JP2000051927A - 中空押出形材 - Google Patents

中空押出形材

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JP2000051927A
JP2000051927A JP10223925A JP22392598A JP2000051927A JP 2000051927 A JP2000051927 A JP 2000051927A JP 10223925 A JP10223925 A JP 10223925A JP 22392598 A JP22392598 A JP 22392598A JP 2000051927 A JP2000051927 A JP 2000051927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空押出形材の曲げ加工における座屈防止と
形材の軽量化とを同時に実現する。 【解決手段】 曲げ加工が施されて内側壁12となる一
壁面と実質的に平行に突出するフランジ13を有する中
空押出形材10であって、フランジ13の幅厚比(t/
b:tはフランジの板厚、bはフランジの幅)が、内側
壁12の幅厚比(T/B:Tは内側壁の板厚、Bは内側
壁の幅)の(2.3(h/H)n 1/2 〜(3.4(h
/H)n 1/2 倍である。ここで、hは形材の曲げ中心
軸14からフランジ13の板厚中心までの距離、Hは形
材の曲げ中心軸14から内側壁12の板厚中心までの距
離、nは形材の加工硬化指数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中空押出形材に関
し、特に、フランジと平行な一壁面が内側壁となるよう
に曲げ加工が施されるフランジ付きの中空押出形材に関
する。
【0002】
【従来の技術】自動車のバンパー、ドアビームなどの輸
送機材の構造用部材として、軽量化の観点から、例えば
アルミニウム(Al)合金からなる断面が矩形の中空押
出形材を用いることが検討されている。かかる中空押出
形材には、スポット溶接などによる他部材との接合用と
して、形材の一壁面と平行に突出したフランジが設けら
れることがある。また、中空押出形材を用いる場合に
は、曲げ加工が不可欠となる場合が多い。曲げ加工の方
法としては、例えばドローベンディング、プレスベンデ
ィング、マルチベンディングなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなフランジ付
き中空押出形材の曲げ加工に対して、フランジと平行な
一壁面が内側壁となるように曲げ加工が施されると、特
に曲げ半径が小さく、また形材断面の肉厚が薄い場合に
は、所定曲げ量を達成する以前に曲げ加工の内側壁また
はフランジに座屈によるしわが生じてしまうことがあ
る。この様子を図11に示す。図11において、断面
「口」型の中空押出形材110には、曲げ加工により内
側壁112およびフランジ113にそれぞれ座屈しわ1
12a、113aが生じている。このように座屈しわが
生じると製品としての適性に欠けることになるため、製
品の曲げ形状は座屈しわの生じない範囲に制限されてし
まう。特に、突出しているフランジには座屈が生じやす
く、この座屈しわのために他部材との接合が困難になる
場合が多い。
【0004】フランジ付き中空押出形材の曲げ加工にお
いてフランジ部に座屈しわが発生する場合、フランジの
ついていない中空押出形材に曲げ加工を施した後に、フ
ランジを形材に溶接したり、或いは、フランジを形材に
ボルト締結したりすることで座屈しわに対応するのが一
般的である。しかし、これらの手段によると、新たに溶
接工程、穴開け工程、溶接後のひずみ矯正工程などが増
加し、生産性が低下するとともにコストも増大してしま
うことになる。
【0005】また、特開平8−206741号公報に見
られるように、フランジ付き中空押出形材のうちのフラ
ンジの曲げを受ける部位のみを予め切断加工により除去
したり、特開平8−99128号公報に見られるよう
に、座屈が生じる位置に局部加熱を行い、座屈しわを防
止するといった手段が見られるが、前者は切断工程の追
加、後者は加工熱による材料特性の変化、また後に再度
熱処理工程が必要となる場合もあり、これらのいずれに
よっても生産性が低下するとともにコストも増大してし
まうことになる。
【0006】また、フランジの座屈を防止するための手
段として、突出フランジ部の板厚増加または板幅減少と
いう手段がとられることがある。このような手段による
と、上述したような工程の増加による生産性の低下およ
びコストアップという不利益は生じないものの、例えば
設定したフランジ板厚が薄すぎるとフランジに座屈しわ
が生じることになる一方で、フランジ板厚が厚すぎると
