JP2000051032A - 花挿し器および花器 - Google Patents

花挿し器および花器

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JP2000051032A
JP2000051032A JP10227039A JP22703998A JP2000051032A JP 2000051032 A JP2000051032 A JP 2000051032A JP 10227039 A JP10227039 A JP 10227039A JP 22703998 A JP22703998 A JP 22703998A JP 2000051032 A JP2000051032 A JP 2000051032A
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flowers
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Kazuo Koyano
和夫 小谷野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 茎や枝の太さに関係なく花を挿し立てられ、
しかも花の安定性が良く、さらに茎や枝からの水の吸い
上げも良好な花挿し器および花挿し器付花器を提供す
る。 【解決手段】 花挿し本体11に、複数の異径の花挿し
孔11a〜11dを配列したので、花を生ける際、茎や
枝の太さに合わせた好みの花挿し孔11a〜11dに花
を挿し立てられる。また花挿し本体11に脚部12を設
けたので、挿し立てた花は、花器13の底面と、これよ
り上方の花挿し孔11a〜11dとの、比較的距離が離
れた2点で支持されるので、花の安定性が良い。さらに
脚部12を設けたので、花器13の底面と花挿し本体1
1との間に、比較的大きな空間aが形成される。これに
より、茎や枝からの水の吸い上げも良好になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は花挿し器および花
挿し器付花器、詳しくは、茎などの太さが異なる花類
(造花を含む)を良好に生けるための花挿し器および花
挿し器付花器に関する。
【0002】
【従来の技術】花を生ける道具として、例えば実開平1
−139766号公報などに記載された「花挿し器」が
知られている。この従来の花挿し器は、花を生ける器で
ある花器の底面に直接載置される塊形状の花挿し器本体
に、その上下面を貫通して多数本の花挿し孔が穿設され
たものである。なお、それぞれの花挿し孔の口径は、孔
全長にわたって一定である。一般的に花挿し器は、剣山
のように、花を金属製の針に突き刺して安定させるので
はなく、花の茎や幹を、花挿し本体に穿たれた花挿し孔
に挿し立てることで、茎などを傷めずに生けることがで
きる。花挿し器は、剣山による傷が付かない。よって、
比較的花の寿命が長くなる。また、花挿し孔に挿すだけ
であるので、花の差し替えが簡単である。さらに、危険
な針山がないので、取り扱い中に怪我をするおそれもな
い。したがって、子供や初心者でも、簡単かつ安全に生
け花を楽しむことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】花挿し器は、このよう
な特長があるものの、前記従来技術においては、以下の
問題点があった。すなわち、 (1)各花挿し孔の口径は全て同じであった。これによ
り、一定の太さの茎や枝を有する花でなければ、ガタツ
キがなく挿し立てることはできなかった。 (2)花は、茎や幹の元側の端部だけを花挿し孔に挿す
だけで、全体が支持されるので、花挿し器本体は、厚肉
で高さのある大型で重いものでなければ、花の安定性が
悪かった。 (3)花挿し器本体の下面を、花器の底面に直に接触さ
せて載置するために、花挿し孔の底口が塞がりやすく、
茎からの水の吸い上げがうまくいかなくなるなどの不都
合があった。 (4)花挿し器と花器とが別体であったので、収納時ま
たは洗浄時などに、比較的小さな花挿し器を紛失した
り、落として壊したりするおそれがあった。 (5)花挿し孔は、直立した孔だけであったので、花の
