JP2000055115A - 制振装置 - Google Patents
制振装置Info
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- JP2000055115A JP2000055115A JP10218729A JP21872998A JP2000055115A JP 2000055115 A JP2000055115 A JP 2000055115A JP 10218729 A JP10218729 A JP 10218729A JP 21872998 A JP21872998 A JP 21872998A JP 2000055115 A JP2000055115 A JP 2000055115A
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- fluid bearing
- fluid
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 マス体を流体軸受機構の利用下に水平移動可
能に設定する場合に、流体軸受機構が設定通りに作動し
得るようにしながら、異常事態の際にフェールセーフ機
能を発揮し得るようにする。 【解決手段】 マス体1が流体軸受機構4の配在下に構
築物A側に起立される弾性支承機構5の上端に支承さ
れ、流体圧源Pに連通すると共に流体軸受機構4に連通
する流路Lに流体軸受機構4の作動状態に依存して流体
軸受機構4に対する流体圧源Pからの流体圧の供給およ
び遮断を選択するレベリングバルブ6を有し、かつ、流
体軸受機構4に連通すると共にタンクTに連通する流路
L1に外部からの信号の入力で流体軸受機構4からの流
体圧がタンクTに解放されることを阻止するドレンバル
ブ7を有してなる。
能に設定する場合に、流体軸受機構が設定通りに作動し
得るようにしながら、異常事態の際にフェールセーフ機
能を発揮し得るようにする。 【解決手段】 マス体1が流体軸受機構4の配在下に構
築物A側に起立される弾性支承機構5の上端に支承さ
れ、流体圧源Pに連通すると共に流体軸受機構4に連通
する流路Lに流体軸受機構4の作動状態に依存して流体
軸受機構4に対する流体圧源Pからの流体圧の供給およ
び遮断を選択するレベリングバルブ6を有し、かつ、流
体軸受機構4に連通すると共にタンクTに連通する流路
L1に外部からの信号の入力で流体軸受機構4からの流
体圧がタンクTに解放されることを阻止するドレンバル
ブ7を有してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、制振装置に関
し、特に、構築物たる、たとえば、中高層建築物におけ
る風や地震に起因する揺れを抑制する制振装置の改良に
関する。
し、特に、構築物たる、たとえば、中高層建築物におけ
る風や地震に起因する揺れを抑制する制振装置の改良に
関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来から、構築物たる、たと
えば、中高層建築物における風や地震に起因する揺れを
抑制する制振装置としては、種々の提案があるが、原理
的には、中高層建築物の最上階たる屋上に一定の質量を
有するマス体を水平移動可能に配設すると共に、このマ
ス体に連結されてマス体を水平移動させるように機能す
るアクチュエータあるいはマス体からの動エネルギを吸
収するように機能するダンパを有してなるとしている。
えば、中高層建築物における風や地震に起因する揺れを
抑制する制振装置としては、種々の提案があるが、原理
的には、中高層建築物の最上階たる屋上に一定の質量を
有するマス体を水平移動可能に配設すると共に、このマ
ス体に連結されてマス体を水平移動させるように機能す
るアクチュエータあるいはマス体からの動エネルギを吸
収するように機能するダンパを有してなるとしている。
【0003】たとえば、図6に示す制振装置は、マス体
1を中高層建築物(以下、建築物と略称する)Aの屋上
に設けた軌条Rに副って水平移動可能に設定する一方
で、一端が建築物A側に連結されているアクチュエータ
2の他端をマス体1に連結するとしている。
1を中高層建築物(以下、建築物と略称する)Aの屋上
に設けた軌条Rに副って水平移動可能に設定する一方
で、一端が建築物A側に連結されているアクチュエータ
2の他端をマス体1に連結するとしている。
【0004】なお、この図6に示す制振装置にあって
は、図示を省略しているが、アクチュエータ2に並設さ
れて、マス体1の固有振動数を設定するバネ体を有して
なるとしている。
は、図示を省略しているが、アクチュエータ2に並設さ
れて、マス体1の固有振動数を設定するバネ体を有して
なるとしている。
【0005】それゆえ、この従来例とされる制振装置に
よれば、マス体1が軌条Rに副って移動するように設定
されているから、たとえば、マス体1がバネ体として機
能する積層ゴムからなる弾性支柱の上端に支承される場
合に比較して、制振装置全体の高さを大きくしない利点
があるが、反面マス体1が水平移動する際には、たとえ
ば、マス体1の下端に設けた車輪などが軌条R上を転動
することになるだろうから、騒音が発生され易くなる不
具合がある。
よれば、マス体1が軌条Rに副って移動するように設定
されているから、たとえば、マス体1がバネ体として機
能する積層ゴムからなる弾性支柱の上端に支承される場
合に比較して、制振装置全体の高さを大きくしない利点
があるが、反面マス体1が水平移動する際には、たとえ
ば、マス体1の下端に設けた車輪などが軌条R上を転動
することになるだろうから、騒音が発生され易くなる不
具合がある。
【0006】そこで、本願の出願人は、先に、特開平4
−107338号公報において、流体軸受機構の提案を
したが、この流体軸受機構は、風による建築物Aの揺れ
に起因して建築物A側の上端との間に流体からなる潤滑
層、すなわち、流体軸受を形成し、建築物A側に対する
接触抵抗を大幅に小さくしていわゆる滑り易くするとし
ている。
