JP2000050634A - 交流直流間電力変換装置 - Google Patents

交流直流間電力変換装置

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JP2000050634A
JP2000050634A JP10214184A JP21418498A JP2000050634A JP 2000050634 A JP2000050634 A JP 2000050634A JP 10214184 A JP10214184 A JP 10214184A JP 21418498 A JP21418498 A JP 21418498A JP 2000050634 A JP2000050634 A JP 2000050634A
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phase
potential
pulse
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JP10214184A
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English (en)
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Masahiko Akamatsu
昌彦 赤松
Toshiyuki Fujii
俊行 藤井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高調波の低減と基本波成分出力電圧の増大と
の両立を実現し、また、キャリア波形や変調波波形に制
約されず必要なパルス幅の出力が得られる交流直流間電
力変換装置を得ることを目的とする。 【解決手段】 変圧器20の2個の二次巻線22A、2
2Bは互いに位相差Δθ=30度を有し、2台の変換器
ユニット3A、3Bは位相差γ=30度で動作する。ス
イッチング信号発生手段40は、モード信号Mに基づ
き、1パルスPAMモード(第1のモード)と、1パル
スPWMモード(第2のモード)と、複数パルスPWM
モード(第3のモード)とを切り換えてスイッチング信
号SA、SBを作成し、変換器ユニット3A、3Bのオ
ンオフ制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は交流直流間電力変
換装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】1997年6月,米国で開催されたIE
EE主催のPower Electronics Sp
eciarists Conferenceにおいて発
表された文献の多レベルPWM法(パルス幅変調法)を
示す図を図17(a)に示し、特開平10−4687号
公報に示された多パルスPWM法を同図(b)に示す。
図17(a)は、4つの出力電圧レベル3E/2,E/
2,−E/2,−3E/2の間で出力電位を切り換える
方法を示す波形図である。図において、V1,V2,V3
は三角波キャリア,Vrefは変調波,Voutは1相
分の交流端子の出力電位を示す。これら、複数のキャリ
ア波形と変調波とのクロスポイントで変換器内の固体ス
イッチのon−off信号を生成する訳である。この様
にPWM制御をする多レベル変換器は出力電圧波形が改
善されるので応用が期待される。しかし、キャリア周波
数が低い場合、高調波の低減と基本波成分の最大出力電
圧の点で、両立し難い問題があり、不十分であった。
【0003】他方、基本波成分を大きくする方法とし
て、同図(b)の方法が提案されている。図において、
同じくV1,V2はキャリア波形で、Vrefは変調波で
ある。この方法は、キャリアの極性を変調波のゼロクロ
ス点で切り換えて、過剰変調波Vref2を入力したと
きに得られる最大パルス幅θmaxを広げる方法を示し
ている。この場合でも、180度一杯の出力を出すのは
難しく、また、変調波Vrefの振幅と出力パルスに含
まれる基本波成分の振幅とが比例しない問題が有る。
【0004】以上、従来の方法では、スイッチング損失
を小さくし、スイッチング素子の責務を軽減し、電磁ノ
イズを軽減するため、1サイクル当たりのスイッチング
回数を下げるためには、高調波含有率や基本波含有率
(同一直流電圧の下で出せる基本波出力最大値の比率)
や指令電圧である変調波の基本波とPWM出力に含まれ
る基本波成分との間のリニアリティなどの点で不十分で
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は以上のよう
な問題点を解消するためになされたもので、高調波の低
減と基本波成分出力電圧の増大との両立を実現し、ま
た、キャリア波形や変調波波形に制約されず必要なパル
ス幅の出力が得られる交流直流間電力変換装置を得るこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る交流直流
間電力変換装置は、三相交流系に接続された一次巻線と
N(2以上の整数)個の二次巻線とを備えた変圧器、交
流側が上記変圧器の各二次巻線に接続され交流直流間の
電力変換を行うN(上記Nと同数)台の電力変換器、お
よび上記電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御
するためのスイッチング信号を発生するスイッチング信
号発生手段を備えた交流直流間電力変換装置において、
上記スイッチング信号発生手段は、上記各電力変換器の
交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とか
らなる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモ
ードのスイッチング信号を発生する手段を備え、上記1
パルスモードのスイッチング動作に基づき上記各電力変
換器から上記三相交流系に流出する所定次数の高調波が
互いに相殺するように、上記N個の二次巻線の電圧位相
を互いにΔθずらす第1の高調波抑制手段、上記N個の
電力変換器のスイッチング信号の発生位相を互いにγず
らす第2の高調波抑制手段、および上記1パルスモード
の中間電位の電気角θoを所定の範囲に設定する第3の
高調波抑制手段のうち、少なくともいずれか2つの手段
を備えたものである。
【0007】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交
流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とから
なる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモー
ドでかつそのパルス幅が固定の第1のモードのスイッチ
ング信号を発生する手段を備えたものである。
【0008】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交
流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とから
なる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモー
ドでかつそのパルス幅が固定の第1のモードと、上記各
電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負
各1電位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行
う1パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第2のモ
ードとのスイッチング信号を切り換えて発生する手段を
備えたものである。
【0009】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交
流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とから
なる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモー
ドでかつそのパルス幅が可変の第2のモードと、上記各
電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負
各1電位とからなる1サイクル複数回のスイッチングを
行う複数パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第3
のモードとのスイッチング信号を切り換えて発生する手
段を備えたものである。
【0010】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交
流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とから
なる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモー
ドでかつそのパルス幅が固定の第1のモードと、上記各
電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負
各1電位とからなる1サイクル複数回のスイッチングを
行う複数パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第3
のモードとのスイッチング信号を切り換えて発生する手
段を備えたものである。
【0011】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交
流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とから
なる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモー
ドでかつそのパルス幅が固定の第1のモードと、上記各
電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負
各1電位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行
う1パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第2のモ
ードと、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が
中間電位と正負各1電位とからなる1サイクル複数回の
スイッチングを行う複数パルスモードでかつそのパルス
幅が可変の第3のモードとのスイッチング信号を切り換
えて発生する手段を備えたものである。
【0012】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、第1の高調波抑制手段を備えた場合、Δθ=6
0/N(度)としたものである。
【0013】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、第1および第2の高調波抑制手段を備えた場
合、γ=Δθとしたものである。
【0014】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、第1および第2の高調波抑制手段を備えた場
合、Δθおよびγをそれぞれ60/N(度)の整数倍と
し、かつγ≠Δθとしたものである。
【0015】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、第1および第3の高調波抑制手段を備えた場
合、第1のモードにおける中間電位の電気角をθoとし
たとき、θo=Δθ/2(度)としたものである。
【0016】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、第2および第3の高調波抑制手段を備えた場
合、第1のモードにおける中間電位の電気角をθoとし
たとき、θo=γ/2(度)としたものである。
【0017】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、第1および第3の高調波抑制手段を備えた場
合、第2のモードにおける中間電位の電気角をθoとし
