JP2000054881A - 筒内噴射式エンジンの制御装置 - Google Patents
筒内噴射式エンジンの制御装置Info
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- F02D41/30—Controlling fuel injection
- F02D41/38—Controlling fuel injection of the high pressure type
- F02D41/40—Controlling fuel injection of the high pressure type with means for controlling injection timing or duration
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02D—CONTROLLING COMBUSTION ENGINES
- F02D41/00—Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
- F02D41/02—Circuit arrangements for generating control signals
- F02D41/021—Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine
- F02D41/0235—Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus
- F02D41/024—Introducing corrections for particular conditions exterior to the engine in relation with the state of the exhaust gas treating apparatus to increase temperature of the exhaust gas treating apparatus
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- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02P—IGNITION, OTHER THAN COMPRESSION IGNITION, FOR INTERNAL-COMBUSTION ENGINES; TESTING OF IGNITION TIMING IN COMPRESSION-IGNITION ENGINES
- F02P5/00—Advancing or retarding ignition; Control therefor
- F02P5/04—Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions
- F02P5/145—Advancing or retarding ignition; Control therefor automatically, as a function of the working conditions of the engine or vehicle or of the atmospheric conditions using electrical means
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- F02P5/1502—Digital data processing using one central computing unit
- F02P5/1506—Digital data processing using one central computing unit with particular means during starting
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 触媒未暖機時またはエンジン冷機時に、燃費
の悪化を比較的小さくしつつ、HC、NOxを低減して
エミッションを改善するとともに排気温度上昇による暖
機促進の効果を高める。 【解決手段】 排気通路に排気ガス浄化用の触媒22を
備えるとともに、燃焼室内に直接燃料を噴射するインジ
ェクタ11を備えた筒内噴射式エンジンにおいて、触媒
22の温度状態を判別する温度状態判別手段31と、イ
ンジェクタ11からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御
手段33とを備える。この燃料噴射制御手段33は、触
媒が活性温度よりも低い未暖機状態にあるときに、暖機
促進制御として、圧縮行程の期間中に複数回の分割噴射
を行なわせるように上記インジェクタ11を制御する。
の悪化を比較的小さくしつつ、HC、NOxを低減して
エミッションを改善するとともに排気温度上昇による暖
機促進の効果を高める。 【解決手段】 排気通路に排気ガス浄化用の触媒22を
備えるとともに、燃焼室内に直接燃料を噴射するインジ
ェクタ11を備えた筒内噴射式エンジンにおいて、触媒
22の温度状態を判別する温度状態判別手段31と、イ
ンジェクタ11からの燃料噴射を制御する燃料噴射制御
手段33とを備える。この燃料噴射制御手段33は、触
媒が活性温度よりも低い未暖機状態にあるときに、暖機
促進制御として、圧縮行程の期間中に複数回の分割噴射
を行なわせるように上記インジェクタ11を制御する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室内に直接燃
料を噴射するインジェクタを備えた筒内噴射式エンジン
において、触媒未暖機時またはエンジンの冷機時におけ
る燃料噴射の制御に関するものである。
料を噴射するインジェクタを備えた筒内噴射式エンジン
において、触媒未暖機時またはエンジンの冷機時におけ
る燃料噴射の制御に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、燃料を直接燃焼室内に噴射するイ
ンジェクタを備えた筒内噴射式エンジンは知られてい
る。この筒内噴射式エンジンでは、吸気通路にインジェ
クタを設ける場合のように通路壁面への燃料付着が問題
となることがなくて、空燃比制御の安定性、応答性等に
すぐれ、また、インジェクタから圧縮行程後半に燃料を
噴射した場合に混合気が点火プラグまわりに偏在するよ
うな燃焼室形状としておけば、所謂成層燃焼により空燃
比のリーン化とそれによる燃費改善を図ることができ
る。
ンジェクタを備えた筒内噴射式エンジンは知られてい
る。この筒内噴射式エンジンでは、吸気通路にインジェ
クタを設ける場合のように通路壁面への燃料付着が問題
となることがなくて、空燃比制御の安定性、応答性等に
すぐれ、また、インジェクタから圧縮行程後半に燃料を
噴射した場合に混合気が点火プラグまわりに偏在するよ
うな燃焼室形状としておけば、所謂成層燃焼により空燃
比のリーン化とそれによる燃費改善を図ることができ
る。
【0003】ところで、自動車等のエンジンでは排気ガ
ス中にHC、CO及びNOxが含まれており、エミッシ
ョンの改善としてこれらの有害成分の発生、放出をでき
るだけ減少させることが要求される。このため、排気通
路中に触媒を設けて排気ガスを浄化することは従来から
行なわれており、上記筒内噴射式エンジンでも一般に排
気通路中に触媒が設けられている。
ス中にHC、CO及びNOxが含まれており、エミッシ
ョンの改善としてこれらの有害成分の発生、放出をでき
るだけ減少させることが要求される。このため、排気通
路中に触媒を設けて排気ガスを浄化することは従来から
行なわれており、上記筒内噴射式エンジンでも一般に排
気通路中に触媒が設けられている。
【0004】しかし、排気ガス浄化用の触媒は活性化温
度より低温の未暖機時には充分に浄化作用を発揮でき
ず、触媒が暖機状態に達するまでの時間が長いとその間
にHCやNOxが多く放出され易い。
度より低温の未暖機時には充分に浄化作用を発揮でき
ず、触媒が暖機状態に達するまでの時間が長いとその間
にHCやNOxが多く放出され易い。
【0005】このような問題の対策としては、例えば特
表平8−505448号公報に示されるような装置があ
る。この装置は、触媒の未暖機時に、少なくとも1シリ
ンダについて点火時期を上死点後に遅らせるとともに、
燃料比をエンジンが正常に回転しているときに要求され
るレベルよりも増加することにより、排気温度を上昇さ
せて触媒の暖機促進を図るようにしている。また、筒内
噴射式エンジンに適用する場合は、圧縮行程の上死点前
(例えばBTDC60°〜80°の間)に燃料を一括に
噴射するようにしている。
表平8−505448号公報に示されるような装置があ
る。この装置は、触媒の未暖機時に、少なくとも1シリ
ンダについて点火時期を上死点後に遅らせるとともに、
燃料比をエンジンが正常に回転しているときに要求され
るレベルよりも増加することにより、排気温度を上昇さ
せて触媒の暖機促進を図るようにしている。また、筒内
噴射式エンジンに適用する場合は、圧縮行程の上死点前
(例えばBTDC60°〜80°の間)に燃料を一括に
噴射するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示されてい
る装置は、触媒未暖機時に、燃料を余分に供給しつつ、
主として点火時期のリタードにより暖機の促進を図って
おり、筒内噴射式エンジンにおけるインジェクタからの
燃料噴射の制御としては単に圧縮行程で一括に燃料を噴
射しているが、このようにすると、燃料噴射量がある程
度多い場合などに、大幅に燃費が悪化し、その割にはH
C、NOxの低減及び排気温度上昇の効果が充分でない
等、改善の余地が残されていた。
る装置は、触媒未暖機時に、燃料を余分に供給しつつ、
