JP2000053941A - ベントナイト泥水用増粘剤 - Google Patents

ベントナイト泥水用増粘剤

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JP2000053941A
JP2000053941A JP22059798A JP22059798A JP2000053941A JP 2000053941 A JP2000053941 A JP 2000053941A JP 22059798 A JP22059798 A JP 22059798A JP 22059798 A JP22059798 A JP 22059798A JP 2000053941 A JP2000053941 A JP 2000053941A
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viscous substance
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polysaccharide
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JP22059798A
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Shinji Yasu
伸二 安
Toshiro Oshikata
利郎 押方
Naoto Usui
直人 臼井
Masaaki Ebihara
正明 海老原
Tamami Iwamoto
玲実 岩本
Masako Hosogaya
理子 細萱
Norihide Kurano
憲秀 藏野
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Taisei Corp
Marine Biotechnology Institute Co Ltd
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
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Taisei Corp
Marine Biotechnology Institute Co Ltd
Research Institute of Innovative Technology for the Earth RITE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建設工事において使用されるベントナイト泥
水用の増粘剤で、環境に悪影響を及ぼさない増粘剤を開
発することを課題とする。 【手段】 海洋に棲息する微細藻類(Prasinococcus ca
psulatus)から抽出したガラクトース、グルコース、キ
シロース、アラビノースおよびマンノースからなる多糖
類で、元素組成比がCが6、Hが12、Oが6、(SO
3)が0.77であり、分子量が105〜107のものを
添加するかあるいは高塩濃度環境に棲息するらん藻(
yanothece halobia)から抽出したグルコース、フコー
ス、ウロン酸およびラムノースからなる多糖類で、元素
組成がC、H、N、S、PおよびFeからなり、分子量
が105〜107のものを添加することにより解決するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】海洋に棲息する微細藻類ある
いは高塩濃度環境に棲息するらん藻から抽出した多糖類
をベントナイト泥水用増粘剤に用いることに関する。
【0002】
【従来の技術】建設工事では、建物基礎や地下構造物の
施工において、土の掘削、コンクリートの打設が行われ
ている。この掘削工事は地層の崩壊防止、地盤の安定化
をはかる目的で、掘削面に安定液が使われる。この安定
液には、掘削面を安定にするための十分な密度がある
こと、地盤からの地下水流入と地盤への安定液の流出
を防ぐ保護膜を掘削面につくれること、土の空隙中で
ゲル化し、掘削面の土粒子を支持できること、長時間
にわたって掘削面を保持できること等の機能が要求され
る。
【0003】この機能を満足させるものとして、通常ベ
ントナイト(モンモリロナイトを主成分とする粘土鉱
物)泥水に増粘剤を添加したものが使われている。現
在、増粘剤としては主としてカルボキシメチルセルロー
ス系の人工的増粘剤が使われているが、これは化学物質
であることから、環境への悪影響が懸念されているとこ
ろである。従って、関係業界では環境に優しい増粘剤の
開発が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】建設工事において使用
されるベントナイト泥水用の増粘剤で、環境に悪影響を
