JP2000050642A - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP2000050642A
JP2000050642A JP10219089A JP21908998A JP2000050642A JP 2000050642 A JP2000050642 A JP 2000050642A JP 10219089 A JP10219089 A JP 10219089A JP 21908998 A JP21908998 A JP 21908998A JP 2000050642 A JP2000050642 A JP 2000050642A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共通の磁路を持つ多重変圧器を用いた場合で
も、変圧器鉄心の磁束を正しく演算して、変圧器の直流
偏磁を抑制できる電力変換装置を得る。 【解決手段】 電力変換器3A〜3Cを制御するための
交流側出力電圧指令を電圧電流制御回路9から出力す
る。一方、変圧器磁束状態算出部16、変圧器偏磁量算
出部10A〜10C、出力電圧直流分補正制御部11A
〜11Cで段相互間の影響を折り込んだ磁束を算出して
電圧指令補正を出力し、両出力を加算器13A〜13C
で加算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、交流と直流の間
で電力を変換する電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図16は、例えば特開平8−15292
7号公報に示された、複数台の変圧器を介して交流電力
系統に接続される自励式変換器の直流偏磁を防止する従
来の電力変換装置の構成を示すブロック図である。図1
6において、1は交流電力系統、2A〜2Dは変圧器、
3A〜3DはGTOサイリスタ、GCTサイリスタ、I
GBT、トランジスタ等の自己消弧可能な半導体素子か
ら構成され、交直変換可能な自励式変換器、4はコンデ
ンサ等の直流電圧源、5は電流検出器、6は電圧検出
器、7は出力電流基準、8は系統電圧基準、9は電圧電
流制御回路、10A〜10Dは変圧器偏磁量算出部、1
1A〜11Dは出力電圧直流分補正制御部、12は直流
分補正非干渉化部、13A〜13Dは加算器、14A〜
14DはPWM制御回路、15A〜15Dはゲートパル
ス増幅回路である。
【0003】次に図16に示した従来の電力変換装置の
動作について説明する。図16に示した電力変換装置に
おいて、交流電力系統1の電圧もしくは自励式変換器3
A〜3Dの交流側出力電圧に直流成分が含まれていた場
合、変圧器2A〜2Dに直流成分を含んだ励磁電流が流
れることとなるが、この励磁電流の直流成分が変圧器2
A〜2Dを偏磁せしめ、その結果変圧器2A〜2Dの鉄
心を飽和に至らせる。変圧器2A〜2Dの鉄心が飽和し
た場合、変圧器鉄心は図17に示した励磁特性を有する
ため、わずかな電圧変化で急激に電流が増加し、自励式
変換器3A〜3Dのうち、偏磁飽和を起こした変圧器鉄
心に接続された変換器に過電流が発生し保護停止する。
【0004】上記変圧器2A〜2Dを偏磁飽和に至らし
める偏磁量は、変圧器偏磁量算出部10A〜10Dに
て、自励式変換器3A〜3Dの接続する変圧器2A〜2
Dの鉄心の磁束の偏りを算出するために必要な電気量P
11〜P4nを検出し、ここで検出された電気量に基づ
いて変圧器2A〜2D夫々の鉄心の磁束の偏りを算出す
ることによって求められる。その結果を基にして、出力
電圧直流分補正制御部11A〜11Dは、磁束の偏りを
なくすために必要な自励式変換器3A〜3D夫々の交流
側出力電圧制御に対する仮の補正値を算出する。直流成
分補正非干渉化部12では、各自励式変換器3A〜3D
において当該自励式変換器以外の自励式変換器の上記仮
の補正値を非干渉化原理に基づいて加え合わせ、当該自
励式変換器3A〜3Dの交流側出力電圧制御に対する最
終的な補正値が算出される。
【0005】この最終の補正値は、出力電流基準7、電
流検出器5にて検出された電流帰還値、系統電圧基準
8、電圧検出器6にて検出された電圧帰還値より電圧電
流制御回路9にて作成される自励式変換器3A〜3Dの
電圧指令値と加算器13A〜13Dにて加算されること
により、変圧器2A〜2Dの鉄心の磁束の偏りをなくす
ための自励式変換器3A〜3Dの交流側出力電圧の補正
を行う。PWM制御回路14A〜14Dでは加算器13
A〜13Dの出力する補正後電圧指令値に基づいて自励
式変換器3A〜3Dの半導体素子の点弧パルス幅信号を
作成し、ゲートパルス増幅回路15A〜15Dでは自励
式変換器3A〜3Dの半導体素子の点弧を行うゲートパ
ルス信号の増幅を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の電力変換装置は
以上のように構成されているので、直流分補正非干渉化
部により、出力電圧直流分補正制御部の出力による偏磁
制御の相互干渉を抑えることができるが、特開平8−1
52927号公報にて開示された非干渉原理では、図1
6に示されたような個別の鉄心を有する、磁気回路の独
立した変圧器構成の場合にのみに有効である。
【0007】一方、大容量の自励式変換器では、変圧器
容積を小さく抑えるために図18に示した外鉄型多重変
圧器もしくは図19に示した内鉄型多重変圧器と呼ばれ
る多重変圧器を用いる場合が多く、この場合、各段の巻
線の作る起磁力は共通の磁路を持つため、共通の磁路を
介して他の段の鉄心の磁束に影響を与える。例えば、図
18に示した外鉄型多重変圧器の場合、漏れ磁束は無視
し、図示のように片側の鉄心のみについて考えると、一
段目巻線に発生した起磁力F1は磁路M11を介して磁
束Φ11を作るが、この磁束Φ11は磁路M12、磁路
M13にて分流し、磁束Φ12、磁束Φ13を作る。同
様に磁路M13を通った磁束Φ13は磁路M14、磁路
M15に分流して磁束Φ14、磁束Φ15を作り、磁束
15と磁束14が合流して磁束16を作る。磁束Φ11
からΦ16の関係は以下の式(式1)〜(式3)の通り
となる。 Φ13=Φ11−Φ12 ・・・(式1) Φ15=Φ13−Φ14 ・・・(式2) Φ16=Φ14+Φ15 ・・・(式3)
【0008】磁路M11、磁路M13、磁路M15、磁
路M16を通る磁束経路を主鉄心と呼び、磁路M12を
通る磁束Φ12、磁路M14を通る磁束Φ14が無い場
合は、(式1)〜(式3)およびΦ12=Φ14=0よ
りΦ11=Φ16=Φ15となって、全ての磁束は主鉄
心を通って鉄心の磁束状態は1〜3段すべて同じになる
ことがわかる。しかし、実際には磁路M12、磁路M1
4を通る磁束Φ12、Φ14が存在するため、(式1)
〜(式3)よりわかるとおり、各段の鉄心の磁束状態Φ
11、Φ16、Φ15が同じになるとは限らない。この
場合、例えば一段目巻線に発生した起磁力F1は、(式
1)〜(式3)より磁路M11〜M16を介して他の段
の磁束Φ16、Φ15に影響を及ぼすので、他の段の巻
線の発生する起磁力を考慮しなければ各段の鉄心の磁束
Φ11、Φ16、Φ15を正確に算出することができな
い。
【0009】なお、この現象は、各段の巻線間で共通の
磁路を有する変圧器構造であれば同様に発生する現象
で、図19に示した内鉄型多重変圧器を用いた場合で
も、例えば一段目巻線の発生する起磁力F1は磁路M
1、磁路M2、磁路M3、磁路M4を介して磁路M5の
鉄心の磁束Φ5に影響を与えるため、他の段の巻線の発
生する起磁力を考慮しなければ各段の鉄心の磁束状態を
正確に算出することができない。
【0010】しかしながら、特開平8−152927号
公報にて開示されたような非干渉原理を用いて偏磁補正
量を求める従来の手法では、変圧器鉄心が共通の磁路を
