JP2000049664A - 判定帰還等化器 - Google Patents

判定帰還等化器

Info

Publication number
JP2000049664A
JP2000049664A JP10215308A JP21530898A JP2000049664A JP 2000049664 A JP2000049664 A JP 2000049664A JP 10215308 A JP10215308 A JP 10215308A JP 21530898 A JP21530898 A JP 21530898A JP 2000049664 A JP2000049664 A JP 2000049664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
digital
output
filter
feedback
determination result
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10215308A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuji Matsuura
達治 松浦
Nobuaki Nakai
信明 中井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP10215308A priority Critical patent/JP2000049664A/ja
Publication of JP2000049664A publication Critical patent/JP2000049664A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帰還等化器の動作クロック周波数を高速化す
る。 【解決手段】 判定帰還等化器(1)の動作上、演算手
段(3)がディジタル・アナログ変換手段(7)の出力
を必要とする以前に、換言すれば、判定手段(4)の所
要の出力が確定する前に判定手段による判定結果が採り
得る各場合につきディジタル帰還量を予め複数のフィル
タ演算ユニット(5aA〜5bB)に演算させ、得られ
たディジタル帰還量を予め複数のディジタル・アナログ
変換ユニット(7a、7b)でアナログ帰還量に変換す
る。その後、判定手段の判定結果に従って選択回路
(8)でアナログ帰還量を選択して演算手段に与える。
フィルタ演算及びディジタル・アナログ変換を従来の動
作タイミングに比べて先行させるから、判定手段の出力
に応答したアナログ帰還量を即座に演算手段に供給でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号処理集積回路
に係り、さらに詳しくは、高速動作に適応する、通信や
ハードデイスク信号処理に用いる判定帰還等化器(ディ
シジョンフィードバックイコライザ)に関する。
【0002】
【従来の技術】データ通信やハードデイスクのディジタ
ル記録では、記録されている論理値1、0の信号を正確
に読み出すことが必要である。従来、記録する信号の密
度が低く、記録された符号の間隔が長かったときは、ピ
ークディテクトと呼ばれる独立波形を識別する方法で十
分に信号の論理値1、0を判別できたが、近年記録密度
が上がり、論理値1、0の信号間隔が短くなると、アナ
ログ的な読み出し信号がなまるため論理値1、0符号間
の干渉(シンボル間干渉)が起き、信号の判別が難しく
なっている。そのため、パーシャルレスポンスマキシマ
リーライクリーフッド(PRML)と呼ばれる符号間干
渉を積極的に利用して記録された符号を判別する方式
や、ディシジョンフィードバックイコライザー(DF
E:Decision Feedback Equalizer)と呼ばれる一旦決
めた論理値1、0の判定結果を用いて符号間干渉を取り
除く等化器(判定帰還等化器)が実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者はDFEの処
理速度について検討した。ここで、図9にDFEの原理
的な構成を示す。DFEは、判定器4、フィードフォワ
ードフィルタ2、フィードバックフィルタ30、ディジ
タル・アナログ変換器31、及び引算器3で構成され
る。
【0004】DFEは次のように動作する。符号間干渉
を起こしている入力波形Aをフィードフォワードフィル
タ2で、信号の後ろ側にだけ干渉を起こすインパルス応
答波形のような波形Bに整形する。ここで判定器4は正
しい論理値1、0の信号akを順次出力していると仮定
すると、その判定器4の出力信号akの系列を使って、
フィードバックフィルタ30が重み付け係数W1,W2,....
Wnを用いて入力信号akのパルス列に数1で示される
コンボリューションを採り、これをディジタル・アナロ
グ変換器31で変換することによって符号間干渉の推定
波形Eを作り出す。それを波形Bから引き算して、干渉
の無くなったきれいな波形Cを作り出し、それを判定器
4に入れ、論理値1、0の判定を行い、ディジタルデー
タDが再生される。さきほど仮定した正しい論理値1、
0の信号としてこの再生した信号Dを用いる。尚、前記
数1のコンボリューション演算の演算区間はm=1から
m=M(m=1〜M)とされる。
【0005】
【数1】yk=Σ(m=1〜M)m・ak-m
【0006】上記構成のDFEには速度ネックの問題点
がある。DFE全体はクロックに同期して動作する。す
なわち判定器4がクロックに同期して判定結果を出力す
ると、フィードバックフィルタ30が符号間干渉の推定
波形Eを作り、それを波形Bから引き算した波形を判定
器4に入れ、判定器4は次のクロックでこの判定結果を
出さなくてはならない。すなわち、1クロックの間に、
判定器4から出力を出し、フィードバックフィルタ3
0、引き算器3を通って判定器4の入力まで信号が到達
しなければならない。従ってDFEの高速動作には難し
い面がある。
【0007】DFEの回路実現方法には全部をアナログ
で実現する方法や、全部をディジタルで実現する手法、
それにアナログとディジタルを混在させて実現する方法
がある。図9はアナログとディジタルを混在させる構成
を代表例とする構成であり、フィードバックフィルタ3
0の出力結果をディジタル・アナログ変換器(D/A変
換器)31でアナログに直し、これをフィードフォワー
ドフィルタ2のアナログ出力から引算器3で引算する。
ディジタルフィードバックフィルタ30はディジタルの
ためばらつきが無く、高速な引算はアナログで実現され
ている。D/A31は例えば電圧ポテンショメータ型の
構成とされ、ディジタル入力信号をデコードするデコー
ダと、デコーダの出力に従って抵抗分圧電圧を選択する
スイッチアレイとを有している。
