JP2000057733A - 磁気ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャッター部材の装着時におけるケースの削
れ防止を行う。 【解決手段】 上シェル２と下シェル３によるケースＣ
内に円盤状の磁気ディスクメディア６を回転可能に収容
し、ケースＣの磁気ヘッド挿入用開口11を開閉するシャ
ッター部材４にガイド爪部44，45を設ける一方、ケース
Ｃにはガイド爪部44，45が摺動するガイド溝12，13を設
け、このガイド溝12，13の前方におけるケース表面に前
記ガイド爪部44，45を案内するテーパー面17を、ケース
前端面の凹部19に跨って形成してなり、この凹凸部のテ
ーパー面17a，17bの始まる前端面の高さ位置Ｈを同一に
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスクメデ
ィアをケース内に収容してなり、この磁気ディスクメデ
ィアを回転させて磁気記録再生に利用する磁気ディスク
カートリッジに関するものであり、特に詳細には、その
シャッター部材のケースへの装着時の削れ防止構造に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、フレキシブルなポリエステル
シート等からなる円盤状のベースの両面に磁性体層が形
成され、回転駆動されながら磁気ヘッドにより上記磁性
体層に磁気記録がなされる磁気ディスク（いわゆるフロ
ッピー・ディスク）を扁平ケース内に収容した磁気ディ
スクカートリッジが提供され、その取扱いの容易性、低
コストといった利点から、主としてコンピュータ用の記
録媒体として用いられている。

【０００３】また、上記磁気ディスクカートリッジにお
いては、ケースに磁気ヘッド挿入用の開口およびこれを
開閉するシャッター部材が設けられ、このシャッター部
材は弾性部材によって磁気ヘッド挿入用開口を閉じる方
向に付勢されている。

【０００４】一方、前記シャッター部材には内側に突出
する複数のガイド爪部が設けられ、ケースの先端部近傍
には上記シャッター部材のガイド爪部が挿入されるガイ
ド溝がカートリッジ挿入方向と略直交する方向に延びて
設けられている。そして、上記ガイド爪部がガイド溝に
沿って移動することでシャッター部材の開閉動作及び開
閉位置規則を行うと共に、ガイド爪部とガイド溝の係合
でシャッター部材がケースから外れないように保持して
いる。

【０００５】さらに、前記ガイド溝の前方におけるケー
ス表面には、前記シャッター部材の装着時にガイド爪部
を案内するテーパー面を設け、ガイド溝への係合が容易
に行えるようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかして、前述のよう
なテーパー面を形成したケースに対してシャッター部材
を装着する際に、このシャッター部材のガイド爪部の先
端部によりケース表面に削れが発生する問題がある。

【０００７】前記シャッター部材の形成は、金属製のも
のが遮蔽機能等の面で好ましいが、硬質であることで合
成樹脂成形品であるケースとの間で削れが発生する。特
に、シャッター部材を開閉作動する操作部材をシャッタ
ー部材の端部に係合させて移動するために、前述のケー
スの前端面の一部に凹部が形成されている。そして、こ
のケースの前端面が凹凸形状となっている部分に、前述
のガイド爪部を案内するテーパー面を跨って形成する場
合に、テーパー面の傾斜角度を同一に設けていると、ガ
イド爪部の先端部が短いテーパー面の先端部に干渉して
このケース先端面のテーパー面角部を削る恐れがある。
一方、テーパー面を前端面の凹部を避けて設けると、シ
ャッター部材を装着し得る範囲が狭くなり作業性が低下
する。

【０００８】また、硬質金属板で構成したシャッター部
材においては、ガイド爪部の先端の角部が尖っていると
上記削れが発生しやすくなっている。

【０００９】そこで本発明は上記点に鑑みてなされたも
のであり、シャッター部材をケースに装着する際のシャ
ッター部材のガイド爪部によるケースの削れを防止する
ようにした磁気ディスクカートリッジを提供せんとする
ものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の磁気ディスクカートリッジは、上シェルと下シェル
の接合により形成されるケース内に、円盤状の磁気ディ
スクメディアを回転可能に収容すると共に、このケース
に磁気ヘッド挿入用開口と、該磁気ヘッド挿入用開口を
開閉するシャッター部材とが設けられ、前記シャッター
部材に内側に突出する複数のガイド爪部を設ける一方、
前記ケースの前端部近傍に、前記ガイド爪部が挿入され
て前記シャッター部材の開閉移動をガイドするガイド溝
を設けると共に、前記ガイド溝の前方におけるケース表
面に前記シャッター部材のガイド爪部を案内するテーパ
ー面を形成してなり、該テーパー面がケース前端面の凹
凸部に跨って形成され、この凹凸部のテーパー面の始ま
る前端面の高さ位置を同一にしたことを特徴とするもの
である。

