JP2000055739A - 熱電対保護管 - Google Patents

熱電対保護管

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JP2000055739A
JP2000055739A JP10222152A JP22215298A JP2000055739A JP 2000055739 A JP2000055739 A JP 2000055739A JP 10222152 A JP10222152 A JP 10222152A JP 22215298 A JP22215298 A JP 22215298A JP 2000055739 A JP2000055739 A JP 2000055739A
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pipe
lid
opening
thickness
weight
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JP10222152A
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Nobumasa Yoshino
伸正 吉野
Hisafumi Sakurai
寿文 桜井
Kentaro Tanaka
謙太郎 田中
Satoru Maejima
悟 前島
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KAWASO DENKI KOGYO
KAWASOU DENKI KOGYO KK
Daido Steel Co Ltd
Hitachi Zosen Corp
Original Assignee
KAWASO DENKI KOGYO
KAWASOU DENKI KOGYO KK
Daido Steel Co Ltd
Hitachi Zosen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の耐熱型熱電対保護管に比べて接合部の
接合強度を大幅に向上させることができ、その結果、長
期間使用しても破壊しない熱電対保護管を提供する。 【解決手段】 この熱電対保護管は、一端封じの蓋材1
の開口部の端面1aと、前記開口部の肉厚よりも小さい
肉厚のパイプ2の端面2aとを同軸的に接合して成り、
前記パイプの内面2bは前記蓋材開口部の内面1bより
外側に位置し、前記パイプの外面2cは前記蓋材開口部
の外面1cより内側に位置している接合部3を有し、前
記接合部3の近傍における前記蓋材の肉厚は、軸方向に
おける長さ3.5〜5.0mmの領域4で概ね一定であ
り、かつ、前記接合部の径方向では、前記蓋材の内面1
bと前記パイプの内面2bとの距離差L1、および前記
蓋材の外面1cと前記パイプの外面2cとの距離差L2
が、いずれも、0.3〜0.5mmになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電対保護管に関
する。
【0002】
【従来の技術】各種炉の温度管理は通常、熱電対を用い
て行われているが、熱電対を炉内の高温・腐食雰囲気か
ら保護するために、当該熱電対を耐熱・耐食性の材料か
ら成る保護管の中に収容して温度管理が実施されてい
る。このような熱電対保護管は、その内部に保持した熱
電対を周囲の雰囲気から保護するためにその一端を封じ
た構造になっていて、通常、長尺なパイプと一端封じの
蓋材とを互いの端面で同軸的に接合して製造されてい
る。
【0003】その場合、通常は摩擦溶接等の圧接による
接合法が適用されている。摩擦溶接においては、固定さ
れた蓋材の端面にパイプの端面を回転させながら接触さ
せ、端面同士を摩擦により加熱・軟化させる。そして適
当な温度となったところで回転を止めてパイプを軸方向
に加圧し、両者の金属組織を一体化させて接合を完了さ
せる。その際、接合が不完全な部分(以下、「未圧接
部」という)は、パイプの加圧の際に接合部から外側に
押し出され、パイプの内外面にバリを形成する。
【0004】上記未圧接部としては、材料表面のスケー
ル等から成る不純物を巻き込んだ部分や、接合時の空隙
や亀裂がパイプの加圧の際に消滅せずに残った部分があ
り、このような部分では接合強度が低下して熱電対保護
管の破壊起点となる。従って、充分な接合強度を確保す
るためには接合部材同士が十分に加圧され、未圧接部が
接合部の外側に押し出されることによって、接合部が不
純物や空隙を含まない組織となっていることが必要であ
る。
【0005】しかしながら、接合すべき蓋材とパイプの
形状いかんによっては、未圧接部の押し出しがスムーズ
