JP2000051985A - 送りねじの転造方法及び該方法を実施するためのねじ転造盤 - Google Patents

送りねじの転造方法及び該方法を実施するためのねじ転造盤

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JP2000051985A
JP2000051985A JP10232361A JP23236198A JP2000051985A JP 2000051985 A JP2000051985 A JP 2000051985A JP 10232361 A JP10232361 A JP 10232361A JP 23236198 A JP23236198 A JP 23236198A JP 2000051985 A JP2000051985 A JP 2000051985A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧の油温上昇により粘度が変化して転造力
が増加したとしても、食い込み量を所定の値に保持する
ことができ、送りねじの寸法精度が安定する送りねじの
転造方法及びその方法を実施するためのねじ転造盤の提
供。 【解決手段】 ロールダイス2,3が、夫々、固定側主
軸台5と移動側主軸台6とに支承されている。ロールダ
イス2,3直下の基台11上に、プレート状の位置決め
部材14,15が、夫々、固定側主軸台5とレスト支持
台13との間、及びレスト支持台13と移動側主軸台6
との間に介装されている。移動側主軸台6が前進して、
その下部端面30が位置決め部材15の端面に当接する
位置、すなわち、ロールダイス3の前極位置で、所要の
転造力、すなわち、所要値の1.5〜3倍の転造力が素
材棒4に付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールねじ及びア
クメねじ等の送りねじの転造方法及びその方法を実施す
るためのねじ転造盤の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】ねじ転造装置として、一対の丸形ロール
ダイスの間に素材棒を油圧で押し付ける油圧式ねじ転造
盤が用いられている。また、ロールダイスの幅より長い
送りねじを転造形成する場合、「歩き」を利用した通し
転造方法が用いられている。なお、「歩き」とは、ロー
ルダイスのリード角と転造形成されるねじのリード角に
少しの角度差を設け、このリード角の差によって、素材
棒がロールダイス間で軸方向に移動することをいう。
【0003】以下、図9乃至図17を参照して、油圧式
ねじ転造盤1の構成及びボールねじの転造方法を概略説
明する。図9乃至図11に示すように、一対の丸形ロー
ルダイス2,3が、キー(図示せず。)を介して主軸
9,10に夫々固定されている。主軸9,10は夫々旋
回台7,8に回転自在に支持されているとともに、自在
継手(図示せず。)を介して回転駆動機構(図示せ
ず。)に連結されている。この回転駆動機構によって、
ロールダイス2,3は同方向に同速度で同期回転する。
旋回台7,8は、夫々、固定側主軸台5及び移動側主軸
台6に旋回軸37,38を中心にして回動可能にボルト
(図示せず。)で締着されている。ボールねじを転造す
る際、旋回台7,8は、固定側主軸台5及び移動側主軸
台6に対してロールダイス2,3のリード角と被転造ボ
ールねじのリード角の差だけ傾けられる。固定側主軸台
5は、ボルト34で基台11に固着されている。移動側
主軸台6の下部30と基台11の突出部31,32との
間には、逆V字形のありすべり面39,39が形成され
ている。このありすべり面39,39に案内されて、移
動側主軸台6が油圧機構(図示せず。)で固定側支持台
5に向かって前進又は後退することにより、素材棒4に
転造力を加えたり、素材棒4の挿入及び取り出しを行
う。なお、「転造力」とは、ロールダイス2,3を素材
棒4に押し付け、ボールねじを転造形成するために必要
な力をいう。
【0004】ロールダイス2,3の間に素材棒4aが配
置され、素材棒4aはレスト支持台13に支持されてい
るレスト12上に回転自在に保持されている。この素材