【００１１】また、前記シャッター部材のガイド爪部の
先端部の装着先端側をＲ面に形成するのが好適である。

【００１２】

【発明の効果】上記のような本発明によれば、ケースの
前端面に形成された凹凸形状に跨って形成するテーパー
面の前端面側の高さ位置を同一としたことにより、シャ
ッター部材を装着する際にそのガイド爪部がテーパー面
のいずれの部分に当接しても、ガイド爪部の先端部は同
じ高さのテーパー面に当接することでテーパー面角部を
削ることなくテーパー面に沿ってガイド爪部を移動させ
てガイド溝に挿入係合することができ、装着範囲が広く
なって組み付け作業が容易となる。

【００１３】特に、シャッター部材のガイド爪部の先端
をＲ面としたものでは、さらにケースの削れを防止する
ことができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいて本発明を詳細に説明する。図１は一例の磁気ディ
スクカートリッジのシャッター部材を取り外した状態の
底面図、図２はその底面先端部の要部平面図、図３は図
２のＡ−Ａ線に沿う断面図をシャッター部材の断面図と
共に示している。なお、各図は使用状態の磁気ディスク
カートリッジとは上下位置が逆であり、下記説明の上下
は使用状態での上下で表している。

【００１５】磁気ディスクカートリッジ１は、例えばア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体のよう
な合成樹脂から形成された上シェル２と下シェル３とを
それぞれの内面を蓋合わせ状に固着されてなる扁平ケー
スＣ（ハードケース）内に、中央部がセンターコア部材
５に取り付けられて保持された円盤状の磁気ディスクメ
ディア６が回転自在に収容されている。上記センターコ
ア部材５は、ケースＣ下面に開口したハブ孔１５に臨
み、ドライブ装置（図示せず）の回転スピンドルと磁気
的に係合し回転力を磁気ディスクメディア６に伝える。
この磁気ディスクメディア６は、フレキシブルなポリエ
ステルシート等からなる円盤状のベースの両面に磁性体
層が形成されたものである。

【００１６】前記ケースＣの下面および上面には前端か
ら中心部に矩形状に延びる磁気ヘッド挿入用開口１１が
設けられる。このケースＣの前部には上記磁気ヘッド挿
入用開口１１を開閉するために、図中左右方向に滑動自
在とされたシャッター部材４が組み付けられる。このシ
ャッター部材４の摺動範囲のケースＣの表面には、浅い
摺動溝１４が形成される。

【００１７】上記シャッター部材４は、例えばステンレ
ス鋼板もしくはアルミニウム板等の金属板製であり、ケ
ースＣの前部の下面を覆う下面板部４１と上面を覆う上
面板部４３（図３参照）とが、ケース前端面を覆う連結
板部４２によって連結されて断面コ字状に形成されてい
る。前記下面板部４１は平面形状が略Ｔ字状に形成さ
れ、前記ケースＣの前端面に沿う前枠部４１ａと前記磁
気ヘッド挿入用開口１１を閉塞するカバー部４１ｂとを
有している。なお、上面板部４３の平面形状は図示して
いないが、上記下面板部４１と略同形状（前枠部の前後
方向幅が狭い）に設けられている。

【００１８】また、前記シャッター部材４の下面板部４
１の前枠部４１ａの両端には、内側に面板部４１と直交
方向に屈曲して突出する２つのガイド爪部４４，４５が
それぞれ設けられている。さらに、シャッター部材４の
連結板部４２の内面には、一方（図で右側）のガイド爪
部４５の近傍に、内方に突出する係合部４６が設けられ
る。前記ガイド爪部４４，４５の先端部４４ａ（図３参
照）は、連結板部４２から離れた装着先端側が曲面状の
Ｒ面に形成されている。このＲ面の形成は、例えば、打
抜時の打抜方向をシャッター部材４の外面となる方向か
ら行うことによって得られるし、さらに折曲加工、研削
加工を施してもよい。

【００１９】一方、前記ケースＣ内には、前記シャッタ
ー部材４が図１で右方向の開方向へ移動したときに接近
する前部コーナー部に、細径コイルバネによる弾性部材
７が配設される。この弾性部材７は湾曲状態で装着さ
れ、ケースＣの前端面に開口されたスリット状開口（図
示せず）を通して一端が前記シャッター部材４の係合部
４６に係合され、他端はケースＣに係止される。そし
て、上記シャッター部材４は弾性部材７により閉方向に
付勢され、常時は面板部４１，４３のカバー部４１ｂが
各磁気ヘッド挿入用開口１１を閉塞している。

【００２０】前記弾性部材７の配設位置と反対側のケー
スＣの前端面には、前記シャッター部材４の一端部に係
止して該シャッター部材４を開閉作動する図示しない操
作部材が移動する範囲に凹部１９が設けられ、上下シェ
ル２，３の前壁はこの凹部１９の形状に対応する凹凸形
状に形成されている。

【００２１】また、前記シャッター部材４のガイド爪部
４４，４５に対応して前記ケースＣ下面の下シェル３の
前端部には、上記ガイド爪部４４，４５がそれぞれ摺動
する凹溝状のガイド溝１２，１３が横方向に延びて、磁
気ヘッド挿入用開口１１の両側に形成されている。