及ぼさない増粘剤を開発する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
ついて、鋭意研究を重ねたところ、海洋に棲息する微細
藻類あるいは高塩濃度環境に棲息するらん藻から抽出し
た多糖類が有効であることを見出し、本発明を完成し
た。
【0006】すなわち、本発明は (1)海洋に棲息する微細藻類(Prasinoc occus capsul
at us)から抽出したガラクトース、グルコース、キシロ
ース、アラビノースおよびマンノースからなる多糖類
で、元素組成比がCが6、Hが12、Oが6、(S
3)が0.77であり、分子量が105〜107のもの
を添加することを特徴とするベントナイト泥水用増粘
剤、(2)高塩濃度環境に棲息するらん藻(Cyanothec
e halobia)から抽出したグルコース、フコース、ウロ
ン酸およびラムノースからなる多糖類で、元素組成が
C、H、N、S、PおよびFeからなり、分子量が10
5〜107のものを添加することを特徴とするベントナイ
ト泥水用増粘剤に関する。
【0007】本発明における多糖類は、小笠原諸島近辺
の海域で採取された新種の微細藻類あるいは高塩濃度環
境に棲息するらん藻を培養し、特定の抽出法により粘性
物質を抽出し、粉末化したものを使用した。
【0008】I. 本発明者らは、小笠原諸島南方域の海
水を採取し、その中から新規粘性物質PC1生産能を有
する新規微細藻類Prasinococcus capsulatus Miyashita
et Chihara sp. nov.( 以下、本株という) を分離する
ことに成功した。本発明に使用する新規藻類プラシノコ
ッカスカプスラタス(Prasino coccus capsula tus)は、
先に本出願人が出願した特開平7−67621号公報に
詳細に記載されているが、概略は次の通りである。本発
明は、新規微細藻類Prasinococcus capsulatusが産生
し、以下の理化学的性質を有する新規粘性物質PC1を
ベントナイト泥水用増粘剤として用いることにある。
【0009】(1)構成単糖として少なくともガラクト
ース、グルコース、キシロース、アラビノース、マンノ
ースを含む。 (2)代表的な組成式がC6.3H12.3O6.12(SO3)0.77を有
する含硫多糖である。 (3)分子量が105〜107の範囲内にある。 (4)水溶液は無色透明、無味無臭である。
【0010】(5)1%水溶液の25℃における粘度は、
回転式粘度計を用いて30rpmにおいて1000〜2500cPであ
る。また、水溶液は構造粘性(非ニュートン粘性)を有
する。 (6)塩類の添加で粘性が著しく低下する。 なお、本株は(株)海洋バイオテクノロジー研究所にお
いて保存番号4−0/19として保存管理されている。
【0011】1.本株の選抜手段 小笠原諸島南方海域において、表層海水および深度別海
水をバケツ及びニースキン採水器を用いてそれぞれ採取
し、この海水1リットルを孔径0.45μm 、直径47ミリメ
ートルのメンブランフィルター(東洋濾紙(社)製)で
濾過した。このメンブランフィルターを海水に栄養塩を
添加した培養液のなかに投入し、蛍光灯の光照射下で約
25℃で静置培養した。このサンプルを顕微鏡下で観察し
細胞外に粘性物質を生産している本株を選出した。
【0012】2.本株の藻類学的性質 A.形態的性質 (1) 細胞は、球形で直径3.3−5.5μmである (図1)
。稀に直径8μmの細胞が存在する。群体を作らず単
一で、鞭毛を持たず運動性を示さない。 (2) 細胞は周囲を粘性物質で覆われている。粘性物質
は、幅10−15μm、長さ12.5−26μmのしずく状の形を
している (図1) 。
【0013】(3) ピレノイド(図2py)と対向した
細胞壁上には、直径1μm程度の環状の構造体(図2c
o)が茶碗の糸底様に存在し、その外周の細胞壁には8
−14個の孔(図2h)が存在する。 (4) 細胞は、粘性物質の内側に細胞壁をもつ。細胞内
には、核(図2n)、葉緑体(図2ch)、ミトコンド
リア(図2m)、ピレノイド(図2py)が1個存在
し、さらにゴルジ体(図2go)等が認められる。な
お、図2においてsはピレノイド澱粉、vは膜胞を示
す。
【0014】(5) ピレノイド(図3py)は倒卵形
で、澱粉状の物質(図3s)で覆われている。 (6) 澱粉状の物質(図3s)には、細胞質側に穴があ
り、ここから細胞質基質を挟んで葉緑体(図3ch)外
膜とミトコンドリア(図3m)膜が、ピレノイド基質内
に侵入している。
【0015】 B.生理学・生化学性状 (1) 培養液 海水を素にした培養液中で生育できる。 (2) 光合成能 光合成による光独立栄養生育ができる。 (3) 含有色素 クロロフィルa、クロロフィルb、プラシノキサンチン 、ウリオライド、Mg 2,4-divinylphaeoporphyrin a5 monomethylester(以下、M g 2,4-Dという) 、および他のカロチノイド類