−107338号公報において、流体軸受機構の提案を
したが、この流体軸受機構は、風による建築物Aの揺れ
に起因して建築物A側の上端との間に流体からなる潤滑
層、すなわち、流体軸受を形成し、建築物A側に対する
接触抵抗を大幅に小さくしていわゆる滑り易くするとし
ている。
【0007】それゆえ、この流体軸受機構を利用してマ
ス体1を水平移動可能に設定する場合には、上記した従
来例に比較して、制振装置全体の高さを大きくしないの
はもちろんのこと、水平移動の際に騒音を発生させずし
て、マス体1を水平移動し易くし得ることになる。
ス体1を水平移動可能に設定する場合には、上記した従
来例に比較して、制振装置全体の高さを大きくしないの
はもちろんのこと、水平移動の際に騒音を発生させずし
て、マス体1を水平移動し易くし得ることになる。
【0008】しかしながら、この流体軸受機構を利用す
る場合には、流体からなる潤滑層、すなわち、流体軸受
が所望のときに適正に形成されて流体軸受機構が設定通
りに作動し得るように配慮される一方で、この流体軸受
機構を備える制振装置をもってしても制振効果を期待で
きないなどのいわゆる異常事態の際には、フェールセー
フ機能が発揮されるように設定されることが肝要とな
る。
る場合には、流体からなる潤滑層、すなわち、流体軸受
が所望のときに適正に形成されて流体軸受機構が設定通
りに作動し得るように配慮される一方で、この流体軸受
機構を備える制振装置をもってしても制振効果を期待で
きないなどのいわゆる異常事態の際には、フェールセー
フ機能が発揮されるように設定されることが肝要とな
る。
【0009】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、マス体を
流体軸受機構の利用下に水平移動可能に設定する場合
に、流体軸受機構が設定通りに作動し得るようにするの
はもちろんのこと、異常事態の際にフェールセーフ機能
を発揮し得るようにするのに最適となる制振装置を提供
することである。
れたものであって、その目的とするところは、マス体を
流体軸受機構の利用下に水平移動可能に設定する場合
に、流体軸受機構が設定通りに作動し得るようにするの
はもちろんのこと、異常事態の際にフェールセーフ機能
を発揮し得るようにするのに最適となる制振装置を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的の達成のた
めに、この発明の構成を、基本的には、流体軸受機構の
配在下に構築物に対して水平移動可能に配置されるマス
体と、このマス体に一端が連結されると共に他端が構築
物側に連結されてマス体を水平移動させるアクチュエー
タと、上記のマス体に一端が連結されると共に他端が構
築物側に連結されてマス体の固有振動数を設定するバネ
体とを有してなる制振装置において、マス体が上記の流
体軸受機構の配在下に構築物側に起立される弾性支承機
構の上端に支承されてなる一方で、流体圧源に連通する
と共に流体軸受機構に連通する流路に流体軸受機構の作
動状態に依存して流体軸受軸機構に対する流体圧源から
の流体圧の供給および遮断を選択するレベリングバルブ
を有してなり、かつ、流体軸受機構に連通すると共にタ
ンクに連通する流路に外部からの信号の入力で流体軸受
機構からの流体圧がタンクに解放されることを阻止する
ドレンバルブを有してなるとする。
めに、この発明の構成を、基本的には、流体軸受機構の
配在下に構築物に対して水平移動可能に配置されるマス
体と、このマス体に一端が連結されると共に他端が構築
物側に連結されてマス体を水平移動させるアクチュエー
タと、上記のマス体に一端が連結されると共に他端が構
築物側に連結されてマス体の固有振動数を設定するバネ
体とを有してなる制振装置において、マス体が上記の流
体軸受機構の配在下に構築物側に起立される弾性支承機
構の上端に支承されてなる一方で、流体圧源に連通する
と共に流体軸受機構に連通する流路に流体軸受機構の作
動状態に依存して流体軸受軸機構に対する流体圧源から
の流体圧の供給および遮断を選択するレベリングバルブ
を有してなり、かつ、流体軸受機構に連通すると共にタ
ンクに連通する流路に外部からの信号の入力で流体軸受
機構からの流体圧がタンクに解放されることを阻止する
ドレンバルブを有してなるとする。
【0011】そして、上記した基本的な構成において、
より具体的には、弾性支承機構は、上端が上方のマス体
に固定的に連結される一方で下端が上下方向に対してい
わゆる自由端とされる四本の支柱を有してなると共に、
各支柱をそれぞれ取巻くように積層配置された皿ばねを
有してなり、この四つとなる皿ばね群の反発力で上方か
らの荷重、すなわち、マス体の荷重を受けるように構成
される。
より具体的には、弾性支承機構は、上端が上方のマス体
に固定的に連結される一方で下端が上下方向に対してい
わゆる自由端とされる四本の支柱を有してなると共に、
各支柱をそれぞれ取巻くように積層配置された皿ばねを
有してなり、この四つとなる皿ばね群の反発力で上方か
らの荷重、すなわち、マス体の荷重を受けるように構成
される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、図示した実施の形態に基
づいて、この発明を説明するが、図1および図2に示す
ように、この発明の一実施の形態による制振装置は、原
理的には、前記した図6に示す従来の制振装置と同様
に、構築物たる建築物Aに対して水平移動可能に配置さ
れるマス体1と、このマス体1に一端が連結されると共
に他端が建築物A側に連結されてマス体1を水平移動さ
せるアクチュエータ2と、上記のマス体1に一端が連結
されると共に他端が建築物A側に連結されてマス体1の
固有振動数を設定するバネ体3とを有してなる。
づいて、この発明を説明するが、図1および図2に示す
ように、この発明の一実施の形態による制振装置は、原
理的には、前記した図6に示す従来の制振装置と同様
に、構築物たる建築物Aに対して水平移動可能に配置さ
れるマス体1と、このマス体1に一端が連結されると共