過剰設計となり形材全体としての重量が増加してしまう
ということになる。また、設定したフランジ板幅が大き
すぎると重量が増加し且つフランジに座屈しわが生じる
ことになる一方で、フランジ板幅が小さすぎると内側壁
に座屈しわが生じてしまうということになる。つまり、
フランジと平行な一壁面が内側壁となるように曲げ加工
が施されるフランジ付き中空押出形材に関して、座屈防
止と形材の軽量化という要請をともに満足させることが
できるような最適な断面形状は未だ見いだされていな
い。
【0007】そこで、本発明の目的は、曲げ加工が施さ
れて内側壁となる一壁面と実質的に平行に突出するフラ
ンジを有する例えばAl合金からなる中空押出形材にお
いて、座屈防止と形材の軽量化という要請をともに満足
させることができるような中空押出形材を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の中空押出部材は、一壁面と実質的に平行
に突出するフランジを有する中空押出形材において、前
記一壁面が内側壁となるように曲げ加工が施された際
に、前記内側面と前記フランジとが同時座屈するように
構成されてなることを特徴とする。つまり、曲げ半径方
向に対して垂直となる曲げ内側壁およびフランジを有す
る中空押出形材において、曲げ加工が施された際に、前
記曲げ内側壁と前記フランジとが同時座屈するように構
成されてなるものである。
【0009】このように、内側壁とフランジとが曲げ加
工時に同時座屈するということには、以下のような意味
がある。つまり、曲げ加工時において所定曲げ量を達成
する以前に内側壁がフランジよりも早く座屈するという
ことは、フランジの板厚が厚すぎる過剰設計で形材の重
量が必要以上に重いかまたはフランジの板幅が小さすぎ
るということであり、一方、曲げ加工時において所定曲
げ量を達成する以前にフランジが内側壁よりも早く座屈
するということは、フランジの板厚が薄すぎるかまたは
フランジの板幅が大きすぎるということである。従っ
て、内側壁およびフランジの座屈防止と形材の軽量化と
いう要請をともに満足させるためには、内側壁とフラン
ジとが曲げ加工時に同時座屈することが必要十分とな
る。特に、所定曲げ量を達成した直後に内側壁とフラン
ジとが同時座屈するようにすれば、形材の重量を最も軽
くすることが可能である。そのための具体的手段として
は、フランジの板厚および板幅、並びに、曲げ中立軸か
らフランジの板厚中心までの距離を調節することが考え
られる。
【0010】また、請求項2の中空押出形材は、曲げ加
工が施されて内側壁となる一壁面と実質的に平行に突出
するフランジを有する中空押出形材において、前記フラ
ンジの幅厚比(t/b:tはフランジの板厚、bはフラ
ンジの幅)が、前記内側壁の幅厚比(T/B:Tは内側
壁の板厚、Bは内側壁の幅)の(2.3(h/H)n
1/2 〜(3.4(h/H)n 1/2 倍であることを特徴
とする。ただし、hは形材の曲げ中心軸からフランジの
板厚中心までの距離、Hは形材の曲げ中心軸から内側壁
の板厚中心までの距離、nは形材の加工硬化指数をそれ
ぞれ表す。
【0011】請求項2の中空押出形材は、請求項1の中
空押出形材を別の観点から表現したものである。上述の
関係は、図1に示したような、曲げ加工の内側壁12と
これに平行に突出したフランジ13とを有する中空押出
形材10に対して、以下のようにして導出される。ま
ず、材料特性をσ=Aεn (σ:応力、A:定数、ε:
ひずみ、n:加工硬化指数)のようにおくと、幾何学的
形状から、対象部材に働く圧縮応力σは、一般に以下の
式(1)のようになる。 σ=A(H’/2R)n (1) ここで、Rは曲げ中立軸14から曲げ中心までの距離
(曲げ半径)、H’は曲げ中立軸14から対象部材12
または13までの距離である。
【0012】中空押出形材の曲げ加工時の座屈は、各コ
ーナー部を端部とする板要素の座屈と考えることができ
る。つまり、内側壁12およびフランジ13の座屈は、
図3(a)、(b)に示すような端部拘束条件を持つ矩
形板の座屈として考えることが可能である。すなわち、
突出したフランジ13については、図3(a)に示すよ
うに、内側壁側が固定端でこれに対向する側が自由端、
そして前後方向が単純支持端であると考えられる。ま
た、曲げ加工の内側壁12については、図3(b)に示
すように、周囲すべてが単純支持端であると考えられ
る。なお、図3(a)、(b)において、フランジ13
および内側壁12の両側部から中心に向かう矢印は、こ
れらの部材に加えられる応力の方向を示している。
【0013】板要素の座屈限界応力σcrは、弾性座屈理
論から、以下の式(2)のようにおくことができる(例
えば「弾性安定要覧」(コロナ社)参照)。 σcr=(π2 /12)・(K’E/(1−ν2 )・(T’/B’)2 (2) ここで、K’は部材の端部拘束状態および応力状態で変