たとき、θo≧Δθ/2としたものである。
【0018】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、第2および第3の高調波抑制手段を備えた場
合、第2のモードにおける中間電位の電気角をθoとし
たとき、θo≧γ/2としたものである。
【0019】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、第2および第3の高調波抑制手段を備えた場
合、γ=30/N(度)とし、かつ第2のモードにおけ
る中間電位の電気角をθoとしたとき、θo≧30(度)
としたものである。
【0020】この発明に係る交流直流間電力変換装置
は、交流系と直流系との間で電力変換を行う電力変換
器、および上記電力変換器のスイッチング素子をオンオ
フ制御するためのスイッチング信号を発生するスイッチ
ング信号発生手段を備えた交流直流間電力変換装置にお
いて、上記スイッチング信号発生手段は、位相情報と基
本波電圧の大きさ指令とを入力して上記電力変換器のス
イッチング信号を作成する手段を備えたものである。
【0021】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、電力変換器を複数備え、位相情報を、上記各電
力変換器に共通の基準位相と上記各電力変換器毎に互い
にずらして設定された位相との位相和としたものであ
る。
【0022】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交
流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とから
なる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモー
ドでかつそのパルス幅が固定の第1のモードと、上記各
電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負
各1電位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行
う1パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第2のモ
ードと、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が
中間電位と正負各1電位とからなる1サイクル複数回の
スイッチングを行う複数パルスモードでかつそのパルス
幅が可変の第3のモードとのとのうち少なくとも2つの
モードのスイッチング信号を切り換えて発生するように
したものである。
【0023】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器に共
通の基準位相と上記各電力変換器毎に互いにずらして設
定された位相との位相和を引数として各モード毎に設け
られた関数発生手段、およびこの関数発生手段の出力と
基本波電圧大きさ指令とを比較して上記各電力変換器の
スイッチング信号を作成する手段を備えたものである。
【0024】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、その関数発生手段において同一の位相和に対し
て複数の出力が存在する場合、基本波電圧大きさ指令に
基づきその出力の一つを判定選択する判定手段を備えた
ものである。
【0025】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器に共
通の基準位相と上記各電力変換器毎に互いにずらして設
定された位相との位相和を第1の引数とし、基本波電圧
大きさ指令を第2の引数として各モードにおける上記各
電力変換器のスイッチング信号を出力する関数発生手段
を備えたものである。
【0026】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、そのスイッチング信号発生手段が異なるパルス
モードの切り換えを行う場合、切り換え前後のパルスモ
ードでの出力値が相互に等しいタイミングで切り換える
ようにしたものである。
【0027】また、この発明に係る交流直流間電力変換
装置は、そのパルスモードを切り換えるタイミングを、
交流出力各サイクルの電気角で、0度近傍、90度近
傍、180度近傍、270度近傍のいずれかとしたもの
である。
【0028】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明による実
施の形態1の構成図を図1に示す。図において、100
は三相の交流系統、20は一次巻線21および互いに位
相差Δθを持つ二次巻線22A、22Bから成る変圧
器、30は多レベル(図は簡単のため3レベル)の1相
分出力電位を出力でき、かつ位相差γ(ここではγ=Δ
θ)で運転される交流直流間電力変換器ユニット(以下
単に変換器ユニットと呼ぶ)3A,3Bから成る電力変
換器、40は上記電力変換器30のスイッチング素子で
ある固体スイッチ(以下単にスイッチと呼ぶ)をon−
off制御するスイッチング信号発生手段で、SA,S
Bは上記変換器ユニット3A,3Bを制御するスイッチ
ング信号、50は変圧器20と交流系統100との間の
電気量によりフィードバックされる信号FS1または電
力変換器30と変圧器20との間の電気量または電力変
換器30内の電気量によりフィードバックされる信号F
2を受けて基本波電圧の大きさ指令である極座標表示
の振幅(又は実効値や平均値など大きさを表す量)と位
相情報(少なくとも基準位相θを含み、必要に応じ基準
位相に対する位相差φを含む)とで表した電圧ベクトル
指令Vcを上記スイッチ信号発生手段40に送出する制
御手段で、Mはスイッチング信号発生手段40の信号生
成モードを必要に応じて変える信号、11,12は交流
系統100と変圧器20との接続線路および電力変換器
30と変圧器20との接続線路、13(PP,NN,
0)は直流側の総合端子である。
【0029】以上において、変換器ユニット3A,3B
は基本波の位相差がγとなるよう位相差を付けて内部の
スイッチを制御する。この制御信号はスイッチング信号
発生手段40より与え、スイッチング信号SA,SBに
それら位相差が付けられる。
【0030】変圧器20の二次巻線22Aと22Bとの
間の位相差Δθは電力変換器30及びスイッチング信号
発生手段40と協調をとって選び、図1では30(=6
0/2)度近傍の例を示す。図1のΔθ=30度近傍の
場合の基本波および高調波のベクトル図を図2に示す。
図において、VA(1)は変換器ユニット3Aの出力電圧の
基本波ベクトル(点線で示す)、VB(1)は変換器ユニッ
ト3Bの出力電圧の基本波ベクトルで(同じく点線で示
す)、VB(1)が30度進んでいる場合を示す。
【0031】これに対し、nを自然数としたとき、{6
(2n−1)±1}次の高調波、VA ν 1、VB ν 1、VA
ν 2、VB ν 2が発生する。この内、変換器ユニット3A
の{6(2n−1)−1}次の電圧ベクトルVA ν 1およ
び{6(2n−1)+1}次の電圧ベクトルVA ν 2は、
図に示すように、基本波ベクトルVA(1)と同相で表す。
なお、図2は、特に、各ベクトルの位相関係に着目して
図示しており、その大きさ(基本波と高調波)は必ずし
も比例関係をもたせていない。
【0032】以上に対し、変換器ユニット3Bの{6
(2n−1)−1}次の電圧ベクトルVB ν 1および{6
(2n−1)+1}次の電圧ベクトルVB ν 2は、30度
の次数倍だけ位相が進み、それぞれ、150度および2
10度進むことになる。しかるに、{6(2n−1)−
1}次の高調波は基本波と反対の相回転方向を持つ逆相
成分なので、変圧器20によりその一次巻線21でのベ
クトルVB ν 1 は30度進み、180度ずれることにな
る。他方、{6(2n−1)+1}次の高調波は基本波
と同じ相回転方向を持つ正相成分なので、変圧器20に
よりその一次巻線21でのベクトルVB ν 2 は30度遅
れ、180度ずれることになる。即ち、{6(2n−
1)±1}次の高調波電圧は図2のベクトル図に示すご
とく、変換器ユニット3Aによる成分と変換器ユニット
3Bによる成分とが変圧器20の一次側では互いに逆位
相になって打ち消される。
【0033】次に、図3(a)に示す位相差Δθが15
度近傍の場合、そのベクトル図を図3(b)に示す。こ
の場合、{12(2n−1)±1}次の高調波は15度
の次数倍だけ発生電圧の位相が進み、それぞれ{12
(2n−1)−1}次の高調波および{12(2n−
1)+1}次の高調波はベクトルVB ν 1,VB ν 2のごと
く、VA ν 1,VA ν 2のベクトルからそれぞれ165度お
よび195度位相が進むことになる。しかるに、{12
(2n−1)−1}次の高調波は基本波と反対の相回転
方向を持つ逆相成分なので、変圧器20により一次巻線
21でのベクトルVB ν 1 は15度進み、180度ずれ
ることになる。他方、{12(2n−1)+1}次の高
調波は基本波と同じ相回転方向を持つ正相成分なので、
変圧器20により一次巻線21でのベクトルVB ν 2
15度遅れ、180度ずれることになる。即ち、{12
(2n−1)±1}次の高調波電圧は図3(b)のベク
トル図に示すごとく、変換器ユニット3Aによる成分と
変換器ユニット3Bによる成分とが変圧器20の一次側
では互いに逆位相になって打ち消される。
【0034】変圧器20により30度近傍の位相差をつ
けるには、Y△結線が利用できる。この位相差は、一次
側でつける場合と二次側でつける場合があり得る。変圧
器20により15度近傍の位相差をつけるには、図3
(a)、図4のごとく、Y△結線を変形し、主巻線22
1と移相巻線222を備えた巻線を用いることができ
る。特に、片方をY結線または△結線としておき、他方
にのみ移相巻線222を設ける方法が、製造上移相巻線
が少なくなり、安価に出来る点で極めて効果的である。
【0035】他方、変換器ユニット3A,3Bは例えば
図5に示すごとき多レベル形変換器で、同図は3レベル
形の例を示す。図において、4p,4nは分圧キャパシ
タ,5aないし5lは固体スイッチ,6aないし6lは
固体スイッチの逆並列ダイオード、7aないし7fはク
ランプダイオードである。一般的な多レベル形では、正
負直流端子(P,N)間に複数個のキャパシタの直列体
を備え、(1)正負直流端子と交流端子(U,V,Wな
ど)との間にそれぞれ複数個の固体スイッチの直列体
と、(2)上記固体スイッチの直列接続点と上記キャパ
シタの直列接続点との間に接続され、上記固体スイッチ
の直列接続点の電位を2電位間でクランプするクランプ
ダイオードとから成る多レベル電位切り換え式の一相分
スイッチ手段を必要な相数だけ備えて成る。
【0036】代表的な3レベル変換器について説明する
ため、図6に1相分の動作波形図を示す。ここに示す交
流出力端子電位波形により、一意的に固体スイッチ5の
スイッチ信号を決めることが出来るので、ここではスイ
ッチング信号Sを表すものとする(以下同様にスイッチ
ング信号を交流端子電位で表す)。この発明では、基準
位相θと個別の位相差φとの合成値(加減算値)(θ+
φ)で制御するスイッチング信号発生手段40(詳細は
後述)を用いるので同図の横軸は(θ+φ)で示す。同
図(a)は正負2電位P,N間で動作させる振幅変調
(PAM)モード時の交流端子電位波形で、同一直流電
圧の下で最大の基本波出力が得られ、かつ、1サイクル
1回のスイッチングとなり、スイッチング損失が最少に
なる。この時重要なことは、スイッチング損失が少ない
分電流を増加させることができる事である。更に、固体
スイッチ側では固体スイッチの耐電圧の向上または順電
圧降下の低減ができ、変換器の損失低減によるランニン
グコスト低減および、同一基本波出力当たりの固体スイ
ッチ関係のイニシャルコスト低減ができ経済性が格段に
向上すると言う効果を奏する。
【0037】図6(b)は固定期間(中性点クランプ期
間)θoの期間中だけゼロ電位(図中Cで示す中間電
位)にする固定パルス幅の1パルス振幅変調(PAM)
モード(第1のモード)時の交流端子電位波形で、固定
期間θoは、図1の位相差Δθが30度の場合には、θ
oを15度,10度,7.5度,5度などに選び、位相
差Δθが15度の場合にはθoを30度,10度,7.