に他端が建築物A側に連結されてマス体1を水平移動さ
せるアクチュエータ2と、上記のマス体1に一端が連結
されると共に他端が建築物A側に連結されてマス体1の
固有振動数を設定するバネ体3とを有してなる。
【0013】そして、この制振装置にあって、マス体1
は、原理的には、流体軸受機構4(図3参照)の配在下
に構築物Aに対して水平移動可能に設定されてなるとす
るが、図示する実施の形態では、上記の流体軸受機構4
の配在下に建築物A側に起立される弾性支承機構5(図
4参照)の上端に支承されてなるとしている。
は、原理的には、流体軸受機構4(図3参照)の配在下
に構築物Aに対して水平移動可能に設定されてなるとす
るが、図示する実施の形態では、上記の流体軸受機構4
の配在下に建築物A側に起立される弾性支承機構5(図
4参照)の上端に支承されてなるとしている。
【0014】また、この制振装置にあっては、図5に示
すように、流体圧源Pに連通すると共に流体軸受機構4
に連通する流路Lには、流体軸受機構4の作動状態に依
存して流体軸受機構4に対する流体圧源Pからの流体圧
の供給および遮断を選択するレベリングバルブ6を有し
てなり、かつ、流体軸受機構4に連通すると共にタンク
Tに連通する流路L1には、外部からの信号の入力で流
体軸受機構4からの流体圧がタンクTに解放されること
を阻止するドレンバルブ7を有してなるとしている。
すように、流体圧源Pに連通すると共に流体軸受機構4
に連通する流路Lには、流体軸受機構4の作動状態に依
存して流体軸受機構4に対する流体圧源Pからの流体圧
の供給および遮断を選択するレベリングバルブ6を有し
てなり、かつ、流体軸受機構4に連通すると共にタンク
Tに連通する流路L1には、外部からの信号の入力で流
体軸受機構4からの流体圧がタンクTに解放されること
を阻止するドレンバルブ7を有してなるとしている。
【0015】マス体1は、中層の建築物Aの場合には、
屋上または屋上に近い階に配設されるが、超高層を含む
高層の建築物Aの場合には、屋上の他に中階に配設され
ることもある。
屋上または屋上に近い階に配設されるが、超高層を含む
高層の建築物Aの場合には、屋上の他に中階に配設され
ることもある。
【0016】アクチュエータ2は、たとえば、上記の屋
上などの適宜の場所に、すなわち、マス体1に近隣する
ように配在されている油圧ユニット(図示せず)に接続
されてなるとするもので、この油圧ユニットからの油圧
の給排で伸縮作動して制御されたいわゆる反力を発生す
るように設定されている。
上などの適宜の場所に、すなわち、マス体1に近隣する
ように配在されている油圧ユニット(図示せず)に接続
されてなるとするもので、この油圧ユニットからの油圧
の給排で伸縮作動して制御されたいわゆる反力を発生す
るように設定されている。
【0017】ちなみに、油圧ユニットは、建築物Aが、
たとえば、風で揺れるときに、この建築物Aの揺れ起因
して作動してアクチュエータ2に対する油圧の給排を実
現するように設定されている。
たとえば、風で揺れるときに、この建築物Aの揺れ起因
して作動してアクチュエータ2に対する油圧の給排を実
現するように設定されている。
【0018】なお、アクチュエータ2は、積極的にマス
体1を水平移動させるアクティブ型に設定する場合に用
いるが、受動的にマス体1の水平移動動に対向するパッ
シブ型に設定する場合には、これに代えて、ダンパが配
在されるとしても良い。
体1を水平移動させるアクティブ型に設定する場合に用
いるが、受動的にマス体1の水平移動動に対向するパッ
シブ型に設定する場合には、これに代えて、ダンパが配
在されるとしても良い。
【0019】バネ体3は、マス体1における固有振動数
を設定するが、たとえば、これがマス体1を下方から支
承する積層ゴムからなる弾性支柱である場合に比較し
て、固有振動数の設定についてのいわゆる自由度を有す
ることになり、建築物Aの規模、すなわち、マス体1の
規模に応じた固有振動数の設定が可能になる点で有利と
なる。
を設定するが、たとえば、これがマス体1を下方から支
承する積層ゴムからなる弾性支柱である場合に比較し
て、固有振動数の設定についてのいわゆる自由度を有す
ることになり、建築物Aの規模、すなわち、マス体1の
規模に応じた固有振動数の設定が可能になる点で有利と
なる。
【0020】なお、バネ体3は、マス体1と併設される
ことで、そのばね力をアクチュエータ2の出力と共にマ
ス体1に対する作用力とすることになるから、アクチュ
エータ2の出力を言わばアシストすることになるのはも
ちろんである。
ことで、そのばね力をアクチュエータ2の出力と共にマ
ス体1に対する作用力とすることになるから、アクチュ
エータ2の出力を言わばアシストすることになるのはも
ちろんである。
【0021】それゆえ、アクチュエータ2とバネ体3と
が併設される場合には、アクチュエータ2のいたずらな
大型化を招来させずして、所定の制振効果が得られるこ
とになる。
が併設される場合には、アクチュエータ2のいたずらな
大型化を招来させずして、所定の制振効果が得られるこ
とになる。
【0022】なお、上記のアクチュエータ2およびバネ
体3は、図示する実施の形態にあっては、水平二方向に
移動可能となるように配在されるとしているのはもちろ
んである。
体3は、図示する実施の形態にあっては、水平二方向に
移動可能となるように配在されるとしているのはもちろ
んである。
【0023】また、このアクチュエータ2およびバネ体
3は、図示する実施の形態にあっては、一端がマス体1
の下端に形成の連結部1aに連結されてなるのに対して
他端が建築物Aに固定的に配設された反力台A1に連結
されてなるとしている。
3は、図示する実施の形態にあっては、一端がマス体1
の下端に形成の連結部1aに連結されてなるのに対して
他端が建築物Aに固定的に配設された反力台A1に連結
されてなるとしている。
【0024】そして、この反力台A1の上端部には、上
記の連結部1aに配設したバッファ8が対向するとして