【0008】図10にはDFEをアナログ・ディジタル
混載で構成したときのDFEの動作タイミング図が示さ
れる。判定器4の出力が出ると、その結果を受けてディ
ジタルフィードバックフィルタ30が演算結果を選択し
D/A31に出力すべきディジタルデータを渡す。D/
A31はこのデータをデコードし、デコード結果に従っ
てアナログの信号を引き算器3に出力する。
【0009】図10のタイミングから分かるように、最
高のクロック周波数は、判定器4の出力動作時間、ディ
ジタルフィードバックフィルタ30の演算結果出力時
間、D/A31のデコード時間、D/A31の整定時間
(スイッチアレイによる分圧電圧選択動作の確定時間)
の和で決まり、全体的な処理時間が長いため、最高のク
ロック周波数は90MHz程度にしか上げられなかっ
た。
【0010】このようなDFEに対しては、フィードバ
ックフィルタの演算出力時間を短縮するため、ディジタ
ルのルックアヘッド手法が使われている。この方法は米
国IEEE(The Institute of Electrical and Electronics
Engineers, Inc.) Journalof Solid-State Circuits,
Vol. 32, No. 5, pp. 713-721 May, 1997 "A Mixed-Sig
nal RAM Decision-Feedback Equalizer for Disk Drive
s" で述べられている。すなわち、判定器出力結果が来
てから数1に示されるコンボリューション演算を行って
いたのではディジタルフィードバックフィルタによる結
果を出すのが遅くなる。そのため、ディジタルフィード
バックフィルタ30に、判定器4によるその時々の判定
結果が論理値1になる場合と、論理値0になる場合とに
応じて、数2(ak=1の場合)と数3(ak=0の場
合)で示される2通りのディジタル演算結果を予め計算
させておき、判定器4が論理値1又は論理値0の結果を
出した時点で、どちらのディジタル結果を出力するかセ
レクタで選択して出力させるものである。
【0011】
【数2】 if ak=1 yk=Σ(m=2〜M)m・ak-m+W1・1
【0012】
【数3】 if ak=0 yk=Σ(m=2〜M)m・ak-m+W1・0
【0013】上述の技術では、ディジタル的な演算処理
に関してルックアヘッド手法で高速化を実現しているた
め、ディジタルフィードバックフィルタの演算結果を出
力するまでの時間を短縮できる。しかしながら、D/A
デコード時間、D/A整定時間の短縮については考慮さ
れておらず、この点で更に高速化の余地が有り。これを
改善しない限り、更にクロック周波数を上げることはで
きず、DFEの高速化に限界があった。
【0014】本発明の目的は、高速動作可能な判定帰還
等化器を提供することにある。
【0015】本発明の別の目的は、記録密度向上のため
の記録情報転送速度の高速化に寄与する判定帰還等化器
を提供することにある。
【0016】本発明の前記並びにその他の目的と新規な
特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるで
あろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0018】すなわち、判定帰還等化器(1)は、入力
信号の論理値を判定する判定手段(4)と、前記判定手
段による判定結果の系列よりディジタル帰還量を発生す
るフィードバックフィルタ手段(5)と、前記ディジタ
ル帰還量をアナログ帰還量に変換するディジタル・アナ
ログ変換手段(7)と、符号間干渉を有する信号波形を
整形するフィードフォワードフィルタ手段(2)と、フ
ィードフォワードフィルタ手段の出力に対して逆極性の
前記アナログ帰還量をフィードフォワードフィルタ手段
の出力に加算し、又は、フィードフォワードフィルタ手
段の出力に対して同極性の前記アナログ帰還量をフィー
ドフォワードフィルタ手段の出力から減算する演算手段
(3)とを有する。前記フィードバックフィルタ手段
は、前記判定手段による判定結果が採り得る各場合につ
きディジタル帰還量を予め演算する複数のフィルタ演算
ユニット(5aA〜5dB)を有する。そして、前記デ
ィジタル・アナログ変換手段は前記フィルタ演算ユニッ
トで演算されたディジタル帰還量をアナログ帰還量に変
換する複数のディジタル・アナログ変換ユニット(7a
〜7d)を有する。前記複数のディジタル・アナログ変
換ユニットの出力を、前記判定手段の判定結果に従って
選択して前記演算手段に供給する選択回路(8)が設け
られている。
【0019】上記によれば、判定帰還等化器の動作上、
演算手段が前記ディジタル・アナログ変換手段の出力を
必要とするタイミング以前に、換言すれば、判定手段の
出力の所要の出力が確定する前に、前記判定手段による
判定結果が採り得る各場合につきディジタル帰還量を予
め演算する複数のフィルタ演算ユニットに演算動作をさ
せ、夫々演算されたディジタル帰還量を予め前記複数の
ディジタル・アナログ変換ユニットでアナログ帰還量に
変換する。そして、判定手段の出力が確定すると、その
判定結果に従ってセレクタでアナログ帰還量を選択し
て、即座に当該アナログ帰還量を演算手段に与えること
ができる。このように、フィードバックフィルタ演算及
びディジタル・アナログ変換動作を従来の動作タイミン
グに比べて先行させるから、判定手段の出力に応答した
アナログ帰還量を即座に演算手段に供給でき、帰還等化
器の動作クロック周波数を従来に比べ大幅に向上させる
ことができる。即ち、判定帰還等化器の動作を更に高速
化することができる。
【0020】判定帰還等化器の更に詳しい態様を述べ
る。第1の態様は、図1に例示されるように、前記複数
のフィルタ演算ユニットは一つ前の判定結果と今回の判
定結果とが採り得る4通りの場合につきディジタル帰還
量を夫々予め演算可能な第1フィルタ演算グループ(5
G1)と第2フィルタ演算グループ(5G2)に分けら
れる。前記ディジタル・アナログ変換ユニットは第1フ
ィルタ演算グループのフィルタ演算ユニットが演算した
ディジタル帰還量をアナログ帰還量に変換する第1変換
グループ(7G1)と第2フィルタ演算グループのフィ
ルタ演算ユニットが演算したディジタル帰還量をアナロ
グ帰還量に変換する第2変換グループ(7G2)とに分
けられる。前記第1フィルタ演算グループによる演算に
並行して前記第2変換グループの出力動作が行なわれ、
前記第2フィルタ演算グループによる演算に並行して前
記第1変換グループの出力動作が行なわれる。
【0021】前記第1フィルタ演算グループは、これに
よる演算に並行して動作される前記第2変換グループの
出力を選択するための判定結果に基づいて、一つ前の判