【００２２】さらに、前記ガイド溝１２，１３の前方に
おける下シェル３前縁部には、前端面から前記ガイド爪
部４４，４５のガイド溝１２，１３への係合を容易とす
るためのテーパー面１７，１８がそれぞれ形成されてい
る。このテーパー面１７，１８は、シャッター部材４を
全開位置近傍で装着するよう、そのガイド爪部４４，４
５の位置に対応した範囲に形成している。そして、弾性
部材７から離れた部分のテーパー面１７は前記凹部１９
とその側方の前端面との凹凸部に跨って形成されてい
る。なお、前記テーパー面１７，１８の形成範囲は、図
示の場合よりさらに広い範囲に形成してもよい。

【００２３】図２は上記テーパー面１７の部分を拡大図
示するものであり、このテーパー面１７は前記凹部１９
に跨って形成されることで、その前端部の平面的開始位
置が異なるが、長いテーパー面１７ａと凹部１９の短い
テーパー面１７ｂとは開始位置の高さ位置Ｈが、図３に
示すように同一に形成されている。

【００２４】つまり、長いテーパー面１７ａは傾斜角度
は小さく、短いテーパー面１７ｂの傾斜角度はこれより
急に形成されている。なお、通常の設計においては、上
記テーパー面１７は長いテーパー面１７ａと短いテーパ
ー面１７ｂの傾斜角度が同一に形成され、テーパー面開
始部の高さが短いテーパー面１７ｂで高くなっている。

【００２５】また、前記テーパー面１７の近傍部分にお
けるケースＣの前端面には、下シェル３の前壁が除去さ
れてスリット状開口１６が設けられ、テーパー面１７形
成部の剛性が低下されている。

【００２６】前記テーパー面１７，１８の形成により、
ケースＣの前端部への前方からのシャッター部材４の装
着は、そのガイド爪部４４，４５の先端部が上記テーパ
ー面１７，１８に当接し、さらにシャッター部材４を押
し込むとこのテーパー面１７，１８は押圧力を受けて前
記スリット状開口１６を狭めるように変形し、ガイド爪
部４４，４５はテーパー面１７，１８を乗り越えてそれ
ぞれガイド溝１２，１３に係合される。

【００２７】その際、一方のガイド爪部４４の位置が、
短いテーパー面１７ｂを乗り越える場合には、長いテー
パー面１７ａと同じ高さ位置の先端部にガイド爪部４４
の先端部が当接してこのテーパー面１７ｂ上を移動する
ことで、下シェル３の先端角部を削ることなく装着でき
る。

【００２８】なお、前記ケースＣ、シャッター部材４、
磁気ディスクメディア６、センターコア部材５等の形態
は、記録容量の変更に対応して他の記録容量のものとの
識別性等を得るために互換性を維持できる範囲において
適宜変更されるものであり、これらの変更に対応して本
発明は適用可能である。例えば、前記シャッター部材４
の面板部４１，４３は矩形平板状に設けて、開位置でケ
ースＣの磁気ヘッド挿入用開口１１を開放する窓部を有
する構造に構成してもよく、また、前記弾性部材７には
トーションばねを使用し、その捩り弾性力でシャッター
部材４を付勢してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一つの実施の形態による磁気ディスク
カートリッジのシャッター部材を取り外した状態の底面
図

【図２】ケースの要部底面拡大図

【図３】シャッター部材の断面を併記した図２のＡ−Ａ
断面図

【符号の説明】

１ 磁気ディスクカートリッジ Ｃ ケース ２ 上シェル ３ 下シェル ４ シャッター部材 ６ 磁気ディスクメディア ７ 弾性部材 １１ 磁気ヘッド挿入用開口 １２，１３ ガイド溝 １６ スリット状開口 １７，１８ テーパー面 １７ａ 長いテーパー面 １７ｂ 短いテーパー面 １９ 凹部 ４１，４３ 面板部 ４２ 連結板部 ４４，４５ ガイド爪部 ４４ａ 先端部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上シェルと下シェルの接合により形成さ
   れるケース内に、円盤状の磁気ディスクメディアを回転
   可能に収容すると共に、このケースに磁気ヘッド挿入用
   開口と、該磁気ヘッド挿入用開口を開閉するシャッター
   部材が設けられてなる磁気ディスクカートリッジにおい
   て、 前記シャッター部材に内側に突出する複数のガイド爪部
   を設ける一方、前記ケースの前端部近傍に、前記ガイド
   爪部が挿入されて前記シャッター部材の開閉移動をガイ
   ドするガイド溝を設けると共に、前記ガイド溝の前方に
   おけるケース表面に前記シャッター部材のガイド爪部を
   案内するテーパー面を形成してなり、 前記テーパー面がケース前端面の凹凸部に跨って形成さ
   れ、この凹凸部のテーパー面の始まる前端面の高さ位置
   を同一にしたことを特徴とする磁気ディスクカートリッ
   ジ。
2. 【請求項２】 前記シャッター部材のガイド爪部の先端
   部の装着先端側をＲ面に形成したことを特徴とする請求
   項１に記載の磁気ディスクカートリッジ。