おり、このバッファ8は、マス体1が言わば異常と言え
る大きいストロークで水平移動して過大に作動すること
を阻止すべく、反力台A1に干渉して言わばストッパと
して機能するように設定されている。
記の連結部1aに配設したバッファ8が対向するとして
おり、このバッファ8は、マス体1が言わば異常と言え
る大きいストロークで水平移動して過大に作動すること
を阻止すべく、反力台A1に干渉して言わばストッパと
して機能するように設定されている。
【0025】流体軸受機構4は、図3に示すように、下
端側部材とされて建築物A側を構成する平坦面A2上に
立設されるシリンダ体9と、上端側部材とされてシリン
ダ体9内に昇降可能に収装されるラム体10とを有して
なり、このラム体10がシリンダ体9内に収装されるこ
とでシリンダ体9内に区画される圧力室(符示せず)へ
の圧力、すなわち、液圧の供給で言わば伸長される傾向
になるように設定されている。
端側部材とされて建築物A側を構成する平坦面A2上に
立設されるシリンダ体9と、上端側部材とされてシリン
ダ体9内に昇降可能に収装されるラム体10とを有して
なり、このラム体10がシリンダ体9内に収装されるこ
とでシリンダ体9内に区画される圧力室(符示せず)へ
の圧力、すなわち、液圧の供給で言わば伸長される傾向
になるように設定されている。
【0026】すなわち、シリンダ体9は、その下端中央
に開口9aを有する共に下端外周側に環状シール11を
有してなり、上記のラム体10と上記の開口9aとで形
成される空部、すなわち、上記した圧力室に液圧を供給
することで、シリンダ体9の下端と建築物A側の上端、
すなわち、上記の平坦面A2上との間に環状シール11
で区画された流体からなる潤滑層を形成するとしてい
る。
に開口9aを有する共に下端外周側に環状シール11を
有してなり、上記のラム体10と上記の開口9aとで形
成される空部、すなわち、上記した圧力室に液圧を供給
することで、シリンダ体9の下端と建築物A側の上端、
すなわち、上記の平坦面A2上との間に環状シール11
で区画された流体からなる潤滑層を形成するとしてい
る。
【0027】このとき、シリンダ体9の半径、すなわ
ち、ラム体10の半径D1と環状シール11の半径D2
は、D1>D2の関係に設定されていて、したがって、
上記した圧力室に液圧が供給されると、シリンダ体9と
平坦面A2との間に潤滑層が形成されることになる。
ち、ラム体10の半径D1と環状シール11の半径D2
は、D1>D2の関係に設定されていて、したがって、
上記した圧力室に液圧が供給されると、シリンダ体9と
平坦面A2との間に潤滑層が形成されることになる。
【0028】そして、このとき、流体軸受機構4におい
て、潤滑層、すなわち、流体軸受がラム体10からの荷
重の大部分を支持すると共に、残りの荷重を環状シール
11が支持することになり、したがって、環状シール1
1は、平坦面A2に押し付けられるような状況になっ
て、いわゆる液漏れを阻止しながら流体軸受を形成維持
することになる。
て、潤滑層、すなわち、流体軸受がラム体10からの荷
重の大部分を支持すると共に、残りの荷重を環状シール
11が支持することになり、したがって、環状シール1
1は、平坦面A2に押し付けられるような状況になっ
て、いわゆる液漏れを阻止しながら流体軸受を形成維持
することになる。
【0029】ちなみに、この流体軸受機構4を設けるに
あたって、シリンダ体9の下端が対向する建築物A側の
上端には、前記したように、平坦面A2が形成されてな
るとするが、この平坦面A2は、たとえば、ステンレス
鋼板で形成されるとし、また、図示する実施の形態で
は、建築物Aに設置した囲い枠A3で区画されていて
(図2参照)、後述する流体軸受を構成する潤滑層を形
成する際に、仮にいわゆる液漏れが生じる場合にもその
拡散を防止し得るようにしている。
あたって、シリンダ体9の下端が対向する建築物A側の
上端には、前記したように、平坦面A2が形成されてな
るとするが、この平坦面A2は、たとえば、ステンレス
鋼板で形成されるとし、また、図示する実施の形態で
は、建築物Aに設置した囲い枠A3で区画されていて
(図2参照)、後述する流体軸受を構成する潤滑層を形
成する際に、仮にいわゆる液漏れが生じる場合にもその
拡散を防止し得るようにしている。
【0030】なお、上記のステンレス鋼板を複数枚積層
しておけば、たとえば、平坦度が悪化されたようなとき
にこれを撤去して、下方の新たなステンレス鋼板によっ
て設定通りの平坦度を備える平坦面A2を設けることが
簡単に可能になる点で有利となる。
しておけば、たとえば、平坦度が悪化されたようなとき
にこれを撤去して、下方の新たなステンレス鋼板によっ
て設定通りの平坦度を備える平坦面A2を設けることが
簡単に可能になる点で有利となる。
【0031】また、平坦面A2を設けるについては、種
々の方策を採ることが可能であり、設置個数について
も、図示しないが、各流体軸受機構4の個数に相応する
ように設定するなど自由である。
々の方策を採ることが可能であり、設置個数について
も、図示しないが、各流体軸受機構4の個数に相応する
ように設定するなど自由である。
【0032】ところで、流体軸受を構成する潤滑層は、
この発明にあっては、流体で形成されるとしているが、
図示する実施の形態では、流体として油を利用するとし
ており、後述する図5に示すような構成のパワーユニッ
ト(符示せず)から供給されるとしている。
この発明にあっては、流体で形成されるとしているが、
図示する実施の形態では、流体として油を利用するとし
ており、後述する図5に示すような構成のパワーユニッ
ト(符示せず)から供給されるとしている。
【0033】ちなみに、このパワーユニットは、図示し
ないが、前記したマス体1に一体に保持されてなるとす
るもので、基本的には、前記した油圧ユニットと同様
に、建築物Aが、たとえば、風で揺れるときに、この建
築物Aの揺れに起因して作動するように設定されてい
る。
ないが、前記したマス体1に一体に保持されてなるとす
るもので、基本的には、前記した油圧ユニットと同様
