JP2000050914A - テープ付き係脱具の製造方法と同成形金型及びテープ付き係脱具 - Google Patents

テープ付き係脱具の製造方法と同成形金型及びテープ付き係脱具

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JP2000050914A
JP2000050914A JP10225537A JP22553798A JP2000050914A JP 2000050914 A JP2000050914 A JP 2000050914A JP 10225537 A JP10225537 A JP 10225537A JP 22553798 A JP22553798 A JP 22553798A JP 2000050914 A JP2000050914 A JP 2000050914A
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Shunji Akashi
俊次 明石
Kiyomasa Segawa
清正 瀬川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】テープ上の所定位置に、雄雌スナップファスナ
ーは勿論のこと、その他の係脱具が確実に成形一体化す
ることができ、しかもそれらの異なる係脱具を同一テー
プ上で所望の位置に配することをも可能とし、更には係
脱具自体に多様な色彩を付与することを可能にしたテー
プ付き係脱具及びその製造方法を提供する。 【解決手段】テープ(T) の係脱具取付位置に雌又は雄の
係脱具(1,2) を一体成形により固設するテープ付き係脱
具にあって、前記係脱具取付位置に合成樹脂製の基材(1
0)を成形一体化したのち、前記成形一体化された第1部
材(10)の略中央部を切断除去して係脱具取付孔(3) を形
成し、相手方の係脱具(1,2) に係脱する係脱部(12c) を
有する第2部材である合成樹脂製の雌及び又は雄係脱部
材(11,12) を、前記係脱具取付孔(3) の周縁をも含めて
前記第1部材(10)を抱持するように成形一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テープ付きの係脱
具製造方法と同方法に適用される成形金型、及びテープ
付き係脱具に関し、詳しくは同一テープ上に雄係脱具及
び雌係脱具の一方、又は雄雌両係脱具が固着一体化され
てなるテープ付き係脱具の製造方法と同方法に適用され
る成形金型、及びテープ付き係脱具に関する。
【0002】
【従来の技術】一本のテープに少なくとも一つ以上の係
脱具取付孔を形成し、その取付孔の全周縁を抱き込むよ
うにして同テープの表裏面に所望の形状をもつ合成樹脂
製の鳩目やその類似品を一体に成形することは古くから
知られている。例えば、米国特許第2,821,764
号明細書によれば、シート状材料に取付孔を形成し、そ
の取付孔の全周縁を抱き込むようにして同テープの表裏
面に所望の形状をもつ合成樹脂製の鳩目を成形するにあ
たり、鳩目成形用の環状キャビティの内部に前記取付孔
を中心として延在するシート状材料の取付孔周縁部を、
前記キャビティ内に対向して突設された複数組のピン部
材により複数箇所で挟持し、同キャビティ内に溶融樹脂
を導入することにより、シート材料に合成樹脂製鳩目を
一体成形することを開示している。
【0003】一般的に、前述の成形にあたって前記ピン
部材が存在しない場合には、溶融樹脂の導入圧により、
キャビティ内に延在するシート状材料の取付孔周縁部
が、その周方向に大きく波打ち、最悪な場合にはその周
縁部の一部がキャビティの内面に当接するまでに偏在
し、最終製品には鳩目の一部表面にシート材料が露出す
ることもある。前記米国特許に係る発明は、シート状材
料の前記取付孔周縁部が適度に波打つことが鳩目のシー
ト状材料に対する固着強度の増加をもたらす点に着目し
てなされたものであり、適度な波打ち状態を実現するた
め前記ピン部材によりシート材料の取付孔周縁部をキャ
ビティ内で挟持して、その波打ちの大きさを制御してい
る。
【0004】すなわち、前述の米国特許発明にあっては
射出によりキャビティ内に導入される溶融樹脂がシート
状材料の取付孔表裏に円滑に流動するように、キャビテ
ィへの溶融樹脂の導入口を前記取付孔周縁に向けて形成
している。すなわち、環状キャビティの中央から導入さ
れる溶融樹脂を前記取付孔を含む平面上にて外径方向に
導き、前記導入口から供給される溶融樹脂を前記取付孔
の周縁においてシート状材料の表裏に振り分けるように
送り込んでいる。かかる構成により、前記シート状材料
はその取付孔周縁にて適度な波打ち状態で鳩目と結合す
るため、その固着強度が増加する。
【0005】しかるに、この発明によれば、成形後の鳩
目には中央開口部に合成樹脂の円盤状の薄板も一体に成
形されることになり、同明細書にも記載されているよう
に成形後に前記薄板を除去したのちに、前記開口部周面
をトリミングしなければならない。
【0006】かかる過度な波打ちを防止しようとする技
術思想を踏襲した同様の発明が、欧州特許022829
3号明細書にも記載されている。この欧州特許ではスナ
ップファスナーのファスナー部品としては、雄ファスナ
ー及び雌ファスナーに限定することなく、前述の鳩目を
も含めて前記米国特許発明と同様の手法でテープにファ
スナー部品を一体成形することを開示している。
【0007】しかして、この欧州特許発明にあっては、
前記米国特許発明と異なる点について、その成形方法が
具体的に開示されていないため、どのようにしてキャビ
ティ内に溶融樹脂が導入されるか不明ではあるが、少な
くともその代表的な実施例を示す同欧州特許の図4によ
れば、雌部材の係脱開口部を形成する上下金型が、その
パーティングラインで密着していることから、同係脱開
口部の内周部分から溶融樹脂をキャビティに導入してい
ないことは明らかである。従って、この点で前記欧州特
許発明は米国特許発明と異なるものと考えられるが、前
記開口部の内周係脱面以外の部位、例えば前記開口部形
成側の上記ピン部材に隣接する部分にキャビティ内に通
じる溶融樹脂の導入口を設ける場合には、同溶融樹脂導
入時の初期にその導入樹脂圧が直接テープの取付孔周縁
の片面に局部的に作用するため、極めて波打ち現象が発
生しやすくなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これを回避するには、
ピン部材による取付孔周縁部の挟持を同周縁に極めて近
い位置に設定すると共に、挟持するピン部材をできるだ
け多く形成することが必要である。かかる構成のため、
金型が複雑化すると共に、樹脂がテープの片面から他面
へと流動するときの影響を発生させないために多用で厳
密な成形条件の設定が必要になる。
【0009】更に、この欧州特許発明にあって、雄ファ
スナーについて見ると、雌ファスナーや鳩目と異なり、
その構造から当然に中実成形品であり、しかも雄ファス
ナーの係脱部である柱状突起をファスナー本体から外方
に突出して成形しなければならない。かかる構造をもつ
雄ファスナーを成形するには、上記米国特許と異なり、
溶融樹脂をキャビティ内に導入する案内通路であるゲー
ト部を必然的にキャビティの上面又は下面のいずれかに
設定せざるを得ない。かかる構成は、既述したとおりキ
ャビティ内にあってテープの波打ちの発生を極力抑制す
るには、ピン部材によるテープの取付孔周縁部の挟持を
確実にすることが求められる。
【0010】また、仮に雄ファスナーと雌ファスナーを
同一のテープ上に成形しようとするには、成形金型に異
なる形態をもつキャビティを形成しなければならず、し
かも雄ファスナーと雌ファスナーの配列順序を変更しよ
うとする場合には、それらに対応する金型を別途製作し
なければならず、このことは金型の複雑化につながり、
当然にその製作費用も大きく嵩むことになる。これを回
避しようとすれば、同一テープ上に雄ファスナーと雌フ
ァスナーとを同時に成形することは不可能となる。
【0011】また、上記米国特許にあっても同様である
が、上述のテープ付きファスナー類にあっては、各ファ
スナー単位で見るかぎり単一の合繊樹脂材料を使わざる
を得ず、テープ上への固着強度と相手方のファスナーと
の係脱強度を勘案して、双方を満足させるようにテープ
への固着部とファスナー係脱部との材質を変更すること
は不可能であり、更には例えば形態的にはキャビティ形
状を変更すれば足りるとは言え、同一のファスナーに対
して多様な色彩を付与することは不可能である。
【0012】ところで、上述の各特許明細書の開示も同
