JP2008289267A - 電力変換装置およびその制御方法 - Google Patents

電力変換装置およびその制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008289267A
JP2008289267A JP2007131154A JP2007131154A JP2008289267A JP 2008289267 A JP2008289267 A JP 2008289267A JP 2007131154 A JP2007131154 A JP 2007131154A JP 2007131154 A JP2007131154 A JP 2007131154A JP 2008289267 A JP2008289267 A JP 2008289267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
power converter
transformer
output
hall
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007131154A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomomichi Ito
智道 伊藤
Hiromitsu Sakai
洋満 酒井
Shuji Kato
修治 加藤
Jun Narushima
じゅん 鳴島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2007131154A priority Critical patent/JP2008289267A/ja
Publication of JP2008289267A publication Critical patent/JP2008289267A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)
  • Rectifiers (AREA)

Abstract

【課題】
ギャップのない変圧器を介して電力変換器が交流電力を授受する場合、変圧器の励磁電流は定格電流の1%未満となり、従来のホールCTでは精度よく励磁電流を検出できず変圧器の飽和を抑制できない恐れがある。
【解決手段】
電力変換器から変圧器に出力する電流をホールCTで検出する。このホールCTには二次巻線を設け、その二次巻線に抵抗器を接続し、ホールCTのコアに発生する交流成分を低減して低周波成分を精度よく検出する。電力変換器出力電流の低周波成分検出値に基づき前記電力変換器の交流出力電圧を制御し、励磁電流の平均値がゼロになるよう制御する。
【効果】
電力変換器の出力する電流の低周波成分を精度よく検出できるため、精度よく偏磁抑制制御ができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、変圧器を介して電力を授受する電力変換器およびその制御方法に関するものである。
変圧器を介して交流電源との間で電力を授受する電力変換器において、電力変換器が変圧器に出力する電圧に直流成分が含まれる場合、変圧器を直流励磁してしまう。直流励磁された変圧器は励磁電流が増加し、励磁電流の平均値がゼロから変化する。このように励磁電流の平均値がゼロからずれた状態を偏磁と言う。変圧器が偏磁し、励磁電流平均値がゼロから離れていくと、変圧器のコアである鉄心が磁気飽和する。磁気飽和すると変圧器の励磁インダクタンスが急激に低下するため、電力変換器の過電流トリップの原因となる。
変圧器の偏磁を抑制するための方法として、特許文献1に示されたように変圧器1次電流検出値と2次電流検出値より励磁電流を算出し、励磁電流平均値をゼロに制御する方法が知られている。
上記方法では励磁電流の直流成分を検出する必要があるため、電力変換器の出力電流をシャント抵抗やホールCTなど直流成分を検出できる検出手段で検出しなければいけない。
電力変換器の出力電流が大きい場合、シャント抵抗は大きくなり、システム全体が大きくなってしまうという欠点がある。
ホールCTの採用によりシステムの大型化を避けることができるが、ホールCTではホールCTの周囲温度変化による温度ドリフトにより直流電流を正確に検出することは難しく、具体的には1%程度の精度しか望めない。
変圧器のコアにギャップを設けると、励磁電流は定格電流の数%まで増加できるため、変圧器コアの磁気飽和が発生しない範囲でのホールCTを用いた直流電流検出およびその検出値を用いた偏磁抑制制御が可能となる。しかし、ギャップを挿入すると変圧器騒音が増加し、励磁電流が増加するため変圧器の損失も増加してしまう。
変圧器のコアにギャップを設けない場合、通常励磁電流は定格電流の1%より小さくなり、ホールCTによって正確に励磁電流を検出することができず、変圧器の偏磁を抑制できない。
一方、大きな交流電流中の微小直流成分を高精度に検出する方法が特許文献2で開示されている。