棒4aの中心軸は、ロールダイス2,3の中心軸とほぼ
同一平面又はやや低い平面にある。レスト支持台13に
は移動側主軸台6の移動方向と平行に移動できるように
長孔36が設けられており、この長孔36に挿通される
ボルト35でレスト支持台13が基台11に締着されて
いる。また、レスト12の代わりに、図12に示す回転
ブッシュ支持台33,33が用いられることもある。こ
の回転ブッシュ支持台33,33は、ロールダイス2,
3の前後に配置される。
【0005】ロールダイス2,3の外観形状を図13に
示す。後記の転造用螺旋突条40の頂点を結んだ一点鎖
線42,43及び44で示したように、幅Wのロールダ
イス2,3には、円柱部42の両端に外向きに径が小さ
くなる円錐台部43,44が非対称に形成されている。
また、一方の円錐台部43から円柱部42を経由して他
方の円錐台部44にかけて連結したゴシックアーク形状
(図示せず。)の転造用螺旋突条40が設けられている
(但し、図13は右ねじを転造形成するための左螺旋突
条を示す。)。この螺旋突条40がボールねじのねじ溝
部を形成し、螺旋突条40,40間の谷部41がボール
ねじのねじ山部を形成する。そして、この一点鎖線4
2,43の成す角度θ1は、転造時の摩擦を減らして素
材棒4の軸端を食い付かせるために、一般に3〜5°に
設定されている。また、一点鎖線42,43の成す角度
θ2も、同様に、3〜5°に設定されている。なお、角
度θ2は逃げ角である。
【0006】素材棒4aのロールダイス2,3への食い
付きを容易にするため、素材棒4aの一方の軸端に図1
4に示すテーパ部45が形成されている。テーパ部45
の形状を説明する。先端径Tを被転造ねじ溝谷径より僅
かに小さくするとともに、テーパ部45の長さUをロー
ルダイス2,3の幅Wの約2/3とし、テーパ角度θ3
をロールダイス2,3の傾斜角度θ1と同一又は僅かに
小さく設定している。このテーパ部45は不完全ねじ部
になるため、転造終了後に切断除去される。なお、符号
S,Lは、夫々、素材棒径とその全長を示す。ここで、
下記のことを付記しておく必要がある。 (1)ねじ転造盤メーカーが、素材棒径S及び転造力の
選定実験式を公表している。しかし、公表されている実
験式は三角ねじに対する実験から得られたものであっ
て、ボールねじにそのまま適用することはできない。こ
のため、ボールねじを転造する場合、実験及び経験から
素材棒径S及び転造力を決定している。また、ロールダ
イス3が素材棒4aに食い込む速度、転造時間及びロー
ルダイス2,3の回転数も、実験及び経験から決定され
ている。 (2)ねじ転造加工では素材棒の体積と転造ねじの体積
とは等しく、また軸方向の伸縮も一般に僅かである。こ
のため、素材棒径が直接に転造ねじ径に影響する。ま
た、素材棒の真円度及びテーパもそのまま寸法誤差にな
って現れる。さらに、素材棒の表面粗さ、素地硬さ及び
化学成分率も転造ねじの精度に影響する。特に、ボール
ねじ等の送りねじは通常の三角ねじ以上の寸法精度を要
求されるため、素材棒径S、表面粗さ、素地硬さ及び化
学成分率が一定になるように管理されている。
【0007】次に、ボールねじの転造方法を、時系列的
に簡略に説明する。所定のロールダイス2,3を主軸
9,10に取り付ける。旋回台7,8をロールダイス
2,3のリード角と被転造ボールねじのリード角の差だ
け傾け、固定側主軸台5及び移動側主軸台6に締着す
る。所定のレスト12がロールダイス2,3間の中央に
あるように、ロールダイス2の外面とレスト12中心の
距離が素材棒径Sの約1/2になる位置までレスト支持
台13を左右に調整した後、ボルト35でレスト支持台
13を基台11に締着する。そして、ロールダイス2,
3のピッチが正確に1/2ピッチだけずれているよう
に、ピッチ合わせを行う。その後に、ロールダイス2,
3間に所定の転造ボールねじ基範を入れ、両者のねじ面
が軽く噛み合うまで位置調整用バー(図示せず。)で移
動側主軸台6を前進させる。この位置が、移動側ロール
ダイス3が素材棒4aに食い込む量(以下、「食い込み
量」という。)、すなわち、転造終了時における移動側
ロールダイス3の前極位置になる。そして、この前極位