レイアウトの自由度が乏しく、最近、流行のフラワーア
レンジメントには、適していなかった。
【0004】
【発明の目的】この発明は、茎や枝の太さに関係なく花
を挿し立てられ、しかも花の安定性が良く、さらに茎や
枝からの水の吸い上げも良好な花挿し器および花挿し器
付花器を提供することを、その目的としている。また、
この発明は、花挿し器の紛失や落下による破損などがし
にくい花挿し器付花器を提供することを、その目的とし
ている。さらに、この発明は、花挿し器の軽量化と、花
のより良好な安定性とを同時に満足させることができる
花挿し器および花挿し器付花器を提供することを、その
目的としている。さらにまた、この発明は、生け花のレ
イアウトの自由度が大きく、かつ傾斜した花挿し孔を有
する花挿し本体を製造しやすい花挿し器および花挿し器
付花器を提供することを、その目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、花を挿し立てる複数の異径の花挿し孔を有する花挿
し本体と、該花挿し本体を支持する脚部とを備えた花挿
し器である。花挿し本体の材質、形状、大きさなどは限
定されない。例えば形状としては、円形,楕円形,三角
形,四角形以上の多角形および他の任意形状でもよい。
また、材質としては、鉛,鉄,ステンレス,アルミニウ
ム,真鍮,銅,銀,金などの金属が挙げられる。また、
ポリエチレン,ポリプロピレン,スチレン,ABS,塩
化ビニールなどの各種の合成樹脂、各種の木材、各種の
石材などが挙げられる。これらの中でも、比重が大きく
て腐食しにくい鉛やステンレスなどが好ましい。
【0006】花挿し孔の形状、大きさ、長さ、形成本数
などは限定されない。ただし、大小異なる直径のものが
必要である。なお、異径の花挿し孔の配列順序は限定さ
れない。例えば同じ直径のもの同士、または、異なる直
径のもの同士を、統一された順番または不統一な順番
で、一列または2列以上の複数列に並べてもよい。具体
例を挙げると、例えば、異径の花挿し孔をマトリクス形
状に配置してもよい。これらの事項は、請求項2にも該
当する。そして、脚部の花挿し本体における形成位置、
形成本数、大きさ、形状、長さなどは限定されない。例
えば、花挿し本体の下部四隅に設けてもよいし、花挿し
本体の周側面に設けてもよい。
【0007】請求項2に記載の発明は、花を生ける花器
内に、花が直接挿し立てられる花挿し器を固着した花挿
し器付花器であって、前記花挿し器が、前記花器の底面
より上方の内部空間に配置されて、しかも花を挿し立て
る複数の異径の花挿し孔を有する花挿し本体を備えた花
挿し器付花器である。花器の素材、形状、大きさなどは
限定されない。また、この花器は卓上載置タイプだけで
なく、柱や壁などにさげる壁掛けタイプのものでもよ
い。さらに、花挿し器の固定位置は、花器の内部空間で
あれば限定されない。例えば、請求項3のように、花挿
し器の外側面を花器の内側面に固着することで、この内
部空間に保持してもよいし、請求項1のように脚部を介
して、花器の底面に固定してもよい。
【0008】請求項3に記載の発明は、前記花器の内側
面と、前記花挿し器の外側面とが固着されているか、ま
たは、前記脚部と、前記花器の底面とが固着されている
請求項2に記載の花挿し器付花器である。
【0009】請求項4に記載の発明は、前記花挿し本体
が、それぞれ前記異径の花挿し孔を有し、かつ互いに所
定間隔をあけて上下配置された複数個の部分花挿し本体
からなる請求項1〜請求項3のうち、何れか1項に記載
の花挿し器または花挿し器付花器である。部分花挿し本
体の使用個数、形状、大きさなどは限定されない。ま
た、各部分花挿し本体に設けられる異径の花挿し孔は、
上下段とも同径・配列のものでもよいし、異なる直径・
異なる配列のものでもよい。
【0010】請求項5に記載の発明は、前記複数有る花
挿し孔のうちの少なくとも一部が傾斜孔で、かつ前記花
挿し本体が鋳物である請求項1〜請求項4のうち、何れ
か1項に記載の花挿し器または花挿し器付花器である。
花挿し孔の傾斜角度は限定されない。また、花挿し孔の
全部が傾斜孔でも、一部が傾斜孔でもよい。
【0011】
【作用】この発明によれば、花挿し本体に、複数の異径