5度などに選び、後述の実施の形態に示す高調波低減作
用と分担して、高調波を効率的に低減する値に選定する
ことができる。
【0038】特に、一次側または二次側でY△結線によ
り位相差Δθを30度としてPAMモードで運転する場
合には、θoを15度とすることにより、{12(2n
−1±1)}次の高調波がほぼ低減され、Y△結線によ
る位相差Δθにより{6(2n−1)±1)}次の高調
波が消去されるので非常に高品質な出力電圧波形が得ら
れ、PAMモードを通常運転に用いる高経済性変換器に
適したものとすることができる。また、後述の図15の
ように、一次側または二次側でY△結線やそれらに移相
巻線222を用いて、純24相変換装置を構成した場
合、即ち位相差Δθが15度ごとに続く場合には、θo
を7.5度に選び、純24相で消去された後に残留する
{24(2n−1)±1}次の高調波がほぼ低減される
ので非常に高品質な出力電圧波形が得られ、PAMモー
ドを通常運転に用いる高経済性変換器に適したものとす
ることができる。更に、後述の図16のように、一次側
または二次側でY△結線やそれらに移相巻線222を用
いて、純36相変換装置を構成した場合、即ち位相差Δ
θが10度ごとに続く場合には、θoを5度に選び、純
36相で消去された後に残留する{36(2n−1)±
1}次の高調波がほぼ低減されるので非常に高品質な出
力電圧波形が得られ、PAMモードを通常運転に用いる
高経済性変換器に適したものとすることができる。
【0039】この他、図示しないが、一次側または二次
側でY△結線やそれらに移相巻線222を用いて、純1
8相変換装置を構成した場合、即ち位相差Δθが20度
ごとに続く場合には、θoを10度に選び、純18相で
消去された後に残留する{18(2n−1)±1}次の
高調波がほぼ低減されるので非常に高品質な出力電圧波
形が得られ、PAMモードや1パルスPWMモードの最
大パルス幅状態を通常運転に用いる高経済性変換器に適
したものとすることができる。
【0040】更に、後述の図11ないし図14で説明す
る実施の形態のように、変圧器20の巻線による位相差
Δθによらず、変換器ユニット独自に運転位相差(基本
波位相差)γを持って運転させる場合、中性点クランプ
期間θoをγ/2とする。ここに、5次,7次高調波を
Y△結線関係のごとく変圧器の位相差Δθを30度近傍
とすることで消去または低減したり、後述のパルス幅変
調法で5次,7次高調波を消去又は低減した場合、それ
らを2台設ければγ≒15度;それらを3台用いればγ
≒10度;N台用いればγ≒30/N度の様に定められ
る。この他、三相分の変換器ユニットをN台用いる場
合、中性点クランプ期間θoを30度にして、γ≒30
/N度(上記のθo≠γ/2ではない)に定める。これ
により、基本波運転位相差γとθoを併せてγまたはγ
/2毎にスイッチング位相差を分散させる。これらによ
り、高調波の発生位相が分散し、ν次の高調波に関して
νγまたはνγ/2の位相差が付く。このため、変換器
ユニットの運転位相差γだけの場合よりさらに高調波低
減効果が向上する効果が得られる。従って、PAMモー
ドや1パルスPWMモードの最大パルス幅状態を通常運
転に用いる高経済性変換器に適したものとすることがで
きる。
【0041】以上、中性点クランプ期間θoの決め方は
後述のスイッチング信号発生手段40やアルゴリズムに
関する実施の形態2に関連し、それらの説明において更
に詳述する。
【0042】以上、上記中性点クランプ期間θoは低減
すべき高調波の次数をm±1とするときθo≒(180
度)/(m±1)とする。これらは、三相の場合、{6
(2n−1)±1}次の高調波の内のいずれかの系列の
高調波を同時に低減させる事を目的として選定できる。
この場合、同一直流電圧の下での基本波出力が殆ど最大
に得られ、かつ、1サイクル1回のスイッチングとな
り、スイッチング損失が最少になるとともに、スイッチ
ング損失が少ない分電流を増加させることができる。更
に、固体スイッチ側では固体スイッチの耐電圧の向上ま
たは順電圧降下の低減ができ、変換器の損失低減による
ランニングコスト低減および、同一基本波出力当たりの
固体スイッチ関係のイニシャルコストの低減ができ経済
性が格段に向上すると言う効果を奏すると共に、高調波
低減も出来る効果が得られる。
【0043】図6(c)は可変パルス幅αの期間、正電
位Pまたは負電位Nにする1パルスPWMモード(第2
のモード)の出力電位波形を示し、このモードでは、出
力電圧が制御できると共に、1サイクル1回のスイッチ
ングとなり、スイッチング損失が最少になる。したがっ
て、スイッチング損失が少ない分電流を増加させること
ができる。更に、固体スイッチ側では固体スイッチの耐
電圧の向上または順電圧降下の低減ができ、変換器の損
失低減によるランニングコスト低減および、同一基本波
出力当たりの固体スイッチ関係のイニシャルコストの低
減ができ経済性が格段に向上すると言う効果も奏する。
【0044】この1パルスPWMモード(第2のモー
ド)の場合、パルス幅の変化に対応して中性点クランプ
期間θoも変化する。従って、高調波抑制の観点からそ
の期間θoを設定する場合は、前述した1パルスPAM
モードにおいて規定した期間θoの近傍の値をその最小
値として設定することになる。例えば、変圧器二次巻線
の位相差を30度としたとき、1パルスPWMモードに
おける中性点クランプ期間θoを15度近傍以上という
ように設定する。
【0045】図6(d)は多パルスPWMモード(第3
のモード)の代表例として、スイッチング回数が極力少
なく、且つ、前記図1や後述の変圧器との協調で低次高
調波の低減作用を分担しつつ基本波出力を大きくし易い
3パルスの例を示す。図において、中央パルスのパルス
幅αとその発生位相および、両サイドパルスのパルス幅
βとその発生位相はあらかじめ計算された関係を持たせ
てある。即ち、スイッチングタイミングθ1ないしθ
6は、前記制御手段50から入力される極座標表示の電
圧指令Vc{(θ+φ),mag}の内の位相(θ+
φ)と振幅magとを入力とする所定の関数により決め
ることができる。従って、基本波を可変にしながら高調
波を低減ないし消去出来る効果が得られる。この場合、
スイッチング損失が増加するが制御応答速度が速い。し
たがって、交流系統の電圧低下時、事故時、電圧不平衡
時など交流系が異常時の過電流防止などに適し、通常の
運転中に使用するのはスイッチング損失とその波及によ
る悪影響で好ましくない。但し、常時高速応答特性が必
要な場合には適する。
【0046】この発明においては、図6に示すように、
制御モードを複数持たせ、特に1サイクル1回スイッチ
ングのモードと1サイクル多パルスの制御モードを備え
る。その際、総合経済性の向上に効果が大きい1サイク
ル1回スイッチングのモードにおいて発生する低次高調
波を、変圧器による位相差と出力パルスの幅また配置制
御により、効果的に上記低次高調波を低減できる。しか
も、交流系の異常時に対処する応答速度と通常時の効率
性・経済性とを両立させ得る。あるいは、応答速度が遅
くてすむ用途と速い応答速度が必要な用途に対応できる
幅広い適合性が得られるので、技術標準を提供できる効
果が得られる。特に商用周波数の交流系統と直流との間
の電力変換や直流を介した交流間電力変換装置に適す
る。
【0047】実施の形態2.この発明によるスイッチン
グ信号発生手段40(40A,40B)に関する実施の
形態2の構成図を図7に示す。図において、41aない
し41dは第1の関数発生手段、42a,42bは第2
の関数発生手段、43aないし43dは振幅信号mag
と関数発生手段41a〜41dの出力を比較する大小判
別手段、44aないし44gおよび45a,45bは論
理判定手段、46はモード状態を維持するフリップフロ
ップ、47aないし47dはモード切り換えタイミング
検出手段、48は必要によって設ける位相加減算手段で
ある。ここでは、加減する位相φが固定である場合この
機能は関数発生手段41,42の中に含めることが出来
る。PAM,1pPWM,mpPWMの符合はモード切
り換え信号Mの内のそれぞれPAMモード(第1のモー
ド)信号、1パルスPWMモード(第2のモード)信号
及び多パルスPWMモード(第3のモード)信号であ
る。
【0048】なお、図7は3レベル変換器ユニットの1
相分を表しており、同様のものを三相3レベル変換器ユ
ニットでは3相分備え、さらに3A,3B二つの変換器
ユニットを備える場合は、上記三相分を2台分備える。
以下同様に必要な1相分(ハーフブリッジ分)の数だけ
用いればよい。個別な固定位相φは三相内の120度の
位相差および変圧器による位相差Δθ(更に、後述のご
とく意図的に基本波出力の位相に差を設ける位相差γ)
を加減した値をそれぞれ用いる。
【0049】図8ないし図9に実施の形態2におけるス
イッチング信号発生手段40の第1例のアルゴリズムお
よび第2例のアルゴルズムを説明する波形図を示す。両
図において、(a)は関数発生手段41a〜41dの関
数fO(θ+φ)ないしf3(θ+φ)を示し、magは
振幅など基本波出力電圧の大きさ指令を表す信号(以下
レベル信号とも称す)である。fO(θ+φ)は1パル
スPWMモードの関数波形を示し、正弦波の半波で表さ
れる。f1(θ+φ)ないしf3(θ+φ)は3パルスP
WMモードの関数波形を示し、周期関数中の部分を示
す。同図(b),(c)は出力電圧が正の半サイクルで
ある事を表す信号SPまたは負の半サイクルである事を
表す信号SNを出力する第2の関数発生手段42a,4
2bの出力信号を示し、同図(d)は交流端子出力電位
を表す波形である。1パルスモードにおいては、レベル
信号mag(瞬時値で変化する変数)の線と関数fO
(θ+φ)に囲まれる領域が出力電位が正P又は負Nで
あることを意味し、正負信号SPおよびSNと論理合成し
て出力電位が決定できる。正負信号SPおよびSNは前記
中性点クランプ期間θoだけ意図的に重ならないように
してあり、関数発生手段41の出力f0,f1ないしf3
に依存しないようにしてあり、これにより利用目的の変
化に対して独立に中性点クランプ期間θoを決められる
よう考慮されている。また、中性点クランプ期間θoの
最小値を点線図示のfpを関数発生手段41の出力に加
え、大小判別時に判定が正又は負にならないようにして
も良い。この点、3パルスにおいても同様である。
【0050】3パルスPWMモードにおいては、同一位
相時点で2値を持つ関数はそれぞれ1つの値を持つ関数
曲線に分解し、これをf1(θ+φ)とf2(θ+φ)と
に分けている。これを分ける判断信号を関数発生手段内
に持たせる場合、レベル信号magとの大小判別による
出力判定機能も内蔵させるか、または上記2値を取る関
数のどちらと比較したかを表す信号を付加して出力す
る。ここでは、上述した二つの関数を持たせた場合につ
いて述べ、この方法に沿って図7の実施の形態を示して
いる。これら、論理的な機能はブール代数や論理回路で
知られている様に、様々な変形が可能であり、正論理と