主として点火時期のリタードにより暖機の促進を図って
おり、筒内噴射式エンジンにおけるインジェクタからの
燃料噴射の制御としては単に圧縮行程で一括に燃料を噴
射しているが、このようにすると、燃料噴射量がある程
度多い場合などに、大幅に燃費が悪化し、その割にはH
C、NOxの低減及び排気温度上昇の効果が充分でない
等、改善の余地が残されていた。
【0007】本発明は上記の事情に鑑み、触媒未暖機時
またはエンジン冷機時に、燃費の悪化を比較的小さくし
つつ、HC、NOxを低減してエミッションを改善する
とともに排気温度上昇による暖機促進の効果を高めるこ
とができる筒内噴射式エンジンの制御装置を提供するこ
とを目的としている。
またはエンジン冷機時に、燃費の悪化を比較的小さくし
つつ、HC、NOxを低減してエミッションを改善する
とともに排気温度上昇による暖機促進の効果を高めるこ
とができる筒内噴射式エンジンの制御装置を提供するこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
排気通路に排気ガス浄化用の触媒を備えるとともに、燃
焼室内に直接燃料を噴射するインジェクタを備えた筒内
噴射式エンジンにおいて、上記触媒の温度状態を判別す
る温度状態判別手段と、上記インジェクタからの燃料噴
射を制御する燃料噴射制御手段とを備え、この燃料噴射
制御手段は、上記温度状態判別手段による判別に基づ
き、触媒が活性温度よりも低い未暖機状態にあるとき
に、暖機促進制御として圧縮行程の期間中に複数回の分
割噴射を行なわせるように上記インジェクタを制御する
構成としたものである。
排気通路に排気ガス浄化用の触媒を備えるとともに、燃
焼室内に直接燃料を噴射するインジェクタを備えた筒内
噴射式エンジンにおいて、上記触媒の温度状態を判別す
る温度状態判別手段と、上記インジェクタからの燃料噴
射を制御する燃料噴射制御手段とを備え、この燃料噴射
制御手段は、上記温度状態判別手段による判別に基づ
き、触媒が活性温度よりも低い未暖機状態にあるとき
に、暖機促進制御として圧縮行程の期間中に複数回の分
割噴射を行なわせるように上記インジェクタを制御する
構成としたものである。
【0009】この発明によると、触媒未暖機時に、上記
インジェクタから圧縮行程の期間中に分割噴射が行なわ
れ、そのうちの早期噴射で比較的リーンな混合気が生成
されるとともに、点火時期までの時間が短い後期噴射で
比較的気化、霧化の悪い混合気が生成されて、これらが
燃焼室内に分布することにより、初期燃焼を抑制すると
ともに燃焼期間の後半の燃焼を促進する等の作用が得ら
れ、これらの作用でHC及びNOxが低減されるととも
に、排気温度が上昇されて暖機が促進される。
インジェクタから圧縮行程の期間中に分割噴射が行なわ
れ、そのうちの早期噴射で比較的リーンな混合気が生成
されるとともに、点火時期までの時間が短い後期噴射で
比較的気化、霧化の悪い混合気が生成されて、これらが
燃焼室内に分布することにより、初期燃焼を抑制すると
ともに燃焼期間の後半の燃焼を促進する等の作用が得ら
れ、これらの作用でHC及びNOxが低減されるととも
に、排気温度が上昇されて暖機が促進される。
【0010】請求項2に係る発明は、燃焼室内に直接燃
料を噴射するインジェクタを備えた筒内噴射式エンジン
において、エンジンの温度状態を判別する温度状態判別
手段と、上記インジェクタからの燃料噴射を制御する燃
料噴射制御手段とを備え、この燃料噴射制御手段は、上
記温度状態判別手段による判別に基づき、エンジン温度
が低い冷機状態にあるときに、暖機促進制御として圧縮
行程の期間中に複数回の分割噴射を行なわせるように上
記インジェクタを制御するようにしたものである。
料を噴射するインジェクタを備えた筒内噴射式エンジン
において、エンジンの温度状態を判別する温度状態判別
手段と、上記インジェクタからの燃料噴射を制御する燃
料噴射制御手段とを備え、この燃料噴射制御手段は、上
記温度状態判別手段による判別に基づき、エンジン温度
が低い冷機状態にあるときに、暖機促進制御として圧縮
行程の期間中に複数回の分割噴射を行なわせるように上
記インジェクタを制御するようにしたものである。
【0011】この発明によると、エンジン冷機時に、上
記のような作用が得られる。
記のような作用が得られる。
【0012】これらの発明の装置において、暖機促進制
御としての圧縮行程中の分割噴射を行なうときに燃焼室
内全体の空燃比を13〜17の範囲としておくことが好
ましい。このように空燃比の範囲を設定するのは、これ
が熱発生率の高い空燃比の範囲であり、従って、排気ガ
ス温度を高くすることができる空燃比を利用するためで
ある。
御としての圧縮行程中の分割噴射を行なうときに燃焼室
内全体の空燃比を13〜17の範囲としておくことが好
ましい。このように空燃比の範囲を設定するのは、これ
が熱発生率の高い空燃比の範囲であり、従って、排気ガ
ス温度を高くすることができる空燃比を利用するためで
ある。
【0013】上記暖機促進制御としては、燃焼室内の混
合気の濃度が相対的に点火プラグまわりでリッチ、その
周囲でリーンとなるように圧縮行程中の分割噴射を行な
えばよい(請求項4)。さらに、燃焼室内の周辺部に、
燃料が殆ど存在しない空気層が形成されるように圧縮行
程中の分割噴射を行なえばよい(請求項5)。
合気の濃度が相対的に点火プラグまわりでリッチ、その
周囲でリーンとなるように圧縮行程中の分割噴射を行な
えばよい(請求項4)。さらに、燃焼室内の周辺部に、
燃料が殆ど存在しない空気層が形成されるように圧縮行
程中の分割噴射を行なえばよい(請求項5)。
【0014】このようにすれば、初期燃焼が抑制される
とともに燃焼期間の後半の燃焼が促進され、かつ、燃焼
室内の周辺部での混合気の燃え残りを防止する等の作用
が得られ、HC、NOxの低減及び暖機促進に効果的と
なる。
とともに燃焼期間の後半の燃焼が促進され、かつ、燃焼
室内の周辺部での混合気の燃え残りを防止する等の作用
が得られ、HC、NOxの低減及び暖機促進に効果的と
なる。
【0015】また、本発明の装置において、エンジン負
荷状態を検出する負荷状態検出手段を備え、温度状態判
別手段による判別とこの負荷状態検出手段による検出と
に基づき、触媒未暖機状態またはエンジン冷機状態にお
いて所定エンジン負荷以下の領域にあるときに、暖機促
進制御としての圧縮行程中の分割噴射を行なうようにす
ればよい(請求項6)。
荷状態を検出する負荷状態検出手段を備え、温度状態判
別手段による判別とこの負荷状態検出手段による検出と
に基づき、触媒未暖機状態またはエンジン冷機状態にお
いて所定エンジン負荷以下の領域にあるときに、暖機促
進制御としての圧縮行程中の分割噴射を行なうようにす
ればよい(請求項6)。
【0016】さらに、触媒未暖機状態またはエンジン冷
機状態において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下
のとき、暖機促進制御として圧縮行程で燃料を一括に噴
射するようにインジェクタを制御すること(請求項7)
が好ましい。
機状態において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下
のとき、暖機促進制御として圧縮行程で燃料を一括に噴
射するようにインジェクタを制御すること(請求項7)
が好ましい。
【0017】このようにすれば、燃料噴射量を制御する
噴射パルスのパルス幅が分割により小さくなり過ぎて燃
料噴射量と噴射パルス幅との対応関係のリニアリティが
得られなくなるといった事態が防止され、燃料制御性が
確保されるとともに、燃料噴射量が少ないときの燃料の
拡散が抑制されて、適度の成層状態が保たれる。
噴射パルスのパルス幅が分割により小さくなり過ぎて燃
料噴射量と噴射パルス幅との対応関係のリニアリティが
得られなくなるといった事態が防止され、燃料制御性が
確保されるとともに、燃料噴射量が少ないときの燃料の
拡散が抑制されて、適度の成層状態が保たれる。
【0018】この場合、暖機促進制御としての圧縮行程
での燃料の一括噴射は圧縮行程の後半に行なうようにす
ればよく(請求項8)、このようにすれば適度の成層状
態が得られる。また、触媒未暖機状態またはエンジン冷
機状態において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下
の運転状態からの負荷増大時に、その負荷の増大に伴
い、圧縮行程の一括噴射から圧縮行程分割噴射に切換え
るようにすればよい(請求項9)。
での燃料の一括噴射は圧縮行程の後半に行なうようにす
ればよく(請求項8)、このようにすれば適度の成層状
態が得られる。また、触媒未暖機状態またはエンジン冷
機状態において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下
の運転状態からの負荷増大時に、その負荷の増大に伴
い、圧縮行程の一括噴射から圧縮行程分割噴射に切換え
るようにすればよい(請求項9)。
【0019】とくに、触媒未暖機状態またはエンジン冷
機状態において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下
の運転状態からの負荷増大時に、上記1サイクル分の燃
料噴射量が所定値に達するまでは圧縮行程の一括噴射の
噴射時期を負荷の増大に応じて進角し、上記1サイクル
分の燃料噴射量が所定値を越える状態になると圧縮行程
分割噴射に切換えるようにすることが好ましい(請求項
10)。このようにすると、燃料噴射量が所定値に達す
るまでは圧縮行程の一括噴射で噴射時期の調整により適
度の成層状態が得られ、燃料噴射量が所定値を越えると
圧縮行程の分割噴射で適度の成層状態が得られる。
機状態において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下
の運転状態からの負荷増大時に、上記1サイクル分の燃