持たない独立した変圧器を用いて多重接続した場合に関
してしか考慮されていない。変圧器偏磁量算出部10A
〜10D、出力電圧直流分補正制御部11A〜11D、
直流分補正非干渉化部12いずれでも他の段の巻線の発
生する起磁力の影響を正確に考慮しておらず、そのた
め、変圧器鉄心が図18に示した外鉄型多重変圧器もし
くは図19に示した内鉄型多重変圧器のような共通の磁
路を持ち磁気的に影響を受け合う構成をとった場合に
は、偏磁補正量を誤って出力する場合がある。
【0011】以上のように従来の電力変換装置では、例
えば図18に示した外鉄型多重変圧器もしくは図19に
示した内鉄型多重変圧器を介して自励式変換器が多重接
続された場合に他の段の巻線が作る起磁力の影響を考慮
することが出来ないため、正確な変圧器偏磁量ならびに
前記変圧器偏磁量から演算される偏磁補正量が算出でき
ず、十分な直流偏磁抑制効果を得ることが困難であると
いう問題点があった。本発明は上記のような問題点を解
決するためになされたものであり、共通の磁路を持つ多
重変圧器を用いた場合でも、変圧器鉄心の磁束を正しく
演算して、変圧器の直流偏磁を抑制できる電力変換装置
を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る電力変換
装置は、スイッチング素子を有する複数の電力変換器
と、互いに磁気的に結合された複数の脚鉄を持った鉄
心、脚鉄にそれぞれ巻かれ複数の電力変換器の交流側に
それぞれ接続された複数の直流側巻線および脚鉄にそれ
ぞれ巻かれ交流電源に接続される複数の交流側巻線を有
する多重変圧器と、電力変換器の交流側出力電圧指令を
算出する電圧指令作成手段と、多重変圧器の複数の脚鉄
の磁束状態に応じて交流側出力電圧指令を補正するため
の電圧指令補正を算出する電圧指令補正算出手段とを備
え、出力電圧指令と電圧指令補正に基づいて電力変換器
の交流側出力電圧を制御するようにしたものである。
【0013】請求項2に係る電力変換装置は、請求項1
のものにおいて、電圧指令補正算出手段が、多重変圧器
の複数の直流側巻線および交流側巻線の電気量から複数
の脚鉄の磁束状態を算出する磁束状態算出手段と、この
磁束状態算出手段の出力から電圧指令補正を算出する補
正値算出手段からなるものである。請求項3に係る電力
変換装置は、請求項2のものにおいて、磁束状態算出手
段が、複数の直流側巻線および交流側巻線の電気量と複
数の脚鉄の磁束状態との関係を用いて、電気量から磁束
状態を算出するようにしたものである。
【0014】請求項4に係る電力変換装置は、請求項1
のものにおいて、電圧指令補正算出手段が、多重変圧器
の脚鉄に巻かれた直流側巻線および交流側巻線の電気量
から脚鉄毎に個別に仮電圧指令補正を算出する仮電圧指
令補正算出手段と、仮電圧指令補正から脚鉄相互間の直
流側巻線および交流側巻線の電気量と磁束状態との関係
を用いて電圧指令補正を算出する補正値修正手段からな
るものである。請求項5に係る電力変換装置は、請求項
3または請求項4のものにおいて、電気量と磁束状態と
の関係が、磁気抵抗を用いて表される関係であるとした
ものである。請求項6に係る電力変換装置は、請求項3
のものにおいて、電気量と磁束状態との関係を入力され
た電気量に応じて変化させる非線形な特性として磁束状
態を算出するようにしたものである。請求項7に係る電
力変換装置は、請求項4のものにおいて、電気量と磁束
状態との関係を入力された電気量に応じて変化させる非
線形な特性として電圧指令補正を算出するようにしたも
のである。
【0015】請求項8に係る電力変換装置は、請求項1
のものにおいて、多重変圧器の鉄心の近傍に複数の磁気
検出器を設け、これらの磁気検出器の出力から、電圧指
令補正算出手段により電圧指令補正を算出するようにし
たものである。請求項9に係る電力変換装置は、請求項
8のものにおいて、電圧指令補正算出手段が、複数の磁
気検出器の出力から複数の脚鉄の磁束状態を算出する磁
束状態算出手段と、この磁束状態算出手段の出力から電
圧指令補正を算出する補正値算出手段からなるものであ
る。請求項10に係る電力変換装置は、請求項9のもの
において、複数の脚鉄を磁気的に結合する継鉄の近傍
に、磁気検出器を設けたものである。請求項11に係る
電力変換装置は、請求項8または請求項9のものにおい
て、磁気検出器としてサーチコイルを用いたものであ
る。請求項12に係る電力変換装置は、請求項8または
請求項10のものにおいて、磁気検出器としてホール素
子を用いたものである。
【0016】請求項13に係る電力変換装置は、請求項
9のものにおいて、磁束状態算出手段が、複数の磁気検
出器の出力と複数の脚鉄の磁束状態との関係を用いて、
磁気検出器の出力から磁束状態を算出するようにしたも
のである。請求項14に係る電力変換装置は、請求項1
3のものにおいて、磁気検出器の出力と磁束状態との関
係が、磁気抵抗を用いて表される関係であるとしたもの
である。請求項15に係る電力変換装置は、請求項13
のものにおいて、磁気検出器の出力と磁束状態との関係
を入力された磁気検出器の出力に応じて変化させる非線
形な特性として磁束状態を算出するようにしたものであ
る。請求項16に係る電力変換装置は、請求項5または
請求項15のものにおいて、磁気抵抗が起磁力により変
化するとしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実
施の形態1における電力変換装置の構成を示すブロック
図である。図1において、1は交流電源である交流電力
系統、2は多重変圧器であり、一段目〜三段目の3つの
脚鉄201、202、203およびこれらの脚鉄201
〜203を互いに磁気的に結合する継鉄204、段間磁
路205を持った鉄心200と、脚鉄201〜203に
それぞれ巻かれ後述の3つの電力変換器3A〜3Cの交
流側にそれぞれ接続された3つの直流側巻線(以下、二
次巻線と称する)211、212、213と、脚鉄20
1〜203にそれぞれ巻かれ、互い直列になって交流電
力系統1に接続された3つの交流側巻線(以下、一次巻
線と称する)221、222、223とを有している。
3A〜3CはGTOサイリスタ、GCTサイリスタ、I
GBT、トランジスタ等の自己消弧可能な半導体スイッ
チング素子から構成され、交直変換可能な自励式の電力
変換器、4はコンデンサ、直流電源等の直流電圧源、5
1、52A〜52Cは電流検出器であり、電流検出器5
1で交流電力系統1との間の電流(以下、一次電流と称
する)を検出するとともに電流検出器52A〜52Cで
それぞれ電力変換器3A〜3Cの交流側電流(以下、二
次電流と称する)を検出するようになっている。6は交
流電力系統1の電圧を検出する電圧検出器、7は出力電
流基準、8は系統電圧基準、9は電圧指令作成手段であ
る電圧電流制御回路で、交流電力系統1の電気的状態と
して電圧検出器6および電流検出器51の出力を用いる
とともに、設定条件として出力電流基準7および系統電
圧基準8の設定値を用い、電力変換器3A〜3Cの交流
側出力電圧指令を算出するようになっている。10A〜
10Cは変圧器偏磁量算出部、11A〜11Cは出力電
圧直流分補正制御部、13A〜13Cは加算器、14A
〜14CはPWM制御回路、15A〜15Cはゲートパ
ルス増幅回路、16は鉄心200の磁束状態を算出する
磁束状態算出手段としての変圧器磁束状態算出部であ
り、変圧器偏磁量算出部10A〜10Cと出力電圧直流
分補正制御部11A〜11Cで補正値算出手段を構成
し、この補正値算出手段と変圧器磁束状態算出部16で
電圧指令補正算出手段を構成している。
【0018】また、図2は本実施の形態の変圧器磁束状
態算出部16の構成例を示すブロック図、図3は多重変
圧器2の磁気回路モデルを示す説明図である。図2にお