上記方法は電力変換器の交流出力電流を検出するホールCTのコアに二次巻線を設け、この二次巻線をショートするものである。電力変換器の交流出力電流に含まれる交流成分はホールCTのコアに交流磁束を誘起するが、この交流磁束が二次巻線を鎖交する。二次巻線には磁束の変化を抑制する方向に起電力が発生し、二次巻線には前記交流磁束を打ち消す方向の電流が流れ、結果としてホールCTのコアに発生する交流磁束が低下する。直流成分については磁束の変化が無いため、二次巻線には起電力が発生せず磁束を打ち消す電流も流れない。
ゆえに、上記ホールCTの電力変換器の交流出力電流に対する出力の伝達特性は直流成分に対してはゲインが高く、交流成分に対してはゲインが低くなる。
交流成分に対してはゲインが低下するため、電力変換器の定格出力電流に対して小さい定格検出電流のホールCTを用いて直流成分を検出できる。ゆえに、直流成分の検出精度を向上することができる。
このように精度よく前記交流出力電流の直流成分を検出できるため、該検出値を用いて前記電力変換器の交流出力電圧を制御し、前記交流出力電流の低周波成分を抑制することで精度よく前記変圧器の偏磁を抑制することができる。
特開2001−78455号公報 特開平8−62254号公報
上記ホールCTの二次巻線に発生する起電力は上記ホールCTのコア内に発生する磁束の時間変化率に比例するため、ホールCTを貫通する電線に流れる電流の周波数が高ければ高いほど大きくなり、周波数が低くなればなるほど小さくなる。しかし、上記二次巻線を短絡している場合、二次巻線の電流を制限する要素は巻線の抵抗値だけとなり、小さい起電力でも二次巻線に電流が流れ、そのため上記ホールCTのコア内に発生する磁束は低い周波数成分であっても相殺されやすい。
上記ホールCTの、貫通する電流に対する該ホールCTの出力周波数特性を図7に示す。ここで、貫通する電流の直流成分に対する該ホールCTの出力ゲインを0dBとした。
電流の周波数成分が高くなると起電力が大きくなるため、貫通電流により発生する磁束の相殺される割合が大きくなり、上記ホールCTの出力ゲインも低下する。
上記ホールCTのカットオフ周波数は磁束が相殺されはじめる周波数であり、二次巻線電流に依存する。一方、二次巻線の電流は二次巻線の抵抗値により制限される。ゆえに、カットオフ周波数は二次巻線の抵抗値に依存する。なお、二次巻線の抵抗値が小さければ小さいほど同じ起電力で発生する二次巻線電流が大きくなるため、磁束が相殺されやすくなり、カットオフ周波数は低くなる。
負荷変動などにより電力変換器の出力電圧が変動した場合、励磁電流も変動する。特許文献2に記載の方法で励磁電流の直流成分を検出する場合、励磁電流の変動成分も二次巻線電流により相殺されるため、ホールCTの出力は励磁電流の変動に対して大きく遅れる。この遅れにより、ホールCTの出力が変動する前に変圧器が磁気飽和してしまう恐れがある。
上記問題を解決するために、本発明の電力変換装置およびその制御方法においては、電力変換器の交流出力電流が流れる電線がコア内側を貫通するホールCTに二次巻線を設け、二次巻線の両端を、抵抗器を介して接続する。前記構成のホールCT出力信号を元に電力変換器の出力電圧を制御する。
本発明の電力変換装置およびその制御方法においては、前記電力変換器の交流出力電流が流れると前記ホールCTのコア内に磁束が発生し、該磁束が前記二次巻線を鎖交する。該二次巻線には、該鎖交磁束の時間変化に比例した起電力が発生し、前記二次巻線には前記鎖交磁束の時間変化を打ち消す方向の電流が流れる。
前記二次巻線の両端を、抵抗器を介して接続することにより、該二次巻線を短絡したときに比べて該二次巻線の回路インピーダンスが増加する。そのため、該二次巻線を短絡したときに比べて該二次巻線に流れる電流値を小さくできる。電流値が小さくなると前記ホールCTのコア内に発生する磁束は相殺されにくくなる。一方、前記二次巻線に発生する起電力は前記鎖交磁束の時間変化に比例するため、前記電力変換器の交流出力電流の周波数が低くなればなるほど小さくなる。ゆえに該交流出力電流の低周波成分に対する前記ホールCTコア内に発生する磁束は相殺されにくくなるため、低周波数に対する上記ホールCTのゲインを高くすることができる。
また、抵抗器の抵抗値を適切に選定することで、上記ホールCTの電力変換器交流出力電流に対する出力特性を、交流電源周波数成分に対してはゲインを小さく、低周波数成分に対してはゲインを大きくすることができる。
ところで、負荷変動などにより前記電力変換器の交流出力電圧が変動した場合、前記変圧器に印加される電圧が変化するため該変圧器の励磁電流が変化する。このとき、該励磁電流には前記交流系統定格周波数成分のみならず低周波成分も含む。
本発明においては該電力変換器の交流出力電流の低周波成分に対してゲインを大きくすることができるため、前記交流出力電流に含まれる前記変圧器励磁電流の低周波成分も精度よく検出することができる。
精度よく検出した前記変圧器励磁電流の低周波成分検出値を用い、前記電力変換器の交流出力電圧を制御し、前記電力変換器が前記変圧器に出力する交流出力電流の低周波成分を低減することで、前記電力変換器の交流出力電圧が変動した場合でも高精度に前記変圧器の偏磁を抑制することができる。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
本発明の第一実施例を、図1を用いて説明する。
図1には直流電力を負荷に供給する電力変換システムを示す。電力変換システムは交流電源1,変圧器2,電力変換器3,直流コンデンサ4,負荷5、また、電力変換器3を制御する制御部200を備えている。
