JP2000052077A - ベンドミラーの調整装置 - Google Patents

ベンドミラーの調整装置

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JP2000052077A
JP2000052077A JP10226244A JP22624498A JP2000052077A JP 2000052077 A JP2000052077 A JP 2000052077A JP 10226244 A JP10226244 A JP 10226244A JP 22624498 A JP22624498 A JP 22624498A JP 2000052077 A JP2000052077 A JP 2000052077A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベンドミラーの反射面の曲率を自在に変化せ
しめて、1つの集光レンズでスポット径に適正に制御
し、安定したレーザ加工を実現する。 【解決手段】 レーザ加工装置1において、レーザ発振
器からレーザ加工ヘッド5内の集光レンズ7の間のレー
ザビームLBの光路中に、曲率可変ミラー3を設ける。
曲率可変ミラー3の反射面Mの背面に備えた加圧室25
に気体圧を加えることにより、反射面Mの曲率を自在に
変更調整可能とする。加圧室21へしかも反射面Mの背
面へ均等な圧力で噴射する多数のガス噴出口29を備え
る。制御装置17から圧力調整装置57に指令して前記
気体圧を調整することにより、レーザ加工条件に応じて
反射面Mの曲率の変化量を調整する。反射面Mは凹面か
ら平面、凸面へと自在に容易に変更される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ発振器から
のレーザビームを曲率可変ミラーで反射し集光レンズを
経てワークに照射するベンドミラーの調整方法およびそ
の装置に関し、特にレーザ加工条件に応じて曲率可変ミ
ラーの反射面の曲率の変化量を適正に制御するベンドミ
ラーの調整方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザビームには発散角があるた
めに、レーザビームのスポット径はレーザ発振器からの
距離の違いにより変化する。光移動方式のレーザ加工機
においては、その加工領域長が長いためにレーザビーム
のビーム径を均等になるように固定の凹凸ミラーの複数
枚の組み合わせもしくは透過レンズを通過してレーザ加
工ヘッド内にある集光レンズ(透過レンズ)にまで導か
れて集光される。
【0003】この集光されるレーザビームのスポット径
は、集光レンズに入射するレーザビームのビーム径の大
きさに左右されるものであり、集光レンズにおけるレー
ザビームの焦点長さは入射するレーザビームの発散角の
影響が付加されるものである。つまり、入射するレーザ
ビームのビーム径とレーザ発振器から集光レンズまでの
距離が異なるとスポット径(集光直径)と焦点長さは変
化する。
【0004】また、ワークの材質、板厚、加工方法によ
りそれぞれ適した集光直径とレーリー長が存在すること
が分かってきているので、現状ではレーザ加工ヘッド内
には異なる焦点長さの集光レンズを交換して使い分けし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来におい
ては、ワークの材質、板厚、加工方法に適した集光直径
を得るためにはその都度集光レンズを交換して焦点長さ
を変更するので、作業性が悪く、また自動化を図ること
が難しいという問題点があった。
【0006】上記の集光レンズの交換の必要性に伴っ
て、集光レンズを交換するにはレーザ加工ヘッドの構造
の複雑化及びそれに伴うコストアップ、集光レンズの交
換時間のタクトタイムが長いという問題点があった。ま
た、集光レンズの焦点長さの長焦点化にも構造上の上限
があるという問題点があった。
【0007】また、従来においては、レーザ発振器の個
体差、ミラー等の光学系の劣化に対応できないという問
題点があった。
【0008】本発明は叙上の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、複数の集光レンズを使い分け
ることなく、ベンドミラーの反射面の曲率を自在に変化
せしめることにより、1つの集光レンズでワークの材
質、板厚、加工方法の違いに合わせて適正なスポット径
を適正に制御し、安定したレーザ加工を実現し得るベン
ドミラーの調整方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明のベンドミラーの調整方法
は、レーザビームを曲率可変ミラーで反射してレーザ加
工ヘッド内の集光レンズで集光せしめる際、前記曲率可
変ミラーの反射面の背面から気体圧を加え且つこの気体
圧力をレーザ加工条件に応じて調整制御して前記反射面
の曲率の変化量を調整することにより、前記集光レンズ
に入射するレーザビーム径を調整せしめ、レーザ加工条
件に応じた集光直径に制御することを特徴とするもので
ある。
【0010】したがって、気体圧で曲率可変ミラーの反
射面の曲率を自在に変化せしめることにより、反射後の
レーザビーム径が縮小・拡大へ制御されるので、複数の
集光レンズを使い分けることなく、1つの集光レンズ
で、集光直径における加工領域差を最小限に抑えられ、
ワークの材質、板厚、加工方法の違いに合わせてスポッ
ト径及びレーリー長が適正に制御され、安定したレーザ
加工が行われる。
【0011】請求項2によるこの発明のベンドミラーの
調整装置は、レーザビームをレーザ加工ヘッド内の集光
レンズに入射するべく反射せしめる反射面を備えると共
にこの反射面の背面から気体圧を加えて前記反射面の曲
率を変更調整自在な曲率可変ミラーを設け、前記気体圧
力を調整する圧力調整装置を設け、レーザ加工条件に応
じて前記曲率可変ミラーの反射面の曲率を変更調整すべ
く前記圧力調整装置に指令を発生する制御装置を設けて
なることを特徴とするものである。
【0012】したがって、請求項1記載の作用と同様で
あり、気体圧で曲率可変ミラーの反射面の曲率を自在に
変化せしめることにより、反射後のレーザビーム径が縮
小・拡大へ制御されるので、複数の集光レンズを使い分
けることなく、1つの集光レンズで、集光直径における
加工領域差を最小限に抑えられ、ワークの材質、板厚、
加工方法の違いに合わせてスポット径及びレーリー長が
適正に制御され、安定したレーザ加工が行われる。
【0013】請求項3によるこの発明のベンドミラーの
調整装置は、請求項2記載のベンドミラーの調整装置に
おいて、前記曲率可変ミラーの反射面の背面に加圧室を
設け、この加圧室に前記圧力気体を供給すると共に前記
反射面の背面に圧力気体を噴射する方向に連通する多数
のガス噴出口を設けてなることを特徴とするものであ
る。
【0014】したがって、加圧室内の気体圧は安定した
状態に維持された後に、多数のガス噴出口からミラーの
反射面の背面へ均等な圧力で噴射されるので安定した状
態の反射面の曲率が得られる。また、レーザビームによ
り熱せられるミラーは反射面の背面に多数のガス噴射面
から均等に噴射される圧力気体により効率よく冷却され
る。
【0015】請求項4によるこの発明のベンドミラーの
調整装置は、請求項2又は3記載のベンドミラーの調整
装置において、前記曲率可変ミラーの反射面の外周部に
一周に亘るスリットを設けると共にこのスリットの外周
側にミラー基準面を設けてなることを特徴とするもので
ある。
【0016】したがって、ミラーの外周部のミラー基準
面がミラーの取付け基準位置に位置決めされる。ミラー
の曲率が変化するときに生じるミラーの変形歪みはミラ
ー基準面の内周側のスリットに吸収されるので、ミラー
基準面はミラーの変形歪みからの影響を避けられる。そ
の結果、ミラーは常時安定した状態でミラーの取付け基
準位置に装着される。
【0017】請求項5によるこの発明のベンドミラーの
調整装置は、請求項2〜4のうちのいずれか一つに記載
のベンドミラーの調整装置において、前記曲率可変ミラ
ーが、非加圧時は凹面状態にある反射面を備えてなるこ
とを特徴とするものである。
【0018】したがって、反射面の背面からの気体圧を
変化させることにより、反射面は凹面から平面、凸面へ
と自在に容易に変更される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明のベンドミラーの調
整方法及びその装置の実施の形態について、図面を参照
して説明する。
【0020】図4を参照するに、本実施の形態に係わる
レーザ加工装置1は、図示せざる加工装置本体に内蔵さ
れているレーザ発振器から発振されたレーザビームLB
がベンドミラーとしての例えば曲率可変ミラー3を経て
レーザ加工ヘッド5の内部に設けられた集光レンズ7に
導かれる。この集光レンズ7で集光されたレーザビーム
LBは、レーザ加工ヘッド5の先端に設けられた噴射ノ
ズル9を通過してワークWに照射される。例えば数値制
御のワーク移送位置決め装置で移送位置決めされたワー
クWのレーザ加工点に、レーザビームLBの焦点を結ば
せて、所望の形状に切断するなどのレーザ加工が行なわ
れる。
【0021】レーザ加工ヘッド5は前記加工装置本体に
設けられた加工ヘッド移動装置としての例えば加工ヘッ
ド用駆動モータ11により回転駆動されるボールねじ1
3Aを介して昇降自在に換言すれば噴射ノズル9をワー
クWに接離するように移動自在に設けられている。
【0022】さらに、集光レンズ7はレーザ加工ヘッド
5に設けられた集光レンズ移動装置としての例えば集光
レンズ用駆動モータ15により回転駆動されるボールね
じ13Bを介してレーザ加工ヘッド5の内部で上下動自
在に設けられている。なお、この集光レンズ7の移動距
離は図4において可変B軸値(B値)として後述され
る。加工ヘッド用駆動モータ11及び集光レンズ用駆動
モータ15はそれぞれ、図1に示されている制御装置1
7に電気的に接続されている。
【0023】一般的にレーザビームLBには発散角があ
るために、一様なビーム径で進行するのではなく図4に
示されているように徐々に広がっていくものである。そ
のためにレーザ加工点におけるレーザビームLBのスポ
ット径はレーザ発振器から集光レンズ7までの距離の違
いにより変化することになる。
【0024】集光レンズ7により集光されるレーザビー
ムLBのスポット径は、集光レンズ7に入射するレーザ
ビームLBのビーム径の大きさに左右されるものであ
り、集光レンズ7におけるレーザビームLBの焦点長さ