いて、171、172A〜172Cは変圧器の一次、二
次巻線の巻数倍するゲイン、181A〜181Cは減算
演算を行う減算器、19はゲイン171、172A〜1
72Cおよび減算器181A〜181Cをブロック化し
て構成した起磁力算出部、173AA〜173AC、1
73BA〜173BC、173CA〜173CCは磁気
抵抗に応じた比例定数倍するゲイン、131A〜131
Cは3入力の加算演算を行う加算器、20A〜20C
は、ゲイン173AA〜173AC、173BA〜17
3BC、173CA〜173CCおよび加算器131A
〜131Cをブロック化して構成した磁束算出部であ
り、起磁力算出部19および磁束算出部20A〜20C
で変圧器磁束状態算出部16を構成している。
【0019】次に動作について説明する。電流検出器5
1および電圧検出器6の出力を電圧電流制御回路9へ送
る。電圧電流制御回路9には、出力電流基準7および系
統電圧基準8の設定値が入力されており、これらの値に
基づいて電力変換器3A〜3Cの交流側出力電圧指令を
算出して出力する。この交流側出力電圧指令に対して、
多重変圧器2の鉄心200の脚鉄201〜203に直流
偏磁が生じないようにするために、以下に述べるように
して補正を行う。
【0020】多重変圧器2の鉄心200の磁束状態を検
出するのに必要な電気量として、一次電流I1、二次電
流I2A〜I2Cを電流検出器51、52A〜52Cに
て検出する。電流検出器51、52A〜52Cにて検出
された電流より、変圧器磁束状態算出部16にて変圧器
2の各段脚鉄の磁束状態が算出されるが、変圧器磁束状
態算出部16の詳細な動作を図2、図3を参照して説明
する。変圧器2の一段目〜三段目の各段の起磁力F1か
らF3は以下の(式4)で算出される。 起磁力=(二次巻線巻数×二次電流)-(一次巻線巻数×一次電流)・・・(式4) 一般に起磁力Fと磁束Φの関係は磁気抵抗Rを用いて F=R×Φ ・・・(式5) と書ける。ただし、磁気抵抗Rは磁路長L、透磁率μ、
磁気回路断面積sを用いて R=L/(μ×s) ・・・(式6) で表される。なお、この実施の形態では簡単のために透
磁率μは一定であるとする。
【0021】多重変圧器2の鉄心200が図1において
左右対称として、そのうち片側部分の磁気回路を考え
て、漏れ分を無視すれば、図3の通りモデル化すること
ができる。図3において、磁気抵抗R1〜R10は多重
変圧器2の鉄心200におけるものに相当する。一段目
〜三段目の各段の起磁力F1〜F3と磁束Φ1〜Φ3の
関係は、図3中の磁気抵抗R1〜R10を用いて、磁束
の漏れを考慮しなければそれぞれの磁気閉回路について
以下の(式7)〜(式9)が成り立つ。 F1=R1×Φ1+R5×Φ1+R2×(Φ1-Φ2)+R8×Φ1 ・・・(式
7) F2=-R2×(Φ1-Φ2)+R6×Φ2+R3×(Φ2-Φ3)+R9×Φ2 ・・・(式8) F3=-R3×(Φ2-Φ3)+R7×Φ3+R4×Φ3+R10×Φ3 ・・・(式9) (式7)〜(式9)より各段の脚鉄201〜203の磁
束Φ1〜Φ3を求めることができ、 Φ1=K11×F1+K12×F2+K13×F3 ・・・(式10) Φ2=K21×F1+K22×F2+K23×F3 ・・・(式11) Φ3=K31×F1+K32×F2+K33×F3 ・・・(式12) となる。ただし、K11〜K33は(式7)〜(式9)
より磁束Φ1〜Φ3を求めた場合の係数である。
【0022】従って、(式10)〜(式12)を用いて
変圧器2の鉄心の磁束状態を正しく推定することが出来
るので、図2において、一次電流I1、二次電流I2A
〜I2Cをゲイン171、ゲイン172A〜172Cで
一次巻線の巻数N1、二次巻線の巻数N2A〜N2Cと
乗算し、減算器181A〜181Cにて減算して起磁力
F1〜F3を求め、ゲイン173AA〜173ACにて
(式10)中の係数K1〜K13と乗算し加算器131
Aにて加算して磁束Φ1を求め、ゲイン173BA〜ゲ
イン173BCにて(式11)中の係数K21〜K23
と乗算し加算器131Bにて加算して磁束Φ2を、そし
てゲイン173CA〜ゲイン173CCにて(式12)
中の係数K31〜K33と乗算し加算器131Cにて加
算して磁束Φ3を正しく求めることが出来る。これら磁
束Φ1〜Φ3は変圧器磁束状態として出力される。
【0023】ここで、変圧器磁束状態算出部16は加減
演算回数を減らす目的で図4に示した構成としても構わ
ない。図4は変圧器磁束状態算出部16の別の構成例を
示すブロック図であり、図において、174AA〜17
4AD、174BA〜174BD、174CA〜174
CDは比例定数倍するゲイン、132A〜132Cは4
入力の加算演算を行う加算器である。ゲイン174AA
〜174AD、174BA〜174BD、174CA〜
174CDは、巻数N1、N2A〜N2Cと係数K11
〜K13、K21〜K23、K31〜K33から求めた
ゲインとし、二次電流I2A〜I2Cおよび一次電流I
1をゲイン174AA〜174AD、174BA〜17
4BD、174CA〜174CDにて乗算し、加算器1
32A〜132Cにて加算することによって図2に示し
た変圧器磁束状態算出部16と同じ演算結果を得ること
ができる。変圧器磁束状態算出部16を図4の構成とす
ることによって図2に示した変圧器磁束状態算出部16
に比べ、加減演算の回数を減らすことができ、演算時間
を短縮できる利点がある。
【0024】このようにして変圧器磁束状態算出部16
にて各段の鉄心の磁束状態Φ1〜Φ3を正確に算出する
ことができるため、算出された多重変圧器2の鉄心の磁
束状態Φ1〜Φ3より、変圧器偏磁量算出部10A〜1
0Cにて偏磁量が正しく算出される。鉄心が飽和した場
合の磁束波形は正負非対称となるので、変圧器偏磁量算
出部10A〜10Cは、直流成分を含む交流信号から偏
磁量に相当する直流成分のみを抽出する手段、例えば、
ローパスフィルタ、積分器、移動平均フィルタで構成し
てもよく、あるいは、正負波形の非対称性を抽出する手
段、例えば最大値と最小値の比較器、最大値と最小値の
平均値算出器、フーリエ級数展開による偶数調波の抽出
器などで構成することができる。
【0025】変圧器偏磁量算出部10A〜10Cにて算
出された変圧器偏磁量を元に出力電圧直流分補正制御部
11A〜11Cにて出力電圧直流分の補正値を算出し
て、交流側出力電圧指令に対する電圧指令補正とする。
出力電圧直流分補正制御部11A〜11Cは、変圧器偏
磁量算出部10A〜10Cにて算出された変圧器偏磁量
を変圧器偏磁量帰還値、変圧器偏磁量の指令値を零とし
たフィードバック制御系とみなせるので、例えば、比例
制御、積分制御、微分制御、もしくはこれらの組み合わ
せで構成することができる。出力電圧直流分補正制御部
11A〜11Cにて算出された電圧指令補正は、系統電
圧基準8、電圧検出器6にて検出された系統電圧帰還
値、出力電流基準7、電流検出器51にて検出された出
力電流帰還値から電圧電流制御回路9にて算出された交
流側出力電圧指令と加算器13A〜13Cにて加算さ
れ、PWM制御回路14A〜14Cの入力となる。
【0026】PWM制御回路14A〜14Cでは、加算
器13A〜13Cの出力する各段の電圧指令値に基づい
て自励式の電力変換器3A〜3DのGTOサイリスタ、
GCTサイリスタ、IGBT、トランジスタ等の自己消
弧可能な半導体スイッチング素子の点弧パルス幅信号を
作成する。ゲートパルス増幅回路15A〜15DではP
WM制御回路14A〜14Cで作成した点弧パルス幅信
号を増幅し、自励式変換器3A〜3Dの半導体スイッチ
ング素子の点弧、消弧を行うゲートパルス駆動信号を発
生する。このゲート駆動信号が自励式の電力変換器3A
〜3Cに与えられることにより、電力変換器3A〜3C
は直流電圧源4の電圧に従ってGTOサイリスタ、GC