電力変換器3の直流出力端子は直流コンデンサ4および負荷5に接続される。また、電力変換器3の交流出力端子は変圧器2の2次端子に接続される。変圧器2の1次端子は交流電源1に接続される。
制御部200は電圧センサ11,13,電流センサ10,12の出力に基づき、直流コンデンサ4の端子電圧を一定に保つよう電力変換器3の出力電圧指令値を算出する。
制御部200の演算内容について以下説明する。
電圧センサ11は直流コンデンサ4の端子電圧を、電圧センサ13は交流電源電圧を検出する。直流コンデンサ電圧と交流電源電圧の検出値は電圧制御器201に入力され、電圧制御器201は直流コンデンサ電圧を一定に保つための電流指令値を算出し、減算器202に出力する。
電流センサ12は変圧器1次側電流を検出し、その検出値を減算器202に出力する。減算器202は電圧制御器202により算出された電流指令値と変圧器一次側電流検出値の差を算出し、その差を電流制御器203に出力する。
電流制御器203は電流指令値と変圧器一次側電流検出値の偏差を定数倍し、その積を電流制御用補正電圧として加算器205に出力する。
乗算器204は交流電源電圧検出値を変圧器の電圧比で乗算し、その積を加算器205に出力する。
加算器205は電流制御器203と乗算器204の出力を加算し、その和を減算器207に出力する。
電力変換器3に加算器205の出力に応じた交流電圧を出力させることにより、直流コンデンサ4の端子電圧を一定に保つことができる。
また、変圧器2の偏磁を抑制するため、電流検出器10で電力変換器3の交流出力電流低周波成分を検出し、その検出値を乗算器206で乗算した後、減算器207に出力する。これにより、電力変換器3は変圧器2の2次側電流の低周波成分を低減する補正電圧を出力するため、変圧器2の偏磁を抑制することができる。
以下、本発明の電流検出器10について図2を用いて説明する。
図2には電流検出器10の構成を示す。
電流検出器10はコア100,ホール素子101,ホール素子の出力電圧を増幅するアンプ102,二次巻線103、そして抵抗器104により構成される。抵抗器104は二次巻線103に接続され、二次巻線103の両端子は抵抗器104を介して接続される。また、電力変換器3の交流出力電流I1が流れる電線はコア100の内側を貫通する。
電流検出器10の出力はアンプ102の出力である。
次に電流検出器10の動作について説明する。
電力変換器3の交流出力電流I1が流れると、コア100には電流I1に比例した磁束が発生し、二次巻線103に鎖交する。鎖交した磁束は二次巻線103に磁束の変化を抑制する方向に起電力を発生させ、抵抗104により制限された電流I2が二次巻線103に流れる。ゆえにコアの交流磁束は低減される。
二次巻線103に発生する起電力は、二次巻線103に鎖交する磁束の時間変化に比例するため、低い周波数に対しては二次巻線103に発生する起電力が小さくなり、二次巻線103に流れる電流I2も小さくなり、磁束の低減量が減る。
ホール素子101はコアの磁束に比例した電圧を出力し、アンプ102はホール素子の出力電圧を増幅するため、電流検出器10の出力は低周波成分に対してはゲインが高く、高周波成分に対してはゲインが下がる。低周波成分を高いゲインで検出することができるため、直流電流検出のS/N比を向上でき、高精度な偏磁抑制制御が可能となる。
次に図3を用いて電流検出器10の出力周波数特性について説明する。電流検出器10の等価回路を図3に示す。この等価回路においては、コア100を貫通する電線のインダクタンスを持つ等価リアクトル105、電力変換器3の交流出力電流I1の流れる電線から見込んだ抵抗104の等価抵抗106を備えている。
二次巻線103のターン数をn、抵抗器104の抵抗値をR[Ω]とすると、等価抵抗106の抵抗値はR/(n2)[Ω]に等しい。
また、等価リアクトル105のインダクタンスをL0[H]とすると、等価リアクトル105に流れる電流にL0を乗算した値はコア100に発生する磁束に相当する。
ホール素子101はコア100に発生した磁束に比例した電圧を出力するため、電流検出器10の出力はインダクタンス105に流れる電流に比例する。ゆえに、電力変換器3の交流出力電流I1がインダクタンス105に分流する特性が電流センサ10の出力特性となる。
電力変換器3の交流出力電流I1がインダクタンス105に分流する分流特性G(s)は図3より次式で与えられる。
Figure 2008289267
ゆえに、電流センサ10の出力周波数特性は時定数n20/Rの一次ローパスフィルタとなり、抵抗値Rを調整することで所望のカットオフ周波数を持つ特性に設定できる。
例えば交流電源周波数が50Hzであり、50Hz成分についてはゲインを−20[dB]以下とし、1Hz以下の変動に対しては位相遅れを抑制したい場合はカットオフ周波数が5Hzとなるように時定数n20/Rを設定し、抵抗値を決めればよい。
制御器200は上記のように設定した周波数特性を持つ電流センサ10の出力を定数倍し、電力変換器3の出力電圧指令値から減算する。電流センサ10を用いることにより精度よく交流出力電流I1の低周波数成分(5Hz以下)を検出することができ、該検出値を用いて電力変換器3の交流出力電圧を制御することにより交流出力電流I1の低周波成分を精度よく低減することができる。