の花挿し孔が配設されているので、花を生けるとき、茎
や枝の太さに合わせて選んだ、好みの位置の花挿し孔に
花を挿し立てることができる。しかも、花挿し本体に
は、それを支持する脚部が設けられている。これによ
り、挿し立てた花は、その茎や枝の元部が、花器の底面
と、これより所定高さだけ上方に配置された花挿し孔と
の、比較的距離が離れた2点で支持されるので、花の安
定性が良い。さらに、脚部を設けたことで、花器の底面
と花挿し本体との間には、比較的大きな空間が形成され
る。これにより、茎や枝からの水の吸い上げも良好にな
る。
【0012】特に、請求項2または請求項3に記載の発
明によれば、花器内に花挿し器を固着しているので、収
納時に比較的小型である花挿し器を紛失したり、取り扱
い時にこの花挿し器を落として壊したりするおそれが少
ない。
【0013】また、請求項4に記載の発明によれば、花
を生ける場合、花の茎や枝を、上下段に配置された各部
分花挿し本体の任意の花挿し孔に、垂直または斜めに挿
し通す。これにより、花挿し器の軽量化と、花の安定性
とを同時に満足させることができる。
【0014】さらに、請求項5に記載の発明によれば、
花挿し孔のうちの少なくとも一部が傾斜孔であるので、
生け花のレイアウトの自由度が大きい。しかも、少なく
とも花挿し本体が鋳物製品であるので、このような傾斜
した花挿し孔を有する花挿し本体を製造しやすい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例に係る
花挿し器および花挿し器付花器を、図面に基づいて説明
する。図1は、この発明の一実施例に係る花挿し器の斜
視図である。図2は、図1のS2−S2断面図である。
図3は、この発明の一実施例に係る花挿し器の使用状態
を示す斜視図である。図4は、他の実施形態に係る花器
の使用状態を示す斜視図である。図5は、さらに別の実
施形態に係る花挿し器の断面図である。図1および図2
において、10はこの発明の一実施例に係る花挿し器で
ある。この花挿し器10は、花を挿し立てる異径の花挿
し孔11a〜11cが多数本設けられた花挿し本体11
と、花挿し本体11を下方から支持する4本の脚部12
とを備えている。
【0016】花挿し本体11は、各脚部12と一体的
に、図外の金型に鉛を流し込んで鋳造された鋳物であ
る。花挿し本体11には、内径15mmの花挿し孔11
aを有する第1パイプ11A,直径10mmの花挿し孔
11bを有する第2パイプ11B,直径8mmの花挿し
孔11cを有する第3パイプ11C,直径5mmの花挿
し孔11dを有する第4パイプ11Dが、それぞれ管軸
方向を花挿し器10の高さ方向に向けて連結されてい
る。これらの第1〜第4パイプ11A〜11Dの長さ
は、全て30mmに統一されている。
【0017】なお、図2の二点鎖線に示すように、花挿
し孔11a〜11dのうち、少なくとも一部を傾斜孔と
してもよい(この実施例では、花挿し本体11の各コー
ナーに配置された花挿し孔11c′)。これにより、生
け花のレイアウトの自由度が大きくなる。また、前記脚
部12は、花挿し本体11と同じ鉛により一体的に鋳造
された長さ50mmの鋳物である。これにより、前述し
たような傾斜した第3パイプ11C′の花挿し孔11
c′を有する花挿し器10でも製造しやすい。斜めに生
けることで、生け花において大切である、花挿し器10
の花器13との水際を隠しやすくなる。また、脚部12
を設けたことで、花器13の底面と、花挿し本体11の
下面との間に空間aが形成される。
【0018】次に、この花挿し器10を用いた花の生け
方を説明する。図2,図3に示すように、花を行けると
きは、まず花挿し器10を、水が注がれた花器13の底
面上に配置する。その後、茎や枝の太さに合わせて選ん
だ、好みの位置の花挿し孔11a〜11dに、花を挿し
立てる。この際、花挿し本体11には、それを支持する
脚部12が設けられている。これにより、挿し立てられ
た花は、その茎や枝の元部が、花器13の底面と、これ
より所定高さだけ上方に配置された花挿し孔11a〜1
1dとの、比較的距離が離れた2点で支持される。その
結果、花の安定性が良い。また、脚部12を設けたこと