料噴射量が所定値に達するまでは圧縮行程の一括噴射の
噴射時期を負荷の増大に応じて進角し、上記1サイクル
分の燃料噴射量が所定値を越える状態になると圧縮行程
分割噴射に切換えるようにすることが好ましい(請求項
10)。このようにすると、燃料噴射量が所定値に達す
るまでは圧縮行程の一括噴射で噴射時期の調整により適
度の成層状態が得られ、燃料噴射量が所定値を越えると
圧縮行程の分割噴射で適度の成層状態が得られる。
【0020】また、上記のような圧縮行程の分割噴射に
よると、混合気の拡散が抑制されること等に起因して点
火時期のリタード量を大きくすることが可能なり、これ
と関連して、暖機促進制御時にエンジンの点火時期をM
BTより所定量リタードさせるようにしておけば(請求
項11)、HC、NOxの低減及び暖機促進の効果がさ
らに高められる。
よると、混合気の拡散が抑制されること等に起因して点
火時期のリタード量を大きくすることが可能なり、これ
と関連して、暖機促進制御時にエンジンの点火時期をM
BTより所定量リタードさせるようにしておけば(請求
項11)、HC、NOxの低減及び暖機促進の効果がさ
らに高められる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
基づいて説明する。
【0022】図1は筒内噴射式エンジンの一例を示して
いる。この図において、1はエンジン本体であって、シ
リンダブロック2及びシリンダヘッド3等からなり、複
数のシリンダを備えており、その各シリンダにはピスト
ン4が嵌挿され、このピストン4の頂面とシリンダヘッ
ド3の下面との間に燃焼室5が形成されている。
いる。この図において、1はエンジン本体であって、シ
リンダブロック2及びシリンダヘッド3等からなり、複
数のシリンダを備えており、その各シリンダにはピスト
ン4が嵌挿され、このピストン4の頂面とシリンダヘッ
ド3の下面との間に燃焼室5が形成されている。
【0023】上記シリンダヘッド3の下面には燃焼室5
の上面部を形成する所定形状の凹部が設けられ、例えば
図示のようなペントルーフ形状に燃焼室5の上面部が形
成されており、この燃焼室5の上面部に吸気ポート6及
び排気ポート7が開口している。この吸気ポート6及び
排気ポート7は、図面上は1個ずつ表れているが、好ま
しくは、2個ずつ、紙面と直交する方向に並んで設けら
れる。そして、各吸気ポート6及び各排気ポート7に吸
気弁8及び排気弁9がそれぞれ設けられており、これら
吸気弁8及び排気弁9は図外の動弁装置により駆動され
て所定タイミングで開閉するようになっている。
の上面部を形成する所定形状の凹部が設けられ、例えば
図示のようなペントルーフ形状に燃焼室5の上面部が形
成されており、この燃焼室5の上面部に吸気ポート6及
び排気ポート7が開口している。この吸気ポート6及び
排気ポート7は、図面上は1個ずつ表れているが、好ま
しくは、2個ずつ、紙面と直交する方向に並んで設けら
れる。そして、各吸気ポート6及び各排気ポート7に吸
気弁8及び排気弁9がそれぞれ設けられており、これら
吸気弁8及び排気弁9は図外の動弁装置により駆動され
て所定タイミングで開閉するようになっている。
【0024】燃焼室5のほほ中央部には点火プラグ10
が配置され、点火ギャップが燃焼室5内に臨む状態で、
シリンダヘッド3に取付けられている。
が配置され、点火ギャップが燃焼室5内に臨む状態で、
シリンダヘッド3に取付けられている。
【0025】また、燃焼室5に直接燃料を噴射するイン
ジェクタ11が、燃焼室5の周縁部に設けられている。
図1に示す実施形態では、燃焼室5の吸気ポート6側の
側方部においてシリンダヘッド3にインジェクタ11が
取り付けられ、インジェクタ11の先端が燃焼室5内に
臨み、かつ、斜め下方に向けて燃料を噴射するようにな
っている。
ジェクタ11が、燃焼室5の周縁部に設けられている。
図1に示す実施形態では、燃焼室5の吸気ポート6側の
側方部においてシリンダヘッド3にインジェクタ11が
取り付けられ、インジェクタ11の先端が燃焼室5内に
臨み、かつ、斜め下方に向けて燃料を噴射するようにな
っている。
【0026】さらに図示の実施形態では、燃焼室5の下
面側を構成するピストン4の頂部に、凹状のキャビティ
12が形成されている。そして、ピストン4が上死点に
近い位置となる圧縮行程後半に上記インジェクタ11か
らの燃料噴射が行なわれる場合に、この燃料がキャビテ
ィ12に向かって噴射され、さらにキャビティ12で反
射されて点火プラグ10付近に達するように、インジェ
クタ11の位置及び方向とキャビティ12の位置と点火
プラグ10の位置との関係が予め設定されている。
面側を構成するピストン4の頂部に、凹状のキャビティ
12が形成されている。そして、ピストン4が上死点に
近い位置となる圧縮行程後半に上記インジェクタ11か
らの燃料噴射が行なわれる場合に、この燃料がキャビテ
ィ12に向かって噴射され、さらにキャビティ12で反
射されて点火プラグ10付近に達するように、インジェ
クタ11の位置及び方向とキャビティ12の位置と点火
プラグ10の位置との関係が予め設定されている。
【0027】なお、上記インジェクタ11には高圧燃料
ポンプ13が燃料供給通路14を介して接続され、この
高圧燃料ポンプ13と図外のリターン通路に配置された
高圧レギュレータとにより、インジェクタ11に作用す
る燃圧が圧縮行程中期以降の噴射が可能な程度の高圧に
調整されるようになっている。
ポンプ13が燃料供給通路14を介して接続され、この
高圧燃料ポンプ13と図外のリターン通路に配置された
高圧レギュレータとにより、インジェクタ11に作用す
る燃圧が圧縮行程中期以降の噴射が可能な程度の高圧に
調整されるようになっている。
【0028】上記エンジン本体1には吸気通路15及び
排気通路16が接続されている。上記吸気通路15はサ
ージタンク15bの下流側で気筒別に分岐し、かつ、そ
の気筒別通路15aには並列に2つの通路(図面では1
つの通路のみ示す)が形成されて、その下流端の2つの
吸気ポート7が燃焼室5に開口するとともに、一方の通
路に、燃焼室内のガス流動を強化するためのスワール制
御弁17が設けられている。そして、スワール制御弁1
7が閉じられたときに、他方の通路から燃焼室5に導入
される吸気によって燃焼室5内にスワールが生成され、
燃焼室5内のガス流動が強化されるようになっている。
排気通路16が接続されている。上記吸気通路15はサ
ージタンク15bの下流側で気筒別に分岐し、かつ、そ
の気筒別通路15aには並列に2つの通路(図面では1
つの通路のみ示す)が形成されて、その下流端の2つの
吸気ポート7が燃焼室5に開口するとともに、一方の通
路に、燃焼室内のガス流動を強化するためのスワール制
御弁17が設けられている。そして、スワール制御弁1
7が閉じられたときに、他方の通路から燃焼室5に導入
される吸気によって燃焼室5内にスワールが生成され、
燃焼室5内のガス流動が強化されるようになっている。
【0029】なお、燃焼室内のガス流動を強化する手段
としては、上記スワール制御弁17の替わりにタンブル
を生成する弁を気筒別通路に設けてもよく、また、圧縮
上死点付近でピストン頂面とこれに対向する燃焼室上面
部(シリンダヘッド下面)との間にスキッシュが生成さ
れるようにしておいてもよい。
としては、上記スワール制御弁17の替わりにタンブル
を生成する弁を気筒別通路に設けてもよく、また、圧縮
上死点付近でピストン頂面とこれに対向する燃焼室上面
部(シリンダヘッド下面)との間にスキッシュが生成さ
れるようにしておいてもよい。
【0030】また、吸気通路15の途中にはスロットル
弁18が設けられ、吸入空気量の制御が可能なようにス
テップモータ等の電気的なアクチュエータ19によって
上記スロットル弁18が作動されるようになっている。
弁18が設けられ、吸入空気量の制御が可能なようにス
テップモータ等の電気的なアクチュエータ19によって
上記スロットル弁18が作動されるようになっている。
【0031】なお、サージタンク15bには、EGRバ
ルブ(図示せず)を介してEGR通路(図示せず)が接
続されており、少なくともエンジン暖機後にEGRを導
入するようになっている。
ルブ(図示せず)を介してEGR通路(図示せず)が接
続されており、少なくともエンジン暖機後にEGRを導
入するようになっている。
【0032】一方、排気通路16には、O2 センサ21
が設けられるとともに、排気浄化用の触媒を備えた触媒
装置22が設けられている。上記O2 センサ21は、排
気中の酸素濃度を検出することにより燃焼室内の混合気
の空燃比を検出するものであり、例えば理論空燃比で出
力が変化するセンサ(λO2 センサ)からなっている。
が設けられるとともに、排気浄化用の触媒を備えた触媒
装置22が設けられている。上記O2 センサ21は、排
気中の酸素濃度を検出することにより燃焼室内の混合気
の空燃比を検出するものであり、例えば理論空燃比で出
力が変化するセンサ(λO2 センサ)からなっている。
【0033】上記触媒装置22は、三元触媒により構成
してもよいが、後述のように暖機後に空燃比をリーンに
して成層燃焼を行なうような場合の浄化性能を高めるた
め、理論空燃比よりもリーンな空燃比でもNOxを浄化
する機能を有するような触媒を用いることが望ましい。
つまり、一般に知られているように三元触媒によるとH
C、CO、NOxの全てに対して高い浄化性能を有する
のが理論空燃比付近に限られるが、三元触媒の機能に加
えて理論空燃比よりもリーンな空燃比でもNOxを浄化
する機能を有する触媒(リーンNOx触媒)があるの
で、これを用いてリーン運転時のNOxを低減すること
が好ましい。尤も、このようなリーンNOx触媒であっ
ても、浄化性能が最も高められるのは理論空燃比付近で
ある。
してもよいが、後述のように暖機後に空燃比をリーンに
して成層燃焼を行なうような場合の浄化性能を高めるた