定結果と今回の判定結果とが採り得る4通りのディジタ
ル帰還量の内から前記一つ前の判定結果に応ずる2通り
のディジタル帰還量を選択して第1変換グループに与え
るものであり、また、前記第2フィルタ演算グループ
は、これによる演算に並行して動作される前記第1変換
グループの出力を選択するための判定結果に基づいて、
一つ前の判定結果と今回の判定結果とが採り得る4通り
のディジタル帰還量の内から前記一つ前の判定結果に応
ずる2通りのディジタル帰還量を選択して第2変換グル
ープに与えるものである。
【0022】判定帰還等化器の更に詳しい第2態様で
は、図4に例示されるように、前記複数のフィルタ演算
ユニットは2個1組として3組設けられ、前記ディジタ
ル・アナログ変換ユニットは前記各組から選択された一
方のフィルタ演算ユニットの出力に1づつ接続可能にさ
れる。前記3組のフィルタ演算ユニットの内2組のフィ
ルタ演算ユニットを用いて一つ前の判定結果と今回の判
定結果とが採り得る4通りの場合につきディジタル帰還
量を予め演算し、これに並行して、残り一組のフィルタ
演算ユニットに接続されるディジタル・アナログ変換ユ
ニットの出力動作が行われる。
【0023】ディジタル帰還量を予め演算する2組のフ
ィルタ演算ユニットは、これに並行して出力動作される
一つのディジタル・アナログ変換ユニットの出力を選択
するための判定結果に基づいて、一つ前の判定結果と今
回の判定結果とが採り得る4通りのディジタル帰還量の
内から一つ前の判定結果に応ずる2通りのディジタル帰
還量を選択して残り2つのディジタル・アナログ変換ユ
ニットに与える。
【0024】前記判定帰還等化器は、1個の半導体チッ
プに形成することができる。例えば、前記符号間干渉を
有する信号波形を出力するアンプと、記判定器の出力を
復号する復号回路を有し、記録ディスクから読み取られ
た信号を再生するための再生信号処理に用いられる半導
体集積回路(LSI)として構成することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1には本発明に係る判定帰還等
化器1の第1の例が示される。同図に示される判定帰還
等化器は帰還フィルタ演算並びにディジタル・アナログ
変換に関し先見型(ルックアヘッド)の構成を備えてい
る。
【0026】判定帰還等化器1は、フィードフォワード
フィルタ2、引算器3、判定器4、フィードバックフィ
ルタ5、セレクタ6a〜6d、ディジタル・アナログ変
換回路7、選択回路8、及び制御回路9を有する。
【0027】フィードフォワードフィルタ2は、図9に
基づいて説明したように、符号間干渉を起こしている入
力信号A(図9の入力波形A参照)を信号の後ろ側にだ
け干渉を起こす信号B(図9の波形B参照)に整形す
る。前記判定器4は正しい論理値1、0の信号を順次出
力していると仮定すると、その判定器4の出力信号の系
列を使って、フィードバックフィルタ5が重み付け係数
を用いて入力信号のパルス列とコンボリューション演算
を行ってディジタル帰還量を発生し、これをディジタル
・アナログ変換回路7でアナログ帰還量に変換し、前記
信号Bの後ろ側に存在する干渉波形要素に応ずる符号間
干渉の推定信号E(図9の推定波形E参照)を作り出
す。それを引算器で信号Bから引き算して、干渉の無く
なったきれいな信号Cを作り出し、それを判定器4に供
給して、入力波形対する論理値1、0の判定を行い、デ
ィジタルデータDを再生する。前記仮定した正しい論理
値1、0の信号として前記ディジタル信号Dが用いられ
る。
【0028】前記フィードバックフィルタ5は、前記判
定器4による判定結果が採り得る論理値1,0の各場合
につきディジタル帰還量を予め演算する複数のフィルタ
演算ユニット5aA,5aB〜5dA,5dBを有す
る。4個のフィルタ演算ユニット5aA,5aBと5b
A,5bBは第1フィルタ演算グループ(FBF−Se
tA)5G1を構成し、4個のフィルタ演算ユニット5
cA,5cBと5dA,5dBは第2フィルタ演算グル
ープ(FBF−SetB)5G2を構成する。各フィル
タ演算グループ5G1,5G2では、夫々4個のフィル
タ演算ユニットを並列的に用いて、一つ前の判定結果と
今回の判定結果とが採り得る4通りの場合につきディジ
タル帰還量を夫々予め演算する。例えば、第1グループ
5G1のフィルタ演算ユニット5aAは今回の判定結果
と一つ前の判定結果とが“00…”の場合、5aBは
“10…”の場合、5bAは“01…”の場合、5bB
は“11…”の場合を想定して予め演算を行う。同様に
第2グループ5G2のフィルタ演算ユニット5cAは今
回の判定結果と一つ前の判定結果とが“00…”の場
合、5cBは“10…”の場合、5dAは“01…”の
場合、5dBは“11…”の場合を想定して予め演算を
行う。
【0029】セレクタ6aはフィルタ演算ユニット5a
A,5aBの一方を選択する。セレクタ6bはフィルタ
演算ユニット5bA,5bBの一方を選択する。セレク
タ6cはフィルタ演算ユニット5cA,5cBの一方を
選択する。セレクタ6dはフィルタ演算ユニット5d
A,5dBの一方を選択する。
【0030】前記ディジタル・アナログ変換回路7は前
記フィルタ演算ユニット5aA,5aB〜5dA,5d
Bで演算されてセレクタ6a〜6dで選択されたディジ
タル帰還量を、アナログ帰還量に変換する複数のディジ
タル・アナログ変換ユニット(DAC)7a〜7dを有
する。前記各DAC7a〜7dは、特に制限されない
が、公知の電圧ポテンショ型ディジタル・アナログ変換
器によって構成され、入力ディジタルデータのデコード
動作と、デコード結果に従って分圧電圧を選択して確定
させる整定動作とを行う。前記DAC7a,7bは第1
変換グループ(DAC−SetA)7G1を構成し、D
AC7c,7dは第2変換グループ(DAC−Set
B)7G2を構成する。
【0031】前記選択回路8はセレクタ8a〜8cを有
する。前記セレクタ8aは前記DAC7a、7bの出力
を選択する。前記セレクタ8bは前記DAC7c、7d
の出力を選択する。セレクタ8cはセレクタ8a,8b
の出力を選択して、前記引算器3に供給する。
【0032】前記制御回路9は前記判定器4による一つ
前の判定結果並びに今回の判定結果に基づき、動作基準
クロック信号に同期して、前記セレクタ8a,8b,8
cの選択動作及びセレクタ6a〜6dの選択動作を制御
する。
【0033】図2にはフィードバックフィルタ5及びデ
ィジタル・アナログ変換回路7の動作タイミングの代表
例が示される。図2においてi−1〜i+2の夫々は判
定帰還等化器1の動作クロックサイクルである。第1フ
ィルタ演算グループ(FBF−SetA)5G1による
フィルタ演算と前記第1変換グループ(DAC−Set