負論理の組み合わせだけでもAND,OR,NAND,
NOR,禁止など様々に変えられる。従って、この発明
は、図7に示す論理回路構成や大小判別手段を採用する
ものに制限されるものではない。位相(θ+φ)と基本
波の大きさを表すレベル信号magとを入力する関数発
生手段を備え、比較すべき関数が位相(θ+φ)に対し
て複数値を取る場合にも対処できる多目的の多モード対
応性を実現するアルゴリズムと構成にこの発明の要点が
ある。
【0051】さて、3パルスPWMモードにおいては、
半周期に3つの正又は負の出力を出すべき領域が現れ、
図にP,Nの符合を記入して示している。同じく、中性
点クランプ期間θoを除く極性信号SP,SNと論理合成
して、同図(d)に示すごとき出力電位信号Sが得られ
る。勿論、この信号Sは前述のように、1相分の出力で
表せばスイッチのon−offが決定できるだけでな
く、作用を分かり易くするためである。したがって、図
示の波形や信号を生成するまでもなく、複数のスイッチ
のon−off状態の組合せモード(on−offを
0,1で表せば論理表)や正負別々または個別スイッチ
ごとの信号を直接的に生成できることは言うまでもな
い。この点、図7の実施の形態の構成図に制限されず、
変形が出来る。例えば、1点鎖線枠内をブラックボック
スとした論理的処理手段やデータテーブルへの照合処理
手段により、個別スイッチのon−off信号を直接出
力したり、複数スイッチのon−off状態表(回路モ
ード表)を出力したりできる訳である。
【0052】以上に説明した、図8のアルゴリズムに示
した関数f1(θ+φ)ないしf3(θ+φ)は5,7次
の高調波を低減するのに適し、これらを消去するスイッ
チングタイミングをあらかじめ計算しておけばよい。こ
れにより、15度近傍の位相差を付けた変圧器との組み
合わせにより、変圧器側で{12(2n−1)±1}次
の高調波が消去できるので、低域高調波が非常に少なく
なるとともに、多モードで使用できる効果が得られる特
長がある。また、1パルスPWMの場合と併せ、基本波
の大きさを表すレベル信号(実際には瞬時値ベースで刻
々変化する変数)magが共通となる様関数関係を合わ
せておく。これにより、1パルスPWMモードから多パ
ルスPWMモードに切り換わっても基本波出力電圧が同
じになる特長が得られる。この場合、1パルスモードで
は5,7次高調波が消去できないのでそれら高調波が問
題にならない範囲に出力可変幅が制限される。また、P
AMモードでも、高調波が問題にならない範囲の最大出
力幅で制限する固定パルス幅(前記θoの適正値を変圧
器の位相差や後述のγと異なる値にする)のPAMモー
ドで使用することが有益である。
【0053】さらに、モードの切り換えを、半サイクル
の中央部、90度,270度または0度または180度
(π/2,3π/2,0,π)近傍にすれば、1パルス
PWMモードと多パルスPWMモードの出力状態が一致
し且つ直前までの基本波成分(1/4周期フーリエ展開
成分)が同じになるので、交流系から見た擾乱が最少に
成る。また、変圧器の磁束の連続性がよく磁気飽和を避
けやすい。さらに、1パルスPWM出力と多パルスPW
M出力の中央パルスが一致して出力されている間に切り
換えれば、切り換え可能期間が広がり且つ上記基本波成
分の連続効果が得られる特長がある。
【0054】図9は構成及びアルゴリズムが同じである
が、関数f1(θ+φ)ないしf3(θ+φ)は11次,
13次の高調波を低減するのに適するよう変えた例を示
し、これらを消去するスイッチングタイミングもあらか
じめ計算しておけばよい。符合は前記図8と同じであ
る。これにより、30度近傍の位相差を付けた作り易い
Y△結線付き変圧器などとの組み合わせにより、変圧器
側で{6(2n−1)±1}次の高調波が消去できるの
で、低域高調波が非常に少なくなるとともに、多モード
で使用できる効果が得られる特長がある。特に、この方
法は5,7次高調波が消去できるので、1パルスPWM
モードでの基本波可変幅が広く全域で利用できるととも
に、PAMモードでも最大パルス幅にも適合でき、変圧
器や変換器の構成が最も簡単な条件で低次高調波が低減
できると言う特長が得られる。その他、モード切り換え
も前記図8と同様にでき、同様の効果が得られる。
【0055】前記、アルゴリズム説明図図8、図9およ
び後述する図10において基本波を表すレベル信号ma
gを関数発生手段の基本波出力最大時の値より大きくす
れば、パルス幅が最大になりPAMモードに移行させる
ことが出来る。
【0056】つぎに、図7に戻り、前述の多モードアル
ゴリズムを実現している実施の形態における作用を説明
する。ここでは、前述の様に変形があり得るが分かり易
い正論理で説明し、このために機能的に集約したり、関
数発生手段自体に内蔵可能なものもあえて外に出した構
成により説明する。
【0057】図7において、第一の関数発生手段41は
合成位相入力(θ+φ)に対して、前記波形と符合を合
わせた関数値f0ないしf3を発生する。これらの出力と
基本波の大きさを表す信号magとを大小判別手段43
により判別し、同図>,<の符合の左がmagで右が関
数発生手段の出力で成立する時に“1”になるものとす
る。3パルスPWMモードの中央パルス出力は図8,9
のf3を出力する関数発生手段41cの出力とmagと
の大小が大小判別手段43cにより判別され論理判定手
段45aに入力される。3パルスPWMモードの両サイ
ドパルスは、図8,9のf1を出力する関数発生手段4
1aの出力とmagとの大小を大小判別手段43aによ
り判別された信号と図8,9のf2を出力する関数発生
手段41bの出力とmagとの大小を大小判別手段43
bにより判別された信号とを論理判定手段44aに入力
して、この出力として得られる。上記中央出力信号と両
サイド出力信号は論理判定手段45aで合成されて多パ
ルスPWM出力信号として論理判定手段44dへ入力さ
れる。1パルスPWMモードの出力信号は、図8,9の
0を出力する関数発生手段41dの出力とmagとの
大小を大小判別手段43dにより判別して得られ、論理
判定手段44eへ入力される。論理判定手段44d,4
4eは多パルスモード信号Xmpと1パルスモード信号
X1pとによりいずれか一方のPWM出力を出力して論
理判定手段45bを経由して論理判定手段44b,44
cへ入力される。
【0058】他方、中性点クランプ期間θoを除く極性
信号SP,SNは関数発生手段または区間信号発生手段4
2a,42bに位相信号を入力して得られ、合成位相
(θ+φ)に対して図8,9の(b)(c)のごとき出
力が得られる。この極性信号SP,SNと上記論理判定手
段45bから出力されたPWM信号SPWMが論理判定手
段44b,44cで判定されて、変換器ユニット3A,
3B用のスイッチング信号として使用されるスイッチン
グ信号S(SAまたはSB)が出力される。
【0059】1パルスモードと多パルスPWMモードと
は、最終的にフリップフロップ46の出力XmpとX1
pとにより決まるが、外部からのモード信号mpPW
M,1pPWMが切り換わった後、前記基本波成分の連
続性を満たすタイミングで切り換える。勿論、1パルス
PWMモードと多パルスPWMモードとは同時に実行で
きないので、モード信号mpPWM,1pPWMおよび
PAMはオーバラップしない条件が事前に満たされるイ
ンタロック手段が前処理にあるものとする。上記切り換
えタイミングは、電気角(0,π/2,π,3π/2)
近傍で信号を出力する関数発生器47aから得られるG
a;またはそれらの時点で小さい値を出力する、関数発
生手段41dに連動する手段47cを関数発生手段41
dに内蔵させて得られる信号Gb;または1パルスPW
Mモードの出力と多パルスPWMモードとの中央パルス
出力とが一致する時に出力する論理判定手段47bの出
力信号Gc;または、電気角0,π(0度,180度)
近傍で中間電位出力状態判定手段47dがを出力する信
号Gd、などを論理判定手段44f,44gに入力し、
上記モード信号mpPWM,1pPWM信号に対して条
件を付けて実行させることにより実現できる。これによ
り、モード切り換えによる基本波出力成分の変動を防止
でき、変圧器磁束の連続性ひいては磁気飽和や交流系へ
の擾乱が最小限に抑えられる効果が得られる。
【0060】なお、中間電位出力状態判定手段47d
は、正電位出力信号SPと負電位出力信号SNが、共に、
中間電位出力期間θoや正負短絡防止期間にoffまた
は非導通を意味する“0”を出力するので、この重なり
期間にモード切換可能信号Gdを出力するものである。
この、電気角ゼロまたは180度近傍もPWMモードに
関係なく基本波が零点近傍なので、その前後でモードが
切り替わっても基本波出力が変動しない特長が得れられ
る。
【0061】また、前記図8,図9の説明からも分かる
ように、従来のごとく正弦波状の変調波と比較せず、合
成位相(θ+φ)に対応する関数発生手段と基本波の大
きさを表す信号magとを分け、極座標表示の電圧指令
V(mag,(θ+φ))によりスイッチング信号を生
成したので、頭記従来例のごとくキャリア波形や変調波
波形に制約されて出力パルス幅が制限されるという問題
がなくなり、必要充分な最大のパルス幅まで出力でき
る。さらに、基本波の大きさ信号magと基本波出力と
のリニアリティが得られる様あらかじめ関数を定めてお
くことができるので、制御特性が改善できる大きな特長
も得られる。
【0062】以上、実施の形態2およびその機能を表す
図8、図9のアルゴリズムにより、1サイクル中のスイ
ッチング回数が少ない時にも基本波出力が大きいPWM
スイッチング信号を発生でき且つ基本波の大きさの制御
特性がよくなる効果が得られる。また、変圧器による位
相操作と併せて効率的に高調波が低減でき、この時の最
大基本波出力を大きく保ち得る効果が得られる。さら
に、多モードで使用でき、用途と使用状況に合わせ易い
ので適合性が広くなり、標準化効果または経済性向上効
果が得られる。
【0063】次に、前記のアルゴリズムの変形例を図1
0に示す。ここでは、中性点クランプ期間θoを除く極
性判別信号と基本波の大きさを表す信号magとを兼ね
た方形波Amを与える。この方形波信号Amは中性点ク
ランプ期間θoを除く極性信号SP,SNに該当+−符合
を付けた信号と大きさ信号magとの積で与えられる。
他方、関数発生器も正負半サイクル毎の極性符合を付け
て与えてある。これらにより、前記図8、図9と同様に
図10(b)に示すごとくPWM信号がえられる。これ
らの作用効果も、前記図7ないし図9の実施の形態又は
アルゴリズムと同様である。さらに、これらアルゴリズ
ムに対応する構成が可能である。それらは、符合反転や
積や論理の機能を加える順序の変更により実現できる。
また、図8、図9において、基本波の大きさを表す信号
を中性点クランプ期間中ゼロにすることにより点線信号
fpや、極性信号における非オーバラップ期間を省略で
きる。
【0064】さらにまた、半周期の前半と後半とは対称
なので1/4周期分の関数発生手段を使用して、引数で