ところで、負荷変動などにより電力変換器3の交流出力電圧が変化した場合、変圧器2の励磁電流も変化し、このときの該励磁電流には交流電源1の定格周波数以外に低周波数成分を含む。
変圧器2の励磁電流は交流出力電流I1に含まれるため、電流センサ10は該励磁電流の低周波成分も精度よく検出することができる。
ゆえに、制御器200は負荷変動などにより電力変換器3の交流出力電圧が変化した場合でも、精度よく検出された前記励磁電流の低周波成分検出値を用い、電力変換器3の交流出力電圧を制御し、前記励磁電流の低周波成分を低減でき、変圧器2の偏磁を精度よく抑制することが可能である。
なお、本実施例では電流センサ10の出力周波数特性を設定するため二次巻線103に抵抗器104を接続したが、二次巻線103の線材に抵抗成分を持たせ、二次巻線103の抵抗値を抵抗器104と同様に設定することで本発明と同様の効果を得ることができる。
本実施例によれば、電力変換器3から変圧器に出力する電流の低周波成分を高精度に検出できる。これにより電力変換器3の交流出力電圧が変動した場合でも高精度に偏磁抑制制御が可能となる。
本発明の第二実施例を、図4を用いて説明する。
本実施例と本発明第一実施例の差異は、電力変換器3の交流出力電流低周波数成分を検出する電流センサを、電流センサ10に加え、ギャップを持つコア100とは別のコアを設け、該コアを用いて二次巻線電流を生成し、該二次巻線電流をコア100に巻く二次巻線103に流し、コア100に発生する交流磁束を相殺する点にある。
前述の実施例1においてコア100の大きさにより二次巻線103のターン数が制約を受ける場合、カットオフ周波数を維持するには1式より抵抗値R[Ω]を小さくする必要がある。しかし、抵抗値R[Ω]が非常に小さい場合、二次巻線自体の抵抗値が設定値R[Ω]を超えてしまい、電流センサの出力周波数特性の維持ができなくなる可能性がある。
本実施例によれば、コア100の大きさにより二次巻線ターン数が制約を受ける場合でも十分な起電力を確保でき、電流センサの出力に所望の周波数特性の実現が可能となる。
以下、先の実施例と異なる点のみ説明する。また、図4にて図1と同一機能部は同一符号をつけ、重複説明を防ぐ。
電力変換器3から変圧器2に出力する電流の低周波数成分を検出するため、電力変換器3と変圧器2の配線には電流センサ30を設置する。
電流センサ30の構成について図5を用いて説明する。
電流センサ30はギャップレスコア300と、二次巻線301と、電流センサ10と、により構成される。電流センサ30の出力は、実施例1と同様、アンプ102の出力である。ここでギャップレスコアとは、積極的にギャップを設けず、該コアを貫通する電線のインダクタンスの5割以上が該コアを構成する磁性体の磁路長に依存するコアとする。
ギャップレスコア300には二次巻線301を設け、二次巻線301の両端は二次巻線103,抵抗器302を介して接続する。
電力変換器3の交流出力電流I1の流れる電線はコア100およびギャップレスコア300の内側を貫通する。
交流出力電流I1の高周波成分に対しては、該電流成分がコア100に発生する磁束を二次巻線103に流れる電流I2が相殺するように電流センサ30の回路を構成する。そのためには、交流出力電流I1がコア100を鎖交するターン数と二次巻線103のターン数の積が、交流出力電流I1がコア300を鎖交するターン数と二次巻線301のターン数の積が等しくなければいけない。本実施例では、交流出力電流I1がコア100を鎖交するターン数を1、コア300を鎖交するターン数を1としているため、二次巻線103と二次巻線301のターン数を等しくした。
次に図6を用いて電流センサ30の出力周波数特性について説明する。図6には電流センサ30の等価回路を示す。この等価回路においては、ギャップレスコア300を貫通する電線のインダクタンスL0′[H]を持つ等価リアクトル305、電力変換器3の交流出力電流I1が流れる電線から見込んだ抵抗器104の等価抵抗306を備えている。
コア100はホール素子101を挿入するためのギャップを持つため、インダクタンスL0[H]は大きくすることが難しい。一方、コア300にはギャップがないため、インダクタンスL0′[H]を大きくすることが可能である。
抵抗器302の抵抗値をR[Ω]とすると、等価抵抗の抵抗値はR/(n2)[Ω]に等しい。また、実施例1と同様に、リアクトル105に流れる電流にインダクタンスL0[H]を乗じた値がコア100に発生する磁束に相当する。ホール素子101の出力電圧はコア100の磁束に比例し、アンプ102はホール素子101の出力電圧を増幅する。電流センサ30の出力はアンプ102の出力である。ゆえに、電力変換器3の交流出力電流I1がリアクトル105および305に分流する特性が電流センサ30の出力特性となる。
電力変換器3の交流出力電流I1がリアクトル105,305に分流する特性をG′(s)とすると図6より次式で与えられる。
Figure 2008289267
ゆえに、電流センサ30の出力周波数特性は時定数n2(0+L0′)/Rの一次ローパスフィルタとなり、抵抗値Rを調整することで所望のカットオフ周波数を持つ特性に設定できる。