【0016】 (4) 同化貯蔵物質 澱粉 (5) 生育温度域 15℃〜35℃ (至適温度 25℃) (6) 生育塩濃度域 海水1/2希釈〜海水 (至適濃度 海水2/3希釈) (7) 生育pH域 pH6.5〜9.5 (至適pH pH8−pH9)
【0017】C.生殖様式 (1) 本株は無性生殖で増殖する。有性生殖は観察され
ていない。 (2) 2分裂し、娘細胞の一方が、母細胞細胞壁から抜
け出す (図4) 。このとき抜け出る娘細胞には細胞壁が
形成されていないが、抜け出た後直ちに細胞壁が形成さ
れる。母細胞内に残った娘細胞は、母細胞の大きさまで
大きくなり、母細胞細胞壁をそのまま細胞壁として利用
する。抜け出た娘細胞は、細胞壁と若干の細胞外粘性物
質を形成後、母細胞の粘性物質から離脱し、分裂および
分離が終了する。
【0018】3.属および種の決定 本株の分類学的特徴を示すものに色素組成がある。本株
は、球形細胞で主要光合成色素として、クロロフィル
a、クロロフィルb、Mg 2,4-D、プラシノキサンチン、
ウリオライドを有している。この色素組成は、プラシノ
藻網マミエラ目の藻類に似ている。しかし、プラシノ藻
網マミエラ目の藻類は、細胞壁を持たず、細胞表面に鱗
片を有し、生活環における殆どのステージで、鞭毛を有
した運動性を有しているのに対して、本株は、細胞壁を
有し、細胞表層に鱗片を持たず、細胞外粘質物質を有す
るほか、生活環すべてにおいて無鞭毛の非運動性であ
る。細胞表層の環状構造とその周囲の孔構造は、これま
で知られている他の微細藻類には観察されていない。葉
緑体膜とミトコンドリア膜がピレノイド基質に侵入する
構造は、プラシノ藻網の2株と似ている。しかし、これ
ら2株とも形態的特徴や色素組成が異なる。
【0019】そこで本株は、1) 粘性物質に囲まれた球
形細胞である、2) 鱗片を持たない、3) 特徴的な無性
生殖様式を有する、4) 特徴的なピレノイド構造を有す
る、5) 鞭毛を持たない、6) クロロフィルa、クロロ
フィルb、Mg 2,4-D、プラシノキサンチン、ウリオライ
ドを主要光合成色素として有することを特徴とする新属
新種株としてPrasinococcus capsulatus Miyashita et
Chihara sp. nov.と命名した。
【0020】4.本株の生産する粘性物質の物理化学的
性状 (1) 本株の生産する粘質物質は、構成単糖としてガラ
クトース、グルコース、キシロース、アラビノース、マ
ンノースを含む (表4) 。また元素分析 (表3) および
生体物質分析 (表2) から本粘性物質は、C6.3H12.3O
6.12(SO3)0.77の組成を有しており、4単糖に対して3
つの硫酸基の付いた含硫多糖であると考えられる。 (2) 分子量は、抽出・精製法によって若干異なり、105
〜107程度の分子量を有する。
【0021】(3) 水溶液は無色透明、無味無臭で1%
水溶液の25℃における粘度は、回転式粘度計を用いて30
rpmにおいて1000〜2500cpという高粘調性を有する。ま
た本水溶液は構造粘性 (非ニュートン粘性) を有する。 (4) 本物質は塩類添加により粘性が著しく低下する点
で、一般の高分子多糖と異なる。粘度低下の機構につい
ては、含硫多糖であることが関連している可能性がある
が、現在のところ不明である。
【0022】5.本株の培養条件 培養液には、海水を加熱加圧滅菌したものに、表1に示
す栄養塩、ビタミン、微量金属塩類を孔系0.2μm のメ
ンブランフィルターを通して加えたものを用いることが
できる。この培養液に、本株を植菌し25℃、蛍光灯の光
照射下で空気通気を行うことによって培養できる。
【0023】
【表1】
【0024】6.培養物から粘性物質PC1の採取手段 粘性物質は、培養した培養液上清及び培養藻体の両方か
ら採取できる。培養上清からの採取は、培養上清に10%
セチルトリメチルアンモニウムブロミド水溶液(以下、
CTAB水溶液と呼ぶ)を沈殿が生成しなくなるまで加
え、沈殿を回収、水で洗浄後、20%塩化ナトリウムを含
む0.5M酢酸水溶液に溶解する。次いで、これに最終濃
度が50−80%になるようにエタノールを加えると白色沈
殿を生成し、これを回収し、乾燥することにより粘性物
質の白色粉末を得る。
【0025】培養藻体からの粘性物質の採取は、フレン
チプレスやホモジナイザーにより細胞を破砕する方法や
蒸留水中で煮沸する方法により採取できる。細胞懸濁液
を破砕もしくは煮沸して、遠心分離もしくは濾過分離し
た上清にCTAB水溶液を沈殿が生成しなくなるまで加
え、沈殿を回収、水で洗浄後、20%塩化ナトリウムを含