Tサイリスタ、IGBT、トランジスタ等の自己消弧型
半導体スイッチング素子を点弧、消弧して加算器13A
〜13Cの出力に相当する電圧を発生する。
【0027】以上述べたように図1に示した実施の形態
1の電力変換装置は、(式10)〜(式12)に示した
算出手法によって他の段の巻線の発生する起磁力の影響
を考慮して、正しく変圧器磁束状態を算出することによ
り、変圧器磁束状態を誤算出することなく正しい出力電
圧直流分補正制御を行うことができるため、従来困難で
あった共通の磁路を持つ多重変圧器を介して接続された
自励式変換器においても、当該多重変圧器の直流偏磁を
抑制する効果が得られ、過電流による保護停止を避けて
運転継続性の高い高信頼の電力変換装置を提供すること
が出来る。なお、透磁率は実際は一定でなく、磁界によ
り変化するが、図17に示した励磁特性の線形な領域内
であれば透磁率を一定としても問題なく、また、非線形
な領域であっても上記のように制御することにより、偏
磁量が少なく透磁率の変化が小さい偏磁初期に偏磁を抑
制することが可能であるため、透磁率を一定とみなして
もかまわない。
【0028】実施の形態2.図5は本発明の実施の形態
2の電力変換装置における変圧器磁束状態算出部16の
構成を示すブロック図、図6は本発明の実施の形態2の
電力変換装置における変圧器磁束状態算出部16の動作
手順を示すフローチャートである。図5において、21
AA〜21AC、21BA〜21BC、21CA〜21
CCは起磁力F1〜F3に応じてゲインが変化する可変
ゲインであり、ゲイン21AA〜21AC、21BA〜
21BC、21CA〜21CCおよび加算器131A〜
131Cで磁束算出部20A〜20Cを構成するととも
に、起磁力算出部19と磁束算出部20A〜20Cで変
圧器磁束状態算出部16を構成している。変圧器磁束状
態算出部16を除く他の部分は図1、図2に示した実施
の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0029】実施の形態1と異なる点は、変圧器磁束状
態算出部16において、起磁力F1〜F3より定数K1
1〜K13と乗算し加算器131Aにて加算して磁束Φ
1を求め、定数K21〜K23と乗算し加算器131B
にて加算して磁束Φ2を求め、そして定数K31〜K3
3と乗算し加算器131Cにて加算して磁束Φ3を求め
るが、その際に、可変ゲイン21AA〜21AC、21
BA〜21BC、21CA〜21CCを用いて、変圧器
鉄心の磁界対磁束の非線形な関係に応じて変圧器磁束状
態を算出する点である。
【0030】本実施の形態の背景は、変圧器鉄心が図1
7に示したように、電気量としての励磁電流と磁束との
間に非線形な特性を持つことにある。図17では変圧器
鉄心の励磁電流対磁束の関係を示しているが、励磁電流
Iと磁界Hの関係は巻数N、磁路長Lを用いて下記(式
13)の通りであり、また、磁束Φと磁界Hの関係は透
磁率μ、断面積sを用いて(式14)の通りであるの
で、励磁電流対磁束の非線形な関係に従って、変圧器鉄
心の透磁率μもまた励磁電流によって変化する。 H=N×I/L ・・・(式13) Φ=s×μ×H ・・・(式14) 従って、(式5)より鉄心の磁気抵抗Rが変化し、(式
10)〜(式12)中の係数K11〜K13、K21〜
K23、K31〜K33も変化し、特に飽和に近い領域
で大きく変化して変圧器磁束状態の推定にずれが生じる
場合がある。しかしながら、励磁電流Iと起磁力Fは巻
数Nを用いて次の(式15)の通りであるので、可変ゲ
イン21AA〜21AC、21BA〜21BC、21C
A〜21CCを設けて係数K11〜K13、K21〜K
23、K31〜K33を起磁力Fに応じて可変にするこ
とにより、変圧器鉄心の非線形な関係を補償し変圧器磁
束状態の推定のずれを防ぐことが出来る。 I=F/N ・・・(式15)
【0031】次に動作について説明する。図5におい
て、起磁力算出部19で起磁力F1〜F3を算出する。
可変ゲイン21AA〜21AC、21BA〜21BC、
21CA〜21CCでは、実測もしくは理論計算により
求められた変圧器鉄心の特性と起磁力算出部19によっ
て算出された起磁力F1〜F3より透磁率μを算出し、
(式6)に示された関係より磁気抵抗R1〜R10を算
出し、(式7)〜(式9)より磁束Φ1〜Φ3を(式1
0)〜(式12)の通り求める過程にて係数K11〜K
13、K21〜K23、K31〜K33を求めることが
できるので、この結果に従って係数K11〜K13、K
21〜K23、K31〜K33を変化させる。起磁力F
1〜F3は実施の形態1と同様に、可変ゲイン21AA
〜21ACにて係数K11〜K13と乗算し加算器13
1Aにて加算して磁束Φ1、可変ゲイン21BA〜21
BCにて係数K21〜K23と乗算し加算器131Bに
て加算して磁束Φ2、可変ゲイン21CA〜21CCに
て係数K31〜K33と乗算し加算器131Cにて加算
して磁束Φ3が算出され、磁束Φ1〜Φ3が変圧器磁束
状態として出力される。
【0032】図5に示した起磁力算出部16の動作手順
をフローチャートにて説明したものが図6である。変圧
器鉄心の透磁率μは磁束に依存して決まるために図6に
示した方法で計算した磁束Φ1〜Φ3は誤差を含むが、
通常、誤差は小さいので前回の計算で求めたΦ1〜Φ3
を用いて透磁率μを計算し、可変ゲイン21AA〜21
AC、21BA〜21BC、21CA〜21CCの係数
K11〜K13、K21〜K23、K31〜K33を求
めてよい。あるいは、この誤差を補正するために、Φ1
〜Φ3より透磁率μを算出し直して図6のステップ3か
らステップ5までを繰り返して誤差を収束させた後に可
変ゲイン21AA〜21AC、21BA〜21BC、2
1CA〜21CCの係数K11〜K13、K21〜K2
3、K31〜K33を求めてもよい。
【0033】なお、図5に示した変圧器磁束状態算出部
16では、起磁力F1〜F3より係数K11〜K13、
K21〜K23、K31〜K33を求めているが、巻数
比を考慮した一次電流と二次電流の差分である励磁電流
より係数K11〜K13、K21〜K23、K31〜K
33を求めても構わない。また、一次電流I1、二次電
流I2A〜I2Cより起磁力F1〜F3を求め、可変ゲ
イン21AA〜21AC、21BA〜21BC、21C
A〜21CC、加算器131A〜131Cを用いて磁束
密度Φ1〜Φ3を求めているが、図4に示した変圧器磁
束状態算出部16と同様に一次電流I1、二次電流I2
A〜I2Cに係数を乗じて加算する手法を用いても同様
の効果が得られる。また、本実施の形態では、可変ゲイ
ンを用いて変圧器鉄心の非線形な関係を補償している
が、起磁力F1〜F3と磁気抵抗R1〜R10もしくは
磁束Φ1〜Φ3の非線形な関係、あるいは励磁電流と磁
気抵抗R1〜R10もしくは磁束Φ1〜Φ3の非線形な
関係を予め求めておいてテーブル化して適宜読み出す方
式としても同様の効果が得られる。
【0034】以上述べたように図5に示した変圧器磁束
演算手段16を設けた実施の形態2の電力変換装置は、
起磁力F1〜F3に応じて係数K11〜K13、K21
〜K23、K31〜K33を求める可変ゲイン21AA
〜21AC、21BA〜21BC、21CA〜21CC
を設けることにより、変圧器鉄心の非線形性の大きい領
域でも起磁力F1〜F3に応じて係数K11〜K13、
K21〜K23、K31〜K33を可変とすることによ
って正しい変圧器磁束状態算出ができる。この様な領域
でも他の段の巻線の発生する起磁力の影響に応じて、正
しく変圧器磁束状態を算出することにより、正しい出力
電圧直流分補正制御を行うことができるため、従来困難
であった共通の磁路を持つ多重変圧器の直流偏磁を抑制
する効果が得られ、過電流による保護停止を避けて運転
継続性の高い高信頼の電力変換装置を提供することが出