様であるが、従来のこの種のテープ付き係脱具にあって
は、係脱具を成形する以前のテープ上に予めパンチング
などにより係脱具取付孔を形成しておくのが一般的であ
る。係脱具を前記取付孔周縁部に成形一体化するには、
射出装置の金型内にテープを挿入し、前記取付孔を同金
型の係脱具成形用キャビティ中心に位置決めしたのち、
同キャビティ内に溶融樹脂を導入する。
【0013】しかるに、金型内に挿入されるテープには
前記取付孔の他には位置決めするために有効な対象が存
在せず、しかも金型の周辺に位置決め用の監視機器を配
することもできないため、通常は成形装置に挿入される
以前に前記取付孔の位置を検出して、テープの移送速度
に基づき前記同検出位置から取付孔が位置決めされるま
での距離を時間に換算して、テープの移送を停止させる
などの位置決め手段を採用している。そのため、位置決
め精度が定まらず、特に長尺のテープに連続的に成形を
行おうとする場合には、テープには所要の張力が付与さ
れているため、一回の成形ごとでは僅かな位置決め精度
のずれであっても、長尺にわたって間欠的に数多くの成
形がなされると、前記ずれ量が大きくなりテープの取付
孔位置が大きくずれてしまいやすい。
【0014】本発明は、上記の課題を解決すべくなされ
たものであり、具体的には上記米国特許や欧州特許の成
形原理によらない全く新規な成形原理を開発し、しかも
同特許発明を大きく改善し、テープ上に雄雌スナップフ
ァスナーは勿論のこと、鳩目類やその他の係脱具がテー
プ上の所定の位置に確実に成形一体化することができ、
しかもそれらの異なる係脱具を同一テープ上で所望の位
置に配することをも可能とし、更には係脱具自体に多様
な色彩を付与することを可能にしたテープ付き係脱具及
びその製造方法を提供することを目的としている。その
他の目的は、本発明の代表的な後述する実施例の説明で
明らかとなるであろう。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用効果】かかる目的
は、以下に述べる本発明に係るテープ付き係脱具の製造
方法と、その方法に適用される成形金型及びテープ付き
係脱具により達成される。
【0016】本件請求項1〜11は、前述のテープ付き
係脱具の製造方法の発明に係り、請求項1は、テープの
係脱具取付位置に雌又は雄の係脱具を一体成形により固
設するテープ付き係脱具の製造方法にあって、前記係脱
具取付位置に合成樹脂製の第1部材を成形一体化するこ
と、前記成形一体化された第1部材の成形部位の中央部
に存在する少なくともテープ部分を切断除去して係脱具
取付孔を形成すること、及び相手方の係脱具と係脱する
係脱部を有する合成樹脂製の第2部材を、前記係脱具取
付孔の周縁をも含めて抱持するように成形一体化するこ
とを含んでいることを特徴としている。
【0017】すなわち、予め係脱具取付孔が形成されて
いないテープの係脱具取付部位を成形金型内に位置決め
して、前記取付部位に先ず第1部材を成形一体化する。
この第1部材は、テープ係脱具取付孔が形成されていな
いテープに成形されるため、従来のように取付孔周縁部
の表裏に溶融樹脂が行き渡りにくく、しかも前記周縁部
が大きく波打ち係脱具の表面にテープの一部が露呈する
ことがあったが、本発明によれば第1部材の成形による
テープの変形はない。そのためには、通常、第1部材は
テープの一表面上に成形されることになるが、テープの
係脱具取付部位に予め1以上の小孔を形成しておき、或
いは編織物の密度が粗である場合には、溶融樹脂が前記
小孔或いは編織物の組織間を通るため、表裏に成形する
ことができる。この場合、例えばテープの一部が第1部
材の表面に露呈しても、後に第2部材により抱持するご
とくほぼ全面が被包されるため、格別の問題は生じな
い。
【0018】前記第1部材は、係脱具の基部部分の芯部
を構成するものであり、その形状は任意であるが、後に
切断により形成される係脱具取付孔よりも大きく且つ同
取付孔の周縁部のほぼ全周にわたり成形されることが好
ましい。
【0019】また、前記第1部材は、通常、段部を介し
て周縁が肉厚にされた板状を呈しており、この場合には
前記肉厚の部分が係脱具取付孔の外側に位置するように
設計することが、第2部材との固着強度を増すために望
ましく、或いは前記第1部材は単なる環状部材であって
もよく、この場合には同第1部材の内径が前記係脱具取
付孔の径より大きく設定されることが、前述と同様に第
2部材との固着強度を向上させると共に、環状の第2部
材の内径側に露出するテープに前記係脱取付孔が形成さ
れるため、その取付孔周縁にあたるテープ部分を前記第
1部材と共に包むようにして第2部材が成形されると
き、前記テープ部分が樹脂の流動圧力により適度に波打
ち、更に固着強度を増加させる。
【0020】前記第1部材が成形されたのち、前述のよ
うにして第1部材の成形部位の略中央部に係脱具取付孔
が切断により形成される。第1部材が前述の板状である
場合の前記取付孔は、第1部材及び第1部材の固着した
テープの一部が一緒に切断されて形成される。また、第
1部材が環状である場合には、前記取付孔は環状の第1
部材の内径側に露出するテープ部分を切断して形成され
る。
【0021】請求項2及び3は、前記第1部材を前記テ
ープの一表面に成形一体化する場合とテープの表裏両面
に成形一体化する場合とを規定している。テープの表裏
両面に第1部材を成形一体化するときは、テープが溶融
樹脂の透過するに十分な空隙を有している場合であり、
例えばテープが繊維製の編織物である場合には、その編
織密度が小さく粗であるとき、またテープが樹脂テープ
である場合には、少なくとも係脱具取付部位の中心部に
小孔が形成されているときである。
【0022】請求項4は、前記第1部材の外周縁を第2
部材成形用キャビティの外周縁と当接する形状に成形す
ることを含んでいる。かかる構成とすることにより、成
形金型の内部に間欠的に挿入されるテープの位置決めは
第1部材を第2部材成形用キャビティに嵌着させるだけ
でなされるようになる。また、前記第1部材の周辺のテ
ープ部分は上下金型により強く挟持され、同時に同第1
部材がキャビティの内面に当接状態で支持されるため、
第2部材の成形にあたってキャビティ内に導入される溶
融樹脂圧によって第1部材が殆ど変形せず、第2部材は
第1部材を内部に埋設した状態で確実に成形される。
【0023】請求項5は、前記第1部材の係脱具取付孔
の周縁部に、中心部が開口する雌係脱部材としての第2
部材を成形するにあたっては、溶融樹脂を前記取付孔の
中心部に導入すること、中心部に導入された溶融樹脂を
放射状または直線状に延びる案内通路に案内すること、
及び前記案内通路により案内された溶融樹脂をテープの
前記取付孔の周縁に向けてテープに略平行に前記キャビ
ティ内に導入することを含んでいる。
【0024】このように、第2部材の成形用キャビティ
に溶融樹脂を導入すると、溶融樹脂は前記取付孔の周縁
からキャビティ内に円滑に流動し、第2部材である雌雄
の係脱部材が第1部材の周面全体に満遍なく行きわた
る。
【0025】請求項6は、前記雌係脱部材を利用して雄
係脱具を成形する方法に係り、請求項5にて成形された
雌係脱部を有する前記第2部材の中心部開口に雄係脱頭
部を有する雄係脱部材としての他方の第2部材を成形一
体化することを含んでいる。この発明によれば、テープ
の係脱具成形部位の全てに、予め請求項2の製造方法に
より得られる雌係脱具を成形しておくことができ、しか
もそれらの雌係脱具のうち所望の雌係脱具を雄係脱具を
成形するときの基材として利用できる。すなわち、同一
形態のテープ付き係脱具を多量に製造しておくことがで
きるため在庫管理がしやすくなり、また従来では殆ど不
可能であった同一テープ上に雌係脱具と雄係脱具とを任
意の配列で混在させながら成形することを可能にした。
【0026】請求項7及び8は、前記雌係脱部を有する
一方の第2部材の中心部開口に雄係脱頭部を有する他方
の第2部材を成形一体化する前に、溶融樹脂を放射状ま
たは直線状に案内する前記案内通路により成形される通
路成形品を破断除去する場合、或いは前記通路成形品を
残存させる場合のあることを規定している。前記通路成
形品を破断除去する場合には、前記中心部開口の周辺部
にその破断除去痕が残り、雄係脱部材である他方の第2
部材の成形一体化が、前記破断除去痕の凹凸により強固
となるが、前記通路成形品を残存させる場合には、同通
路成形品が雄係脱部材の骨材となるため、その固着強度
を一層高めることができる。
【0027】請求項9は、請求項1の第1部材及び第2
部材のそれぞれに、任意の色彩を付与することを含んで