に行われずに接合部に残り、接合強度が低下する場合が
ある。例えば、蓋材の肉厚がパイプの肉厚に比べて厚す
ぎる場合には、パイプ端面が蓋材端面に嵌入して未圧接
部の流動性が低下するので、未圧接部が押し出されず、
接合部にスケールを巻き込むことになる。
【0006】また、パイプが軸方向にたわんで偏芯した
り、パイプ自体の真円度が高くない場合には、パイプ端
面と蓋材端面が接することなく食い違ってしまうので摩
擦溶接は同軸的に円滑に進行しないことがある。その結
果、接合部に空隙が残ったり、加圧されない部分が生じ
る。このような場合であっても、通常の金属材料を熱電
対保護管用材料に用いる限りは、材料自体の融点が高く
ないため圧接不良といった問題はあまり生じていなかっ
た。
【0007】しかしながら、材料の融点が高い耐熱材料
では接合条件がより厳しくなるので、上記の場合には直
ちに接合強度が低下して圧接不良となり、熱電対保護管
として使用している間に接合部から蓋材が取れて、内部
の熱電対が破壊されるという問題が生じてくる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱温度の
高い熱電対保護管における上記した問題が解決された熱
電対保護管の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述したように、蓋材と
パイプの接合において健全な接合部を得るためには、接
合面を有効に加圧し、未圧接部をスムーズに外側に押し
出すことが重要である。本発明者らは、上記した目的を
達成するために鋭意研究を重ねる過程でパイプおよび蓋
材の形状に注目し、それらの形状を後述するように相互
に規定することにより、従来接合が難しかった高融点・
高耐熱材料の接合を可能とし、本発明の熱電対保護管を
開発するに至った。
【0010】すなわち、本発明においては、一端封じの
蓋材の開口部と、前記開口部の肉厚よりも小さい肉厚の
パイプとを互いの端面で同軸的に接合して成り、前記パ
イプの内面は前記蓋材開口部の内面より外側に位置し、
前記パイプの外面は前記蓋材開口部の外面より内側に位
置している接合部を有し、前記接合部の近傍における前
記蓋材の肉厚は、軸方向における長さ3.5〜5.0m
mの領域で概ね一定であり、かつ、前記接合部の径方向
では、前記蓋材の内面と前記パイプの内面との距離差、
および前記蓋材の外面と前記パイプの外面との距離差
が、いずれも、0.3〜0.5mmになっていることを
特徴とする熱電対保護管(以下、「第一の発明」とい
う)が提供される。
【0011】特に、前記蓋材の開口部には、蓋材の内外
面からそれぞれ0.6mm以上薄肉であり、かつ軸方向
における長さが3.5〜5.0mmである肉厚が概ね一
定の薄肉部が、段差構造をなして形成されていることを
好適とする熱電対保護管(以下、「第二の発明」とい
う)が提供される。また、上記した蓋材およびパイプの
いずれもが、Cr:10〜40重量%,Al:10重量
%以下,Ti:5重量%以下、高融点金属酸化物:0.
1〜2重量%、残部:Fe、を必須成分とする酸化物分
散強化型Fe基耐熱合金で製造されている、熱電対保護
管が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は第一の発明の熱電対保護管
の基本構成例を示す断面図である。図の保護管において
は、一端封じの蓋材1の開口部の端面1aとパイプ2の
端面2aとを同軸的に接合して接合部3が形成されてい
る。接合部近傍における蓋材開口部は、その軸方向にお
ける肉厚が概ね一定の領域(以下、「肉厚一定領域」と
いう)4になっている。さらに、接合部の径方向では、
開口部における蓋材内面1bとパイプ内面2bとの間に
距離差(以下、「内面距離差」という)L1が、蓋材外
面1cとパイプ外面2cとの間に距離差(以下、「外面
距離差」という)L2がそれぞれ形成されている。ここ
で、パイプ内面が蓋材内面より外側に、パイプ外面が蓋
材外面より内側に位置する場合とは、図1のような位置
関係となっている場合のことをいう。
【0013】第一の発明では、上記した内外面距離差L
1,L2がいずれも0.3〜0.5mmの範囲に規定され
る。内外面距離差L1,L2がこの範囲にある場合には、
常に、接合時に蓋材1の端面1aがパイプ2の端面2a
を平面的に包摂した状態になっているので、仮にパイプ
が偏芯等により多少ぶれたとしても、そのぶれによる端
面相互間の平面的な食い違いは起こらず、両者の加圧が
不十分となることが防止されるので、圧接不良を起こす
ことはない。内面距離差L1、外面距離差L2のいずれか
が0.3mm未満である場合は、パイプのぶれによる端