は集光レンズ7自体の焦点距離に対して入射するレーザ
ビームLBの発散角の影響が付加されるものである。つ
まり、入射するレーザビームLBのビーム径とレーザ発
振器から集光レンズ7までの距離が異なるとスポット径
と焦点長さは変化する。
【0025】例えば、集光レンズ7に入射するレーザビ
ームLBのビーム径DLが大きい場合は図4の実線で示
されているように短い焦点長さLfLで小さいスポット
径dLが得られるが、この同じ集光レンズ7に入射する
ビーム径DSが小さい場合は図4の点線で示されている
ように長い焦点長さLfSで大きいスポット径dSが得ら
れる。
【0026】本発明のレーザ加工では光制御装置により
集光レンズ7に入射するレーザビームLBのビーム径D
を自在に変更調整することにより1枚の集光レンズ7を
交換することなくワークWの材質及び板厚とその加工方
法の違いに応じてレーザビームLBのスポット径をレー
ザ加工に適した大きさに調整するものである。
【0027】なお、光制御装置とはワークWの材質、板
厚、加工方法に適するレーザ加工点におけるスポット径
0(dLやdSなどの)を得るために、レーザ加工ヘッ
ド5内の集光レンズ7に入射するレーザビームLBのビ
ーム径D(DLやDSなどの)を変化させる装置である。
【0028】本発明の実施の形態の主要部となる光制御
装置として用いられている曲率可変ミラー3は、図1に
示されているようにベンドブロック19に装着されてお
り、レーザ発振器側からのレーザビームLBを集光レン
ズ7の方向へ反射するもので、反射面Mの曲率を自在に
変更調整可能に設けられている。
【0029】図2を参照するに、本実施の形態では、ミ
ラー21は反射面Mに該当する底面が薄肉とのる円筒形
状をなしており、前記反射面Mを外側にして円柱形状の
ミラーブロック23に装着されボルトBTで一体的に固
定され、反射面Mの背面とミラーブロック23の端面と
の間には加圧室25が設けられている。
【0030】ミラーブロック23には加圧室25を構成
する端面の近くにはミラーブロック23の内部に貯留室
27が設けられており、図3に示されるように貯留室2
7と加圧室25を連通する多数の小径穴がガス噴出口2
9として設けられている。なお、多数のガス噴出口29
は圧力流体を反射面Mの背面に向けて噴出するように設
けられている。
【0031】また、ミラーブロック23には貯留室27
に連通するガス供給路31と、加圧室25に連通するガ
ス排気路33が設けられている。ミラーブロック23の
ガス供給路31は供給側ガスケット35を介してガス供
給ポートCに連通され、このガス供給ポートCには空気
圧または他のガス等の圧力気体が供給される。ガス排気
路33は排気側ガスケット37を介してガス排気ポート
Dに連通されている。
【0032】また、ミラー21には反射面Mの外周部に
一周に亘るスリット39が設けられており、このスリッ
ト39は反射面Mが変形するときの逃げ溝となる。さら
に、スリット39の外周側にはミラー基準面41が設け
られている。
【0033】なお、ミラー21の薄肉の反射面Mは非加
圧時には常時凹面状態にある。例えば、ミラー21は薄
肉の反射面Mの背面から均等な圧力で外側に向けて加圧
した状態で、前記反射面Mを平面に加工すると、上記の
加圧力をなくしたときには常時凹面状態となる。
【0034】上記のミラー21及びミラーブロック23
は底面に開口部43を設けた円筒形状のミラーマウント
ベース45の内部に、しかもミラー21の反射面Mが前
記開口部43に臨むように嵌入されている。ミラー21
の外周部のミラー基準面41がミラーマウントベース4
5の底部の基準面に突き当てられて基準位置に位置決め
される。ミラー基準面41の内周側にスリット39が設
けられているので、ミラー21の曲率が変化するときに
生じるミラー21の変形歪みはスリット39に吸収され
るためにミラー基準面41はミラー21の変形歪みから
の影響を避けられる。したがって、ミラー21は常時安
定した状態でミラーマウントベース45並びにベンドブ
ロック19に装着されることになる。
【0035】ミラーマウントベース45の背面には、内
部に冷却水を流入する冷却ジャケット47を備えた冷却
ブロック49がボルトBTにより一体的に固定されてい
る。冷却ジャケット47は冷却ブロック49の背面に溝
部51を設け、この溝部51の開口をパッキン53によ
り被蓋して形成されており、冷却ブロック49の背面は
冷却ブロックカバー55により被蓋されボルトBTで固
定されている。
【0036】図1を参照するに、ガス供給ポートCに供
給される空気圧または他のガス等の圧力気体は圧力調整
装置57により気体圧力が調整されるように構成されて
おり、圧力調整装置57はレーザ加工条件に応じて曲率
可変ミラー3の反射面Mの曲率を変更調整すべく制御装
置17により制御される機構である。
【0037】圧力調整装置57について詳しくは、ガス
供給ポートCはミラー側ガス供給管59を介して電空レ
ギュレータ等のサーボ弁61のAポートに連通されてお
り、サーボ弁61のPポートはサーボ弁側ガス供給管6
3を介して空気圧または他のガス等の圧力気体を供給す
る作動ガス供給源65に連通されている。また、サーボ
弁61のTポートはサーボ弁側ガス排気管67を介して
排気フィルタ69を経て外気に排出されるよう構成され
ている。
【0038】ミラー側ガス供給管59にはアキュームレ
ータタンク71と、ガス圧を検出する圧力検出器として
の例えば圧力センサ73が設けられており、この圧力セ
ンサ73は曲率可変ミラー制御装置としての例えばサー
ボコントロールアンプ75を経てサーボ弁61に電気的
に接続されている。また、サーボコントロールアンプ7
5はレーザ加工装置1の全体的な動作をコントロールす
る制御装置17に電気的に接続されている。
【0039】また、ガス排気ポートDはガス排気管77
及びオリフィス79を介して排気フィルタ69を経て外
気に排出されるよう構成されている。
【0040】制御装置17としては、図1に示されてい
るように、例えば中央処理装置としてのCPU81に、
ワークWの材質、板厚、加工方法等の情報、加工点座
標、曲率可変ミラー3の曲率の変化量と焦点長さのデー
タ等を入力するための入力装置83と表示装置85と、
入力されたデータを記憶するメモリ87と、上記の加工
点座標に伴う曲率可変ミラー3の曲率の変化量と焦点長
さとの関係式に基づいてレーザビームLBのスポット径
0やスポット位置(焦点長さLf0)並びに曲率可変ミ
ラー3の曲率の変化量を演算する演算装置89が接続さ
れている。
【0041】さらに、CPU81には上記のワークWの
材質、板厚、加工方法等の情報に基づいて得た曲率可変
ミラー3の曲率の変化量と集光レンズ7における焦点長
さに合わせるべく曲率可変ミラー3の曲率を変化させる
ようにサーボコントロールアンプ75に指令を発生する
比較判断装置91が接続されている。
【0042】上記構成により、制御装置17ではワーク
Wのレーザ加工条件とレーザ加工領域を判断するワーク
WのX,Y座標値(ワークWの平面での前後左右方向の
座標値)を基にして、ミラー21の反射面Mの曲率の所
望の変形量を得るためのガス圧力が予め入力されメモリ
87に記憶されているデータベースから演算装置89で
計算して比較判断装置91にて比較判断されて決定され
る。この決定されたガス圧力を維持すべく制御装置17
からサーボコントロールアンプ75に指令され、サーボ
弁61が作動する。
【0043】作動ガス供給源65からサーボ弁側ガス供
給管63を介して供給される圧力気体は、サーボ弁61
でPポートからAポートを経てミラー側ガス供給管59
から曲率可変ミラー3のガス供給ポートCへ供給され
る。この時、供給される圧力気体の圧力はアキュームレ
ータタンク71により安定化されると共に圧力センサ7
3により検出された気体圧のデータが随時サーボコント
ロールアンプ75にフィードバックされてサーボ弁61
が作動するので、安定した気体圧が維持される。
【0044】さらに、圧力気体はガス供給ポートCから
ガス供給路31を経て貯留室27へ流入し、この貯留室
27の圧力気体が多数のガス噴出口29から加圧室25
のミラー21の反射面Mの背面へ均等な圧力で噴射され
る。ミラー21は背面より加圧されることにより反射面
Mの曲率が変形される。噴射された圧力気体は加圧室2
5からガス排気路33を経てガス排気ポートDへ排出さ
れる。なお、上記の加圧室25内の気体圧は圧力調整装
置57の作動により安定した状態に維持されるのでミラ
ー21の反射面Mの曲率は維持される。
【0045】また、レーザビームLBにより熱せられる
ミラー21は、多数のガス噴射面から反射面Mの背面に
均等に噴射される圧力気体により効率よく冷却されると
共に、図2に示されているように冷却ブロック49が冷
却水により常時冷却されているのでミラー21の熱がミ
ラー21の外周面からミラーマウントベース45を経て
冷却ブロック49に吸収される。したがって、ミラー2
1の熱的変形が最小限に押さえられることになる。
【0046】上記のように、圧力気体の圧力が調整され
ることにより、例えば、気体圧が小から大へ調整される
とミラー21の反射面Mは順に、図1の点線のように凹
面と、図1の実線のように平面と、図1の一点鎖線のよ
うに凸面へ、曲率が自在に変更されることが可能とな
る。
【0047】したがって、曲率可変ミラー3の曲率がサ
ーボコントロールアンプ75により制御されて、例えば
図4に示されているように反射されるレーザビームLB
のビーム径が縮小及び拡大されるので、集光レンズ7へ
入射するレーザビームLBのビーム径Dの大きさが自在
に変更調整される。集光直径における加工領域差を最小
限に押さえることが可能となり、又、ワークWの材質、
板厚、加工方法に適した集光直径及びレーリー長のレー
ザビームLBが得られるので、レーザ加工の安定化が図
られると共にレーザ加工能力が向上する。
【0048】図7を参照するに、ガス圧力に対するミラ
ー21の反射面Mの曲率半径の関係は、例えばガス圧力
が約3.2kgf/cm2程度のときにミラー21の反
射面Mがほぼ平面になり、このガス圧力を境に小さくな
るにつれて凹面の曲率半径(−側)が小さくなる方へ変
化し、ガス圧力が大きくなるにつれて凸面の曲率半径
(+側)が小さくなる方へ変化することが分かる。
【0049】図8を参照するに、ガス圧力を変化させた
ときのレーザ加工点(ミラー21から5.2mの距離の
位置)での集光直径d0の関係が示されている。集光直
径d0はガス圧力Pに対してほぼ一次関数d0=−39.