化する係数(座屈係数)、Eは部材の弾性率、νはポア
ソン比、T’は対象部材の板厚、B’は対象部材の板幅
である。
【0014】次に、曲げ加工の内側壁12とフランジ1
3の座屈限界曲げ半径Rcrが同じになるようにフランジ
13の幅厚比(t/b:tはフランジ13の板厚、bは
フランジ13の幅)を設定する。すなわち、式(1)、
(2)から、内側壁12とフランジ13の座屈限界曲げ
半径Rcrが同じになるときのフランジ13の幅厚比t/
bは、内側壁12の幅厚比(T/B:Tは内側壁の板
厚、Bは内側壁の幅)を用いて、次の式(3)のように
表される。 t/b=(q(h/H)n 1/2 ・(T/B) (3) ここで、hは曲げ中心軸14からフランジ13の板厚中
心までの距離、Hは曲げ中心軸14から内側壁12の板
厚中心までの距離、nは形材の加工硬化指数をそれぞれ
表している。
【0015】また、補正係数qは、4辺が単純支持端の
端部拘束状態をもつ内側壁12に相当する板の座屈係数
Kと、1辺自由端、1辺固定端、2辺単純支持端の端部
拘束状態をもつフランジ13に相当する板の座屈係数k
とを用いて以下の式(4)のように表される定数であ
る。 q=K/k (4)
【0016】補正係数qは、部材の縦横比a/b(部材
の縦方向長さa、横方向長さ(幅)b)に応じた定数で
ある。図4は、補正係数qを縦軸に、部材の縦横比a/
bを横軸にとったグラフである(例えば上述の「弾性安
定要覧」(コロナ社)参照)。ここで、部材の縦方向長
さaについて、マルチベンディング(図5(a))、ド
ローベンディング(図5(b))およびプレスベンディ
ング(図5(c))を例に説明する。図5(a)のマル
チベンディングでは、固定治具51と可動式のジャイロ
治具52を用いて材料53に曲げ加工が施される。図5
(b)のドローベンディングでは、可動式の圧力型54
と回転する曲げ型55とクレームランプ型56とを用い
て材料57に曲げ加工が施される。図5(c)のプレス
ベンディングでは、支持型58と一対のラム59とを用
いて材料60に曲げ加工が施される。
【0017】図6(a)、(b)は、マルチベンダーを
用いたマルチベンディングの模式的な工程図である。図
6(a)、(b)に示すように、マルチベンダーは、中
空形材63が挿入される固定治具(拘束型)61と、互
いに対向する2組のローラ62a、62bで中空形材6
3を挟み込むジャイロ治具(可動型)62とを有してい
る。また、曲げ加工の際には、中空形材63の内部に心
金64を挿入するとともに、ジャイロ治具62を反時計
回りに回転させることにより、中空形材63が曲げられ
る。かかるマルチベンディングでは、部材の縦方向長さ
aは、固定治具61のジャイロ治具62側の端面61a
からジャイロ治具62の固定治具61側のローラ62a
中心までの距離(型間距離)で表される。
【0018】また、マルチベンディングでは、部材の断
面形状や曲げ半径などに応じて型間距離、すなわち部材
の縦方向長さaを変化させて曲げ加工を行うのが一般的
である。通常のマルチベンディングでは、部材の縦方向
長さaを、形材外接円直径Dの0.5〜1.5倍程度に
設定する。従って、例えばフランジの幅の最大値が形材
外接円直径Dの0.5倍であるとすると、部材の縦横比
a/bは、1.0〜3.0程度の値となる。このことか
ら、図4を参照すると、補正係数qは、通常は2.3〜
3.4の範囲にある。特に、他部材との接合用の一般的
なフランジを有する中空押出形材の場合には、部材の縦
横比a/bは2以上となることが多いので、図4を参照
すると、補正係数qは、3.1〜3.3の範囲であるこ
とがより好ましい。
【0019】図7(a)、(b)は、ドローベンダーを
用いたドローベンディングの模式的な工程図である。図
7(a)、(b)に示すように、ドローベンダーによっ
て材料72が曲げ型71に沿って曲げられるとき、部材
の縦方向長さaは、曲げ角度θおよび曲げ内側半径Rを
用いて、a=2πR・(θ/360)と表すことができ
る。また、図8(a)、(b)は、プレスベンダーを用
いたプレスベンディングの模式的な工程図である。図8
(a)、(b)に示すように、材料83が支持型81と
ラム82とを用いて曲げられるとき、部材の縦方向長さ
aは、曲げ角度θおよび曲げ内側半径Rを用いて、a=
2πR・(θ/360)と表すことができる。
【0020】ドローベンディングでの曲げ加工の初期段
階ではa≒0であるが、実際の曲げ加工ではa/b>1
となるまで材料を曲げるのが一般的である。従って、a
/b>4以上では補正係数qがほぼ一定値となることを
参酌すると、ドローベンディングの場合であっても、図
4から補正係数qは2.3〜3.4の範囲である。これ