置で所定の転造力が付与される。しかし、実際には、転
造力による各部の歪み等があるため、実験及び経験から
食い込み量を決定している。最後に、転造完了後のボー
ルねじの取り出し及び素材棒4aの挿入を容易にするた
めに、転造ストロークを調整する。なお、この転造スト
ロークは、転造ねじ山の高さと6〜10mm位の余裕間
隙を加えたものである。
【0008】次に、ボールねじの転造形成過程を説明す
る。図15に示すように、ロールダイス2,3の夫々の
螺旋突条40が少しずつ素材棒4aに食い込むことによ
り、ボールねじ4bのねじ溝部47が形成され、同時に
ねじ山部が螺旋突条40,40間で盛り上がって行き、
最終的に盛り上がったねじ山部がロールダイス2,3の
夫々の谷部41で押さえられ、一定形状のねじ山部46
が形成される。しかし、実際には、ロールダイス2,
3がボールねじ4bから離れる際にスプリングバックに
よってねじ山部46がねじ溝部47に倒れ込むという問
題、ねじ山部46に押さえ付けられる圧力によってロ
ールダイス2,3の谷部41が摩耗したりクラックが発
生するという問題から、食い込み量及び転造力を調整す
ることにより、図16に示す小溝48をねじ山部46の
中央近傍に形成している。
【0009】転造形成後のボールねじ4bの形状を図1
7に示す。但し、この場合、素材棒4aのテーパ部45
による不完全ねじ部は除去している。符号D,Dr及び
Dmは、夫々、ねじ山部46の直径(以下、「ねじ軸外
径」という。)、ねじ溝部47の谷底径(以下、「ねじ
溝谷径」という。)及び適用される鋼球49の鋼球中心
径を示す。ねじ軸外径Dは、マイクロメータで測定する
ことにより管理されている。また、ボールねじ4bのリ
ード精度は、リード測定器(図示せず。)で測定するこ
とにより管理されている。しかし、転造ボールねじで
は、ねじ溝形状にゴシックアーク溝形状(図示せず。)
が採用されているため、鋼球49とねじ溝部47とが接
触する鋼球接触角(図示せず。)の関係から、鋼球中心
径Dmを測定することができない。そこで、JIS B
0271に規定されているねじ測定用三針に準じて、鋼
球49と同径のローラ(図示せず。)を3本1組で使用
した三針有効径Deを測定することにより、有効径、有
効径の真円度及び有効径の円筒度が管理されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、所定
の食い込み量、すなわち、移動側ロールダイスの前極位
置で所要の転造力が付与され、転造力と素材棒の反力と
が釣り合った状態で、均一なボールねじが転造形成され
る。しかし、転造力は油圧で付与されているため、油温
の上昇により粘度が変化して転造力が増加することによ
り、移動側ロールダイスが所定の前極位置より前進して
いく。このため、ねじ軸外径、ねじ溝谷径及び三針有効
径が縮径するとともに、三針有効径の真円度及び円筒度
が悪化するという問題があった。なお、この場合の真円
度とは、軸線に直角な任意の断面の最大径と最小径の差
をいい、円筒度とは、ボールねじの全長に亘る最大径と
最小径の差をいう。図18は、この問題を模式的に示し
たものである。転造形成途中で、油温の上昇により粘度
が変化して転造力が増加することにより、移動側ロール
ダイスが所定の前極位置より前進して行く。同時に、ね
じ山部46の小溝48の幅が漸次狭くなって消失すると
ともに、正規のねじ山部46の頂点を結んだ一点鎖線5
0及び正規のねじ溝部47の谷底頂点を結んだ一点鎖線
51で示したように、ねじ軸外径Dが漸次縮径し、且
つ、ねじ溝部47が次第に深くなる。その結果、ねじ溝
谷径Dr及び三針有効径Deの縮径が生じ、三針有効径
Deの真円度及び円筒度が悪化した。そこで、従来は、
熟練オペレータがねじ軸外径及び三針有効径を測定しな
がら転造力を制御していたが、人力によるため、三針有
効径の真円度及び円筒度を10μm以下に抑えることは
困難であった。さらに、移動側ロールダイスの前極位置
を人力制御で保持できたとしても、油圧が脈動している
ため、移動側ロールダイスが前極位置を中心にして前後
に微動している。従って、この観点からも、三針有効径
の真円度及び円筒度を10μm以下に抑えることは困難