また、式2よりコア100の大きさによりターン数nを大きくできない場合でも、コア300を設けることで抵抗値Rを二次巻線103と301の抵抗値の和以上に設定することが可能であり、電流センサ30のカットオフ周波数を任意に設定可能である。
制御器200は上記のように設定した周波数特性を持つ電流センサ30の出力を定数倍し、電力変換器3の出力電圧指令値から減算することで電力変換器3の交流出力電流I1の低周波成分を抑制することができ、その結果変圧器2の磁気飽和を抑制することができる。
なお、本実施例では電流センサ30の出力周波数特性を設定するため二次巻線に抵抗器104を接続したが、二次巻線104,301の線材に抵抗成分を持たせ、二次巻線104,301の抵抗値を抵抗器104と同様に設定することで本実施例と同様の効果を得ることができる。
本実施例によれば、電力変換器3から変圧器に出力する電流の低周波成分を高精度に検出できる。これにより電力変換器3の交流出力電圧が変動した場合でも高精度に偏磁抑制制御が可能となる。
また、コア100の大きさから二次巻線ターン数が制約を受ける場合でも十分な起電力を得ることができるため、電流センサのカットオフ周波数を任意に設定できる。
本発明は、変圧器を介して交流電力の授受をする電力変換システムの変圧器偏磁抑制制御に関するものであり、コンバータ、STATCOM、周波数変換器などに利用可能である。
本発明第一実施例の説明図。 本発明第一実施例の説明図。 本発明第一実施例の説明図。 本発明第二実施例の説明図。 本発明第二実施例の説明図。 本発明第二実施例の説明図。 従来技術の説明図。
符号の説明
1 交流電源
2 変圧器
3 電力変換器
4 直流コンデンサ
5 負荷
10,12,30 電流検出器
11,13 電圧センサ
200 制御部

Claims (12)

  1. 変圧器を介して交流系統に連系され、電力変換器と前記変圧器の間に流れる電流を、ホールCTを用いて検出し、該検出値を用いて該電力変換器の交流出力電圧を制御する電力変換装置において、前記ホールCTはコアに巻かれた二次巻線を有し、該二次巻線には抵抗器が接続されることを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1記載の電力変換装置において、
    前記電力変換器は連系する交流系統の定格周波数より低い周波数の交流電流を出力することを特徴とする電力変換装置。
  3. 変圧器を介して交流系統に連系され、変圧器と電力変換器の間に流れる電流を検出する電流検出手段を有し、該電流検出手段の検出値を用いて前記電流の低周波数成分を低減するよう交流出力電圧を制御する電力変換装置において、
    前記交流系統定格周波数の十分の一以下である周波数領域では、前記電流に対する前記電流検出手段の出力ゲインは周波数依存性が小さく、前記電流の周波数が高くなればなるほど前記電流に対する前記電流検出手段の出力ゲインが低下することを特徴とする電力変換装置。
  4. 請求項3記載の電力変換装置において、
    請求項3記載の電流のうち周波数が前記交流系統定格周波数の十分の一以下である電流に対する前記電流検出手段の出力ゲインが、前記電流の直流成分に対する出力ゲインに対して−6dB以上であり、なおかつ前記交流系統定格周波数の電流に対する前記電流検出手段の出力ゲインが−10dB以下であることを特徴とする電力変換装置。
  5. 変圧器を介して交流系統に連系する電力変換装置において、
    電力変換器と変圧器の間にながれる電流を電流検出手段で検出し、該電流検出手段が、磁性体で構成されるコアと、ホールCTと、前記コアと前記ホールCT両方に鎖交する巻線と、該巻線に接続する抵抗器とを備え、前記電流検出手段の出力を用いて該電力変換器の交流出力電圧を制御することを特徴とする電力変換装置。
  6. 変圧器を介して交流系統に連系する電力変換装置において、
    電力変換器と変圧器の間にながれる電流を電流検出手段で検出し、該電流検出手段が、磁性体で構成されるコアと、ホールCTと、前記コアと前記ホールCT両方に鎖交する巻線とを備え、前記電流検出手段の出力を用いて該電力変換器の交流出力電圧を制御することを特徴とする電力変換装置。
  7. ホールCTと、ホールCTのコアに巻かれた二次巻線と、該二次巻線に接続する抵抗器を備えたことを特徴とする電流センサ。
  8. 変圧器を介して交流系統に連系され、前記変圧器と電力変換器の間に流れる電流を検出する電流検出手段を有し、該電流検出手段の出力を用いて前記電流の低周波成分を低減するよう交流出力電圧を変化させる電力変換装置の制御方法において、
    前記電流に対する前記電流検出手段の出力ゲインは前記交流系統定格周波数の十分の一以下である周波数成分に対しては変化が少なく、前記電流の周波数が高くなればなるほど前記電流に対する前記電流検出手段の出力ゲインが低下することを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  9. 変圧器を介して交流系統に連系され、電力変換器と前記変圧器の間に流れる電流を、ホールCTを用いて検出し、該検出値を用いて該電力変換器の交流出力電圧を制御し、前記電流の低周波成分を低減する電力変換装置の制御方法において、