む0.5M酢酸溶液に溶解する。これに最終濃度が50−80
%になるようにエタノールを加えると白色沈殿を生成
し、これを回収し、乾燥することより粘性物質の白色粉
末を得る。新属新種株Prasinococcus capsulatusから得
られる粘性物質について以下の実験例で説明する。
【0026】(実験例)岩手県釜石湾において採取した
海水をポリカーボネイト製タンクに入れ、オートクレー
ブにより、30分間滅菌処理を行ない放冷後、あらかじめ
調製しておいた栄養塩溶液を最終濃度が表1になるよう
添加し、これを培養液とした。この培養液に本株を添加
し、室温 (約25℃) で、蛍光灯の光照射下、空気通気を
して培養を行なった。20−30日後、培養液を約 9,000×
gで遠心分離し、培養上清と藻体沈澱とに分離した。細
胞外の粘質物質は、培養上清と藻体沈澱の両方から得ら
れた。
【0027】回収した藻体にあらかじめ孔径0.2μmの
メンブランフィルターで瀘過した釜石湾の海水を回収藻
体体積の約3倍量加えて懸濁させた後、藻体を大岳製作
所製のフレンチプレスを用いて破砕した。藻体破砕液
を、約20,000×gで遠心分離後、上清を回収した。これ
に、10%CTAB水溶液を、不溶性沈澱が生じなくなる
まで添加した。一晩室温で放置後、遠心分離 (約 5,000
×g) により沈澱を回収した。この沈澱を脱イオン水で
2度洗浄後、20%塩化ナトリウムを含む0.5M酢酸水溶
液中に溶解させた。この溶液に最終濃度が50%となるよ
うにエタノールを加え一晩4℃で放置後、遠心分離 (約
2,000×g) し、白色沈澱を得た。得られた沈澱を蒸留
水中に溶解させ、最終濃度が80%となるようにエタノー
ルを加え一晩4℃で放置後、遠心分離 (約 2,000×g)
し、白色沈澱を得た。前述の操作をさらに繰り返した後
得られた沈澱をエタノールで数回洗浄し、吸引乾燥する
ことにより白色の粉末を得た。この白色粉末に関する生
体物質組成および元素組成を表2および表3に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】一方、培養液の遠心上清からの粘質物質の
抽出は、上清に10%CTAB水溶液を加える以降は、藻
体沈澱からの抽出と同様に行ない白色粉末を得た。この
粉末を無水メタノール中に5%塩酸を含む溶液中で酸加
水分解後に、減圧下で乾燥後、ピリジン、トリメチルク
ロロシラン、ヘキサメチルジシラザンを5:1:1に混
合した溶液によりTMS化処理後、キャピラリーガスク
ロマトグラフィーを用いて単糖組成分析を行なった。こ
の結果を表4に示す。なお、組成比は、キャピラリーガ
スクロマトグラフィー(島津製作所GC-17A)により得ら
れる各物質のピーク面積比で示した。
【0031】
【表4】
【0032】藻体培養液の遠心分離上清および藻体沈澱
から得られた白色粉末を蒸留水中に溶解すると、無色透
明、無味無臭の粘性溶液となった。1%水溶液の25℃に
おける粘度を、東京計器社製のBL型粘度計の No.3ロ
ーターで30rpmにおいて測定した。この結果、この水溶
液の粘性は、1000−2500cpであった。本物質の水溶液の
粘度に与える物質濃度の影響について調べるため、粘性
物質を蒸留水中に溶かし、物質濃度を変化させ、温度25
℃、30rpm における粘度をB型粘度計(東京計器社製)
を用いて測定した。この結果を図5に示す。
【0033】また、本物質の水溶液の粘度に与える温度
の影響について調べるため、粘性物質を蒸留水中に溶か
し、温度を変化させ、30rpm における粘度をB型粘度計
(東京計器社製)を用いて測定した。この結果を図6に
示す。グラフ中の縦軸の値は、物質濃度0.1%水溶液の2
5℃における粘度を100とした場合の相対粘度を示す。
【0034】また、本物質の水溶液の粘度に与えるpH
の影響について調べるため、粘性物質を蒸留水中に溶か
し、pHを変化させ、温度25℃、30rpm における粘度を
B型粘度計 (東京計器社製) を用いて測定した。この結
果を図7に示す。グラフ中の縦軸の値は、物質濃度0.1
%水溶液のpH7における粘度を100とした場合の相対
粘度を示す。
【0035】更に、本物質の水溶液の粘度に与える共存
物質の影響について調べるため、粘性物質及び共存物質
を蒸留水中に溶かし、温度25℃、30rpm における粘度を
B型粘度計 (東京計器社製) を用いて測定した。この結
果を表5に示す。表中の値は、共存物質を含まない0.02
%(W/V) 粘性物質水溶液の粘度(このとき30.6cp)を10
0とした場合の相対粘度を示す。なお、添加物質濃度は
0.01(mol/l)である。
【0036】
【表5】
【0037】II. 本発明に使用する新規藻類シアノテー
セ(Cyanothece)sp.15−Aは、先に本出願人が出願