925P+578.26で近似できる。
【0050】図9を参照するに、レーザ加工点で得られ
る焦点位置は、レーザビームLBは伝播するときに波面
曲率変化が生じることにより、集光レンズ7の可変B軸
値がガス圧力に対して一次的にB=0.86P+10.
08で変化することが分かる。したがって、実際のレー
ザ加工においてはあるガス圧力における任意の集光直径
が得られるが、同時に焦点位置B値も上記の式に従って
考慮する必要がある。
【0051】なお、この発明は前述した実施の形態の例
に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりそ
の他の態様で実施し得るものである。
【0052】圧力調整装置57としては、前述した図1
の実施の形態におけるサーボ弁61に換えて、図5に示
されているように比例電磁式圧力制御弁93を使用する
ことができる。この場合は、圧力センサ73により検出
される気体圧のデータが随時図1に示されるものと同様
のサーボコントロールアンプ75にフィードバックされ
て比例電磁式圧力制御弁93が作動され、安定した気体
圧が維持される。他の構成は前述した図1の実施の形態
とほぼ同様である。
【0053】あるいは、前述した図1の実施の形態にお
けるサーボ弁61に換えて、図6に示されているように
例えば固定減圧弁95Aとソレノイドバルブ97Aを使
用して予め設定された所望の気体圧を得るための設定1
の段階と、この設定1の段階と同様に他の固定減圧弁9
5Bとソレノイドバルブ97Bを使用して予め設定され
た他の所望の気体圧を得るための設定2の段階と、以下
同様にして他の所望の気体圧を得るための段階からなる
複数の段階に制御するように構成することもできる。
【0054】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項1の発明によれば、気体圧
で曲率可変ミラーの反射面の曲率を自在に変化すること
により、反射後のレーザビーム径を縮小・拡大へ制御で
きるので、複数の集光レンズを使い分けることなく、1
つの集光レンズで、集光直径における加工領域差を最小
限に抑えることができ、ワークの材質、板厚、加工方法
の違いに合わせてスポット径及びレーリー長を適正に制
御でき、安定したレーザ加工を行うことができる。
【0055】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
効果と同様であり、気体圧でベンドミラーの反射面の曲
率を自在に変化することにより、反射後のレーザビーム
径を縮小・拡大へ制御できるので、複数の集光レンズを
使い分けることなく、1つの集光レンズで、集光直径に
おける加工領域差を最小限に抑えることができ、ワーク
の材質、板厚、加工方法の違いに合わせてスポット径及
びレーリー長を適正に制御でき、安定したレーザ加工を
行うことができる。
【0056】請求項3の発明によれば、加圧室内の気体
圧は安定した状態に維持された後に、多数のガス噴出口
によりミラーの反射面の背面へ均等な圧力で噴射できる
ので安定した状態の反射面の曲率を得られる。また、レ
ーザビームにより熱せられるミラーは反射面の背面に多
数のガス噴射面から均等に噴射される圧力気体により効
率よく冷却できる。
【0057】請求項4によれば、ミラーの外周部のミラ
ー基準面がミラーの取付け基準位置に位置決めされる。
ミラー基準面の内周側のスリットにミラーの曲率が変化
するときに生じるミラーの変形歪みを吸収できるので、
ミラー基準面はミラーの変形歪みからの影響を避けられ
る。その結果、ミラーは常時安定した状態でミラーの取
付け基準位置に装着することができる。
【0058】請求項5によれば、反射面の背面からの気
体圧を変化させることにより、反射面を凹面から平面、
凸面へと自在に容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の曲率可変ミラーの制御回
路図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、曲率可変ミ
ラーの断面を示す側面図である。
【図3】図2の矢視III−III線の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の曲率可変ミラーを備えた
レーザ加工装置の部分的な概略説明図である。
【図5】他の実施の形態を示すもので、比例電磁式圧力
制御弁を含む圧力調整装置を示すブロック図である。
【図6】他の実施の形態を示すもので、固定減圧弁とソ
レノイドバルブを使用する圧力調整装置を示す部分的な
気体圧回路図である。
【図7】ガス圧力に対するミラーの曲率半径の関係を示
すグラフである。
【図8】ガス圧力を変化させたときのレーザ加工点での
集光直径の関係を示すグラフである。
【図9】ガス圧力に対するレーザ加工点で得られる焦点
位置B値の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 レーザ加工装置 3 曲率可変ミラー 5 レーザ加工ヘッド 7 集光レンズ 17 制御装置 21 ミラー 23 ミラーブロック 25 加圧室 27 貯留室 29 ガス噴出口 39 スリット 41 ミラー基準面 57 圧力調整装置 61 サーボ弁 71 アキュームレータタンク 73 圧力センサ 75 サーボコントロールアンプ(曲率可変ミラー制御
装置) M 反射面
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月11日(1999.5.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ベンドミラーの調整方法及びその装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ発振器から
のレーザビームを曲率可変ミラーで反射し集光レンズを
経てワークに照射するベンドミラーの調整方法およびそ
の装置に関し、特にレーザ加工条件に応じて曲率可変ミ
ラーの反射面の曲率の変化量を適正に制御するベンドミ
ラーの調整方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザビームには発散角があるた
めに、レーザビームのスポット径はレーザ発振器からの
距離の違いにより変化する。光移動方式のレーザ加工機
においては、その加工領域長が長いためにレーザビーム
のビーム径を均等になるように固定の凹凸ミラーの複数
枚の組み合わせもしくは透過レンズを通過してレーザ加
工ヘッド内にある集光レンズ(透過レンズ)にまで導か
れて集光される。
【0003】この集光されるレーザビームのスポット径
は、集光レンズに入射するレーザビームのビーム径の大
きさに左右されるものであり、集光レンズにおけるレー
ザビームの焦点長さは入射するレーザビームの発散角の
影響が付加されるものである。つまり、入射するレーザ
ビームのビーム径とレーザ発振器から集光レンズまでの
距離が異なるとスポット径(集光直径)と焦点長さは変
化する。
【0004】また、ワークの材質、板厚、加工方法によ
りそれぞれ適した集光直径とレーリー長が存在すること
が分かってきているので、現状ではレーザ加工ヘッド内
には異なる焦点長さの集光レンズを交換して使い分けし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来におい
ては、ワークの材質、板厚、加工方法に適した集光直径
を得るためにはその都度集光レンズを交換して焦点長さ
を変更するので、作業性が悪く、また自動化を図ること
が難しいという問題点があった。
【0006】上記の集光レンズの交換の必要性に伴っ
て、集光レンズを交換するにはレーザ加工ヘッドの構造
の複雑化及びそれに伴うコストアップ、集光レンズの交
換時間のタクトタイムが長いという問題点があった。ま
た、集光レンズの焦点長さの長焦点化にも構造上の上限
があるという問題点があった。
【0007】また、従来においては、レーザ発振器の個
体差、ミラー等の光学系の劣化に対応できないという問
題点があった。
【0008】本発明は叙上の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、複数の集光レンズを使い分け
ることなく、ベンドミラーの反射面の曲率を自在に変化
せしめることにより、1つの集光レンズでワークの材
質、板厚、加工方法の違いに合わせて適正なスポット径
を適正に制御し、安定したレーザ加工を実現し得るベン
ドミラーの調整方法及びその装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1によるこの発明のベンドミラーの調整方法