    前記ホールCTはコアに巻かれた二次巻線を有し、該二次巻線には抵抗器が接続されていることを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  10. 変圧器を介して交流系統に連系する電力変換装置の制御方法において、
    電力変換器と変圧器の間に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、該電流検出手段は磁性体で構成されるコアと、ホールCTと、前記コアと前記ホールCT両方に鎖交する巻線と、該巻線の両端を接続する接続回路とを備え、該電流検出手段の出力に応じて前記電流の低周波成分を低減するよう交流出力電圧を変化させることを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  11. 請求項8から請求項10いずれかに記載の電力変換装置の制御方法において、
    請求項中に記載の低周波数成分は電力変換装置が連系する交流系統の定格周波数より低い周波数であることを特徴とする電力変換装置の制御方法。
  12. 磁性体で構成されるコアと、ホールCTと、前記磁性体で構成されるコアとホールCT両方に鎖交する巻線を備えたことを特徴とする電流センサ。
JP2007131154A 2007-05-17 2007-05-17 電力変換装置およびその制御方法 Pending JP2008289267A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007131154A JP2008289267A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 電力変換装置およびその制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007131154A JP2008289267A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 電力変換装置およびその制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008289267A true JP2008289267A (ja) 2008-11-27

Family

ID=40148470

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007131154A Pending JP2008289267A (ja) 2007-05-17 2007-05-17 電力変換装置およびその制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008289267A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017203712A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 北川工業株式会社 電流センサー
JP2019103234A (ja) * 2017-12-01 2019-06-24 東芝産業機器システム株式会社 直流アクティブフィルタ、変換装置
TWI693779B (zh) * 2018-12-07 2020-05-11 大陸商昂寶電子(上海)有限公司 使用霍爾效應感測器的開關模式功率轉換器及其方法
JP2020522714A (ja) * 2017-06-09 2020-07-30 エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッドLs Electric Co., Ltd. 電流検知装置
WO2021161945A1 (ja) * 2020-02-11 2021-08-19 株式会社デンソー 電源安定化装置

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01265168A (ja) * 1987-12-11 1989-10-23 Agence Spatiale Europ 電流測定装置
JP2004229389A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Hitachi Ltd 電力変換器及びその制御方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01265168A (ja) * 1987-12-11 1989-10-23 Agence Spatiale Europ 電流測定装置
JP2004229389A (ja) * 2003-01-22 2004-08-12 Hitachi Ltd 電力変換器及びその制御方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017203712A (ja) * 2016-05-12 2017-11-16 北川工業株式会社 電流センサー
