JP2000055147A - 波動歯車装置 - Google Patents
波動歯車装置Info
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- JP2000055147A JP2000055147A JP10221295A JP22129598A JP2000055147A JP 2000055147 A JP2000055147 A JP 2000055147A JP 10221295 A JP10221295 A JP 10221295A JP 22129598 A JP22129598 A JP 22129598A JP 2000055147 A JP2000055147 A JP 2000055147A
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Abstract
高めると同時に脆性破壊が起きないようにすること。 【解決手段】 波動歯車装置1の可撓性外歯歯車3のダ
イヤフラム32にはその両面から軟窒化処理が施され、
それぞれの窒化層深さはd1、d2とされている。軟窒
化処理が施された部分の厚さtに対して、窒化層深さの
合計(d1+d2)を、45パーセント以下に制御する
ことにより、ダイヤフラム32の静的強度および疲労強
度を高めることができると同時に、脆性破壊による破断
が起きないようにすることができる。
Description
断の起きない可撓性外歯歯車を備えた波動歯車装置に関
するものである。
る可撓性外歯歯車の形状によって、カップ型、シルクハ
ット型、およびフラット型のものに分類できる。
装置の代表的な例を示してある。これらの図に示すよう
に、カップ型の波動歯車装置1は、環状の剛性内歯歯車
2と、この内側に配置されたカップ形の可撓性外歯歯車
3と、この内側にはめ込まれた楕円形の波動発生器4と
を有している。カップ形の可撓性外歯歯車3は、円筒状
の胴部31と、この胴部31の一端に連続している外歯
34が形成された円筒状歯部30と、胴部31の他端を
封鎖している環状のダイヤフラム32と、このダイヤフ
ラム32の中心に一体形成されているボス33とを備え
ている。
て楕円形に撓められて、その楕円形状の長軸方向の両端
の部分の外歯34が、内歯歯車2の内周面に形成した内
歯21に噛み合っている。波動発生器4がモータ回転軸
等により回転すると、両歯車の噛み合い位置が円周方向
に移動する。内歯21と外歯34の歯数は2N(Nは正
の整数)だけ差があるので、この歯数差に応じた相対回
転が両歯車の間に発生する。一般的には、内歯歯車2の
側が固定されるので、カップ形の可撓性外歯歯車3の側
から、両歯車の歯数差に応じて大幅に減速された回転が
出力される。
車装置5の典型例を示してある。この図に示すように、
シルクハット型の波動歯車装置5では、その可撓性外歯
歯車51が、円筒状の胴部511と、この胴部511の
一端に連続している外歯514が形成された円筒状歯部
511と、胴部511の他端開口縁から半径方向の外側
に広がっている環状のダイヤフラム512と、このダイ
ヤフラムの外周縁に一体形成された環状のボス513と
を備えたシルクハット形をしている。
1、2に示すカップ型の波動歯車装置1においては、波
動発生器4によって可撓性外歯歯車3の開口端の部分で
ある外歯34が形成されている円筒状歯部30の部分は
繰り返し半径方向に撓められる。すなわち、図3に示す
ように、楕円形状の長軸側では半径方向の外側に撓めら
れ、短軸側では半径方向の内側に撓められる。これに伴
い、歯部30に繋がっている円筒状胴部31、この胴部
31に繋がっているダイヤフラム32の部分も繰り返し
変形する。このような歯部30、胴部31およびダイヤ
フラム32の撓み動作、すなわち、コーニングが発生す
るので、これらの部分の疲労強度を高める必要がある。
特に、肉厚の薄い円筒状胴部31およびダイヤフラム3
2の部分の疲労強度を高める必要がある。
置におけるシルクハット形の可撓性外歯歯車51につい
ても同様に当てはまる。すなわち、図5に示すようにシ
ルクハット形の可撓性外歯歯車51は繰り返し撓められ
るので、円筒状胴部511、ダイヤフラム512の部分
の疲労強度を高める必要がある。
めるための一般的な表面硬化処理を可撓性外歯歯車3、
51の円筒状胴部31、511およびダイヤフラム3
2、512に適用すると、これらの部分の疲労強度自体
は増すものの、これらの部分の脆性が低下して、割れ等
が発生しやすくなる。特に、肉厚の薄い円筒状胴部3
1、511と、厚い円筒状歯部30、510の境界部分
に割れが発生しやすくなるので、望ましくない。
壊による破断を起こすことが無く、しかも疲労強度が高
い可撓性外歯歯車を備えた波動歯車装置を提案すること
にある。
めに、本発明は、環状の剛性内歯歯車と、この内側に配
置された可撓性外歯歯車と、この内側に配置された波動
発生器とを有し、前記可撓性外歯歯車が、半径方向に変
形可能な可撓性の筒状胴部と、この筒状胴部の一端に連
続している外歯が形成された筒状歯部と、前記筒状胴部
の他端に連続して半径方向に延びている環状のダイヤフ
ラムと、このダイヤフラムに連続しているボスとを備え
た構成となっている波動歯車装置において、前記ダイヤ
フラムおよび前記筒状胴部の両面に表面硬化処理を施す
ことにより、これらの部分の静的強度および疲労強度を
高めるようにすると共に、当該表面硬化処理による硬化
層深さの合計を、当該表面硬化処理が施されている部分
の厚さに対して45パーセント以下の割合となるように
している。
面硬化処理の硬化層深さを制御することにより、ダイヤ
フラムおよび円筒状胴部の静的強度および疲労強度を向
上させることができると共に、次のような特性が得られ
ることが確認された。すなわち、このように表面硬化処
理が施された部分では、脆性破壊よりも先に座屈が発生
するので、脆性破壊による破断が発生しない。
は、当該表面硬化処理が施されている部分の両面におい
て同一の深さとすることができる。
またはレーザービーム焼き入れを採用することができ
る。
歯車には、前記筒状胴部の他端から半径方向の内方に延
びる円環状の前記ダイヤフラムを備えたカップ形の可撓
性外歯歯車、および前記筒状胴部の他端から半径方向の
外方に延びる円環状の前記ダイヤフラムを備えたシルク
ハット形の可撓性外歯歯車が含まれる。
4インチの)カップ型の波動歯車装置1のカップ形の可
撓性外歯歯車3における円筒状胴部31、ダイヤフラム
32の両面に軟窒化を施した。
イヤフラム32の部分の全体厚さをt、その外側の表面
から形成した窒化層深さをd1、その内側の表面から形
成した窒化層深さをd2とし、実質的にd1=d2とな
る条件下で、窒化層深さ割合を変えて、その部分の破壊
強度の増加割合、および破壊形態(座屈破壊あるいは脆