した特開平9−227602号公報に詳細に記載されて
いるが、概略は、次のとおりである。本発明者らは、海
水の採取を行い、その中から新規粘性物質の生産能を有
する新規微細藻類シアノテーセ・ハロビア(Cyanot hece
halobia) 15-A (以下、本株という)を分離した。本
株の藻類学的な性質は次の通りである。
【0038】1.形態的性質 (1)図8に本株の位相差顕微鏡写真を示す。図中のc
は細胞、cpはカプセル多糖を示す。この図が示すよう
に本株の細胞は、やや楕円の球形で直径4−7μm であ
る(図8)。単細胞性で細胞周囲が粘性物質で覆われて
いる。粘性物質は厚さ5−10μm で、粘性物質により
細胞同士が不定形の群体を形成することもある。また粘
性物質は徐々に培養溶液中に溶けだしている。
【0039】(2)図9に本株の電子顕微鏡写真を示
す。図中のthはチコライド、wは細胞壁を示す。この
図が示すように本株の細胞内にはチラコイド膜が存在す
る(図9)。核等のオルガネラが観察されない原核生物
である。細胞の外側に鞘状構造は存在しない。
【0040】 2.生理学・生化学的性状 (1)培養液 海水をベースにした培養液中で生育できる。 (2)光合成能 光合成による光独立生育ができる。 (3)含有色素 クロロフィルa、β−カロチン、および他のカロチノイド 類、フィコビリタンパクを有する。 (4)同化貯蔵物質 澱粉。 (5)生育温度域 25℃〜40℃(至適温度35℃)。 (6)生育塩濃度 海水1/3希釈〜2倍濃縮海水(至適塩濃度4%)。 (7)生育pH域 pH6〜9(至適pH8.5−9)。
【0041】3.生殖様式 (1)本株は、等しい大きさに2分裂して増殖する。 (2)分裂面が常に一つである。 以上の藻類学的性質について検討すると、本株は、クロ
ロフィルaのみでbを持たず、核も持たないことから藍
藻(シアノバクテリア)である。また、本株は、単細胞
性で時に細胞外の粘性物質により群体を形成し、2分裂
することからクロオコッカレス(Chroococcales)目で
ある。さらに等しい大きさに分裂すること、チラコイド
が明瞭に存在すること、分裂面が一つであること、細胞
径が3μm 以上であること、桿菌型で鞘が無いことか
ら、本株はシアノテーセ属である。そこで、本株をシア
ノテーセ・ハロビア(Cyanothece h alobia)15-Aと命名
した。
【0042】以上の分類学上の検索は、Staley J.T.et
al.(1989)Bergey's manual of Systematic Bacteriolog
y(3)及びRoussomoustakaki M. & Anagnostidis K.(199
1) Archive of Hydrobiology に基づいて行った。な
お、本株はRITE((財)地球環境産業技術研究機
構)及びNEDO(新エネルギー産業技術総合開発機
構)が所持しており、必要に応じて第三者に分譲するこ
とができる。
【0043】次に、本株の生産する粘性物質の物理化学
的性質について説明する。 (1)構成単糖として中性糖のグルコース、フコース、
ラムノース、ガラクトースを含むほか、ウロン酸である
グルクロン酸とガラクツロン酸をも含み、酸性多糖であ
る(表6)。また、硫酸基が乾燥重量の2.7〜5.7
%を占める硫酸多糖である。
【0044】
【表6】
【0045】(2)水溶液は若干の淡黄色をおびた透
明、無味無臭である。また、0.7−1%水溶液の25
℃における粘度は、回転式B型年粘度(東京計器社製)
を用いて30rpm で3400−2600 mPa・s という
高粘調性を有する(図10)。また、本水溶液は構造粘
性(非ニュートン粘性)を有する。 (3)水溶液のpHは6.6〜7.3である。これに酸や
アルカリを添加することによってpHをかえても粘性の
低下が起こらず、逆に粘度が上昇する性質を有する(図
11)。
【0046】(4)少量の塩類の添加により粘度が上昇
する。さらに、塩濃度を上げると徐々に粘度は低下して
くるが、塩を添加する前よりも粘度が低下することはな
い(図12)。具体的には、NaCl、MgCl2 、C
aCl2 、及びKClでは0.1ないし0.2mol/l ま
では粘度は上昇するが、それ以上の濃度では粘度は逆に
低下する。MnCl2 では0.005mol/l までは粘度
は上昇するが、それ以上の濃度では粘度は逆に低下す
る。
【0047】(5)三価の鉄イオンの存在下で、ゲル化
する。ゲル化は、三価の鉄イオン以外では形成されな
い。本ゲルは強く鉄イオンと結びついており、他の塩類
の高濃度存在下でも溶解することはないが、強いキレー
ト作用を持つ物質(例えばEDTA)の添加で、または、
0.1N の塩酸、硫酸等の酸性条件下で溶解する(表
7)。
【0048】