いる。一般的には、各部材に対する色彩の付与は樹脂原
料に顔料などを添加することによりなされるが、請求項
10では前記第1部材をテープ上に成形したのち、少な
くとも同第1部材を染料により染色することを含んでい
る。また請求項11は、テープ(T) 、第1部材(10)及び
第2部材(11,12) の少なくとも1つを、染着性を異にす
る材質により構成することを含んでおり、染色により少
なくとも1つの部材の彩色を他の部材と異ならせること
を可能にする。
【0028】請求項12は前記第2部材が係脱頭部を有
する雄係脱部材であるとき、同雄係脱部材を他の部材よ
り融点の高い材質に設定することを含んでいる。本発明
によれば、他の部材の1つである第1部材は雌又は雄の
第2部材に埋設されるため、アイロン仕上げなどの高温
に晒されることはないが、例えば請求項6のように雌係
脱部材としての一方の第2部材に、更に雄係脱部材であ
る他方の第2部材を成形一体化する場合には、雌係脱部
材としての一方の第2部材が外部に表出することもあ
り、前記高温に晒される場合がある。しかして、一般に
雌係脱部材はテープ面に沿って僅かに膨出しているに過
ぎず、高温により多少の変形をしても係脱部が開口部内
面であるため係脱機能に格別の影響はないが、特に雄係
脱部材の場合には係脱機能に携わる係脱頭部がアイロン
仕上げ時に誤って高温下で押圧されると、材質によって
は大きく変形してしまい、相手方の雌係脱具との係脱機
能が失われてしまう。この種の係脱具に使われる材質
は、適度な弾性と剛性とを兼ね備え、成形性に優れ且つ
安価であるため、融点が170℃前後のポリアセタール
樹脂が一般的に使われており、190℃前後で仕上げら
れるアイロン温度のときに前述の問題が発生しやすい。
そこで、請求項12では前述のように雄係脱部材を他の
部材より融点の高い材質に設定することを規定してい
る。
【0029】ここで、本発明におけるテープとは、あら
ゆる種類の繊維製織物や編物、不織布、或いは各種の合
成樹脂フィルムやシート、天然又は合成皮革などから形
成されるテープの全てを言い、それらの素材も天然、合
成を問わない。また、上記係脱具を構成する第1部材、
第2部材に使用される合成樹脂材料としては、通常の成
形品に使用される熱可塑性合成樹脂であればいずれでも
よく、例えばポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、
ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリビニル、ポ
リアセタールなどが挙げられる。ただし、前記第1部材
及び第2部材はお互いに親和性を有していることが望ま
しい。
【0030】請求項13は、特に上記第1部材の成形用
金型に関し、同成形用金型は固定金型及び可動金型を有
しており、前記固定金型の第1部材成形用キャビティに
対応する部位の略中央部に同キャビティ内に突出・退入
する取付孔形成用パンチを有していることを特徴として
いる。このように、金型内に取付孔形成用パンチを設け
ることにより、第1部材の成形が完了した時点で、例え
ば型を閉じたまま前記パンチをキャビティ内に突出させ
て、金型内で上記係脱具取付孔を形成する。勿論、金型
に前記パンチを設けずに、第1部材の成形後に同部材を
定法に従って取り出し、その後に第1部材に係脱具取付
孔を形成するようにしてもよい。
【0031】請求項14〜21は上記製造方法により得
られるテープ付き係脱具に係る発明に関する。請求項1
4に係る発明は、テープの係脱具取付部に成形一体化さ
れ、中央に切断による取付孔を有する合成樹脂製の第1
部材と、同第1部材を抱持するようにして成形一体化さ
れ、相手方の係脱具との係脱部を有する合成樹脂製の第
2部材とを備えてなることを特徴とするテープ付き係脱
具を構成としている。第1部材の成形が、請求項1に係
る製造方法にあるようにテープに係脱具取付孔が形成さ
れる以前になされるため、既述したようにテープを格別
に変形させることなく確実に成形でき、更には中央部に
係脱具取付孔が形成された同第1部材のほぼ全体を第2
部材の内部に埋設するため、多様で外観的にも優れた形
態の係脱具となる。請求項15は、前記第1部材の係脱
具取付孔の内周面の一部に凹欠部を形成して、第2部材
との固着強度を確保している。
【0032】請求項16に係る発明は、同じく請求項1
記載のテープ付き係脱具の製造方法により製造されるテ
ープ付き係脱具であって、テープの係脱具取付部に環状
に成形一体化される第1部材と、成形後の環状第1部材
の略中央テープ部分に形成された係脱具取付孔と、前記
第1部材の内部に露出する前記テープ部分を含む前記第
1部材を抱持するようにして成形一体化され、相手方の
係脱具との係脱部を有する合成樹脂製の第2部材とを備
えてなることを特徴とするテープ付き係脱具を構成とし
ている。
【0033】この発明にあって前記請求項14に係る発
明と異なるところは、第1部材が環状である点と、係脱
具取付孔が第1部材の環状内部に露出しているテープの
部分に形成する点にある。従って、第2部材の成形は前
記係脱具取付孔が形成されたテープ部分と環状の第1部
材とを埋設するようにしてなされる。前記取付孔周縁の
テープ露出部を適当な量とすれば、第2部材の成形時に
そのテープ露出部が適度に波打ち、第2部材との固着強
度が向上する。
【0034】請求項17は、必要に応じて前記第1部材
及び第2部材を異質の材質から構成することがある場合
を規定している。これは本発明の特徴部の一部をなして
おり、従来のように一度の成形で係脱具をテープに固着
一体化する技術では不可能であった。例えば、上記請求
項12のように第2部材を第1部材の融点より高い材質
とすれば、アイロン仕上げ時などに、係脱具表面を誤っ
て溶融変形させることを激減させることができる。更に
は、請求項18に規定するように、前記第1部材と第2
部材とを異色に構成することも可能であり、また請求項
19のように、前記第2部材が少なくとも磁性材料を含
む場合がある。この場合には、通常の機械的な係脱に代
えて磁力による係着が可能となり、係脱具の無用な損傷
がなく耐久性に優れる。
【0035】請求項20及び21は、前記第2部材が、
前記テープの一表面から突出し、スナップファスナーの
雌係脱具に係脱する係脱頭部を有してなるスナップファ
スナーの雄係脱部材である場合と、前記第2部材がスナ
ップファスナーの雄係脱具に係脱する雌係脱部を有して
なるスナップファスナーの雌係脱部材であることを規定
している。係脱具としては、これらスナップファスナー
の雄・雌に限らず、テープ面上に成形されるフック状の
雄係合素子などがある。
【0036】請求項22は、請求項21のように前記第
2部材がスナップファスナーの雄係脱具に係脱する雌係
脱部を有してなるスナップファスナーの雌係脱部材であ
る場合に、更に、前記雌係脱部材を抱持するようにして
成形された、係脱頭部をもつ雄係脱部材としての第2部
材を有していることを規定している。この場合には、同
一テープ上に予め多数の雌係脱具を成形しておき、任意
の雌係脱具を抱持するようにして更に雄係脱部材を成形
一体化することを可能にし、その結果、同一テープ上に
雄係脱具と雌係脱具とが任意の配列で混在するテープ付
き係脱具が得られる。また、雄係脱具を前述のように雌
係脱具を利用して成形されるため、雌係脱具を成形一体
化したテープを多量に成形しておくことも可能にし、在
庫管理を容易にする。
【0037】
【発明の実施形態】本発明のテープ付き係脱具にあっ
て、第1の特徴点は、例えば雌又は雄の係着具のいずれ
であっても、少なくとも第1部材及び第2部材を有して
いることである。本発明の第2の特徴点は、前記第1部
材を成形するにあたり、従来のようにテープ上に予め係
脱具取付孔を形成しておかない点にある。
【0038】そして、本発明の製造方法の基本的な手順
によれば、前記係脱具取付孔はテープ上に予め成形一体
化された第1部材の中央部に形成される。前記取付孔が
形成されたのち、その取付孔開口部に第2部材が成形に
より一体化される。また、第1部材は中央部に係脱具取
付孔を有していれば、いかなる形態にも成形でき、しか
も第2部材の形態による影響がないため、第2部材の形
態や材質が変更されても前記第1部材が通用できる。こ
のことは、第2部材が、例えば雄係脱部材及び雌係脱部
材のように形態が異なっていても、これらを必要な数と
配列をもって1本のテープ上に同時に又は個別に一体的
に成形することを可能にする。更には、第2部材として
第1部材とは異なる材質が採用でき、或いは異色にする
ことができる。これらの点は、従来のこの種のテープ付