性破壊)を測定した。
すグラフである。このグラフの曲線Aは一連の測定結果
をプロットしたものであり、窒化層割合を増加させる
と、それに伴って破壊トルク増加割合(軟窒化処理を施
さない場合の破壊トルクに対する増加割合)が増加す
る。ここで、窒化層割合が45パーセント以下の場合に
は表面硬化処理部分は座屈破壊が優勢であるのに対し
て、この割合が45パーセントを超えると、脆性破壊が
優勢となることが見出された。
定を行ったところ、同様な結果が得られた。すなわち、
図7において窒化層割合が45パーセント以下の領域
(座屈領域)に入るように、窒化層割合を制御すると、
ダイヤフラムの疲労強度を向上できると共に、脆性破壊
も回避できることが確認された。45パーセントを超え
る領域(脆性破壊領域)では、ダイヤフラムの疲労強度
は向上するものの、割れ等が発生するので、実用上では
好ましくない。
外歯歯車51に対する表面硬化処理の場合においても同
様な結果が得られることが確認された。
歯車装置の可撓性外歯歯車における円筒状胴部、ダイヤ
フラムの両面に形成する硬化層深さの合計を、その部分
の厚さの45パーセント以下に制御するようにしてい
る。
性外歯歯車によれば、その円筒状胴部およびダイヤフラ
ムの静的強度および疲労強度を高めることができる共
に、その部分が脆性破壊により破断することも回避でき
る。
概略断面構成図である。
状態の説明図である。
装置の概略断面構成図である。
の撓み状態の説明図である。
ムに施こす窒化層の深さの割合を示すための説明図であ
る。
壊形態を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 環状の剛性内歯歯車と、この内側に配置
された可撓性外歯歯車と、この内側に配置された波動発
生器とを有する波動歯車装置において、 前記可撓性外歯歯車は、半径方向に変形可能な可撓性の
筒状胴部と、この筒状胴部の一端に連続している外歯が
形成された筒状歯部と、前記筒状胴部の他端に連続して
半径方向に延びている環状のダイヤフラムと、このダイ
ヤフラムに連続しているボスとを備えており、 前記ダイヤフラムおよび前記筒状胴部の両面には表面硬
化処理が施されており、 当該表面硬化処理による硬化層深さの合計は、当該表面
硬化処理が施されている部分の厚さに対して45パーセ
ント以下の割合であることを特徴とする波動歯車装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記表面硬化処理による硬化深さは、当該表面硬化処理
が程されている部分の両面において同一の深さであるこ
とを特徴とする波動歯車装置。 - 【請求項3】 請求項1または2において、 前記表面硬化処理は、軟窒化またはレーザービーム焼き
入れであることを特徴とする波動歯車装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のうちのいずれかの項
において、 前記可撓性外歯歯車は、前記筒状胴部の他端から半径方
向の内方に延びる円環状の前記ダイヤフラムを備えたカ
ップ形の可撓性外歯歯車であることを特徴とする波動歯
車装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし3のうちのいずれかの項
において、 前記可撓性外歯歯車は、前記筒状胴部の他端から半径方
向の外方に延びる円環状の前記ダイヤフラムを備えたシ
ルクハット形の可撓性外歯歯車であることを特徴とする
波動歯車装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22129598A JP4135827B2 (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 波動歯車装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22129598A JP4135827B2 (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 波動歯車装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000055147A true JP2000055147A (ja) | 2000-02-22 |
JP4135827B2 JP4135827B2 (ja) | 2008-08-20 |
Family
ID=16764557
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22129598A Expired - Lifetime JP4135827B2 (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 波動歯車装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4135827B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011122315A1 (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-06 | アイシン精機株式会社 | 波動歯車用基材の製造方法 |
-
1998
- 1998-08-05 JP JP22129598A patent/JP4135827B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011122315A1 (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-06 | アイシン精機株式会社 | 波動歯車用基材の製造方法 |
CN102803522A (zh) * | 2010-03-30 | 2012-11-28 | 爱信精机株式会社 | 谐波齿轮用基材的制造方法 |
US8940109B2 (en) | 2010-03-30 | 2015-01-27 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Method for manufacturing base material for wave gear |
JP5709025B2 (ja) * | 2010-03-30 | 2015-04-30 | アイシン精機株式会社 | 波動歯車用基材の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP4135827B2 (ja) | 2008-08-20 |
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