A)7G1による変換準備(ディジタルデータのデコー
ド等)及びDAC出力動作は2クロックサイクルを1単
位として繰り返される。同様に第2フィルタ演算グルー
プ(FBF−SetB)5G2によるフィルタ演算と前
記第2変換グループ(DAC−SetB)7G2による
変換準備及びDAC出力動作も2クロックサイクルを1
単位として繰り返される。但し、前者と後者は1クロッ
クサイクルずれている。従って、前記第1フィルタ演算
グループ(FBF−SetA)5G1による演算が行な
われるクロックサイクルでは、前記第1変換グループ
(DAC−SetA)7G1はディジタルデータのデコ
ードなどに関する出力動作の準備を行い、他方の前記第
2変換グループ(DAC−SetB)7G2は出力動作
を行う。同様に、前記第2フィルタ演算グループ(FB
F−SetB)5G2による演算が行なわれるクロック
サイクルでは、前記第2変換グループ(DAC−Set
B)7G2はディジタルデータのデコードなどに関する
出力動作の準備を行い、他方の前記第1変換グループ
(DAC−SetA)7G1はDAC出力動作を行う。
【0034】上記動作において、例えばクロックサイク
ルiにおいて、FBF−SetAによる演算処理(S
1)では、DAC−SetBの出力動作による判定器出
力データDiは確定していない。当然、Di+1も確定して
いない。この状態において、フィルタ演算ユニット5a
AはDi=0、Di+1=0を仮定してディジタル帰還量を
演算する。フィルタ演算ユニット5aBはDi=1、D
i+1=0を仮定してディジタル帰還量を演算する。フィ
ルタ演算ユニット5bAはDi=0、Di+1=1を仮定し
てディジタル帰還量を演算する。フィルタ演算ユニット
5bBはDi=1、Di+1=1を仮定してディジタル帰還
量を演算する。当該クロックサイクルiにおいては、い
ずれDAC―SetBにおける出力動作が確定される
(S2)。この出力動作結果を制御部9が受けて、セレ
クタ6a、6bによる選択動作を行う。例えば処理S2
の出力がDi=1とすれば、5aB,5bBの出力がセ
レクタ6a,6bによって選択され、選択されたディジ
タル帰還量がDAC7a、7bに供給される。これによ
り、DAC7aは、Di=1、Di+1=0を仮定して得ら
れたディジタル帰還量を予めアナログ帰還量に変換し、
同様に、DAC7bは、Di=1、Di+1=1を仮定して
得られたディジタル帰還量を予めアナログ帰還量に変換
する(S3)。そして次のクロックサイクルi+1にお
いて判定器4の出力が確定すると(S4)、制御部9は
それに応じてDAC7a、7bの何れか一方の出力を選
択する。例えば、出力処理S4の出力がDi+1=0とす
れば、制御回路9はセレクタ8a,8cを制御して、D
AC7aの出力(Di=1、Di+1=0を仮定して予め得
られたアナログ帰還量)を引算器3に供給する。
【0035】図3には専らDACの動作に着目した判定
帰還等化器1の動作タイミングの一例が全体的に示され
ている。DAC−SetAとDAC−SetBは交互に
クロックサイクルに同期して引算器3に向けて出力を行
う。従って、DAC−SetBが引算器3に出力してい
る間、DAC−SetAは出力動作を行う必要はない。
この間にDAC−SetAは、次の判定器4の出力が論
理値1か0かに応じた出力を出す準備を行う。次のクロ
ックサイクルが来たとき、判定器4は論理値1か0の出
力を出すので、この結果に応じてセレクタ8aはDAC
−SetAに含まれるDAC7a,7bのどちらの出力
を引算器3に出すかを選択する。セレクタ8cはクロッ
クサイクルに同期してDAC−SetAとDAC−Se
tBとを交互に選択している。
【0036】図3において、クロック信号の下の段に示
すように、判定器4の出力は毎クロックサイクル毎に出
力される。3段目、4段目に示すように、セレクタ8c
はDAC−SetAとDAC−SetBを交互に引算器
3につなげて、DAC−SetAとDAC−SetBが
クロックサイクル毎に準備期間と出力期間を交互に採り
得るように制御している。図3の5段目には接続された
引算器の反転入力端子がDAC−SetAとDAC−S
etBのどちらになっているかを示している。
【0037】DAC−SetAの準備期間ではDAC−
SetBの二つのDAC7c、7dが、判定器4による
本来の判定結果の論理値0/1が決まるタイミングで、
論理値1であるときと、論理値0であるときの、双方の
出力を準備している。すなわちフィードバックフィルタ
5の出力はDAC−SetAの一方のDACの入力とし
て次に1が来たときのフィードバックフィルタ5の出力
(上記数2の式)を前もって計算して当該一方のDAC
に与え、また、DAC−SetAの他方のDACの入力
として次に0が来たときのフィードバックフィルタ5の
出力(上記数3の式)を前もって計算して当該他方のD
ACに与える。こうして、まだ判定器4が1か0の判定
結果を出す前に、1の時の結果と0の時の結果をそれぞ
れ計算して二つのDACに出力信号としてすでに出させ
ておく。
【0038】更に詳しく説明すると、図2に基づいて説
明したように、判定器4による一つ前の判定結果が出た
時点でフィードバックフィルタ5の出力がセレクタ6
a、6b(6c、6d)で選択されてDAC7a、7b
(7c、7d)によるデコードが開始できる。即ち、フ
ィードバックフィルタ5の出力も同様に、前もって1が
来る場合の計算値と0が来る場合の計算値を計算してお
き、一つ前の判定結果が出た時点で1の場合の出力か0
の場合の出力かが選択される。
【0039】上記によりDACのデコードとそれに引き
続くDACの整定が1クロック前から始められるので、
DACデコード時間が変換速度のネックになることがな
い。また、DACの大振幅の整定もすでに開始されてい
るので、ほとんど整定が終わっている状況で判定器4の
論理値1/0の出力を待つことになり、整定時間のネッ
クも解消される。
【0040】上記整定動作において、本来の判定結果が
出たときセレクタ8a(8b)で論理値1側のDAC出
力を採用するか、論理値0側の出力を採用するかが選択
され、どちらかの出力が引算器3に与えられる。引算器
3の入力ノードの寄生容量が前のタイミングの出力電圧
に充電されており、その電圧を充放電するため、つない
だDACの出力電圧がわずかに変動するキックバック現
象が起きる。このキックバックによる変動は充分小さい
ので、整定時間を遅延させることはない。
【0041】以上により、図1に示す判定帰還等化器1
によれば、図2及び図3に示すように、判定器4の本来
の出力が出る時点より前にDAC7a,7b(7c,7
d)のデコードとDAC7a,7b(7c,7d)の整
定を開始させることができる。これにより、判定帰還等
化器の動作速度及びクロック周波数を大幅に向上させる