は、レーザビームを曲率可変ミラーで反射してレーザ加
工ヘッド内の集光レンズで集光せしめる際、前記曲率可
変ミラーの反射面の背面から気体圧を加え且つこの気体
圧力をレーザ加工条件に応じて調整制御して前記反射面
の曲率の変化量を調整することにより、前記集光レンズ
に入射するレーザビーム径を調整せしめ、レーザ加工条
件に応じた集光直径に制御することを特徴とするもので
ある。
【0010】したがって、気体圧で曲率可変ミラーの反
射面の曲率を自在に変化せしめることにより、反射後の
レーザビーム径が縮小・拡大へ制御されるので、複数の
集光レンズを使い分けることなく、1つの集光レンズ
で、集光直径における加工領域差を最小限に抑えられ、
ワークの材質、板厚、加工方法の違いに合わせてスポッ
ト径及びレーリー長が適正に制御され、安定したレーザ
加工が行われる。
【0011】請求項2によるこの発明のベンドミラーの
調整装置は、レーザビームをレーザ加工ヘッド内の集光
レンズに入射するべく反射せしめる反射面を備えると共
にこの反射面の背面から気体圧を加えて前記反射面の曲
率を変更調整自在な曲率可変ミラーを設け、前記気体圧
力を調整する圧力調整装置を設け、レーザ加工条件に応
じて前記曲率可変ミラーの反射面の曲率を変更調整すべ
く前記圧力調整装置に指令を発生する制御装置を設けて
なることを特徴とするものである。
【0012】したがって、請求項1記載の作用と同様で
あり、気体圧で曲率可変ミラーの反射面の曲率を自在に
変化せしめることにより、反射後のレーザビーム径が縮
小・拡大へ制御されるので、複数の集光レンズを使い分
けることなく、1つの集光レンズで、集光直径における
加工領域差を最小限に抑えられ、ワークの材質、板厚、
加工方法の違いに合わせてスポット径及びレーリー長が
適正に制御され、安定したレーザ加工が行われる。
【0013】請求項3によるこの発明のベンドミラーの
調整装置は、請求項2記載のベンドミラーの調整装置に
おいて、前記曲率可変ミラーの反射面の背面に加圧室を
設け、この加圧室に前記圧力気体を供給すると共に前記
反射面の背面に圧力気体を噴射する方向に連通する多数
のガス噴出口を設けてなることを特徴とするものであ
る。
【0014】したがって、加圧室内の気体圧は安定した
状態に維持された後に、多数のガス噴出口からミラーの
反射面の背面へ均等な圧力で噴射されるので安定した状
態の反射面の曲率が得られる。また、レーザビームによ
り熱せられるミラーは反射面の背面に多数のガス噴射面
から均等に噴射される圧力気体により効率よく冷却され
る。
【0015】請求項4によるこの発明のベンドミラーの
調整装置は、請求項2又は3記載のベンドミラーの調整
装置において、前記曲率可変ミラーの反射面の外周部に
一周に亘るスリットを設けると共にこのスリットの外周
側にミラー基準面を設けてなることを特徴とするもので
ある。
【0016】したがって、ミラーの外周部のミラー基準
面がミラーの取付け基準位置に位置決めされる。ミラー
の曲率が変化するときに生じるミラーの変形歪みはミラ
ー基準面の内周側のスリットに吸収されるので、ミラー
基準面はミラーの変形歪みからの影響を避けられる。そ
の結果、ミラーは常時安定した状態でミラーの取付け基
準位置に装着される。
【0017】請求項5によるこの発明のベンドミラーの
調整装置は、請求項2〜4のうちのいずれか一つに記載
のベンドミラーの調整装置において、前記曲率可変ミラ
ーが、非加圧時は凹面状態にある反射面を備えてなるこ
とを特徴とするものである。
【0018】したがって、反射面の背面からの気体圧を
変化させることにより、反射面は凹面から平面、凸面へ
と自在に容易に変更される。
【0019】請求項6に係る発明は、請求項2に記載の
ベンドミラーの調整装置において、加圧室に接続したガ
ス排出管にオリフィスを設け、上記加圧室に接続したミ
ラー側ガス供給管に圧力調整装置を接続した構成であ
る。
【0020】請求項7に係る発明は、レーザ発振器から
発振されたレーザビームをレーザ加工ヘッド内の集光レ
ンズへ入射すべく反射する反射面を備えたミラーをミラ
ーブロックに固定して設け、上記ミラーとミラーブロッ
クとの間に形成された加圧室へ圧力流体としてガスを供
給自在かつ排気自在に設け、かつ前記ミラー及びミラー
ブロックを内部に嵌入したミラーマウンドベースに、冷
却水を流入する冷却ジャケットを備えた冷却ブロックが
一体的に固定してある構成である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明のベンドミラーの調
整方法及びその装置の実施の形態について、図面を参照
して説明する。
【0022】図4を参照するに、本実施の形態に係わる
レーザ加工装置1は、図示せざる加工装置本体に内蔵さ
れているレーザ発振器から発振されたレーザビームLB
がベンドミラーとしての例えば曲率可変ミラー3を経て
レーザ加工ヘッド5の内部に設けられた集光レンズ7に
導かれる。この集光レンズ7で集光されたレーザビーム
LBは、レーザ加工ヘッド5の先端に設けられた噴射ノ
ズル9を通過してワークWに照射される。例えば数値制
御のワーク移送位置決め装置で移送位置決めされたワー
クWのレーザ加工点に、レーザビームLBの焦点を結ば
せて、所望の形状に切断するなどのレーザ加工が行なわ
れる。
【0023】レーザ加工ヘッド5は前記加工装置本体に
設けられた加工ヘッド移動装置としての例えば加工ヘッ
ド用駆動モータ11により回転駆動されるボールねじ1
3Aを介して昇降自在に換言すれば噴射ノズル9をワー
クWに接離するように移動自在に設けられている。
【0024】さらに、集光レンズ7はレーザ加工ヘッド
5に設けられた集光レンズ移動装置としての例えば集光
レンズ用駆動モータ15により回転駆動されるボールね
じ13Bを介してレーザ加工ヘッド5の内部で上下動自
在に設けられている。なお、この集光レンズ7の移動距
離は図4において可変B軸値(B値)として後述され
る。加工ヘッド用駆動モータ11及び集光レンズ用駆動
モータ15はそれぞれ、図1に示されている制御装置1
7に電気的に接続されている。
【0025】一般的にレーザビームLBには発散角があ
るために、一様なビーム径で進行するのではなく図4に
示されているように徐々に広がっていくものである。そ
のためにレーザ加工点におけるレーザビームLBのスポ
ット径はレーザ発振器から集光レンズ7までの距離の違
いにより変化することになる。
【0026】集光レンズ7により集光されるレーザビー
ムLBのスポット径は、集光レンズ7に入射するレーザ
ビームLBのビーム径の大きさに左右されるものであ
り、集光レンズ7におけるレーザビームLBの焦点長さ
は集光レンズ7自体の焦点距離に対して入射するレーザ
ビームLBの発散角の影響が付加されるものである。つ
まり、入射するレーザビームLBのビーム径とレーザ発
振器から集光レンズ7までの距離が異なるとスポット径
と焦点長さは変化する。
【0027】例えば、集光レンズ7に入射するレーザビ
ームLBのビーム径DL が大きい場合は図4の実線で示
されているように短い焦点長さLfL で小さいスポット
径dL が得られるが、この同じ集光レンズ7に入射する
ビーム径DS が小さい場合は図4の点線で示されている
ように長い焦点長さLfS で大きいスポット径dS が得
られる。
【0028】本発明のレーザ加工では光制御装置により
集光レンズ7に入射するレーザビームLBのビーム径D
を自在に変更調整することにより1枚の集光レンズ7を
交換することなくワークWの材質及び板厚とその加工方
法の違いに応じてレーザビームLBのスポット径をレー
ザ加工に適した大きさに調整するものである。
【0029】なお、光制御装置とはワークWの材質、板
厚、加工方法に適するレーザ加工点におけるスポット径
0 (dL やdS などの)を得るために、レーザ加工ヘ
ッド5内の集光レンズ7に入射するレーザビームLBの
ビーム径D(DL やDS などの)を変化させる装置であ
る。
【0030】本発明の実施の形態の主要部となる光制御
装置として用いられている曲率可変ミラー3は、図1に
示されているようにベンドブロック19に装着されてお
り、レーザ発振器側からのレーザビームLBを集光レン
ズ7の方向へ反射するもので、反射面Mの曲率を自在に
変更調整可能に設けられている。
【0031】図2を参照するに、本実施の形態では、ミ
ラー21は反射面Mに該当する底面が薄肉とのる円筒形
状をなしており、前記反射面Mを外側にして円柱形状の
ミラーブロック23に装着されボルトBTで一体的に固
定され、反射面Mの背面とミラーブロック23の端面と
の間には加圧室25が設けられている。
【0032】ミラーブロック23には加圧室25を構成
する端面の近くにはミラーブロック23の内部に貯留室