き係脱具では実現が不可能なものであった。
【0039】また、第1部材の成形時には、従来とは異
なり未だテープに係脱具取付孔が形成されていないた
め、いずれの位置から第1成形用キャビティの内部に溶
融樹脂が導入されてもテープに格別の変形をもたらすこ
とがない。一方、テープ構造が溶融樹脂を一表面側から
他面側に透過しない場合には、前記第1部材はテープの
一表面側に成形一体化せざるを得ないが、この場合でも
第2部材が第1部材のほぼ全面を完全に被覆するように
成形すれば、外観的になんら問題は生じない。また、テ
ープ構造が、例えば編織物の密度が粗である場合や樹脂
テープに1以上の小孔が形成されている場合には、一表
面側に導入された溶融樹脂は他面側に透過するため、前
記第1部材をテープの表裏両面に一体成形することがで
きる。
【0040】本発明のこれらの特徴点は、以下の実施例
の説明により更に明らかとなる。以下、本発明に係るテ
ープ付き係脱具、同係脱具の製造方法の好適な実施の形
態を添付図面を参照して具体的に説明する。図1は、本
発明の製造方法により製造されるテープ上に並列して一
体に成形されたスナップファスナーの雄係脱具を有する
テープ付き雄係脱具と、同じくテープ上に並列して一体
に成形されたスナップファスナーの雌係脱具を有するテ
ープ付き雌係脱具の第1実施例を示す斜視図である。
【0041】同図に示すように、本発明に係るテープ付
き係脱具にあって、テープ上に成形一体化される係脱具
の典型例としてはスナップファスナーの雌係脱具1と雄
係脱具2とがある。なお、この他の係脱具としてはカー
テン開閉用の紐通し具、或いはテープ上に成形される多
数のフック状係合素子を有する雄面ファスナーなどを挙
げることができる。そして、それらの製造方法の基本原
理は前述のとおりであり、製造される本発明のテープ付
き係脱具は上記米国特許発明では得られない本発明に特
有の構造を有することになり、その構造のため単一の係
脱具1,2に多様な形態と材質が採用でき、多様な色彩
をも付与することができ、しかも図1に示すように同一
テープ上に雄係脱具及び雌係脱具を並列して一体に成形
することができるものであり、これらの特徴は前記米国
特許発明や上記欧州特許発明では実現できないものであ
る。
【0042】すなわち、本発明に係るテープ付き係脱具
の製造方法によれば、先ず最初に間欠的に移送される長
尺のテープTを成形金型内に供給し、射出成形により同
テープTの一表面又は表裏両面に雌係脱具1及び/又は
雄係脱具2の構成部材の一つである第1部材10(以
下、基材という。)を所定の間隔をおいて順次一体成形
する。本実施例によれば、前記基材10は周縁部が段部
を介して肉厚部10aとされた円板状を呈しており、こ
の基材10が成形されたのち、同基材10の薄肉部10
bの中央部に第2部材である雌係脱部材11及び/又は
雄係脱部材12を取り付けるための係脱具取付孔3が形
成される。
【0043】図2は前記基材10をテープT上に成形一
体化するときの成形部の一部の構造とその成形状態を示
している。同図において、符号101は可動型102に
対して図示せぬシリンダーにより接離方向に相対的に移
動可能な金型取付プレートである。図示例によれば、同
金型取付プレート101は、前記基材10の薄肉部10
bの中央に形成される係脱具取付孔3に対応する部位
に、同係脱具取付孔3と同一径をもち突出端面が平坦な
突出部101aを有しており、更に同図に破線で示すよ
うに金型取付プレート101にはスプルー101bとラ
ンナー101cとが形成されている。
【0044】前記可動型102には前記金型取付プレー
ト101の突出部101aを摺動可能に挿入する摺動孔
102aが形成されており、同摺動孔102aの周辺部
にはゲート102bが形成されている。このゲート10
2bは、可動型102の基材成形用キャビティ102c
に通じている。基材成形用キャビティ102cの一部内
壁面は前記突出部101aの端面によって形成される。
前記固定型103にはテープTの挿入通路104が形成
されており、テープ挿入通路104に挿入されたテープ
Tの表面が前記基材成形用キャビティ102cの一部内
壁面を構成する。
【0045】前記金型取付プレート101の突出部10
1aの端面と対向する固定型103の部位には、前記突
出部101aの径と同一径をもつパンチ103aが収容
されており、前記突出部101aが前記摺動孔102a
から抜け出す方向に移動を開始すると同時に、前記パン
チ103aも図示せぬシリンダの作動により基材成形用
キャビティ102cの内部に突出するように移動する。
なお、同図において符号105はエジェクトピンであ
る。
【0046】いま、テープTに基材10を一体成形する
ときは、図示せぬシリンダが作動して、金型取付プレー
ト101の突出部101aが可動型102の摺動孔10
2aに挿入された状態で、可動型102が固定型103
に向けて移動して型を閉じる。このとき固定型103の
テープ挿入通路104には、既にテープTが挿入されて
位置決めされている。型が閉じると、射出装置106の
ノズル106aから、スプルー101b、ランナー10
1c及びゲート102bを介して溶融樹脂が基材成形用
キャビティ102cに射出され、テープTの一表面に上
記形状をもつ基材10が一体的に固着された状態で成形
される。
【0047】次いで、前記金型取付プレート101が可
動型102から離間するように上動すると同時に、パン
チ103aが上動し、テープTと共に基材10の薄肉部
10bの中央部を切断して係脱具取付孔3を形成する。
この後、パンチ103aは、図3に示すように基材成形
用キャビティ102c及び可動型102の前記摺動孔1
02a内を突き抜けて、テープTと基材10の薄肉部1
0bからなる切断片3′が外部に突き出される。従っ
て、前記突出部101aはダイとしての機能をも併せ持
っている。
【0048】切断片3′が外部に突き出されると、前記
パンチ103aが固定型103のテープ挿入通路104
と面一となるまで同固定型103内に退入する。次い
で、可動型102が固定型103から離間する上方に移
動して型が開かれる。型が開かれると、エジェクトピン
105が作動して基材10をテープTと共に可動金型1
03から突き出す。この突き出しが終わると、テープT
は基材10の取付ピッチだけ移送される。
【0049】こうして多数の基材10を長尺のテープ上
に順次成形して固着一体化しながら、基材10の中央部
に係脱具取付孔3を形成して基材付きテープT′が製造
される。この基材付きテープT′は、次工程である第2
部材11,12を成形するための射出成形機に移送され
る。このときの移送は、第2部材11,12の射出成形
機が前記第1部材10の成形工程に連結して設置し、運
転タイミングを合わせて連続的になされてもよいが、両
成形機が独立して設置されている場合には、個別の工程
間を搬送によりなされるようにしてもよい。
【0050】図4は、第2部材11,12のうちの一つ
である雌係脱部材11を、前記基材10の係脱具取付孔
3を中心として、同基材10のほぼ全面を抱持するよう
に成形一体化するための雌係脱部材11の成形金型構造
の一例を示している。
【0051】同成形金型は、可動型111と、同可動型
111に対向して設置された固定型113と、前記可動
型111を挟んで前記固定型113とは反対側に設置さ
れた可動型取付プレート112とを備えている。同可動
型取付プレート112は可動型111に対して接離方向
に移動可能とされ、更に前記可動型111は前記固定型
113に対して接離方向に移動可能とされている。
【0052】前記可動型取付プレート112には、射出
装置114のノズル114aから射出される溶融樹脂が
導入されるスプルー112aと同スプルー112aに連
通するランナー112bが形成されている。更に、先端
が同可動型取付プレート112の前記ランナー112b
の内部に突出するランナーロックピン117が取り付け
られている。
【0053】前記可動型111には、前記ランナー11
2bに連通するサブランナー111aが形成されてお
り、同サブランナー111aの下端には、樹脂貯留部1
11bを介して水平に直線的に延びる案内通路となるゲ
ート111cがパーティング面に形成されている。この
実施例では、前記ゲート111cは前記樹脂貯留部11
1bを中心に左右に直線的に延びる2本からなり、各ゲ
ート111cの形状は楔状をなし、前記樹脂貯留部11
1bから先端に向けて断面が小さく形成された、いわゆ
るピンポイントゲートを構成している。
【0054】図示実施例にあって、前記ゲート111c
の先端部は、上記雌係脱部材11でもある第2部材の成