【表7】
【0049】(6)二価と三価の鉄イオンが1対2の割
合で存在する溶液中でゲル化させた後、水酸化ナトリウ
ムで中和、洗浄するとゲル内に微小なマグネタイト・F
3 4 が形成される。このマグネタイトは微小な磁石
となっており、これを内部に形成した本ゲルは、磁気に
反応して動いたり、凝集したりする性質を有するように
なる。
【0050】以上の物理化学的性質を公知の粘性物質の
性質と比較すると、三価鉄イオンによりゲル化する点
で、シアノテーセ(Cyanoth ece) sp. 16Som2 (Philip
pis R.D.,Margheri M.C. & Ventura S.,Journal of App
lied Phycology(1993))の生産する粘性物質と類似する
が、多糖を構成する成分が異なる。シアノテーセ sp. 1
6Som2 はキシロースを含み、ラムノースをもたないが、
本粘性物質は、キシロースを含まず、かわりにラムノー
スを含有している。また、本粘性物質は硫酸残査をもつ
が、16Som2では報告がない。ゲル化についても16Som2で
は銅でもゲル化するが、本粘性物質では金属の選択性が
高く、鉄のみにゲル化する。従って、本株の生産する粘
性物質は、公知のいずれの粘性物質とも異なる新規なも
のである。そこで、この粘性物質を、粘性物質15-Aと命
名した。次に、粘性物質15-Aの生産方法について説明す
る。
【0051】粘性物質15-Aは、微細藻を培養し、培養物
から粘性物質15-Aを回収することにより生産することが
できる。用いる微細藻としては、シアノテーセ属に属
し、粘性物質15-A生産能を有するものであればどのよう
な微細藻でもよく、シアノテーセ・ハロビア 15-A に限
定されない。微細藻の培養には、シアノテーセ属に属す
る微細藻一般に適用できる培養手段が適用できる。培地
としては、海水をベースにこれに適当な栄養塩、例え
ば、NaNO3 、K2 HPO3 、NH4 Cl等を添加し
た培地を用いることができる。培養時の温度は、25〜
30℃に維持することが好ましく、照度は100〜20
0μE/m2・s とするのが好ましい。また、培養方法とし
ては、通気撹拌培養が好ましく、100〜200rpm で
撹拌し、0.4〜1L/分で通気するのが好ましい。以上
のような条件で200〜400時間程度培養することに
より培養液中に0.5〜1g/L の粘性物質15-Aが生成す
る。
【0052】培養液から粘性物質15-Aを回収するには、
粘性物質15-Aが三価の鉄イオンに特異的にゲル化するこ
とを利用するのが好ましい。通常の酸性多糖と同様にセ
チルピリジニウムクロリド(CPC)、セチルトリメチ
ルアンモニウムブロミド(CTAB)等の凝集剤を添加
して粘性物質を凝集させて回収することも可能である
が、海水のような塩濃度の高い培地からCPCやCTA
Bを用いて粘性物質を回収する場合、培地を数倍量の純
水で希釈する必要があるため、処理する水量が増えてし
まうという問題が生じる。粘性物質15-Aは、高濃度の共
雑イオン存在化でも、きわめて鋭敏に三価の鉄イオンと
反応してゲル化するため、FeCl3 などを添加する
と、粘性物質15-Aは凝集沈下し、プランクトンネット等
で容易に回収することができる。また、二価の鉄イオン
と三価の鉄イオンを所定のモル比で添加した場合、例え
ば、FeCl2 とFeCl3 を1対2のモル比で添加し
た場合、上述のようにゲル内にマグネタイトが形成さ
れ、ゲルが磁化するので、これを利用して更に効率よく
粘性物質15-Aを回収することができる。
【0053】粘性物質15-Aは、無色透明に近く、高粘液
調性を有することから、増粘剤、界面活性剤、乳化安定
剤、被覆剤等の工業原料として利用することができる。
また、食物繊維や生理活性物質として食品・医療分野へ
も利用することができる。さらに、三価の鉄イオンに特
異的にゲル化する特性を有することから、微生物固定担
体、金属イオン回収剤、保水剤、磁性材料としても利用
することができる。
【0054】粘性物質15-Aの三価の鉄イオンによっての
みゲル化し、二価の鉄イオンではゲル化しない性質を利
用したゲル形成法を以下に示す。粘性物質15-Aの水溶液
にFeCl2 を混合する。このとき、粘性物質15-Aは、
ゲル化しない。この溶液を型枠に流し込み、緩やかに鉄
イオンの酸化反応を行うと粘性物質のゲル化が起こり、
型枠通りのゲルが形成可能である。新規藻類シアノテー
セ(Cyanothece)sp.15−Aから得られる粘性物質に
ついて、以下の実験例により説明する。
【0055】〔実験例〕岩手県釜石湾より採水した海水
を5リットルの培養槽(5Lアクアトロン、ミツワバイ
オシステム(株))にいれ、 121℃、10分間加熱蒸気滅
菌した。室温に冷却後、これに下記の栄養塩を孔径0.