ことができる。
【0042】図1に示される判定帰還等化器1は、1個
の半導体チップに形成することができる。例えば、前記
符号間干渉を有する信号波形を出力するAGC(オート
ゲインコントロール)機能付きのアンプ10と、記判定
器4の出力を復号する復号回路11を有し、記録ディス
クから読み取られた信号を再生するための再生信号処理
に用いられる半導体集積回路LSIとして構成すること
ができる。
【0043】図4には本発明に係る判定帰還等化器の第
2の例が示される。同図に示される判定帰還等化器は、
図1の構成に比べてDACやフィルタ演算ユニットの数
が減らされている。すなわち、フィードバックフィルタ
5αは、2個1組として3組設の、フィルタ演算ユニッ
ト5aA,5aBと、フィルタ演算ユニット5bA,5
bBと、フィルタ演算ユニット5cA,5cBとを有
し、組毎にセレクタ6a〜6cで一つのフィルタ演算ユ
ニットが選択される。ディジタル・アナログ変換回路7
αは、セレクタ6a〜6cの出力をディジタル入力とし
て受けるDAC(ディジタル・アナログ変換ユニット)
7a〜7cが設けられている。選択回路8αはDAC7
a〜7cの出力を一つ選択して前記引算器3に供給す
る。
【0044】制御回路9αは、前記判定器4による一つ
前の判定結果並びに今回の判定結果に基づき、動作基準
クロック信号に同期して、前記セレクタ6a〜6c、8
αの選択動作並びにフィードバックフィルタ5α及びデ
ィジタル・アナログ変換回路7αの動作を制御する。そ
の制御内容を概略的に説明すれば、前記3組6個のフィ
ルタ演算ユニットの内、2組4個のフィルタ演算ユニッ
トを用いて一つ前の判定結果と今回の判定結果とが採り
得る4通りの場合につきディジタル帰還量を予め演算さ
せ、これに並行して、残り1組のフィルタ演算ユニット
に接続されるディジタル・アナログ変換ユニットの出力
動作を行わせるものである。前記ディジタル帰還量を予
め演算する2組4個ののフィルタ演算ユニットは、これ
に並行して出力動作される一つのディジタル・アナログ
変換ユニットの出力を選択するための判定結果を入力し
て、一つ前の判定結果と今回の判定結果とが採り得る4
通りのディジタル帰還量の内から一つ前の判定結果に応
ずる2通りのディジタル帰還量を選択して残り2つのデ
ィジタル・アナログ変換ユニットに与えるものである。
【0045】図5にはフィードバックフィルタ5α及び
ディジタル・アナログ変換回路7αの動作タイミングの
代表例が示される。図5においてi−1〜i+2の夫々
は判定帰還等化器1の動作クロックサイクルである。フ
ィルタ演算ユニット5aA,5aBとDAC7aの第1
グループGr1、フィルタ演算ユニット5bA,5bB
とDAC7bの第2グループGr2、フィルタ演算ユニ
ット5cA,5cBとDAC7cの第3グループGr3
は、何れかの2グループがフィルタ演算(演算)とディ
ジタル・アナログ変換準備(準備)を行い、残りの1グ
ループがディジタル・アナログ変換結果の出力動作(出
力)を行う。前記演算、準備、出力の動作は2クロック
サイクルを費やして一単位の動作を行い、例えば時系列
に並べられた夫々1単位の動作は図5において、、
で分類されている。、、で分類された各単位動
作は相互に1クロックサイクルずらされている。
【0046】図5の上記動作において、例えばクロック
サイクルiにおいて、第2グループGr2及び第3グル
ープGr3のフィルタ演算ユニット5bA,5bB,5
cA,5cBによる演算処理(S11)では、第1グル
ープGr1のDAC7aの出力動作による判定器出力デ
ータDiは確定していない。当然、Di+1も確定していな
い。この状態において、5bAはDi=0、Di+1=0を
仮定してディジタル帰還量を演算する。5bBはDi
1、Di+1=0を仮定してディジタル帰還量を演算す
る。5cAはDi=0、Di+1=1を仮定してディジタル
帰還量を演算する。5cBはDi=1、Di+1=1を仮定
してディジタル帰還量を演算する。当該クロックサイク
ルiにおいては、いずれDAC7aにおける出力動作が
確定される(S12)。この出力動作結果を制御部9α
が受けて、セレクタ6b、6cにる選択動作を行う。例
えば処理S12の出力がDi=1とすれば、5bB,5
cBの出力がセレクタ6b,6cによって選択され、選
択されたディジタル帰還量がDAC7b、7cに供給さ
れる。これにより、DAC7bは、Di=1、Di+1=0
を仮定して得られたディジタル帰還量を予めアナログ帰
還量に変換し、同様に、DAC7cは、Di=1、Di+1
=1を仮定して得られたディジタル帰還量を予めアナロ
グ帰還量に変換する(S13)。そして次のクロックサ
イクルi+1において判定器4の出力が確定すると、制
御部9αはそれに応じてセレクタ8αでDAC7b、7
cの何れか一方の出力を選択する(S14)。例えば、
出力処理S14の出力がDi+1=0とすれば、制御回路
9αは選択回路8αを制御して、DAC7bの出力(D
i=1、Di+1=0を仮定して予め得られたアナログ帰還
量)を引算器に供給する。クロックサイクルi+1にお
けいて、処理系列の出力処理(S14)を行う第2グ
ループGr2以外は、出力処理を行う必要はないから、
次の処理系列のための演算及び準備処理を行う。
【0047】図6には専らDACの動作に着目した判定
帰還等化器1の動作タイミングの一例が全体的に示され
ている。判定器4の出力が論理値1か0に確定するま
で、DACは論理値1と0の両方に応ずるディジタル帰
還量をデコードする(準備期間)ため、少なくとも2個
のDACが必要である。但し、一旦判定器4の出力が確
定してしまえば、予めその出力の論理値1に応ずるディ
ジタル帰還量をアナログ変換するDACと予めその出力
の論理値0に応ずるディジタル帰還量をアナログ変換す
るDACとの何れか一方の変換結果は不用になる。その
ため、変換結果を必要としなくなった方のDACを、次
のタイミングの準備期間用のDACとして用いるように
すれば、一つのDACの出力動作期間中、合わせて2個
のDACを次のディジタル・アナログ変換のための準備
動作に利用できる。即ち、3個のDAC7a〜7cの
内、どの2個を準備に用い、どの1個を出力動作に用い
るかを動的に割り当てる。
【0048】図6において、3個のDAC7a、DAC
7b、 DAC7cの内、例えば初めの期間にDAC7
cが引算器3への出力を行っているとする。その間DA
C7aとDAC7bは次の判定結果akが論理値0の場
合と1の場合に応じて予め演算されたディジタル帰還量
を受け、それをデコードしてアナログ変換動作を始め
る。次の期間に判定結果が、例えばak=0であると判
明すると、DAC7aとDAC7bの内、ak=0の場
合にディジタル帰還量をデコードしていたDAC7aの