来る。
【0035】実施の形態3.図7は本発明の実施の形態
3における電力変換装置の構成を示すブロック図、図8
は図7に示した電力変換装置の他段発生起磁力影響補正
部22の構成を示したブロック図である。図7におい
て、182A〜182Cは電流検出器52A〜52C、
51にて検出された二次電流と一次電流の巻数比を考慮
した差分をとって励磁電流を求める減算器、22は出力
電圧直流分補正制御部11A〜11Cの出力を、他段の
発生する起磁力に応じて補正する補正値修正手段として
の他段発生起磁力影響補正部である。図8において、1
75AA〜175AC、175BA〜175BC、17
5CA〜175CCは出力電圧直流分補正制御部11A
〜11Cの出力を入力とし、係数K14〜K16、K2
4〜K26、K34〜K36を乗算するゲイン、132
A〜132Cはゲイン175AA〜175AC、175
BA〜175BC、175CA〜175CCの出力を加
算し他段発生起磁力影響補正を行う加算器である。23
A〜23Cはゲイン175AA〜175ACと加算器1
32A、ゲイン175BA〜175BCと加算器132
B、ゲイン175CA〜175CCと加算器132Cを
ブロック化した他段発生起磁力影響補正演算部であり、
他段発生起磁力影響補正部22を構成している。変圧器
偏磁量算出部10A〜10Cと出力電圧直流分補正制御
部11A〜11Cで仮電圧指令補正手段を構成するとと
もに、この仮電圧指令補正手段と他段発生起磁力影響補
正部22で電圧指令補正手段を構成している。なお、減
算器182A〜182C、他段発生起磁力影響補正部2
2を除く他の部分は図1、図2に示した実施の形態1と
同様であるので説明を省略する。
【0036】次に動作について説明する。実施の形態1
と異なる点は変圧器磁束状態算出部16を用いて他の段
の巻線の発生する起磁力の影響を考慮して変圧器磁束状
態を算出するのでなく、他段発生起磁力補正部22にて
他の段の巻線の発生する起磁力の影響を補正して同様の
効果を得た点である。図7において、電流検出器52A
〜52Cにて検出された多重変圧器2の二次電流は電流
検出器51にて検出された一次電流と巻数比を考慮して
減算器182A〜182Cにて減算され励磁電流が算出
される。減算器182A〜182Cにて算出された励磁
電流は変圧器偏磁量算出部10A〜10Cにて脚鉄20
1〜203毎に個別に変圧器偏磁量が算出され、出力電
圧直流分補正制御部11A〜11Cにて出力電圧直流分
補正値が算出され、仮電圧指令補正として出される。こ
の仮電圧指令補正は(式10)〜(式12)に示される
他段巻線の発生する起磁力の影響の補正がなされてない
が、他段発生起磁力影響補正部22にて他段巻線の発生
する起磁力の影響分を修正され、加算器13A〜13C
に最終的な電圧指令補正として出力されることによって
他段巻線の発生する起磁力の影響による誤差を排除する
ことが出来る。
【0037】ここで、他段発生起磁力影響補正部22の
動作を図8を参照して説明する。実施の形態1にて他段
の巻線の発生する起磁力の影響を補正した変圧器磁束算
出手段16では、二次電流と一次電流から起磁力Fを求
め、磁束算出部20A〜20Cにて磁束Φ1〜Φ3を算
出することによって他段の巻線の発生する起磁力の影響
による誤差を排除したが、本実施の形態では、減算器1
82A〜182Cにて励磁電流を求めることにより、各
段毎の起磁力に比例した信号が得られるため、変圧器偏
磁量算出部10A〜10C、出力電圧直流分補正制御部
11A〜11Cを介して出力される信号も各段毎の起磁
力に比例した信号となっている。そこで、実施の形態1
にて用いた磁束算出部20A〜20Cにて乗算した係数
K11〜K13、K21〜K23、K31〜K33もし
くは励磁電流と起磁力の関係を考慮して係数K11〜K
13、K21〜K23、K31〜K33に巻数Nを乗算
した係数K14〜K16、K24〜K26、K34〜K
36をゲイン175AA〜ゲイン175AC、175B
A〜175BC、175CA〜175CCにて乗算し、
加算器132A〜132Cにて加算することによって実
施の形態1と同様の効果を得ることが出来る。
【0038】なお、変圧器偏磁量算出部10A〜10C
の出力、出力電圧直流分補正制御部11A〜11Cの出
力ともに各段の起磁力に比例した信号となっているた
め、他段発生起磁力影響補正部22は、変圧器偏磁量算
出部10A〜10Cと出力電圧直流分補正制御部11A
〜11Cの間でも、加算器13A〜13CとPWM制御
回路14A〜14Cの間に設けても同様の効果を得るこ
とができる。
【0039】以上述べたように図7に示した実施の形態
3の電力変換装置は、(式10)〜(式12)に示した
算出手法によって他の段の巻線の発生する起磁力の影響
を補正することにより、変圧器磁束状態に応じて正しい
出力電圧直流分補正制御を行うことができるため、従来
困難であった共通の磁路を持つ多重変圧器を介して接続
された自励式変換器においても、当該多重変圧器の直流
偏磁を抑制する効果が得られ、過電流による保護停止を
避けて運転継続性の高い高信頼の電力変換装置を提供す
ることが出来る。
【0040】実施の形態4.図9は本発明の実施の形態
4における電力変換装置の構成を示すブロック図、図1
0は図9に示した電力変換装置の他段発生起磁力影響補
正部22の構成を示したブロック図である。図9におい
て、他段発生起磁力影響補正部22の入力は減算器18
2A〜182Cにて求められた励磁電流ならびに出力電
圧直流分補正制御部11A〜11Cの出力である。図1
0において、21AA〜21AC、21BA〜21B
C、21CA〜21CCは出力電圧直流分補正制御部1
1A〜11Cの出力を減算器182A〜182Cの出力
に応じて係数K14〜K16、K24〜K26、K34
〜K36を可変係数として乗算する可変ゲイン、132
A〜132Cは可変ゲイン21AA〜21AC、21B
A〜21BC、21CA〜21CCの出力を加算し他段
発生起磁力影響補正をした電圧指令補正を出力する加算
器である。尚、他段発生起磁力影響補正部22を除く他
の構成部分は図7、図8に示した実施の形態3と同様で
あるので説明を省略する。
【0041】次に動作について説明する。実施の形態3
と異なる点は他段発生起磁力補正部22中ゲイン175
AA〜175AC、175BA〜175BC、175C
A〜175CCを可変ゲイン21AA〜21AC、21
BA〜21BC、21CA〜21CCとし、実施の形態
2と同様変圧器鉄心の非線形な関係を折り込むように補
償した点である。図9において、実施の形態3と同様、
出力電圧直流分補正制御部11A〜11Cの出力が他段
発生起磁力影響補正部22の入力となるが、図10にお
いて、この入力を係数倍する可変ゲイン21AA〜21
AC、21BA〜21BC、21CA〜21CCの係数
K14〜K16、K24〜K26、K34〜K36は減
算器182A〜182Cの出力に応じて可変となる、減
算器182A〜182Cにて励磁電流を求めることによ
り、各段毎の起磁力に比例した信号が得られるため、変
圧器偏磁量算出部10A〜10C、出力電圧直流分補正
制御部11A〜11Cを介して出力される信号もその起
磁力に比例した信号となっており、実施の形態2と同様
の手法で係数K11〜K13、K21〜K23、K31
〜K33もしくは励磁電流と起磁力の関係を考慮して係
数K11〜K13、K21〜K23、K31〜K33に
巻数Nを乗算した係数K14〜K16、K24〜K2
6、K34〜K36を可変とし、加算器132A〜13
2Cにて加算することによって実施の形態2と同様の効
果を得ることができる。
【0042】尚、変圧器偏磁量算出部10A〜10Cの
出力、出力電圧直流分補正制御部11A〜11Cの出力
ともに各段の起磁力に比例した信号となっているため、