め、理論空燃比よりもリーンな空燃比でもNOxを浄化
する機能を有するような触媒を用いることが望ましい。
つまり、一般に知られているように三元触媒によるとH
C、CO、NOxの全てに対して高い浄化性能を有する
のが理論空燃比付近に限られるが、三元触媒の機能に加
えて理論空燃比よりもリーンな空燃比でもNOxを浄化
する機能を有する触媒(リーンNOx触媒)があるの
で、これを用いてリーン運転時のNOxを低減すること
が好ましい。尤も、このようなリーンNOx触媒であっ
ても、浄化性能が最も高められるのは理論空燃比付近で
ある。
【0034】上記排気通路16における触媒装置22の
位置としては、この触媒装置22にリーンNOx触媒を
備えているため、排気マニホールド16aの直下流(排
気マニホールドに直結)とすると高速高負荷時に触媒温
度が過度に上昇し易くなることから、この位置よりもエ
ンジンから遠ざかるように、排気マニホールド16aに
接続されている排気管16bの下流に触媒装置22が連
結されている。なお、三元触媒であれば耐熱性能が高い
ため、排気マニホールドに直結しても良い。
位置としては、この触媒装置22にリーンNOx触媒を
備えているため、排気マニホールド16aの直下流(排
気マニホールドに直結)とすると高速高負荷時に触媒温
度が過度に上昇し易くなることから、この位置よりもエ
ンジンから遠ざかるように、排気マニホールド16aに
接続されている排気管16bの下流に触媒装置22が連
結されている。なお、三元触媒であれば耐熱性能が高い
ため、排気マニホールドに直結しても良い。
【0035】30はエンジンの制御を行なうECU(コ
ントロールユニット)であり、このECU30には、エ
ンジンのクランク角を検出するクランク角センサ23、
アクセル開度(アクセルペダル踏み込み量)を検出する
アクセルセンサ24、吸入空気量を検出するエアフロー
メータ25、エンジン冷却水の水温を検出する水温セン
サ26及び上記O2 センサ21等からの信号が入力され
ている。
ントロールユニット)であり、このECU30には、エ
ンジンのクランク角を検出するクランク角センサ23、
アクセル開度(アクセルペダル踏み込み量)を検出する
アクセルセンサ24、吸入空気量を検出するエアフロー
メータ25、エンジン冷却水の水温を検出する水温セン
サ26及び上記O2 センサ21等からの信号が入力され
ている。
【0036】上記ECU30は、温度状態判別手段3
1、負荷状態検出手段32、燃料噴射制御手段33、燃
料噴射量演算手段34、点火時期制御手段35及び回転
数制御手段36を含んでいる。
1、負荷状態検出手段32、燃料噴射制御手段33、燃
料噴射量演算手段34、点火時期制御手段35及び回転
数制御手段36を含んでいる。
【0037】上記温度状態判別手段31は、上記水温セ
ンサ26からの水温検出信号によって触媒の温度状態を
推定して、触媒が活性温度より低い未暖機状態にあるか
否かを判定するもので、水温が設定温度未満であれば触
媒未暖機状態、設定温度以上であれば触媒暖機状態と判
定する。なお、触媒暖機状態を判定するための温度状態
判別は、水温検出とエンジン始動からの経過時間の判定
とを併用して行なうようにしてもよく、また、触媒温度
を直接検出するようにしてもよい。
ンサ26からの水温検出信号によって触媒の温度状態を
推定して、触媒が活性温度より低い未暖機状態にあるか
否かを判定するもので、水温が設定温度未満であれば触
媒未暖機状態、設定温度以上であれば触媒暖機状態と判
定する。なお、触媒暖機状態を判定するための温度状態
判別は、水温検出とエンジン始動からの経過時間の判定
とを併用して行なうようにしてもよく、また、触媒温度
を直接検出するようにしてもよい。
【0038】上記負荷状態検出手段32は、アクセルセ
ンサ24によって検出されるアクセル開度及びクランク
角センサ23の信号から求められるエンジン回転数等に
基づいて負荷状態を検出するようになっている。
ンサ24によって検出されるアクセル開度及びクランク
角センサ23の信号から求められるエンジン回転数等に
基づいて負荷状態を検出するようになっている。
【0039】上記燃料噴射制御手段33は、インジェク
タ駆動回路37を介してインジェクタ11からの燃料噴
射の時期及び噴射量を制御するものであり、触媒未暖機
状態のときは、少なくとも所定エンジン負荷以下の領域
で、暖機促進制御として圧縮行程の期間中に複数回の分
割噴射を行なわせるようにインジェクタ11を制御す
る。
タ駆動回路37を介してインジェクタ11からの燃料噴
射の時期及び噴射量を制御するものであり、触媒未暖機
状態のときは、少なくとも所定エンジン負荷以下の領域
で、暖機促進制御として圧縮行程の期間中に複数回の分
割噴射を行なわせるようにインジェクタ11を制御す
る。
【0040】当実施形態では、触媒未暖機状態のときの
暖機促進制御として、図3に示すように区分した運転領
域により、図2(a)(b)(c)のようにインジェク
タ11からの燃料噴射形態を変更することとしている。
暖機促進制御として、図3に示すように区分した運転領
域により、図2(a)(b)(c)のようにインジェク
タ11からの燃料噴射形態を変更することとしている。
【0041】すなわち、所定負荷以下の低・中負荷領域
Aのうちで燃料噴射量が所定値以下の極低負荷領域A0
(無負荷領域を含む)を除く領域では、図2(a)に示
すように、インジェクタ11からの燃料噴射を圧縮行程
期間内で早期噴射P1及び後期噴射P2の2回に分割し
て行なうようにしている。そしてこのような圧縮行程期
間中の分割噴射により、後述の図6(a)に示すような
燃焼室内の混合気分布状態が得られるようにしている。
この分割噴射における分割割合は本発明で限定しない
が、例えば早期噴射P1と後期噴射P2とが同程度(5
0%ずつ)となるようにしておけばよい。
Aのうちで燃料噴射量が所定値以下の極低負荷領域A0
(無負荷領域を含む)を除く領域では、図2(a)に示
すように、インジェクタ11からの燃料噴射を圧縮行程
期間内で早期噴射P1及び後期噴射P2の2回に分割し
て行なうようにしている。そしてこのような圧縮行程期
間中の分割噴射により、後述の図6(a)に示すような
燃焼室内の混合気分布状態が得られるようにしている。
この分割噴射における分割割合は本発明で限定しない
が、例えば早期噴射P1と後期噴射P2とが同程度(5
0%ずつ)となるようにしておけばよい。
【0042】上記極低負荷領域A0では、後述のように
分割噴射が困難になる等の理由から、圧縮行程の後半に
一括噴射P0を行なうようにしている。また、上記所定
負荷より高負荷の領域Bでは、早期噴射P11を吸気行
程、後期噴射P12を圧縮行程とした分割噴射を行なう
ようにしている。
分割噴射が困難になる等の理由から、圧縮行程の後半に
一括噴射P0を行なうようにしている。また、上記所定
負荷より高負荷の領域Bでは、早期噴射P11を吸気行
程、後期噴射P12を圧縮行程とした分割噴射を行なう
ようにしている。
【0043】なお、図2(a)(b)(c)におけるP
1,P2,P0,P11,P12はインジェクタ駆動回
路37与えられる制御信号としての噴射パルスを示して
おり、この噴射パルスのパルス幅に相当する時間だけイ
ンジェクタ11が開作動され、噴射パルス幅に応じた量
の燃料が噴射されるようになっている。
1,P2,P0,P11,P12はインジェクタ駆動回
路37与えられる制御信号としての噴射パルスを示して
おり、この噴射パルスのパルス幅に相当する時間だけイ
ンジェクタ11が開作動され、噴射パルス幅に応じた量
の燃料が噴射されるようになっている。
【0044】上記のような暖機促進制御が行なわれる触
媒未暖機時に、上記噴射量演算手段34により燃焼室全
体の空燃比が13〜17の範囲内の設定空燃比となるよ
うに燃料噴射量が演算される。この場合、O2 センサ2
1が活性化するまでは吸入空気量及びエンジン回転数に
応じて燃料噴射量を演算するオープン制御とし、O2セ
ンサ21が活性化した後は、その出力の変化に応じてP
I制御等によりフィードバック補正値を演算するような
フィードバック制御とすればよい。
媒未暖機時に、上記噴射量演算手段34により燃焼室全
体の空燃比が13〜17の範囲内の設定空燃比となるよ
うに燃料噴射量が演算される。この場合、O2 センサ2
1が活性化するまでは吸入空気量及びエンジン回転数に
応じて燃料噴射量を演算するオープン制御とし、O2セ
ンサ21が活性化した後は、その出力の変化に応じてP
I制御等によりフィードバック補正値を演算するような
フィードバック制御とすればよい。
【0045】なお、λO2 センサを用いる場合、通常の
フィードバック制御により理論空燃比に制御することが
できるが、λO2 センサの出力の反転に対するフィード
バック補正値の変化の方向の反転にディレー時間を設定
して、そのディレー時間をリーン側とリッチ側とで異な
らせたり、PI制御におけるP値(比例ゲイン)やI値
(積分ゲイン)をリーン側とリッチ側とで異ならせたり
することにより、理論空燃比より多少リーンもしくはリ
ッチとなるようにフィードバック制御を行なうこともで
きる。
フィードバック制御により理論空燃比に制御することが
できるが、λO2 センサの出力の反転に対するフィード
バック補正値の変化の方向の反転にディレー時間を設定
して、そのディレー時間をリーン側とリッチ側とで異な
らせたり、PI制御におけるP値(比例ゲイン)やI値
(積分ゲイン)をリーン側とリッチ側とで異ならせたり
することにより、理論空燃比より多少リーンもしくはリ
ッチとなるようにフィードバック制御を行なうこともで
きる。
【0046】上記点火時期制御手段35は、点火装置3
8に制御信号を出力して、点火時期をエンジンの運転状
態に応じて制御するものであり、基本的には点火時期を
MBTに制御するが、触媒未暖機状態では点火時期をM
BTよりも所定量リタードするようになっている。