2μm の濾過器にて濾過して添加し、培養液とした。 NaNO3 60.0 mg K2 HPO4 2.5 mg Fe−EDTA 129 μg Mn−EDTA 166 μg ビタミンB12 0.5 μg ビオチン 0.5 μg チアミン・HCl 50 μg 海水 500 ml 脱イオン水 500 ml pH8.0
【0056】これに本株を植え付け、0.2μm のエア
フィルターにて雑菌等を除去した空気を0.4リットル
/分で通気し、撹拌速度200rpm で機械撹拌を行い、
10ワット蛍光灯を8本照射し、25℃に調温して培養
を行った。培養液中の有機炭素量を本株の生育の指標と
して経時的に測定した。有機炭素量の測定は、燃焼式非
分散形赤外線ガス分析法を用いた全有機炭素分析計(島
津製作所 TOC−5000)により行った。さらに、
培養後半から、培養液中に生成する粘性物質15-Aの量を
フェノール硫酸法にて測定し、グルコース換算の有機炭
素量として算出した。結果は図13に示す通りである。
図中のTOCは本株の生育によって光合成固定された有
機炭素、CPSは細胞周囲のカプセル状粘性物質、EP
Sは細胞外の粘性物質を示す。
【0057】さらに、培養300時間後の培養液上清、
培養藻体と粘液物質に含まれる有機炭素量の比較を行っ
た結果を図14に示す。その結果、光合成により取り込
まれた溶液中の全有機炭素量107.6mg-C/lを100
%として、そのうちの60%以上の炭素が粘性物質に変
換された。
【0058】上記で得られた粘性物質15-Aを含む培養液
を蒸留水にて3倍量に希釈し、10%CTAB水溶液を
滴下して粘性物質を凝集沈殿させた。回収した凝集物は
10%NaCl水溶液を加えて溶解させ、不要物を遠心
沈殿除去した。遠心上清を100μm 穴のメッシュシー
トで濾過して不溶物残査を除去したのち、2倍量の10
0%エタノールを加えて粘性物質を再沈殿させた。この
後、70%エタノールにて沈殿物をくりかえし洗浄し、
最後に100%エタノールで脱水、真空吸引乾燥を行っ
て粘性物質の白色粉末を得た。これを用いて構成単糖の
組成について分析した。単糖組成比は、キャピラリーガ
スクロマトグラフィー(島津製作所GC−17A)によ
り得られる各物質と内部標準物質として加えたマンニト
ールのピーク面積比によりモル濃度を算出した。結果を
表6に示す。
【0059】粘性物質15-Aを抽出して蒸留水中に溶解す
るとほとんど無色透明、無味無臭の粘性溶液となった。
粘性物質15-Aの水溶液の粘度に与える物質濃度の影響に
ついて、25℃における粘度を東京計器社製のB型粘度
計にて測定を行った。その結果は図10に示す通りであ
り、0.7−1%の濃度で30rpm において3400−
2600mPa ・s という高粘調性を有することがわかっ
た。また、本水溶液は構造粘性(非ニュートン粘性)で
あった。
【0060】粘性物質15-Aの水溶液の粘度に与えるpHの
影響について測定を行った。粘性物質15-Aの濃度は0.
1%(W/V)とし、この時のpHは6.6であった。
酸性にするときはHClを、アルカリ性にするときはN
aOHをそれぞれ添加してpHを変化させた。粘度は2
5℃、30rpm においてB型粘度計(東京計器社製)を
用いて測定した。この結果は図11に示す通りである。
粘性物質15-Aの水溶液の粘度に与える共存物質影響につ
いて測定を行った。粘性物質15-Aの濃度は0.2%(W
/V)とし、粘度は25℃、30rpm においてB型粘度
計(東京計器社製)を用いて測定した。この結果は、図
12に示す通りである。
【0061】粘性物質15-Aの水溶液の粘度に与える温度
の影響について測定を行った。粘性物質15-Aの濃度は
0.2%(W/V)とし、粘度は25℃、30rpm にお
いてB型粘度計(東京計器社製)を用いて測定した。こ
の結果は、図15に示す通りである。粘性物質15-Aの各
種物質に対するゲル化特性について調べた。この結果は
前記の表7に示す通りである。
【0062】
【発明の実施の形態】
【実施例】そこで、本発明品と従来増粘剤として使用さ
れているカルボキシメチルセルロースとの対比実験を行
った。 1 ファンネル粘度測定 通常、泥水の粘度はファンネルコーンを用いて測定す
る。まず、ファンネルコーンの漏斗下部を指でふさぎ、
コーン内に泥水を500cc注ぐ。次に、押さえていた
指を放し、泥水が全量流下するまでの時間をストップウ
ォッチで測定する。流下に要した時間をもって、ファン
ネル粘度(秒)という。ベントナイト泥水の濃度が4%
であるものを用いて、海水中でファンネル粘度を測定し
た結果を図16に示す。
【0063】この結果を見ると、P多糖類(Prasinococ
cus capsulatus)及びC多糖類(Cyanothece halobia
は、市販品であるカルボキシメチルセルロースと同様に
理想的な値の30〜35秒の範囲内にあり、また増粘剤
の耐久性を検討する上で行ったファンネル粘度の経時変
化の測定も同様の傾向を示した。
【0064】2 濾過水量の測定 P多糖類(Prasinococcus capsulatus)、C多糖類(Cy
anothece halobia)及び市販品であるカルボキシメチル