面相互間の平面的な食い違いをカバーできず、両者の加
圧が不十分となって圧接不良を起こしやすい。また、内
面距離差L1、外面距離差L2のいずれかが0.5mmを
超える場合は、接合面3における蓋材1の肉厚がパイプ
2の肉厚に比べて厚くなりすぎているので、摩擦溶接時
にパイプ端面2aが蓋材端面1aに嵌入し、接合部3に
スケールを巻き込んで圧接不良を起こす。
【0014】さらに本発明の保護管においては、肉厚一
定領域4が3.5〜5.0mmの長さになっている。肉
厚一定領域4の長さが3.5mm未満である場合は、接
合部3が肉厚の厚い蓋材先端1に近くなるため、摩擦溶
接時に未圧接部の流動性が低下して未圧接部が外側へ押
し出されず、結果として上記蓋材肉厚が厚すぎる場合と
同様にして、スケール巻き込みによる圧接不良が生じ
る。一方、肉厚一定領域4の長さが5.0mmを超える
場合は、上記肉厚一定領域4での強度が低下するためパ
イプの加圧時に、肉厚一定領域4が変形・座屈して、加
圧が不十分となり、両者間で圧接不良が生じる。
【0015】次に、第二の発明について説明する。図2
は、第二の発明の熱電対保護管の基本構成例を示す断面
図である。この保護管に用いる蓋材1は、当該蓋材1の
開口部に薄肉部5が形成されることにより、蓋材1の内
外面との間に段差Wを備えた段差構造が形成されてお
り、蓋材の開口部の肉厚が開口部以外の部分、すなわち
蓋材1の先端側の部分の肉厚より小さくなっている。そ
して、この薄肉部5の肉厚は軸方向で概ね一定である。
【0016】この熱電対保護管も、蓋材1の端面1aと
パイプ2の端面2aとを同軸的に接合して接合部3が形
成されている。そして、接合部の径方向では、開口部に
おける蓋材内面1bとパイプ内面2bとの間に内面距離
差L1が、蓋材外面1cとパイプ外面2cとの間に外面
距離差L2がそれぞれ形成されている。第二の発明にお
いても、内外面距離差L1,L2がいずれも0.3〜0.
5mmの範囲に規定される。内外面距離差L1,L2がこ
の範囲にある場合には、接合時に蓋材1の端面1aがパ
イプ2の端面2aを平面的に包摂し、端面相互間の平面
的な食い違いによる圧接不良を起こすことはない。内面
距離差L1、外面距離差L2のいずれかが0.3mm未満
である場合は、接合時の端面相互間の平面的な食い違い
をカバーできず、両者の加圧が不十分となって圧接不良
を起こしやすい。また、内面距離差L1、外面距離差L2
のいずれかが0.5mmを超える場合は、接合面3にお
ける蓋材1の肉厚がパイプ2の肉厚に比べて厚くなりす
ぎているので、接合部3にスケールを巻き込んで圧接不
良を起こす。
【0017】さらに、薄肉部5は3.5〜5.0mmの
長さになっている。薄肉部5の長さが3.5mm未満で
ある場合は、接合部3が肉厚の厚い蓋材先端1に近くな
るため、スケール巻き込みによる圧接不良が生じる。一
方、薄肉部5の長さが5.0mmを超える場合は、上記
薄肉部5が変形・座屈して、加圧が不十分となり、両者
間で圧接不良が生じる。
【0018】蓋材1の開口部をこのような段差構造に形
成すると、蓋材1の先端側の部分の肉厚は薄肉部5の肉
厚に比べて大きく、かつ、その内外面は薄肉部5の内外
面から張り出しているため、その機械的強度が第一の発
明の場合に比べて向上する。その結果、パイプの加圧力
を大きくしても蓋材の薄肉部5が変形しにくくなり、加
圧力の不足によるスケール巻き込みや、接合部3の空隙
や亀裂の発生を防止して、その接合強度が向上する。
【0019】このような効果を顕著に生じさせるために
は、上記段差Wを内外面でそれぞれ0.6mm以上に規
定することが必要である。段差Wが0.6mm未満であ
る場合は、上記の接合強度の向上効果が不十分である。
また段差Wの上限は、蓋材の大きさに応じて適宜定めれ
ばよい。ところで、熱電対保護管の素材として、従来は
一般的な耐熱鋼やステンレス鋼が用いられているが、こ
れらの材料の耐熱性は必ずしも満足すべきものとはいえ
ず、また、高温腐食として問題となるサルファアタック
にも十分耐えるものとはいえないという問題が指摘され
ていた。
【0020】このようなことを勘案して、本発明におい
ては、熱電対保護管の素材として、Cr:10〜40重
量%,Al:10重量%以下,Ti:5重量%以下、高
融点金属酸化物:0.1〜2重量%、残部:Feを必須
成分とする酸化物分散強化型Fe基耐熱合金を用いるこ
とが好ましい。上記材料における高融点金属酸化物とし
てはY23,ZrO2,Al23から選ばれる1種以上
を用いることができ、上記高融点金属酸化物はフェライ
トマトリックス中に微細に分散した状態で存在させれば
よく、これらは高温で材料を安定化させて耐熱性を向上
させる。その結果、このFe基耐熱合金は高温における