実施の形態3同様に他段発生起磁力影響補正部22は、
変圧器偏磁量算出部10A〜10Cと出力電圧直流分補
正制御部11A〜11Cの間でも、加算器13A〜13
CとPWM制御回路14A〜14Cの間に設けても同様
の効果を得ることができる。また、実施の形態2と同様
に、可変ゲインを用いる代わりに起磁力F1〜F3と磁
気抵抗R1〜R10もしくは磁束Φ1〜Φ3の非線形な
関係、あるいは励磁電流と磁気抵抗R1〜R10もしく
は磁束Φ1〜Φ3の非線形な関係を予め求めておいてテ
ーブル化して適宜読み出す方式としても同様の効果が得
られる。
【0043】以上述べたように図9に示した実施の形態
4の電力変換装置は、励磁電流に応じて係数K14〜K
16、K24〜K26、K34〜K36を求めて可変ゲ
イン21AA〜21AC、21BA〜21BC、21C
A〜21CCを設けることにより、変圧器鉄心の非線形
性の大きい領域でも励磁電流に応じて係数K14〜K1
6、K24〜K26、K34〜K36を可変とすること
によって正しい変圧器磁束状態算出ができる。この様な
領域でも他の段の巻線の発生する起磁力の影響に応じ
て、正しく変圧器磁束状態を算出することにより、正し
い出力電圧直流分補正制御を行うことができるため、従
来困難であった共通の磁路を持つ多重変圧器の直流偏磁
を抑制する効果が得られ、過電流による保護停止を避け
て運転継続性の高い高信頼の電力変換装置を提供するこ
とが出来る。
【0044】実施の形態5.図11は本発明の実施の形
態5における電力変換装置の構成を示すブロック図、図
12は図11に示した実施の形態5の電力変換装置の変
圧器磁束状態算出部16の構成を示すブロック図であ
る。図11において、24A〜24Cは多重変圧器2の
鉄心200の脚鉄201〜203の近傍に設けられ、磁
気検出器として磁界を検出するサーチコイル、16はサ
ーチコイル24A〜24Cの出力から変圧器磁束状態を
算出する変圧器磁束状態算出部である。また、変圧器偏
磁量算出部10A〜10Cと出力電圧直流分補正制御部
11A〜11Cで補正値算出手段を構成している。
【0045】図12において、25A〜25Cはサーチ
コイル24A〜24Cの出力を積分し、磁界を求める積
分器、26は積分器25A〜25Cをブロック化した磁
界算出部である。176AA〜176AC、176BA
〜176BC、176CA〜176CCは比例定数倍す
るゲイン、133A〜133Cは3入力の加算演算を行
う加算器、20A〜20Cはゲイン176AA〜176
AC、176BA〜176BC、176CA〜176C
Cおよび加算器133A〜133Cをブロック化して構
成した磁束算出部であり、磁界算出部26と磁束算出部
20A〜20Cで変圧器磁束状態算出部16を構成して
いる。その他の部分は図1、図2に示した実施の形態1
の場合と同様であるので説明を省略する。
【0046】次に動作について説明する。図11におい
て、サーチコイル24A〜24Cの出力電圧Vは、サー
チコイル24A〜24Cが設置されている空間の磁界H
Sの時間微分であるから、サーチコイルの巻数をNS、サ
ーチコイルの断面積をSS、サーチコイルの磁心透磁率
をμS、時間をtとすると、 V=(NS×SS×μS)dHS/dt ・・・(式16) で表される。従って、図12に示した通り変圧器磁束密
度状態算出部16中、サーチコイル24A〜24Cの出
力を積分器25A〜25Cにて積分することにより、次
の(式17)によりサーチコイル24A〜24Cが設置
されている空間の磁界HSが得られる。
【0047】
【数1】
【0048】(式17)でH0は積分の初期値で初期磁
界を表す。初期値H0は起動時、残留磁束が存在しない
場合は0でよい。残留磁束が存在する場合、残留磁束の
直接検出を行わない限り、初期値を知ることは出来ず、
また、開始位相によりオフセットが残った場合、初期磁
界H0とオフセットとの区別が出来ないが、初期値H0
は(式17)で求めた空間の磁界HSが含む偶数次調波
を求め、その増減から偏磁の進行を判定する方法等で初
期値H0が不明でも偏磁を判断できる。またオフセット
を除去する方法としてはローパスフィルタにより除去す
る方法、(式17)から求めた空間の磁界HSを一定時
間監視することによりオフセット量を判断して除去する
方法がある。あるいは(式17)から求めた空間の磁界
Sの瞬時波形における正負の最大を比較すればオフセ
ットを考慮する必要はない。
【0049】ここで、サーチコイル24A〜24Cは脚
鉄201〜203近傍すなわち各段の巻線近傍に設置さ
れているので、サーチコイル24A〜24C周辺の磁界
は各段巻線の発生する磁界となるが、一次巻線と二次巻
線が密に設置されていることより、一次巻線の発生する
磁界と二次巻線の発生する磁界の合成磁界即ち励磁磁界
となりサーチコイル24A〜24Cを積分器25A〜2
5Cにて積分することによって励磁磁界を得ることが出
来る。以上のようにサーチコイルは磁気検出器として動
作する。積分器25A〜25Cにて得られた励磁磁界
は、(式13)、(式15)よりわかるとおり、(式1
0)〜(式12)中起磁力F1〜F3に比例した量なの
で、実施の形態1と同様の手法で定数K11〜K13、
K21〜K23、K31〜K33を得ることができ、ゲ
イン176AA〜176AC、176BA〜176B
C、176CA〜176CCにて係数K11〜K13、
K21〜K23、K31〜K33倍して加算器133A
〜133Cにて加算することによって磁束Φ1〜Φ3を
得ることが出来る。この様にして得られた変圧器2の磁
束状態Φ1〜Φ3は各段の変圧器偏磁量算出部10A〜
10Cに与えられ、実施の形態1と同様に作用する。
【0050】以上述べたように図11に示した実施の形
態5の電力変換装置は、(式10)〜(式12)に示し
た算出手法によって他の段の巻線の発生する励磁磁界の
影響を考慮して、正しく変圧器磁束状態を算出すること
により、変圧器磁束状態を誤算出することなく正しい出
力電圧直流分補正制御を行うことができるため、従来困
難であった共通の磁路を持つ多重変圧器を介して接続さ
れた自励式変換器においても、当該多重変圧器の直流偏
磁を抑制する効果が得られ、過電流による保護停止を避
けて運転継続性の高い高信頼の電力変換装置を提供する
ことが出来る。
【0051】実施の形態6.図13は本発明の実施の形
態6の変圧器磁束状態算出部16の構成を示すブロック
図である。図13において、21AA〜21AC、21
BA〜21BC、21CA〜21CCは積分器25A〜
25Cの出力を入力値に応じて係数K17〜K19、K
27〜K29、K37〜K39を可変係数として乗算す
る可変ゲインであり、可変ゲイン21AA〜21AC、
21BA〜21BC、21CA〜21CCおよび加算器
133A〜133Cで磁束算出部133A〜133Cを
構成している、可変ゲイン21AA〜21AC、21B
A〜21BC、21CA〜21CCを除く他の構成部分
は実施の形態5と同様であるので説明を省略する。
【0052】次に動作について説明する。実施の形態5
と異なる点は変圧器磁束状態算出部16中ゲイン176
AA〜176AC、176BA〜176BC、176C
A〜176CCを可変ゲイン21AA〜21AC、21
BA〜21BC、21CA〜21CCとし、実施の形態
2、実施の形態4と同様変圧器鉄心の非線形な関係を補
償した点である。図13において、実施の形態5と同
様、サーチコイル24A〜24Cの出力が変圧器磁束状
態算出部16の入力となるが、サーチコイル24A〜2
4Cの出力を積分器25A〜25Cにて積分することに
より各段の励磁磁界を求めることができ、積分器25A
〜25Cにて得られた励磁磁界は実施の形態5と同様に
起磁力に比例した量であるので、実施の形態2と同様に
係数K11〜K13、K21〜K23、K31〜K33