に、建築物Aが、たとえば、風で揺れるときに、この建
築物Aの揺れに起因して作動するように設定されてい
る。
【0034】そして、このパワーユニットからの油圧
は、シリンダ体9に開穿の連通孔9bおよびこれに連通
するようにラム体10の外周に形成された筒状隙間10
aを介して上記の圧力室に供給されるとしている。
は、シリンダ体9に開穿の連通孔9bおよびこれに連通
するようにラム体10の外周に形成された筒状隙間10
aを介して上記の圧力室に供給されるとしている。
【0035】また、上記の圧力室から環状シール11を
交わすようにして外周側に漏れる油は、この環状シール
11の外周側に配在される別の環状シール12によっ
て、平坦面A2上を伝うようにしていわゆる外部に漏出
することが阻止されると共に、シリンダ体9のボトム部
(符示せず)に開穿の連通孔9cを介してパワーユニッ
トに戻される。
交わすようにして外周側に漏れる油は、この環状シール
11の外周側に配在される別の環状シール12によっ
て、平坦面A2上を伝うようにしていわゆる外部に漏出
することが阻止されると共に、シリンダ体9のボトム部
(符示せず)に開穿の連通孔9cを介してパワーユニッ
トに戻される。
【0036】弾性支承機構5は、この発明による制振装
置にあって、図4に示すように、上記の流体軸受機構4
の配在下に建築物A側に起立されて、その上端でマス体
1を支承するとしている。
置にあって、図4に示すように、上記の流体軸受機構4
の配在下に建築物A側に起立されて、その上端でマス体
1を支承するとしている。
【0037】なお、この弾性支承機構5は、マス体1の
下方のいわゆる四個所に設けられていて(図1参照)、
マス体1を平衡に支承し得るように配慮している。
下方のいわゆる四個所に設けられていて(図1参照)、
マス体1を平衡に支承し得るように配慮している。
【0038】また、図示する実施の形態では、マス体1
において弾性支承機構5に対向することになる下端に支
持脚1bが下方に向けて突設されてなるとして(図2参
照)、この支持脚1bの下端にこの弾性支承機構5の上
端が連設されるとしているが、マス体1の高さを大きく
することを避けるためにこの支持脚1bの形成が省略さ
れる場合には、この弾性支承機構5の上端がマス体1の
下端に直接連設されるのはもちろんである。
において弾性支承機構5に対向することになる下端に支
持脚1bが下方に向けて突設されてなるとして(図2参
照)、この支持脚1bの下端にこの弾性支承機構5の上
端が連設されるとしているが、マス体1の高さを大きく
することを避けるためにこの支持脚1bの形成が省略さ
れる場合には、この弾性支承機構5の上端がマス体1の
下端に直接連設されるのはもちろんである。
【0039】ところで、この弾性支承機構5は、詳しく
は図示しないが、上端が上方の支持脚1b側に固定的に
連結される一方で下端が上下方向に対していわゆる自由
端とされる四本の支柱13を有してなると共に、各支柱
13をそれぞれ取巻くように積層配置された皿ばね14
を有していて、この四つとなる皿ばね14群の反発力で
上方からの荷重、すなわち、マス体1の荷重を受けると
している。
は図示しないが、上端が上方の支持脚1b側に固定的に
連結される一方で下端が上下方向に対していわゆる自由
端とされる四本の支柱13を有してなると共に、各支柱
13をそれぞれ取巻くように積層配置された皿ばね14
を有していて、この四つとなる皿ばね14群の反発力で
上方からの荷重、すなわち、マス体1の荷重を受けると
している。
【0040】それゆえ、各弾性支承機構5にあっては、
四本となるいわゆるばねがバランスして荷重を受ける一
方で、四個所となる各弾性支承機構5がバランスしてマ
ス体1からの荷重を受けることになるから、仮に四個所
となる各平坦面A2の高さに誤差や傾きがあり、マス体
1が傾くような状況下でも、このマス体1の水平方向の
移動を許容することになる。
四本となるいわゆるばねがバランスして荷重を受ける一
方で、四個所となる各弾性支承機構5がバランスしてマ
ス体1からの荷重を受けることになるから、仮に四個所
となる各平坦面A2の高さに誤差や傾きがあり、マス体
1が傾くような状況下でも、このマス体1の水平方向の
移動を許容することになる。
【0041】ちなみに、この弾性支承機構5は、強いて
言えば、制振装置の高さ方向の寸法を大きくする傾向に
なるから、その配在が省略されるとしても良いが、上記
したような作用効果があることを勘案すると、これが設
けられている方が好ましいと言い得る。
言えば、制振装置の高さ方向の寸法を大きくする傾向に
なるから、その配在が省略されるとしても良いが、上記
したような作用効果があることを勘案すると、これが設
けられている方が好ましいと言い得る。
【0042】なお、上記した弾性支承機構5は、四本の
支柱13の下端を自由端構造下に連繋する下方ブラケッ
ト15を有してなるが、この下方ブラケット15には、
下端側が前記したラム体10内に挿通される支持軸16
を有してなるとしており、この支持軸16の下端が球面
座構造下にラム体10、すなわち、前記した流体軸受機
構4に連繋するとして、この弾性支承機構5が流体軸受
機構4に対して上端側を揺動可能とするように設定され
てなるとしている。
支柱13の下端を自由端構造下に連繋する下方ブラケッ
ト15を有してなるが、この下方ブラケット15には、
下端側が前記したラム体10内に挿通される支持軸16
を有してなるとしており、この支持軸16の下端が球面
座構造下にラム体10、すなわち、前記した流体軸受機
構4に連繋するとして、この弾性支承機構5が流体軸受
機構4に対して上端側を揺動可能とするように設定され
てなるとしている。
【0043】一方、前記した流体軸受機構4に油圧を供
給するパワーユニットについては、任意の構成が採用さ
れて良いが、この発明では、たとえば、図5に示すよう
に構成されている。
給するパワーユニットについては、任意の構成が採用さ
れて良いが、この発明では、たとえば、図5に示すよう
に構成されている。