であった。
【0011】本発明は、油圧の油温上昇により粘度が変
化して転造力が増加したとしても、食い込み量を所定の
値に保持、すなわち、移動側ロールダイスの前極位置を
所定の位置に保持でき、送りねじの寸法精度が安定する
送りねじの転造方法及び該方法を実施するための転造盤
を提供することを目的としている。また、油圧が脈動し
ても移動側ロールダイスが前極位置を中心に前後に微動
せず、三針有効径の真円度及び円筒度が10μm以下の
送りねじが得られる送りねじの転造方法及び該方法を実
施するための転造盤を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、一対のロールダイス間に素材棒を挟んで
前記ロールダイスを回転駆動させながら油圧で押圧して
前記素材棒の外周に送りねじを転造形成する方法及び該
方法を実施するためのねじ転造盤において、前記ロール
ダイスの一方を支承する固定側主軸台と他方のロールダ
イスを支承する移動側主軸台との間に、該移動側ロール
ダイスの前記素材棒への食い込み量を所定の値に保持す
る位置決め部材を介装させたことを特徴とする。
【0013】また、前記位置決め部材は、前記ロールダ
イスの直下に設けることが効果的である。
【0014】また、前記位置決め部材に、前記移動側ロ
ールダイスの前記素材棒への食い込み量を微調整する微
調整手段を設けるとよい。
【0015】さらに、前記油圧で押圧する力を、所要値
の1.5〜3倍とすることが好ましい。
【0016】
【作用】油圧の油温上昇により粘度が変化して転造力が
増加したとしても、食い込み量を所定の値に保持、すな
わち、移動側ロールダイスの前極位置を所定の位置に保
持することができる。また、食い込み量を所定の値に保
持できるから、所要転造力の1.5〜3倍の転造力を付
与することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、従来と同一又は相当部分に
は同一符号を付して、その説明は省略する。図1及び図
2に示すように、ロールダイス2,3直下の基台11上
に、プレート状の鋼製位置決め部材14,15が、夫
々、固定側主軸台5とレスト支持台13との間、及びレ
スト支持台13と移動側主軸台6との間に介装されてい
る。具体的には、位置決め部材14は、その両端面が固
定側主軸台5の下部端面とレスト支持台13の左側端面
とに当接して設置されている。位置決め部材15は、そ
の一方の端面がレスト支持台13の右側端面に当接して
設置されている(図1は、移動側主軸台6が前進して、
その下部端面30が位置決め部材15の他方の端面に当
接した状態を示す。)。この位置決め部材14,15の
高さa及び長さbは、レスト支持台13の高さ及び軸方
向長さと同一で、被転造ボールねじの呼び型番に応じて
食い込み量が所定の値、すなわち、ロールダイス3の前
極位置が所定の位置になるように、その幅c1,c2が
設定されている。また、この位置決め部材14,15は
基台11上にボルト(図示せず。)で締着されている
が、載置するだけでもよい。そして、移動側主軸台6が
前進して、その下部端面30が位置決め部材15の端面
に当接する位置、すなわち、ロールダイス3の前極位置
で、所要の転造力、すなわち、所要値の1.5〜3倍の
転造力が素材棒4aに付与される。
【0018】図3に、本発明の第2実施形態を示す。基
台11側に広がる傾斜面を有する位置決め部材16が、
レスト支持台13の右側端面に当接して設置されてい
る。この位置決め部材16の傾斜面と相補う形状の傾斜
面を有する位置決め部材17が、移動側主軸台6の下部
端面30にボルト(図示せず。)で締着されている。そ
して、移動側主軸台6が前進すると、同時に位置決め部
材17も基台11上を摺動前進し、位置決め部材17の
傾斜面が位置決め部材16の傾斜面に当接する位置、す
なわち、ロールダイス3の前極位置で、所要の転造力、
すなわち、所要値の1.5〜3倍の転造力が素材棒4に
付与される。なお、第2実施形態は、位置決め部材1
6,17に相補う形状の傾斜面を設けることにより、位
置決め部材17が位置決め部材16に当接したとき、レ