は、図8(a)、(b)のプレスベンディングやその他
の方式の曲げ加工においても同様である。
【0021】よって、フランジの幅厚比(t/b)が、
内側壁の幅厚比(T/B)の(2.3(h/H)n
1/2 〜(3.4(h/H)n 1/2 倍であれば、内側壁
とフランジとの同時座屈を実現することが可能であっ
て、形材の軽量化を図ることができる。
【0022】また、請求項3の中空押出形材は、前記内
側壁が補強壁によって複数の領域に区分されており、前
記フランジの幅厚比が、前記複数の領域のなかで最小の
前記内側壁の幅厚比の(2.3(h/H)n 1/2
(3.4(h/H)n 1/2 倍であることを特徴とす
る。
【0023】つまり、図2に示すように、内側壁22が
補強壁25によって幅B1で厚さT1の領域22aと、
幅B2で厚さT2の領域22bとに区分されている場合
には、内側壁22の幅厚比の代表値としてT1/B1と
T2/B2のうちの小さいほうを採用するようにすれば
請求項2の関係をそのまま用いることができる。なお、
図2には、補強壁が1枚だけの場合(「口」型)を示し
たが、補強壁が2枚(「目」型)以上の場合或いは
「田」の字型に補強壁が設けられている場合であって
も、請求項3を適用することが可能である。
【0024】また、本発明の中空押出形材は、Al−M
g−Si系(JIS6000系)アルミニウム合金から
なることが好ましい。なぜなら、Al−Mg−Si系ア
ルミニウム合金は、プレス成形加工時には耐力が小さい
ために成形加工性を確保できるとともに、プレス成形後
の焼付塗装時に時効硬化して耐力が向上し必要な強度を
確保でき、また、比較的合金量が少なく再利用の際に元
のJIS6000系Al合金鋳塊を得やすいだけでな
く、SSマーク(ストレッチャー・ストレインマーク)
が発生しないという特徴があるからである。
【0025】また、請求項5の中空押出形材は、その断
面が矩形である。つまり、上述の請求項1から4までの
中空押出形材は、必ずしも断面が矩形でなくともよい。
【0026】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。ま
ず、図9に示すような断面形状でフランジの板厚tだけ
を2.2mmから3.4mmまで変更した7種類のJI
S6000系Al合金(6063−T1)製の中空押出
形材(T=3mm、B=34mm、b=20mm)を製
造した。JIS6000系Al合金は、基本的にSiを
0.2〜1.8重量%、Mgを0.2〜1.6重量%を
含有するAl−Mg−Si系アルミニウム合金である。
そして、このJIS6000系Al合金は、プレス成形
加工時には耐力が小さいために成形加工性を確保できる
とともに、プレス成形後の焼付塗装時に時効硬化して耐
力が向上し必要な強度を確保できるという特性を有して
いる。また、比較的合金量が少ないために、スクラップ
をAl合金溶解原料として再利用する際に、元のJIS
6000系Al合金鋳塊を得やすいという特徴もある。
従って、JIS6000系Al合金は、従来から輸送機
用として使用されてきたMgなどの合金量が多いJIS
5000(Al−Mg)系のAl合金に比して有利であ
る。さらに、JIS6000系Al合金は、特に外観性
状が問題になる自動車用外板に適用する場合、SSマー
クが発生しない点でも有利である。
【0027】これら7つの中空押出形材について、図6
に示したようなマルチベンダーを用いたマルチベンヂン
グにより曲げ加工を行い、FEM解析により座屈限界曲
げ半径Rcrおよびこのときの座屈発生状態を調べた。そ
の結果を図10に示す。図10は、内側壁の幅厚比に対
するフランジの幅厚比の比(t/b)/(T/B)を横
軸に、座屈限界曲げ半径Rcr(mm)を縦軸にとったグ
ラフである。この実施例では、図9に示すようにフラン
ジが内側壁とほぼ同一平面に設けられており、h/Hは
実質的に1であるから、縦軸の座屈限界曲げ半径Rcr
1/2 に相当する。
【0028】図10において、丸印(○)は内側壁が先
に座屈したことを表しており、黒四角印(■)はフラン
ジが先に座屈したことを表しており、三角印△は内側壁
とフランジの双方が同時に座屈したことを表している。
すなわち、(t/b)/(T/B)がq=2.3に対応
する値(1.52)よりも小さければフランジが座屈
し、座屈限界曲げ半径Rcrは急激に大きくなる。また、
(t/b)/(T/B)がq=3.4に対応する値
(1.84)よりも大きければ内側壁が座屈することが
理解されるであろう。内側壁とフランジが同時に座屈す
る(t/b)/(T/B)値の領域は、q=2.3〜
3.4に対応する値(1.52〜1.84)の間に存在
している。
【0029】従って、フランジの幅厚比t/bを、(q
(h/H)n 1/2 ×(T/B)(2.3<q<3.