27が設けられており、図3に示されるように貯留室2
7と加圧室25を連通する多数の小径穴がガス噴出口2
9として設けられている。なお、多数のガス噴出口29
は圧力流体を反射面Mの背面に向けて噴出するように設
けられている。
【0033】また、ミラーブロック23には貯留室27
に連通するガス供給路31と、加圧室25に連通するガ
ス排気路33が設けられている。ミラーブロック23の
ガス供給路31は供給側ガスケット35を介してガス供
給ポートCに連通され、このガス供給ポートCには空気
圧または他のガス等の圧力気体が供給される。ガス排気
路33は排気側ガスケット37を介してガス排気ポート
Dに連通されている。
【0034】また、ミラー21には反射面Mの外周部に
一周に亘るスリット39が設けられており、このスリッ
ト39は反射面Mが変形するときの逃げ溝となる。さら
に、スリット39の外周側にはミラー基準面41が設け
られている。
【0035】なお、ミラー21の薄肉の反射面Mは非加
圧時には常時凹面状態にある。例えば、ミラー21は薄
肉の反射面Mの背面から均等な圧力で外側に向けて加圧
した状態で、前記反射面Mを平面に加工すると、上記の
加圧力をなくしたときには常時凹面状態となる。
【0036】上記のミラー21及びミラーブロック23
は底面に開口部43を設けた円筒形状のミラーマウント
ベース45の内部に、しかもミラー21の反射面Mが前
記開口部43に臨むように嵌入されている。ミラー21
の外周部のミラー基準面41がミラーマウントベース4
5の底部の基準面に突き当てられて基準位置に位置決め
される。ミラー基準面41の内周側にスリット39が設
けられているので、ミラー21の曲率が変化するときに
生じるミラー21の変形歪みはスリット39に吸収され
るためにミラー基準面41はミラー21の変形歪みから
の影響を避けられる。したがって、ミラー21は常時安
定した状態でミラーマウントベース45並びにベンドブ
ロック19に装着されることになる。
【0037】ミラーマウントベース45の背面には、内
部に冷却水を流入する冷却ジャケット47を備えた冷却
ブロック49がボルトBTにより一体的に固定されてい
る。
【0038】冷却ジャケット47は冷却ブロック49の
背面に溝部51を設け、この溝部51の開口をパッキン
53により被蓋して形成されており、冷却ブロック49
の背面は冷却ブロックカバー55により被蓋されボルト
BTで固定されている。
【0039】図1を参照するに、ガス供給ポートCに供
給される空気圧または他のガス等の圧力気体は圧力調整
装置57により気体圧力が調整されるように構成されて
おり、圧力調整装置57はレーザ加工条件に応じて曲率
可変ミラー3の反射面Mの曲率を変更調整すべく制御装
置17により制御される機構である。
【0040】圧力調整装置57について詳しくは、ガス
供給ポートCはミラー側ガス供給管59を介して電空レ
ギュレータ等のサーボ弁61のAポートに連通されてお
り、サーボ弁61のPポートはサーボ弁側ガス供給管6
3を介して空気圧または他のガス等の圧力気体を供給す
る作動ガス供給源65に連通されている。また、サーボ
弁61のTポートはサーボ弁側ガス排気管67を介して
排気フィルタ69を経て外気に排出されるよう構成され
ている。
【0041】ミラー側ガス供給管59にはアキュームレ
ータタンク71と、ガス圧を検出する圧力検出器として
の例えば圧力センサ73が設けられており、この圧力セ
ンサ73は曲率可変ミラー制御装置としての例えばサー
ボコントロールアンプ75を経てサーボ弁61に電気的
に接続されている。また、サーボコントロールアンプ7
5はレーザ加工装置1の全体的な動作をコントロールす
る制御装置17に電気的に接続されている。
【0042】また、ガス排気ポートDはガス排気管77
及びオリフィス79を介して排気フィルタ69を経て外
気に排出されるよう構成されている。
【0043】制御装置17としては、図1に示されてい
るように、例えば中央処理装置としてのCPU81に、
ワークWの材質、板厚、加工方法等の情報、加工点座
標、曲率可変ミラー3の曲率の変化量と焦点長さのデー
タ等を入力するための入力装置83と表示装置85と、
入力されたデータを記憶するメモリ87と、上記の加工
点座標に伴う曲率可変ミラー3の曲率の変化量と焦点長
さとの関係式に基づいてレーザビームLBのスポット径
0 やスポット位置(焦点長さLf0 )並びに曲率可変
ミラー3の曲率の変化量を演算する演算装置89が接続
されている。
【0044】さらに、CPU81には上記のワークWの
材質、板厚、加工方法等の情報に基づいて得た曲率可変
ミラー3の曲率の変化量と集光レンズ7における焦点長
さに合わせるべく曲率可変ミラー3の曲率を変化させる
ようにサーボコントロールアンプ75に指令を発生する
比較判断装置91が接続されている。
【0045】上記構成により、制御装置17ではワーク
Wのレーザ加工条件とレーザ加工領域を判断するワーク
WのX,Y座標値(ワークWの平面での前後左右方向の
座標値)を基にして、ミラー21の反射面Mの曲率の所
望の変形量を得るためのガス圧力が予め入力されメモリ
87に記憶されているデータベースから演算装置89で
計算して比較判断装置91にて比較判断されて決定され
る。この決定されたガス圧力を維持すべく制御装置17
からサーボコントロールアンプ75に指令され、サーボ
弁61が作動する。
【0046】作動ガス供給源65からサーボ弁側ガス供
給管63を介して供給される圧力気体は、サーボ弁61
でPポートからAポートを経てミラー側ガス供給管59
から曲率可変ミラー3のガス供給ポートCへ供給され
る。この時、供給される圧力気体の圧力はアキュームレ
ータタンク71により安定化されると共に圧力センサ7
3により検出された気体圧のデータが随時サーボコント
ロールアンプ75にフィードバックされてサーボ弁61
が作動するので、安定した気体圧が維持される。
【0047】さらに、圧力気体はガス供給ポートCから
ガス供給路31を経て貯留室27へ流入し、この貯留室
27の圧力気体が多数のガス噴出口29から加圧室25
のミラー21の反射面Mの背面へ均等な圧力で噴射され
る。ミラー21は背面より加圧されることにより反射面
Mの曲率が変形される。噴射された圧力気体は加圧室2
5からガス排気路33を経てガス排気ポートDへ排出さ
れる。なお、上記の加圧室25内の気体圧は圧力調整装
置57の作動により安定した状態に維持されるのでミラ
ー21の反射面Mの曲率は維持される。
【0048】また、レーザビームLBにより熱せられる
ミラー21は、多数のガス噴射面から反射面Mの背面に
均等に噴射される圧力気体により効率よく冷却されると
共に、図2に示されているように冷却ブロック49が冷
却水により常時冷却されているのでミラー21の熱がミ
ラー21の外周面からミラーマウントベース45を経て
冷却ブロック49に吸収される。したがって、ミラー2
1の熱的変形が最小限に押さえられることになる。
【0049】上記のように、圧力気体の圧力が調整され
ることにより、例えば、気体圧が小から大へ調整される
とミラー21の反射面Mは順に、図1の点線のように凹
面と、図1の実線のように平面と、図1の一点鎖線のよ
うに凸面へ、曲率が自在に変更されることが可能とな
る。
【0050】したがって、曲率可変ミラー3の曲率がサ
ーボコントロールアンプ75により制御されて、例えば
図4に示されているように反射されるレーザビームLB
のビーム径が縮小及び拡大されるので、集光レンズ7へ
入射するレーザビームLBのビーム径Dの大きさが自在
に変更調整される。集光直径における加工領域差を最小
限に押さえることが可能となり、又、ワークWの材質、
板厚、加工方法に適した集光直径及びレーリー長のレー
ザビームLBが得られるので、レーザ加工の安定化が図
られると共にレーザ加工能力が向上する。
【0051】図7を参照するに、ガス圧力に対するミラ
ー21の反射面Mの曲率半径の関係は、例えばガス圧力
が約3.2kgf/cm2 程度のときにミラー21の反
射面Mがほぼ平面になり、このガス圧力を境に小さくな
るにつれて凹面の曲率半径(−側)が小さくなる方へ変
化し、ガス圧力が大きくなるにつれて凸面の曲率半径
(+側)が小さくなる方へ変化することが分かる。
【0052】図8を参照するに、ガス圧力を変化させた
ときのレーザ加工点(ミラー21から5.2mの距離の
位置)での集光直径d0 の関係が示されている。集光直
径d0 はガス圧力Pに対してほぼ一次関数d0 =−3
9.925P+578.26で近似できる。
【0053】図9を参照するに、レーザ加工点で得られ
る焦点位置は、レーザビームLBは伝播するときに波面
曲率変化が生じることにより、集光レンズ7の可変B軸
値がガス圧力に対して一次的にB=0.86P+10.