クリープ強度が向上し、さらにサルファアタックも生じ
ないので、この材料を用いた熱電対保護管は、耐熱性、
耐脆化性、耐酸化性のいずれにおいても優れたものにな
る。
【0021】上記材料において、Cr含有量を10〜4
0重量%にするのは、10重量%未満である場合は所望
の耐酸化性が得られず、また40重量%を超えるとσ相
の生成によりいわゆるσ脆化が生じるようになるからで
ある。好ましいCr含有量は20〜40重量%、さらに
好ましくは20〜35重量%である。また、Al含有量
を10重量%以下とするのは、10重量%を超えると有
害な大型介在物の生成を引き起こすからである。好まし
くは5重量%以下とする。
【0022】Ti含有量を5重量%以下とするのは、5
重量%を超えると、Al同様有害な大型介在物の生成を
引き起こすからである。高融点金属酸化物は合金を高温
で安定化するために0.1〜2重量%含有させる。その
含有量が0.1重量%未満である場合は安定化効果がな
く、2重量%以上であると合金が脆化するからである。
【0023】この合金の製造方法としては、各成分の粉
末を高運動エネルギーボールミルに入れて粉砕、混合さ
せ、均一な混合物を作製するMA(メカニカルアロイン
グ)法が好適である。さらに、この混合物を熱間押出し
や焼結によりパイプや蓋材に成形すればよい。パイプの
寸法・形状は、収容する熱電対の寸法・形状との関係で
適宜決められ、特に制限されるものではないが、外径2
2.0〜25.5mm、肉厚2.0〜2.5mmのもの
が好適に使用できる。
【0024】パイプと蓋材との接合は、上記摩擦溶接の
他、バット溶接等の他の接合手段を用いてもよい。
【0025】
【実施例】実施例1〜4,比較例1 1.熱電対保護管用パイプおよび蓋材の作製 Cr:19.75重量%,Al:4.69重量%,T
i:0.39重量%、Y 23:0.52重量%、残部F
e、を必須成分とする酸化物分散強化型耐熱合金をMA
法で製造し、これを熱間押出ししてパイプ(外径22m
m、肉厚2.5mm)を成形し、またこの合金から成る
棒材を切削して蓋材を加工した。
【0026】2.パイプと蓋材の接合 以下の条件で摩擦溶接を行った。まず、固定した蓋材
に、パイプを回転させながら接触させ、所定の温度に加
熱したところで回転を止めてパイプを軸方向に加圧して
両者を接合し、接合部外周のバリを除去した。 (1)回転数:1200rpm (2)最終加圧力25kg/cm2 (3)摩擦圧力20kg/cm2 3.接合強度の評価 接合部のバリを除去した後、その部分を破断して破面を
肉眼で観察した。破面が繊維状で光沢があまりないもの
は延性破壊が生じたものと判断し、接合強度を「○」と
した。特に、破面に光沢が全くない場合の接合強度を
「◎」とした。また、破面に顕著な光沢が見られるもの
はぜい性破壊が生じたものと判断し、接合強度を「×」
とした。
【0027】以上の結果を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】表1から次のことが明らかである。 (1)本発明の熱電対保護管は、パイプと蓋材から容易に
接合することが可能であり、また接合強度も良好であ
る。 (2)蓋材の肉厚をパイプの肉厚と同一とした比較例1の
場合は、摩擦溶接時にパイプ端面と蓋材端面が食い違っ
たままパイプが加圧されたため、加圧が不十分となって
圧接不良となり、接合強度が低下した。
【0030】実施例5〜7、比較例2,3 実施例1〜4と同様にして,肉厚一定領域の長さを一定
とし、内外面距離差を変化させた第一の発明の熱電対保
護管を作製し、さらに接合強度を測定した。以上の結果
を表2に示した。
【0031】
【表2】
【0032】表2から次のことが明らかである。 (1)第一の発明の熱電対保護管は、パイプと蓋材から容
易に接合することが可能であり、また接合強度も良好で
ある。このようなことから、内面、外面距離差をいずれ
も0.3〜0.5mmの範囲に設定すべきであることが
わかる。 (2)内面距離差を0.2mmとした比較例2の場合は、
摩擦溶接時にパイプ端面と蓋材端面が食い違ったままパ
イプが加圧されたため、加圧が不十分となって圧接不良
となり、接合強度が低下した。
【0033】外面距離差を0.6mmとした比較例3の
場合は、パイプ端面が蓋材端面に嵌入し、接合部にスケ
ールを巻き込んだため、実施例5〜7に比べて接合強度
が低下した。 実施例8〜10、比較例4,5 実施例1〜4と同様にして、内外面距離差を一定とし、
肉厚一定領域の長さを変化させた第一の発明の熱電対保
護管を作製し、さらに接合強度を測定した。
【0034】以上の結果を表3に示した。
【0035】
【表3】