【0044】すなわち、このパワーユニットは、まず、
油圧源Pからの油圧が切換弁17を介して各流体軸受機
構4に供給されるとしており、各流体軸受機構4に油圧
を供給するにあたっては、チェック弁18を介すること
でその逆流を防止しながら、流体軸受機構4に向けて油
圧を供給するとしている。
油圧源Pからの油圧が切換弁17を介して各流体軸受機
構4に供給されるとしており、各流体軸受機構4に油圧
を供給するにあたっては、チェック弁18を介すること
でその逆流を防止しながら、流体軸受機構4に向けて油
圧を供給するとしている。
【0045】ここで、上記の切換弁17は、たとえば、
風で建築物Aが揺れるときに、この建築物Aの揺れに起
因していわゆるオン作動して制御油圧の供給を可能にす
るように設定されている。
風で建築物Aが揺れるときに、この建築物Aの揺れに起
因していわゆるオン作動して制御油圧の供給を可能にす
るように設定されている。
【0046】つぎに、上記のチェック弁18を通過した
流体圧は、流体軸受機構4に接続された油路L中に配在
のレベリングバルブ6を介して流体軸受機構4に供給さ
れるが、このレベリングバルブ6は、流体軸受機構4の
作動状態に依存して、すなわち、流体軸受機構4におい
て、ラム体10がシリンダ体9に対して規定のストロー
クだけ上昇しているか否かに基づいて、流体圧源Pから
の流体圧の供給および遮断を選択するように設定されて
いる。
流体圧は、流体軸受機構4に接続された油路L中に配在
のレベリングバルブ6を介して流体軸受機構4に供給さ
れるが、このレベリングバルブ6は、流体軸受機構4の
作動状態に依存して、すなわち、流体軸受機構4におい
て、ラム体10がシリンダ体9に対して規定のストロー
クだけ上昇しているか否かに基づいて、流体圧源Pから
の流体圧の供給および遮断を選択するように設定されて
いる。
【0047】ちなみに、言わば油圧の供給がなくラム体
10がシリンダ体9に対して規定のストロークだけ上昇
していなければ、レベリングバルブ6がいわゆるオン作
動して流体圧源Pからの流体圧を流体軸受機構4に供給
する。
10がシリンダ体9に対して規定のストロークだけ上昇
していなければ、レベリングバルブ6がいわゆるオン作
動して流体圧源Pからの流体圧を流体軸受機構4に供給
する。
【0048】さらに、上記のレベリングバルブ6に接続
されながら流体軸受機構4に接続される油路Lには、タ
ンクTに通じる油路L1が接続されていて、この油路L
1には、外部からの信号の入力で遮断ポジションになっ
て(図示せず)、流体軸受機構4における流体圧を保持
し、外部からの信号が入力されなくなるときに図示する
排出ポジションになって、流体軸受機構4における流体
圧をタンクTに解放させるドレンバルブ7を有してなる
としている。
されながら流体軸受機構4に接続される油路Lには、タ
ンクTに通じる油路L1が接続されていて、この油路L
1には、外部からの信号の入力で遮断ポジションになっ
て(図示せず)、流体軸受機構4における流体圧を保持
し、外部からの信号が入力されなくなるときに図示する
排出ポジションになって、流体軸受機構4における流体
圧をタンクTに解放させるドレンバルブ7を有してなる
としている。
【0049】ちなみに、このドレンバルブ7が排出ポジ
ションに戻されるのは風による建築物Aの揺れが沈静化
する場合を原則とし、その他には、いわゆるフェールセ
ーフ時となる。
ションに戻されるのは風による建築物Aの揺れが沈静化
する場合を原則とし、その他には、いわゆるフェールセ
ーフ時となる。
【0050】たとえば、台風による強風のために建築物
Aが大きく揺れる状態になるとき、すなわち、もはや制
振装置で建築物Aの揺れを抑制するか否かの問題ではな
い状態となったとき、あるいは、電気系統の故障で制振
装置の正常な作動を期待できない状態となったときなど
である。
Aが大きく揺れる状態になるとき、すなわち、もはや制
振装置で建築物Aの揺れを抑制するか否かの問題ではな
い状態となったとき、あるいは、電気系統の故障で制振
装置の正常な作動を期待できない状態となったときなど
である。
【0051】以上のように構成されたこの実施の形態に
よる制振装置にあっては、前記したように、建築物A
が、たとえば、風で揺れるときには、この建築物Aの揺
れに連れてマス体1が水平移動するようになるが、この
とき、建築物Aの揺れに起因する油圧ユニットの作動で
相応のアクチュエータ2が伸縮作動する、すなわち、マ
ス体1の水平移動を望ましい動きにするようにアクチュ
エータ2がいわゆる反力を発生することになる。
よる制振装置にあっては、前記したように、建築物A
が、たとえば、風で揺れるときには、この建築物Aの揺
れに連れてマス体1が水平移動するようになるが、この
とき、建築物Aの揺れに起因する油圧ユニットの作動で
相応のアクチュエータ2が伸縮作動する、すなわち、マ
ス体1の水平移動を望ましい動きにするようにアクチュ
エータ2がいわゆる反力を発生することになる。
【0052】そして、このときには、油圧ユニットと同
様にパワーユニットが建築物Aの揺れに起因して作動し
て、流体軸受機構4が建築物A側の上端を形成する平坦
面A2との間に流動体からなる潤滑層、すなわち、流体
軸受を形成することになる。
様にパワーユニットが建築物Aの揺れに起因して作動し
て、流体軸受機構4が建築物A側の上端を形成する平坦
面A2との間に流動体からなる潤滑層、すなわち、流体
軸受を形成することになる。
【0053】それゆえ、この流体軸受機構4を介して弾
性支承機構5に支承されるマス体1は、流体軸受の配在
下に建築物Aに支承されていることになり、アクチュエ
ータ2によってその水平移動が抑制されるとき、抵抗な
くして、また、騒音発生の危惧をなくしてそれが実現さ
れることになる。
性支承機構5に支承されるマス体1は、流体軸受の配在
下に建築物Aに支承されていることになり、アクチュエ
ータ2によってその水平移動が抑制されるとき、抵抗な
くして、また、騒音発生の危惧をなくしてそれが実現さ
れることになる。