出力を選択回路8αが引算器3の入力につなげて出力さ
せる。他方のak=1に応ずるディジタル帰還量をデコ
ードをしていたDAC7bの変換結果は不用になるた
め、次の先見動作のための演算の準備に入る。すなわ
ち、DAC7bとDAC7cとにより次の判定結果a
(k+1)=0の場合のディジタル帰還量のデコードと
1の場合のディジタル帰還量のデコード動作を始める。
【0049】このように3個のDAC7a〜7cを判定
器4による判定結果に従って順繰りに使用すれば、前記
図1で説明したのと同様の先見デコード処理を実現する
ことができる。ただしDACを使うタイミングが複雑な
ので制御回路9αはDACを制御する負担が増える。
【0050】図7は本発明をマルチレベルの判定帰還等
化器(MDFE:マルチレベル・ディシジョン・フィー
ドバック・イコライザ)に適用した場合の例が示され
る。
【0051】マルチレベル・ディシジョン・フィードバ
ック・イコライザはJ. G. KennyとMMelasが " Pipelini
g for Speed Doubling in MDFE" (ICC '96:IEEE Intern
ational Conference of Comunication) pp561-565で提
案しているように、フィードバックフィルタの第1タッ
プ係数w1をゼロ(=0)にできるため、最も直近の判
定結果をフィードバックしなくて良い。そのためフィー
ドバックフィルタの処理を2系統(odd/even)に
分けて交互動作(インターリーブ動作又はピンポン動
作)処理することができ、高速化に適している。
【0052】図7に示されるマルチレベルの判定帰還等
化器は、odd/even2系統の回路1odd、1even
に分けられている。odd/evenの各系統の回路1
odd、1evenは、図1で説明した回路と同様にDAC−
SetA、 DAC−SetBを有し、それを交互に動
作させる。出力を出していない方のDAC−Setは準
備期間で、一方のDACには判定器4の出力論理値が0
のときのディジタル帰還量のアナログ変換動作を準備さ
せ、他方のDACには判定器4の出力論理値が1のとき
のディジタル帰還量に対するアナログ変換動作を準備さ
せる。準備期間の動作も図1と同様であり、例えばDA
C−SetA,FBF−SetAが準備期間であれば、
判定器4による前の判定結果に従ってセレクタ6a,6
bが選択動作されて、DAC7a、7bは判定器4の今
回の判定結果を先見してデコード動作を先行させる。そ
して回路1oddの判定器4が判定結果を出すと、その
論理値1、0の結果に従って、DAC7a、7bの一方
の変換結果がセレクタ8で選択されて引算器3に供給さ
れる。こうして、準備の期間の時間を、クリテイカルな
最後の動作時間に含めなくて良いので高速化が可能にな
る。
【0053】図7において、インターリーブしていない
図1の構成との違いは判定器4による今回の判定結果と
前回の判定結果としてodd側、even側双方の回路
の判定器の出力を利用することである。例えば、odd
側回路1oddの判定器4による今回の判定結果に対して
一つ前の判定結果はeven側回路1evenの判定器4に
よる判定結果である。よって、odd側回路1oddのD
AC7a〜7dの前のセレクタ6a〜6dは、even
側回路1evenの判定器の出力に基づいて選択制御され
る。図示はしないが、同様に、even側回路1evenの
DAC7a〜7dの前のセレクタ6a〜6dは、odd
側回路1oddの判定器の出力に基づいて選択制御され
る。図7には、便宜上制御回路を図示しておらず、選択
回路8を制御する判定器の所在と、セレクタ6a〜6d
を制御する判定器出力の所在との相異を理解し易いよう
に作図されている。
【0054】図8には図7のMDFEの動作タイミング
の一例が示される。図1の構成では2クロックサイクル
毎にDACのデコードと整定を終わらせなければならな
い。図7の場合には、マスタークロック(MCLK)の
3サイクル毎にDACの整定を終了させればよい。した
がって、図7の構成においてはクロック信号を更に高速
化することが可能になる。すなわち図8のようにDAC
セットを用意し、DACが使われない準備期間の間に1
の入力が来たときの出力と、0が来たときの出力をそれ
ぞれ用意しておいて、例えばodd側回路1oddにおい
て、最終のodd判定器出力が来たとき、準備されている
論理値1または0に対する出力を選択するようにすれ
ば、DACルックアヘッドによる高速化が可能である。
尚、2サイクルの出力動作における後半の出力動作サイ
クル(A出力*、B出力*)は、判定器が入力をサンプ
ルしてホールドする形式であれば、不定又は休止でよ
い。
【0055】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更可能であることは言うまでもない。
【0056】例えば、DACは、電流出力、電圧出力の
何れの構成も採用できる。また、抵抗ラダー回路で分圧
電圧を出力する電圧出力型のDACの場合は、多数ある
DACの間で抵抗ラダー回路を共有するか、または抵抗
ラダー回路の両端の電圧を共通化することができる。こ
れにより、DAC間のばらつきの影響を受けず、DAC
を切り替えても精度上の問題が出ないので好都合であ
る。
【0057】また、ルックアヘッドの段数は1段先読み
について実施例で述べた。すなわち、次に来るべきデー
タを1か0かを先行してDACに出させるものを例とし
て述べた。しかし、DACデコード速度およびDAC整
定時間に対してさらに速いクロックが必要な場合、回路
規模は増大するが、2段先読みも可能である。
【0058】すなわち、二つの時刻のデータak,ak
−1を先に仮定してDACに準備させる方法である。a
k,ak−1=00,01,10,11の4通りの場合が
考えられ、4つのDACに準備動作に入らせ、ak−1
の時点でak−1が決まるので、4つの内二つが不要に
なり、二つはさらに準備を続けさせる。つぎにakが決
まった時点で最終の出力を出させる方式である。DAC
デコードとDAC整定に3クロック掛けられるため、回
路は十分に整定し、精度よく演算結果を出すことができ
る。
【0059】また、マルチレベルディシジョンフィード
バックイコライザーに適用した場合は4クロック時間を
DACデコード、DAC整定に費やすことができる。
【0060】更に、前記引算器3を加算器に変更するこ
とができる。その場合には、アナログ帰還量の極性を今
までの説明とは逆極性にすればよい。
【0061】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記
の通りである。
【0062】すなわち、フィードバックフィルタ演算及
びディジタル・アナログ変換動作を従来の動作タイミン