ある合成位相(θ+φ)を中間で折り返す事により、基
本波の半周期をPWM作用の1周期とする方法も実現で
きる。上記折り返しは入力値の増減方向の反転を意味し
数値の加減積算(積分やカウント機能)における入力符
合反転で実行できる。これにより、関数発生手段のメモ
リ容量を低減できる。関数発生手段はリードオンリーメ
モリなどで容易に実現できる。この他、マイクロプロセ
ッサや少なくともROMとロジック回路を含むプロセッ
サやASICが使用でき、論理判定手段の関数発生手段
への内蔵化も容易になる。この場合、合成位相(θ+
φ)を第一の引数または入力とし、基本波の大きさを表
す値(大きさ値)magを第二の引数又は入力としてm
agに比例した基本波成分を含む出力が得られるスイッ
チング信号を生成でき、実質的に図7の変形構成ができ
る。
【0065】また、この発明によるスイッチング信号発
生手段は多レベル形変換器と同じく少なくとも中間電位
と正負1電位ずつの出力電位を出力できる単相ブリッジ
形の交流直流間電力変換器ユニットにも適用できる。勿
論、3レベル形や多レベル形のハーフブリッジを2つ用
いる単相ブリッジ形の交流直流間電力変換器ユニットで
も少なくとも中間電位と正負1電位づつの出力電位を出
力できるので、この発明によるスイッチング信号発生手
段を適用できる。
【0066】実施の形態3.この発明に好適な交流直流
間電力変換装置の構成図を図11に示す。制御手段及び
スイッチング信号発生手段は実施の形態1と同じである
ので図示を省略している。図において、RSTは交流系
統100に接続する変圧器20の一次巻線端子、20A
は直列接続された巻線21a,21bを持つ一次巻線2
1x及びY結線された二次巻線22Aaと22Abとを
備えたA群変圧器、20Bは直列接続された巻線21
c,21dを持つ一次巻線21y及び△結線された二次
巻線22Baと22Bbとを備えたB群変圧器、3A
a,3AbはA群変圧器20Aの二次巻線22Aa、2
2Abに接続されたA群の3レベル変換器ユニット、3
Ba,3BbはB群変圧器20Bの二次巻線22Ba、
22Bbに接続されたB群の3レベル変換器ユニットで
ある。A群変圧器20Aの一次巻線21xとB群変圧器
20Bの一次巻線21yとは直列接続してある。A群、
B群のそれぞれの変換器ユニットの直流端子は各群内で
並列接続するとともに、群間では直流端子を直列接続す
ればDC送電に適し、並列接続すればBTB(AC/D
C/AC変換装置)や無効電力補償装置に適する。A群
内,B群内それぞれの変換器ユニットは前記基本波位相
差γを持って運転し、その値はこの実施の形態3では1
5度近傍にしてある。
【0067】同一群内の出力電圧のベクトル図を図12
(a)に示す。即ち、基本波が±7.5度(合計15
度)ずらしてあるので、ν次高調波では上記角度のν倍
の位相差がある。この時、ν次高調波は次式で表される
係数Kνに比例して元の値より小さくなる。 Kν=cos(ν×7.5°)……(1) 他方、変圧器の結線により、群間で30度位相を変えて
あるので、前述図2の通り{6(2n−1)±1}次高
調波が消去されている。従って残留する{12(2n−
1)±1}次高調波は次式の係数で低減される。 Kν=cos{(12(2n−1)±1)×7.5°} ≒0.13……………………………………………………(2) 元々の発生量が基本波の1/(12(2n−1)±1)
程度以下である場合、該次数の高調波は約1%まで下が
り、系統側リアクタンスXsと変圧器リアクタンスXt
とで分圧される交流系側の高調波電圧は更にXs/(X
s+Xt)となり、殆どの交流系において高調波電圧含
有率が障害にならない程度に低減される。
【0068】従って、前記PAM、1パルスPWM、多
パルスPWMの各モードにおいても適合し、それら多モ
ードの前記特長を生かして適合性が広く経済性の高いシ
ステムが構築できる効果が得られる。特に1サイクルの
スイッチング回数が5回以下の多パルスPWMモードを
使用して、(12(2n−1)±1)次高調波の発生を
抑えた場合(PAMモードやθo=γ/2=7.5°の
固定パルス幅1パルスモードや1パルスモードでは勿論
問題がないので)適合性が広い。
【0069】実施の形態4.この発明に好適な交流直流
間電力変換装置の構成図を図13に示す。制御手段及び
スイッチング信号発生手段は実施の形態1と同じである
ので図示を省略している。図において、RSTは交流系
統100に接続する変圧器20の一次巻線端子、20A
は直列接続された巻線21a,21b,21cを持つ一
次巻線21x及びY結線された二次巻線22Aa,22
Ab,22Acを備えたA群変圧器、20Bは直列接続
された巻線21d,21e,21fを持つ一次巻線21
y及び△結線された二次巻線22Ba,22Bb,22
Bcを備えたB群変圧器、3Aa,3Ab,3AcはA
群変圧器20Aの二次巻線に接続されたA群の3レベル
変換器ユニット、3Ba,3Bb,3BcはB群変圧器
20Bの二次巻線に接続されたB群の3レベル変換器ユ
ニットである。A群変圧器20Aの一次巻線21xとB
群変圧器20Bの一次巻線21yとは直列接続してあ
る。A群、B群のそれぞれの変換器ユニットの直流端子
は各群内で並列接続するとともに、群間では直流端子を
直列接続すればDC送電に適し、並列接続すればBTB
(AC/DC/AC変換装置)や無効電力補償装置に適
する。A群内,B群内それぞれの変換器ユニットは前記
基本波位相差γを持って運転し、その値はこの実施の形
態4では10度近傍にしてある。
【0070】同一群内の出力電圧のベクトル図を図12
(b)に示す。即ち、基本波が10度づつ(合計20
度)ずらしてあるので、ν次高調波では上記角度のそれ
ぞれν倍の位相差がある。この時、ν次高調波は次式で
表される係数Kνに比例して元の値より小さくなる。 Kν={2cos(ν×10°)+1}/3…………(3) 他方、変圧器の結線により群間で30度位相を変えてあ
るので、前述図2の通り{6(2n−1)±1}次高調
波が消去されている。従って残留する{12(2n−
1)±1}次高調波は次式の係数で低減される。 Kν=[2cos{(12(2n−1)±1)×10°}+1]/3 ≒0.105〜0.095…………………………………………(4) 元々の発生量が基本波の1/(12(2n−1)±1)
程度以下である場合、該次数の高調波は約0.1%未満
まで下がり、系統側リアクタンスXsと変圧器リアクタ
ンスXtとで分圧される交流系側の高調波電圧は更にX
s/(Xs+Xt)となり、殆どの交流系において高調
波電圧含有率が障害にならない程度に低減される。
【0071】従って、前記PAM、1パルスPWM、多
パルスPWMの各モードにおいても適合し、それら複数
モードの前記特長を生かして適合性が広く経済性の高い
システムが構築できる効果が得られる。特に1サイクル
のスイッチング回数が5回以下の多パルスPWMモード
を使用して、(12(2n−1)±1)次高調波の発生
を抑えた場合(PAMモードやθo=γ/2=5°の固
定パルス幅1パルスモードや1パルスモードでは勿論問
題がないので)適合性が広い。
【0072】実施の形態5.この発明に好適な交流直流
間電力変換装置の構成図を図14に示す。制御手段及び
スイッチング信号発生手段は実施の形態1と同じである
ので図示を省略している。図において、61r,61
s,61tは結合リアクトルである。この実施の形態
は、A群変圧器20Aの一次巻線21xとB群変圧器2
0Bの一次巻線21yとを結合リアクトル61r,61
s,61tを介して並列接続して成る。他は、前記図1
1、図13と同様である。
【0073】高調波の低減作用は前記図13と同じであ
る。一次巻線の並列接続に伴う5,7次の高調波による
横流を結合リアクトル61r,61s,61tで抑制す
る点が異なる。この場合、一次巻線が並列接続してある
ので、A,B両群の変圧器20A,20Bの電圧が等し
くなり易い。これに伴い、直流側の電圧も等しくなり易
い。これにより、直流側を直列接続する場合の直流側電
圧分担特性が、交流一次巻線の並列接続により改善され
る作用効果が得られる。勿論、交流側の電圧分担特性も
改善される効果がある。
【0074】実施の形態6.この発明に好適な交流直流
間電力変換装置の構成図を図15に示す。制御手段及び
スイッチング信号発生手段は実施の形態1と同じである
ので図示を省略している。図において、20aは直列接
続された巻線21a,21bを持つ一次巻線21xおよ
びY△結線された二次巻線22Aa,22Baを備えた
A群変圧器、20bは直列接続された巻線21c,21
dを持つ一次巻線21yおよびY△結線され、更に、主
巻線221と移相巻線222とを持つ二次巻線22A
b,22Bbを備えたB群変圧器、3Aa,3Baおよ
び3Ab,3Bbは、それぞれA群変圧器20aおよび
B群変圧器20bに接続されたA群およびB群の3レベ
ル変換器ユニットである。変換器ユニットの直流端子は
並列接続または直列接続してもよい。
【0075】また、一次巻線21xと21yとを並列接
続しても良い。この場合、それぞれの一次巻線21xま
たは一次巻線21y内が直列接続されており、5,7次
高調波電流の流出が阻止されているので、結合リアクト
ルが不要になる。これにより、交流側及び直流側の電圧
分担特性が極めて良好となり、交流系の電圧擾乱や事故
時における過電流のバランス(分散)特性も改善され
る。また、電圧分担特性の改善により、変圧器の磁気飽
和が起きにくくなり、逆に設計磁束密度を下げ得る。こ
れらにより、交流系の電圧擾乱や事故時に対する耐性や
運転継続性が向上する。
【0076】一方、上記の構成により、30度の位相差
と15度の位相差とを持つ純24相の電力変換装置が形
成され、前述図2と図3との両方の作用効果が得られ、
{6(2n−1)±1}次高調波および{12(2n−
1)±1}次高調波が消去される。この結果、主回路に
よる残留高調波は{24(2n−1)±1}次高調波に
なる。ここで、前記図7ないし図10で説明したような
要領で、スイッチング信号により{24(2n−1)±
1}次高調波を消去する3パルスPWMを行えば、残留
する最低次の高調波が{48±1}次となり、極めて高
品質な交流出力電圧が得られる。また、図6〜図10で
説明したように、中間電位出力期間θoを7.5度に
し、PAモードで制御しても{24(2n−1)±1}
次高調波がほぼ消去され、極めて高品質な交流出力電圧
が得られる。したがって、高品質交流電源の実現や高品
質が要求される弱小交流系(背後インピーダンスが大き
い交流系)との連系にも適合できる。その他、前記実施
の形態と同じ作用効果が得られる。
【0077】以上のように、前記実施の形態の効果に加
え、高調波低減特性が向上し、電圧分担特性および交流
系の電圧変動に対する耐性を必要に応じて向上させ得る
効果がある。
【0078】実施の形態7.この発明に好適な交流直流
間電力変換装置の構成図を図16に示す。制御手段及び
スイッチング信号発生手段は実施の形態1と同じである
ので図示を省略している。図において、20aないし2