で、花挿し本体11と花器13の底面との間には、比較
的大きな空間aが形成される。これにより、茎や枝から
の水の吸い上げも良好になる。
【0019】なお、この花挿し器10を、花器13に固
着するようにしてもよい。この場合、例えば図3の二点
鎖線に示すように、各脚部12を花器13の底面と接着
剤14を介して固着してもよい。また、図4に示すよう
に、一対の横梁15を介して、花挿し器10の外側面を
花器13の内側面に固着し、花挿し器10を花器13の
内部空間に保持してもよい。もちろん、このような接着
剤等を用いた固着方法でなくても、例えば花挿し器10
と花器13とを、陶器,プラスチック,金属などの素材
により一体的に形成してもよい。
【0020】このように、花挿し器10が、花を挿し立
てる複数の異径の花挿し孔11a〜11dを有する花挿
し本体11と、花挿し本体11を支持する脚部12とを
有しているので、茎や枝の太さに関係なく花を挿し立て
られる。また、花挿し器10を花器13に固着したの
で、収納時に比較的小型である花挿し器10を紛失した
り、取り扱い時にこの花挿し器10を落として壊したり
するおそれが少ない。
【0021】以上、この発明の一実施例を説明したが、
この発明はこの実施例に限定されず、要旨を逸脱しない
範囲での設計変更があってもこの発明に含まれる。例え
ば、図5に示すように、花挿し器20の花挿し本体21
を、互いに所定間隔をあけて上下配置された2個の部分
花挿し本体22,23から構成し、それぞれの部分花挿
し本体22,23に、パイプ長さは短いが、図1に示す
一実施例と同じ内径の花挿し孔11a〜11dを形成し
たものでもよい。花を生ける場合、花の茎や枝を、上下
段に配置された各部分花挿し本体22,23の任意の花
挿し孔11a〜11dに、垂直または斜めに挿し通す。
このように、花挿し器20を、互いに所定距離だけ離間
した複数の部分花挿し本体22,23により構成したの
で、花挿し器20の軽量化と、花のより良好な安定性と
を同時に満足させることができる。
【0022】
【発明の効果】この発明によれば、花挿し器が、花を挿
し立てる複数の異径の花挿し孔を有する花挿し本体と、
花挿し本体を支持する脚部とを有しているので、茎や枝
の太さに関係なく花を挿し立てられ、しかも花の安定性
が良く、さらに茎や枝からの水の吸い上げも良好にな
る。
【0023】特に、請求項2または請求項3に記載の発
明によれば、請求項1の効果に加えて、花器本体内に花
挿し器を固着したので、収納時に比較的小型である花挿
し器を紛失したり、取り扱い時にこの花挿し器を落とし
て壊したりするおそれが少ない。
【0024】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1〜請求項3のうち、何れか1項の効果に加えて、
花挿し本体が、互いに所定間隔をあけて上下配置された
複数個の部分花挿し本体を有し、それぞれの部分花挿し
本体に、複数の異径の花挿し孔を形成したので、花挿し
器の軽量化と、花の安定性とを同時に満足させることが
できる。
【0025】さらに、請求項5に記載の発明によれば、
請求項1〜4のうち、何れか1項の効果に加えて、複数
有る花挿し孔のうちの少なくとも一部を傾斜孔としたの
で、生け花のレイアウトの自由度が大きい。しかも、少
なくとも花挿し本体を鋳物としたので、傾斜した花挿し
孔を有する花挿し本体が製造しやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る花挿し器の斜視図で
ある。
【図2】図1のS2−S2断面図である。
【図3】この発明の一実施例に係る花挿し器の使用状態
を示す斜視図である。
【図4】他の実施形態に係る花器の使用状態を示す斜視
図である。
【図5】さらに別の実施形態に係る花挿し器の断面図で
ある。
【符号の説明】
10,20 花挿し器、 11a〜11d,11c′ 花挿し孔、 11,21 花挿し本体、 22,23 部分花挿し本体、 12 脚部、 13 花器、 14 接着剤、 15 横梁。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月4日(1999.10.