【0054】そして、たとえば、風による建築物Aの揺
れが沈静化されると、これによって油圧ユニットおよび
パワーユニットの作動が停止され、図示する実施の形態
にあっては、バネ体3を有してなるとするから、このバ
ネ体3の反力のバランスでマス体1が建築物Aに対する
旧状位置に復帰することになる。
れが沈静化されると、これによって油圧ユニットおよび
パワーユニットの作動が停止され、図示する実施の形態
にあっては、バネ体3を有してなるとするから、このバ
ネ体3の反力のバランスでマス体1が建築物Aに対する
旧状位置に復帰することになる。
【0055】なお、このとき、パワーユニットの作動で
形成された流体軸受、すなわち、潤滑層は、時間の経過
と共に環状シール11を交わすようにして外周側に徐々
に漏出され、この漏出された油がドレン通路L2を介し
てタンクTに回収されて消滅される。
形成された流体軸受、すなわち、潤滑層は、時間の経過
と共に環状シール11を交わすようにして外周側に徐々
に漏出され、この漏出された油がドレン通路L2を介し
てタンクTに回収されて消滅される。
【0056】また、台風による強風のために建築物Aが
大きく揺れる状態になるとき、すなわち、もはや制振装
置で建築物Aの揺れを抑制するか否かの問題ではない状
態となるときや、あるいは、電気系統の故障で制振装置
の正常な作動を期待できない状態となるときには、ドレ
ンバルブ7が作動して、マス体1の水平移動を阻止する
フェールセーフ機能が発揮されることになる。
大きく揺れる状態になるとき、すなわち、もはや制振装
置で建築物Aの揺れを抑制するか否かの問題ではない状
態となるときや、あるいは、電気系統の故障で制振装置
の正常な作動を期待できない状態となるときには、ドレ
ンバルブ7が作動して、マス体1の水平移動を阻止する
フェールセーフ機能が発揮されることになる。
【0057】前記したところは、この発明による制振装
置が構築物たる中高層建築物Aの屋上に装備されて、そ
の建築物Aの地震や風に起因する揺れを抑制するように
機能するものとして提案したが、その作用するところお
よび効果を勘案すると、マス体1が戸建住宅に代えられ
ると共にアクチュエータ2類および支承機構8が地上と
戸建住宅の下面との間に配在されるとして、戸建住宅が
地震や風に起因して揺れることを回避させる免震装置と
して利用するとしても良いことはもちろんである。
置が構築物たる中高層建築物Aの屋上に装備されて、そ
の建築物Aの地震や風に起因する揺れを抑制するように
機能するものとして提案したが、その作用するところお
よび効果を勘案すると、マス体1が戸建住宅に代えられ
ると共にアクチュエータ2類および支承機構8が地上と
戸建住宅の下面との間に配在されるとして、戸建住宅が
地震や風に起因して揺れることを回避させる免震装置と
して利用するとしても良いことはもちろんである。
【0058】また、前記したところでは、この発明によ
る制振装置で形成される流体軸受が流体たる油で形成さ
れるとしたが、これに代えて、同じ流体である水が利用
されるとしても良く、この場合には、その拡散による被
害が油に比較して軽微になる点で有利となる利点があ
る。
る制振装置で形成される流体軸受が流体たる油で形成さ
れるとしたが、これに代えて、同じ流体である水が利用
されるとしても良く、この場合には、その拡散による被
害が油に比較して軽微になる点で有利となる利点があ
る。
【0059】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、構
築物の上端に配置されるマス体が建築物側の上端との間
に形成される流体軸受の介在下に水平移動可能とされて
なることで、その高さ方向の寸法を極めて小さく設定で
きて制振装置における全体の高さ寸法を小さく抑える得
ると共に、マス体が水平移動する際の騒音発生を危惧し
なくて済むことになる。
築物の上端に配置されるマス体が建築物側の上端との間
に形成される流体軸受の介在下に水平移動可能とされて
なることで、その高さ方向の寸法を極めて小さく設定で
きて制振装置における全体の高さ寸法を小さく抑える得
ると共に、マス体が水平移動する際の騒音発生を危惧し
なくて済むことになる。
【0060】そして、この発明にあっては、弾性支承機
構が四本となるいわゆるばねがバランスして荷重を受け
る一方で、四個所となる各弾性支承機構がバランスして
マス体1からの荷重を受けることになるから、仮に四個
所となる各平坦面の高さに誤差や傾きがあり、マス体が
傾くような状況下でも、このマス体の水平方向の移動を
許容し得ることになる。
構が四本となるいわゆるばねがバランスして荷重を受け
る一方で、四個所となる各弾性支承機構がバランスして
マス体1からの荷重を受けることになるから、仮に四個
所となる各平坦面の高さに誤差や傾きがあり、マス体が
傾くような状況下でも、このマス体の水平方向の移動を
許容し得ることになる。
【0061】そしてまた、この発明にあっては、流体軸
受機構に接続されるパワーユニットにおいて、レベリン
グバルブが流体軸受機構の作動状況に依存して作動する
ように設定されてなるから、必要なときにのみ流体軸受
を形成することが可能になり常時流体軸受が形成されて
いる場合に比較して、流体の劣化による作動不良を危ぐ
しなくて済むことになる。
受機構に接続されるパワーユニットにおいて、レベリン
グバルブが流体軸受機構の作動状況に依存して作動する
ように設定されてなるから、必要なときにのみ流体軸受
を形成することが可能になり常時流体軸受が形成されて
いる場合に比較して、流体の劣化による作動不良を危ぐ
しなくて済むことになる。
【0062】そしてさらに、この発明にあっては、流体
軸受機構に接続されるパワーユニットにおいて、ドレン
バルブを有してなるから、このドレンバルブがいわゆる
異常事態時に作動して、マス体の水平移動を強制的に阻
止するフェールセーフ機能が発揮されることになる。
軸受機構に接続されるパワーユニットにおいて、ドレン
バルブを有してなるから、このドレンバルブがいわゆる