0cは一次巻線が2ユニット分づつ直列接続され、更に
それら直列接続された一次巻線を並列接続した三相変圧
器である。22Aa,22Baは互いに30度位相が異
なるY△結線された二次巻線で、それぞれ3レベル変換
器ユニット3Aa,3Baに接続され、第1のA,B,
2種の変換器装置を構成する。同様に、22Ab,22
Bbも互いに30度位相が異なり、移相巻線222と主
巻線221とを持つ移相巻線付き二次巻線で、それぞれ
3レベル変換器ユニット3Ab,3Bbに接続され、第
2のA,B,2種の変換器装置を構成する。さらに、2
2Ac,22Bcも互いに30度位相が異なり、移相巻
線222と主巻線221とを持つ移相巻線付き二次巻線
で、それぞれ3レベル変換器ユニット3Ac,3Bcに
接続され、第3のA,B,2種の変換器装置を構成す
る。変換器ユニットの直流端子は並列接続または直列接
続してもよい。
【0079】この実施の形態では、一次巻線21xない
し21zを並列接続している。この場合、それぞれの一
次巻線21xないし一次巻線21z内が直列接続されて
おり、5,7次高調波電流の流出が阻止されているの
で、結合リアクトルが不要になる。これにより、交流側
及び直流側の電圧分担特性が極めて良好となり、交流系
の電圧擾乱や事故時における過電流のバランス(分散)
特性も改善される。また、電圧分担特性の改善により、
変圧器の磁気飽和が起きにくくなり、逆に設計磁束密度
を下げ得る。これらにより、交流系の電圧擾乱や事故時
に対する耐性や運転継続性が向上する。
【0080】一方、上記の構成により、30度の位相差
と基準位相及び基準位相±θ(この図では±10度)の
位相差を持つ3グループから成り、全体で純36相の電
力変換装置が形成され、前述図2や図3と同様の作用効
果が得られる。この結果、主回路による残留高調波は
{36(2n−1)±1}次高調波になる。上記主回路
により高調波は相当低減されているが、ここで、前記図
7ないし図10で説明したような要領で、スイッチング
信号により{36(2n−1)±1}次高調波を消去す
る3パルスPWMを行えば、残留する最低次の高調波が
{72±1}次となり、極めて高品質な交流出力電圧が
得られる。したがって、高品質交流電源の実現や高品質
が要求される弱小交流系(背後インピーダンスが大きい
交流系)との連系にも適合できる。その他、前記実施形
態と同じ作用効果が得られる。
【0081】以上のように、前記実施の形態の効果に加
え、高調波低減特性が向上し、電圧分担特性および交流
系の電圧変動に対する耐性が向上し、高品質な交流出力
電圧が得られる効果がある。なお、以上の各実施の形態
では、パルスモードとして、1パルスPAMモード(第
1のモード)と、1パルスPWMモード(第2のモー
ド)と、複数パルスPWMモード(第3のモード)とを
指令により切り換える方式としたが、必ずしもこれら3
つのモードを備える必要はなく、1パルスモードを含む
条件で、任意の2つのパルスモードを組み合わせて適宜
切り換える方式としてもよく、この場合も上記と同様の
効果を奏する。
【0082】また、高調波抑制策として、変圧器二次巻
線の電圧移相をΔθずらす手段、変換器ユニットの位相
をγずらす手段および1パルスモードの中性点クランプ
期間θoを所定範囲に設定する手段が存在するが、必ず
しもこれらすべての手段を採用する必要はなく、いずれ
か2つの手段を採用することにより、高調波の合理的な
抑制が可能となる。
【0083】
【発明の効果】以上のように、この発明の交流直流間電
力変換装置は、三相交流系に接続された一次巻線とN
(2以上の整数)個の二次巻線とを備えた変圧器、交流
側が上記変圧器の各二次巻線に接続され交流直流間の電
力変換を行うN(上記Nと同数)台の電力変換器、およ
び上記電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御す
るためのスイッチング信号を発生するスイッチング信号
発生手段を備えた交流直流間電力変換装置において、上
記スイッチング信号発生手段は、上記各電力変換器の交
流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とから
なる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモー
ドのスイッチング信号を発生する手段を備え、上記1パ
ルスモードのスイッチング動作に基づき上記各電力変換
器から上記三相交流系に流出する所定次数の高調波が互
いに相殺するように、上記N個の二次巻線の電圧位相を
互いにΔθずらす第1の高調波抑制手段、上記N個の電
力変換器のスイッチング信号の発生位相を互いにγずら
す第2の高調波抑制手段、および上記1パルスモードの
中間電位の電気角θoを所定の範囲に設定する第3の高
調波抑制手段のうち、少なくともいずれか2つの手段を
備えたので、1パルスモードによる基本波出力増大とス
イッチング損失低減の効果が得られるとともに、この1
パルスモードに伴う高調波成分が各高調波抑制手段によ
り効率的に抑制される。
【0084】また、この発明の交流直流間電力変換装置
のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交流側
一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とからなる
1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモードで
かつそのパルス幅が固定の第1のモードのスイッチング
信号を発生する手段を備えたので、同一直流電圧下で最
大の基本波出力が得られる。
【0085】また、この発明の交流直流間電力変換装置
のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交流側
一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とからなる
1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモードで
かつそのパルス幅が固定の第1のモードと、上記各電力
変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1
電位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1
パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第2のモード
とのスイッチング信号を切り換えて発生する手段を備え
たので、最低のスイッチング損失で、指令に応じたモー
ドの切り換えが可能となる。
【0086】また、この発明の交流直流間電力変換装置
のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交流側
一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とからなる
1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモードで
かつそのパルス幅が可変の第2のモードと、上記各電力
変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1
電位とからなる1サイクル複数回のスイッチングを行う
複数パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第3のモ
ードとのスイッチング信号を切り換えて発生する手段を
備えたので、指令に応じて、低損失特性のモードと高速
応答特性のモードとの切り換えが可能となる。
【0087】また、この発明の交流直流間電力変換装置
のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交流側
一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とからなる
1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモードで
かつそのパルス幅が固定の第1のモードと、上記各電力
変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1
電位とからなる1サイクル複数回のスイッチングを行う
複数パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第3のモ
ードとのスイッチング信号を切り換えて発生する手段を
備えたので、指令に応じて、高出力低損失特性のモード
と高速応答特性のモードとの切り換えが可能となる。
【0088】また、この発明の交流直流間電力変換装置
のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交流側
一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とからなる
1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモードで
かつそのパルス幅が固定の第1のモードと、上記各電力
変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1
電位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1
パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第2のモード
と、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間
電位と正負各1電位とからなる1サイクル複数回のスイ
ッチングを行う複数パルスモードでかつそのパルス幅が
可変の第3のモードとのスイッチング信号を切り換えて
発生する手段を備えたので、指令に応じて、高出力、低
損失、高速応答の各特性を有するモードの切り換えが可
能となる。
【0089】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、第1の高調波抑制手段を備えた場合、Δθ=60/
N(度)としたので、変圧器の二次巻線の個数に応じ
て、発生する高調波を確実に高次化させ、かつ、その大
きさを低減することができる。
【0090】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、第1および第2の高調波抑制手段を備えた場合、γ
=Δθとしたので、簡便な制御で、変圧器二次巻線の位
相差Δθに応じた高調波抑制効果が得られる。
【0091】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、第1および第2の高調波抑制手段を備えた場合、Δ
θおよびγをそれぞれ60/N(度)の整数倍とし、か