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 花挿し器および花器
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は花挿し器および花
器、詳しくは茎などの太さが異なる花類(造花を含む)
を良好に生けるための花挿し器およびこの花挿し器を固
設した花器に関する。
【0002】
【従来の技術】花を生ける道具として、例えば実開平1
−139766号公報などに記載された「花挿し器」が
知られている。この従来の花挿し器は、花を生ける器で
ある花器の底面に直接載置される塊形状の花挿し器本体
に、その上下面を貫通して多数本の花挿し孔が穿設され
たものである。なお、それぞれの花挿し孔の口径は、孔
全長にわたって一定である。一般的に、花挿し器は、剣
山のように、花を金属製の針に突き刺して安定させるの
ではなく、花の茎や幹を、花挿し本体に穿たれた花挿し
孔に挿し立てることで、茎などを傷めずに生けることが
できる。花挿し器は、剣山による傷が付かない。よっ
て、比較的花の寿命が長くなる。また、花挿し孔に挿す
だけであるので、花の差し替えが簡単である。さらに、
危険な針山がないので、取り扱い中に怪我をするおそれ
もない。したがって、子供や初心者でも、簡単かつ安全
に生け花を楽しむことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】花挿し器は、このよう
な特徴があるものの、上記従来技術においては、以下の
問題点があった。 (1)各花挿し孔の口径は全て同じであった。これによ
り、一定の太さの茎や枝を有する花でなければ、ガタツ
キがなく挿し立てることはできなかった。 (2)花は、茎や幹の元側の端部だけを花挿し孔に挿す
だけで、全体が支持されるので、花挿し器本体は、厚肉
で高さのある大型で重いものでなければ、花の安定性が
悪かった。 (3)花挿し器本体の下面を、花器の底面に直に接触さ
せて載置するために、花挿し孔の底口が塞がりやすく、
茎からの水の吸い上げがうまくいかなくなるなどの不都
合があった。 (4)花挿し器と花器とが別体であったので、収納時ま
たは洗浄時などに、比較的小さな花挿し器を紛失した
り、落として壊したりするおそれがあった。 (5)花挿し孔は、直立した孔だけであったので、花の
レイアウトの自由度が乏しく、最近、流行のフラワーア
レンジメントには、適していなかった。
【0004】
【発明の目的】この発明は、茎や枝の太さに関係なく花
を挿し立てられ、しかも花の安定性が良く、さらに茎や
枝からの水の吸い上げも良好な花挿し器および花器を提
供することを、その目的としている。また、この発明
は、花挿し器の紛失や落下による破損などがしにくい花
挿し器付花器を提供することを、その目的としている。
さらに、この発明は、花挿し器の軽量化と、花のより良
好な安定性とを同時に満足させることができる花挿し器
および花器を提供することを、その目的としている。さ
らにまた、この発明は、生け花のレイアウトの自由度が
大きく、製造しやすい花挿し器および花器を提供するこ
とを、その目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、花器の底面に立設される花挿し器であって、所定長
さの複数本のパイプが上下に延びるように複数本のパイ
プを枠材に固定した本体と、本体を花器内の所定高さ位
置に位置させる脚部とを備えた花挿し器である。花挿し
器の本体の材質、形状、大きさなどは限定されない。例
えば、円形,楕円形,三角形,四角形以上の多角形また
は他の任意形状でもよい。また、材質としては、鉛,
鉄,ステンレス,アルミニウム,真鍮,銅,銀,金など
の金属が挙げられる。また、ポリエチレン,ポリプロピ
レン,スチレン,ABS,塩化ビニールなどの各種の合
成樹脂、各種の木材、各種の石材などが挙げられる。こ
れらの中でも、比重が大きくて腐食しにくい鉛やステン
レスなどが好ましい。
【0006】花挿し孔を形成するパイプの形状、大き
さ、長さ、本数などは限定されない。大小異なる直径の
ものが好ましい。パイプの配列順序は限定されない。同
じ直径のもの同士、または、異なる直径のもの同士を、
統一された順番または不統一な順番で、一列または2列
以上の複数列に並べてもよい。例えば、異径のパイプを
マトリクス形状に配置してもよい。 そして、本体にお
ける脚部の形成位置、形成本数、大きさ、形状、長さな
どは限定されない。例えば、花挿し器本体の下部四隅に