8に制御信号を出力して、点火時期をエンジンの運転状
態に応じて制御するものであり、基本的には点火時期を
MBTに制御するが、触媒未暖機状態では点火時期をM
BTよりも所定量リタードするようになっている。
【0047】また、上記エンジン回転数制御手段36
は、触媒未暖機時に触媒暖機後よりもエンジンのアイド
ル回転数を高くするように、吸入空気量あるいは点火時
期等を制御する。
は、触媒未暖機時に触媒暖機後よりもエンジンのアイド
ル回転数を高くするように、吸入空気量あるいは点火時
期等を制御する。
【0048】なお、上記ECU30は、スロットル弁1
8を駆動するアクチュエータ19に制御信号を出力する
ことによって吸入空気量の制御も行なうようになってお
り、触媒未暖機時や暖機後に高負荷領域等において理論
空燃比で運転するような場合はアクセル開度に応じてス
ロットル弁18の開度を制御し、暖機後に低負荷領域等
において圧縮行程のみの燃料噴射により成層燃焼が行わ
れるような場合には、空燃比をリーンとすべくスロット
ル弁18を開いて吸入空気量を増大させるように調整す
る。さらにECU30は、触媒未暖機時において圧縮行
程での一括噴射や分割噴射が行なわれるとき等に燃焼室
5内にスワールを生じさせるべく、上記スワール制御弁
17を制御する。
8を駆動するアクチュエータ19に制御信号を出力する
ことによって吸入空気量の制御も行なうようになってお
り、触媒未暖機時や暖機後に高負荷領域等において理論
空燃比で運転するような場合はアクセル開度に応じてス
ロットル弁18の開度を制御し、暖機後に低負荷領域等
において圧縮行程のみの燃料噴射により成層燃焼が行わ
れるような場合には、空燃比をリーンとすべくスロット
ル弁18を開いて吸入空気量を増大させるように調整す
る。さらにECU30は、触媒未暖機時において圧縮行
程での一括噴射や分割噴射が行なわれるとき等に燃焼室
5内にスワールを生じさせるべく、上記スワール制御弁
17を制御する。
【0049】この筒内噴射式エンジンの制御の一例を、
図4のフローチャートによって説明する。
図4のフローチャートによって説明する。
【0050】図4のフローチャートに示す処理が開始さ
れると、先ずステップS1で各種信号が入力され、ステ
ップS2で始動時か否かが判定される。始動時であれ
ば、燃料の気化、霧化の促進及びトルク確保に有利なよ
うに吸気行程で噴射が行なわれ(ステップS3)、点火
時期はMBTとされる。
れると、先ずステップS1で各種信号が入力され、ステ
ップS2で始動時か否かが判定される。始動時であれ
ば、燃料の気化、霧化の促進及びトルク確保に有利なよ
うに吸気行程で噴射が行なわれ(ステップS3)、点火
時期はMBTとされる。
【0051】始動時でなければ、ステップS4で水温や
始動からの経過時間等が調べられることにより触媒未暖
機時か否かが判定される。触媒未暖機時であれば、ステ
ップS5で、13〜17の範囲内の設定空燃比となるよ
うに燃料噴射量が演算されるとともに、ステップS6で
エンジン負荷が所定負荷以下か否かが判定され、その判
定がYESであれば、さらにステップS7で極低負荷か
否かが判定される。
始動からの経過時間等が調べられることにより触媒未暖
機時か否かが判定される。触媒未暖機時であれば、ステ
ップS5で、13〜17の範囲内の設定空燃比となるよ
うに燃料噴射量が演算されるとともに、ステップS6で
エンジン負荷が所定負荷以下か否かが判定され、その判
定がYESであれば、さらにステップS7で極低負荷か
否かが判定される。
【0052】これらステップS6,S7の判定に基づ
き、触媒未暖機時に、所定負荷以下の領域Aであって、
かつ極低負荷領域A0にない場合には、ステップS8で
圧縮分割噴射(圧縮行程での分割噴射)が行なわれ、さ
らにステップS9で点火時期がリタードされる。
き、触媒未暖機時に、所定負荷以下の領域Aであって、
かつ極低負荷領域A0にない場合には、ステップS8で
圧縮分割噴射(圧縮行程での分割噴射)が行なわれ、さ
らにステップS9で点火時期がリタードされる。
【0053】触媒未暖機時に極低負荷領域A0にある場
合には、ステップS10で圧縮一括噴射(圧縮行程での
一括噴射)が行なわれ、かつ点火時期がリタードされる
(ステップS9)。また、上記所定負荷より高負荷の領
域にある時には、吸気・圧縮分割噴射(吸気行程と圧縮
行程の分割噴射)が行なわれ、かつ点火時期がリタード
される(ステップS9)。
合には、ステップS10で圧縮一括噴射(圧縮行程での
一括噴射)が行なわれ、かつ点火時期がリタードされる
(ステップS9)。また、上記所定負荷より高負荷の領
域にある時には、吸気・圧縮分割噴射(吸気行程と圧縮
行程の分割噴射)が行なわれ、かつ点火時期がリタード
される(ステップS9)。
【0054】触媒の暖機後は、ステップS12で運転状
態に応じた制御が行なわれ、例えば、低回転低負荷領域
であれば成層燃焼を行うべく圧縮行程噴射とされるとと
もに空燃比がリーンとされ、高回転領域や高負荷領域で
あれば均一燃焼を行うべく吸気行程噴射とされる。さら
にまた、中負荷領域において成層燃焼領域と均一燃焼領
域との間では、必要に応じ、トルク急変の防止のために
吸気行程、圧縮行程の分割噴射が行なわれる場合もあ
る。
態に応じた制御が行なわれ、例えば、低回転低負荷領域
であれば成層燃焼を行うべく圧縮行程噴射とされるとと
もに空燃比がリーンとされ、高回転領域や高負荷領域で
あれば均一燃焼を行うべく吸気行程噴射とされる。さら
にまた、中負荷領域において成層燃焼領域と均一燃焼領
域との間では、必要に応じ、トルク急変の防止のために
吸気行程、圧縮行程の分割噴射が行なわれる場合もあ
る。
【0055】以上のような当実施形態の筒内噴射式エン
ジンによる作用、効果を、次に説明する。
ジンによる作用、効果を、次に説明する。
【0056】エンジン始動後において触媒が未暖機状態
にあるとき、所定負荷以下の低・中領域Aにおいて極低
負荷領域A0を除く領域で、圧縮行程期間中の分割噴射
が行なわれる。これにより、HC及びNOxが低減され
るとともに、排気温度が上昇することで触媒の暖機が促
進され、しかも、燃費の悪化は比較的小さく抑えられ
る。このような効果を示す実験結果を図5に示す。
にあるとき、所定負荷以下の低・中領域Aにおいて極低
負荷領域A0を除く領域で、圧縮行程期間中の分割噴射
が行なわれる。これにより、HC及びNOxが低減され
るとともに、排気温度が上昇することで触媒の暖機が促
進され、しかも、燃費の悪化は比較的小さく抑えられ
る。このような効果を示す実験結果を図5に示す。
【0057】図5(a)〜(d)は、エンジン冷却水温
が40°Cの触媒未暖機状態で、エンジン回転数が15
00rpm、正味平均有効圧力Peが294kPa(3
kg/cm2)、空燃比が理論空燃比(λ=1)という
運転条件で、吸気・圧縮分割噴射(早期噴射を吸気行
程、後期噴射を圧縮行程とする分割噴射)を行なった場
合と、圧縮一括噴射(圧縮行程で一括に噴射)を行なっ
た場合と、圧縮分割噴射(早期噴射と後期噴射とをとも
に圧縮行程の期間内とする分割噴射)を行なった場合と
につき、HC低減率、NOx低減率、排気温度上昇度及
び燃費悪化率を調べた実験結果をグラフで示している。
これら低減率、上昇度、悪化率はいずれも、吸気行程一
括噴射と比較したもの(これと同じであれば0)であ
る。
が40°Cの触媒未暖機状態で、エンジン回転数が15
00rpm、正味平均有効圧力Peが294kPa(3
kg/cm2)、空燃比が理論空燃比(λ=1)という
運転条件で、吸気・圧縮分割噴射(早期噴射を吸気行
程、後期噴射を圧縮行程とする分割噴射)を行なった場
合と、圧縮一括噴射(圧縮行程で一括に噴射)を行なっ
た場合と、圧縮分割噴射(早期噴射と後期噴射とをとも
に圧縮行程の期間内とする分割噴射)を行なった場合と
につき、HC低減率、NOx低減率、排気温度上昇度及
び燃費悪化率を調べた実験結果をグラフで示している。
これら低減率、上昇度、悪化率はいずれも、吸気行程一
括噴射と比較したもの(これと同じであれば0)であ
る。
【0058】これらのグラフから明らかなように、吸気
・圧縮分割噴射、圧縮一括噴射及び圧縮分割噴射のいず
れによっても、吸気一括噴射の場合よりはHC及びNO
xが低減されるとともに排気温度が上昇されるが、とく
に、少なくとも上記運転条件では、圧縮分割噴射によ
り、HC及びNOxの低減効果及び排気温度上昇効果が
最も高められる。また、これら吸気・圧縮分割噴射、圧
縮一括噴射及び圧縮分割噴射はいずれも吸気一括噴射と
比べて燃費は悪化するが、圧縮分割噴射によると燃費悪
化の度合が最も小さくなる。
・圧縮分割噴射、圧縮一括噴射及び圧縮分割噴射のいず
れによっても、吸気一括噴射の場合よりはHC及びNO
xが低減されるとともに排気温度が上昇されるが、とく
に、少なくとも上記運転条件では、圧縮分割噴射によ
り、HC及びNOxの低減効果及び排気温度上昇効果が
最も高められる。また、これら吸気・圧縮分割噴射、圧
縮一括噴射及び圧縮分割噴射はいずれも吸気一括噴射と
比べて燃費は悪化するが、圧縮分割噴射によると燃費悪
化の度合が最も小さくなる。
【0059】このような効果が得られる理由として推測
されるところを次に説明する。
されるところを次に説明する。
【0060】インジェクタ11から噴射された燃料によ
る燃焼室内の混合気分布について考察すると、燃料噴射
から点火までの時間が短いほど気化、霧化が不充分にな
るとともに噴射燃料が点火プラグまわりに集まり易くな
るので、吸気・圧縮分割噴射の場合は図6(a)のよう
に、後期噴射による比較的リッチな混合気層MR が点火
プラグまわりに偏在するとともに、その周囲に早期噴射
による比較的リーンな混合気層ML が生成される。そし
て、早期噴射も圧縮行程で行なわれるので完全に燃焼室
全体に分散せず、燃焼室の周辺部には消炎層として燃料
が殆ど存在しない空気層Airが存在する状態となる。
る燃焼室内の混合気分布について考察すると、燃料噴射