に相当した係数K17〜K19、K27〜K29、K3
7〜K39を可変ゲイン21AA〜21AC、21BA
〜21BC、21CA〜21CCにて乗算し、加算器1
33A〜133Cにて加算して磁束Φ1〜Φ3を得るこ
とによって実施の形態2と同様の効果を得ることが出来
る。
【0053】以上述べたように実施の形態6の電力変換
装置は、励磁磁界に応じて係数K17〜K19、K27
〜K29、K37〜K39を可変とする可変ゲイン21
AA〜21AC、21BA〜21BC、21CA〜21
CCを設けることにより、変圧器鉄心の非線形性の大き
い領域でも励磁電流に応じて係数K17〜K19、K2
7〜K29、K37〜K39を可変とすることによって
正しい変圧器磁束状態算出ができる。この様な領域でも
他の段の巻線の発生する起磁力の影響に応じて、正しく
変圧器磁束状態を算出することにより、正しい出力電圧
直流分補正制御を行うことができるため、従来困難であ
った共通の磁路を持つ多重変圧器の直流偏磁を抑制する
効果が得られ、過電流による保護停止を避けて運転継続
性の高い高信頼の電力変換装置を提供することが出来
る。
【0054】実施の形態7.図14は本発明の実施の形
態7における電力変換装置の構成を示すブロック図、図
15は図14に示した実施の形態7の電力変換装置の変
圧器磁束状態算出部16の構成を示すブロック図であ
る。図15中25A〜25Cは積分器であり、これらで
変圧器磁束状態算出部16を構成している。本実施の形
態の実施の形態5との相違点はサーチコイル24A〜2
4Cを脚鉄201〜203上の変圧器巻線の近傍でなく
巻線の発生する磁界の影響を直接受けない継鉄204の
近傍に設けた点および変圧器磁束状態算出部16の構成
が異なっている点であり、その他の部分は実施の形態5
と同様であるので説明を省略する。
【0055】次に動作について説明する。サーチコイル
24A〜24Cにてサーチコイル設置点での磁界を検出
可能であることは実施の形態5にて説明したが、図14
に示した通り巻線の発生する磁界の影響を直接受けない
変圧器鉄心外側の継鉄204側面に設置した場合、設置
点の磁界は変圧器の継鉄204の磁束が発生する磁界と
なるが、これは、継鉄204の磁束と比例する量であ
る。ここで、変圧器の継鉄204の磁束を図3を参照し
て考えると、漏れの影響を無視した場合、変圧器鉄心内
で磁束経路は閉じているので、継鉄204の磁束はΦ1
〜Φ3となり各段巻線の巻かれた脚鉄201〜203の
磁束Φ1〜Φ3と一致する。従って、変圧器鉄心外側の
継鉄側面付近の磁界を検出することによって、各段の脚
鉄の磁束状態Φ1〜Φ3と同じ量を検出することが出
来、実施の形態1〜実施の形態6にて算出した他段発生
起磁力の影響を補正する必要がなくなる。従って、図1
4に示した通り、磁界監視巻線24A〜24Cにて検出
した信号を積分器25A〜25Cにて積分することによ
り変圧器2の鉄心の磁束状態Φ1〜Φ3を算出すること
が出来、この積分器25A〜25Cの出力を変圧器各段
偏磁量算出部10A〜10Cの入力とすることによって
実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0056】以上述べたように図14に示した実施の形
態7の電力変換装置は、巻線の発生する磁界の影響を直
接受けない継鉄近傍にてサーチコイルを用いて正しく変
圧器磁束状態を算出することにより、変圧器磁束状態を
誤算出することなく正しい出力電圧直流分補正制御を行
うことができるため、従来困難であった共通の磁路を持
つ多重変圧器を介して接続された自励式変換器において
も、当該多重変圧器の直流偏磁を抑制する効果が得ら
れ、過電流による保護停止を避けて運転継続性の高い高
信頼の電力変換装置を提供することが出来る。
【0057】尚、実施の形態5〜実施の形態7では磁気
検出器としてサーチコイルを用いたが、ホール素子等磁
気量を検出できる検出器であれば何れを用いても構わな
い。また、サーチコイルの出力を積分して磁界を得てい
るが、ノイズによる影響が少ない場合はサーチコイルの
出力を直接用いても構わない。この場合、ノイズ成分が
減衰されなくなるが、偶数磁調波の抽出により偏磁量を
算出する場合には偶数調波成分の減衰を防ぐことが出来
る。また、実施の形態1〜実施の形態7では、外鉄型三
段多重変圧器を例に説明したが、段間で共通の磁路を持
ち、磁気相互作用のある変圧器なら、図19に示したよ
うな内鉄型多重変圧器等他の構成の変圧器でも構わない
し、(式10)〜(式12)を求めたのと同じ手法を用
いれば、二段あるいは四段以上の多重変圧器にも適用可
能である。また、磁気抵抗Rは鉄心に限らず、ギャップ
を有する構造をとった場合は、磁気抵抗Rとして空気の
磁気抵抗もしくは絶縁材の磁気抵抗を(式6)より求め
て、構成に合わせて直列もしくは並列に接続する手法で
磁気抵抗を算出することにより任意の鉄心構造の変圧器
に対して適用可能である。
【0058】また、実施の形態1〜実施の形態7で示し
た変圧器磁束状態算出部16をマイクロコンピュータ、
DSP等の演算手段を用いて実現しても構わない。ま
た、実施の形態1〜実施の形態4では変圧器の電気量と
して電流を検出しているが、電圧等他の電気量によって
も同様の効果が得られる。また、実施の形態1〜実施の
形態7では、説明を簡略にするため単相回路にて説明し
たが、二相以上の多相の場合でも構わず、三相構成の場
合、変圧器結線がスター/スター結線でもスター/デル
タ結線でもデルタ/デルタ結線でも同様の手法を用いて
同様の効果を得ることが出来る。また、実施の形態1〜
実施の形態7では、変圧器の一次巻線は直列に結線され
ているが、変圧器巻線が並列に配線されていても構わ
ず、同様の手法を用いて同様の効果が得られる。
【0059】また、実施の形態1〜実施の形態7では、
加算器13Aの出力に従って電圧を発生する変換器とし
てGTO、GCT、IGBT、トランジスタ等自己消弧
可能な半導体スイッチング素子を用いた自励式変換器を
用いて説明したが、電圧指令に従った電圧を発生する変
換器であればサイリスタ変換器、サイクロコンバータ等
何れでもよい。また、実施の形態2、実施の形態4、実
施の形態6中の可変ゲインに代わって、予め用意したメ
モリテーブル等の記憶手段を用いて入力に応じて必要な
値を出力する手段を用いても構わない。
【0060】
【発明の効果】この発明に係る電力変換は以上のように
構成され、電圧指令補正算出手段により多重変圧器の複
数の脚鉄の磁束状態に応じて補正して電力変換器の交流
側出力電圧を制御するので、変圧器磁束状態を誤算出す
ることなく他の段の巻線の発生する起磁力の影響を折り
込んで、正しい出力電圧直流分補正制御を行うことがで
き、従来困難であった共通の磁路を持つ多重変圧器の直
流偏磁を抑制する効果が得られ、過電流による保護停止
を避けて運転継続性の高い高信頼の電力変換装置を提供
することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の電力変換装置の構成
を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1の電力変換装置の変圧
器磁束状態算出部の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態1の電力変換装置の多重
変圧器の磁気回路のモデルを示す説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態1の電力変換装置の変圧
器磁束状態算出部の別の構成を示すブロック図である。
【図5】 本発明の実施の形態2の電力変換装置の変圧
器磁束状態算出部の構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態2の電力変換装置の変圧