形用キャビティ116に連結している。同成形用キャビ
ティ116はパーティング面を挟んで可動型111と前
記固定型113の両型にわたって形成されており、前記
樹脂貯留部111bも両型111,113にわたって形
成されている。また、固定型113の前記キャビティ1
16の周辺にはテープTの移動方向(図6の紙面に垂直
な方向)に延びるテープ挿通路113aが形成されてい
る。
【0055】更に、本実施例にあっては、前記ゲート1
11cとキャビティ116との連結部が、雌係脱部材
(第2部材)11の係脱開口部11aの開口周縁部より
も局部的に外径方向に凹んだ凹欠部11bとなるよう
に、キャビティ116の内部に突出させて形成されてい
る。また、前記キャビティ116の外周側の内壁面は、
テープTに成形一体化された上記基材10の外周面が当
接するように形成されている。
【0056】図4からも明らかなように、上記ゲート1
11cの形状を基材10との接続部の断面積を可能な限
り小さくするため、全体として上述のごとく楔状に形成
している。そのため、雄係脱具2を雌係脱具1の係脱開
口部11aに差し込むとき、同開口部11aに懸け渡さ
れた状態で一体化しているゲート成形品16は前記雄係
脱部材12の差し込み力により簡単に破断除去される。
かかるゲート形態を採用することにより、テープ付き係
脱具の出荷時に雄雌のテープ付き係脱具を係合状態で出
荷するにあたり、上記米国特許発明では必要とされた後
工程でのトリミングが排除できるばかりでなく、雄雌の
テープ付き係脱具を係着させると同時に自動的に前記ゲ
ート成形品16が除去されるものである。
【0057】また、本実施例では前述のようにゲート成
形品16の破断除去されたあとに残る痕跡(ゲート痕1
6a)が、前記係脱開口部11aの内周面の一部に形成
された上記凹欠部11bの底面に形成されるため、雌係
脱具1の係脱開口部11aの内周面11a′と雄係脱部
材12の係脱頭部12c(図7参照)との係脱時におい
て、係脱頭部12cと直接密接することがなく、かつ外
見的に前記ゲート痕16aが視覚に入りにくくなる。更
には、前記凹欠部11bの存在により、リング状に連続
する前記内周面11a′の連結を一部で断ち切って、雄
係脱具2の係脱操作をより円滑化し得るようにしてい
る。
【0058】一方、後述するように前記雌係脱部材11
を雄係脱具2の製造時において本発明の第1部材として
そのまま使用する場合にも、前記凹欠部11bは極めて
有効である。すなわち、図7に示す雄係脱具2では、雌
係脱具1に対する雄係脱部材12の取り付けは、一体成
形によるが、この雄係脱部材12の成形にあたって、雄
係脱部材12の一部が前記凹欠部11bを埋めるため、
雌係脱部材11と雄係脱部材12とのロック機能が加わ
り、固着強度が一段と向上する。なお、上記ゲート成形
品16を雌係脱部材11の開口部11aに残したままで
も、前記雄係脱部材12を同開口部11aに成形でき、
しかも図9に示すように前記ゲート成形品16は雄係脱
部材12の内部に骨材として埋設されるため、その固着
強度を向上させることができる。この場合には、前記ゲ
ート成形品16の形態は開口部11aから破断除去され
ないため、既述したような楔状でなくともよい。
【0059】さて、以上のように構成された本実施例の
成形金型をもつ成形装置による雌係脱部材11の成形手
順を説明すると、上述のようにしてテープTに成形一体
化され、係脱具取付孔3が形成された基材10を固定型
113の前記キャビティ116内に嵌着させる。このと
き、前記キャビティの外周側の内壁面と前記基材10の
外周面とが当接して嵌着するため、基材10はその位置
が固定されテープTの位置決めも自動的になされること
になる。
【0060】テープTが位置決めされると、先ず図4に
示すように金型の全体が閉じ、その状態でスプルー11
2aのブッシュに射出装置114のノズル114aが密
接されて射出がなされる。射出された溶融樹脂は、スプ
ルー112a、ランナー112b、サブランナー111
a、樹脂貯留部111b及びゲート111cを通って上
記雌係脱部材成形用キャビティ116に導入される。
【0061】この射出時に、前記キャビティ116に導
入される溶融樹脂はゲート111cの先端からテープT
の上記取付孔3の周縁に向かって流れ、そこで第1部材
である基材10の表裏側に分岐して流動し、キャビティ
全体に充填される。こうして、テープTに成形一体化さ
れた基材10は、その外周面の一部を外部に露出させて
溶融樹脂の内部に埋設一体化される。
【0062】射出された樹脂が冷却により固化すると、
先ず上記可動型取付プレート112が上昇して、ランナ
ー成形品14をランナーロックピン117にて支持しな
がらサブランナー成形品14aと共に可動型111から
引き離す。このとき、前記サブランナー成形品14aの
下端は、その引き離し力により樹脂貯留部成形品15の
上端から破断して分離する。
【0063】この分離が終了すると、可動型111が上
方に移動して金型が開き、ほぼ同時に固定型113に取
付けられたエジェクトピン115が上方に僅かに移動し
て、雌係脱部材11を押し上げ、テープTをゲート成形
品16と共に型外へと押し出す。このとき成形される成
形品は、図5に示すように雌係脱具1が成形一体化され
たテープ付き係脱具となる。なお、基材10に残された
前記ゲート成形品16は製品取出し後に除去されるが、
本実施例の前記ゲート成形品16は僅かな部分で雌係脱
部材11の開口部11aに形成された凹欠部11bの底
面と連結されているに過ぎないため、雄係脱具2の係脱
頭部12cを係着させると、自動的に破断して除去され
る。
【0064】この破断時に形成されるゲート成形品16
の破断痕(ゲート痕16a)は、前記凹欠部11bの底
面に形成されるため外部からは見えにくく、且つその破
断面が雄係脱具2の係脱頭部12cと直接係脱する開口
部11aの内周面11a′には形成されていないこと
と、前記凹欠部11bによって円形の前記内周面11
a′の一部が分割されることとなり、雄係脱具2との係
脱がより円滑になされる。
【0065】図6は、図5に示す上記形態を有する雌係
脱具1を基材として使って、雄係脱具2を一体成形する
ときの成形金型の要部を示している。この実施例にあっ
ては、前記雌係脱具1に本発明の他方の第2部材である
雄係脱部材12を成形一体化して雄係脱具2を製造して
いる。すなわち、本実施例では上述のようにして製造さ
れた雌係脱具1を基材として使い、本発明の他の第2部
材でもある雄係脱部材12を同雌係脱具1に成形して固
着一体化させ、雄係脱具2を成形するものである。
【0066】同図において、符号120は雄係脱部材成
形用の射出金型を示し、同金型120は既述した雌係脱
具成形用の射出金型と同様に可動型121と固定型12
2とを備えている。前記可動型121と固定型122と
のパーティング面には、基材となる前記雌係脱具1の少
なくとも外周面を密着させると共に、同雌係脱具1の上
記開口部10aを基部12aで埋め尽くすと共に、柱部
12bと係脱頭部12cとを成形するための雄係脱部材
成形用キャビティ123が形成されている。
【0067】前記可動型121には図示を省略したラン
ナーと連通するゲート121aを、前記雄係脱部材成形
用キャビティ123の基部成形部123aの中心部に連
通させると共に、固定型122に雄係脱部材12の前記
柱部12b及び係脱頭部12cを2分割するための摺動
コア125の摺動路122aが形成されている。図示例
では、前記摺動路122aは前記摺動コア125が固定
型122を横切る方向に摺動可能に形成されている。な
お、図示例では固定型122の雄係脱部材成形用キャビ
ティ123の内部であって、上記雌係脱具1が収容され
る部位には、雌係脱具1の外面に当接するエジェクトピ
ン126が昇降自在に設けられている。
【0068】図7は、雌係脱具1に一体に成形されたテ
ープ付きの雄係脱具2の構成例を示している。この図か
らも理解できるように、前記雄係脱具2は本発明の第1
部材である上記基材10、一方の第2部材である雌係脱
部材11及び他方の第2部材である雄係脱部材12から
構成されている。図示例にあって、雄係脱部材12は前
記雌係脱部材11の開口部11aに密嵌した状態で一体
成形される基部12aと、同基部12aから起立する柱
部12bと、同柱部12bの先端に形成される係脱頭部
12cとからなる。本実施例によれば、前記柱部12b
と係脱頭部12cとは、柱部12bの途中から係脱頭部
12cの先端にかけて軸線方向に形成された割り溝12
dにより左右に2分割されている。また、前記係脱頭部