から点火までの時間が短いほど気化、霧化が不充分にな
るとともに噴射燃料が点火プラグまわりに集まり易くな
るので、吸気・圧縮分割噴射の場合は図6(a)のよう
に、後期噴射による比較的リッチな混合気層MR が点火
プラグまわりに偏在するとともに、その周囲に早期噴射
による比較的リーンな混合気層ML が生成される。そし
て、早期噴射も圧縮行程で行なわれるので完全に燃焼室
全体に分散せず、燃焼室の周辺部には消炎層として燃料
が殆ど存在しない空気層Airが存在する状態となる。
【0061】圧縮一括噴射の場合は、図6(b)のよう
に、その噴射による混合気Mが点火プラグまわりに偏在
し、その周囲に消炎層としての空気層Airが存在する状
態となる。また、吸気・圧縮分割噴射の場合は、図6
(c)のように、後期噴射による比較的リッチな混合気
層MR が点火プラグまわりに偏在するとともに、その周
囲に、吸気行程の早期噴射による比較的リーンな混合気
ML が略燃焼室全体に拡散した状態となる。
に、その噴射による混合気Mが点火プラグまわりに偏在
し、その周囲に消炎層としての空気層Airが存在する状
態となる。また、吸気・圧縮分割噴射の場合は、図6
(c)のように、後期噴射による比較的リッチな混合気
層MR が点火プラグまわりに偏在するとともに、その周
囲に、吸気行程の早期噴射による比較的リーンな混合気
ML が略燃焼室全体に拡散した状態となる。
【0062】ところで、NOx、HCの低減及び排気温
度上昇に有効な要因を考えると、NOxの低減には、燃
焼を緩慢にするとともに最大発生熱量を抑えることが有
効なので、燃焼室中心部(点火プラグまわり)の混合気
を理論空燃比と比べてかなりリッチにすること、噴射燃
料の気化、霧化を悪くすること等により初期燃焼を抑制
することがNOx低減の要因となり、また、燃焼室周辺
をリーンにして緩慢燃焼させるようにすること、点火時
期リタード性を高めること等もNOx低減の要因とな
る。
度上昇に有効な要因を考えると、NOxの低減には、燃
焼を緩慢にするとともに最大発生熱量を抑えることが有
効なので、燃焼室中心部(点火プラグまわり)の混合気
を理論空燃比と比べてかなりリッチにすること、噴射燃
料の気化、霧化を悪くすること等により初期燃焼を抑制
することがNOx低減の要因となり、また、燃焼室周辺
をリーンにして緩慢燃焼させるようにすること、点火時
期リタード性を高めること等もNOx低減の要因とな
る。
【0063】また、HCの低減及び排気温度上昇のため
には、混合気を遅くまで充分に燃焼させるべく、噴射燃
料の気化、霧化の悪化や燃焼室周辺のリーン化により燃
焼期間の後半の燃焼(以下、後燃えと呼ぶ)を促進する
こと、シリンダ壁とピストンとの間に燃料が入り込んで
燃焼せずに排出されてしまうことを避けるために燃焼室
周辺に消炎層として空気層が存在すること、点火時期リ
タード性を高めること等が有効な要因となる。
には、混合気を遅くまで充分に燃焼させるべく、噴射燃
料の気化、霧化の悪化や燃焼室周辺のリーン化により燃
焼期間の後半の燃焼(以下、後燃えと呼ぶ)を促進する
こと、シリンダ壁とピストンとの間に燃料が入り込んで
燃焼せずに排出されてしまうことを避けるために燃焼室
周辺に消炎層として空気層が存在すること、点火時期リ
タード性を高めること等が有効な要因となる。
【0064】そこで、点火後の熱発生パターン(単位ク
ランク角当りの発生熱量dQの変化)としては、図7中
の実線のように、吸気行程一括噴射等による通常の燃焼
(破線)と比べ、立上りが緩やかになるように初期燃焼
が抑制されるとともに、燃焼期間の後期の燃焼(以下、
後燃えと呼ぶ)が促進されるようにすることが、HC低
減、NOx低減及び暖機促進のために有効となる。
ランク角当りの発生熱量dQの変化)としては、図7中
の実線のように、吸気行程一括噴射等による通常の燃焼
(破線)と比べ、立上りが緩やかになるように初期燃焼
が抑制されるとともに、燃焼期間の後期の燃焼(以下、
後燃えと呼ぶ)が促進されるようにすることが、HC低
減、NOx低減及び暖機促進のために有効となる。
【0065】また、空燃比とNOx排出量及びHC排出
量との関係は図8のようになり、理論空燃比付近の空燃
比(通常の空燃比)ではNOx排出量が多くなるので、
この空燃比域での燃焼を避けて、同図中に示すリッチ空
燃比またはリーン空燃比で燃焼を行なわせることがNO
x低減のために好ましい。
量との関係は図8のようになり、理論空燃比付近の空燃
比(通常の空燃比)ではNOx排出量が多くなるので、
この空燃比域での燃焼を避けて、同図中に示すリッチ空
燃比またはリーン空燃比で燃焼を行なわせることがNO
x低減のために好ましい。
【0066】図9は横軸をクランク角として、圧縮行程
分割噴射を行なった際の燃料噴射後の点火プラグ付近の
空燃比の推移を示し、同図中の破線は燃費が最良となる
噴射時期の場合、実線は後期噴射の噴射時期を遅らせる
ことにより混合気の拡散を抑制した場合であり、また、
図中の可燃範囲は点火により燃焼し得る空燃比の範囲で
あって、点火プラグ付近の空燃比がこの可燃範囲にある
期間に点火することを要する。この図のように、後期噴
射の噴射時期を遅らせることにより混合気の拡散を抑制
した場合は、燃費が最良となる噴射時期の場合と比べ、
点火プラグ付近の空燃比が可燃範囲となる期間が遅く、
かつ長くなる。従って、点火時期のリタード量を大きく
すること(リタード性を高めること)ができる。
分割噴射を行なった際の燃料噴射後の点火プラグ付近の
空燃比の推移を示し、同図中の破線は燃費が最良となる
噴射時期の場合、実線は後期噴射の噴射時期を遅らせる
ことにより混合気の拡散を抑制した場合であり、また、
図中の可燃範囲は点火により燃焼し得る空燃比の範囲で
あって、点火プラグ付近の空燃比がこの可燃範囲にある
期間に点火することを要する。この図のように、後期噴
射の噴射時期を遅らせることにより混合気の拡散を抑制
した場合は、燃費が最良となる噴射時期の場合と比べ、
点火プラグ付近の空燃比が可燃範囲となる期間が遅く、
かつ長くなる。従って、点火時期のリタード量を大きく
すること(リタード性を高めること)ができる。
【0067】これらのデータから、低負荷(燃料噴射量
が所定値以下の極低負荷領域を除く)乃至中負荷の領域
Aで圧縮行程の分割噴射を行なうと、後期噴射により点
火プラグまわりの混合気がリッチになることと、その燃
料の気化、霧化が充分でないことと、早期噴射により周
囲の混合気層がリーンになることとにより図7に実線で
示す熱発生パターンが得られるとともに、燃焼室周辺に
HC抑制に有効な空気層が形成され、これらの要因でH
C、NOxが低減されるとともに、排気温度が上昇され
ることとなる。また、混合気の拡散が抑制されることで
点火時期のリタード性も高められる。
が所定値以下の極低負荷領域を除く)乃至中負荷の領域
Aで圧縮行程の分割噴射を行なうと、後期噴射により点
火プラグまわりの混合気がリッチになることと、その燃
料の気化、霧化が充分でないことと、早期噴射により周
囲の混合気層がリーンになることとにより図7に実線で
示す熱発生パターンが得られるとともに、燃焼室周辺に
HC抑制に有効な空気層が形成され、これらの要因でH
C、NOxが低減されるとともに、排気温度が上昇され
ることとなる。また、混合気の拡散が抑制されることで
点火時期のリタード性も高められる。
【0068】また、このような燃料噴射量が所定値以下
の極低負荷領域を除く運転領域では、圧縮行程一括噴射
によると、燃焼室中心部がリッチになり過ぎてHCが燃
えきらない可能性があるとともに、混合気分布範囲内の
周辺側は次第に混合気濃度がうすくなってNOxが発生
し易い空燃比となる可能性がある。また、吸気行程と圧
縮行程の分割噴射によると、早期噴射による混合気が燃
焼室周辺まで分布し、燃焼室周辺の混合気の燃え残りに
よりHCが排出される可能性がある。
の極低負荷領域を除く運転領域では、圧縮行程一括噴射
によると、燃焼室中心部がリッチになり過ぎてHCが燃
えきらない可能性があるとともに、混合気分布範囲内の
周辺側は次第に混合気濃度がうすくなってNOxが発生
し易い空燃比となる可能性がある。また、吸気行程と圧
縮行程の分割噴射によると、早期噴射による混合気が燃
焼室周辺まで分布し、燃焼室周辺の混合気の燃え残りに
よりHCが排出される可能性がある。
【0069】これに対し、圧縮行程の分割噴射による
と、燃焼室中心部の混合気が図8中のリッチ空燃比、そ
の周囲の混合気が図8中のリーン空燃比となってNOx
が発生し易い空燃比の部分が少なく、かつ、燃焼室周辺
に空気層が形成されて、燃焼室周辺等での混合気の燃え
残りが避けられるので、少なくとも上記のような運転領
域では、圧縮行程一括噴射や吸気行程と圧縮行程の分割
噴射と比べても、HC、NOxの低減効果及び排気温度
上昇効果が高められる。
と、燃焼室中心部の混合気が図8中のリッチ空燃比、そ
の周囲の混合気が図8中のリーン空燃比となってNOx
が発生し易い空燃比の部分が少なく、かつ、燃焼室周辺
に空気層が形成されて、燃焼室周辺等での混合気の燃え
残りが避けられるので、少なくとも上記のような運転領
域では、圧縮行程一括噴射や吸気行程と圧縮行程の分割
噴射と比べても、HC、NOxの低減効果及び排気温度
上昇効果が高められる。
【0070】以上のようなことが、圧縮行程の分割噴射
によりHC、NOxの低減及び排気温度等の効果が得ら
れる理由として推定されるところである。
によりHC、NOxの低減及び排気温度等の効果が得ら
れる理由として推定されるところである。
【0071】ところで、燃料噴射量が所定値以下の極低
負荷領域A0になると、分割噴射を行なった場合に、そ
の分割された各噴射量(各噴射パルスのパルス幅)が極
めて小さくなり、燃料噴射量と噴射パルス幅との対応関
係のリニアリティが得られる範囲の下限値を下回ってし
まって燃料噴射量の制御が困難になる可能性がある。ま