グに比べて先行させることができるから、判定手段の出
力に応答したアナログ帰還量を即座に演算手段に供給で
きる。換言すれば、動作速度が有限なディジタル・アナ
ログ変換手段を用いた帰還等化処理において、ディジタ
ル・アナログ変換手段によるデコード時間および整定時
間を見掛け上無視することができる。これにより、判定
帰還等化器に大幅に高速な動作クロック周波数を用いる
ことが可能になる。
【0063】判定帰還等化器を、記録ディスクから読み
取られた信号を再生する再生信号処理に適用される場合
には、記録情報転送速度の高速化に寄与することができ
る。
【0064】また、見方を変えれば、低速だが低電力な
ディジタル・アナログ変換手段を用いても必要な動作ク
ロック周波数が得られるように判定帰還等化器を設計す
ることが可能であり、低電力の判定帰還等化器を設計す
ることが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る判定帰還等化器の第1の例を示す
ブロック図である。
【図2】フィードバックフィルタ及びディジタル・アナ
ログ変換回路の動作タイミングを代表的に示すタイミン
グ図である。
【図3】専らDACの動作に着目した判定帰還等化器の
動作タイミングの一例を全体的に示すタイミング図であ
る。
【図4】本発明に係る判定帰還等化器の第2の例を示す
ブロック図である。
【図5】第2の例におけるフィードバックフィルタ及び
ディジタル・アナログ変換回路の動作タイミングを代表
的に示すタイミング図である。
【図6】第2の例において専らDACの動作に着目した
判定帰還等化器1の動作タイミングの一例を全体的に示
すタイミング図である。
【図7】マルチレベルの判定帰還等化器の例を示すブロ
ック図である。
【図8】図7のMDFEの動作タイミングの一例を示す
タイミング図である。
【図9】DFEの原理的な構成を示すブロック図であ
る。
【図10】アナログ・ディジタル混載回路で構成したD
FEの動作タイミングの一例を示すタイミング図であ
る。
【符号の説明】
1 判定帰還等化器 2 フィードフォワードフィルタ 3 引算器 4 判定器 5 フィードバックフィルタ 5α フィードバックフィルタ 5aA,5aB〜5dA,5dB フィルタ演算ユニッ
ト 5G1 第1フィルタ演算グループ(FBF−Set
A) 5G2 第2フィルタ演算グループ(FBF−Set
B) 6a〜6d セレクタ 7 ディジタル・アナログ変換回路 7α ディジタル・アナログ変換回路 7a〜7d ディジタル・アナログ変換ユニット 7G1 第1変換グループ(DAC−SetA) 7G2 第2変換グループ(DAC−SetB) 8、8α 選択回路 8a〜8c セレクタ 9 制御回路 9α 制御回路 10 アンプ 11 復号回路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号の論理値を判定する判定手段
    と、前記判定手段による判定結果の系列よりディジタル
    帰還量を発生するフィードバックフィルタ手段と、前記
    ディジタル帰還量をアナログ帰還量に変換するディジタ
    ル・アナログ変換手段と、符号間干渉を有する信号波形
    を整形するフィードフォワードフィルタ手段と、前記フ
    ィードフォワードフィルタ手段の出力に対して逆極性の
    前記アナログ帰還量を前記フィードフォワードフィルタ
    手段の出力に加算し、又は、前記フィードフォワードフ
    ィルタ手段の出力に対して同極性の前記アナログ帰還量
    を前記フィードフォワードフィルタ手段の出力から減算
    する演算手段とを有する判定帰還等化器であって、 前記フィードバックフィルタ手段は、前記判定手段によ
    る判定結果が採り得る各場合につきディジタル帰還量を
    予め演算する複数のフィルタ演算ユニットを有し、 前記ディジタル・アナログ変換手段は前記フィルタ演算
    ユニットで演算されたディジタル帰還量をアナログ帰還
    量に変換する複数のディジタル・アナログ変換ユニット
    を有し、 前記複数のディジタル・アナログ変換ユニットの出力
    を、前記判定手段の判定結果に従って選択して前記演算
    手段に供給する選択回路が設けられて成るものであるこ
    とを特徴とする判定帰還等化器。
  2. 【請求項2】 前記複数のフィルタ演算ユニットは一つ
    前の判定結果と今回の判定結果とが採り得る4通りの場
    合につきディジタル帰還量を夫々予め演算可能な第1フ
    ィルタ演算グループと第2フィルタ演算グループに分け
    られ、 前記ディジタル・アナログ変換ユニットは前記第1フィ
    ルタ演算グループのフィルタ演算ユニットが演算したデ
    ィジタル帰還量をアナログ帰還量に変換する第1変換グ
    ループと前記第2フィルタ演算グループのフィルタ演算
    ユニットが演算したディジタル帰還量をアナログ帰還量
    に変換する第2変換グループとに分けられ、 前記第1フィルタ演算グループによる演算に並行して前
    記第2変換グループの出力動作が行なわれ、前記第2フ
    ィルタ演算グループによる演算に並行して前記第1変換
    グループの出力動作が行なわれるものであることを特徴
    とする請求項1記載の判定帰還等化器。
  3. 【請求項3】 前記第1フィルタ演算グループは、これ
    による演算に並行して動作される前記第2変換グループ
    の出力を選択するための判定結果に基づいて、一つ前の
    判定結果と今回の判定結果とが採り得る4通りのディジ
    タル帰還量の内から前記一つ前の判定結果に応ずる2通
    りのディジタル帰還量を選択して第1変換グループに与
    えるものであり、また、前記第2フィルタ演算グループ
    は、これによる演算に並行して動作される前記第1変換
    グループの出力を選択するための判定結果に基づいて、
    一つ前の判定結果と今回の判定結果とが採り得る4通り
    のディジタル帰還量の内から前記一つ前の判定結果に応
    ずる2通りのディジタル帰還量を選択して第2変換グル
    ープに与えるものであることを特徴とする請求項2記載
    の判定帰還等化器。
  4. 【請求項4】 前記複数のフィルタ演算ユニットは2個
    1組として3組設けられ、前記ディジタル・アナログ変
    換ユニットは前記各組から選択された一方のフィルタ演
    算ユニットの出力に1づつ接続可能にされ、 前記3組のフィルタ演算ユニットの内2組のフィルタ演
    算ユニットを用いて一つ前の判定結果と今回の判定結果
    とが採り得る4通りの場合につきディジタル帰還量を予