12cを上面から見ると、割り溝12dをも含めて全体
が割り溝12dの長手方向を短径部とする長円形を呈し
ており、前記柱部12bの左右に膨出した形態を有して
いる。本実施例にあっては、かかる形態をもつ前記雄係
脱部材12が前記雌係着具1の開口部11aに密嵌され
た状態で成形により一体化される。
【0069】前記割り溝12dの溝形状は、上記摺動コ
ア125の縦断面形状により決まり、図7からも明らか
なように溝底面が円弧面とされ、同円弧面から係脱頭部
12cの端部にむけて小溝幅部と大溝幅部とが弧状段部
を介して連続した形状をなしている。本実施例による割
り溝12dの前述の形状によれば、係脱頭部12cの膨
出部12c′の膨出方向の肉厚と溝底部における径方向
の肉厚がほぼ等しくなることと前記溝底部が幅狭である
こととが相まって、成形後の収縮によるヒケの影響が少
なく、成形後にあっても左右に分割された柱部12bの
一部及び係脱頭部12cがほぼ平行に直立している。
【0070】しかるに、従来の割り溝のように断面が単
純な矩形状をなしている場合には、係脱頭部の膨出部の
膨出方向の肉厚が他の左右に分割された柱部の一部及び
係脱頭部の肉厚に較べて厚いことと溝底部の溝幅が他と
比較して相対的に幅広となることとが相まって、ヒケな
どにより成形後には左右に分割された係脱頭部が互いに
接近方向に変形してしまう。このことは、相手方の雌係
脱具1との係着力が低下する原因となり、本実施例と比
較すると容易に係脱力が弱いことを意味する。更に、本
実施例による雄係脱部材の形態によれば、従来の割り形
状よりも大きく弾性変形ができるようになり、雌係脱具
1との係脱操作が容易で且つ所要の係脱力が確保でき
る。
【0071】その成形手順を簡単に説明すると、上述の
ごとき構成を備えた雄係脱部材成形用の射出金型内に、
基材10が埋設された雌係脱具付きテープを挿入して、
雌係脱具1を可動型121と固定型122とに形成され
た雄係脱部材成形用キャビティ123に嵌着して型閉が
なされる。ここで、所要の射出量の溶融樹脂が射出さ
れ、上記ゲート121aを通って雄係脱部材成形用キャ
ビティ123に導入される。前記雄係脱部材成形用キャ
ビティ123に導入された溶融樹脂が冷却固化すると、
前記可動型121が上昇し、成形された雄係脱部材12
の成形品とゲート成形品26とが破断して分離する。
【0072】次いで、エジェクトピン126により雄係
脱具2を固定型122から押し出す以前、すなわち可動
型121が型開き動作に入ると同時に、上記摺動コア1
25も作動する。この摺動コア125が雄係脱部材12
の成形用キャビティ部分から離脱すると、エジェクトピ
ン126が作動して基材10と雄係脱部材12とからな
る雄係脱具2を固定型122から押し出す。この押出時
に、前記係脱頭部12cは柱部12bの一部及び係脱頭
部12cを割り溝12dを狭めるように弾性的に変形さ
せ、雄係脱具2は容易に型外へと押し出される。
【0073】以上は、本発明の製造方法により得られた
雌係脱具1に、本発明の他の第2部材である雄係脱部材
12を成形一体化するときの実施例について説明した
が、本発明にあっては前記雌係脱部材11を成形するこ
となく、上記基材10に直接第2部材である雄係脱部材
12を成形一体化してテープ付き雄係脱具を製造するこ
ともある。図8はそのテープ付き雄係脱具の一例を示し
ている。
【0074】上述の実施例にあって、第2部材としての
雌係脱部材11及び/又は雄係脱部材12を第1部材で
ある上記基材10に成形一体化するにあたり、雌係脱部
材11及び雄係脱部材12を異色の材料で構成したり、
異質の材料で構成することができ、それらの選択及び/
又は組み合わせにより、多様な要求に応えることが可能
となる。
【0075】例えば、上記雌係脱部材11及び雄係脱部
材12の彩色を異ならせることにより、趣向性に富んだ
テープ付き係脱具が製造できるし、また雌係脱部材11
に雄係脱部材12を成形一体化して雄係脱具2を製造す
るにあたって、前記雌係脱部材11の材質として、この
種の係脱具に通常使われているポリアセタール樹脂を使
い、雄係脱具12にはポリアセタール樹脂よりも融点の
高いナイロン6或いは66を使えば、例えばアイロン仕
上げ時に誤ってアイロンの仕上げ温度を高くしまま仕上
げを行ったときに、その係脱頭部12cに高温のアイロ
ンが接触したとしても溶融変形することがなく、雄係脱
具2としての機能を損なうこともない。
【0076】また、本発明の第2部材である雌係脱部材
11又は雄係脱部材12を異色で構成しようとする場合
に、通常はそれぞれの樹脂材料に顔料などを混入させて
着色するが、例えば前記雌係脱部材11にテープの染色
に使われる染料により染色が可能な材質を選択すれば、
テープTと共に同一の染料にて染色することが可能とな
り、或いは前記染料としてテープTには染着しないが、
雌係脱部材11及び/又は雄係脱部材12に染着するも
のを選択すれば、テープTの彩色と各部材の彩色とを異
なるものとすることができる。このように、第2部材に
染色を可能な材質を採用すると、例えばテープTに予め
無色の第2部材が一体成形されたテープ付き係脱具を大
量に製造しておき、必要に応じて所要の量のテープ付き
係脱具の第2部材に染色を施すことができ、能率的な製
造と製品管理が可能となる。
【0077】図10〜図12は本発明の他の代表的な実
施例を示しており、図10は基材付きテープT′の成形
時の状態を、図11は基材付きテープT′の基材部分に
形成される係脱具取付孔3の形成時の状態を、図12は
係脱具取付孔3が形成された前記基材付きテープT′を
使って得られる雌係脱具1の構造を、それぞれ示してい
る。
【0078】本実施例によれば、上述の実施例のごとく
基材成形用金型内にパンチ103aと突出部101aと
を備えておらず、前記係脱具取付孔3は基材10の成形
後であって、基材付きテープT′が金型外に取り出され
たのちに改めて切断刃により形成される。そのため、基
材成形用金型は、図10に示すように可動型131と固
定型132とを備えた通常の射出成形用金型からなり、
型が閉められたのち、図示せぬ射出装置から可動型13
1に形成された基材成形用キャビティ133にゲート1
34を介して溶融樹脂が導入され、可動型131及び固
定型132の間に挿入されたテープTの一表面上に基材
10が成形一体化される。前記基材10は周縁部に肉厚
部10aをもつ円板状を呈しており、図11に示すよう
な円筒刃135と円柱刃136とにより、前記基材10
の中央薄肉部10bの周辺肉薄部を残して、その中央部
に係脱具取付孔3が形成される。
【0079】このようにして得られた基材付きテープ
T′の前記係脱取付孔3から周縁から基材10の外周に
かけて、同基材10を抱持するようにして第2部材であ
る雌係脱部材11が成形一体化される。その成形手法は
図4に示した成形手法が採用できる。この実施例では、
製造されるテープ付き係脱具は雌係脱具1であるため、
中央の開口部11aの内周面11a′は雄係脱具2が係
脱できる係脱面とされている。また、図示例では前記基
材10の肉厚部10aの上面を外部に露出している。か
かる構造をもつ雌係脱具1にあっては、前記基材10及
び雌係脱部材11に異なる彩色を施す場合には意匠的効
果に優れたものとなる。一個の係脱具11に、かかる異
なる彩色を施すことができることも本発明の特徴の一つ
である。
【0080】図13〜図16は、本発明の更に他の代表
的な実施例を示しており、これらの図において上記実施
例と異なるところは、基材10をテープの表裏両面に成
形する点である。すなわち、図13に示すように基材成
形用金型の構造自体は、図2に示した基材成形用金型と
実質的に異なるところはなく、同金型内に金型取付プレ
ート101の突出部101aとパンチ103aを有して
いる。従って、図13に示す部材中、図2に示した部材
と実質的に同一の部材には同一符号を付しており、ここ
では改めて説明することは省略する。
【0081】ただし、本実施例にあっては、前述のよう
に基材10をテープTの表裏両面に成形するため、可動
型102と固定型103の両型に基材成形用キャビティ
102cが形成されることになり、またゲート102b
から導入される溶融樹脂が、テープTの表裏両面に円滑
に流動すべく、テープTの基材成形領域に予め小孔T1
が形成されている。なお、図示例では前記小孔T1 が基
材成形領域の中央部に一つ形成されているが、同小孔T
1 を複数形成してもよく、逆に前記テープTがレース状
のテープであったり、伸縮性の繊維織編物からなり、同
伸縮製繊維織編物を伸長状態で成形する場合には、溶融
樹脂がテープTの表裏面に編織物の組織間を通して流動