た、燃料噴射量が少ないときに分割噴射を行なうと燃料
が拡散し易くなる。
負荷領域A0になると、分割噴射を行なった場合に、そ
の分割された各噴射量(各噴射パルスのパルス幅)が極
めて小さくなり、燃料噴射量と噴射パルス幅との対応関
係のリニアリティが得られる範囲の下限値を下回ってし
まって燃料噴射量の制御が困難になる可能性がある。ま
た、燃料噴射量が少ないときに分割噴射を行なうと燃料
が拡散し易くなる。
【0072】このため、上記極低負荷領域A0では、一
括噴射が行なわれることにより、噴射パルス幅が極端に
小さくなることが避けられて燃料制御性が確保されると
ともに、この一括噴射が圧縮行程の後半に行なわれるこ
とにより、燃料噴射量が少ないときの燃料の拡散が抑制
されて、適度の成層状態が得られるようにしている。
括噴射が行なわれることにより、噴射パルス幅が極端に
小さくなることが避けられて燃料制御性が確保されると
ともに、この一括噴射が圧縮行程の後半に行なわれるこ
とにより、燃料噴射量が少ないときの燃料の拡散が抑制
されて、適度の成層状態が得られるようにしている。
【0073】また、高負荷側では燃料噴射量が多くなる
とともに、吸入空気量の増加により燃焼室内の圧力が高
くなるにつれてインジェクタから噴射された燃料の噴霧
角が狭められる傾向があるので、所定負荷より高負荷の
領域Bでは、圧縮行程の分割噴射によると拡散が抑制さ
れ過ぎて早期噴射による混合気もリッチになってしまう
可能性がある。そこで、高負荷の領域Bでは、吸気行程
と圧縮行程の分割噴射に切り替えられることで、適度の
成層状態が得られるようになっている。
とともに、吸入空気量の増加により燃焼室内の圧力が高
くなるにつれてインジェクタから噴射された燃料の噴霧
角が狭められる傾向があるので、所定負荷より高負荷の
領域Bでは、圧縮行程の分割噴射によると拡散が抑制さ
れ過ぎて早期噴射による混合気もリッチになってしまう
可能性がある。そこで、高負荷の領域Bでは、吸気行程
と圧縮行程の分割噴射に切り替えられることで、適度の
成層状態が得られるようになっている。
【0074】なお、図4に示すような制御において、燃
料噴射量が所定値以下の領域A0にあるとき(ステップ
S7でYESのとき)に圧縮行程の一括噴射(ステップ
S10)が行なわれるが、この場合、この領域A0内で
は負荷の増大につれて圧縮行程の一括噴射の噴射時期を
進角させるようにしてもよい。つまり、燃料噴射量が所
定値までの範囲であれば、一括噴射でも燃料噴射量の増
加に応じて噴射時期を進角することで混合気が燃焼室中
心部に集中し過ぎることが避けられる。そして、燃料噴
射量が所定値を越える程度まで負荷が増大したときは、
圧縮行程の分割噴射に切替えられるようにすればよい。
料噴射量が所定値以下の領域A0にあるとき(ステップ
S7でYESのとき)に圧縮行程の一括噴射(ステップ
S10)が行なわれるが、この場合、この領域A0内で
は負荷の増大につれて圧縮行程の一括噴射の噴射時期を
進角させるようにしてもよい。つまり、燃料噴射量が所
定値までの範囲であれば、一括噴射でも燃料噴射量の増
加に応じて噴射時期を進角することで混合気が燃焼室中
心部に集中し過ぎることが避けられる。そして、燃料噴
射量が所定値を越える程度まで負荷が増大したときは、
圧縮行程の分割噴射に切替えられるようにすればよい。
【0075】また、上記実施形態では、温度状態判別手
段31により触媒が未暖機か暖機かを判別し、それに応
じて燃料噴射制御手段33により触媒未暖機時に上記の
ような暖機促進のための制御を行なっているが、エンジ
ンが冷機状態か否かを判別し、それに応じてエンジン冷
機状態のときに上記のような暖機促進のための制御を行
なうようにしてもよい。
段31により触媒が未暖機か暖機かを判別し、それに応
じて燃料噴射制御手段33により触媒未暖機時に上記の
ような暖機促進のための制御を行なっているが、エンジ
ンが冷機状態か否かを判別し、それに応じてエンジン冷
機状態のときに上記のような暖機促進のための制御を行
なうようにしてもよい。
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明は、筒内噴射式エ
ンジンにおいて、触媒の未暖機状態あるいはエンジン冷
機状態にあるとき、暖機促進制御として圧縮行程の期間
中に複数回の分割噴射を行なわせるようにインジェクタ
を制御しており、このような圧縮行程の分割噴射によ
り、燃費の悪化を比較的小さく抑えつつ、HC及びNO
xを低減するとともに、排気温度を上昇させて暖機を促
進する効果を高めることができる。
ンジンにおいて、触媒の未暖機状態あるいはエンジン冷
機状態にあるとき、暖機促進制御として圧縮行程の期間
中に複数回の分割噴射を行なわせるようにインジェクタ
を制御しており、このような圧縮行程の分割噴射によ
り、燃費の悪化を比較的小さく抑えつつ、HC及びNO
xを低減するとともに、排気温度を上昇させて暖機を促
進する効果を高めることができる。
【0077】とくに、燃焼室全体の空燃比を13〜17
の範囲とするとともに、上記圧縮行程の分割噴射によ
り、燃焼室内の混合気の濃度が相対的に点火プラグまわ
りでリッチ、その周囲でリーンとなり、さらに燃焼室内
の周辺部に、燃料が殆ど存在しない空気層が形成される
ようにしておくと、初期燃焼を抑制するとともに燃焼期
間の後半の燃焼を促進し、かつ、燃焼室内の周辺部での
混合気の燃え残りを防止する等の作用が得られ、HC、
NOxの低減及び暖機促進の効果を大幅に高めることが
できる。
の範囲とするとともに、上記圧縮行程の分割噴射によ
り、燃焼室内の混合気の濃度が相対的に点火プラグまわ
りでリッチ、その周囲でリーンとなり、さらに燃焼室内
の周辺部に、燃料が殆ど存在しない空気層が形成される
ようにしておくと、初期燃焼を抑制するとともに燃焼期
間の後半の燃焼を促進し、かつ、燃焼室内の周辺部での
混合気の燃え残りを防止する等の作用が得られ、HC、
NOxの低減及び暖機促進の効果を大幅に高めることが
できる。
【0078】また、このような圧縮行程の分割噴射で混
合気の拡散が抑制されることにより、点火時期のリター
ド量を大きくすることが可能となり、これによりHC、
NOxの低減及び暖機促進の効果をより一層高めること
ができる。
合気の拡散が抑制されることにより、点火時期のリター
ド量を大きくすることが可能となり、これによりHC、
NOxの低減及び暖機促進の効果をより一層高めること
ができる。
【図1】本発明の一実施形態による筒内噴射式エンジン
の全体概略図である。
の全体概略図である。
【図2】圧縮行程の分割噴射(a)、圧縮行程の一括噴
射(b)及び吸気行程と圧縮行程の分割噴射(c)の各
噴射時期を示す図である。
射(b)及び吸気行程と圧縮行程の分割噴射(c)の各
噴射時期を示す図である。
【図3】触媒未暖機時の燃料噴射制御についての運転領
域の設定を示す図である。
域の設定を示す図である。
【図4】制御の一例を示すフローチャートである。
【図5】圧縮行程の分割噴射、圧縮行程の一括噴射、吸
気行程と圧縮行程の分割噴射の各場合につき、HC低減
量(a)、NOx低減量(b)、排気温度上昇度
(c)、燃費悪化率(d)をそれぞれ示すグラフであ
る。
気行程と圧縮行程の分割噴射の各場合につき、HC低減
量(a)、NOx低減量(b)、排気温度上昇度
(c)、燃費悪化率(d)をそれぞれ示すグラフであ
る。
【図6】燃焼室内の混合気の分布を圧縮行程の分割噴射
の場合(a)、圧縮行程の一括噴射の場合(b)、吸気
行程と圧縮行程の分割噴射の場合(c)についてそれぞ
れ模式的に示す図である。
の場合(a)、圧縮行程の一括噴射の場合(b)、吸気
行程と圧縮行程の分割噴射の場合(c)についてそれぞ
れ模式的に示す図である。
【図7】熱発生パターンを示す説明図である。
【図8】空燃比とNOx、HCの排出量との関係を示す
図である。
図である。
【図9】点火プラグまわりの混合気の空燃比推移を示す
説明図である。
説明図である。
1 エンジン本体 10 点火プラグ 11 インジェクタ 22 触媒装置 30 ECU 31 温度状態判別手段 32 負荷状態検出手段 33 燃料噴射制御手段 35 点火時期制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/06 305 F02D 41/06 305 335 335S 41/34 41/34 H 45/00 312 45/00 312R F02P 5/15 F02P 5/15 E (72)発明者 斉藤 史彦 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 藤井 幹公 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 松本 正和 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G022 AA07 AA08 AA10 BA01 CA03 CA06 CA08 CA09 DA02 EA00 EA01 FA04 GA01 GA09 GA10 GA12 3G023 AA02 AA04 AA18 AB01 AC04 AD02 AD06 AF01 AG01 AG02 AG03 3G084 AA04 BA09 BA13 BA15 BA17 BA20 BA21 CA03 CA04 CA09 DA02 DA10 EA11 EB13 EB16 EC02 EC03 FA18 FA20 FA27 FA29 FA36 FA38 3G091 AA11 AA12 AA28 AB05 BA03 BA15 BA19 CB02 CB03 CB05 DB10 DC01 EA03 EA05 EA07 EA16 EA18 EA33 FA08 FA09 FA12 FA13 FA14 FB10 FB11 FC07 HA08 HA36 HB05 3G301 HA04 HA13 HA16 HA17 JA02 JA26 KA07 KA08 KA09 KA24 KA25 LA00 LA05 LB04 LC04 MA01 MA11 MA19 MA26 MA29 NA03 NA04 NA08 ND01 ND05 ND15 NE11 NE12 NE14 NE15 NE23 PA01Z PA17Z PD03A PD12Z PE03Z PE08Z PF03Z PF16Z