08で変化することが分かる。したがって、実際のレー
ザ加工においてはあるガス圧力における任意の集光直径
が得られるが、同時に焦点位置B値も上記の式に従って
考慮する必要がある。
【0054】なお、この発明は前述した実施の形態の例
に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりそ
の他の態様で実施し得るものである。
【0055】圧力調整装置57としては、前述した図1
の実施の形態におけるサーボ弁61に換えて、図5に示
されているように比例電磁式圧力制御弁93を使用する
ことができる。この場合は、圧力センサ73により検出
される気体圧のデータが随時図1に示されるものと同様
のサーボコントロールアンプ75にフィードバックされ
て比例電磁式圧力制御弁93が作動され、安定した気体
圧が維持される。他の構成は前述した図1の実施の形態
とほぼ同様である。
【0056】あるいは、前述した図1の実施の形態にお
けるサーボ弁61に換えて、図6に示されているように
例えば固定減圧弁95Aとソレノイドバルブ97Aを使
用して予め設定された所望の気体圧を得るための設定1
の段階と、この設定1の段階と同様に他の固定減圧弁9
5Bとソレノイドバルブ97Bを使用して予め設定され
た他の所望の気体圧を得るための設定2の段階と、以下
同様にして他の所望の気体圧を得るための段階からなる
複数の段階に制御するように構成することもできる。
【0057】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項1の発明によれば、気体圧
で曲率可変ミラーの反射面の曲率を自在に変化すること
により、反射後のレーザビーム径を縮小・拡大へ制御で
きるので、複数の集光レンズを使い分けることなく、1
つの集光レンズで、集光直径における加工領域差を最小
限に抑えることができ、ワークの材質、板厚、加工方法
の違いに合わせてスポット径及びレーリー長を適正に制
御でき、安定したレーザ加工を行うことができる。
【0058】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
効果と同様であり、気体圧でベンドミラーの反射面の曲
率を自在に変化することにより、反射後のレーザビーム
径を縮小・拡大へ制御できるので、複数の集光レンズを
使い分けることなく、1つの集光レンズで、集光直径に
おける加工領域差を最小限に抑えることができ、ワーク
の材質、板厚、加工方法の違いに合わせてスポット径及
びレーリー長を適正に制御でき、安定したレーザ加工を
行うことができる。
【0059】請求項3の発明によれば、加圧室内の気体
圧は安定した状態に維持された後に、多数のガス噴出口
によりミラーの反射面の背面へ均等な圧力で噴射できる
ので安定した状態の反射面の曲率を得られる。また、レ
ーザビームにより熱せられるミラーは反射面の背面に多
数のガス噴射面から均等に噴射される圧力気体により効
率よく冷却できる。
【0060】請求項4によれば、ミラーの外周部のミラ
ー基準面がミラーの取付け基準位置に位置決めされる。
ミラー基準面の内周側のスリットにミラーの曲率が変化
するときに生じるミラーの変形歪みを吸収できるので、
ミラー基準面はミラーの変形歪みからの影響を避けられ
る。その結果、ミラーは常時安定した状態でミラーの取
付け基準位置に装着することができる。
【0061】請求項5によれば、反射面の背面からの気
体圧を変化させることにより、反射面を凹面から平面、
凸面へと自在に容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の曲率可変ミラーの制御回
路図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、曲率可変ミ
ラーの断面を示す側面図である。
【図3】図2の矢視III−III線の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の曲率可変ミラーを備えた
レーザ加工装置の部分的な概略説明図である。
【図5】他の実施の形態を示すもので、比例電磁式圧力
制御弁を含む圧力調整装置を示すブロック図である。
【図6】他の実施の形態を示すもので、固定減圧弁とソ
レノイドバルブを使用する圧力調整装置を示す部分的な
気体圧回路図である。
【図7】ガス圧力に対するミラーの曲率半径の関係を示
すグラフである。
【図8】ガス圧力を変化させたときのレーザ加工点での
集光直径の関係を示すグラフである。
【図9】ガス圧力に対するレーザ加工点で得られる焦点
位置B値の関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1 レーザ加工装置 3 曲率可変ミラー 5 レーザ加工ヘッド 7 集光レンズ 17 制御装置 21 ミラー 23 ミラーブロック 25 加圧室 27 貯留室 29 ガス噴出口 39 スリット 41 ミラー基準面 57 圧力調整装置 61 サーボ弁 71 アキュームレータタンク 73 圧力センサ 75 サーボコントロールアンプ(曲率可変ミラー制御
装置) M 反射面 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年8月20日(1999.8.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ベンドミラーの調整装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ発振器から
のレーザビームを曲率可変ミラーで反射し集光レンズを
経てワークに照射するベンドミラーの調整装置に関し、
特にレーザ加工条件に応じて曲率可変ミラーの反射面の
曲率の変化量を適正に制御するベンドミラーの調整装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザビームには発散角があるた
めに、レーザビームのスポット径はレーザ発振器からの
距離の違いにより変化する。光移動方式のレーザ加工機
においては、その加工領域長が長いためにレーザビーム
のビーム径を均等になるように固定の凹凸ミラーの複数
枚の組み合わせもしくは透過レンズを通過してレーザ加
工ヘッド内にある集光レンズ(透過レンズ)にまで導か
れて集光される。
【0003】この集光されるレーザビームのスポット径
は、集光レンズに入射するレーザビームのビーム径の大
きさに左右されるものであり、集光レンズにおけるレー
ザビームの焦点長さは入射するレーザビームの発散角の
影響が付加されるものである。つまり、入射するレーザ
ビームのビーム径とレーザ発振器から集光レンズまでの
距離が異なるとスポット径(集光直径)と焦点長さは変
化する。
【0004】また、ワークの材質、板厚、加工方法によ
りそれぞれ適した集光直径とレーリー長が存在すること
が分かってきているので、現状ではレーザ加工ヘッド内
には異なる焦点長さの集光レンズを交換して使い分けし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来におい
ては、ワークの材質、板厚、加工方法に適した集光直径
を得るためにはその都度集光レンズを交換して焦点長さ
を変更するので、作業性が悪く、また自動化を図ること
が難しいという問題点があった。
【0006】上記の集光レンズの交換の必要性に伴っ
て、集光レンズを交換するにはレーザ加工ヘッドの構造
の複雑化及びそれに伴うコストアップ、集光レンズの交
換時間のタクトタイムが長いという問題点があった。ま
た、集光レンズの焦点長さの長焦点化にも構造上の上限
があるという問題点があった。
【0007】また、従来においては、レーザ発振器の個
体差、ミラー等の光学系の劣化に対応できないという問
題点があった。
【0008】本発明は叙上の課題を解決するためになさ
れたもので、その目的は、複数の集光レンズを使い分け
ることなく、ベンドミラーの反射面の曲率を自在に変化
せしめることにより、1つの集光レンズでワークの材
質、板厚、加工方法の違いに合わせて適正なスポット径
を適正に制御し、安定したレーザ加工を実現し得るベン
ドミラーの調整装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述のごとき問題に鑑み
て、請求項1に係る発明は、レーザ発振器から発振され
たレーザビームをレーザ加工ヘッド内の集光レンズに入
射すべく反射する反射面を備えると共にこの反射面の背
面に設けた加圧室へ気体圧力を加えることにより前記反
射面の曲率を変更調整自在な曲率可変ミラーを設け、前
記気体圧力を調整する圧力調整装置を設けると共に、レ
ーザ加工条件に応じて前記曲率可変ミラーの反射面の曲
率を変更調整すべく前記圧力調整装置に指令を発生する
制御装置を設けてなり、上記制御装置は、ワークの材
質、板厚、加工方法の情報等を入力するための入力装置
と、入力されたデータを記憶するメモリと、前記曲率可
変ミラーの曲率の変化量とレーザビームのスポット径及
びスポット位置(焦点長さ)を演算する演算装置と、前
記ワークの材質、板厚、加工方法の情報に基いて得た曲
率可変ミラーの曲率変化量と前記集光レンズの焦点長さ
に合せるべく前記圧力調整装置に指令を発する比較判断
装置とを備えた構成である。
【0010】したがって、気体圧で曲率可変ミラーの反
射面の曲率を自在に変化せしめることにより、反射後の
レーザビーム径が縮小・拡大へ制御されるので、複数の
集光レンズを使い分けることなく、1つの集光レンズ
で、集光直径における加工領域差を最小限に抑えられ、
ワークの材質、板厚、加工方法の違いに合わせてスポッ
ト径及びレーリー長が適正に制御され、安定したレーザ
加工が行われる。
【0011】請求項2に係る発明は、レーザビームを反
射する反射面を備えたミラーの背面と当該ミラーを装着
したミラーブロックとの間に加圧室を設けると共に、上
記ミラーブロックに貯留室を設け、上記貯留室から前記
ミラーの背面全体に圧力気体を均等な圧力で噴射する多
数のガス噴射口を設けてなるものである。
【0012】したがって、加圧室内の気体圧は安定した
状態に維持された後に、多数のガス噴出口からミラーの
反射面の背面へ均等な圧力で噴射されるので安定した状
態の反射面の曲率が得られる。また、レーザビームによ