つγ≠Δθとしたので、変圧器二次巻線の位相差Δθと
電力変換器の動作位相差γとの設定値の組合せにより、
一層広範囲の次数の高調波抑制が可能となる。
【0092】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、第1および第3の高調波抑制手段を備えた場合、第
1のモードにおける中間電位の電気角をθoとしたと
き、θo=Δθ/2(度)としたので、変圧器二次巻線
の位相差Δθの設定により比較的低次の、また、1パル
スモードの中間電位角θoの設定により比較的高次の高
調波抑制が可能となる。
【0093】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、第2および第3の高調波抑制手段を備えた場合、第
1のモードにおける中間電位の電気角をθoとしたと
き、θo=γ/2(度)としたので、電力変換器の動作
位相差γの設定により比較的低次の、また1パルスモー
ドの中間電位角θoの設定により比較的高次の高調波抑
制が可能となる。
【0094】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、第1および第3の高調波抑制手段を備えた場合、第
2のモードにおける中間電位の電気角をθoとしたと
き、θo≧Δθ/2としたので、変圧器二次巻線の位相
差Δθの設定により比較的低次の、また、1パルスモー
ドの中間電位角θoの設定により比較的高次の高調波抑
制が可能となる。
【0095】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、第2および第3の高調波抑制手段を備えた場合、第
2のモードにおける中間電位の電気角をθoとしたと
き、θo≧γ/2としたので、電力変換器の動作位相差
γの設定により比較的低次の、また1パルスモードの中
間電位角θoの設定により比較的高次の高調波抑制が可
能となる。
【0096】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、第2および第3の高調波抑制手段を備えた場合、γ
=30/N(度)とし、かつ第2のモードにおける中間
電位の電気角をθoとしたとき、θo≧30(度)とした
ので、電力変換器の動作位相差γの設定により比較的高
次の、また1パルスモードの中間電位角θoの設定によ
り比較的低次の高調波抑制が可能となる。
【0097】この発明の交流直流間電力変換装置は、交
流系と直流系との間で電力変換を行う電力変換器、およ
び上記電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御す
るためのスイッチング信号を発生するスイッチング信号
発生手段を備えた交流直流間電力変換装置において、上
記スイッチング信号発生手段は、位相情報と基本波電圧
の大きさ指令とを入力して上記電力変換器のスイッチン
グ信号を作成する手段を備えたので、キャリア波や変調
波波形に制約されず必要なパルス幅のスイッチング信号
を得ることができる。
【0098】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、電力変換器を複数備え、位相情報を、上記各電力変
換器に共通の基準位相と上記各電力変換器毎に互いにず
らして設定された位相との位相和としたので、装置とし
ての総合出力の制御の自由度を確保し、各電力変換器の
所望の位相ずらしが可能となる。
【0099】また、この発明の交流直流間電力変換装置
のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器の交流側
一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とからなる
1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモードで
かつそのパルス幅が固定の第1のモードと、上記各電力
変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1
電位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1
パルスモードでかつそのパルス幅が可変の第2のモード
と、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間
電位と正負各1電位とからなる1サイクル複数回のスイ
ッチングを行う複数パルスモードでかつそのパルス幅が
可変の第3のモードとのとのうち少なくとも2つのモー
ドのスイッチング信号を切り換えて発生するようにした
ので、指令に応じたパルスモードの切り換えが可能とな
る。
【0100】また、この発明の交流直流間電力変換装置
のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器に共通の
基準位相と上記各電力変換器毎に互いにずらして設定さ
れた位相との位相和を引数として各モード毎に設けられ
た関数発生手段、およびこの関数発生手段の出力と基本
波電圧大きさ指令とを比較して上記各電力変換器のスイ
ッチング信号を作成する手段を備えたので、キャリア波
や変調波波形に制約されず、指令に応じたパルスモード
のスイッチング信号を確実に得ることができる。
【0101】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、その関数発生手段において同一の位相和に対して複
数の出力が存在する場合、基本波電圧大きさ指令に基づ
きその出力の一つを判定選択する判定手段を備えたの
で、関数設定の自由度が向上し、かつ、確実な信号出力
が得られる。
【0102】また、この発明の交流直流間電力変換装置
のスイッチング信号発生手段は、各電力変換器に共通の
基準位相と上記各電力変換器毎に互いにずらして設定さ
れた位相との位相和を第1の引数とし、基本波電圧大き
さ指令を第2の引数として各モードにおける上記各電力
変換器のスイッチング信号を出力する関数発生手段を備
えたので、関数設定の自由度が一層向上し、スイッチン
グ信号発生の動作がより高速、確実となる。
【0103】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、そのスイッチング信号発生手段が異なるパルスモー
ドの切り換えを行う場合、切り換え前後のパルスモード
での出力値が相互に等しいタイミングで切り換えるよう
にしたので、パルスモード切り換えに伴う基本波出力成
分の変動を抑制することができる。
【0104】また、この発明の交流直流間電力変換装置
は、そのパルスモードを切り換えるタイミングを、交流
出力各サイクルの電気角で、0度近傍、90度近傍、1
80度近傍、270度近傍のいずれかとしたので、基本
波出力成分の変動がないパルスモードの切り換えタイミ
ングを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における交流直流間
電力変換装置を示す構成図である。
【図2】 図1における電圧の基本波および高調波のベ
クトルを示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における図1とは異
なる交流直流間電力変換装置の構成および電圧の基本波
および高調波のベクトルを示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における変圧器の変
形例を示す構成図である。
【図5】 図1の電力変換器ユニットの内部構成を示す
図である。
【図6】 図1の電力変換器ユニットのパルスモードを
示す波形図である。
【図7】 この発明の実施の形態2におけるスイッチン
グ信号発生手段を示す構成図である。
【図8】 図7のスイッチング信号発生手段のアルゴリ
ズムを説明する波形図である。
【図9】 図8とは異なるスイッチング信号発生手段の
アルゴリズムを説明する波形図である。
【図10】 図8とは異なるスイッチング信号発生手段
のアルゴリズムを説明する波形図である。
【図11】 この発明の実施の形態3における交流直流
間電力変換装置の要部を示す構成図である。
【図12】 電力変換器ユニットの電圧ベクトルを説明
する図である。
【図13】 この発明の実施の形態4における交流直流
間電力変換装置の要部を示す構成図である。
【図14】 この発明の実施の形態5における交流直流
間電力変換装置の要部を示す構成図である。
【図15】 この発明の実施の形態6における交流直流
間電力変換装置の要部を示す構成図である。
【図16】 この発明の実施の形態7における交流直流
間電力変換装置の要部を示す構成図である。
【図17】 従来のPWM法を説明する波形図である。
【符号の説明】
100 交流系統、20 変圧器、21 一次巻線、2
2A,22B 二次巻線、30 電力変換器、3A,3
B 変換器ユニット、40 スイッチング信号発生手
段、50 制御手段、41a〜41d 関数発生手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H006 AA02 BB02 CA05 CA07 CA12 CA13 CB01 CB08 CC08 DB02 DC04 DC05 5H007 AA02 AA08 BB02 CB05 DB01 DC04 DC05 EA01 EA02

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三相交流系に接続された一次巻線とN
    (2以上の整数)個の二次巻線とを備えた変圧器、交流
    側が上記変圧器の各二次巻線に接続され交流直流間の電
    力変換を行うN(上記Nと同数)台の電力変換器、およ
    び上記電力変換器のスイッチング素子をオンオフ制御す
    るためのスイッチング信号を発生するスイッチング信号
    発生手段を備えた交流直流間電力変換装置において、 上記スイッチング信号発生手段は、上記各電力変換器の
    交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電位とか
    らなる1サイクル1回のスイッチングを行う1パルスモ
    ードのスイッチング信号を発生する手段を備え、 上記1パルスモードのスイッチング動作に基づき上記各
    電力変換器から上記三相交流系に流出する所定次数の高
    調波が互いに相殺するように、上記N個の二次巻線の電
    圧位相を互いにΔθずらす第1の高調波抑制手段、上記
    N個の電力変換器のスイッチング信号の発生位相を互い
    にγずらす第2の高調波抑制手段、および上記1パルス
    モードの中間電位の電気角θoを所定の範囲に設定する
    第3の高調波抑制手段のうち、少なくともいずれか2つ
    の手段を備えたことを特徴とする交流直流間電力変換装
    置。
  2. 【請求項2】 スイッチング信号発生手段は、各電力変