スト支持台13を基台11に押し付ける効果を有する。
【0019】図4に、本発明の第3実施形態を示す。こ
の第3実施形態は、前記第2実施形態の変形態様であ
る。傾斜面を有する位置決め部材16,18間に、夫々
の傾斜面と相補う形状の傾斜面を有する微調整用部材
(微調整手段)19が挟装される。この微調整用部材1
9は、位置決め部材16にボルト(図示せず。)で締着
されている。そして、微調整用部材19の厚みを変える
ことにより、食い込み量、すなわち、ロールダイス3の
前極位置を微調整することができる。その他の構成及び
作用は前記第2実施形態と同様であるので、その説明は
省略する。
【0020】図5に、本発明の第4実施形態を示す。移
動側主軸台6の移動方向と直交する方向(以下、「軸方
向」という。)にテーパ面を有する位置決め部材20
が、レスト支持台13の右側端面に当接して設置されて
いる。移動側主軸台6の下部端面30に、位置決め部材
20のテーパ面と相補う形状のテーパ面を有する位置決
め部材21がボルト(図示せず。)で締着されている。
そして、移動側主軸台6が前進すると、同時に位置決め
部材21も基台11上を摺動前進し、位置決め部材21
のテーパ面が位置決め部材20のテーパ面に当接する位
置、すなわち、ロールダイス3の前極位置で、所要の転
造力、すなわち、所要値の1.5〜3倍の転造力が素材
棒4に付与される。
【0021】図6に、本発明の第5実施形態を示す。こ
の第5実施形態は、前記第4実施形態の変形態様であ
る。軸方向にテーパ面を有する位置決め部材22が、ね
じ24を回動させることによって、レスト支持台13の
右側端面に案内されながら往復動する。移動側主軸台6
の下部端面30には、位置決め部材22のテーパ面と相
補う形状のテーパ面を有する位置決め部材23が締着さ
れている。なお、符号25は基台11に固着されるねじ
支持台を示し、符号26,27はねじ24を回動又は固
定するためのナットを示す。そして、位置決め部材22
を往復動させることにより、位置決め部材22,23の
テーパ面当接位置であるロールダイス3の前極位置、す
なわち、食い込み量を微調整することができる。その他
の構成及び作用は前記第4実施形態と同様であるので、
その説明は省略する。
【0022】図7に、本発明の第6実施形態を示す。こ
の第6実施形態は、図12の回転ブッシュ支持台33,
33を使用した場合に適用される。固定側主軸台5と移
動側主軸台6との間に、位置決め部材28が介装されて
いる。その他の構成及び作用は前記第1実施形態と同様
であるので、その説明は省略する。なお、本発明はこの
実施形態に限定されることなく、前記第2乃至第5の実
施形態に変形できることは言うまでもない。
【0023】図8は、従来技術及び本発明を適用してボ
ールねじを転造形成した結果の一部を示したものであ
る。なお、真円度の値は、全長6000mmのボールね
じを500mm間隔で測定してプロットしている。以
下、具体的数値を挙げて説明する。 (1)被転造ボールねじの寸法詳細 ねじ軸外径45mm、ねじ溝谷径39.6mm、呼びリ
ード12mm、鋼球径7.144mm、リード角4°3
9′、基準三針有効径54.144mm、全長6000
mm (2)素材棒の寸法及び精度 直径42.82±0.01mm、全長6050mm、真
円度 5μm、 円筒度 6μm (3)転造力 従来例 37トン、 本発明 67トン なお、食い込み量等のその他の転造条件は、従来例及び
本発明とも同一にしている。図8に示されているよう
に、本発明を適用した場合、従来のものより真円度の値
がほぼ半減し、5μm以下に抑えることができた。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
及び5記載の転造方法及びねじ転造盤によれば、油圧の
油温上昇により粘度が変化して転造力が増加したとして
も、食い込み量を所定の値に保持、すなわち、移動側ロ
ールダイスの前極位置を所定の位置に保持でき、寸法精
度の安定した送りねじを得ることができる。
【0025】また、本発明の請求項2及び6記載の転造
方法及びねじ転造盤によれば、移動側支持台を抉る力が
作用しないから、食い込み量をより安定して所定の値に