4、好ましくは3.1<q<3.3)としたときに、曲
げ加工時のフランジおよび内側壁の座屈を抑制すること
ができるとともに、形材の重量増加を極力抑えられるこ
とが理解されるであろう。
【0030】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこれに限られるものではなく、特許請求の範囲
内において様々な設計変更が可能である。例えば、上述
の実施例では、フランジの板厚tだけを変更したが、板
厚tを含み他のパラメータの少なくともいずれか1つ以
上を変更することによって、上述の関係を満足するよう
にしてもよい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
曲げ加工が施されて内側壁となる一壁面と実質的に平行
に突出するフランジを有する中空押出形材において、座
屈防止と形材の軽量化という要請をともに満足させるこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための中空押出形材の
断面形状を示す図である。
【図2】内側壁が補強壁によって2つの領域に分けられ
ているときの中空押出形材の断面形状を示す図である。
【図3】フランジおよび内側壁の端部拘束状態を説明す
るための図である。
【図4】部材の縦横比と補正係数との関係を示す図であ
る。
【図5】マルチベンディング、ドローベンディング、プ
レスベンディングについて説明するための図である。
【図6】マルチベンディングでの部材の縦方向長さaに
ついて説明するための図である。
【図7】ドローベンディングでの部材の縦方向長さaに
ついて説明するための図である。
【図8】プレスベンディングでの部材の縦方向長さaに
ついて説明するための図である。
【図9】本発明の実施例の中空押出形材の断面形状を示
す図である。
【図10】内側壁の幅厚比に対するフランジの幅厚比の
比(t/b)/(T/B)と座屈限界曲げ半径Rcrとの
関係を示すグラフである。
【図11】フランジを有する中空押出形材に発生した座
屈しわの様子を示す模式図である。
【符号の説明】
10 中空押出形材 12 内側壁 13 フランジ 14 曲げ中立軸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一壁面と実質的に平行に突出するフラン
    ジを有する中空押出形材において、 前記一壁面が内側壁となるように曲げ加工が施された際
    に、前記内側面と前記フランジとが同時座屈するように
    構成されてなることを特徴とする中空押出形材。
  2. 【請求項2】 曲げ加工が施されて内側壁となる一壁面
    と実質的に平行に突出するフランジを有する中空押出形
    材において、 前記フランジの幅厚比(t/b:tはフランジの板厚、
    bはフランジの幅)が、前記内側壁の幅厚比(T/B:
    Tは内側壁の板厚、Bは内側壁の幅)の(2.3(h/
    H)n 1/2 〜(3.4(h/H)n 1/2 倍であるこ
    とを特徴とする中空押出形材(ただし、hは形材の曲げ
    中心軸からフランジの板厚中心までの距離、Hは形材の
    曲げ中心軸から内側壁の板厚中心までの距離、nは形材
    の加工硬化指数をそれぞれ表す)。
  3. 【請求項3】 前記内側壁が補強壁によって複数の領域
    に区分されており、前記フランジの幅厚比が、前記複数
    の領域のなかで最小の前記内側壁の幅厚比の(2.3
    (h/H)n 1/2 〜(3.4(h/H)n 1/2 倍で
    あることを特徴とする請求項2に記載の中空押出形材。
  4. 【請求項4】 Al−Mg−Si系アルミニウム合金か
    らなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の中空押出形材。
  5. 【請求項5】 断面が矩形であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の中空押出形材。
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