り熱せられるミラーは反射面の背面に多数のガス噴射面
から均等に噴射される圧力気体により効率よく冷却され
る。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項2に記載の
ベンドミラーの調整装置において、ミラーの反射面の外
周部に一周に亘るスリットを設けると共にこのスリット
の外周側にミラー基準面を設けてなるものである。
【0014】したがって、ミラーの外周部のミラー基準
面がミラーの取付け基準位置に位置決めされる。ミラー
の曲率が変化するときに生じるミラーの変形歪みはミラ
ー基準面の内周側のスリットに吸収されるので、ミラー
基準面はミラーの変形歪みからの影響を避けられる。そ
の結果、ミラーは常時安定した状態でミラーの取付け基
準位置に装着される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のベンドミラーの調
整装置の実施の形態について、図面を参照して説明す
る。
【0016】図4を参照するに、本実施の形態に係わる
レーザ加工装置1は、図示せざる加工装置本体に内蔵さ
れているレーザ発振器から発振されたレーザビームLB
がベンドミラーとしての例えば曲率可変ミラー3を経て
レーザ加工ヘッド5の内部に設けられた集光レンズ7に
導かれる。この集光レンズ7で集光されたレーザビーム
LBは、レーザ加工ヘッド5の先端に設けられた噴射ノ
ズル9を通過してワークWに照射される。例えば数値制
御のワーク移送位置決め装置で移送位置決めされたワー
クWのレーザ加工点に、レーザビームLBの焦点を結ば
せて、所望の形状に切断するなどのレーザ加工が行なわ
れる。
【0017】レーザ加工ヘッド5は前記加工装置本体に
設けられた加工ヘッド移動装置としての例えば加工ヘッ
ド用駆動モータ11により回転駆動されるボールねじ1
3Aを介して昇降自在に換言すれば噴射ノズル9をワー
クWに接離するように移動自在に設けられている。
【0018】さらに、集光レンズ7はレーザ加工ヘッド
5に設けられた集光レンズ移動装置としての例えば集光
レンズ用駆動モータ15により回転駆動されるボールね
じ13Bを介してレーザ加工ヘッド5の内部で上下動自
在に設けられている。なお、この集光レンズ7の移動距
離は図4において可変B軸値(B値)として後述され
る。加工ヘッド用駆動モータ11及び集光レンズ用駆動
モータ15はそれぞれ、図1に示されている制御装置1
7に電気的に接続されている。
【0019】一般的にレーザビームLBには発散角があ
るために、一様なビーム径で進行するのではなく図4に
示されているように徐々に広がっていくものである。そ
のためにレーザ加工点におけるレーザビームLBのスポ
ット径はレーザ発振器から集光レンズ7までの距離の違
いにより変化することになる。
【0020】集光レンズ7により集光されるレーザビー
ムLBのスポット径は、集光レンズ7に入射するレーザ
ビームLBのビーム径の大きさに左右されるものであ
り、集光レンズ7におけるレーザビームLBの焦点長さ
は集光レンズ7自体の焦点距離に対して入射するレーザ
ビームLBの発散角の影響が付加されるものである。つ
まり、入射するレーザビームLBのビーム径とレーザ発
振器から集光レンズ7までの距離が異なるとスポット径
と焦点長さは変化する。
【0021】例えば、集光レンズ7に入射するレーザビ
ームLBのビーム径DL が大きい場合は図4の実線で示
されているように短い焦点長さLfL で小さいスポット
径dL が得られるが、この同じ集光レンズ7に入射する
ビーム径DS が小さい場合は図4の点線で示されている
ように長い焦点長さLfS で大きいスポット径dS が得
られる。
【0022】本発明のレーザ加工では光制御装置により
集光レンズ7に入射するレーザビームLBのビーム径D
を自在に変更調整することにより1枚の集光レンズ7を
交換することなくワークWの材質及び板厚とその加工方
法の違いに応じてレーザビームLBのスポット径をレー
ザ加工に適した大きさに調整するものである。
【0023】なお、光制御装置とはワークWの材質、板
厚、加工方法に適するレーザ加工点におけるスポット径
0 (dL やdS などの)を得るために、レーザ加工ヘ
ッド5内の集光レンズ7に入射するレーザビームLBの
ビーム径D(DL やDS などの)を変化させる装置であ
る。
【0024】本発明の実施の形態の主要部となる光制御
装置として用いられている曲率可変ミラー3は、図4に
示されているようにベンドブロック19に装着されてお
り、レーザ発振器側からのレーザビームLBを集光レン
ズ7の方向へ反射するもので、反射面Mの曲率を自在に
変更調整可能に設けられている。
【0025】図2を参照するに、本実施の形態では、ミ
ラー21は反射面Mに該当する底面が薄肉とのる円筒形
状をなしており、前記反射面Mを外側にして円柱形状の
ミラーブロック23に装着されボルトBTで一体的に固
定され、反射面Mの背面とミラーブロック23の端面と
の間には加圧室25が設けられている。
【0026】ミラーブロック23には加圧室25を構成
する端面の近くにはミラーブロック23の内部に貯留室
27が設けられており、図3に示されるように貯留室2
7と加圧室25を連通する多数の小径穴がガス噴出口2
9として設けられている。なお、図2,図3より明らか
なように、多数のガス噴出口29は圧力流体を反射面M
の背面全体に向けて噴出するように設けられている。
【0027】また、ミラーブロック23には貯留室27
に連通するガス供給路31と、加圧室25に連通するガ
ス排気路33が設けられている。ミラーブロック23の
ガス供給路31は供給側ガスケット35を介してガス供
給ポートCに連通され、このガス供給ポートCには空気
圧または他のガス等の圧力気体が供給される。ガス排気
路33は排気側ガスケット37を介してガス排気ポート
Dに連通されている。
【0028】また、ミラー21には反射面Mの外周部に
一周に亘るスリット39が設けられており、このスリッ
ト39は反射面Mが変形するときの逃げ溝となる。さら
に、スリット39の外周側にはミラー基準面41が設け
られている。
【0029】なお、ミラー21の薄肉の反射面Mは非加
圧時には常時凹面状態にある。例えば、ミラー21は薄
肉の反射面Mの背面から均等な圧力で外側に向けて加圧
した状態で、前記反射面Mを平面に加工すると、上記の
加圧力をなくしたときには常時凹面状態となる。
【0030】上記のミラー21及びミラーブロック23
は底面に開口部43を設けた円筒形状のミラーマウント
ベース45の内部に、しかもミラー21の反射面Mが前
記開口部43に臨むように嵌入されている。ミラー21
の外周部のミラー基準面41がミラーマウントベース4
5の底部の基準面に突き当てられて基準位置に位置決め
される。ミラー基準面41の内周側にスリット39が設
けられているので、ミラー21の曲率が変化するときに
生じるミラー21の変形歪みはスリット39に吸収され
るためにミラー基準面41はミラー21の変形歪みから
の影響を避けられる。したがって、ミラー21は常時安
定した状態でミラーマウントベース45並びにベンドブ
ロック19に装着されることになる。
【0031】ミラーマウントベース45の背面には、内
部に冷却水を流入する冷却ジャケット47を備えた冷却
ブロック49がボルトBTにより一体的に固定されてい
る。
【0032】冷却ジャケット47は冷却ブロック49の
背面に溝部51を設け、この溝部51の開口をパッキン
53により被蓋して形成されており、冷却ブロック49
の背面は冷却ブロックカバー55により被蓋されボルト
BTで固定されている。
【0033】図1を参照するに、ガス供給ポートCに供
給される空気圧または他のガス等の圧力気体は圧力調整
装置57により気体圧力が調整されるように構成されて
おり、圧力調整装置57はレーザ加工条件に応じて曲率
可変ミラー3の反射面Mの曲率を変更調整すべく制御装
置17により制御される機構である。
【0034】圧力調整装置57について詳しくは、ガス
供給ポートCはミラー側ガス供給管59を介して電空レ
ギュレータ等のサーボ弁61のAポートに連通されてお
り、サーボ弁61のPポートはサーボ弁側ガス供給管6
3を介して空気圧または他のガス等の圧力気体を供給す
る作動ガス供給源65に連通されている。また、サーボ
弁61のTポートはサーボ弁側ガス排気管67を介して
排気フィルタ69を経て外気に排出されるよう構成され
ている。
【0035】ミラー側ガス供給管59にはアキュームレ
ータタンク71と、ガス圧を検出する圧力検出器として
の例えば圧力センサ73が設けられており、この圧力セ
ンサ73は曲率可変ミラー制御装置としての例えばサー
ボコントロールアンプ75を経てサーボ弁61に電気的
に接続されている。また、サーボコントロールアンプ7
5はレーザ加工装置1の全体的な動作をコントロールす
る制御装置17に電気的に接続されている。
【0036】また、ガス排気ポートDはガス排気管77
及びオリフィス79を介して排気フィルタ69を経て外
気に排出されるよう構成されている。
【0037】制御装置17としては、図1に示されてい
るように、例えば中央処理装置としてのCPU81に、
ワークWの材質、板厚、加工方法等の情報、加工点座
標、曲率可変ミラー3の曲率の変化量と焦点長さのデー
タ等を入力するための入力装置83と表示装置85と、
入力されたデータを記憶するメモリ87と、上記の加工
点座標に伴う曲率可変ミラー3の曲率の変化量と焦点長
さとの関係式に基づいてレーザビームLBのスポット径
0 やスポット位置(焦点長さLf0 )並びに曲率可変
ミラー3の曲率の変化量を演算する演算装置89が接続
されている。
【0038】さらに、CPU81には上記のワークWの
材質、板厚、加工方法等の情報に基づいて得た曲率可変
ミラー3の曲率の変化量と集光レンズ7における焦点長
さに合わせるべく曲率可変ミラー3の曲率を変化させる
ようにサーボコントロールアンプ75に指令を発生する
比較判断装置91が接続されている。
【0039】上記構成により、制御装置17ではワーク
Wのレーザ加工条件とレーザ加工領域を判断するワーク
WのX,Y座標値(ワークWの平面での前後左右方向の
座標値)を基にして、ミラー21の反射面Mの曲率の所