保持することができる。
【0026】また、本発明の請求項3及び7記載の転造
方法及びねじ転造盤によれば、食い込み量、すなわち、
移動側ロールダイスの前極位置を微調整することができ
る。
【0027】さらに、本発明の請求項4記載の転造方法
によれば、油圧が脈動しても移動側ロールダイスが前後
に微動せず、三針有効径の真円度及び円筒度が10μm
以下の送りねじを得ることができる。なお、本発明の転
造方法及びねじ転造盤によれば、熟練オペレータが食い
込み量等を設定しておくだけで、誰でも転造作業を行う
ことができるという付随的な効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の正面図。
【図2】 図1における位置決め部材の斜視図。
【図3】 本発明の第2実施形態の正面図。
【図4】 本発明の第3実施形態の正面図。
【図5】 本発明の第4実施形態の正面図。
【図6】 本発明の第5実施形態の正面図。
【図7】 本発明の第6実施形態の正面図。
【図8】 従来技術及び本発明における三針有効径の真
円度の説明図。
【図9】 従来の油圧式ねじ転造盤の正面図。
【図10】 図9の平面図。
【図11】 図9のI−I線断面図。
【図12】 回転ブッシュ支持台の概略図。
【図13】 ロールダイスの一部破断外観図。
【図14】 素材棒のテーパ部を示す正面図。
【図15】 ボールねじの転造形成過程の説明図。
【図16】 ボールねじの転造形成過程の説明図。
【図17】 ボールねじの形状を示す正面図。
【図18】 従来技術の問題点の説明図。
【符号の説明】
1 ねじ転造盤 2,3 ロールダイス 4a 素材棒 4b ボールねじ 5 固定側主軸台 6 移動側主軸台 11 基台 13 レスト支持台 14,15,16,17,18,20,21, 位
置決め部材 22,23,28 19 微調整用部材(微調整手段) 24 位置決め部材を往復動させる
ねじ 30 移動側主軸台の下部端面 46 ボールねじのねじ山部 47 ボールねじのねじ溝部 D ねじ軸外径 Dr ねじ溝谷径 De 三針有効径

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のロールダイス間に素材棒を挟んで
    前記ロールダイスを回転駆動させながら油圧で押圧して
    前記素材棒の外周に送りねじを転造形成する方法におい
    て、 前記ロールダイスの一方を支承する固定側主軸台と他方
    のロールダイスを支承する移動側主軸台との間に、該移
    動側ロールダイスの前記素材棒への食い込み量を所定の
    値に保持する位置決め部材を介装させたことを特徴とす
    る、 送りねじの転造方法。
  2. 【請求項2】 前記位置決め部材を前記ロールダイスの
    直下に設けた、請求項1の送りねじの転造方法。
  3. 【請求項3】 前記位置決め部材に前記移動側ロールダ
    イスの前記素材棒への食い込み量を微調整する微調整手
    段を設けた、請求項1又は2の送りねじの転造方法。
  4. 【請求項4】 前記油圧で押圧する力を所要値の1.5
    〜3倍とした、請求項1、2又は3の送りねじの転造方
    法。
  5. 【請求項5】 一対のロールダイス間に素材棒を挟んで
    前記ロールダイスを回転駆動させながら油圧で押圧して
    前記素材棒の外周に送りねじを転造形成するねじ転造盤
    において、 前記ロールダイスの一方を支承する固定側主軸台と他方
    のロールダイスを支承する移動側主軸台との間に、該移
    動側ロールダイスの前記素材棒への食い込み量を所定の
    値に保持する位置決め部材を介装させたことを特徴とす
    る、 ねじ転造盤。
  6. 【請求項6】 前記位置決め部材が前記ロールダイスの
    直下に設けられた、請求項5のねじ転造盤。
  7. 【請求項7】 前記位置決め部材が前記移動側ロールダ
    イスの前記素材棒への食い込み量を微調整する微調整手
    段を具えている、請求項5又は6のねじ転造盤。
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