JP2020522714A (ja) * 2017-06-09 2020-07-30 エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッドLs Electric Co., Ltd. 電流検知装置
US11385265B2 (en) 2017-06-09 2022-07-12 Ls Electric Co., Ltd. Current sensing device
JP2019103234A (ja) * 2017-12-01 2019-06-24 東芝産業機器システム株式会社 直流アクティブフィルタ、変換装置
JP6997605B2 (ja) 2017-12-01 2022-01-17 東芝産業機器システム株式会社 直流アクティブフィルタ、変換装置
TWI693779B (zh) * 2018-12-07 2020-05-11 大陸商昂寶電子(上海)有限公司 使用霍爾效應感測器的開關模式功率轉換器及其方法
US11316442B2 (en) 2018-12-07 2022-04-26 On-Bright Electronics (Shanghai) Co., Ltd. Switch-mode power converters using hall effect sensors and methods thereof
US11581819B2 (en) 2018-12-07 2023-02-14 On-Bright Electronics (Shanghai) Co., Ltd. Switch-mode power converters using hall effect sensors and methods thereof
WO2021161945A1 (ja) * 2020-02-11 2021-08-19 株式会社デンソー 電源安定化装置
JP7492227B2 (ja) 2020-02-11 2024-05-29 株式会社デンソー 電源安定化装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2924450B1 (en) Current detecting device
US6954060B1 (en) a-c current transformer functional with a d-c current component present
US20170219632A1 (en) Current transducer with fluxgate detector
EP2787363B1 (en) Geomagnetic sensor
US20090289618A1 (en) Zero-phase current detecting apparatus
JP2008289267A (ja) 電力変換装置およびその制御方法
JP2012008009A (ja) 電流センサ
JP6220748B2 (ja) 直流漏洩電流検出装置
JP5449222B2 (ja) 直流漏電検出装置
JP5817316B2 (ja) 漏電遮断器
US20030071609A1 (en) Magnetic flux sensor and method
EP1367684A1 (en) Overload current protection device using magnetic impedance element
JP3167936B2 (ja) 電力変換装置
KR100604614B1 (ko) 측정용 트랜스
JPWO2003032461A1 (ja) 過負荷電流保安装置
US10605873B2 (en) Apparatus for monitoring a magnetic core and method for detecting a saturation behavior of a magnetic core to be monitored
JP2012233718A (ja) 電流検出装置
US20040240134A1 (en) Overload current protection device using magnetic impedance element
EP3279673B1 (en) Motor torque ripple reduction using dc bus harmonics
JP2008014921A (ja) 直流電流検出方法及び直流電流検出器
JP3530748B2 (ja) 電力変換装置
JP4607617B2 (ja) 電力変換装置の制御装置
CA2676497C (en) Controlling transient response of a power supply
WO2021161945A1 (ja) 電源安定化装置
JP2019002768A (ja) 電流センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120323

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120419

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20120528

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121030