    め演算し、これに並行して、残り一組のフィルタ演算ユ
    ニットに接続されるディジタル・アナログ変換ユニット
    の出力動作が行われるものであることを特徴とする請求
    項1記載の判定帰還等化器。
  5. 【請求項5】 ディジタル帰還量を予め演算する2組の
    フィルタ演算ユニットは、これに並行して出力動作され
    る一つのディジタル・アナログ変換ユニットの出力を選
    択するための判定結果に基づいて、一つ前の判定結果と
    今回の判定結果とが採り得る4通りのディジタル帰還量
    の内から一つ前の判定結果に応ずる2通りのディジタル
    帰還量を選択して残り2つのディジタル・アナログ変換
    ユニットに与えるものであることを特徴とする請求項4
    記載の判定帰還等化器。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1項記載の判定
    帰還等化器が1個の半導体チップに形成されて成るもの
    であることを特徴とする半導体集積回路。
  7. 【請求項7】 前記符号間干渉を有する信号波形を出力
    するアンプを更に有し、前記判定器の出力を復号する復
    号回路を有し、記録ディスクから読み取られた信号を再
    生するための再生信号処理に用いられるものであること
    を特徴とする請求項6記載の半導体集積回路。
JP10215308A 1998-07-30 1998-07-30 判定帰還等化器 Withdrawn JP2000049664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10215308A JP2000049664A (ja) 1998-07-30 1998-07-30 判定帰還等化器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10215308A JP2000049664A (ja) 1998-07-30 1998-07-30 判定帰還等化器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000049664A true JP2000049664A (ja) 2000-02-18

Family

ID=16670178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10215308A Withdrawn JP2000049664A (ja) 1998-07-30 1998-07-30 判定帰還等化器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000049664A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004242327A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Fujitsu Ltd 検出回路における受信信号処理
WO2018003057A1 (ja) 2016-06-30 2018-01-04 株式会社ソシオネクスト 等化回路、受信回路、及び半導体集積回路

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004242327A (ja) * 2003-02-07 2004-08-26 Fujitsu Ltd 検出回路における受信信号処理
WO2018003057A1 (ja) 2016-06-30 2018-01-04 株式会社ソシオネクスト 等化回路、受信回路、及び半導体集積回路
CN109417399A (zh) * 2016-06-30 2019-03-01 株式会社索思未来 均衡电路、接收电路以及半导体集成电路
US10498525B2 (en) 2016-06-30 2019-12-03 Socionext Inc. Equalizer circuit, reception circuit, and semiconductor integrated circuit
CN109417399B (zh) * 2016-06-30 2022-02-08 株式会社索思未来 均衡电路、接收电路以及半导体集成电路

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6061010A (en) Dual return-to-zero pulse encoding in a DAC output stage
JPS6360568B2 (ja)
US6222478B1 (en) Pipeline analog-to-digital conversion system using a modified coding scheme and method of operation
US6621438B1 (en) Digital-to-analog conversion with current path exchange during clock phases
JP2679658B2 (ja) A/d変換器
JP2000049664A (ja) 判定帰還等化器
JP2000036748A (ja) デジタル−アナログ変換器
JPH086807A (ja) ふたつの多元ビットディジタルワード間のハミング距離を決定するための方法並びに装置
JP3142747B2 (ja) オーバーサンプリングda変換器
JP2001077870A (ja) 多値信号伝送システム
JPH06326609A (ja) Adコンバータ及びディジタル信号再生処理装置
JP2001350497A (ja) 信号処理回路
JPH05244003A (ja) 巡回型マルチステップ方式a/d変換器
JPH01229524A (ja) D/a変換装置
JP3186324B2 (ja) 量子化レベル算出方法及び装置
JP2506862B2 (ja) 適応形デルタ変調復号化装置
JPH0354490B2 (ja)
JPS61214656A (ja) フエ−ド回路
JPS6029030A (ja) アナログ・デジタル変換器
KR900007931B1 (ko) 아나로그/디지탈 변환기의 디지탈 데이타 오차 보정회로
JP3083119B2 (ja) 適応デルタ変調方式を利用した符号化/復号化回路
JPS6329443B2 (ja)
JPH10163879A (ja) Dsv制御方法及びその装置
JPH09130273A (ja) データ検出回路
JPH08293792A (ja) 情報信号処理方法及び情報信号処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20051004