望の変形量を得るためのガス圧力が予め入力されメモリ
87に記憶されているデータベースから演算装置89で
計算して比較判断装置91にて比較判断されて決定され
る。この決定されたガス圧力を維持すべく制御装置17
からサーボコントロールアンプ75に指令され、サーボ
弁61が作動する。
【0040】作動ガス供給源65からサーボ弁側ガス供
給管63を介して供給される圧力気体は、サーボ弁61
でPポートからAポートを経てミラー側ガス供給管59
から曲率可変ミラー3のガス供給ポートCへ供給され
る。この時、供給される圧力気体の圧力はアキュームレ
ータタンク71により安定化されると共に圧力センサ7
3により検出された気体圧のデータが随時サーボコント
ロールアンプ75にフィードバックされてサーボ弁61
が作動するので、安定した気体圧が維持される。
【0041】さらに、圧力気体はガス供給ポートCから
ガス供給路31を経て貯留室27へ流入し、この貯留室
27の圧力気体が多数のガス噴出口29から加圧室25
のミラー21の反射面Mの背面へ均等な圧力で噴射され
る。ミラー21は背面より加圧されることにより反射面
Mの曲率が変形される。噴射された圧力気体は加圧室2
5からガス排気路33を経てガス排気ポートDへ排出さ
れる。なお、上記の加圧室25内の気体圧は圧力調整装
置57の作動により安定した状態に維持されるのでミラ
ー21の反射面Mの曲率は維持される。
【0042】また、レーザビームLBにより熱せられる
ミラー21は、多数のガス噴射面から反射面Mの背面に
均等に噴射される圧力気体により効率よく冷却されると
共に、図2に示されているように冷却ブロック49が冷
却水により常時冷却されているのでミラー21の熱がミ
ラー21の外周面からミラーマウントベース45を経て
冷却ブロック49に吸収される。したがって、ミラー2
1の熱的変形が最小限に押さえられることになる。
【0043】上記のように、圧力気体の圧力が調整され
ることにより、例えば、気体圧が小から大へ調整される
とミラー21の反射面Mは順に、図1の点線のように凹
面と、図1の実線のように平面と、図1の一点鎖線のよ
うに凸面へ、曲率が自在に変更されることが可能とな
る。
【0044】したがって、曲率可変ミラー3の曲率がサ
ーボコントロールアンプ75により制御されて、例えば
図4に示されているように反射されるレーザビームLB
のビーム径が縮小及び拡大されるので、集光レンズ7へ
入射するレーザビームLBのビーム径Dの大きさが自在
に変更調整される。集光直径における加工領域差を最小
限に押さえることが可能となり、又、ワークWの材質、
板厚、加工方法に適した集光直径及びレーリー長のレー
ザビームLBが得られるので、レーザ加工の安定化が図
られると共にレーザ加工能力が向上する。
【0045】図7を参照するに、ガス圧力に対するミラ
ー21の反射面Mの曲率半径の関係は、例えばガス圧力
が約3.2kgf/cm2 程度のときにミラー21の反
射面Mがほぼ平面になり、このガス圧力を境に小さくな
るにつれて凹面の曲率半径(−側)が小さくなる方へ変
化し、ガス圧力が大きくなるにつれて凸面の曲率半径
(+側)が小さくなる方へ変化することが分かる。
【0046】図8を参照するに、ガス圧力を変化させた
ときのレーザ加工点(ミラー21から5.2mの距離の
位置)での集光直径d0 の関係が示されている。集光直
径d0 はガス圧力Pに対してほぼ一次関数d0 =−3
9.925P+578.26で近似できる。
【0047】図9を参照するに、レーザ加工点で得られ
る焦点位置は、レーザビームLBは伝播するときに波面
曲率変化が生じることにより、集光レンズ7の可変B軸
値がガス圧力に対して一次的にB=0.86P+10.
08で変化することが分かる。したがって、実際のレー
ザ加工においてはあるガス圧力における任意の集光直径
が得られるが、同時に焦点位置B値も上記の式に従って
考慮する必要がある。
【0048】なお、この発明は前述した実施の形態の例
に限定されることなく、適宜な変更を行うことによりそ
の他の態様で実施し得るものである。
【0049】圧力調整装置57としては、前述した図1
の実施の形態におけるサーボ弁61に換えて、図5に示
されているように比例電磁式圧力制御弁93を使用する
ことができる。この場合は、圧力センサ73により検出
される気体圧のデータが随時図1に示されるものと同様
のサーボコントロールアンプ75にフィードバックされ
て比例電磁式圧力制御弁93が作動され、安定した気体
圧が維持される。他の構成は前述した図1の実施の形態
とほぼ同様である。
【0050】あるいは、前述した図1の実施の形態にお
けるサーボ弁61に換えて、図6に示されているように
例えば固定減圧弁95Aとソレノイドバルブ97Aを使
用して予め設定された所望の気体圧を得るための設定1
の段階と、この設定1の段階と同様に他の固定減圧弁9
5Bとソレノイドバルブ97Bを使用して予め設定され
た他の所望の気体圧を得るための設定2の段階と、以下
同様にして他の所望の気体圧を得るための段階からなる
複数の段階に制御するように構成することもできる。
【0051】
【発明の効果】以上のごとき発明の実施の形態の説明か
ら理解されるように、請求項1の発明によれば、気体圧
でベンドミラーの反射面の曲率を自在に変化することに
より、反射後のレーザビーム径を縮小・拡大へ制御でき
るので、複数の集光レンズを使い分けることなく、1つ
の集光レンズで、集光直径における加工領域差を最小限
に抑えることができ、ワークの材質、板厚、加工方法の
違いに合わせてスポット径及びレーリー長を適正に制御
でき、安定したレーザ加工を行うことができる。
【0052】請求項2の発明によれば、加圧室内の気体
圧は安定した状態に維持された後に、多数のガス噴出口
によりミラーの反射面の背面へ均等な圧力で噴射できる
ので安定した状態の反射面の曲率を得られる。また、レ
ーザビームにより熱せられるミラーは反射面の背面に多
数のガス噴射面から均等に噴射される圧力気体により効
率よく冷却できる。
【0053】請求項3によれば、ミラーの外周部のミラ
ー基準面がミラーの取付け基準位置に位置決めされる。
ミラー基準面の内周側のスリットにミラーの曲率が変化
するときに生じるミラーの変形歪みを吸収できるので、
ミラー基準面はミラーの変形歪みからの影響を避けられ
る。その結果、ミラーは常時安定した状態でミラーの取
付け基準位置に装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の曲率可変ミラーの制御回
路図である。
【図2】本発明の実施の形態を示すもので、曲率可変ミ
ラーの断面を示す側面図である。
【図3】図2の矢視III−III線の断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の曲率可変ミラーを備えた
レーザ加工装置の部分的な概略説明図である。
【図5】他の実施の形態を示すもので、比例電磁式圧力
制御弁を含む圧力調整装置を示すブロック図である。
【図6】他の実施の形態を示すもので、固定減圧弁とソ
レノイドバルブを使用する圧力調整装置を示す部分的な
気体圧回路図である。
【図7】ガス圧力に対するミラーの曲率半径の関係を示
すグラフである。
【図8】ガス圧力を変化させたときのレーザ加工点での
集光直径の関係を示すグラフである。
【図9】ガス圧力に対するレーザ加工点で得られる焦点
位置B値の関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1 レーザ加工装置 3 曲率可変ミラー 5 レーザ加工ヘッド 7 集光レンズ 17 制御装置 21 ミラー 23 ミラーブロック 25 加圧室 27 貯留室 29 ガス噴出口 39 スリット 41 ミラー基準面 57 圧力調整装置 61 サーボ弁 71 アキュームレータタンク 73 圧力センサ 75 サーボコントロールアンプ(曲率可変ミラー制御
装置) M 反射面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川田 喜重 神奈川県厚木市飯山4992 Fターム(参考) 2H043 BC01 BC08 4E068 CA07 CB02 CB05 CD12 CD15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを曲率可変ミラーで反射し
    てレーザ加工ヘッド内の集光レンズで集光せしめる際、
    前記曲率可変ミラーの反射面の背面から気体圧を加え且
    つこの気体圧力をレーザ加工条件に応じて調整制御して
    前記反射面の曲率の変化量を調整することにより、前記
    集光レンズに入射するレーザビーム径を調整せしめ、レ
    ーザ加工条件に応じた集光直径に制御することを特徴と
    するベンドミラーの調整方法。
  2. 【請求項2】 レーザビームをレーザ加工ヘッド内の集
    光レンズに入射するべく反射せしめる反射面を備えると
    共にこの反射面の背面から気体圧を加えて前記反射面の
    曲率を変更調整自在な曲率可変ミラーを設け、前記気体
    圧力を調整する圧力調整装置を設け、レーザ加工条件に
    応じて前記曲率可変ミラーの反射面の曲率を変更調整す
    べく前記圧力調整装置に指令を発生する制御装置を設け
    てなることを特徴とするベンドミラーの調整装置。
  3. 【請求項3】 前記曲率可変ミラーの反射面の背面に加
    圧室を設け、この加圧室に前記圧力気体を供給すると共
    に前記反射面の背面に圧力気体を噴射する方向に連通す
    る多数のガス噴出口を設けてなることを特徴とする請求
    項2記載のベンドミラーの調整装置。
  4. 【請求項4】 前記曲率可変ミラーの反射面の外周部に
    一周に亘るスリットを設けると共にこのスリットの外周
    側にミラー基準面を設けてなることを特徴とする請求項
    2又は3記載のベンドミラーの調整装置。
  5. 【請求項5】 前記曲率可変ミラーが、非加圧時は凹面
    状態にある反射面を備えてなることを特徴とする請求項
    2〜4のうちのいずれか一つに記載のベンドミラーの調
    整装置。
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