異常事態時に作動して、マス体の水平移動を強制的に阻
止するフェールセーフ機能が発揮されることになる。
【0063】その結果、この発明によれば、マス体を流
体軸受機構の利用下に水平移動可能に設定する場合に、
流体軸受機構が設定通りに作動し得るようにするのはも
ちろんのこと、異常事態の際にフェールセーフ機能を発
揮し得て、中高層建築物などからなる構築物の揺れを抑
制するのに最適となり、その汎用性の向上を期待し得る
利点がある。
体軸受機構の利用下に水平移動可能に設定する場合に、
流体軸受機構が設定通りに作動し得るようにするのはも
ちろんのこと、異常事態の際にフェールセーフ機能を発
揮し得て、中高層建築物などからなる構築物の揺れを抑
制するのに最適となり、その汎用性の向上を期待し得る
利点がある。
【図1】この発明の一実施の形態による制振装置を一部
仮想線で表示しながら示す平面図である。
仮想線で表示しながら示す平面図である。
【図2】図1の制振装置を一部省略しながら示す立面図
である。
である。
【図3】流体軸受機構を一部破断して示す立面図であ
る。
る。
【図4】流体軸受機構に弾性支承機構が連繋されている
状態を示す立面図である。
状態を示す立面図である。
【図5】流体軸受機構に接続されるパワーユニットの回
路図である。
路図である。
【図6】従来例とされる制振装置を示す概略図である。
1 マス体 1a 支持脚 1b 連結部 2 アクチュエータ 3 バネ体 4 流体軸受機構 5 弾性支持機構 6 レベリングバルブ 7 ドレンバルブ 8 バッファ 9 シリンダ体 9a 開口 9b,9c 連通孔 10 ラム体 10a 筒状隙間 11,12 環状シール 13 支柱 14 皿ばね 15 下方ブラケット 16 支持軸 A 構築物たる中高層建築物 A1 反力台 A2 平坦面 A3 囲い枠 D1 ラム体の半径 D2 環状シールの半径 L,L1 流路 L2 ドレン通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 光弘 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 和廣 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 石井 政好 東京都港区浜松町二丁目4番1号 世界貿 易センタービル カヤバ工業株式会社内 (72)発明者 安部 裕 東京都中央区銀座八丁目21番1号 株式会 社竹中工務店東京本店内 Fターム(参考) 3J048 AD03 AD07 AD11 BC05 BF13 BG04 CB06 EA38
Claims (1)
- 【請求項1】 流体軸受機構の配在下に構築物に対して
水平移動可能に配置されるマス体と、このマス体に一端
が連結されると共に他端が構築物側に連結されてマス体
を水平移動させるアクチュエータと、上記のマス体に一
端が連結されると共に他端が構築物側に連結されてマス
体の固有振動数を設定するバネ体とを有してなる制振装
置において、マス体が上記の流体軸受機構の配在下に構
築物側に起立される弾性支承機構の上端に支承されてな
る一方で、流体圧源に連通すると共に流体軸受機構に連
通する流路に流体軸受機構の作動状態に依存して流体軸
受機構に対する流体圧源からの流体圧の供給および遮断
を選択するレベリングバルブを有してなり、かつ、流体
軸受機構に連通すると共にタンクに連通する流路に外部
からの信号の入力で流体軸受機構からの流体圧がタンク
に解放されることを阻止するドレンバルブを有してなる
ことを特徴とする制振装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10218729A JP2000055115A (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | 制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10218729A JP2000055115A (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | 制振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000055115A true JP2000055115A (ja) | 2000-02-22 |
Family
ID=16724529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10218729A Pending JP2000055115A (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | 制振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000055115A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014525133A (ja) * | 2011-06-20 | 2014-09-25 | 株式会社ニコン | マルチプルブレード保持装置 |
-
1998
- 1998-08-03 JP JP10218729A patent/JP2000055115A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014525133A (ja) * | 2011-06-20 | 2014-09-25 | 株式会社ニコン | マルチプルブレード保持装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051011 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051013 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060221 |