    換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電
    位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1パ
    ルスモードでかつそのパルス幅が固定の第1のモードの
    スイッチング信号を発生する手段を備えたことを特徴と
    する請求項1記載の交流直流間電力変換装置。
  3. 【請求項3】 スイッチング信号発生手段は、各電力変
    換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電
    位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1パ
    ルスモードでかつそのパルス幅が固定の第1のモード
    と、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間
    電位と正負各1電位とからなる1サイクル1回のスイッ
    チングを行う1パルスモードでかつそのパルス幅が可変
    の第2のモードとのスイッチング信号を切り換えて発生
    する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の交流
    直流間電力変換装置。
  4. 【請求項4】 スイッチング信号発生手段は、各電力変
    換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電
    位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1パ
    ルスモードでかつそのパルス幅が可変の第2のモード
    と、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間
    電位と正負各1電位とからなる1サイクル複数回のスイ
    ッチングを行う複数パルスモードでかつそのパルス幅が
    可変の第3のモードとのスイッチング信号を切り換えて
    発生する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    交流直流間電力変換装置。
  5. 【請求項5】 スイッチング信号発生手段は、各電力変
    換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電
    位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1パ
    ルスモードでかつそのパルス幅が固定の第1のモード
    と、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間
    電位と正負各1電位とからなる1サイクル複数回のスイ
    ッチングを行う複数パルスモードでかつそのパルス幅が
    可変の第3のモードとのスイッチング信号を切り換えて
    発生する手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    交流直流間電力変換装置。
  6. 【請求項6】 スイッチング信号発生手段は、各電力変
    換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1電
    位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1パ
    ルスモードでかつそのパルス幅が固定の第1のモード
    と、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間
    電位と正負各1電位とからなる1サイクル1回のスイッ
    チングを行う1パルスモードでかつそのパルス幅が可変
    の第2のモードと、上記各電力変換器の交流側一相分の
    出力電位が中間電位と正負各1電位とからなる1サイク
    ル複数回のスイッチングを行う複数パルスモードでかつ
    そのパルス幅が可変の第3のモードとのスイッチング信
    号を切り換えて発生する手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の交流直流間電力変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の交
    流直流間電力変換装置であって、第1の高調波抑制手段
    を備えた場合、Δθ=60/N(度)としたことを特徴
    とする交流直流間電力変換装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載の交
    流直流間電力変換装置であって、第1および第2の高調
    波抑制手段を備えた場合、γ=Δθとしたことを特徴と
    する交流直流間電力変換装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかに記載の交
    流直流間電力変換装置であって、第1および第2の高調
    波抑制手段を備えた場合、Δθおよびγをそれぞれ60
    /N(度)の整数倍とし、かつγ≠Δθとしたことを特
    徴とする交流直流間電力変換装置。
  10. 【請求項10】 請求項2、3、5、6のいずれかに記
    載の交流直流間電力変換装置であって、第1および第3
    の高調波抑制手段を備えた場合、第1のモードにおける
    中間電位の電気角をθoとしたとき、θo=Δθ/2
    (度)としたことを特徴とする交流直流間電力変換装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項2、3、5、6のいずれかに記
    載の交流直流間電力変換装置であって、第2および第3
    の高調波抑制手段を備えた場合、第1のモードにおける
    中間電位の電気角をθoとしたとき、θo=γ/2(度)
    としたことを特徴とする交流直流間電力変換装置。
  12. 【請求項12】 請求項3、4、6のいずれかに記載の
    交流直流間電力変換装置であって、第1および第3の高
    調波抑制手段を備えた場合、第2のモードにおける中間
    電位の電気角をθoとしたとき、θo≧Δθ/2としたこ
    とを特徴とする交流直流間電力変換装置。
  13. 【請求項13】 請求項3、4、6のいずれかに記載の
    交流直流間電力変換装置であって、第2および第3の高
    調波抑制手段を備えた場合、第2のモードにおける中間
    電位の電気角をθoとしたとき、θo≧γ/2としたこと
    を特徴とする交流直流間電力変換装置。
  14. 【請求項14】 請求項3、4、6のいずれかに記載の
    交流直流間電力変換装置であって、第2および第3の高
    調波抑制手段を備えた場合、γ=30/N(度)とし、
    かつ第2のモードにおける中間電位の電気角をθoとし
    たとき、θo≧30(度)としたことを特徴とする交流
    直流間電力変換装置。
  15. 【請求項15】 交流系と直流系との間で電力変換を行
    う電力変換器、および上記電力変換器のスイッチング素
    子をオンオフ制御するためのスイッチング信号を発生す
    るスイッチング信号発生手段を備えた交流直流間電力変
    換装置において、上記スイッチング信号発生手段は、位
    相情報と基本波電圧の大きさ指令とを入力して上記電力
    変換器のスイッチング信号を作成する手段を備えたこと
    を特徴とする交流直流間電力変換装置。
  16. 【請求項16】 電力変換器を複数備え、位相情報を、
    上記各電力変換器に共通の基準位相と上記各電力変換器
    毎に互いにずらして設定された位相との位相和としたこ
    とを特徴とする請求項15記載の交流直流間電力変換装
    置。
  17. 【請求項17】 スイッチング信号発生手段は、各電力
    変換器の交流側一相分の出力電位が中間電位と正負各1
    電位とからなる1サイクル1回のスイッチングを行う1
    パルスモードでかつそのパルス幅が固定の第1のモード
    と、上記各電力変換器の交流側一相分の出力電位が中間
    電位と正負各1電位とからなる1サイクル1回のスイッ
    チングを行う1パルスモードでかつそのパルス幅が可変
    の第2のモードと、上記各電力変換器の交流側一相分の
    出力電位が中間電位と正負各1電位とからなる1サイク
    ル複数回のスイッチングを行う複数パルスモードでかつ
    そのパルス幅が可変の第3のモードとのとのうち少なく
    とも2つのモードのスイッチング信号を切り換えて発生
    するようにしたことを特徴とする請求項16記載の交流
    直流間電力変換装置。
  18. 【請求項18】 スイッチング信号発生手段は、各電力
    変換器に共通の基準位相と上記各電力変換器毎に互いに
    ずらして設定された位相との位相和を引数として各モー
    ド毎に設けられた関数発生手段、およびこの関数発生手
    段の出力と基本波電圧大きさ指令とを比較して上記各電
    力変換器のスイッチング信号を作成する手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項17記載の交流直流間電力変換装
    置。
  19. 【請求項19】 関数発生手段において同一の位相和に
    対して複数の出力が存在する場合、基本波電圧大きさ指
    令に基づきその出力の一つを判定選択する判定手段を備
    えたことを特徴とする請求項18記載の交流直流間電力
    変換装置。
  20. 【請求項20】 スイッチング信号発生手段は、各電力
    変換器に共通の基準位相と上記各電力変換器毎に互いに
    ずらして設定された位相との位相和を第1の引数とし、
    基本波電圧大きさ指令を第2の引数として各モードにお
    ける上記各電力変換器のスイッチング信号を出力する関
    数発生手段を備えたことを特徴とする請求項17記載の
    交流直流間電力変換装置。
  21. 【請求項21】 スイッチング信号発生手段が異なるパ
    ルスモードの切り換えを行う場合、切り換え前後のパル
    スモードでの出力値が相互に等しいタイミングで切り換
    えるようにしたことを特徴とする請求項17ないし20
    のいずれかに記載の交流直流間電力変換装置。
  22. 【請求項22】 パルスモードを切り換えるタイミング
    を、交流出力各サイクルの電気角で、0度近傍、90度
    近傍、180度近傍、270度近傍のいずれかとしたこ
    とを特徴とする請求項21記載の交流直流間電力変換装
    置。
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