の制
    動装置。
  11. 【請求項11】前記駆動手段は、前記制御ピストンに駆
    動力を伝達する直流モータであることを特徴とする請求
    項10記載の電気自動車の制動装置。
  12. 【請求項12】前記コントロール液圧発生部は、前記駆
    動手段の摺動抵抗より大きい付勢力を有する制御ピスト
    ン戻し機構を有することを特徴とする請求項10記載の
    電気自動車の制動装置。
  13. 【請求項13】前記コントロール液圧発生部には、コン
    トロール液圧を検出するための液圧センサが設けられて
    いることを特徴とする請求項10記載の電気自動車の制
    動装置。
  14. 【請求項14】前記コントロール液圧発生部は、ブレー
    キ操作が行われると、前記所定値ΔPを、そのとき最大
    限出力可能な回生制限値に対応する値として、コントロ
    ール液圧を発生させることを特徴とする請求項1記載の
    電気自動車の制動装置。
  15. 【請求項15】前記コントロール液圧発生部は、ブレー
    キ操作が行われると、前記所定値ΔPが、そのとき最大
    限出力可能な回生制限値に対応する値に達するまで、前
    記入力液圧の上昇割合以上の勾配で当該所定値ΔPを増
    加させることにより、コントロール液圧を発生させるこ
    とを特徴とする請求項1記載の電気自動車の制動装置。
  16. 【請求項16】ブレーキ操作により、駆動輪に設けられ
    た駆動モータの回生制動力を発生させるとともに、必要
    な制動力に対する不足分を、駆動輪又は従動輪に設けら
    れた液圧制動装置により液圧制動力として発生させる電
    気自動車の制動装置において、前記回生制動力に対応し
    た駆動力を発生する駆動手段と、一方側でこの駆動力及
    びマスタシリンダからの入力液圧Pmを受けて、他方側
    で前記入力液圧に、前記駆動力に対応する所定値△Pを
    付加したコントロール液圧(Pm+ΔP)を発生する制
    御ピストンとを有するコントロール液圧発生部と、 前記制御ピストンの他方側に接続され、前記回生制動力
    を液圧制動力として発生させる際に必要となる液量及び
    液圧を消費するストローク補償ピストンと、前記マスタ
    シリンダと液圧制動装置との間に設けられ、前記コント
    ロール液圧を受けて前記マスタシリンダと前記液圧制動
    装置との間の通路を閉じるとともに、前記所定値△Pを
    パラメータとした液圧制御特性に基づいて出力液圧を発
    生させる液圧制御弁とを備えたことを特徴とする電気自
    動車の制動装置。
  17. 【請求項17】前記ストローク補償ピストンは、最大回
    生制動力相当の液量を消費すると、フルストロークに達
    することを特徴とする請求項16記載の電気自動車の制
    動装置。
  18. 【請求項18】前記ストローク補償ピストンは、液量調
    節機構を有することを特徴とする請求項16記載の電気
    自動車の制動装置。
  19. 【請求項19】前記ストローク補償ピストンは、前記液
    圧制御弁によって制御される液圧制動装置の数、及び、
    その液量消費特性に基づいて補償量を決定されることを
    特徴とする請求項18記載の電気自動車の制動装置。
  20. 【請求項20】前記ストローク補償ピストンは、前記コ
    ントロール液圧(Pm+ΔP)を受けるとともに、マス
    タシリンダからの入力液圧Pmを受けて、その差圧ΔP
    を出力する差圧ピストンを有し、この差圧ピストンの出
    力側に、当該差圧ΔPに基づいて前記回生制動力を液圧
    制動力として発生させる際に必要となる液量及び液圧を
    消費すべく作動する補償ピストンを有することを特徴と
    する請求項16記載の電気自動車の制動装置。
  21. 【請求項21】前記コントロール液圧発生部の前記駆動
    手段は、直流モータであることを特徴とする請求項16
    記載の電気自動車の制動装置。
  22. 【請求項22】前記コントロール液圧発生部の前記制御
    ピストンは、一方側と他方側とを連通させる貫通路と、
    この貫通路を作動時に閉じる弁体とを有することを特徴
    とする請求項16記載の電気自動車の制動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008037210A (ja) * 2006-08-03 2008-02-21 Toyota Motor Corp 走行装置及び走行装置の制動制御方法
JP2011056969A (ja) * 2009-09-04 2011-03-24 Toyota Motor Corp ブレーキ制御装置

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