設けてもよいし、花挿し器本体の周側面に設けてもよ
い。
【0007】請求項2に記載の発明は、上記複数本のパ
イプは異なる口径のパイプを含んで構成される請求項1
に記載の花挿し器である。
【0008】請求項3に記載の発明は、花挿し器を底面
に固設した花器であって、この花挿し器は、所定長さの
複数本のパイプが上下に延びるよう枠材に固定された本
体と、この本体を花器内で所定高さ位置に位置させる脚
部とを有する花器である。花器の素材、形状、大きさな
どは限定されない。また、この花器は卓上載置タイプだ
けでなく、柱や壁などにさげる壁掛けタイプのものでも
よい。さらに、花挿し器の固定位置は、花器の底面であ
れば限定されない。
【0009】請求項4に記載の発明は、上記複数本のパ
イプは異なる口径のパイプを含んで構成される請求項3
に記載の花器である。
【0010】
【作用】この発明によれば、本体に、複数のパイプが配
設されているので、花を生けるとき、茎や枝の太さに合
わせて選んだ、好みの位置のパイプ(花挿し孔)に花を
挿し立てることができる。しかも、本体には、それを支
持する脚部が設けられている。これにより、挿し立てた
花は、その茎や枝の元部が、花器の底面と、これより所
定高さだけ上方に配置された花挿し孔との2点で支持さ
れるので、花の安定性が良い。さらに、脚部を設けたこ
とで、花器の底面と花挿し本体との間には、比較的大き
な空間が形成される。これにより、茎や枝からの水の吸
い上げも良好になる。
【0011】特に、請求項3、請求項4に記載の発明に
よれば、花器底面に花挿し器を固設しているので、収納
時に比較的小型である花挿し器を紛失したり、取り扱い
時にこの花挿し器を落として壊したりするおそれが少な
い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例に係る
花挿し器および花挿し器付の花器を、図面に基づいて説
明する。図1は、この発明の一実施例に係る花挿し器の
斜視図である。図2は、図1のS2−S2断面図であ
る。図3は、この発明の一実施例に係る花挿し器の使用
状態を示す斜視図である。図4は、他の実施形態に係る
花器の使用状態を示す斜視図である。図5は、さらに別
の実施形態に係る花挿し器の断面図である。図1および
図2において、10はこの発明の一実施例に係る花挿し
器である。この花挿し器10は、花を挿し立てる異径の
花挿し孔11a〜11cが多数本設けられた花挿し本体
11と、花挿し本体11を下方から支持する4本の脚部
12とを備えている。
【0013】花挿し本体11は、各脚部12と一体的
に、図外の金型に鉛を流し込んで鋳造された鋳物であ
る。花挿し本体11には、内径15mmの花挿し孔11
aを有する第1パイプ11A,直径10mmの花挿し孔
11bを有する第2パイプ11B,直径8mmの花挿し
孔11cを有する第3パイプ11C,直径5mmの花挿
し孔11dを有する第4パイプ11Dが、それぞれ管軸
方向を花挿し器10の高さ方向に向けて連結されてい
る。これらの第1〜第4パイプ11A〜11Dの長さ
は、全て30mmに統一されている。
【0014】なお、図2の二点鎖線に示すように、花挿
し孔11a〜11dのうち、少なくとも一部を傾斜孔と
してもよい(この実施例では、花挿し本体11の各コー
ナーに配置された花挿し孔11c′)。これにより、生
け花のレイアウトの自由度が大きくなる。また、上記脚
部12は、花挿し本体11と同じ鉛により一体的に鋳造
された長さ50mmの鋳物である。これにより、上述し
たような傾斜した第3パイプ11C′の花挿し孔11
c′を有する花挿し器10でも製造しやすい。斜めに生
けることで、生け花において大切である、花挿し器10
の花器13との水際を隠しやすくなる。また、脚部12
を設けたことで、花器13の底面と、花挿し本体11の
下面との間に空間aが形成される。
【0015】次に、この花挿し器10を用いた花の生け
方を説明する。図2,図3に示すように、花を行けると
きは、まず花挿し器10を、水が注がれた花器13の底
面上に配置する。その後、茎や枝の太さに合わせて選ん
だ、好みの位置の花挿し孔11a〜11dに、花を挿し
立てる。この際、花挿し本体11には、それを支持する
脚部12が設けられている。これにより、挿し立てられ
た花は、その茎や枝の元部が、花器13の底面と、これ
より所定高さだけ上方に配置された花挿し孔11a〜1
1dとの、比較的距離が離れた2点で支持される。その
結果、花の安定性が良い。また、脚部12を設けたこと