Claims (11)
- 【請求項1】 排気通路に排気ガス浄化用の触媒を備え
るとともに、燃焼室内に直接燃料を噴射するインジェク
タを備えた筒内噴射式エンジンにおいて、上記触媒の温
度状態を判別する温度状態判別手段と、上記インジェク
タからの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備
え、この燃料噴射制御手段は、上記温度状態判別手段に
よる判別に基づき、触媒が活性温度よりも低い未暖機状
態にあるときに、暖機促進制御として圧縮行程の期間中
に複数回の分割噴射を行なわせるように上記インジェク
タを制御することを特徴とする筒内噴射式エンジンの制
御装置。 - 【請求項2】 燃焼室内に直接燃料を噴射するインジェ
クタを備えた筒内噴射式エンジンにおいて、エンジンの
温度状態を判別する温度状態判別手段と、上記インジェ
クタからの燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段とを備
え、この燃料噴射制御手段は、上記温度状態判別手段に
よる判別に基づき、エンジン温度が低い冷機状態にある
ときに、暖機促進制御として圧縮行程の期間中に複数回
の分割噴射を行なわせるように上記インジェクタを制御
することを特徴とする筒内噴射式エンジンの制御装置。 - 【請求項3】 暖機促進制御としての圧縮行程中の分割
噴射を行なうときに燃焼室内全体の空燃比を13〜17
の範囲としたことを特徴とする請求項1または2記載の
筒内噴射式エンジンの制御装置。 - 【請求項4】 暖機促進制御として、燃焼室内の混合気
の濃度が相対的に点火プラグまわりでリッチ、その周囲
でリーンとなるように圧縮行程中の分割噴射を行なうよ
うにしたことを特徴とする請求項3記載の筒内噴射式エ
ンジンの制御装置。 - 【請求項5】 暖機促進制御として、燃焼室内の周辺部
に、燃料が殆ど存在しない空気層が形成されるように圧
縮行程中の分割噴射を行なうようにしたことを特徴とす
る請求項4記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。 - 【請求項6】 エンジン負荷状態を検出する負荷状態検
出手段を備え、温度状態判別手段による判別とこの負荷
状態検出手段による検出とに基づき、触媒未暖機状態ま
たはエンジン冷機状態において所定エンジン負荷以下の
領域にあるときに、暖機促進制御としての圧縮行程中の
分割噴射を行なうようになっていることを特徴とする請
求項1乃至5のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの
制御装置。 - 【請求項7】 触媒未暖機状態またはエンジン冷機状態
において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下のと
き、暖機促進制御として圧縮行程で燃料を一括に噴射す
るようにインジェクタを制御することを特徴とする請求
項1乃至6のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの制
御装置。 - 【請求項8】 暖機促進制御としての圧縮行程での燃料
の一括噴射は圧縮行程の後半に行なうことを特徴とする
請求項7記載の筒内噴射式エンジンの制御装置。 - 【請求項9】 触媒未暖機状態またはエンジン冷機状態
において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下の運転
状態からの負荷増大時に、その負荷の増大に伴い、圧縮
行程の一括噴射から圧縮行程分割噴射に切換えることを
特徴とする請求項7または8記載の筒内噴射式エンジン
の制御装置。 - 【請求項10】 触媒未暖機状態またはエンジン冷機状
態において1サイクル分の燃料噴射量が所定値以下の運
転状態からの負荷増大時に、上記1サイクル分の燃料噴
射量が所定値に達するまでは圧縮行程の一括噴射の噴射
時期を負荷の増大に応じて進角し、上記1サイクル分の
燃料噴射量が所定値を越える状態になったときに圧縮行
程分割噴射に切換えることを特徴とする請求項9記載の
筒内噴射式エンジンの制御装置。 - 【請求項11】 暖機促進制御時にエンジンの点火時期
をMBTより所定量リタードさせるようにしたことを特
徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の筒内噴射
式エンジンの制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10223435A JP2000054881A (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 筒内噴射式エンジンの制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10223435A JP2000054881A (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 筒内噴射式エンジンの制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000054881A true JP2000054881A (ja) | 2000-02-22 |
Family
ID=16798110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10223435A Pending JP2000054881A (ja) | 1998-08-06 | 1998-08-06 | 筒内噴射式エンジンの制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000054881A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1223329A3 (en) * | 2001-01-09 | 2004-01-28 | Nissan Motor Co., Ltd. | Fuel injection control device for direct injection spark-ignition engine |
JP2006112365A (ja) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Nissan Motor Co Ltd | 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 |
JP2009121255A (ja) * | 2007-11-12 | 2009-06-04 | Hitachi Ltd | エンジン制御装置 |
JP2009133211A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-18 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
WO2014196122A1 (en) * | 2013-06-05 | 2014-12-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | A method and an apparatus for warming a catalyst in an internal combustion engine |
-
1998
- 1998-08-06 JP JP10223435A patent/JP2000054881A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1223329A3 (en) * | 2001-01-09 | 2004-01-28 | Nissan Motor Co., Ltd. | Fuel injection control device for direct injection spark-ignition engine |
JP2006112365A (ja) * | 2004-10-18 | 2006-04-27 | Nissan Motor Co Ltd | 筒内直接噴射式火花点火内燃機関の制御装置 |
JP2009121255A (ja) * | 2007-11-12 | 2009-06-04 | Hitachi Ltd | エンジン制御装置 |
JP2009133211A (ja) * | 2007-11-28 | 2009-06-18 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の制御装置 |
WO2014196122A1 (en) * | 2013-06-05 | 2014-12-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | A method and an apparatus for warming a catalyst in an internal combustion engine |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041005 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041206 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051122 |