セルロースについて、海水中においてベントナイト安定
液の濾過水量を測定したところ、図17の様な結果とな
った。いずれも10〜15mlの範囲にあり、経時変化
も同様の傾向であった。
【0065】3 ケーキ厚の測定 海水中において、ベントナイト安定液のケーキの厚みを
測定した結果を図18に示す。いずれも約1mm程度で
あり、理想的な値であった。以上の結果から、微細藻類
Prasinococcus capsulatus)あるいはらん藻(Cyano
thece halobia)から抽出した多糖類は、カルボキシメ
チルセルロースと遜色なく、増粘剤として有効に使用で
きることが証明された。そして、この増粘剤をベントナ
イト泥水に用いたところ、良好な結果を得ることができ
た。
【0066】
【発明の効果】本発明は、ベントナイト泥水用の増粘剤
として顕著な効果を有し、しかも環境への悪影響を心配
することなく使用することを可能とさせた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本株(Prasinococ cus capsulatus)の位相差顕
微鏡写真 A.培養液中の藻 B.培養液に墨汁を加えた時の藻
【図2】細胞の模式図 A.環状構造物を上にして葉緑体が割れている側から見
たときの図 B.環状構造物側から見たときの図
【図3】ピレノイドの構造
【図4】細胞分裂の模式図。分裂はAからHの順で起こ
り再びAとなる。
【図5】各粘性物質濃度における粘度
【図6】粘性物質水溶液の各温度における相対粘度
【図7】粘性物質水溶液の粘度に与えるpHの影響
【図8】本株(Cyanothece halobia)の生物の形態を
示す位相差顕微鏡写真。
【図9】本株(Cyanothece halobia)の生物の形態を
示す電子顕微鏡写真。
【図10】粘性物質15-A水溶液の粘度と物質濃度との関
係を示す図。
【図11】粘性物質15-A水溶液の粘度とpHとの関係を示
す図。
【図12】粘性物質15-A水溶液の粘度と共存物質の濃度
との関係を示す図。
【図13】本株(Cyanothece halobia)の生育と粘性
物質生産量を示す図。
【図14】本株(Cyanothece halobia)の生体物質組
成を示す図。
【図15】粘性物質15-A水溶液の粘度と温度との関係を
示す図。
【図16】ファンネル粘度の経時変化
【図17】濾過水量の経時変化
【図18】ケーキ厚の経時変化
【符号の説明】
ch…葉緑体、co…環状構造物、go…ゴルジ体、h
…孔、m…ミトコンドリア、n…核、py…ピレノイ
ド、s…ピレノイド澱粉、v…膜胞
フロントページの続き (72)発明者 安 伸二 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内 (72)発明者 押方 利郎 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内 (72)発明者 臼井 直人 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内 (72)発明者 海老原 正明 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内 (72)発明者 岩本 玲実 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内 (72)発明者 細萱 理子 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内 (72)発明者 藏野 憲秀 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海 事ビル8階 財団法人 地球環境産業技術 研究機構内 Fターム(参考) 4B064 AF12 AF17 CA08 CC03 CD02 CE03 DA17

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海洋に棲息する微細藻類(Prasinococcu
    s capsulatus)から抽出したガラクトース、グルコー
    ス、キシロース、アラビノースおよびマンノースからな
    る多糖類で、元素組成比がCが6、Hが12、Oが6、
    (SO3)が0.77であり、分子量が105〜107
    ものを添加することを特徴とするベントナイト泥水用増
    粘剤。
  2. 【請求項2】 らん藻(Cyanothece halobia)から抽
    出したグルコース、フコース、ウロン酸およびラムノー
    スからなる多糖類で、元素組成がC、H、N、S、Pお
    よびFeからなり、分子量が105〜107のものを添加
    することを特徴とするベントナイト泥水用増粘剤。
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CN104470530B (zh) * 2012-05-11 2018-08-24 麦克罗艾公司 来自prasinococcale的多糖

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