【0036】表3から次のことが明らかである。 (1)第一の発明の熱電対保護管は、パイプと蓋材から容
易に接合することが可能であり、また接合強度も良好で
ある。このようなことから、肉厚が概ね一定な領域の長
さを3.5〜5.0mmに設定すべきであることがわか
る。 (2)肉厚一定領域の長さを3.0mmとした比較例4の
場合は、接合部が肉厚の厚い蓋材先端に近いためにスケ
ールが外部へ押し出されず、接合部にスケールを巻き込
み、実施例8〜10に比べて接合強度が低下した。 (3)肉厚一定領域の長さを5.5mmとした比較例5の
場合は、パイプの加圧時に肉厚一定領域が変形・座屈
し、加圧が不十分となって接合強度が低下した。
【0037】実施例11〜15 実施例1〜4と同様にして、内外面距離差、及び薄肉部
の長さを一定とし、段差を変化させた第二の発明の熱電
対保護管を作製し、さらに接合強度を測定した。以上の
結果を表4に示した。
【0038】
【表4】
【0039】表4から次のことが明らかである。 (1)第二の発明の熱電対保護管は、パイプと蓋材から容
易に接合することが可能であり、また接合強度も良好で
ある。特に、実施例14および15と実施例11〜13
を対比して明らかなように、段差を0.6mm以上とす
ることが好ましいことがわかる。
【0040】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、従来の耐熱型熱電対保護管に比べて、パイプと
蓋材の接合部の接合強度を大幅に向上させることがで
き、その結果、長期間使用しても熱電対保護管が破壊さ
れることはなく、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓋材とパイプとを接合して成る本発明の第一の
発明の熱電対保護管の一例を示す断面図である。
【図2】蓋材とパイプとを接合してなる本発明の第二の
発明の熱電対保護管の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 蓋材 1a 開口部における蓋材の端面 1b 開口部における蓋材の内面 1c 開口部における蓋材の外面 2 パイプ 2a パイプの端面 2b パイプの内面 2c パイプの外面 3 接合部 4 肉厚一定領域 5 薄肉部 L1 内面距離差 L2 外面距離差 W 段差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉野 伸正 大阪府大阪市住之江区南港北1丁目7番89 号 日立造船株式会社内 (72)発明者 桜井 寿文 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号 川惣電機工業株式会社内 (72)発明者 田中 謙太郎 大阪府大阪市西区西本町1丁目7番10号 川惣電機工業株式会社内 (72)発明者 前島 悟 東京都町田市鶴間1480−1 スカイプラザ 鶴間A−1号 Fターム(参考) 2F056 BP03 BP07 KC01 KC06 4E067 AA02 AB02 BG02 DC01 DC03 DC05 EC06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端封じの蓋材の開口部と、前記開口部
    の肉厚よりも小さい肉厚のパイプとを互いの端面で同軸
    的に接合して成り、前記パイプの内面は前記蓋材開口部
    の内面より外側に位置し、前記パイプの外面は前記蓋材
    開口部の外面より内側に位置している接合部を有し、前
    記接合部の近傍における前記蓋材の肉厚は、軸方向にお
    ける長さ3.5〜5.0mmの領域で概ね一定であり、
    かつ、前記接合部の径方向では、前記蓋材の内面と前記
    パイプの内面との距離差、および前記蓋材の外面と前記
    パイプの外面との距離差が、いずれも、0.3〜0.5
    mmになっていることを特徴とする熱電対保護管。
  2. 【請求項2】 前記蓋材の開口部には、蓋材の内外面か
    らそれぞれ0.6mm以上薄肉であり、かつ軸方向にお
    ける長さが3.5〜5.0mmである肉厚が概ね一定の
    薄肉部が、段差構造をなして形成されている請求項1に
    記載の熱電対保護管。
  3. 【請求項3】 Cr:10〜40重量%,Al:10重
    量%以下,Ti:5重量%以下、高融点金属酸化物:
    0.1〜2重量%、残部:Fe、を必須成分とする酸化
    物分散強化型Fe基耐熱合金から成る、請求項1または
    2に記載の熱電対保護管。
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