しやすいため、テープTに格別の加工を施す必要はな
い。なお、小孔T1 を形成したものにおいて、この小孔
T1 は係脱具取付孔3の大きさより極く小さく、従って
Tの金型への供給時における位置決めにそれほどの精度
が要求されないという利点がある。
【0082】図14は、本実施例により一体成形された
基材付きテープT′の基材10の周面を外部に露出させ
て、他の部分を被包するごとく一方の第2部材である雌
係脱部材11を成形一体化して得られる雌係脱具1が取
り付けられたテープ付き雌係脱具を示している。かかる
構造をもつテープ付き雌係脱具の成形は、図4に示した
実施例と本質的に変わるところはない。従って、その成
形金型及び成形手順の説明は省略する。
【0083】図15は、本発明の一方の第2部材である
前記雌係脱具1を基材として使い、同雌係脱具1に他の
第2部材である雄係脱部材12を成形一体化して得られ
るテープ付き雄係脱具を示している。その成形金型及び
成形手順は、図6に示した実施例と本質的に変わるとこ
ろはない。従って、ここではそれらの説明を省略する。
【0084】図16は、図13に示す成形金型により成
形一体化された基材付きテープT′の基材10を使っ
て、直接、他の第2部材である雄係脱部材12を一体的
に成形して得られるテープ付き雄係脱具を示している。
その成形金型及び成形手順は、既述した図6について説
明した内容と実質的に同じであるため、ここではその説
明は省略する。
【0085】図17〜図21は、本発明の更に他の実施
例を示しており、図17は基材10の成形金型と同金型
内で成形された係脱具取付孔3が形成される前の基材付
きテープT′とを示している。
【0086】図17から理解できるように、本実施例の
基材成形用の金型は、図2に示した可動型102と同様
に、同可動型102に前記金型取付プレート101の突
出部101aを摺動可能に挿入する摺動孔102aが形
成されているが、図2に示した上記実施例と異なり、金
型取付プレート101に突出部101aを有しておら
ず、従って型が閉められた状態では前記摺動孔102a
は単なる円筒空間であるに過ぎない。本実施例において
も、前記摺動孔102aと対向する固定型103の部位
には、前記摺動孔102aの孔径と同一径をもつパンチ
103aが設けられており、係脱具取付孔3を形成する
ときは金型が閉じた状態で前記パンチ103aが前記摺
動孔102aに沿って上昇し、図18に示すように所要
の径をもつ係脱具取付孔3を形成する。なお、図示例に
よれば、前記摺動孔102aの前記金型取付プレート1
01側の開口部は外方に向けて径が順次大きくなるよう
に形成され、前記パンチ103aにより切断される切断
屑の除去を確実なものとしている。
【0087】一方、本実施例による基材10の形状は単
純な環状をなしており、その内径を係脱具取付孔3の径
よりも大きく設定している。従って、係脱具取付孔3は
環状基材10の内径側に露呈しているテープ部分の中央
部に形成され、図18に示すようにその周辺部にはテー
プTの一部が相変わらず露呈して残された状態となる。
【0088】図19は前述のようにしてテープTに成形
一体化された基材付きテープT′に本発明の一方の第2
部材である雌係脱部材11を成形一体化するための成形
用金型と同金型により一体成形されるテープ付き雌係脱
具の成形状態を示している。本実施例にあって、成形金
型の構造は図4に示した構造と格別に変わるところがな
く、その成形手順も同様であるが、ただ前述のように基
材10が環状であって、その環状基材10の内径側にテ
ープTの一部が露呈しているため、成形にあたっては、
同テープTの一部は図19に示すようにキャビティ11
6に導入される溶融樹脂圧によりわずかに波打状とな
り、テープTと雌係脱部材12との固着強度が一段と向
上する。図20は本実施例により製造される雌係脱具1
が取り付けられたテープ付き雌係脱具の構造を示してい
る。
【0089】図21は、前記雌係脱具1を基材として使
い、本発明の他の第2部材である雄係脱部材12を成形
一体化して製造されるテープ付き雄係脱具を示してい
る。このテープ付き雄係脱具の成形金型と成形手順は、
図6に示した実施例と本質的に変わるところがない。
【0090】以上の説明からも明らかなごとく、本発明
にあっては特許請求の範囲に記載された範囲において当
業者であれば多様な変更が可能であり、図示実施例に限
定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のテープ付き雄係脱具及び雌係脱具の外
観形態例を示す部分斜視図である。
【図2】本発明の構成部材の一つである第1部材である
基材をテープに成形一体化するときの成形状態を示す要
部の断面図である。
【図3】第1部材を成形一体化したテープに対する係脱
具取付孔の形成時の状態を示す要部の断面図である。
【図4】前記第1部材に更に第2部材である雌係脱部材
を成形一体化するときの成形状態を示す要部の断面図で
ある。
【図5】同成形により製造されるテープ付き雌係脱具の
一形態例を示す部分断面図である。
【図6】前記雌係脱具上に他の第2部材である雄係脱具
を成形一体化するときの成形状態を示す要部の断面図で
ある。
【図7】前記成形により得られるテープ付き雄係脱具の
一形態例を示す部分断面図である。
【図8】図2により得られる基材付きテープに雄係脱部
材を成形一体化して得られるテープ付き雄係脱具の一形
態例を示す部分断面図である。
【図9】雌係脱具の成形時にその開口部に同時に成形さ
れるゲート成形品を残したまま雄係脱部材を成形一体化
して得られるテープ付き雄係脱具の部分断面図である。
【図10】本発明の構成部材の一つである第1部材であ
る他の形態例をもつ基材をテープに成形一体化するとき
の成形状態を示す要部の断面図である。
【図11】前記基材をテープに一体成形した後の基材付
きテープに係脱具取付孔を形成するときの一例を示す要
部断面図である。
【図12】同基材付きテープを使って成形される雌係脱
具の一例を示す部分断面図である。
【図13】本発明の構成部材の一つである第1部材であ
る他の形態例をもつ基材をテープに成形一体化するとき
の成形状態を示す要部の断面図である。
【図14】同基材が成形一体化されたテープを使って得
られるテープ付き雌係脱具の一例を示す部分断面図であ
る。
【図15】同テープ付き雌係脱具を使って製造されるテ
ープ付き雄係脱具の一例を示す部分切開断面図である。
【図16】前記基材が成形一体化された基材付きテープ
を使って製造されるテープ付き雄係脱具の部分切開断面
図である。
【図17】本発明の構成部材の一つである第1部材であ
る更に他の形態例をもつ基材をテープに成形一体化する
ときの成形状態を示す要部の断面図である。
【図18】前記基材の成形後に金型内で係脱具取付孔を
形成するとき状態を示す部分断面図である。
【図19】前記係脱具取付孔が形成された基材付きテー
プを使って製造されるテープ付き雌係脱具の成形状態を
示す要部断面図である。
【図20】同テープ付き雌係脱具の構造を示す部分断面
図である。
【図21】同テープ付き雌係脱具を使って製造される雄
係脱具の構造を示す部分切開断面図である。
【符号の説明】
1 雌係脱具 2 雄係脱具 3 係脱具取付孔 3′ 切断片 10 基材(第1部材) 10a 肉厚部 10b 薄肉部 11 雌係脱部材(第2部材) 11a 開口部 11a′ 内周面(雌係脱部) 11b 凹欠部 12 雄係脱部材(第2部材) 12a 基部 12b 柱部 12c 係脱頭部(雄係脱部) 12c′ 膨出部 12d 割り溝 14 ランナー成形品 14a サブランナー成形品 15 樹脂貯留部成形品 16 ゲート成形品(通路成形品) 16′ ゲート痕 26 ゲート成形品 101 可動型取付プレート 101a 突出部 101b スプルー 101c ランナー 102 可動型 102a 摺動孔 102b ゲート 102c 基材成形用キャビティ(第1部材
成形用キャビティ) 103 固定型 103a パンチ 104 テープ挿入路 105 エジェクトピン 106 射出装置 106a 射出ノズル 111 可動型 111a サブランナー 111b 樹脂貯留部 111c ゲート(案内通路) 112 可動型取付プレート 112a スプルー 112b ランナー 113 固定金型 113a テープ挿入通路 114 射出装置 114a 射出ノズル 115 エジェクトピン 116 雌係脱部材成形用キャビティ 117 ランナーロックピン 120 雄係脱具成形用金型 121 可動型 121a ゲート 122 固定型 122a 摺動路 123 雄係脱部材成形用キャビティ 123a 基部成形部 125 摺動コア 126 エジェクトピン 131 可動型 132 固定型 133 基材成形用キャビティ 134 ゲート 135 円筒刃 136 円柱刃 T テープ T′ 基材付きテープ T1 小孔