器磁束状態算出部の動作アルゴリズムを示すフローチャ
ートである。
【図7】 本発明の実施の形態3の電力変換装置の構成
を示すブロック図である。
【図8】 本発明の実施の形態3の電力変換装置の他段
発生起磁力影響補正部の構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明の実施の形態4の電力変換装置の構成
を示すブロック図である。
【図10】 本発明の実施の形態4の電力変換装置の他
段発生起磁力影響補正部の構成を示すブロック図であ
る。
【図11】 本発明の実施の形態5の電力変換装置の構
成を示すブロック図である。
【図12】 本発明の実施の形態5の電力変換装置の変
圧器磁束状態算出部の構成を示すブロック図である。
【図13】 本発明の実施の形態6の電力変換装置の変
圧器磁束状態算出部の構成を示すブロック図である。
【図14】 本発明の実施の形態7の電力変換装置の構
成を示すブロック図である。
【図15】 本発明の実施の形態7の電力変換装置の変
圧器磁束状態算出部の構成を示すブロック図である。
【図16】 従来の電力変換装置の構成を示すブロック
図である。
【図17】 変圧器鉄心の励磁電流と磁束の関係を示す
特性図である。
【図18】 外鉄型多重変圧器を示す斜視図である。
【図19】 内鉄型多重変圧器を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 交流電力系統、2 多重変圧器、3A〜3C 電力
変換器、9 電圧電流制御回路、10A〜10C 変圧
器偏磁量算出部、11A〜11C 出力電圧直流分補正
制御部、16 変圧器磁束状態算出部、22 他段発生
起磁力影響補正部、24A〜24C サーチコイル、2
00 鉄心、201〜203 脚鉄、204 継鉄、2
11〜213 直流側巻線、221〜223 交流側巻
線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02M 7/219 H02M 7/219 (72)発明者 光庵 豊一 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5E070 AA11 AA20 AB03 AB10 BA20 CA13 DB08 5G066 DA01 DA08 DA10 LA04 5H006 AA02 AA04 AA05 BB02 CA01 CA05 CB01 CB08 CC01 DA02 DA04 DB02 DB05 DB07 DC02 DC05 HA84 5H007 AA02 AA05 AA06 BB02 CA01 CA05 CB03 CB05 CC01 DA05 DA06 DB02 DB05 DB07 DC02 DC05 EA02 FA05 HA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スイッチング素子を有する複数の電力変
    換器と、互いに磁気的に結合された複数の脚鉄を持った
    鉄心、前記脚鉄にそれぞれ巻かれ前記複数の電力変換器
    の交流側にそれぞれ接続された複数の直流側巻線および
    前記脚鉄にそれぞれ巻かれ交流電源に接続される複数の
    交流側巻線を有する多重変圧器と、前記電力変換器の交
    流側出力電圧指令を算出する電圧指令作成手段と、前記
    多重変圧器の複数の脚鉄の磁束状態に応じて前記交流側
    出力電圧指令を補正するための電圧指令補正を算出する
    電圧指令補正算出手段とを備え、前記出力電圧指令と電
    圧指令補正に基づいて前記電力変換器の交流側出力電圧
    を制御するようにしたことを特徴とする電力変換装置。
  2. 【請求項2】 電圧指令補正算出手段は、多重変圧器の
    複数の直流側巻線および交流側巻線の電気量から複数の
    脚鉄の磁束状態を算出する磁束状態算出手段と、この磁
    束状態算出手段の出力から電圧指令補正を算出する補正
    値算出手段からなることを特徴とする請求項1記載の電
    力変換装置。
  3. 【請求項3】 磁束状態算出手段は、複数の直流側巻線
    および交流側巻線の電気量と複数の脚鉄の磁束状態との
    関係を用いて、前記電気量から前記磁束状態を算出する
    ようにしたことを特徴とする請求項2記載の電力変換装
    置。
  4. 【請求項4】 電圧指令補正算出手段は、多重変圧器の
    脚鉄に巻かれた直流側巻線および交流側巻線の電気量か
    ら前記脚鉄毎に個別に仮電圧指令補正を算出する仮電圧
    指令補正算出手段と、前記仮電圧指令補正から前記脚鉄
    相互間の前記直流側巻線および交流側巻線の電気量と磁
    束状態との関係を用いて電圧指令補正を算出する補正値
    修正手段からなることを特徴とする請求項1記載の電力
    変換装置。
  5. 【請求項5】 電気量と磁束状態との関係は、磁気抵抗
    を用いて表される関係であるとしたことを特徴とする請
    求項3または請求項4記載の電力変換装置。
  6. 【請求項6】 電気量と磁束状態との関係を入力された
    前記電気量に応じて変化させる非線形な特性として前記
    磁束状態を算出するようにしたことを特徴とする請求項
    3記載の電力変換装置。
  7. 【請求項7】 電気量と磁束状態との関係を入力された
    前記電気量に応じて変化させる非線形な特性として電圧
    指令補正を算出するようにしたことを特徴とする請求項
    4記載の電力変換装置。
  8. 【請求項8】 多重変圧器の鉄心の近傍に複数の磁気検
    出器を設け、これらの磁気検出器の出力から、電圧指令
    補正算出手段により電圧指令補正を算出するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  9. 【請求項9】 電圧指令補正算出手段は、複数の磁気検
    出器の出力から複数の脚鉄の磁束状態を算出する磁束状
    態算出手段と、この磁束状態算出手段の出力から電圧指
    令補正を算出する補正値算出手段からなることを特徴と
    する請求項8記載の電力変換装置。
  10. 【請求項10】 複数の脚鉄を磁気的に結合する継鉄の
    近傍に、磁気検出器を設けたことを特徴とする請求項9
    記載の電力変換装置。
  11. 【請求項11】 磁気検出器としてサーチコイルを用い
    たことを特徴とする請求項8または請求項10記載の電
    力変換装置。
  12. 【請求項12】 磁気検出器としてホール素子を用いた
    ことを特徴とする請求項8または請求項10記載の電力
    変換装置。
  13. 【請求項13】 磁束状態算出手段は、複数の磁気検出
    器の出力と複数の脚鉄の磁束状態との関係を用いて、前
    記磁気検出器の出力から前記磁束状態を算出するように
    したことを特徴とする請求項9記載の電力変換装置。
  14. 【請求項14】 磁気検出器の出力と磁束状態との関係
    は、磁気抵抗を用いて表される関係であるとしたことを
    特徴とする請求項13記載の電力変換装置。
  15. 【請求項15】 磁気検出器の出力と磁束状態との関係
    を入力された前記磁気検出器の出力に応じて変化させる
    非線形な特性として前記磁束状態を算出するようにした
    ことを特徴とする請求項13記載の電力変換装置。
  16. 【請求項16】 磁気抵抗は、起磁力により変化すると
    したことを特徴とする請求項5または請求項15記載の
    電力変換装置。
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