で、花挿し本体11と花器13の底面との間には、比較
的大きな空間aが形成される。これにより、茎や枝から
の水の吸い上げも良好になる。
【0016】なお、この花挿し器10を、花器13に固
着するようにしてもよい。この場合、例えば図3の二点
鎖線に示すように、各脚部12を花器13の底面と接着
剤14を介して固着してもよい。また、図4に示すよう
に、一対の横梁15を介して、花挿し器10の外側面を
花器13の内側面に固着し、花挿し器10を花器13の
内部空間に保持してもよい。もちろん、このような接着
剤等を用いた固着方法でなくても、例えば花挿し器10
と花器13とを、陶器,プラスチック,金属などの素材
により一体的に形成してもよい。
【0017】このように、花挿し器10が、花を挿し立
てる複数の異径の花挿し孔11a〜11dを有する花挿
し本体11と、花挿し本体11を支持する脚部12とを
有しているので、茎や枝の太さに関係なく花を挿し立て
られる。また、花挿し器10を花器13に固着したの
で、収納時に比較的小型である花挿し器10を紛失した
り、取り扱い時にこの花挿し器10を落として壊したり
するおそれが少ない。
【0018】以上、この発明の一実施例を説明したが、
この発明はこの実施例に限定されず、要旨を逸脱しない
範囲での設計変更があってもこの発明に含まれる。例え
ば、図5に示すように、花挿し器20の花挿し本体21
を、互いに所定間隔をあけて上下配置された2個の部分
花挿し本体22,23から構成し、それぞれの部分花挿
し本体22,23に、パイプ長さは短いが、図1に示す
一実施例と同じ内径の花挿し孔11a〜11dを形成し
たものでもよい。花を生ける場合、花の茎や枝を、上下
段に配置された各部分花挿し本体22,23の任意の花
挿し孔11a〜11dに、垂直または斜めに挿し通す。
このように、花挿し器20を、互いに所定距離だけ離間
した複数の部分花挿し本体22,23により構成したの
で、花挿し器20の軽量化と、花のより良好な安定性と
を同時に満足させることができる。
【0019】
【発明の効果】この発明によれば、茎や枝の太さに関係
なく花を挿し立てられ、しかも花の安定性が良く、さら
に茎や枝からの水の吸い上げも良好になる。特に、花器
底面に花挿し器を固設したので、収納時に比較的小型で
ある花挿し器を紛失したり、取り扱い時にこの花挿し器
を落として壊したりするおそれが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る花挿し器の斜視図で
ある。
【図2】図1のS2−S2断面図である。
【図3】この発明の一実施例に係る花挿し器の使用状態
を示す斜視図である。
【図4】他の実施形態に係る花器の使用状態を示す斜視
図である。
【図5】さらに別の実施形態に係る花挿し器の断面図で
ある。
【符号の説明】 10,20 花挿し器、 11a〜11d,11c′ 花挿し孔、 11,21 花挿し本体、 22,23 部分花挿し本体、 12 脚部、 13 花器、 14 接着剤、 15 横梁。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 花を挿し立てる複数の異径の花挿し孔を
    有する花挿し本体と、 該花挿し本体を支持する脚部とを備えた花挿し器。
  2. 【請求項2】 花を生ける花器内に、花が直接挿し立て
    られる花挿し器を固着した花挿し器付花器であって、 前記花挿し器が、 前記花器の底面より上方の内部空間に配置されて、しか
    も花を挿し立てる複数の異径の花挿し孔を有する花挿し
    本体を備えた花挿し器付花器。
  3. 【請求項3】 前記花器の内側面と、前記花挿し器の外
    側面とが固着されているか、 または、前記脚部と、前記花器の底面とが固着されてい
    る請求項2に記載の花挿し器付花器。
  4. 【請求項4】 前記花挿し本体が、それぞれ前記異径の
    花挿し孔を有し、かつ互いに所定間隔をあけて上下配置
    された複数個の部分花挿し本体からなる請求項1〜請求
    項3のうち、何れか1項に記載の花挿し器または花挿し
    器付花器。
  5. 【請求項5】 前記複数有る花挿し孔のうちの少なくと
    も一部が傾斜孔で、かつ前記花挿し本体が鋳物である請
    求項1〜請求項4のうち、何れか1項に記載の花挿し器
    または花挿し器付花器。
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