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テープ(T) の係脱具取付位置に雌又は雄
    の係脱具(1,2) を一体成形により固設するテープ付き係
    脱具の製造方法にあって、 前記係脱具取付位置に合成樹脂製の第1部材(10)を成形
    一体化すること、 前記成形一体化された第1部材(10)の成形部位の中央部
    に存在する少なくともテープ部分を切断除去して係脱具
    取付孔(3) を形成すること、及び相手方の係脱具(1,2)
    に係脱する係脱部(11a′,12c) を有する合成樹脂製の第
    2部材(11,12) を、前記係脱具取付孔(3) の周縁をも含
    めて前記第1部材(10)を抱持するように成形一体化する
    こと、を含んでなることを特徴とするテープ付き係脱具
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1部材(10)を前記テープ(T) の一
    表面に成形一体化することを含む請求項1記載のテープ
    付き係脱具の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1部材(10)を前記テープ(T) の表
    裏両面に成形一体化することを含む請求項1記載のテー
    プ付き係脱具の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1部材(10)の外周縁を第2部材成
    形用キャビティ(116)の外周縁に当接する形状で成形す
    ることを含んでなる請求項1記載のテープ付き係脱具の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1部材(10)の係脱具取付孔(3)
    に、中心部が開口する雌係脱部材としての第2部材(11)
    を成形するにあたり、 溶融樹脂を前記取付孔(3) の中心部に導入すること、 中心部に導入された溶融樹脂を放射状または直線状に延
    びる案内通路(111c)に案内すること、及び前記案内通路
    (111c)により案内された溶融樹脂をテープの前記係脱具
    取付孔(3) の周縁に向けてテープに略平行に前記キャビ
    ティ(116) 内に導入すること、を含んでなる請求項1記
    載のテープ付き係脱具の製造方法。
  6. 【請求項6】 更に、雌係脱部(11a′) を有する前記第
    2部材(11)の中心部開口に雄係脱頭部(12c) を有する雄
    係脱部材としての第2部材(12)を成形一体化することを
    含んでなる請求項5記載のテープ付き係脱具の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 溶融樹脂を放射状または直線状に案内す
    る前記案内通路(111c)により成形される通路成形品(16)
    を破断除去すること、 次いで、前記雌係脱部(11a′) を有する第2部材(11)の
    中心開口部(11a) に雄係脱頭部(12c) を有する他の第2
    部材(12)を成形一体化すること、を含んでなる請求項6
    記載のテープ付き係脱具の製造方法。
  8. 【請求項8】 溶融樹脂を放射状または直線状に案内す
    る前記案内通路(106)により成形される通路成形品(16)
    を残存させること、 次いで、前記雌係脱部(11b) を有する第2部材(11)の中
    心開口部(11a) に雄係脱頭部(12c) を有する雄係脱部材
    としての第2部材(12)を成形一体化すること、を含んで
    なる請求項6記載のテープ付き係脱具の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1部材(10)及び第2部材(11,12)
    のそれぞれに、任意の色彩を付与することを含んでなる
    請求項1記載のテープ付き係脱具の製造方法。
  10. 【請求項10】第2部材(11,12) をテープ(T) 上に成形
    したのち、少なくとも同第2部材(11,12) を染料により
    染色することを含んでなる請求項9記載のテープ付き係
    脱具の製造方法。
  11. 【請求項11】テープ(T) 、第1部材(10)及び第2部材
    (11,12) の少なくとも1つを、染着性を異にする材質に
    より構成することを含んでなる請求項10記載のテープ
    付き係脱具の製造方法。
  12. 【請求項12】前記第2部材(12)が係脱頭部(12c) を有
    する雄係脱部材であるとき、同雄係脱部材(12)を他の部
    材(10,11) より融点の高い材質に設定することを含んで
    なる請求項1記載のテープ付き係脱具の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の第1部材(10)の成形用金
    型であって、 固定金型(103) 及び可動金型(102) を有してなり、 前記固定金型(103) の第1部材成形用キャビティ(102c)
    と対応する部位の略中央部に同キャビティ(102c)内に突
    出・退入する取付孔形成用パンチ(103a)を有してなるこ
    とを特徴とする成形用金型。
  14. 【請求項14】請求項1記載のテープ付き係脱具の製造
    方法により製造されるテープ付き係脱具であって、 テープ(T) の係脱具取付部に成形一体化され、中央に切
    断による係脱具取付孔(3) を有する合成樹脂製の第1部
    材(10)と、 同第1部材(10)を抱持するようにして成形一体化され、
    相手方の係脱具(1,2)との係脱部(11a′, 12c)を有する
    合成樹脂製の第2部材(11,12) と、を備えてなることを
    特徴とするテープ付き係脱具。
  15. 【請求項15】前記第1部材(10)の取付孔(3) の内周面
    の一部に凹欠部(11b)を有してなる請求項14記載のテ
    ープ付き係脱具。
  16. 【請求項16】請求項1記載のテープ(T) のテープ付き
    係脱具の製造方法により製造されるテープ付き係脱具で
    あって、 テープ(T) の係脱具取付部に環状に成形一体化される第
    1部材(10)と、 成形後の同第1部材(10)の略中央テープ部分に形成され
    た係脱具取付孔(3) と、 前記第1部材(10)の内部に露出する前記テープ部分を含
    む前記第1部材(10)を抱持するようにして成形一体化さ
    れ、相手方の係脱具(1,2) との係脱部(11a′,12c) を有
    する合成樹脂製の第2部材(11,12) と、を備えてなるこ
    とを特徴とするテープ付き係脱具。
  17. 【請求項17】前記第1部材(10)及び第2部材(11,12)
    が異質の材質から構成されてなる請求項14又は15記
    載のテープ付き係脱具。
  18. 【請求項18】前記第1部材(10)と第2部材(11,12) と
    が異色に構成されてなる請求項1記載のテープ付き係脱
    具。
  19. 【請求項19】前記第2部材(11,12) が少なくとも磁性
    材料を含んでなる請求項14又は15記載のテープ付き
    係脱具。
  20. 【請求項20】前記第2部材(12)が、前記テープ(T) の
    一表面から突出し、スナップファスナーの雌係脱具(1)
    に係脱する係脱頭部(12c) を有してなるスナップファス
    ナーの雄係脱部材である請求項14又は15記載のテー
    プ付き係脱具。
  21. 【請求項21】前記第2部材(11)がスナップファスナー
    の雄係脱具(2) に係脱する雌係脱部(11a′) を有してな
    るスナップファスナーの雌係脱部材である請求項14又
    は15記載のテープ付き係脱具。
  22. 【請求項22】更に、前記雌係脱部材(11)を抱持するよ
    うにして成形された、係脱頭部(12c) をもつ雄係脱部材
    としての第2部材(12)を有してなる請求項21記載のテ
    ープ付き係脱具。
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